JP3410322B2 - 鉄道車両の運行制御装置 - Google Patents

鉄道車両の運行制御装置

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JP3410322B2
JP3410322B2 JP7599497A JP7599497A JP3410322B2 JP 3410322 B2 JP3410322 B2 JP 3410322B2 JP 7599497 A JP7599497 A JP 7599497A JP 7599497 A JP7599497 A JP 7599497A JP 3410322 B2 JP3410322 B2 JP 3410322B2
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両の運行制
御装置、特に移動閉塞方式また列車検知器を用いて列
車位置検知をする方式の鉄道における連動制御方式に関
わる。
【0002】
【従来の技術】従来、固定閉塞方式の鉄道での連動装置
は、電磁リレー回路による継電連動装置、またマイクロ
コンピュータを利用して連動論理を実現させる電子連動
装置が用いられている。これらの連動装置は、外部から
の進路設定要求と、信号機、転轍器、軌道回路等の現場
機器からの入力をもとに安全に信号機、転轍器を制御す
るものである。
【0003】ところが固定閉塞方式の場合、列車との情
報の送受信を行わないので列車がどの位置で停止するか
がわからない。そのため進路を解除する際には接近鎖
錠、保留鎖錠、時間鎖錠等の時素鎖錠機能により、信号
機が赤現示になってから全ての種類の列車が停止できる
までの十分な時間をとってから進路を解除する構成にな
っている。また、信号機は進路が復位されている時と進
路内に列車が存在する場合には赤を現示し、信号機が赤
になっている間はその信号機が防護する区間に列車が進
入することを禁止することにより安全の確保をしてい
る。
【0004】一方、移動閉塞方式の連動装置に関して
は、文献(「CARAT用次世代連動装置の開発」第3
0回鉄道におけるサイバネティクス利用国内シンポジウ
ム論文集、P231〜235)がある。この文献の方式
の特徴は、軌道回路にかわる概念として、ブロックを提
案している。各進路は複数のブロックから構成され、各
ブロックには1台以上の列車が在線可能である。従っ
て、固定閉塞式に比べて、1進路に複数の列車が進入可
能であり列車運行の効率化が可能である。また、進路復
位の場合には未進入の列車の停止可能位置により、進路
復位をしてよいか判断する。そのため固定閉塞方式のよ
うに、接近鎖錠、保留鎖錠という時素鎖錠を用いる必要
がなく、効率よく列車の運行が可能である。
【0005】また、移動閉塞方式に関する従来例として
は、特開平8―2416号公報がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】固定閉塞方式での連動
装置には次の問題がある。
【0007】第1に、各進路は進路の入り口の信号機に
よって防護される、つまり進路内に列車が存在する場合
は、信号機が赤を現示し、他の列車はその進路に進入で
きない。このため、駅構内に進入できる列車本数が大き
く制限される。
【0008】第2に、固定閉塞方式では、列車の停止位
置がわからないため、進路を解除するまえに駅へ接近中
の列車が完全に停止できるまでの時間待って進路解除す
る接近鎖錠や、過走防御区間の鎖錠を実施する必要があ
った。このため駅構内の設備を同時に多くの列車が使用
するのが困難である。
【0009】第3に、固定閉塞方式では、駅構内設備と
して、多数の信号機、軌道回路が必要である。これらの
設備は安全のためのメンテナンスのコストが大きくかか
る。一方、上記文献で示された移動閉塞型の連動装置で
は、上に挙げた固定閉塞式の問題点はないが、駅構内で
も各列車に設置された列車位置測定装置を用いて列車の
間隔制御を行うため列車の位置測定装置の測定誤差が、
駅構内での列車制御の問題点となる。
【0010】また、列車上の位置測定装置は、線路上の
ある基準点からの距離として位置を計算する。そのた
め、駅構内のように何本もの線路が並行して設置されて
いる場合には、どの線路上に列車が存在するかがわから
ず、連動装置内部で各列車が存在する線路を計算する必
要が生じる。このため、連動装置内部での計算が複雑に
なり、ソフトウェア上のエラーが発生する可能性が高く
なる。
【0011】また、上記文献の連動装置は、列車上の位
置測定装置の情報を用いて動作するので、位置検知装置
が誤動作すれば、駅構内での列車の衝突や脱線の危険が
生じる。また、連動装置内部で、重要でない(安全上必
要でない)列番情報等も扱っており、(安全上)重要な
処理と(安全上)重要でない処理が分類されていない。
このことにより、(安全上)重要でない処理のエラーに
よって(安全上)重要な処理も失敗する可能性がある。
【0012】また、上記特開平8―2416号公報で
は、連動処理に関しては詳細な記述はなされていない。
【0013】本発明は、上述したような問題を解決しよ
うとするもので、移動閉鎖方式の鉄道において、駅構内
での進路設定、解除を安全に効率よく実施することがで
きる鉄道車両の運行制御装置を提供することを目的とす
るものである。
【0014】本発明の他の目的は、線路上のある区間に
いる列車を検知する軌道回路の代わりに、地点上の列車
を検知する検知装置を用いることにより、検知装置の設
置作業が簡単であり、またメンテナンスも実施しやすい
鉄道車両の運行制御装置を提供することにある。
【0015】本発明の更に他の目的は、誤動作する確率
が少ない鉄道車両の運行制御装置を提供することにあ
る。
【0016】本発明の更にまた他の目的は、駅構内に検
知装置を設置することにより、駅構内での列車位置を正
確に知ることができ、列車上の位置測定装置が誤動作し
た場合にも、駅構内列車の制御のための最低限の安全性
を確保することができる鉄道車両の運行制御装置を提供
することにある。
【0017】本発明の別の目的は、連動処理部を可能な
限り他の処理部と独立した構成とすることにより、他の
処理でのエラーの影響を受けにくく、安全性が高い鉄道
車両の運行制御装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明では、駅構内の線
路上に地点上を列車が通過することを検知する列車位置
検知装置を、転轍器、ホームトラック等の、保安上列車
が存在を確認する必要のある区間を囲む形で配置し、こ
れらの列車位置検知装置からの正確な列車位置検知情報
を用いて、駅構内の列車間隔制御を実現する。また、地
上装置の連動処理部への入力情報は、装置の動作のため
に不可欠な進路設定指令と安全上不可欠な検知器と転轍
器からの状態通知に制限し、連動処理部からの出力情報
は安全上不可欠な転轍器への制御出力と、列車停止位置
を作成するための情報に制限する。
【0019】の発明に係る鉄道車両の運行制御装置
は、列車に搭載されて、列車位置を測定する車載装置
と、前記車載装置と通信を行い、該車載装置からの列車
位置情報に基づいて列車停止位置情報を作成し、その停
止位置情報に基づいて列車の進路を選択し、その選択さ
れた列車進路と駅構内における列車位置情報と転轍器か
らの転轍器状態情報とに基づいて転轍器を制御する地上
装置とを備えると共に、転轍器やホームトラック等の防
護区間に列車が存在することを検知して前記駅構内にお
ける列車位置検知情報を発生する列車位置検知装置を設
けたものである。 また、前記地上装置は、少なくとも前
記車載装置からの列車位置情報に基づいて列車停止位置
情報を作成する停止位置情報作成部と、前記停止位置情
報作成部により作成された列車停止位置情報と予め決め
られた列車ダイヤとに基づいて列車の進路設定指令を発
生する進路選択部と、前記進路選択部からの進路設定指
令と前記列車位置検知装置からの列車位置検知情報と前
記転轍器からの転轍器状態情報とに基づいて転轍器を制
御する連動処理部とを備えたものである。 また、前記停
止位置情報作成部は、前記連動処理部から転轍器情報及
び鎖錠情報を入力して、これら情報と前記車載装置から
の列車位置情報とに基づいて前記列車の停止位置情報を
作成するものである。 また、前記停止位置情報作成部が
誤動作した場合にも、駅構内で列車が安全に運行できる
ために、地上に列車位置検知装置に対応した信号発信装
置を設置し、列車にはその受信装置を備えるものであ
る。 また、線路上に設置する検知装置の数を減らすた
め、実際に線路上に配置した列車位置検知装置と、論理
上の検知装置の対応を示す検知器対応テーブルを備える
ものである。 また、列車上の列車位置測定装置が誤動作
した場合にも、駅構内で列車を安全に運行させるため
に、転轍器やホームトラックの防護区間に加えて、それ
らを含まない線路上の区間においても防護区間を設定す
るための防護区間鎖錠処理テーブルを備えるものであ
る。 また、線路の利用効率を向上させるために、転轍器
やホームトラックを含まない線路上の区間に列車位置検
知装置を増設することにより防護区間を分割して処 理す
るものである。 また、従来の軌道回路を用いた鉄道車両
の運行制御装置から前述した記載の鉄道車両の運行制御
装置に移行する時に、前記列車位置検知装置として検知
器の代わりに軌道回路を用いて前述した記載の鉄道車両
の運行制御装置を実現し、また前記軌道回路から検知器
を用いた列車位置検知装置への移行も簡単に実行できる
ように、転轍器からの情報を検知器からの情報の形式に
変換する機能を備えるものである。 さらに、前記列車位
置検知装置は、従来の軌道回路の代わりに、軌道回路の
両端に相当する位置に設置され、ある地点上に列車が存
在することを検知する列車位置検知器により構成され、
該列車位置検知器により前記軌道回路の落下/扛上情報
