JP3410031B2 - 浮遊油回収装置 - Google Patents
浮遊油回収装置Info
- Publication number
- JP3410031B2 JP3410031B2 JP25932698A JP25932698A JP3410031B2 JP 3410031 B2 JP3410031 B2 JP 3410031B2 JP 25932698 A JP25932698 A JP 25932698A JP 25932698 A JP25932698 A JP 25932698A JP 3410031 B2 JP3410031 B2 JP 3410031B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- storage tank
- floating
- primary
- primary storage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Cleaning Or Clearing Of The Surface Of Open Water (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンカー事故等に起因
する海上浮遊油を回収するための装置構成に関する。
する海上浮遊油を回収するための装置構成に関する。
【0002】
【従来の技術】タンカー事故等によって発生する海上浮
遊油の問題は、漁業資源、観光資源に大きなマイナスイ
メージを与え、また近隣住民への健康被害の危惧が指摘
されることから、近年とくにその深刻さが増大する傾向
にある。
遊油の問題は、漁業資源、観光資源に大きなマイナスイ
メージを与え、また近隣住民への健康被害の危惧が指摘
されることから、近年とくにその深刻さが増大する傾向
にある。
【0003】ところで、従来、海上浮遊油を回収する手
段としては、いわゆるオイルフェンスを使用して浮遊油
の拡散を防ぎ、その後、適宜の吸引手段によって油分を
回収する方法が知られている。この場合に使用される吸
引手段は、海水とともに油分を吸い込み、フィルター等
を用いて粘性の高い油分だけを回収する。
段としては、いわゆるオイルフェンスを使用して浮遊油
の拡散を防ぎ、その後、適宜の吸引手段によって油分を
回収する方法が知られている。この場合に使用される吸
引手段は、海水とともに油分を吸い込み、フィルター等
を用いて粘性の高い油分だけを回収する。
【0004】図5は、従来提案されている浮遊油の回収
装置である(特開平9−95928号公報)。この装置
は、左右の浮体1,2の間に吸引装置3を設け、自由に
浮体1,2をコントロールして海上の油分を回収するも
のである。浮体1,2には、推進機構が設けられてお
り、搭乗員の直接操縦でも、あるいは陸地や台船4から
の遠隔操作でも、浮体コントロールが出来る。この装置
は、とくに浅瀬において海水と激しく撹拌混合された油
分を回収することを目的としており、軽量小型の浮体
1,2を利用することによって、水深の浅いところでも
油分回収が出来るように提案されたものである。
装置である(特開平9−95928号公報)。この装置
は、左右の浮体1,2の間に吸引装置3を設け、自由に
浮体1,2をコントロールして海上の油分を回収するも
のである。浮体1,2には、推進機構が設けられてお
り、搭乗員の直接操縦でも、あるいは陸地や台船4から
の遠隔操作でも、浮体コントロールが出来る。この装置
は、とくに浅瀬において海水と激しく撹拌混合された油
分を回収することを目的としており、軽量小型の浮体
1,2を利用することによって、水深の浅いところでも
油分回収が出来るように提案されたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる従来
の装置は、小規模な油流出事故では速効性がある。しか
しながら、大規模なタンカー事故に起因する大量油分の
回収処理には適さない。浅瀬の浮遊油を回収するのが目
的であるから、各浮体1,2の構造は必然的に小さくな
り、一度に回収できる量には限界があるからである。ま
た浮遊油の拡散を防止するオイルフェンスを使用するに
しても、浮体1,2が小さい結果として迅速大量の浮遊
油回収ができないのであれば、油は海水に揉まれてオイ
ルフェンスを越えて自由に拡散し、その一部は粘度の高
いゲル状の固形物となって海岸に打ち上げられる。そし