と同等の情報を作成するものである。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面により説明する。
【0030】[本発明の前提条件]先ず、本発明を実施
する上で前提条件となる移動閉塞方式と列車位置検知器
について、添付図面により説明する。
【0031】図1は本発明の前提となる移動閉塞方式の
鉄道のシステム概要を示している。この図において、符
号1−1、1−2は列車であり、各列車1−1、1−2
は、地上装置との情報送受信のための無線装置、列車位
置を測定する列車位置測定部、与えられた列車停止位置
で停止するように列車を制御する列車速度制御部を備え
ている。各列車1−1、1−2は、周期的に自列車の列
車位置を地上装置1−3に送信し、地上装置1−3から
自列車の目標停止位置情報を受け取り、この目標停止位
置に基づいて制御される。
【0032】一方、地上装置1−3は各列車1−1、1
−2との情報送受信を地上無線装置1−4により行う。
また、列車が駅間を走行中の場合には、先行列車1−2
からの列車位置情報に基づいて、後続列車1−1の目標
停止位置を停止位置情報作成部1−5で作成する。
【0033】駅間走行中の列車の目標停止位置の決定方
法は色々あるが、基本的な手法は次の通りである。
【0034】後続列車の目標停止位置=(先行列車の列
車位置)―(列車長)―(余裕分) さて、地上装置1−3はこのようにして計算した目標停
止位置を列車に折返し送信する。後続列車1−1は上記
目標停止位置で列車が停止するように制御されるので、
先行列車1−2に衝突することはない。地上と列車間の
情報送受信の間に、先行列車1−2は前方に進むから情
報遅れにより列車1−1、1−2が衝突することもな
い。更に、周期的に目標停止位置を更新していくことに
より、各列車1−1、1−2はスムーズに走行すること
が可能である。
【0035】なお、駅構内での目標停止位置の決定は、
上述したように決定した目標停止位置と連動処理部1−
8で作成する鎖錠情報とに基づいて安全な目標停止位置
を決定する。この鎖錠情報と目標停止位置の決定方法
は、本発明に大きく関わる部分であるので、後に詳しく
説明する。
【0036】さて、進路選択部1−6は上記列車位置情
報と、当日の列車ダイヤを基に適切なタイミングで次に
とるべき進路を選択し、進路設定要求を連動処理部1−
8に送信する。なお、適切なタイミングとは通常、駅構
内に進入する列車に対しては、駅手前のある位置を越え
た時点であり、駅から出発する列車に対しては、ダイヤ
上の出発時間の数十秒前である。
【0037】次に、連動処理部1−8は、駅構内装置に
より、ある転轍器の定位/反位情報、列車位置検知装置
による列車位置情報、進路設定指令に基づいて進路設定
を安全に実施し、転轍器を制御し、連動処理部1−8で
作成した鎖錠情報を停止位置情報作成部1−5に渡す。
【0038】図2は、駅構内設備の例である。この駅
は、列車が通過または停車するホームH1〜H3を持っ
ている。D1〜D18は地上に設置された列車位置検知
装置であり、検知器上に列車が存在する場合にはOCC
UPY、存在しない場合にはCLEARという2値の信
号を出力する装置である。P1〜P4は転轍器であり、
定位/反位制御命令を入力とし、制御命令に従って転換
し、また、定位/反位という転轍器状態情報を出力す
る。各検知器D1〜D18は転轍器P1〜P4又はホー
ムを囲む形で設置される。例えば、検知器D1〜D4は
転轍器P1、検知器D8〜D12は転轍器P3及びP
4、検知器D13〜D14はホーム1等である。これら
の駅構内設備からの状態情報と転轍器P1〜P4の制御
命令は全て連動処理部1−8から入出力される。
【0039】実施の形態1. [連動処理部の概要]次に、本発明の実施の形態1によ
る連動処理方式について説明する。この実施の形態1に
よる連動処理方式は、図1の連動処理部(1−8)で、
マイクロコンピュータを用いて実現する。
【0040】第1に、本方式での連動処理プロセスは、
図3に示すように、大きく6つの処理に分けて考えるこ
とができる。なお、以後ファイルと名付けたデータは、
処理結果により内容を書き換えるデータであり、テーブ
ルと名付けたデータは、書き換えをしない固定データで
ある。
【0041】図3において、符号3−1は進路入力処理
部であり、進路選択部1−6からの進路設定指令に従っ
て、進路登録ファイルに進路を記録する。
【0042】3−2は現場機器装置入力処理であり、現
場機器(検知器、転轍器)の状態情報を現場機器状態フ
ァイルに記録する。
【0043】3−3は鎖錠情報解錠処理であり、現場機
器ファイルに基づいて、連動処理部1−8内部で管理す
る鎖錠ファイル(検知器鎖錠ファイル、ホームトラック
鎖錠ファイル)の解錠処理を実施する。
【0044】3−4は進路設定処理部であり、進路登録
ファイルに基づいて、進路設定を実施し、鎖錠ファイル
の鎖錠処理を実施し、進路登録ファイルを書き換え、必
要があれば転轍器制御出力ファイルも書き換える。
【0045】3−5は転轍器制御処理であり、転轍器制
御出力ファイルに従って、現場の転轍器に制御出力す
る。
【0046】3−6は鎖錠情報/転轍器情報出力処理で
あり、連動処理部1−8で作成した鎖錠ファイルの内容
と転轍器から受け取った転轍器状態ファイルを、停止位
置情報作成部1−5に出力する。
【0047】連動処理部1−8は以上の処理を順次実施
していくことにより連動機能を実現する。
【0048】次に、各処理の内容と、関連するファイ
ル、テーブル類について詳しく説明する。
【0049】[進路入力処理]図4に、進路登録ファイ
ルの例を示す。連動処理部1−8は、進路選択部1−6
から進路設定指令を受けると、対応する進路IDと処理
番号1を、他の進路が設定されてない行に設定する。こ
こで、進路IDとは、各進路に固有の進路番号であり、
処理番号とは、後述する進路鎖錠処理テーブルで、進路
毎に定義されている処理手順の番号である。後述する進
路設定処理では、1つの進路に対して複数の処理を実施
する必要があり、進路登録ファイルに処理番号1を設定
するとは、その進路を設定するために1番目の処理を実
施せよという意味である。
【0050】図4では、進路登録リストの1番目に、進
路IN−D−1が処理番号1で設定されており、3番
目、4番目には、それぞれOUT−D−1(処理番号
2)、IN−U3(処理番号1)で設定されている。従
って、次に、例えば進路選部から進路IN−D−2の設
定要求がくれば、リストの2番目にIN−D−2(処理
番号1)と設定する。また、図4で、OUT−D−1に
対する処理番号が2となっているが、このような処理番
号のインクリメントは、後述する進路設定処理で行う。
【0051】図5に、進路登録ファイルへの進路登録処
理のフローチャートを示す。登録処理は進路Rの設定要
求を受け取ると開始し(5−1)、最初にリスト番号N
=1と設定する(5−2)。次に、N番目のリストに既
に進路が登録されているかチェックし(5−3)、登録
されていない場合には、設定要求のあった進路IDと処
理番号1を設定して(5−4)、OKを返して終了する
(5−5)。5−3で、リストに他の進路が登録されて
いた場合は、リスト番号Nを1増やし(5−6)、リス
トの最大値MAXを越えていない時には、再び5−3を
実行する。リストの最大値を越えている場合には、進路
登録を行わず、NGを返して処理を終了する。
【0052】[現場機器装置入力処理]図6、7に現場
機器状態ファイルの例を示す。図6は、検知器状態ファ
イルの例であり、各検知器D1〜D18毎にメモリの1
ビットが割り当てられる。各検知器D1〜D18がCL
EAR状態の時、メモリは1と書き換え、OCCUPY
の時に0と書き換える。図6の場合、検知器D1、D3
がCLEAR状態であり、検知器D2がOCCUPY状
態である。
【0053】図7は、転轍器状態ファイルの例であり、
各転轍器毎にメモリの2ビットが割り当てられる。各転
轍器が定位(NORMAL)の場合、NORMALビッ
トを1、REVERSEビットを0と書き換え、反位
(REVERSE)の場合、NORMALビットを0、
REVERSEビットを1と書き換える。転轍器が動作
中の場合には、REVERSE、NORMALビットと
もに、0と書き換える。また、転轍器が故障と判断され
た場合には、REVERSE、NORMALビットとも
に、1と書き換えるが、この処理のみは、後述する転轍
器制御出力処理によって実施される。
【0054】[鎖錠情報解除処理]最初に、連動処理部
1−8で作成する鎖錠情報ファイルについて説明する。
本発明では、列車検知器毎に持つ検知器鎖錠情報ファイ
ルと、ホーム毎に持つホームトラック鎖錠情報ファイル
がある。
【0055】第1に、各列車検知装置D1〜D18は論
理的に(LOCK/UNLOCK)の検知器鎖錠情報を
持つ。また、LOCK側の鎖錠情報は(UP/DOW
N)という列車の走行方向の情報を持つ。
【0056】検知器鎖錠情報ファイルの例を図8に示
す。検知器鎖錠情報ファイルでは、各検知器毎にメモリ
の3ビット(UNLOCK、LOCK−UP、LOCK
−DOWN)が割り当てられる。この例では、検知器D
1がDOWN側にLOCK、検知器D2がUNLOC
K、検知器D3がUP側にLOCKとなっている。
【0057】この鎖錠情報は、通常UNLOCKに設定
されており、後述する進路設定処理において進路上の列
車検知装置の鎖錠情報がLOCKに設定される。
【0058】また、鎖錠状態がLOCKである場合、対
応する検知器の検知器状態ファイルが(CLEAR→O
CCUPY→CLEAR)と変化した時に、鎖錠状態が
UNLOCKに設定される。
【0059】図9は、ある検知器からの出力と鎖錠情報
の変化の関係を示す。9−1において、列車は検知器上
にいないから検知器からの出力はCLEARである。ま
た、この時鎖錠状態はLOCKになっているとする。次
に9−2では列車が検知器上を通過中なので検知器の出