て大半の油は海面海水中に拡散したまま回収ができな
い。
の装置は、小規模な油流出事故では速効性がある。しか
しながら、大規模なタンカー事故に起因する大量油分の
回収処理には適さない。浅瀬の浮遊油を回収するのが目
的であるから、各浮体1,2の構造は必然的に小さくな
り、一度に回収できる量には限界があるからである。ま
た浮遊油の拡散を防止するオイルフェンスを使用するに
しても、浮体1,2が小さい結果として迅速大量の浮遊
油回収ができないのであれば、油は海水に揉まれてオイ
ルフェンスを越えて自由に拡散し、その一部は粘度の高
いゲル状の固形物となって海岸に打ち上げられる。そし
て大半の油は海面海水中に拡散したまま回収ができな
い。
【0006】そこで本発明の目的は、船舶事故等によっ
て大量の油分流出事故が生じたときに、海上浮遊油を迅
速かつ効率的に回収可能とする点にある。
て大量の油分流出事故が生じたときに、海上浮遊油を迅
速かつ効率的に回収可能とする点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る浮遊油回収装置は、海上に浮遊する油
を回収するための作業台船と、この作業台船の側部に開
設した回収開口に、左右の基端部が取り付けられ、前方
に向かって拡開する一次オイルフェンスと、この一次オ
イルフェンスの先端部に、左右の基端部が取り付けられ
る一対の二次オイルフェンスと、この二次オイルフェン
スの先端を誘導するコントロール船とを備えてなり、前
記一次オイルフェンスは、左右一対の浮遊体を備えると
ともに、当該浮遊体の上部位置に水面から所定高さをも
って天幕を配する一方、前記作業台船は、浮遊油を船内
に取り込むための取込手段と、船内に取り込んだ浮遊油
を貯槽タンクに最終的に回収するための回収手段とを備
え、前記取込手段は、回収開口に連続し、上部が天幕で
覆われた一次オイルフェンス内空間の空気を強制的に吸
引するバキューム手段と、当該バキューム手段によって
吸引された海上面空気に従って移動する浮遊油を作業台
船内に搬送するためのコンベア装置を備え、該コンベア
装置の搬送面は、海面から作業台船内部に向かって上昇
傾斜するよう角度設定するとともに、その表面に所定間
隔をもって突出させた板状突起物を備えるよう構成する
一方、前記回収手段は、コンベア装置によって運ばれた
浮遊油を一時的に貯留する一次貯留槽と、該一次貯留槽
内の油を最終的に貯留する二次貯留槽とを備え、一次貯
留槽と二次貯留槽とを連結管によって接続するととも
に、一次貯留槽内部の油を二次貯留槽に移送する搬送手
段を備える。
め、本発明に係る浮遊油回収装置は、海上に浮遊する油
を回収するための作業台船と、この作業台船の側部に開
設した回収開口に、左右の基端部が取り付けられ、前方
に向かって拡開する一次オイルフェンスと、この一次オ
イルフェンスの先端部に、左右の基端部が取り付けられ
る一対の二次オイルフェンスと、この二次オイルフェン
スの先端を誘導するコントロール船とを備えてなり、前
記一次オイルフェンスは、左右一対の浮遊体を備えると
ともに、当該浮遊体の上部位置に水面から所定高さをも
って天幕を配する一方、前記作業台船は、浮遊油を船内
に取り込むための取込手段と、船内に取り込んだ浮遊油
を貯槽タンクに最終的に回収するための回収手段とを備
え、前記取込手段は、回収開口に連続し、上部が天幕で
覆われた一次オイルフェンス内空間の空気を強制的に吸
引するバキューム手段と、当該バキューム手段によって
吸引された海上面空気に従って移動する浮遊油を作業台
船内に搬送するためのコンベア装置を備え、該コンベア
装置の搬送面は、海面から作業台船内部に向かって上昇
傾斜するよう角度設定するとともに、その表面に所定間
隔をもって突出させた板状突起物を備えるよう構成する
一方、前記回収手段は、コンベア装置によって運ばれた
浮遊油を一時的に貯留する一次貯留槽と、該一次貯留槽
内の油を最終的に貯留する二次貯留槽とを備え、一次貯
留槽と二次貯留槽とを連結管によって接続するととも
に、一次貯留槽内部の油を二次貯留槽に移送する搬送手
段を備える。
【0008】尚、回収手段を構成する搬送手段は、請求
項2に記載したように低圧バキューム装置による負圧吸
引を利用しても良いし、バケットコンベア等のコンベア
装置を配しても良い。
項2に記載したように低圧バキューム装置による負圧吸
引を利用しても良いし、バケットコンベア等のコンベア
装置を配しても良い。
【0009】
【作用】本発明に係る浮遊油回収装置は、作業台船への
油の取り込みと、取り込んだ油の格納貯留という構成を
もつ。
油の取り込みと、取り込んだ油の格納貯留という構成を
もつ。
【0010】まず作業台船への油の取り込みは、自由な
拡開操作が可能な二次オイルフェンスによって広く海面
上の油を取り囲む一方、上部が天幕で覆われた一次オイ
ルフェンス内の空気を強制吸引し、空気の流れによって
浮遊油を煽り移動させ、コンベア装置に浮遊油を乗せて
回収する構成をとる。浮遊油をコンベアに乗せるとき
に、吸引空気の流れを利用する点に特徴がある。またコ
ンベア装置は、油を回収しやすいようエンドレスの搬送
路に帯状の突起を配した。海水を排除するため、コンベ
ア装置は台船内部に向かって上昇傾斜をもたせて設置す
る。
拡開操作が可能な二次オイルフェンスによって広く海面
上の油を取り囲む一方、上部が天幕で覆われた一次オイ
ルフェンス内の空気を強制吸引し、空気の流れによって
浮遊油を煽り移動させ、コンベア装置に浮遊油を乗せて
回収する構成をとる。浮遊油をコンベアに乗せるとき
に、吸引空気の流れを利用する点に特徴がある。またコ
ンベア装置は、油を回収しやすいようエンドレスの搬送
路に帯状の突起を配した。海水を排除するため、コンベ
ア装置は台船内部に向かって上昇傾斜をもたせて設置す
る。
【0011】一方、取り込んだ油の格納貯留であるが、
本発明にあっては、コンベア装置によって台船内に取り
込んだ油を、そのまま大きな貯留空間に落とす(貯留す
る)ことは難しい。大きな格納貯留槽とコンベア装置を
配する空間とを空間的に直に連通させると、コンベアま
わりに発生させるべき強制的な空気流を作ることが出来
なくなるからである。
本発明にあっては、コンベア装置によって台船内に取り
込んだ油を、そのまま大きな貯留空間に落とす(貯留す
る)ことは難しい。大きな格納貯留槽とコンベア装置を
配する空間とを空間的に直に連通させると、コンベアま
わりに発生させるべき強制的な空気流を作ることが出来
なくなるからである。
【0012】そこで、コンベア装置によって取り込んだ
油は、一旦、小さな一次貯留槽に落とし、ここから大き
な二次貯留槽に負圧吸引によって移送する構成をとる。
この場合、コンベア装置と空間的に連通する一次貯留槽
は小さな空間構造で良く、従って吸引空気の流速低下な
ど、台船上のバキューム手段が発生させる空気流に支障
をきたさずに済む。
油は、一旦、小さな一次貯留槽に落とし、ここから大き
な二次貯留槽に負圧吸引によって移送する構成をとる。
この場合、コンベア装置と空間的に連通する一次貯留槽
は小さな空間構造で良く、従って吸引空気の流速低下な
ど、台船上のバキューム手段が発生させる空気流に支障
をきたさずに済む。
【0013】一次貯留槽から二次貯留槽への油の移送
は、構造上の単純化から云えば、請求項2に記載したよ
うに、二次貯留槽を負圧にして、一次貯留槽から強制吸
引することが望ましい。
は、構造上の単純化から云えば、請求項2に記載したよ
うに、二次貯留槽を負圧にして、一次貯留槽から強制吸
引することが望ましい。
【0014】但し、一次貯留槽と二次貯留層が連続管を
介して接続するものの、空間的に直に連通していない場
合(二次貯留槽がコンベア装置側の外気に開放されてい
ない場合)は、一次貯留槽、連結管、二次貯留槽を単純
往復またはエンドレスで循環するバケットコンベアを配
することは可能であり、製造コストは嵩むが、それらの
使用は本発明において特に制限されない。
介して接続するものの、空間的に直に連通していない場
合(二次貯留槽がコンベア装置側の外気に開放されてい
ない場合)は、一次貯留槽、連結管、二次貯留槽を単純
往復またはエンドレスで循環するバケットコンベアを配
することは可能であり、製造コストは嵩むが、それらの
使用は本発明において特に制限されない。
【0015】
【実施例】図1および図2は、本発明に係る浮遊油回収
装置の一例を示すものである。まず全体構造を説明す
る。この浮遊油回収装置は、油を回収貯留するための作
業台船10と、浮遊油を囲うための一次オイルフェンス
25、二次オイルフェンス35、および二次オイルフェ
ンス35の先端を誘導するコントロール船39を備え
る。
装置の一例を示すものである。まず全体構造を説明す
る。この浮遊油回収装置は、油を回収貯留するための作
業台船10と、浮遊油を囲うための一次オイルフェンス
25、二次オイルフェンス35、および二次オイルフェ
ンス35の先端を誘導するコントロール船39を備え