力はOCCUPYに変化する。一方、鎖錠状態はLOC
Kのままである。最後に9−2では、列車が検知器上を
通過し、検知器の出力は再びCLEARとなる。この時
点で、鎖錠状態をUNLOCKに変化させる。第2に、
各ホームは(CLEAR、OCCUPY、LOCK)の
3値のホームトラック鎖錠情報を持ち、それぞれ、列車
がホームに在線しないこと、ホームに在線すること、あ
る進路によってホームが鎖錠されたことを意味する。
【0060】ホームトラック鎖錠情報ファイルの例を図
10に示す。各ホームトラック毎にメモリの3ビット
(CLEAR、OCCUPY、LOCK)が割り当てら
れる。この例では、H1がCLEAR、H2がOCCU
PY、H3がLOCKに設定されている。
【0061】この鎖錠情報は通常CLEARに設定され
ており、後述する進路設定処理においてLOCKに設定
される。
【0062】また、鎖錠状態がLOCKであるとき、ホ
ームを囲む列車検知器の検知器鎖錠情報が(LOCK→
UNLOCK)と変化した時にホームトラック鎖錠状態
がOCCUPYに設定される。また、ホームトラック鎖
錠状態がOCCUPYである時にはCLEARに設定さ
れる。
【0063】図11は、検知器鎖錠情報の変化とホーム
トラック鎖錠情報の変化の関係を説明するものである。
11−1で、ホームトラック鎖錠情報及びホームトラッ
クを囲む2つの検知器鎖錠情報共にLOCKに設定され
ている(検知器鎖錠情報は下り方向にLOCKされてい
る)。この状態で、下り方向から列車がホームトラック
に進入し、停車した状態が11−2である。この時点で
は、左側の検知器鎖錠情報がUNLOCKに変化し、こ
れに従ってホームトラック鎖錠情報も(LOCK→OC
CUPY)と変化する。次に上記列車が出発し、ホーム
トラックから下り方向に進出した状態が11−3であ
る。この時点で、右側の検知器鎖錠情報がUNLOCK
に変化し、これに従ってホームトラック鎖錠状態も(O
CCUPY→CLEAR)と変化する。
【0064】なお、保安性を高めるために、図12のよ
うに、ホームトラックに列車が停止する位置内に、検知
器を増設することも可能である。この場合、上記の方法
に加えて、ホームトラック鎖錠情報は検知器D−H1が
OCCUPY状態になればOCCUPY状態に変化す
る。また、ホームトラック鎖錠情報は検知器D−H1が
CLEARになるまで、CLEARには設定されない。
【0065】[進路設定処理]次に、本発明の連動処理
部1−8での進路設定処理を述べる。連動処理部1−8
は、図1で述べたように、進路選択部1−6から進路設
定指令を受ける。この進路設定指令を受けると、連動処
理部1−8は進路入力処理でその進路を進路登録ファイ
ルに登録する。進路設定処理では、進路毎の鎖錠の手順
を示した進路鎖錠処理手順テーブルに従って、対応する
進路上にある検知器鎖錠情報、ホームトラック鎖錠情報
を順にLOCKに設定する。この時、転轍器に鎖錠する
ときの手順を示した転轍器鎖錠処理テーブル、ホームト
ラックを鎖錠するときの手順を示したホームトラック鎖
錠処理テーブルを用いる。以下で、各テーブルの内容を
説明する。
【0066】図13に転轍器鎖錠処理テーブルの例を示
す。転轍器鎖錠処理テーブルは、転轍器とそれを囲む検
知器毎に作成する。図13は図2の転轍器P1に関する
転轍器鎖錠処理テーブルの例である。13ー1には転轍
器名が、13ー2にはその転轍器を囲む検知器の名前が
示されている。以後、これらの検知器で囲まれた部分を
転轍器の防護区間と呼ぶ。4行目以降の各行は処理ID
に対応する処理手順が示されている。ここで、検知器D
X、DYはそれぞれ該当する転轍器を渡る進路で、防護
区間への入口、出口にある検知器である。例えばP1−
1は検知器D1から進入して検知器D2へ進出する場合
であり、「鎖錠」は検知器DX、DYを鎖錠する場合の
方向を示す。また、各処理では、転轍器を「転轍器方
向」欄の向きに制御してから検知器DX、DYを鎖錠す
る。
【0067】図14に、転轍器鎖錠処理テーブルに基づ
く処理プロセスのフローを示す。このプロセスは、処理
IDを受け取り(14−1)、その処理IDに対応する
検知器DX、DYの鎖錠状態をチェックする(14−
2)。いずれかがLOCKされている場合には、NGを
返して処理を終了する(14−3)。どちらもUNLO
CKの場合には、転轍器が所定方向(転轍器方向欄の方
向)を向いているかチェックする(14−4)。向いて
いる場合には、検知器DX、DYの鎖錠情報を、所定方
向のLOCKに設定し、OKを返す。向いていない場合
には、「防護検知器」欄に記載された全ての検知器がU
NLOCKであるかチェックし(14−7)、LOCK
されている場合には、NGを返し処理を終了する。全て
UNLOCKである場合には、後述する転轍器制御出力
ファイルをチェックし(14−8)、書込可能の場合に
は、転轍器転換命令を書き込み(14−9)、NGを返
して処理を終了する。
【0068】なお、転轍器制御出力ファイルに書込可能
とは、次のことを示す。すなわち、転轍器制御出力ファ
イルには、各転轍器毎に1つの制御命令しか書き込むこ
とができない。そのため、既に定位(または反位)の命
令が書き込まれている場合には、書込不可能となる。ま
た、転轍器転換命令の書込手順については、転轍器制御
出力処理の項で詳細に説明する。
【0069】次に図15に、ホームトラック鎖錠処理テ
ーブルの例を示す。ホームトラック鎖錠処理テーブル
は、ホームとそれを囲む検知器毎に作成する。図15は
図2のホーム1に関するホームトラック鎖錠処理テーブ
ルの例である。15ー1にはホーム名が、15ー2には
そのホームを囲む検知器の名前が示されている。以後、
これらの検知器で囲まれた部分をホームの防護区間と呼
ぶ。4行目以後の各行には、処理IDに対応する処理手
順が示されている。ここで、検知器は鎖錠処理を行う検
知器であり、「ホーム鎖錠」欄がCHKである場合に
は、ホームトラックが鎖錠されているかチェックしてか
ら検知器を鎖錠する。NOCHKの場合には、ホームト
ラックのチェックはしない。また、「鎖錠」欄には検知
器の鎖錠方向が記載されている。なお、ホームトラック
の鎖錠をチェックするのは、ホームトラックに進入する
進路のための処理の場合のみである。例えば、H1−1
は検知器D13を通ってホームに進入する場合であるか
ら、ホームの鎖錠をチェックする必要があるが、H1−
2はホームから進出する場合であるから、鎖錠をチェッ
クしない。
【0070】図16に、ホームトラック鎖錠処理テーブ
ルに基づく処理プロセスのフローを示す。このプロセス
は処理IDを受け取り(16ー1)、その処理IDに対
応する検知器をチェックする(16−2)。検知器がU
NLOCKされていないならば、NGを返して処理を終
了する。UNLOCKされているなら、ホーム鎖錠のチ
ェックが必要か調べて(16−3)、必要でないなら
(つまりホームトラック鎖錠処理テーブルの「ホーム鎖
錠欄」がNOCHKの場合には)、検知器を所定方向に
LOCKし、ホームトラックをLOCKし(16−
5)、OKを返して処理を終了する。(16−3)でホ
ーム鎖錠のチェックが必要な場合には(つまり「ホーム
鎖錠欄」がCHKの場合には)、ホームトラック鎖錠情
報がUNLOCKであるかチェックする(16−4)。
UNLOCKでないならば(つまりOCCUPYまたは
LOCKの状態ならば)、NGを返して処理を終了す
る。UNLOCKであるならば、検知器を所定方向にL
OCKし、ホームトラックをLOCKしてOKを返し処
理を終了する。
【0071】図17に、進路鎖錠処理テーブルの例を示
す。これは図18に示す7進路に対応する進路鎖錠処理
テーブルである。各行には、進路を設定する時に実施す
る鎖錠処理IDが、処理を実施する順に記述されてい
る。例えば、進路IN−D−1の場合には、図18に示
すように、下り方面へ、転轍器P1、P2を通ってホー
ム1に進入する進路であるから、鎖錠処理は順にP1−
1(転轍器P1の鎖錠処理)、P2−2(転轍器P2の
鎖錠処理)、H1−1(ホーム1の鎖錠処理)を呼び出
す。
【0072】図19に、進路登録リストを用いた鎖錠処
理の実行方法のフローチャートを示す。この処理は上記
進路登録処理を実施した後に開始する。先ず最初に、リ
スト番号N=1と設定し(19−1)、進路登録リスト
のN番目を参照する(19−2)。もし進路が登録され
ているなら(19−3)、進路処理テーブルの該当進路
を参照し(19−4)、対応する進路に対する処理が全
て終了しているかチェックする(19−5)。ここで、
処理が終了しているのは、該当進路の該当処理手順番号
に処理手順が記載されてないことで分かる。例えば、進
路登録リストが(進路ID、処理番号)=(IN−D−
1、4)となっているなら、図17より該当進路IN−
D−1の処理番号4の処理手順はないから、処理は全て
終了したことを意味する。さて、全ての処理が終了して
いない場合は、該当進路の該当処理手順番号の処理を実
行する(19−7)。例えば、進路登録リストが(進路
ID、処理番号)=(IN−D−1、2)となっている
なら、図17よりP2−2の処理を実行する。つまり、
該当する転轍器鎖錠処理テーブルに基づいて図14に示
した処理を実行する(19−9)。さて、処理の返値が
OKならば、N番目のリストの処理番号を1増やす。例
えば、(進路ID、処理番号)=(IN−D−1、2)
で処理結果がOKの場合には、(進路ID、処理番号)
=(IN−D−1、3)とする。次にN=N+1として
(19−10)、Nがリストの最大値MAXを越えてい
れば処理を終了し(19−11)、そうでなければ次の
リストの処理を実施する(19−2)。さて、19−5
で、対応する進路に対する処理が全て終了している場合
には、それを進路登録リストから削除して19−10に
進む。例えば、(進路ID、処理番号)=(IN−D−
1、4)となっている場合には、この情報を削除する。