る。
【0016】二次オイルフェンス35は、前方に向かっ
て自由に拡開する左右一対のフェンス部材によって構成
する。36は二次オイルフェンスを構成する浮体、37
は二次オイルフェンスの先端浮体とコントロール船39
とを連結する索条である。
て自由に拡開する左右一対のフェンス部材によって構成
する。36は二次オイルフェンスを構成する浮体、37
は二次オイルフェンスの先端浮体とコントロール船39
とを連結する索条である。
【0017】一次オイルフェンス25の上部には、海面
Mから所定の高さ位置に天幕26を張設し、海面Mとの
間に一定の隙間空間Sを作るようにしておく。27は、
第一オイルフェンスの開口(油の回収開口)である。こ
の一次オイルフェンス25も、左右の拡開角度を自由に
調整可能としても良いが、左右および上部を空間的に仕
切る必要があるので、必ずしも自由な拡開調整を保証す
る必要はない。
Mから所定の高さ位置に天幕26を張設し、海面Mとの
間に一定の隙間空間Sを作るようにしておく。27は、
第一オイルフェンスの開口(油の回収開口)である。こ
の一次オイルフェンス25も、左右の拡開角度を自由に
調整可能としても良いが、左右および上部を空間的に仕
切る必要があるので、必ずしも自由な拡開調整を保証す
る必要はない。
【0018】この一次オイルフェンス25は、より具体
的には例えば、図3,図4に示すように、前方の開口2
7を形成する複数のパイプ材とフロート29を備えると
ともに、天幕26を張るための補強フレーム80を備え
る。81は開口27の上部に展張するシートである。ま
た82は、シート81を展張するための下部フレーム、
84は前記補強フレーム80の結合部材である。フロー
ト29は、波頭の動きに応じて開口27を上下動させ、
油の回収開口27の面積を一定に保持する機能を営む。
尚、フロート29の配設個数は限定されない。また一次
オイルフェンス25の左右側面にもシートを展張する
等、前方の開口27だけを解放しておく。尚、各フレー
ム80,82は、上下動または左右動可能なジョイント
部材をもって接続する。図4において海面波頭に浮かぶ
フロート29以外の円で示す部分が当該ジョイント部材
である。
的には例えば、図3,図4に示すように、前方の開口2
7を形成する複数のパイプ材とフロート29を備えると
ともに、天幕26を張るための補強フレーム80を備え
る。81は開口27の上部に展張するシートである。ま
た82は、シート81を展張するための下部フレーム、
84は前記補強フレーム80の結合部材である。フロー
ト29は、波頭の動きに応じて開口27を上下動させ、
油の回収開口27の面積を一定に保持する機能を営む。
尚、フロート29の配設個数は限定されない。また一次
オイルフェンス25の左右側面にもシートを展張する
等、前方の開口27だけを解放しておく。尚、各フレー
ム80,82は、上下動または左右動可能なジョイント
部材をもって接続する。図4において海面波頭に浮かぶ
フロート29以外の円で示す部分が当該ジョイント部材
である。
【0019】一方、作業台船10の前方には、コンベア
装置11を設ける。50は、コンベア装置11を配置す
るための略ボックス型のケース体、14は、浮遊ケース
体50内部の独立空間部、15は、コンベア装置11に
よって掻き上げられた油を暫時貯留する一次貯留槽であ
る。尚、17はコンベア搬送路を駆動する回転ドラム、
18はドラム軸である。
装置11を設ける。50は、コンベア装置11を配置す
るための略ボックス型のケース体、14は、浮遊ケース
体50内部の独立空間部、15は、コンベア装置11に
よって掻き上げられた油を暫時貯留する一次貯留槽であ
る。尚、17はコンベア搬送路を駆動する回転ドラム、
18はドラム軸である。
【0020】コンベア装置11は、回収開口27から後
方(作業台船本体側)に向かって上昇傾斜させて配し、
エンドレス駆動される搬送路上には、並列突出させた帯
状の複数本の掻き上げ突起16を配する。搬送路を前方
下降させて配するのは、回収時の余分な海水の水切りを
行うためである。またコンベア装置11の搬送路に掻き
上げ突起16を設けるのは、粘性の高い浮遊油を突起
(16)に引っかけて滑落を防止し、効率的に回収する
ためである。
方(作業台船本体側)に向かって上昇傾斜させて配し、
エンドレス駆動される搬送路上には、並列突出させた帯
状の複数本の掻き上げ突起16を配する。搬送路を前方
下降させて配するのは、回収時の余分な海水の水切りを
行うためである。またコンベア装置11の搬送路に掻き
上げ突起16を設けるのは、粘性の高い浮遊油を突起
(16)に引っかけて滑落を防止し、効率的に回収する
ためである。
【0021】作業台船10には、コンベア装置11を配
する独立空間部14の空気を強制的に吸引するためのバ
キューム装置13を設ける。符号19は、バキューム装
置13とケース体50内部の独立空間部14とを連結す
る吸引管である。吸引管19は、ケース体50の天井パ
ネルに接続することが望ましい。強制的な整流作用によ
って浮遊油を上方へ持ち上げるように煽り起こし、コン
ベア装置11にスムースに油を乗せて回収するためであ
る。
する独立空間部14の空気を強制的に吸引するためのバ
キューム装置13を設ける。符号19は、バキューム装
置13とケース体50内部の独立空間部14とを連結す
る吸引管である。吸引管19は、ケース体50の天井パ
ネルに接続することが望ましい。強制的な整流作用によ
って浮遊油を上方へ持ち上げるように煽り起こし、コン
ベア装置11にスムースに油を乗せて回収するためであ
る。
【0022】作業台船10には、大容量の二次貯留槽6
0を設ける。そして前記一次貯留槽15と二次貯留槽6
0とを、連結管70によって連絡する。連結管70は、
例えば図2に示すように側面形状が逆U字状を呈し、吸
引直立部71、水平部72、放出直立部73の各構成部
分をもつ。吸引直立部71の下端開口部75は、一次貯
留槽15の底面(符号Bで示す)近傍に位置させる。一
次貯留槽15に回収される油分レベルより下端開口部7
5を下方に位置させ、一次貯留槽15と二次貯留槽60
との間の自由な空気の移動を防止する為である。かかる
構成によって、一次貯留槽15と二次貯留槽60とは空
間的に非連通となり、前記バキューム装置13による強
制吸引時にも、二次貯留層60は吸引作用に干渉しな
い。
0を設ける。そして前記一次貯留槽15と二次貯留槽6
0とを、連結管70によって連絡する。連結管70は、
例えば図2に示すように側面形状が逆U字状を呈し、吸
引直立部71、水平部72、放出直立部73の各構成部
分をもつ。吸引直立部71の下端開口部75は、一次貯
留槽15の底面(符号Bで示す)近傍に位置させる。一
次貯留槽15に回収される油分レベルより下端開口部7
5を下方に位置させ、一次貯留槽15と二次貯留槽60
との間の自由な空気の移動を防止する為である。かかる
構成によって、一次貯留槽15と二次貯留槽60とは空
間的に非連通となり、前記バキューム装置13による強
制吸引時にも、二次貯留層60は吸引作用に干渉しな
い。
【0023】また二次貯留層60の内部気圧を低減する
ため、作業台船10には低圧バキューム装置68を設け
る。この低圧バキューム装置68による二次貯留層60
の減圧により、一次貯留層15の油は連通管70を通っ
て二次貯留層60に移送されることになる。
ため、作業台船10には低圧バキューム装置68を設け
る。この低圧バキューム装置68による二次貯留層60
の減圧により、一次貯留層15の油は連通管70を通っ
て二次貯留層60に移送されることになる。
【0024】従って、かかる構成によれば、海上を浮遊
する油は、まずコントロール船39の運動によって二次
オイルフェンス35に取り囲まれる。取り囲まれた油
は、台船のバキューム装置13による強制吸引によって
序々に一次オイルフェンス25の画成領域に入り、そこ
で強制空気流による急速移動と上昇空気流の煽りによる
浮上作用を受け、コンベア装置11の掻き上げ突起16
に捕捉され、一次貯留槽15に回収される。
する油は、まずコントロール船39の運動によって二次
オイルフェンス35に取り囲まれる。取り囲まれた油
は、台船のバキューム装置13による強制吸引によって
序々に一次オイルフェンス25の画成領域に入り、そこ
で強制空気流による急速移動と上昇空気流の煽りによる
浮上作用を受け、コンベア装置11の掻き上げ突起16
に捕捉され、一次貯留槽15に回収される。
【0025】一次貯留槽15に入った油は、低圧バキュ
ーム装置68の駆動による二次貯留槽60の負圧吸引作
用に従い、連結管70を通って二次貯留槽60に吸引移
送される。
ーム装置68の駆動による二次貯留槽60の負圧吸引作
用に従い、連結管70を通って二次貯留槽60に吸引移
送される。
【0026】このようにして、タンカー事故等により海
上を浮遊する大量の油は、コントロール船39と二次オ