また、19−8において、返値がOKでない場合には、
処理番号を増やさずに19−10に進む。例えば、(進
路ID、処理番号)=(IN−D−1、2)で処理結果
がNGならば、リストの変更は実施せず、19−10を
実行する。
【0073】次に、検知器、転轍器等の地上設備や進路
が非常に多い大規模駅において、列車運行の安全性を保
つために、連動処理部1−8における1周期の処理をあ
る所定時間内に必ず終了させ、また地上設備や進路が少
ない小規模駅において、所定時間内の1周期でより多く
の進路設定処理を実施することにより、進路設定の効率
を向上させる方法を述べる。
【0074】上述した進路設定処理において、フローチ
ャート図19に示すように、1周期の処理で登録された
進路毎に1つずつの処理を実施する(図19−7)。し
かし、非常に多くの進路が登録されている場合には、全
ての進路に対する処理を終了するまでに多くの時間がか
かり、連動処理部1−8での1周期の時間が長くなる可
能性がある。連動処理部1−8では、1周期に1回現場
機器入力処理を実施するので、1周期の時間が長くなれ
ば、連動処理部1−8は現場機器の状態変化に直ちに対
応することができなくなる。つまり、鎖錠情報解錠処理
が遅れる可能性がある。鎖錠情報解錠処理が遅れるとい
うことは、検知器等のUNLOCKが遅れるということ
であるから、列車運行上危険な状態になる。
【0075】また、逆に進路登録ファイルに登録される
進路が少ない時には、連動処理部の1周期の時間は極め
て短くなる。この場合には、所定時間内に1周期でより
多くの進路設定処理を実施すれば進路設定が早めに終了
でき、駅設備の使用効率が高くなる。
【0076】上記いずれの場合でも、進路設定処理に要
する最大時間を予め決めておき、時間内に終了できない
処理は次の周期の処理にまわし、時間内で可能な限りの
処理を実施する構成にすればよい。このような手法にお
ける進路鎖錠処理のフローチャートを図20に示す。本
フローチャートは図19のフローチャートとほぼ同様で
あるが、破線で囲んだ処理構成が変更されている。本方
式では、第1に進路設定処理に使用した時間を計るため
のタイマーを備え、処理開始時にTIMERの値を0に
リセットする(20−1)。また、処理開始時に、リス
ト番号Nは初期化しない。第2に、進路設定処理の所定
時間Tを持っており、リスト番号をインクリメントした
後に上記TIMERの値と所定処理時間Tを比較し(2
0−13)、所定処理時間を越えていれば、進路設定処
理は終了する。所定時間を越えていない場合には、リス
ト番号がMAXを越えているかチェックし(20−1
4)、越えている場合には、N=1と初期化し(20−
14)、処理を続行する。つまり、時間内であれば再度
進路設定処理を実施する。
【0077】なお、進路設定処理は、具体的には、検知
器、ホームトラックをLOCKする処理であり、これら
の処理が次の周期に回されれば、進路設定の時間が伸び
るだけであり、鎖錠情報解錠処理のように列車運行上危
険な状態は発生しない。
【0078】従って、このような構成にすれば、安全上
の問題はなく、しかも処理周期内に、より多くの進路設
定処理を実施することにより、処理効率も高くなり、駅
設備の使用効率が向上する。
【0079】[転轍器制御出力処理]転轍器制御出力フ
ァイルの例を図21に示す。転轍器制御出力ファイル
は、転轍器毎に転換命令2ビット(NORMAL、RE
VERSE)、転換出力2ビット(NORMAL、RE
VERSE)、タイマー1バイト、カウンター1バイト
で構成される。
【0080】進路設定処理において、転轍器制御出力フ
ァイルをチェックする場合は、転轍器命令ビットが2ビ
ットともクリアされていることを確認する。また、進路
設定処理において転轍器転換命令を書き込むとは、所定
方向のビット(NORMALまたはREVERSE)を
転換命令ビット、転換出力ビットに書き込み、TIME
Rをゼロクリアすることである。
【0081】さて、転轍器制御出力処理では、転轍器制
御出力ファイルに基づいて、転轍器に制御出力するが、
この際、制御出力後一定時間を過ぎても転轍器が所定方
向に転換しない場合には、一旦転轍器を所定方向と逆方
向に制御し、再度、所定方向に制御する。これは、石等
が原因で転轍器が転換できない場合の再試行機能であ
る。数回再試行を実施しても、転轍器が転換しない場合
には、転轍器の故障と判断する。そのため、転換命令ビ
ットは進路設定処理で要求された転轍器の転換方向を記
録し、転換出力ビットには、実際に転轍器に出力する方
向を記録する(再試行を実施する場合には、このビット
に一旦転換命令ビットと逆方向のビットが設定され
る)。タイマーは、再試行を実施するまでの所定時間を
測るために用いられ、カウンターは再試行の回数を記録
するために用いられる。
【0082】転轍器制御出力処理の1つの転轍器に対す
るフローチャートを図22に示す。この図に示すよう
に、最初にファイル内のタイマーをインクリメントし
(22−1)、次に転換命令ビットがセットしてあるか
チェックする(22−2)。もしセットされてないなら
ば、進路設定処理で転轍器の転換が必要でなかったか、
あるいは転換処理が既に終了しているかなので何もせず
に終了する(22−11)。転換命令ビットがセットさ
れている場合には、転換出力ビットと転轍器状態ファイ
ルの対応する転轍器の状態が同方向になっているかチェ
ックする(22−3)。もし、同方向であるのなら、制
御出力と転轍器状態が一致しているということであり、
転轍器制御出力ファイルの転換出力ビットと転換命令ビ
ットが同方向に設定されているかチェックする(22−
4)。もし、同方向であるのなら、進路設定処理で要求
した方向(転換出力ビット)と実際に出力した方向(転
換命令ビット)と転轍器の検出結果(転轍器状態ファイ
ルのビット)とが全て同じであるから、転轍器転換が終
了したことになる。そこで、対応する転轍器の転轍器状
態ファイルの全てのデータをクリアし(22−5)、転
換処理を終了する。
【0083】(22−4)で、転換出力ビットと転換命
令ビットが異なる方向を向いている場合は、「転轍器が
所定時間内に転換しなかったため、一旦逆方向に転轍器
を転換した」状態であるから、再試行が何回行われたか
チェックする。すなわち、カウンター値が所定の回数N
より大きいかチェックする(22−8)。カウンターが
所定回数より大きい場合には転轍器の故障と判断し、転
轍器状態ファイルを故障状態に設定し、処理を終了する
(22−13 )。
【0084】(22−8)で、カウンター値が所定回数
N以下の場合には、転換再試行を続行するために、転換
出力ビットを反転させ、カウンターをインクリメント
し、タイマーをリセットする(22−9)。最後に転換
出力ビットの方向に転轍器制御出力する(22−1
0)。
【0085】(22−3)で、転換出力ビットと転轍器
状態ファイルのビットが同方向でない場合には、転轍器
が制御出力方向にまだ転換していないということであ
る。そこで、タイマー値をチェックして、制御出力した
時間から所定時間T経過したかチェックする(22−
7)。タイマー値が所定時間を過ぎている場合には、再
試行を実施するために(22−8)へ進む。所定時間を
過ぎていない場合には、継続して制御出力するために
(22−10)へ進む。
【0086】[鎖錠情報/転轍器情報出力処理]本処理
では、停止位置情報作成部1−5での停止位置作成、現
場機器の状態通知のために現場機器状態ファイルと鎖錠
情報ファイルを停止位置情報作成部1−5に送信する。
送信処理が終了すれば、連動処理部1−8での1サイク
ルの処理が全て終了するので、再び進路入力処理を実行
する。
【0087】[停止目標位置の設定]次に、上記検知器
鎖錠情報ファイル、ホームトラック鎖錠情報ファイルを
用いて、停止位置情報作成部1−5でなされる駅構内で
の停止位置決定方法について述べる。この処理は連動処
理部1−8外で行われるものであるが、安全上重要な処
理であり、本発明と深く関わる処理である。
【0088】図23は、駅に進入する下り列車23−1
の停止位置作成方法を表している。なお、停止位置情報
作成部1−5では、列車23−1の先行列車の位置から
計算した停止目標位置を既に計算しているものとする。
さて、停止位置情報作成部1−5では、下り列車23−
1の進入方向と転轍器の向きより、順に検知器鎖錠情報
を走査していく。図23では、2つの転轍器はそれぞれ
検知器D1−D2方向及び検知器D5−D6方向を向い
ているので、検知器を走査する順序はD1、D2、D
5、D6…となる。この走査は、検知器が列車の進行方
向にLOCKされていない検知器まで行う。図23で
は、D1、D2、D5、D6は列車の進行方向にLOC
Kされており、D13は進行方向にLOCKされていな
い(つまりUNLOCKされている)。従って、検知器
の走査はD13で終了する。停止位置情報作成部1ー5
では、この検知器D13の位置から安全のための余裕分
を引いた停止位置と先行列車による目標停止位置とを比
べて安全側、つまり列車23−1に近い側を目標停止位
置とする。図23では、検知器D13による停止位置が
安全側なので、これが最終的な目標停止位置になる。
【0089】図24に、上記方法のフローチャートを示
す。24−1で列車の進入(進出)する側にある最初の
検知器を調べ、これを鎖錠情報をチェックする検知器D
に設定する。24−2で、検知器Dが列車の進入(進
出)方向と同じ向きにLOCKされているかチェックす
る。同じ向きにLOCKされていない場合(逆方向にL
OCKされているか又はUNLOCKになっている場
合)には、24−6の処理に進む。同じ向きにLOCK
されている場合には24−3へ進み、次の対象検知器を
探索する。次の検知器が存在する場合には、その検知器
を次の走査対象検知器Dに設定し、24−2に戻る。次
の検知器が存在しない場合には、列車が通過する進路は
全て進行方向にLOCKされているから、先行列車によ