イルフェンス35の取り込み操作によって、迅速に回収
格納が可能となる。作業台船10は、大量の油分を回収
する必要性があるので、極端に船底を浅くすることは難
しいが、沖合いからコントロール船39を浅瀬に向かわ
せる等の操作により、かなりの程度、浅瀬に打ち上げら
れた油分の回収も可能となる。
上を浮遊する大量の油は、コントロール船39と二次オ
イルフェンス35の取り込み操作によって、迅速に回収
格納が可能となる。作業台船10は、大量の油分を回収
する必要性があるので、極端に船底を浅くすることは難
しいが、沖合いからコントロール船39を浅瀬に向かわ
せる等の操作により、かなりの程度、浅瀬に打ち上げら
れた油分の回収も可能となる。
【0027】尚、天幕26は例えば樹脂素材等を使用
し、隙間空間S内の空気を強制吸引する時の整流作用に
支障がないようにする。通気性があっても構わないので
あるが、メッシュネットのように過度に通気性があると
空気吸引による浮遊油の移動と煽り効果がなくなるた
め、天幕26の空気透過率は適宜調整することが望まし
い。一次オイルフェンスは、吸引空気流を発生させるた
めに左右側面および上面が覆われている必要がある。従
って、必ずしも拡開角度の自由な調整を保証する必要は
なく、拡開角度を一定に固定した平面略扇型の成形品を
使用しても良い。その場合は、天幕26は可撓性の低い
パネル材(樹脂、金属、木製等の素材を問わない)を用
いることも出来る。パネル材を使用する場合は、海面の
動きを考慮してある程度の可撓性をもたせることが望ま
しい。
し、隙間空間S内の空気を強制吸引する時の整流作用に
支障がないようにする。通気性があっても構わないので
あるが、メッシュネットのように過度に通気性があると
空気吸引による浮遊油の移動と煽り効果がなくなるた
め、天幕26の空気透過率は適宜調整することが望まし
い。一次オイルフェンスは、吸引空気流を発生させるた
めに左右側面および上面が覆われている必要がある。従
って、必ずしも拡開角度の自由な調整を保証する必要は
なく、拡開角度を一定に固定した平面略扇型の成形品を
使用しても良い。その場合は、天幕26は可撓性の低い
パネル材(樹脂、金属、木製等の素材を問わない)を用
いることも出来る。パネル材を使用する場合は、海面の
動きを考慮してある程度の可撓性をもたせることが望ま
しい。
【0028】また図面では、一次オイルフェンス25の
天幕26は前方に向かって下降傾斜しているが、これは
フェンスの前方開口面積を小さくするためである。バキ
ューム装置13の能力が十分に大きい場合は、傾斜設計
する必要はない。
天幕26は前方に向かって下降傾斜しているが、これは
フェンスの前方開口面積を小さくするためである。バキ
ューム装置13の能力が十分に大きい場合は、傾斜設計
する必要はない。
【0029】またバキューム装置13と低圧バキューム
装置68は、空気の吸引作用を行う装置として同じ作用
を営むので、十分に高いバキューム性能をもつ装置を使
用する場合には、同一装置を併用しても構わない。
装置68は、空気の吸引作用を行う装置として同じ作用
を営むので、十分に高いバキューム性能をもつ装置を使
用する場合には、同一装置を併用しても構わない。
【0030】作業台船の大きさは問わない。二次オイル
フェンスを誘導するコントロール船は、実際に作業員が
搭乗する船舶ボートに限らず、無線による遠隔操作が可
能な推進浮遊船でも良い。
フェンスを誘導するコントロール船は、実際に作業員が
搭乗する船舶ボートに限らず、無線による遠隔操作が可
能な推進浮遊船でも良い。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る回収装
置によれば、大量の海上浮遊油を迅速かつ効率的に回収
することが出来る。
置によれば、大量の海上浮遊油を迅速かつ効率的に回収
することが出来る。
【図1】本発明に係る浮遊油回収装置の一例を示す平面
図である。
図である。
【図2】本発明に係る作業台船の部分断面側面図であ
る。
る。
【図3】本発明に係る一次オイルフェンスの具体的構成
例を示す平面図である。
例を示す平面図である。
【図4】図3のA矢視図である。
【図5】従来の浮遊油回収装置を例示する図である。
10 作業台船
11 コンベア装置
13 バキューム装置
14 独立空間部
15 一次貯留槽
16 掻き上げ突起
17 回転ドラム
18 ドラム軸
19 吸引管
25 一次オイルフェンス