る目標停止位置を最終的に目標停止位置に設定して終了
する。さて、24−6の場合つまり走査対象の検知器D
が列車の進行方向と同じ向きにLOCKされていないと
きには、その検知器Dの位置から安全のための余裕分n
M手前の位置Xを計算する。次に、24−7で上記Xと
先行列車による目標停止位置とを比較し、安全側を最終
的な目標停止位置とする。
【0090】[動作例]次に、上記の連動制御方式の動
作例を示す。
【0091】[基本的な進路設定]図25では、現在上
り進路OUT−U−3が設定された状態であり、下り方
向は進路未開通状態である。今、連動処理部1−8が進
路選択部1−6から進路IN−D−1の進路設定指令を
受け取ったする。この進路設定指令は、進路入力処理
で、進路登録ファイルに記録された後進路設定処理にお
いて、フローチャート図19に従って評価される。
【0092】連動処理の第1周期では、進路登録ファイ
ルには、(進路ID、処理番号)=(IN−D−1、
1)と記録されているから、進路鎖錠テーブルの進路I
D=IN−D−1の第1処理のIDを参照する。進路鎖
錠テーブルの該当項目には、転轍器鎖錠処理(P1−
1)が登録されているから、転轍器鎖錠処理テーブルの
該当項目を参照する。転轍器鎖錠処理テーブルには、該
当する処理に関する関連検知器名、鎖錠方向、転轍器転
換方向が登録されているから、図14のフローチャート
に従って鎖錠処理を開始する。図25の場合には、関連
する検知器DX、DYが共にUNLOCKであり、転轍
器も所定方向(NORMAL)を向いているので、D
X、DYを鎖錠して、OKを返す。OKを受け取ったら
図19のフローチャートに従って処理番号を1増やす。
つまり、進路登録ファイルは(進路ID、処理番号)=
(IN−D−1、 2)と更新される。
【0093】第2周期では、進路鎖錠処理テーブルの処
理手順の2番目(P2−2)を実施する。この時、第1
周期と同様に、図14のフローチャートに従って転轍器
鎖錠処理を実施するが、この場合には、転轍器が所定方
向と逆方向を向いているとする。すると、図14のフロ
ーチャートの14−7に従って全ての防護検知器D5、
D6、D7がUNLOCKされているかチェックする
(14−7)。今の場合は全てUNLOCKであるの
で、転轍器制御出力ファイルをチェックして、制御命令
出力を書き込み(転轍器制御出力ファイルには書込可能
であるとする)、NGを返す。図19のフローチャート
の19−8によれば、返値がOKではないので、リスト
の処理番号を増やさずに、次の進路の処理に進む。次
に、転轍器制御出力処理においては、上記のように書き
込まれた転轍器転換命令に従って、転轍器に制御出力す
る。
【0094】通常、転轍器が実際に転換する時間は、連
動処理部1−8の1周期の時間より極めて大きいので、
進路IN−D−1の設定処理は転轍器転換が終わるまで
中断される。具体的には、転轍器P2の鎖錠処理におい
て、図14のフローチャートの14−4で転轍器が所定
方向を向いておらず、防護検知器が全てUNLOCK、
また転轍器制御出力ファイルへの書き込みもできない
(第2周期で既に制御命令が書き込まれている)ので、
何もせずにNGを返すことになる。言い換えれば、転轍
器が所定方向を向くまで、その転轍器P2の防護区間に
は列車が進入できない状態(検知器がUNLOCK状
態)になり、それより前の所定方向を向いている転轍器
P1の防護区間は列車が進入できる状態(検知器がLO
CK状態)となっている。これにより、列車は安全な位
置までのみ進路に進入可能であり、進路の安全性と同時
に駅内設備の利用能率を向上させることができる。
【0095】さて、第X周期において、転轍器P2の転
換が終了しているとする。その結果は、現場機器入力処
理において現場機器状態ファイルに記録され、進路設定
処理での図14の転轍器鎖錠処理フローチャートの14
−4において転轍器が所定方向を向いていることを確認
して、検知器D5、D6をLOCKしてOKを返す。O
Kを受け取れば、図19の進路鎖錠処理のフローチャー
トの19−9において、進路登録ファイルの該当リスト
の処理番号を1増やす。つまり、進路登録ファイルは
(進路ID、処理番号)=(IN−D−1、 3)と更
新される。
【0096】また、転轍器制御出力処理においては、図
22のフローチャートに従い転換命令ビット、転換出力
ビット、転轍器状態ファイルビットが全て同方向を向い
ているのを確認して、転轍器P2の登録内容をクリアす
る(22−5)。つまり、これ以後は転轍器制御出力フ
ァイルへの書き込みは可能となる。但し、進路設定処理
内での転轍器鎖錠処理において、転轍器の防護検知器は
鎖錠状態となっているから、図14のフローチャートの
14−7によれば、検知器が全てUNLOCK状態にな
るまで転轍器の転換は行われない。また、検知器がUN
LOCKになるのは鎖錠情報解錠処理において、各検知
器上を列車が通過したのを確認した後である。従って、
転轍器は進路上の列車が通過するまで鎖錠され、通過後
は直ちに他の進路による転轍器転換処理が可能となる。
このようにして、転轍器を安全に且つ効率よく使用する
ことが可能である。
【0097】第X+1周期では、同様にしてホームトラ
ック鎖錠処理(処理ID H1−1)が実施される。図
16のホームトラック鎖錠処理のフローチャートと図1
5のホームトラック鎖錠処理テーブルによれば、検知器
D13、ホームトラックH1ともにUNLOCK状態な
ので、検知器とホームトラックが鎖錠され、返値OKを
返す。
【0098】ここで、ホームトラックが既にLOCKま
たはOCCUPYであれば、返値はNGとなるが、ホー
ムトラックがLOCKである場合とは、例えばホームト
ラックH1に進入する逆向きの進路が既に設定されてい
る場合である。つまり、同一着点をもつ進路を設定する
場合には、後から設定された進路は、前に設定された進
路が解除されるまで、ホームトラックへの進入ができな
いので、ホームトラックでの列車衝突は起こらず、列車
を安全に運行させることができる。また、ホームトラッ
クがOCCUPYであるとは、例えば、IN−D−1の
進路設定要求が以前にも出されており、既に列車がH1
に停車中である場合が考えられる。この場合、以前のI
N−D−1の進路設定による検知器の鎖錠は(LOC
K)、鎖錠情報解除処理によって全て解錠(UNLOC
K)されているが、ホームトラックのみOCCUPYの
状態になる。従って、再度出された進路設定要求にした
がって、転轍器に関連する検知器は全て所定方向にLO
CKされるが、ホームトラックを防護する検知器のみ鎖
錠されない状態になる。このため、2回目の進路要求に
したがって進入する列車はホームトラック手前まで進入
可能となる。このようにして、駅構内の設備の利用効率
は向上し、また列車運行の安全性も確保できる。
【0099】さて、進路鎖錠処理がOKを受け取れば、
図19のフローチャートの19−9に従って処理番号を
1増やす。つまり進路登録ファイルは(進路ID、処理
番号)=(IN−D−1、 4)と更新される。
【0100】最後に、第X+2周期では、進路鎖錠処理
において、進路登録ファイルが(進路ID、処理番号)
=(IN−D−1、 4)となっており、進路鎖錠処理
テーブルには4番目の処理が登録されていないので、図
19のフローチャートの19−5により、進路ID I
N−D−1は進路登録ファイルから削除され、進路設定
処理が終了する。
【0101】以上の進路設定処理が終了した時点での鎖
錠状態を図26に示す。進路IN−D−1上の全ての検
知器は所定方向に鎖錠されており、停止位置情報作成部
1ー5における停止位置の計算によれば、進路IN−D
−1からの列車はホームトラックへの進入が可能となっ
ている。また、この図26で、転轍器P1はIN−D−
1とOUT−U−3で共有して使用されるが、両進路は
競合しないので共に進入可能になっている。このよう
に、本連動方式によれば、転轍器の共有があっても競合
しない進路は設定可能である。
【0102】[進路の自動解除、競合進路の設定]次
に、進路IN−D−1に先行列車T1が進入し、検出器
D1、D2、D5上を通過し、転轍器P2の上を走行中
の状態を図27に示す。検出器D1、D2、D5上は列
車が通過したので、鎖錠情報解錠処理により全てUNL
OCK状態になっている。従って、停止位置情報作成部
1ー5では、図24のフローチャートにしたがって、次
に進入する後続列車T2に対する目標停止位置は検出器
D1のnM手前と計算する。一方、検出器D6、D13
についてはまだ列車が通過していないので、LOCK状
態であり、先行列車T1はホームトラックH1に進入可
能である。
【0103】この時点で、連動処理部1ー8が進路選択
部1ー6より後続列車T2の進路としてIN−D−1と
転轍器P1、P2の使用で競合するホームトラックH2
への進路IN−D−2の進路設定指令を受け取ったとす
る。この場合、前述した進路設定処理内の転轍器鎖錠処
理に従って、転轍器P1の防護検知器D1、D2は直ち
に所定方向に鎖錠される。しかし、転轍器P2に対して
は、検知器D5、D7はUNLOCKである(図14の
フローチャートの14−2はYESと評価される)が、
転轍器は所定方向を向いていない(図15のフローチャ
ートの15−4はNOと評価される)ので、防護検知器
が全てUNLOCKであるかチェックする(図14のフ
ローチャートの14−7)。この時、転轍器P1の防護
検知器の1つであるD6は、列車T1がまだ通過してい
ないので鎖錠中である。従って、この処理の結果はNG
となり、防護検知器が鎖錠されることはない。この結
果、検出器D6上を先行列車T1が通過するまで、検知
器D5はUNLOCK状態であり、停止位置情報作成部
1ー5では、目標停止位置をD5のnM手前と計算す
る。従って、競合進路IN−D−2は、進路IN−D−
1が使用を終了した(列車が通過した)位置までは進入
可能となり、進路IN−D−1が使用中の(列車が通過
中の)転轍器の防護区間には進入できない。従って、駅
構内の設備を効率よく、しかも安全に使用することが可
能である。
【0104】さて、先行列車T1がD6通過後は、鎖錠
情報解錠処理により、D6はUNLOCKとなる。従っ
てその処理周期での進路設定処理内の転轍器鎖錠処理で
は、図14のフローチャートの14−7で、防護検知器
が全てUNLOCKと判断されるから、転轍器制御出力
ファイルに制御出力命令が書き込まれる。以後、前記の
「基本的な進路設定」と同様に、転轍器制御出力処理に
おいて、転轍器に転換命令が出され、連動処理部1ー8
の数周期後には、転轍器の転換が終了する。転換の終了
確認後に、検出器D5、D7は所定方向にLOCKさ
れ、次周期には検出器D15、ホームトラックH2もL
OCKされて、競合進路IN−D−2の進路設定が終了
する。この時点で、先行列車T1がホームトラックH1
に到着している必要はない。従って、競合進路が開通中
でも、競合する設備の使用が終了すれば、次の進路設定
は完了できる。このように、本発明によれば駅設備を安
全にしかも効率よく使用することができる。
【0105】実施の形態2.次に、線路上に設置する検
知器の数を減らして、上記実施の形態1と同様の機能を
実現できる連動処理部について説明する。実施の形態1
では、転轍器またはホームトラック毎に防護区間を構成
する検知器を線路上に設置したが、大規模な駅では検知
器の数が膨大になる可能性がある。しかし、本実施の形
態2で示すように、検知器を転轍器またはホームトラッ
クの防護区間で共有することにより、線路上に設置する
検知器の数を減らすことができる。
【0106】図28に、線路上の検知器を減らした場合
を示す。ここで、D”1、D”2…は、線路上に実際に
設置される検知器であり、D1、D2…はそれらの検知
器に、連動処理部1ー8内部で論理上対応する検知器で
ある。例えば、D”2は論理上D2、D5に対応してい
る。なお、複数の論理上の検知器に対応する実際に設置
される検知器は太線で示してある。
【0107】さて、連動処理部1ー8では、このような
実際の検知器と論理上の検知器の対応を記述した検知器
対応テーブルを準備し、現場機器装置入力処理で、現場
機器状態ファイルを書き換える際に、実際の1つの検知
器の状態変化に応じて、複数の論理上の検知器の状態を
書き換える処理を実施する。検知器対応テーブルの例を
図29に示す。現場機器装置入力処理では、このテーブ
ルに従って現場機器状態ファイルを書き換える。例え
ば、D”2がOCCUPYに変化した時は、現場機器状
態ファイルのD2、D5をOCCUPYに書き換える。
その他の処理及びテーブルに関しては、実施の形態1と
同じである。例えば、進路設定処理内で転轍器P1の鎖
錠処理を実施する場合には、検知器鎖錠情報ファイルの
D1、D2を所定方向にLOCKし、転轍器P2をホー
ムトラックH1の方向に鎖錠する場合は、D5、D6を
鎖錠する。
【0108】また、停止位置情報作成部1ー5におい
て、検出器D2、D5は論理上同じ位置(D”1が設置
されている位置)にあると判断して、停止位置の計算を
する。例えば、検出器D1、D2がLOCK状態、検出
器D5がUNLOCK状態で、D1の方から進入する列
車の停止位置はD”2の位置からnM手前となり、UN
LOCK状態の防護区間に列車が進入することはない。
このようにして、線路上の検知器の数を減少させること
により、設備にかかるコストを減少させて、安全性も確
保することが可能である。
【0109】実施の形態3.次に、実施の形態1の連動
処理部1ー8と実施の形態2で示した論理上の検知器を
用いる方法を利用した、列車上の位置検知装置が誤動作
した場合にも、駅構内で安全に列車運行が可能な連動処
理部について述べる。
【0110】本発明の前提条件で述べたように、移動閉
塞方式の鉄道においては、列車上の装置による列車位置
測定の精度が安全上重要な意味をもつ。仮に、ある列車
の列車位置測定装置が誤動作し、実際の位置より前方の
位置を停止位置情報作成部1ー5が受け取ったとする。
この時、駅構外では勿論、駅構内においても、列車衝突
の危険が生じる。図30にその例を示す。
【0111】図30の路線において、走行する列車の列
車長をXとする。また、駅構内に設置された検知器D”
100とD”101はそれぞれ、転轍器P100、転轍
器P101の防護検知器であり、両者の間隔はY(>
X)である。また、各検知器は下り方向にLOCKされ
ている。この時、列車上の列車位置検知装置が誤動作
し、実際の列車位置Aより前方の位置Bを列車位置であ
ると計算したとする。連動処理部1ー8、停止位置情報
作成部1ー5は正常に動作しているので、停止位置情報
作成部1ー5は後続列車の目標停止位置としてCを算出
する。ところが、実際の列車衝突位置はDであり、後続
列車が先行列車に追突する危険が生じる。
【0112】このように、停止位置情報作成部1ー5、
連動処理部1ー8等の地上装置が正常に動作していて
も、車上装置の故障により駅構内での列車衝突の危険が
生じる。
【0113】そこで、本実施の形態3では、検知器D”
100を論理上の検知器D200、D201で共有し、
検知器D”101を論理上の検知器D300、D301
で共有し、D200については転轍器P100の防護検
知器として用い、D301については転轍器P101の
防護検知器として用い、D201とD300で囲まれた
区間を、転轍器を含まない防護区間P”300として設
定する。この防護区間P”300は進路設定処理部3ー
4での転轍器鎖錠処理と同様に処理する。但し、実際に
は転轍器を含んでいないので、図14のフローチャート
の14−4においては、常に転轍器が所定方向を向いて
いると判断される。言い換えれば、防護検知器がUNL
OCKされている(図14のフローチャートの14−
2)ことのみをチェックし、UNLOCKならば、両者
を所定方向にLOCKする。
【0114】このような防護区間のための防護区間鎖錠
テーブルの例を図31に示す。処理内容は、転轍器鎖錠
処理と同様であるので、テーブルの構成は転轍器鎖錠処
理テーブルと同じである。但し、転轍器方向の項目はN
OCHK(チェックなし)になっており、常に転轍器が
所定方向を向いていると判断される。
【0115】さて、上記のように防護区間を構成した場
合の検知器の鎖錠状態を図32に示す。列車が防護区間
P”300に進入し、D201上(実際はD”100
上)を通過した時点で、D201が鎖錠情報解錠処理で
UNLOCK状態になるから、停止位置情報作成部1ー
5による停止位置はD201のnM手前となり、列車の
衝突は起こらない。また、再度D201をLOCKする
ためには、図14のフローチャートと図31のテーブル
より、D300がUNLOCKされる必要がある。D3
00がUNLOCKされる為には、列車がD300(実
際はD”101上)を通過する必要がある。このため、
停止位置情報作成部1ー5が衝突の危険のある位置を算
出することはない。
【0116】このように、本方式によれば列車上の位置
検知装置が誤動作した場合にも、列車を安全に運行させ
ることが可能である。
【0117】実施の形態4.次に、実施の形態3のよう
に、転轍器を含まない防護区間を設けた場合に、新たな
検知器を設置することにより、線路の使用効率を向上さ
せる方法を述べる。
【0118】さて、図32のようにすれば、実施の形態
3で述べたように、列車上の位置検知装置の誤動作が起
こっても、安全に列車が運行できるが、この防護区間に
は列車が1台しか進入できないことになる。検知器間隔
Yが列車長Xよりはるかに大きい場合、この防護区間の
手前に停止位置が設定されるのは、効率がよくない。
【0119】そこで、防護区間が極めて長い場合には、
その防護区間に新たに1つ以上の検知器を設置し、防護
区間を分割することにより線路の使用効率を向上させる
ことができる。
【0120】例えば図33に示すように、防護区間の中
央に新たに検知器D”400を設置し、この検知器を論
理上D501、D502として扱う。そして、防護区間
として、D201〜D501、D502〜D300の2
つに分割する。これらの防護区間の処理方法は実施の形
態3と同じである。このようにすれば、列車停止位置は
D”400の手前に設定されるため、線路の使用効率が
向上する。
【0121】この方式によれば、列車上の位置検知装置
が誤動作した場合にも、列車を安全に運行させることが
可能で、しかも要求される線路設備の利用効率も満たす
ことのできる連動処理部が構成できる。
【0122】実施の形態5.次に、停止位置情報作成部
1ー5が誤動作し、通常よりも前方の停止位置を計算し
た場合に、列車運行の安全を保つための連動処理部につ
いて説明する。
【0123】実施の形態3で説明した方式を用いれば、
列車上の位置検知装置が誤動作した場合にも列車の安全
な運行は可能であるが、停止位置情報作成部1ー5が誤
動作した場合には、他の装置が正常に働いていても、列
車は誤った停止位置を受け取るので、列車運行上極めて
危険な状態となる。
【0124】本方式によれば、このような場合に対処す
るために、検知器に対応した車上への通過許可信号発信
装置を線路上に設置することが可能である。
【0125】例えば、図34に示すように、検知器DX
に対応した信号送信機TXを、DXの手前に設置し、T
Xは常時列車への通過許可信号を発信しているものとす
る。しかし、連動処理部1ー8で、検知器状態がUNL
OCKになった時には、信号送信機TXを、通過許可信
号を停止するように制御する。列車には信号受信機が設
置されており、通過許可信号を受け取らなかった場合に
は、非常ブレーキがかかるように構成されている。な
お、このような地上と車上の信号送受信技術に関して
は、既にATC、ATS等で実現されており、このよう
な装置構成にすることは可能である。
【0126】さて、このように構成すれば、停止位置情
報作成部1ー5が誤動作した場合にも、検知器手前で列
車は緊急停止することが可能となり、列車運行上の最低
限の安全性を保つことができる。
【0127】実施の形態6.次に、検知器の代わりに従
来通りの軌道回路を用いている駅において、本発明を適
用する方法を述べる。
【0128】本発明は、本来、軌道回路等の地上設備を
簡略化できる移動閉塞方式のためになされたものである
が、現在の路線は全て軌道回路を用いた固定閉塞方式で
ある。従って、固定閉塞方式から移動閉塞方式に転換す
る場合、構内の軌道回路を検知器に変更することにな
る。検知器導入後は設備管理にかかるコストは小さくな
るが、全ての設備を一時に導入すると、初期投資は莫大
なものになる。また、移動閉塞方式のような新規技術を
導入するに当たっては、その技術を評価する段階で、従
来の軌道回路による固定閉塞方式と共存する必要があ
る。このような理由から、本方式の連動処理部導入時
に、現場機器として、検知器の代わりに軌道回路を使用
する場合が考えられる。
【0129】本方式によれば、検知器の代わりに軌道回
路を使用することが可能であり、また、その後軌道回路
を検知器に変更する場合にも、容易にシステムの移行が
できる構成が可能である。
【0130】軌道回路は落下/扛上の2つの状態をもつ
装置であり、列車が該当軌道回路内に在線する場合には
落下状態になり、それ以外は扛上状態になる。このよう
に、検知器が点情報を検知する(検知器上に列車がいる
か否か)装置であるのに対して軌道回路は線情報を検知
する(ある線路の区間上に列車がいるか否か)装置であ
るので、隣接する軌道回路の情報を用いて検知器の点情
報に対応する情報を作成し、さらに前述した論理的な検
知器を設定する手法を用いて入力情報を適切に解釈す
る。
【0131】例えば、図35のように、TW、TX、T
Y、TZという軌道回路がある場合、端点A、B、C
に、それぞれ検知器D”1、D”2、D”3があるもの
と考える。次に、各検知器は両側にある軌道回路が共に
落下したときのみOCCUPY状態であり、他の場合に
はCLEARであると解釈する。例えば、D”1の場
合、TW、TXが共に落下したときにOCCUPY状態
になる。このように構成すれば、A上に列車が存在する
時のみ、D”1がOCCUPY状態となる。すなわち、
Aの位置に実際に検知器を設置したのと同じ情報を得る
ことができる。
【0132】次に、上記のように定義したD”1、D”
2、D”3に、更に前述した実施の形態3で述べた論理
的な検知器を割り当てる。つまり、D”1にD1、D2
等々である。この場合の検知器対応テーブルは図36の
ようになる。
【0133】このように論理上の検知器を割り当てれ
ば、各軌道回路を実施の形態3で述べた防護区間と同様
に扱うことができる。例えば、TXに関する鎖錠処理テ
ーブルは図37のようになる。
【0134】上記の方法にしたがって下り方向の進路設
定をすれば、TXに関してD2、D3が所定方向に鎖錠
される。また、列車がTXに進入すれば、TW、TXが
ともに落下するので、D”1はOCCUPYであると解
釈され、その後TWから進出した時点で、CLEARに
なったと解釈される。そして、これにしたがってD2が
UNLOCKされる。
【0135】以上の構成により、各軌道回路を検知器で
防護された区間として扱うことが可能であり、従って、
検知器の代わりに軌道回路を用いて本発明の連動処理部
を用いることができる。
【0136】また、軌道回路を検知器に交換する場合
は、実際に各軌道回路の端点に検知器を設置すればよ
い。図35では、A、B、CにそれぞれD”1、D”
2、D”3を設置する。このようにすれば、連動処理部
のテーブルを殆ど変更することなく、軌道回路から検知
器への移行が可能である。
【0137】実施の形態7.次に、従来の軌道回路の代
わりに、ある地点上に列車が存在することを検知する検
知器を軌道回路の両端に相当する位置に設置することに
より、軌道回路の落下/扛上情報と同等の情報を作成す
ることを特徴とする列車位置検知方式について説明す
る。
【0138】本発明の検知装置は、移動閉塞方式を対象
として用いられたものであるが、この検知器を用いて軌
道回路の落下/扛上と同様の情報を作成することによ
り、従来の固定閉塞方式での連動処理部にも適用するこ
とができる。このような構成にすれば軌道回路より設
置、メンテナンスが簡単な検知器を用いて、従来の連動
処理部を実現することができる。
【0139】図38は、列車位置検知装置と仮想的な軌
道回路の関係を示したものである。すなわち、仮想的軌
道回路TXは2つの検知器D1、D2に囲まれた区間で
ある。列車が下り方向から、TXに進入する場合、TX
の落下/扛上条件は次のように作成する。この場合は、
最初にD1がOCCUPY状態になるから、この時にT
Xの状態を落下状態に変更する。その後、D1が再びC
LEARに変化したことと、D2が一旦OCCUPYに
変化し、再びCLEARに変化したのを確認した後に、
TXを扛上状態に変化させる。
【0140】このようにすれば、列車がD1とD2の間
に存在する場合(すなわち、列車はD1、D2上にいな
いがD1、D2間を走行中の場合)も、進出側の検知器
が上記の状態変化をするまでTXは落下状態であり、従
来の軌道回路の落下/扛上条件と同等の情報を作成する
ことが可能である。
【0141】図39は、上記の方式を具体化するため
に、軌道回路の落下/扛上条件と同様の情報を作成する
ための仮想軌道回路ファイルの例である。鎖錠メモリは
1ビットの情報であり、通常1(解錠状態)に設定され
ており、ある検知器がOCCUPY状態になり、且つそ
の検知器の鎖錠メモリが解錠状態であれば、もう一方の
鎖錠メモリが鎖錠状態になる。また、鎖錠メモリは対応
する検知器がOCCUPYになった時点で再び解錠され
る。また、落下/扛上メモリは、2つの鎖錠メモリが共
に解錠状態であり、且つ2つの検知器が共にCLEAR
状態である時のみに、扛上(1)状態に設定される。
【0142】図38でいえば、D1がOCCUPYにな
った時点で、D2の鎖錠メモリが鎖錠状態になる。従っ
て、TXは落下状態になる。その後、列車がD1上を通
過し、D1がCLEAR状態になっても、D2の鎖錠メ
モリが鎖錠状態であるから、TXは落下状態のままであ
る。次に列車がD2上に来れば、D2がOCCUPYと
なり、D2の鎖錠メモリは解錠状態となる。以後は、D
2のOCCUPY状態により、TXは落下状態のままと
なり、列車がD2上を完全に通過しCLEAR状態にな
れば、TXは扛上状態に変化する。
【0143】図40に、上記の方法のフローチャートを
示す。D1、D2のいずれかの検知器が状態変化すれ
ば、処理を開始する(40−1)。この場合、仮にDn
なる検知器が状態変化したとする。もしOCCUPYに
変化したのであれば、その検知器Dnに対応するDn鎖
錠メモリが解錠されているかチェックする(40−
2)。解錠されている場合には、もう一方の検知器Dm
の鎖錠メモリを鎖錠状態に設定する(40−3)。鎖錠
されている場合は、その検知器の鎖錠メモリを解錠状態
に設定し(40−4)、各鎖錠メモリと検知器の状態を
チェックする。もし鎖錠メモリが共に解錠しており、且
つ検知器がともにCLEAR状態であれば(40−
5)、仮想軌道回路TXの状態を扛上状態に設定する
(40−7)。それ以外は、TXは落下状態のままであ
る(40−6)。
【0144】更に、上記の方式は、従来のリレーによる
構成でも実現可能である。これによれば、マイクロコン
ピュータを使用せずに、検知器を用いた連動処理部を実
現できる。図41にリレー結線図の模式図を示す。図4
1において、D1R、D2Rは検知器の検知結果に対応
するリレー接点であり、CLEARの時に扛上、OCC
UPYの時に落下するものとする。D1−MR、D2−
MRは鎖錠メモリに対応するものであり、初期状態では
扛上状態である。例えば、D1−MRは、自己保持接点
(D1−MR)とD2Rの扛上条件により、通常扛上状
態となっている。TXRは軌道回路リレーに相当するも
のであり、D1−MR、D2−MR、D1R、D2Rの
全てが扛上している時のみに扛上状態になる。
【0145】さて、最初にD1がOCCUPYになった
時には、D2−MRは、D1−MR扛上条件と、D1R
の落下条件により電源が遮断され、落下状態になる、す
なわち鎖錠される。一方、D1−MRはD2Rが落下し
ても、D1−MRが落下中は、電源が遮断されず鎖錠さ
れない。さて、その後列車がD1上を通過してD1Rが
扛上し、D2上に来てD2Rが落下すれば、D2−MR
は再び扛上する、すなわち解錠される。TXRはD2R
が再び扛上すれば、全ての扛上条件が成立するので扛上
する。
【0146】最後に図41内のERは、停電または初期
設定時にD1−MR、D2−MRを再扛上させるための
リレーの扛上接点である。
【0147】なお、本実施の形態では端点が2つの軌道
回路について説明したが、転轍器を含む軌道回路では端
点が3つ以上ある。この場合には、転轍器方向から現在
対象となる2つの端点(即ち軌道回路の開通方向)を調
べて、それに対して同様の処理を実施すればよい。
【0148】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、線路
上のある区間にいる列車を検知する軌道回路の代わり
に、地点上の列車を検知する検知装置を用いるため、検
知装置の設置作業が簡単であり、またメンテナンスも実
施しやすい。また、連動処理部を可能な限り他の処理部
と独立した構成としたので、他の処理でのエラーの影響
を受けにくく、安全性が高い。また、停止位置情報作成
部が誤動作した場合にも駅構内で列車が安全に運行でき
る。 また、線路上に設置する検知装置の数を減らすこと
ができるので、メンテナンスのコストが下がり、しかも
安全性が損なわれることはない。 また、列車上の列車位
置測定装置が誤動作した場合にも、駅構内で列車を安全
に運行させることができる。 また、連動処理部におい
て、線路の利用効率を向上させることができる。 また、
従来の軌道回路を用いた連動処理部からこの発明の連動
処理部に移行する時に、検知器の代わりに軌道回路を用
いてこの発明の連動処理部を実現し、また軌道回路から
検知器への移行も簡単に実施できる。 さらに、検知器を
用いて軌道回路の落下/扛上と同様の情報を作成するこ
とにより、従来の固定閉塞方式での連動処理部にも適用
することができる。このような構成にすれば、軌道回路
より設置、メンテナンスが簡単な検知器を用いて従来の
連動処理部を実現することができる。
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提となる移動閉塞方式の鉄道のシ
ステム概要である。
【図2】 駅構内設備の例である。
【図3】 本方式での連動処理プロセスの概要である。
【図4】 進路登録ファイルの例である。
【図5】 進路登録ファイルへの進路登録処理のフロー
チャートの例である。
【図6】 検知器状態ファイルの例である。
【図7】 転轍器状態ファイルの例である。
【図8】 検知器鎖錠情報ファイルの例である。
【図9】 検知器からの出力と鎖錠情報の変化の関係を
示したものである。
【図10】 ホームトラック鎖錠情報ファイルの例であ
る。
【図11】 検知器鎖錠情報の変化とホームトラック鎖
錠情報の変化の関係を示したものである。
【図12】 検知器をホームトラックに列車が停止する
位置内に増設する例である。
【図13】 転轍器鎖錠処理テーブルの例である。
【図14】 転轍器鎖錠処理テーブルに基づく処理プロ
セスのフローチャートの例である。
【図15】 ホームトラック鎖錠処理テーブルの例であ
る。
【図16】 ホームトラック鎖錠処理テーブルに基づく
処理プロセスのフローチャートの例である。
【図17】 進路鎖錠処理テーブルの例である。
【図18】 駅に定義された進路の例である。
【図19】 進路登録リストを用いた、鎖錠処理の実行
方法のフローチャートの例である。
【図20】 進路鎖錠処理のフローチャートの例であ
る。
【図21】 転轍器制御出力ファイルの例である。
【図22】 転轍器制御出力処理のフローチャートの例
である。
【図23】 駅に進入する列車の停止位置作成方法を説
明するための図である。
【図24】 駅に進入する列車の停止位置作成方法のフ
ローチャートである。
【図25】 基本的な進路設定動作を説明するための図
である。
【図26】 図25での進路設定処理が終了した時点で
の鎖錠状態を示す図である。
【図27】 進路の自動解除、競合進路の設定を説明す
るための図である。
【図28】 線路上の検知器を減らした場合の例を説明
するための図である。
【図29】 実際の検知器と論理上の検知器の対応を記
述した検知器対応テーブルの例である。
【図30】 列車の列車位置測定装置が誤動作し、列車
が衝突する危険があることを説明する為の図である。
【図31】 防護区間鎖錠テーブルの例である。
【図32】 防護区間を構成した場合の検知器の鎖錠状
態の例である。
【図33】 防護区間を分割することにより線路の使用
効率を向上させる方式を説明するための図である。
【図34】 検知器に対応した車上への通過許可信号発
信装置を線路上に設置することを表した図である。
【図35】 現場機器として検知器の代わりに軌道回路
を使用する方法を説明するための図である。
【図36】 上記の場合の検知器対応テーブルの例であ
る。
【図37】 上記の場合の鎖錠処理テーブルの例であ
る。
【図38】 列車位置検知装置と仮想的な軌道回路の関
係を示したものである。
【図39】 上記の方式を具体化するために、列車位置
検知装置の情報から軌道回路の落下/扛上条件と同様の
情報を作成するための仮想軌道回路ファイルの例であ
る。
【図40】 上記の方法のフローチャートを示したもの
である。
【図41】 上記の方法をリレーで実現する場合の構成
例である。
【符号の説明】
1−1、1−2 列車、1−3 地上装置、1−4 地
上無線装置、1−5停止位置情報作成部、1−6 進路
選択部、1−7 列車ダイヤ、1−8 連動処理部、D
1〜D18 列車位置検出装置としての検知器、H1〜
H3 ホームトラック、P1〜P4 転轍器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−2416(JP,A) 特開 平2−109770(JP,A) 特開 平2−109769(JP,A) 西堀典幸,中村英夫,武子淳,高橋国 嗣,CARATシステムにおける次世代 連動装置の開発,電気学会交通・電気鉄 道研究会資料,日本,1993年10月29日, VOL.TER−93/NO.32−52, 109−118 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61L 23/14 B61L 19/06 B60L 15/40 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 列車に搭載されて、列車位置を測定する
    車載装置と、 前記車載装置と通信を行い、該車載装置からの列車位置
    情報に基づいて列車停止位置情報を作成し、その停止位
    置情報に基づいて列車の進路を選択し、その選択された
    列車進路と駅構内における列車位置情報と転轍器からの
    転轍器状態情報とに基づいて転轍器を制御する地上装置
    と、 を備えると共に、 転轍器やホームトラック等の防護区間に列車が存在する
    ことを検知して前記駅構内における列車位置検知情報を
    発生する列車位置検知装置を設けた ことを特徴とする鉄
    道車両の運行制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の鉄道車両の運行制御装
    置において、 前記地上装置は、 少なくとも前記車載装置からの列車位置情報に基づいて
    列車停止位置情報を作成する停止位置情報作成部と、 前記停止位置情報作成部により作成された列車停止位置
    情報と予め決められた列車ダイヤとに基づいて列車の進
    路設定指令を発生する進路選択部と、 前記進路選択部からの進路設定指令と前記列車位置検知
    装置からの列車位置検知情報と前記転轍器からの転轍器
    状態情報とに基づいて転轍器を制御する連動処理部と
    備える ことを特徴とする鉄道車両の運行制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の鉄道車両の運行制御装
    置において、 前記停止位置情報作成部は、前記連動処理部から転轍器
    情報及び鎖錠情報を入力して、これら情報と前記車載装
    置からの列車位置情報とに基づいて前記列車の停止位置
    情報を作成する ことを特徴とする鉄道車両の運行制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の鉄道車両の運
    行制御装置において、 前記停止位置情報作成部が誤動作した場合にも、駅構内
    で列車が安全に運行できるために、地上に列車位置検知
    装置に対応した信号発信装置を設置し、列車にはその受
    信装置を備える ことを特徴とする鉄道車両の運行制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の鉄道車両の運行制御装置において、 線路上に設置する検知装置の数を減らすため、実際に線
    路上に配置した列車位置検知装置と、論理上の検知装置
    の対応を示す検知器対応テーブルを備える ことを特徴と
    する鉄道車両の運行制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の鉄道車両の運行制御装置において、 列車上の列車位置測定装置が誤動作した場合にも、駅構
    内で列車を安全に運行させるために、転轍器やホームト
    ラックの防護区間に加えて、それらを含まない線路上の
    区間においても防護区間を設定するための防護区間鎖錠
    処理テーブルを備える ことを特徴とする鉄道車両の運行
    制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の鉄道車両の運行制御装
    置において、 線路の利用効率を向上させるために、転轍器やホームト
    ラックを含まない線路上の区間に列車位置検知装置を増
    設することにより防護区間を分割して処理する ことを特
    徴とする鉄道車両の運行制御装置。
  8. 【請求項8】 従来の軌道回路を用いた鉄道車両の運行
    制御装置から請求項1ないし7のいずれか1項に記載の
    鉄道車両の運行制御装置に移行する時に、前記列車位置
    検知装置として検知器の代わりに軌道回路を用いて請求
    項1ないし7のいずれか1項に記載の鉄道車両の運行制
    御装置を実現し、また前記軌道回路から検知器を用いた
    列車位置検知装置への移行も簡単に実行できるように、
    転轍器からの情報を検知器からの情報の形式に変換する
    機能を備えたことを特徴とする鉄道車両の運行制御装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    の鉄道車両の運行制御装置において、 前記列車位置検知装置は、従来の軌道回路の代わりに、
    軌道回路の両端に相当する位置に設置され、ある地点上
    に列車が存在することを検知する列車位置検知器により
    構成され、該列車位置検知器により前記軌道回路の落下
    /扛上情報と同等の情報を作成する ことを特徴とする鉄
    道車両の運行制御装置。
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