26 天幕
27 開口
35 二次オイルフェンス
36 浮体
37 索条
39 コントロール船
50 ケース体
60 二次貯留槽
70 連結管
71 吸引直立部
72 水平部
73 放出直立部
75 下端開口部
M 海面
S 隙間空間
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B63B 35/32
B63B 25/08
Claims (2)
- 【請求項1】海上に浮遊する油を回収するための作業台
船と、 この作業台船の側部に開設した回収開口に、左右の基端
部が取り付けられ、前方に向かって拡開する一次オイル
フェンスと、 この一次オイルフェンスの先端部に、左右の基端部が取
り付けられる一対の二次オイルフェンスと、 この二次オイルフェンスの先端を誘導するコントロール
船とを備えてなり、 前記一次オイルフェンスは、左右一対の浮遊体を備える
とともに、当該浮遊体の上部位置に水面から所定高さを
もって天幕を配する一方、 前記作業台船は、 浮遊油を船内に取り込むための取込手段と、船内に取り
込んだ浮遊油を貯槽タンクに最終的に回収するための回
収手段とを備え、 前記取込手段は、 回収開口に連続し、上部が天幕で覆われた一次オイルフ
ェンス内空間の空気を強制的に吸引するバキューム手段
と、 当該バキューム手段によって吸引された海上面空気に従
って移動する浮遊油を作業台船内に搬送するためのコン
ベア装置を備え、 該コンベア装置の搬送面は、海面から作業台船内部に向
かって上昇傾斜するよう角度設定するとともに、その表
面に所定間隔をもって突出させた板状突起物を備えるよ
う構成する一方、 前記回収手段は、 コンベア装置によって運ばれた浮遊油を一時的に貯留す
る一次貯留槽と、 該一次貯留槽の油を最終的に格納する二次貯留槽とを備
え、 一次貯留槽と二次貯留槽とを連結管によって接続すると
ともに、 一次貯留槽内部の油を二次貯留槽に移送する搬送手段を
備えることを特徴とする浮遊油回収装置。 - 【請求項2】前記回収手段は、 コンベア装置によって運ばれた浮遊油を一時的に貯留す
る一次貯留槽と、 該一次貯留槽の油を最終的に格納する二次貯留槽と、 二次貯留槽内の気圧を強制低下させる低圧バキューム装
置を備え、 一次貯留槽と二次貯留槽とを連結管によって接続し、当
該連続管の一端部を、一次貯留層の底面近傍に位置させ
ることを特徴とする請求項1記載の浮遊油回収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25932698A JP3410031B2 (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | 浮遊油回収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25932698A JP3410031B2 (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | 浮遊油回収装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000072084A JP2000072084A (ja) | 2000-03-07 |
JP3410031B2 true JP3410031B2 (ja) | 2003-05-26 |
Family
ID=17332545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25932698A Expired - Fee Related JP3410031B2 (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | 浮遊油回収装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3410031B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100987379B1 (ko) * | 2008-01-07 | 2010-10-12 | 이도형 | 해양 오염 방지용 오일 방제선 |
CN110397013B (zh) * | 2019-08-16 | 2020-05-05 | 温州屉安智能科技有限公司 | 一种湿地净化用实地操作装置 |
JP6930767B1 (ja) | 2020-04-17 | 2021-09-01 | 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 | 浮遊油の回収処理装置 |
CN114849308A (zh) * | 2022-03-15 | 2022-08-05 | 杭州国泰环保科技股份有限公司 | 一种水域溢油污染应急快速处理设备 |
-
1998
- 1998-08-27 JP JP25932698A patent/JP3410031B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000072084A (ja) | 2000-03-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3613891A (en) | Oil removal apparatus | |
US20080219771A1 (en) | Apparatus, System and Method for Collecting Material from Water System and Uses of Apparatus | |
US4554070A (en) | Weir-type skimmer employing a wave diffuser | |
US3966613A (en) | Apparatus for spilling retrieval | |
US20110303613A1 (en) | Crouse oil spill response process | |
US5028325A (en) | Water rake | |
CA2901880C (en) | Removing oil from a body of water | |
JPH10159704A (ja) | 波のエネルギーで作動する波力ポンプ | |
GB2138312A (en) | Spilled oil processing apparatus | |
SU1386023A3 (ru) | Устройство дл подъема объектов или сбора нефти в совокупности с боновым ограждением с поверхности мор | |
US12077927B2 (en) | Buoyant containment and/or filtration | |
JPH107076A (ja) | 海洋汚染防止用のオイル防災船 | |
US3986959A (en) | Oil spill apparatus | |
WO2022098761A1 (en) | Systems, apparatus and methods for remote collection of floating debris | |
JP3410031B2 (ja) | 浮遊油回収装置 | |
US8366943B2 (en) | Apparatus and method for collecting material from water systems | |
WO2023167596A1 (en) | Fish farming systems | |
CN216586466U (zh) | 一种无人船漂浮物收集框自动卸载装置 | |
US4998369A (en) | Brine shrimp egg harvester | |
JPH11171085A (ja) | 油回収船 | |
SE428673B (sv) | Apparat for upptagning och for atervinning av olja fran ytan av en vattenkropp | |
GB2554415A (en) | Contaminant recovery apparatus | |
CN110356519A (zh) | 一种自识别分类海洋塑料垃圾清理船 | |
USRE30729E (en) | Floatage collecting apparatus and method | |
KR20020089937A (ko) | 해저 폐기물 수거장치 및 그 예인선 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20030204 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |