JP3409796B2 - イントロン配列分析法を用いた直接ハプロタイピングによるゲノム地図作成方法 - Google Patents

イントロン配列分析法を用いた直接ハプロタイピングによるゲノム地図作成方法

Info

Publication number
JP3409796B2
JP3409796B2 JP51213591A JP51213591A JP3409796B2 JP 3409796 B2 JP3409796 B2 JP 3409796B2 JP 51213591 A JP51213591 A JP 51213591A JP 51213591 A JP51213591 A JP 51213591A JP 3409796 B2 JP3409796 B2 JP 3409796B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
haplotype
region
locus
amplified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP51213591A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05506998A (ja
Inventor
シモンズ,マルコルム,ジェイ.
Original Assignee
ジェネティック テクノロジーズ リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=24199190&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3409796(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by ジェネティック テクノロジーズ リミテッド filed Critical ジェネティック テクノロジーズ リミテッド
Publication of JPH05506998A publication Critical patent/JPH05506998A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3409796B2 publication Critical patent/JP3409796B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6827Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism
    • C12Q1/683Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism involving restriction enzymes, e.g. restriction fragment length polymorphism [RFLP]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6841In situ hybridisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/6858Allele-specific amplification

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、非暗号配列変異の分析により、個体のハプ
ロタイプを直接同定することに関する。この発明は、ゲ
ノム全域において特定部位の多型を迅速に試験し、ま
た、独特の表現型によって同定される未知のヒトの遺伝
病遺伝子の位置クローニングを促進する等の広範囲な応
用性を持つものである。
発明の背景 クローン化疾患遺伝子は、ヒト遺伝病の原因となる突
然変異の型を定めるのに用いられ(S.H.Orkin,et al An
n.Reo.Genet 18:131−171(1984))、胎児期における
異常遺伝子の検出を可能にし(c.f.R.V.Lebo,et al Am.
J.Hum.Genet47:583−590(1990))、また、これらの遺
伝子を作用組織に導入させることにより遺伝子置換治療
が試みられるようになった(S.A.Rosenberg,et al Huma
n Gene Therapy 1:73−92(1990))。最終的にはヒト
の完全なゲノム配列決定の目標へ至る過程で、ヒトゲノ
ム計画がかなりのマッピングデータを生み出し、分離
し、RFLPの配列標識部位(STS)、及びcDNA(ESTs;表現
配列標識;M.D.Adams,et al Sci,252:1651−1656(199
1))を地図化するだろう。現在、多型性マーカーの最
も普通の同定方法は、多くの制限エンドヌクレアーゼを
用いた制限酵素分析法である。この方法は、労働集約型
である。本発明は、かなり多くの情報部位を急速に発生
させることを提案し、これによりゲノムの地図作成を促
進し、未知の疾患遺伝子を同定し、危険な胎児における
胎児期診断に関する情報を提供するものである。
ヒトゲノム計画: ヒトゲノム計画は、ヒト遺伝子の地図を作成し、発
生、組織特異性表現またヒト遺伝病を理解するのに重要
な遺伝子を同定するという個別の努力の論理的な延長で
ある。困難な点は、情報の大きさと尨大な量である:す
なわち、それぞれのヒトの親から得られるそれぞれのハ
プロイドゲノムは、3×109個のDNAの塩基対をもってい
る。ゲノム計画の当初の長期目標は、正常なヒトからそ
れぞれの塩基対を配列することにある。計画に関係して
いる個々の科学者達は、関連のある他の目標を含めて計
画の範囲と費用をひろげている。最初の第一段階は、ゲ
ノムを通して、およそ10センチモルガンの多型性連鎖遺
伝子座のマップを作り出すことにあった。個体の染色対
の数十センチモルガン地図が作られ、そして1対の染色
体は1センチモルガン地図に近づいている。一方、生成
された最も密集した多型地図は、特別に識別可能な表現
型の未知の疾患遺伝子の領域にある。位置クローニング
計画では、12の未知疾患遺伝子(下記参照)に関する同
定に成功し、疾患遺伝子領域における高密度の地図を作
成した。染色体連鎖地図の作成に最も有用なマーカー
は、ほとんどすべての交配で情報を与える多くの対立遺
伝子をもったこれらの多型性マーカーである。これらの
部位は、交配による情報提供が少ない隣接部位を、より
情報提供型にする。本発明は、連鎖研究上の最終点とし
て、かなり多くの、より情報型多型性部位を発生する方
法の提案に関するものである。
クローン疾患遺伝子の胎児期診断 およそ12の疾患遺伝子が、ヘモグロビンや凝固因子の
ような既知の遺伝子生成物を基にクローン化された。他
の12の遺伝子が、位置クローニングにより分離された。
初期の胎児期診断は、疾患遺伝子領域における情報型多
型の分離を基に行われる。ほとんどそれぞれ場合での診
断を確実にする十分に情報型の多型性を同定する標準RF
LP分析は多少なりとも労働集約型である(R.V.Lebo,et
al Am.J.Hum.Genet47:583−590(1990))。
限定した数の遺伝子突然変異が、ある与えられた遺伝
子座に、原因となる配列変化の大部分を結果的に起し、
そのため、それぞれの突然変異についての特殊な検査で
病気対立遺伝子の重要な部分を説明する時に、異常なハ
プロタイプの多形性分析が唯一利用できる選択方法かも
知れない。現在、これは、突然変異を起した対立遺伝子
が多く報告されている嚢脆性繊維症の場合のことであ
る。しかしながら、現在の方法よりも、スクリーニン
グ、されるより多くの情報提供型多型部位を与える方法
を用いれば、胎児分析の履行能力が促進されるだろう未
知の疾患遺伝子の“逆向き遺伝学”また“位置クローニ
ング”は、候補の遺伝子が親及び正常な物に分離され配
列されるまで、まれにしか組み換えられない多形性マー
カーを近接配置することにより遺伝病遺伝子座の方へ近
づく方法に関するものである。すべての突然変異の対立
遺伝子が、病原変質をもつことを示しうるとき(c.f.S.
H.Orkin,et al Ann.Rev.Genet.18:131−171(198
4))、そしてすべての正常な対立遺伝子が正常な配列
をもつことが示される時に、遺伝子が同定されてきた。
検索の最初の部分は、ゲノム全域にわたり、多くの多型
性マーカーを通して、多型が、2より大きなLOD(公算
のlog)評点を与えるのが見出されるまで、変更する。
次に、多くのマーカーが、LOD評点3が得られるまで
試験され、連鎖が立証されたと考えられる。これは、多
型性部位が遺伝子に連鎖される可能性が、999/1000(lo
g101000=3;103=1000)より大きいことを意味する。Ra
y Whiteの実験室で、期待した通り、試験で評点が3.0よ
り大きい、1000個の中の1個の予測連鎖が、連鎖されて
いないことを見出している。
ゲノムの全体は、22対の常染色体と1対の性決定染色
体に関しおよそ3000センチモルガン(1センチモルガン
=1%組換え)を含むと推定される。理想的には、ゲノ
ム全域で10センチモルガンの間隔で、およそ300の均等
にひろがった多型性部位を利用することができ、その結
果、疾患遺伝子への連鎖に関するゲノムのそれぞれの検
索によって、情報型多型マーカーと疾患表現型との間の
連鎖が明らかにされることである。不幸にして、ほんの
わずかの染色体しか、多型性マーカーによくマップされ
なかった。これらのマーカーは、染色体上に均等に配置
されていない。従って、連鎖した多型マーカーに関する
現在のゲノム検査では、ヒトゲノム全域のおよそ85%を
試験する約1200の多型プローブを主として含んでいる。
染色体部位の情報が増加する程、より有用になる。
ヒトゲノム計画の一つの目標は、最も少ない数のマー
カーと潜在的な患者を用いて、追加の原因遺伝子が容易
にマップされるような均等に位置決定された多型部位を
開発することである。組織特異性ライブラリーから分離
し、マッピングしたcDNAは、遺伝病用候補遺伝子と同
様、追加の、独自にマップされた染色体部位を与えるだ
ろう(M.D.Adams et al Sci.252:1651−1656(199
1))。いったん、位置決定すれば、疾患遺伝子表現型
及びまたは他の多型部位間の分離分析により遺伝子座を
遺伝(連鎖)地図に加えることが出来るように、あるい
は候補遺伝子として部位を試験できるように、その染色
体部位における情報型多型マーカーに関する検索が必要
である。
他の動向としては、雄の減数分裂の中期の始めにおけ
るキアズマ(組換え)測定に基づくセンチモルガンの予
測数が、全体的に調べられた染色体でのセンチモルガン
の数を過小評価したことである。例えば、染色体1個
は、200から300センチモルガンであると推定されたが、
しかし、遺伝子距離は、現在、試験された最も遠位の多
型部位まで、およそ464センチモルガンであることが示
されている。従って、多型プローブの数は、以前に未知
の遺伝病表現型のために、ゲノム全域をスクリーンにか
けて推定した数よりも大きくしなければならないだろ
う。
位置クローニング計画を開始する前に必要とされる病
気に冒された患者とその家族の数は、遺伝様式に依存す
る。他の要因は、検査に関係する多型マーカーが交配の
部分で、単に情報を提供しうる確率である。常染色体性
劣性遺伝病の研究に患者集団は、病気に冒された2人の
子供をもつ20組の家族である。これによって、研究者
は、すべての情報提供患者と最初の病気の子供における
遺伝病表現型と多型遺伝子座の相を決定し、2番目の子
供の組換えの割合を比較することが可能になる。常染色
体性優性遺伝病の場合は、単一の大きな家系が10の情報
提供型の減数分裂をもてば、このような2系統の家系が
試験として十分である。本件のこの数は、30%のすくな
い対立遺伝子頻度(2つの対立遺伝子系の主要な対立遺
伝子頻度は従って70%)をもつ情報提供与型多型マーカ
ーとして、2.0と3.0の間のLOD評点を与えることを期待
することができる。2.0よりも大きなLOD評点を与えるす
べての多型部位について、この染色体領域における連鎖
は、もっと多くの多型プローブで検査される。−2.0
(連鎖の機会は1/100=10-2以下である)より少ないLOD
評点をもつすべてのプローブについて、連鎖は排除され
ると考えられる。
遺伝病が、LOD評点3をもつ独自の染色体領域にマッ
プされる時、その染色体領域での他の多型マーカーが試
験され、その結果は、Jurg Ottによって開発されたLIPE
Dのようなコンピュータープログラムを用いた多点連鎖
分析により比較される。多点分析は、LOD評点の上昇
(多分連鎖の可能性が9,999/10,000である4.0に)によ
り連鎖が訂正される可能性を増加し、あるいは、LOD評
点を著るしく下げる、より小さな染色体領域での二重組
換えを示すことにより、しばしば急速にこの染色体領域
を排除する。
位置クローニング計画は、それぞれの家族メンバーの
病状が確実に決定されない限り、開始されるべきではな
いことに注意すべきである。このルールについての例外
は、“うつ病”の遺伝子座がアミッシュの中の染色体11
(染色体11p)のショートアームで分離されることが報
告された際に生じた。この例で染色体11p多型性によるL
OD評点が6より大きくなる(連鎖の可能性は大きくそし
て1,000,000/1,000,001)と報告された後;程なく、2
人の患者の重いうつ病が急速に改善された際、連鎖研究
の基礎になる表現分析が間違っていることが発見され
た。これら2つの表現型を正しく設定し、これを基にLO
D評点が計算された時、相互関係は連鎖が誤りであるこ
とを証明した。この進展は、病気の診断を、より容易に
するのに必要であることよりも、集団遺伝学者をさらに
懐疑的にしたがしかし、連鎖研究の基礎となるそれぞれ
の家族メンバーに対する正しい病状診断の重要性が強調
される。
疾患遺伝子が、連鎖した多型プローブにマップされた
時、次の段階は、同じ染色体領域にある多くの他の多型
マーカーの対立遺伝子を分離し、試験することである。
存在するマーカーの獲得は、同じ染色体領域のこれまで
の研究からの利用可能なクローンおよびライブラリーあ
るいは、この染色体領域にあらかじめマップされた利用
可能なcDNAまたは他の多型プローブに依存している。新
しいプローブを発生するための最適計画は、協同した研
究所の資源と専門的知識に依存している。
例えば、疾患遺伝子がマップされたすべてのヒト染色
体を運ぶ齧歯類−ヒトハイブリド体細胞は照射すること
ができる。そこで、連鎖した多型プローブにより染色体
領域だけを運ぶ細胞株を分離することができる。組換え
ライブラリーは、ヒトクローンを同定するためのヒトal
u反復配列によりスクリーニングされる。alu配列は、ヒ
トゲノムを通じておよそ300,000回繰返されるので、こ
の方法で多くのヒトクローンが同定される。これらのク
ローンから、DNA多型部位が同定され、さらに、一族内
で連鎖分析が行われる。
第2の方法は、疾患遺伝子領域内の染色体部分を分裂
し、わずかに集められた染色体の体節をaluプライマー
で増幅し、また、増幅したフラグメントをクローン化す
ることである。これらのフラグメントは、次いで、疾患
遺伝子領域内における多型性を見出すのに用いられる。
これら多型部位の分離物は、さらに、疾患遺伝子領域を
定めるために、影響を受けたすべての系統で試験され
る。分裂片のライブラリーは、およそ12の既知の遺伝病
遺伝子座内で作られた。
同時に、推定上の疾患遺伝子領域にマップされた他の
クローン遺伝子は、影響を受けた系統内で試験されたこ
れらの遺伝子の多型性と分離について試験することがで
きる。
この点で、R.V.Lebo,et al Am.J.Hum.Genet.47:583−
590(1990)に指適されたように、95%の信頼性があ
り、事例の少なくとも75%に情報を与える、臨床的な胎
児期遺伝試験が提案されるかも知れない。遺伝病の頻度
によっては、患者集団は、単に、疾患遺伝子の位置のマ
ッピングと、近接して連鎖した遺伝子マーカーの発見に
のみ限定されるかも知れない。遺伝子の変質を識別する
ことは別として、記述された4,000以上の遺伝病の中、
多分2,000の場合がそうであるかも知れない(Mckusick,
Mendelian Inheritance in Man)。
位置クローニングの次の目標は、DNAの1メガベース
(Mg)または1,000,000塩基対以下に過ぎないフランキ
ングマーカーの間の未知の遺伝病遺伝子座の輪郭を抽く
ことである。領域外で試験されたクローンの数を最小に
する一方、このような小さな染色体領域内でのクローン
化DNA断片のたくさんの数を継続してスクリーングする
方法が最も生産的である。たとえば、照射された染色体
17ハイブリッドから分離されたコスミドクローン及びハ
イブリダイゼーションにより、その染色体領域のみをも
って、ロングアームにハイブリッドする同定クローン
は、神経繊維腫症−1遺伝子座の飽和に用いられた。そ
れから再び、嚢胞性繊維症染色体領域からのフラグメン
トのライブラリーが、すべてのハイブリッド細胞株に保
有された近傍の選択型遺伝子を運ぶ細胞系から作られ
た。
デユシエン筋ジストロフイー(A.P.Monaco,et al,Nat
ure323:646−650(1986))及び、X染色体の慢性肉芽
腫症(B.Royer-Pokora,et al Cold Sp.Harbor Symp.LI:
169−176(1986))、染色体7の嚢胞性繊維症(J.M.Ro
mmens,et al Sci.245:1059−1065(1989);J.R.Riorda
n,et al Sci.245:1066−1073(1989);B.S.Kerem,et al
Sci.245:1073−1080(1989)及び染色体17の神経繊維
腫症−1(M.R.Wallace,et al Sci.249:181−186(199
0))を含むおよそ12の疾患遺伝子が位置クローニング
により同定された。染色体17のX染色体遺伝子及び神経
繊維腫症−1遺伝子座は、染色体組換えが疾患遺伝子領
域を限定したので、もっと容易に迅速に同定された。メ
ガベース領域の嚢胞性繊維症、常染色体性劣性遺伝病
を、連鎖分析と不平衡によって、フランキングマーカー
で境界を定める一層の努力が要求される。次いで、酵母
人工染色体(YAC)ライブラリーによる染色体ホピング
が、YAC“ホピング”及び“リンキング”ライブラリー
による異常遺伝子の同定に先立って、残存するDNA部分
を分離するために用いられた(J.M.Rommens,et al Sci.
245:1059−1065(1989)。
次に、推定疾患遺伝子領域における転写遺伝子が、制
限エンドヌクレアーゼ切断部位によりCPG島を探る種間
の保護配列の検索により、また最近開発されたエクソン
トラッピング計画により、同定されるかも知れない。YA
Cクローンは、コスミド中で一部消化され、サブクロー
ン化される。次にコスミドは、標識され、反復配列へハ
イブリダイズするために、すべての非標識ヒトDNAにア
ニーリングされ、次いで、犬、マウス、猫及び牝牛から
得たDNAヘサザン法によりハイブリダイズされる(動物
ブロット参照)。
それぞれに、ハイブリダイズする配列を運ぶYACクロ
ーンは、保護遺伝子を運ぶと考えられる。これらのコス
ミドは、それで、組織特異性のcDNAライブラリをスクリ
ーンするのに用いられる。相同cDNAクローンを認知する
これらのコスミドは、そこで、推定遺伝子が冒された組
織中に発現するか否かを決定するために、異なる組織中
にノザン法によってハイブリダイズされる。このような
組織は、ヒトの死体か、実験室のラットから求めること
が出来る。
遺伝子を同定する第2の方法は、CPG5を認識し、切断
して多くの遺伝子にする、Bss H II,Eag IまたSac IIの
ような酵素でYACクローンを切断することである(C.A.S
argent et al EMBO8:2305−2312(1989))。分離したY
ACクローンは消化させることができ、また挿入YACが切
断されたか否かを知るために、パルスフイールドゲル電
気泳動を用いて分離することができる。
次に切断片の末端は、丁度Not I YAC連鎖ライブラリ
が構成されるように、プラスミドベクターに連結し、ベ
クターを切断しない制限酵素で消化し、増殖のためプラ
スミドを要求するバクテリアを形質転換することによっ
て分離することができる。増殖するプラスミドは、保護
配列のための動物ブロット、組織抽出のサザンブロット
またcDNAライブラリのスクリーンに用いられる。
第3の方法、エクソントラッピングは、遺伝子領域の
特性を明らかにするために、レトロウイルス性ベクター
を用いたDr.Geoffrey Duykによって開発された。YACま
たは、コスミドクローン化配列は、消化され、レトロウ
イルス性ベクターpETV−SDにクローン化されたシヨット
ガンがエクソントラップカセットに運ばれる。このエク
ソントラップベクターは、クローン化ゲノムDNA断片に
暗号化された機能的なスプライス受容部位を同定する。
大部分の遺伝子は、RNAスプライシングを受けるので、
このような部位は、大部分の遺伝子のための同定用とし
て機能する。このシヨットガンクローニングからのプー
ルされたプラスミドDNAは、エコトロピックなレトロウ
ィルス性包括細胞系に形質転換される。この細胞系は、
レトロウィルスとしてのベクター増殖のために必要な蛋
白質を供給する。レトロウィルス性DNAは、in vivoで転
写され、機能スプライス部位による転写体は、カセット
内の標識介在配列のロスでスプライシングを受けるかも
知れない。スプライスされまたスプライスされないウイ
ルス性RNAは、ウイルス粒子にパッケージされ、この培
地から収穫され、COS細胞を感染させるために用いられ
る。この第2の複製は、スプライシングの頻度を増加さ
せる。この第2培地から分離したウイルスは、本質的に
SV40抗原を生産するCOS細胞を感染させるのに用いられ
る。このようにして、シャトルベクターは、逆転写さ
れ、SV40起源または、ベクター中の複製の循環DNAエピ
ソームとして増幅される。β−バラクトシダーゼ指示遺
伝子は、スプライシングによって切り出され、スプライ
スされないコロニーは通常青色であるのに反して白色コ
ロニーを生ずる。スプライシング現象は、スプライス供
与エクソン内部で、そこから感作されたDNA配列決定に
より白色コロニー内で立証される。これらの候補エクソ
ンは、動物ブロット、cDNAライブラリー、あるいは遺伝
子同定の可能性のあるノザンブロットのスクリーンに利
用される。
先行技術の記述 Marx,Science 247:1540−1542(1990)は、自己免疫
疾患、高血圧、肥満症、癌また、アルツハイマー疾患、
躁うつ病および精神分裂病を含む精神病のような多原因
疾患の構成要素を理解するため遺伝学者が直面している
問題点を報告している。
Olson et al,Science245:1434−1435(1989)は、ゲ
ノムマッピング用に普通の言語を与えるため、配列標識
部位を用いた物理的地図方式に関する示唆を報告してい
る。
三つの論文シリーズ〔Rommens et al.Science245:105
9−1065(1989),Riordan et al,Science 245:1066−10
72(1989)及びKerem et al.Science245:1073−1079(1
989)〕は、CF遺伝子の位置、CF遺伝子の配列及び遺伝
子内の欠陥、そしてまた疾患集団内のパーセンテージを
それぞれ識別するために用いた“ジャンピング”と名づ
けた新しい遺伝子分析法について報告している。
Di Lelia et al,The Lanceti;497−499(1988)は、
北ヨーロッパ系統のコーカサスにおけるフエニルケトン
尿症の原因である2種類の主な対立遺伝子検出のための
スクリーニング法について記載している。エクソン12の
およそ中心部また介在配列12とエクソン12の結合点に位
置する突然変異は、エクソン12とフランキング介在配列
の245bp領域のPCR増幅によって検出される。増幅配列
は、両方の突然変異を取りかこみ、それぞれの対立遺伝
子に特有のプローブを用いて分析される(予備の電気泳
動分離なしに)。
Dicker et al,Bio Techniques7:830−837(1989)及
びMardis et al,Bio Techniques7:840−850(1989)
は、DNA配列、特にPCR−発生配列の自動化技術について
報告している。
Clark,Miol Biol.Evol.,7(2):111−122(1990)
は、PCR−発生対立遺伝子決定からのハプロタイプの推
定あるいは、近接連鎖した制限部多形性のハプロタイプ
頻度の推定のために、ある場合に用いられる特定の演算
方式について記述している。
Stephens et al.,Am.J.Hum.Genet.,46:1149−1155(1
990)は、増殖した異型接合個体のハプロタイプの決定
法について述べている。その方法は、“単分子稀釈”ま
たは“SDM"と呼ばれ、それぞれの稀釈サンプル中にただ
1分子のDNAだけが含まれるよう十分に稀釈することに
よって、単鎖DNA分子を推計学的に分離するものであ
る。単鎖DNAの収穫に関し、分子のハプロタイプ分析の
ためにPCR技術が用いられる。
ハプロタイプを直接識別する他の方法は、Boehnke et
al,Am.J.Hum.Genet.45:21−32(1989)によって述べら
れている。その方法は、ハプロイド細胞、特に精子細胞
を用いて行われる。
Cavalli−Sforza,Am.J.Hum.Genet.46:649−651(199
0)は、ゲノム中に存在する個体変異の程度に関する情
報を得るため、色々な遺伝位置における多くの個体のゲ
ノムの統計的サンプリングが、ゲノムマッピング計画の
一部としてなされるべきであると提案している。
上記の文献はそれぞれ、文献としてすべてここに編入
されている。
発明の要約 本マッピング方法は、個体のゲノムDNAの分析を通し
てハプロタイプの直接決定に役立たせるものである。本
マッピング方法は、興味ある遺伝領域に関連した多くの
多型性に関する情報を得、そして遺伝領域で異なる対立
遺伝子とハプロタイプをもつ個体を識別する方法を提供
するものである。さらに、本法は、興味ある遺伝子、特
に、与えられた遺伝子座からの疾患遺伝子の距離と方向
に関する情報を提供するものである。この方法は、染色
体組換えに関係しない疾患遺伝子の位置の決定に特に有
効である。
本法はまた、特に、興味ある遺伝子座におけるゲノム
を通して多型性マーカーを急速に発生させる方法を提供
するものである。マーカーは、古典的なRFLP部位より、
もっと容易に同定され、スクリーンされるばかりでな
く、マーカーは、与えられた位置に存在しても、しなく
ても、古典的RFLP部位よりもはるかに多くの情報を提供
する。
本発明は、非暗号化領域配列、特にイントロン配列
が、染色体上に近接してまた離れて連鎖した遺伝子座の
対立遺伝子に特徴的な遺伝変異を含むことを見出したこ
とに基づいている。特に、十分な数のイントロン配列ヌ
クレオチドを含む、プライマー限定の増幅DNA配列は、
興味ある遺伝領域に関係した対立遺伝子とハプロタイプ
の特徴的なパターンを生産するために用いることができ
る。そのパターンは、増幅したDNA配列の中に、ゲル電
気泳動の長さの違いで生産され、あるいはまた、1つま
たはそれ以上のエンドヌクレアーゼによる増幅DNA配列
の消化によってつくられるRFLP断片パターンである。そ
の他、一たび十分な配列情報が得られたならば、対立遺
伝子/ハプロタイプ特異的−増幅を、選別された対立遺
伝子/ハプロタイプの存在を検出するのに用いることが
できる。
マッピング方法は、多くの個体のDNAの分析により、
遺伝子座に対してつくられた対立遺伝子およびサブー対
立遺伝子(ハプロタイプ)のパターンの数を決定するこ
とにより、遺伝子座の多型の程度に関する情報を与え
る。この方法はまた、興味ある遺伝子座に関係する個体
変異を探査するための個体スクリーンに用いることがで
きる。本法はまた、疾病の集団遺伝、特に一遺伝子病の
研究に用いられる疾病関連の遺伝子座に関する情報を提
供する。
発明の詳細な説明 本発明は、非暗号領域配列変異パターン、特に、イン
トロン配列変異パターンの分析を通して、個体のハプロ
タイプを同定する能力に基づいた改良マッピング方法に
関する。マッピング方法は、2つの局面をもっている。
第一は、興味のある特別な領域について、本法は、その
領域に関係する多型性の程度についての情報を提供し、
また、異なる対立遺伝子とサブ対立遺伝子(ハプロタイ
プ型)配列をもつこれらの個体を識別し、集団を通して
の個体変異性の特徴づけを可能にしている。興味ある特
別領域について、このような特徴づけにより同じ遺伝的
配列をもつ個体の繰返しの配列決定が回避される。
興味ある領域に関係するハプロタイプ制限を分析する
ことにより、興味ある遺伝子の方向、最終的には位置を
決めることができる。さらに、直接的なハプロタイピン
グにより、家族研究を基にした連鎖分析に頼ることな
く、疾病に関係した興味ある遺伝子の位置決定を容易に
している。正常な、また疾病に冒されたハプロタイプの
直接分析は、疾病に関係した遺伝子座を同定するために
役立たせることができる。
第2に、この方法は、ゲノムを通して、多型性マーカ
ーを発生し、スクリーンするための迅速な方法を提供し
ている。特に、およそ200から500ntの配列情報、特に遺
伝子座の情報があるどの領域の非暗号配列も、急速に増
幅し、分析することができ;これによって、経済的にス
クリーンされるマーカーを提供しうる。さらに、マーカ
ーは、与えられた位置に存在してもしなくても、古典的
なRFLP部位より、はるかに多くの情報をもっている。す
べての遺伝子座について、1個または少ないイントロン
配列マーカーの分析により、遺伝子座に関係した対立遺
伝子/ハプロタイプを同定することができる。遺伝子間
配列について、領域に関係した多型性の程度は、より高
くなっている。
本発明は、十分な数の非暗号配列ヌクレオチド、特に
イントロン配列ヌクレオチドを含むプライマー一限定の
DNA配列の増幅によって、興味ある遺伝領域に関係した
対立遺伝子とハプロタイプに特徴的なパターンをつくる
ことができるという発見に基づいている。本法は、単一
の個々の有機体が試験される時、ハプロタイプを、DNA
タイピング分析の直接の産物として読みとる。本法は、
ここでは、ヒトゲノムのマッピング項目として記述され
ている。しかしながら、この方法は一般的にすべての真
核生物に応用できる。この方法は、植物や動物種のゲノ
ムDNAのマップングとしても有効に用いられる。
定義 ここで使用する“対立遺伝子”という用語は、暗号領
域に関係した遺伝的変異を意味する。すなわち、遺伝子
のもう一方の形態である。このような変異は、暗号化蛋
白質内におけるアミノ酸の置換に影響しない“サイレン
ト”変異を含む。
ここで用いられる“連鎖”という用語は、ゲノムのDN
Aの領域が、一緒に遺伝される程度に関係する。異なっ
た染色体における領域は、連鎖を示さず、期間の50%が
一緒に遺伝される。常に一緒に相続される隣接した遺伝
子は100%の連鎖を示す。
ここで用いられる“連鎖不平衡”という用語は、連鎖
した遺伝子座における2つの対立遺伝子の共発現に関係
し、このような場での対立遺伝子の共発現頻度は、それ
ぞれの対立遺伝子が別々に発現することから期待される
頻度より大きい。分離した頻度から期待される頻度で共
発現した対立遺伝子は、“連鎖平衡”であると呼ばれ
る。
ここで云う“ハプロタイプ”は、組換えにより結合し
た染色体上のゲノムDNAの領域であり、ハプロタイプ領
域内での遺伝子座は、通常ユニットとして遺伝子され
る。しかしながら、時として、遺伝的転位がハプロタイ
プ内で起こるかも知れない。このような場合、ハプロタ
イプという言葉は、連鎖した遺伝子座の染色体上での発
現に関係する操作上の用語である。
ここで用いられる“イントロン”という用語は、エク
ソン間で翻訳されないDNA配列に関係する。プロモータ
を含む5′フランキング領域と、遺伝子に関係する3′
フランキング領域は、遺伝子座として関係する。“遺伝
子間配列”という用語は、暗号領域に関係しない遺伝子
座間の間隔を置いた配列に関連して用いられ、日常会話
的には、“ジャンク”と呼ばれる。
ここで用いられる、“増幅したDNA配列”という用語
は、DNA配列とその相補的塩基配列の一部のコピーであ
るDNA配列に関係し、そのコピーは、ヌクレオチド配列
内で、元のDNA配列とその相補的配列に相当する。
ここで用いられる“相補”という用語は、特定のDNA
に相補的であるDNA配列に関係する。
ここで用いる“プライマー部位”という用語は、プラ
イマーがハイブリダイズする標的DNAの面積に関係して
いる。
ここで用いる“プライマーペア”という用語は、プラ
イマーのセットを意味し、増幅されるべきDNA配列の
5′末端とハイブリダイズする5′上流プライマー及び
増幅されるべき配列の3′末端の補体とハイブリダイズ
する3′下流のプライマーを含んでいる。
ここで用いる“エクソン限定プライマー”という用語
は、イントロンの保護部分にあるエクソンの内部または
丁度外側に位置したプライマーを含むプライマーペアを
意味しており、このプライマーは、エクソンまたその一
部を含むDNA配列を増幅し、隣接したイントロンの小さ
なパラ−エクソニック領域よりも大きくない。
ここで用いる“イントロン−スパンニングプライマ
ー”という用語は、少なくとも一つのイントロンの一部
を増幅するプライマーペアを意味し、増幅したイントロ
ン領域は、保護されない配列を含んでいる。イントロン
−スパンニングプライマーは、イントロンの保護領域内
または、隣接した上流及び/または下流エクソン配列内
に位置することができる。
ここで用いる“遺伝座”という用語は、上流または下
流に転写された非暗号領域及び関係した調整領域を含む
蛋白質を暗号化した遺伝子を含むゲノムDNAの領域を意
味する。従って、HLA遺伝子座は、HLA遺伝子産物を暗号
化する遺伝子を含むゲノムDNAの領域である。
ここで用いる“隣接遺伝子座”という用語は、(1)
DNA配列が位置する遺伝子座あるいは(2)遺伝座に関
係しないイントロンDNA配列として最も近い上流または
上流の遺伝座に関する。ここで用いる“遠位遺伝子座”
という用語は、(1)DNA配列が位置している遺伝子座
から上流または下流にある遺伝子座あるいは、(2)遺
伝座に関係しないイントロン配列として、イントロン配
列に最も近い上流または下流の遺伝座からの上流また下
流の遺伝子座に関する。
ここで用いる“遺伝子座−特異的プライマー”という
用語は、一定の遺伝子座の一部またはその相補的鎖と特
異的にハイブリダイズし、そして増幅法に用いられる条
件下で他のDNA配列とはハイブルダイズしないプライマ
ーを意味する。遺伝子座−特異的プライマーペアは、遺
伝座の大部分の対立遺伝子にまたは、遺伝子座のすべて
の対立遺伝子に存在する増幅DNA配列を限定する。遺伝
子座−特異的プライマーペアは一つの遺伝子座−特異的
プライマーを含む。ペアの他のプライマーは、様々な遺
伝座に共通であることができ、あるいはまた、遺伝子座
−特異的プライマーであることができる。
ここで用いる“配列−特異的プライマー”(SSP)と
いう用語は、遺伝座の1つまたはそれ以上の対立遺伝子
中にあるいはそれらの相補的鎖に存在するが、遺伝子座
のすべての対立遺伝子には存在しない配列多型と特異的
にハイブリダイズするプライマーを意味する。SSPは、
増幅法に用いられる条件下で、配列多型を含まない遺伝
座の対立遺伝子とはハイブリダイズしない。配列−特異
的プライマーペアは、遺伝座の多くの対立遺伝子中には
存在するが、遺伝子座のすべての対立遺伝子中には存在
しない増幅されたDNA配列を限定する。配列−特異的プ
ライマーペアは、1つの配列−特異的プライマーを含
む。ペアの他のプライマーは、遺伝座として、様々なプ
ライマーペアに共通であることができるし、あるいはま
た、配列−特異的プライマーとして対立遺伝子の同じ群
に対して特異的であることができる。
ここに用いる“対立遺伝子−特異的プライマー”(AS
P)という用語は、遺伝座の1つの対立遺伝子中に、あ
るいはその相補的鎖に存在し、遺伝子座の他の対立遺伝
子には存在しない配列多型と特異的にハイブリダイズす
るプライマーを意味する。ASPは、増幅法に用いられる
条件下で、遺伝座の他の対立遺伝子とはハイブリダイズ
しない。対立遺伝子−特異的プライマーペアは、遺伝座
の1つの対立遺伝子中に存在し、遺伝子座の他の対立遺
伝子中に存在しない増幅されたDNA配列を限定する。対
立遺伝子−特異的プライマーペアは、少なくとも1つの
対立遺伝子−特異的プライマーを含む。他のプライマー
は、多数の対立遺伝子に共通であることができる。
ここに用いる“ハプロタイプ−特異的プライマー”
(HSP)という用語は、遺伝座及び1つまたはそれ以上
の隣接した遺伝子座に関係する1つのハプロタイプ中
に、あるいはその相補的鎖に存在するが、遺伝子座に関
係する他のハプロタイプ中には存在しない配列多型と特
異的にハイブリダイズするプライマーを意味する。
HSPは、増幅法に用いられる条件下で、遺伝座の他のハ
プロタイプとはハイブリダイズしない。ハプロタイプ−
特異的プライマーペアは、遺伝座に関係する1つのハプ
ロタイプ中に存在し、遺伝子座に関係する他のハプロタ
イプ中に存在しない増幅されたDNA配列を限定する。ハ
プロタイプ−特異的プライマーペアは、少なくとも、1
つのハプロタイプ−特異的プライマーを含む。他のプラ
イマーは、遺伝座及びその隣接した遺伝子座に関係する
多数のハプロタイプに共通であることができ、あるいは
また、ハプロラタイプ−特異的プライマーであることが
できる。
ここに用いられる“エンドヌクレアーゼ”及び“制限
エンドヌクレアーゼ”という用語は、特別なヌクレオチ
ド配列をもつ二重鎖DNAを切断する酵素に関係する。多
くのエンドヌクレアーゼの特異性はよく知られ、色々な
出版物にみることがきる、たとえば、Molecular Clonin
g:A Laboratory Manual by Maniatis et al,Cold Sprin
g Harbor Laboratory 1982。そのマニュアルは、文献と
して、そのすべてをここに編入してある。
ここで用いられる“制限酵素切断片長多型(またはRF
LP)という用語は、制限エンドヌクエアーゼで分割され
る時、異なった長さの切断片を生産するDNAヌクレオチ
ド配列における違いに関係する。
ここで用いられる“HLA DNA"という用語は、HLA抗原
を暗号化する遺伝子を含むDNAを意味する。HLA DNA
は、すべての有核ヒト細胞中に見出される。
非暗号配列変異の分析 HLA遺伝子コンプレックスの遺伝子座における非暗号
配列変異の研究から、多型変異のステラー配列は、この
コンプレックスの遺伝子座の進化を見分け、また、近接
して連鎖した遺伝病遺伝子座と独得のHLAハプロタイプ
の間の連鎖不平衡を調べるために用いることができるこ
とが明らかになった。大部分の遺伝子座は、多型変異が
最大であるHLAコンプレックスのそれよりも、もっと保
護的である。これは、ほとんどの遺伝子座の保護が生存
のために必要であるからである。そこで、HLA領域は、
各遺伝子座内の対立遺伝子変異の分析の手がかりとし
て、ゲノムを通じて多型現象の模範例として利用でき
る。連鎖不平衡は、多くの世代を通して、近接染色体領
域の相互分離を反映している。連鎖不平衡は、異なった
染色体上の、あるいは離れた染色体領域の遺伝子のラン
ダムな分離を反映している連鎖平衡の逆の極端である。
各遺伝子座でのかなりの対立遺伝子変異は、1またはそ
れ以上のメガベースを超えた連鎖領域での遺伝子座の対
立遺伝子間の重要な連鎖不平衡を検出することにより高
解像力をもった連鎖地図を作成する上で、近接遺伝子座
における多型現象の分離の評価に用いることができる。
先行技術は、背景の項目で述べたように、ヒトの家系
における他の連鎖した多型遺伝子座または、遺伝子の相
互分離の頻度を調べるのに、多型遺伝子座が用いられる
多くの事例を述べている。多型現象が用いられるすべて
の事例で、本発明の非暗号配列変異の分析を適用するこ
とができる。高率で変異しうる対立遺伝子をもつHLA領
域での適応性は、他の非暗号遺伝子配列が、情報供与型
になり、そして各遺伝子座における情報供与交配の数の
増加に比例してそれぞれの分析方法の力が増加するよう
になることで実証されている。
例えば、制限酵素によって同定される3以上の対立遺
伝子をもつRFLPはわずかである。6以上の対立遺伝子を
もつRFLPは、ほとんどすべての交配において情報を供与
し、これらの遺伝子座は、染色体全体にわたって他の制
限酵素に対し、アンカーポイントとして役立つようにな
る。それぞれのアンカーポイントは、フランキング多型
対立遺伝子から得た情報を増加させる。何故ならば、こ
れらの情報の少ない位置は、アンカーポイントのように
ひんぱんにお互いに比較出来ないからである。本発明の
マーカー部位は、努力しないで、より迅速に試験するこ
とができる多くのアンカーポイントを与えるだろう。
アンカーポイントは、定義上、介在配列によってつな
ぎ合されたエクソンを意味する。染色体に偏在したcDNA
クローンから極めて容易に引き出すことができる。プラ
イマーは、cDNAの異なった領域で合成することができ
て、異なったイントロン内の対立遺伝子変異を試験する
ため非暗号配列の増幅に用いられる。2kbより小さなイ
ントロンは、もっとも容易に増幅される。復帰遺伝計画
が動物ブロット、cDNAのライブラリーのスクリーニング
により、あるいは、クローニング制限部位によって、推
定遺伝子を分離するとき、遺伝子配列は、本法を用いて
多型現象について分析し、試験することができる。
同様のあるいはもっと大きいレベルの変異は、遺伝子
間領域で発見させる。これは、これらの領域では、活性
遺伝子の場合よりも、選択的圧力が維持されにくいため
である。従って、これらの配列はまた、本発明のマーカ
ーの位置決定のために用いることができる。
より特異的なこととして、本発明の方法と試薬を用い
て、遺伝座及び遺伝子間配列に関係した非暗号配列変異
の2種類の型が発見された。第1は、対立遺伝子関連の
変異である。すなわち、非暗号配列変異のパターンは、
近接遺伝子座における対立遺伝子型に関連する。第2の
変異の型は、離れた連鎖遺伝子座の対立遺伝子(ハプロ
タイプ)に関連したサブ対立遺伝子変異である。すなわ
ち、配列変異は、同じ対立遺伝子をもった個体のサブ集
団に存在する。このサブ対立遺伝子変異は、離れた遺伝
子座における対立遺伝子(ハプロタイプ)と関係があ
る。このようなハプロタイプの相違は、同じハプロタイ
プをもつように特徴づけられた配列間に生ずると思われ
る。このような個体限定的または個体特異的変異は共通
的なものではない。
さらに、十分な非暗号配列、好ましくは、イントロン
配列を含む増幅DNA配列は、サンプルのDNA中に存在す
る、対立遺伝子/ハプロタイプに関連した配列に依存し
て変化するだろう。すなわち、非暗号配列、特にイント
ロンは、近接したあるいは離れた遺伝子座における対立
遺伝子に関連した遺伝子変異(たとえば;制限部位の数
または位置の変化または電気泳動移動度に影響する挿
入、欠失および(または)配列置換によるゲル電気泳動
の長さの多型現象)を含んでいる。
これらの非暗号配列変異パターンは、配列情報がおよ
そ200から500bpである所ならばどこでも発生させること
ができる。特に、cDNA遺伝子配列内、STS部位内及び既
知の古典的RFLP部位内であれば発生させることができ
る。これらの位置の中で、最も望ましいのは、遺伝子内
のイントロン変異部位の発生である。クローン遺伝子の
数は1989年に945を示しており、従って多くの遺伝子座
を用いることができる。さらにゲノムの領域が特別に興
味のあるものであれば、領域内の追加遺伝子を同定する
技術がある。たとえば、遺伝病遺伝子座が、3またはそ
れ以上のLOD評点(およそ20遺伝子を含むDNAのおよそ1
メガベースの領域)をもつ独得の染色体領域にマップさ
れた場合には、先行技術のどれでも;たとえば、エクソ
ントラッピング及び動物ブロット分析を領域内の追加遺
伝子の同定に用いることができる。領域内での追加の遺
伝座がいったん同定されれば、新たに同定される遺伝座
の他のイントロン変異マーカーは、後で述べるように開
発することができる。
前に述べたように、これらの多型変異パターンは、ど
の遺伝座についても容易に同定することができる。さら
に、そのパターンは容易に生産され、迅速なスクリーニ
ングのために分析される。加えて、そのパターンは、高
度の情報供与型であるので、スクリーニングによって、
古典的なRFLP部位よりもはるかに多くの情報が与えられ
る。この組合わせは、疾病に関係した遺伝子座の迅速な
マッピングのためには、イントロン変異パターンを理想
的なマーカーとしている。
特に、ゲノムマッピング計画の目標の1つは、ゲノム
全域に、厚い、均等にひろがったマーカーを生産するこ
とである。先に述べたように、マーカーの有効性は、直
接、マーカーの多型現象の程度に関係している。
本法によって発生したイントロン変異パターンは、こ
のプロセスを容易にするために用いることができる。特
に、増幅したイントロン配列は、ゲノム探索上、情報の
少ないマーカーを用いる先行技術よりも、さらに濃厚で
情報の豊富な物理的遺伝的地図を発生させることができ
る。本発明による、独自の遺伝領域からのイントロンを
含む増幅DNA配列は、遺伝子座に関する対立遺伝子とハ
ロタイプ情報を直接与えるような、容易にスクリーニン
グされ、しかも極めて情報供与型のマーカーを提供す
る。容易にスクリーニングされかつ高度に情報的である
ことに加えて、イントロン変異パターンは、古典的なRF
LPのパターンよりも早く発生し、得点し、費用が安い。
最も多くの情報を最も短い時間で、最少の費用で提供し
うるのは特別価値のあることである。ゲノムが現在の推
定よりは大きくなる可能性、また、莫大な費用とゲノム
計画の限られた資金を考えると、より多くの情報を短時
間に提供する本法の利用は特に有益である。これに加え
て、遺伝子は、経験に基づいて決定されたRFLP部位より
は、もっと均一に、染色体の長さに沿って分布している
ものと予想される。
ヒトゲノム全体には、50,000遺伝子があるだろうと推
定されている。遺伝子配列のマッピングや研究の初期の
活動を集約してみると、遺伝子間配列よりはむしろ、は
るかに多くの疾患遺伝子候補が、遺伝病分野に台頭して
きたようにみえる。
遺伝子は、ゲノムのおよそ2%に相当すると推定され
るので、多型性部位を生産するために、初期情報獲得の
一部として遺伝子を同定するのは有効な初期のアプロー
チである。本発明の多型性マーカー部位は、既知のどの
遺伝的座にも作ることができる。
遺伝子中の配列多型性パターンを同定することに加え
て、少なくとも200、望ましくは少なくとも500bpの配列
情報のある、どんな他の領域もまた、領域に関係した対
立遺伝子/ハプロタイプを同定するパターンを作る増幅
DNA配列を生産するためのマーカー部位として利用する
ことができる。先に述べた通り、多型性パターン部位の
位置決定の際に、遺伝座、STS、あるいはRFLP部位のど
れでもマーカーを与えるのに使用することができる。本
発明の非暗号多型性変異パターンは、古典的なRFLP分析
に比較して、限定された費用とスクリーニングに要する
時間の見地から、STS部位でのゲノム全域に繰返されるC
A及びGAのためのスクリーニングと少なくとも同じよう
に有効である。さらに加えて、本発明の多型変異パター
ンは、分離されたcDNAが同じ染色体領域にマップされた
そのマッピング技術で、RFLP部位を置換することができ
る。先行技術のマッピングや連鎖分析方法を使用し、よ
り多くの情報をもつ多型性マーカーが提供されることに
加えて、領域に関するハプロタイプパターンは、以下に
述べるように、ハプロコンティグ地図の作成に使用する
ことができる。
領域についてのハプロタイプが一度決定されると、最
初の遺伝子座から離れた領域(およそ0.01から2ミリオ
ン塩基対〔Mbp〕のへだたり)のハプロタイプは、同じ
方法で分析される。
分析されるべき次の領域は、以前の遺伝子座に共有さ
れるPDLPあるいはRFLPパターンによって特徴づけられた
いくつかのハプロタイプパターンを与えるために、十分
に近接していることが望ましい。すなわち、隣接する遺
伝子座において、いくつかの同じハプロタイプのパター
ンがあるだろう。与えられた位置でのハプロタイプパタ
ーンの分析によって、遺伝座とハプロタイプの位置が同
定される。この同定は、連鎖遺伝子座とハプロタイプの
領域の境界を位置決定することができる。この方法で、
接触し重なり合ったハプロタイプの領域(ハプロコンテ
ィグ)は地図が作れるように分析される。
特別な個体群のためのイントロン変異のパターンの分
析は、群のメンバーに存在する遺伝子座において、対立
遺伝子とサブタイプのあるいはサブ対立遺伝子群(ハプ
ロタイプ)の両方を同定することができる。ヒトでは民
族の差異を、動植物では種属の違いを最大限に代表する
個体群を分析することによって、遺伝子座の最も共通し
た対立遺伝子/ハプロタイプの特徴をもったパターンを
識別することができる。対立遺伝子とハプロタイプのパ
ターンの追加分は、より大きな集団のスクリーニングに
よって同定することができる。このようにして、興味あ
る遺伝子座に関係した対立遺伝子/ハプロタイプでの多
型現象の程度が、多くの個体の反復配列を行うことなく
決定することができる。
地図の作成よりもむしろ、ハプロタイプパターンは、
興味ある遺伝子の方向を同定するために用いることがで
きる。このような遺伝子には、疾病関係遺伝子、また動
植物では、商業的に望ましい特性をもつ遺伝子座が含ま
れる。たとえば、疾病、特に一遺伝子病をもった患者の
ハプロタイプのパターンの分析は、すべての遺伝子座
で、このような患者の対立遺伝子/ハプロタイプの特徴
をもったパターンを生ずる。そこで、遺伝子座からの遺
伝子に関係ある病気の方向を決定することができる。特
に、与えられた遺伝子座における特別な特性に関係した
多型現象の程度を分析することによって、特性に関係し
た遺伝子座(遺伝子座−指向型ハプロタイピング)の位
置の末端小粒あるいは動原体の方向を同定することがで
きる。すなわち、特性をもつ個体の遺伝子座に関係した
多型現象(ハプロタイプの数)の程度が減少すれば、遺
伝子座は興味のある遺伝子に、より近接している。特性
に関係した遺伝子座は、最高程度のハプロタイプ異種制
限を示すだろう。逆に、特性に関係した遺伝子座から1
つが動けば、特性をもつこれらのハプロタイプの数は、
特性をもつ遺伝子が、特性を持たない遺伝子と同じハプ
ロタイプを持つであろうその遺伝子座から、特性に関係
した遺伝子が離れるまで増加する。
ある場合には、次に分析した遺伝子座が、最初に試験
した遺伝子座とパターンを共有しないことがある。次の
遺伝子座におけるハプロタイプのパターンが、前の遺伝
子座パターンと両立しない時、組換えによって、組換え
の位置の両側の対立遺伝子を含む新しいハロタイプが結
果的に発生するか、あるいはまた、ハプロタイプの領域
の境界が交差した。すなわち、第2の遺伝子座は組換え
の位置の他の一方の側にある。この現象は、組換えホッ
トスポットの周辺で最もひんぱんにみられる。このよう
な遺伝子座は、試験した2つの遺伝子座の間の中間にあ
る別のハプロタイプの領域の存在により分離されるかも
知れない。評価された遺伝子座の間の中間にあるDNA配
列は、そこで、ハプロタイプの領域の境界を決定するた
めに、あるいは、ハプロタイプに関係した遺伝座の各各
の位置決定のために分析することができる。
ハプロタイプの領域の位置が一たび設定されれば、各
境界内の遺伝座また望ましくは、1つの中心遺伝子座を
評価することができ、これにより、各遺伝子座及び隣接
遺伝子座における対立遺伝子の数を決定することができ
る。この評価で、ハプロタイプ領域の各遺伝子座の共通
対立遺伝子により生産される遺伝的変異パターンを決定
することができる。
同じ方法で、染色体の隣接領域を評価することによ
り、マッピング方法は、染色体の選択された領域での重
なり合ったハプロタイプの領域(ハプロコンティグ)を
決定し、またゲノム全域にわたりハプロタイプの領域を
設定することができる。
別の観点で、マッピング法は、興味のあるゲノム領域
に関係した多型現象の程度に関する情報を提供する。多
くの個体からのDNAの分析によって、興味ある領域に関
係した多くの対立遺伝子とハプロタイプを決定すること
ができる。分析によって生じたPDLP及びPFLPパターン
は、もっと数が多く、古典的方法で位置決定されたRFLP
部位よりももっと遺伝座に近く連鎖される。これは、本
法が、増幅DNA配列中のすべてのRFLP部位を有効に利用
することができるからである。対立遺伝子/ハプロタイ
プ−特異的増幅は、遺伝子座を迅速にスクリーンするに
は最も好ましい分析法である。しかしながら、この方法
は、その実施に先立って、PDLPまたはRFLP技術よりもも
つと多くの配列情報が必要である。
遺伝的に全く異質の個人間の配列比較が、最小配列を
可能にする。この方法で、非相同領域を同定することが
でき、制限分析あるいはASP HSP増幅のための合理的な
位置の選定が可能である。それから、集団における特別
な変異のパターンに関係した追加個人が配列に先立って
同定される。この分析法は同じハプロタイプにより、個
体の重複配列を除く。興味ある遺伝座の配列に先立っ
て、遺伝子座に関連した対立遺伝子とサブ対立遺伝子ハ
プロタイプのパターンが決定される。特別なサブ−対立
遺伝子ハプロタイプのパターンをもつ1個体のみが配列
される必要がある。しかしながら、選択した配列が、個
体の変異を代表するよりはむしろ、ハプロタイプの代表
であることを確認するため、2個または3個の個体の配
列が望ましい。この方法で、特徴的なサブ−対立遺伝子
(ハプロタイプの)群と共に、ハプロタイプの領域にお
けるすべての共通の対立遺伝子を同定し、配列すること
ができる。さらに、まれな遺伝病に関係した個体のよう
な、比較的まれなハプロタイプをもつ個体は、病気をも
つ個体のハプロタイプのパターンを直接評価することに
よって認識することができる。
特に、病気に関係した対立遺伝子とハプロタイプは、
特別な病気をもった患者の対立遺伝子/ハプロタイプ異
種の制限によって明らかにされる。すなわち、特別な病
気をもつ患者は、一般集団に存在する対立遺伝子/ハプ
ロタイプはほんのわずかしか持たないだろう。たとえ
ば、DRB/DQA/DQB遺伝子座の対立遺伝子から成る100HLA
ハプロタイプより大きなもののうち、ハプロタイプのお
よそ30のみが糖尿病に関係している。これら30のハプロ
タイプの中、わずか5または6のハプロタイプのみが、
中国人及びコーカサス人の初期発病に関係している。
すべての遺伝的座に対する個体変異の分析は一遺伝子
疾患に関係した、これまで認知されなかった遺伝子座を
同定することができる。遺伝子座は、病気に関係した遺
伝子に非常に強く連鎖されると思われるので、遺伝子座
と病気に関係した遺伝子間の組換えはみられないだろ
う。さらに、病気に関係したハプロタイプは制限される
だろう。すなわち、正常な集団内に存在する限られた数
のハプロタイプのみはまた、病気をもつこれらの患者の
中に存在しうる。
多重遺伝子疾患に関係した遺伝子の同定と分析は、同
じ方法で行われる。特徴として病気に関係するハプロタ
イプはまた、病気をもつ患者の中で、病気に関係するそ
れぞれの遺伝子座で制限されるだろう。
増幅DNA配列の位置決定 イントロン配列に相当するおよそ200から500ntを含む
増幅DNA配列は、特に、若し介在配列が遺伝子座の変異
性のエクソンに隣接している場合には、その介在配列に
関係する対立遺伝子を特徴づけることに用いることがで
きる。さらに、およそ200から2000nt、好ましくは400か
ら500ntを含む増幅DNA配列、これは遺伝座に関係する非
暗号配列に相当し、好ましくは、遺伝子間配列に相当す
るが、ハプロタイプの特徴である対立遺伝子のサブタイ
プのパターンを反映している。従って、遺伝子に関係す
る非暗号配列、好ましくはイントロンに相当する増幅DN
A配列は、隣接した遺伝子座と離れた遺伝子座の対立遺
伝子を分析するために生産される。
増幅DNA配列は、プライマー部位を選別するために十
分な配列情報がある領域に位置決定される必要があるだ
ろう。病気に関係する遺伝子として、しばしば病気に相
互に関連するRFLP部位をとりまく領域の配列が知られて
いる。それとは別に、興味ある遺伝子は、別の遺伝的座
の近くに位置決定されることを知るべきであろう。さら
に、もしそれ以上の情報が利用できなければ、ゲノムマ
ッピング計画のために特徴づけられるSTS部位が、およ
そ、400から500ヌクレオチドの配列情報を含んでいるの
で利用することができる。
ゲノムDNA配列が利用される時、プライマーは、遺伝
子間配列に相当する増幅DNA配列を生産するよう位置決
定される。もしも、遺伝子座として、変異性エクソンの
配置が知られているならば、増幅DNA配列は、変異性エ
クソンに隣接したイントロンに位置決定されることが望
ましい。さらに望ましくは、増幅DNA配列が、変異性エ
クソンに及び、その一部を含め、望ましくはその大部分
を、最も望ましくは、隣接したイントロンの両方すべて
を含むことであろう。
cDNA配列だけが利用でき、配列内のイントロンの位置
が確認されない時、プライマーが、およそ200ntの間隔
で選別され、ゲノムDNAの増幅に使用される。もし、増
幅した配列がおよそ200ntを含むならば、最初のプライ
マーの位置は、およそ200ntほど第2プライマーの一方
の位置に動かされ、(1)期待より大きな増幅DNA配列
が生産されるまで、あるいは(2)増幅DNA配列が生産
されず、増幅法としては大きすぎる遺伝子間配列の存在
が示されるまで増幅が繰返される。どちらの場合でも、
イントロン配列の位置は決定された。
プライマーがイントロンに及び、増幅DNAを生ずる
時、プライマーは、多くの個体のDNAについて分析操作
を開始するために使用することができる。増幅DNA配列
が生産されない時、プライマーによって限定されるイン
トロン配列は大きすぎるかも知れない。別のイントロン
配列を位置づけることができるか、前に述べたように、
あるいは、イントロンの一部分に相当する配列を生産す
るために、アンカーの、一方向だけの増幅を行うことが
できる。これらのDNA配列、あるいはその一部は、分析
用として増幅DNA配列を限定するために、イントロン配
列内で第2プライマー部位を位置決定するために配列さ
せることができる。
増幅されるべき領域内でイントロンとエクソンの配列
(またはエクソン配列とエクソン−イントロン接続点の
位置)が知られている時、増幅DNA配列は、エクソン配
列よりはむしろ、ほとんどのイントロンを含むように限
定される(プライマー部位の位置の選択により)。プラ
イマー選択と作成方法は、DNA増幅法と同様によく知ら
れており、詳細をここに述べる。
イントロン配列を含む増幅DNA配列が一度生産される
と、多くの個体から、相当する増幅DNA配列を作るため
にプライマーが用いられる。遺伝子座に関係する対立遺
伝子とサブ対立遺伝子の遺伝的相違を実証する分析法を
選択するために、いくつかの制限エンドヌクレアーゼを
用いて、配列の大きさと断片のパターンを調べることが
できる。エンドヌクレアーゼと生産物の選択及びRFLPパ
ターンの分析はよく知られており、詳細をここに述べ
る。
一たび、プライマーペアまたはプライマーペア/エン
ドヌクレアーゼ結合が選択されると、およそ100個体のD
NAが増幅され、配列(断片)の長さが決定されるだろ
う。配列の長さは、その増幅配列のための個体の対立遺
伝子/ハロタイプに関係したパターンになるだろう。各
染色体領域につき、領域に関係する各対立遺伝子/ハロ
タイプを決定するため、領域に沿った色々な点で、増幅
した配列が作られるだろう。ヒトゲノムの1つのハロタ
イプの領域に見出される対立遺伝子/ハロタイプの典型
的な識別は、DRB/DQA/DQB遺伝子座の既知のHLAハロタイ
プの35の確認である。その分析は、例として詳細に述べ
られている。例からすぐに分るように、まれなハプロタ
イプに関係する新しいパターンあるいは、他の集団群に
関係するハロタイプは、分析を行うことで容易に同定す
ることができる。
遺伝病に関係する遺伝子の探索で、遺伝子を含むDNA
領域に関係する30から40のハロタイプが認められる。病
気によるこれらの配列変異は、病気個体群の相当なパー
センテージ(約70%)を数える病気に関係したハプロタ
イプの、かなり小さな数(3から8)に制限されるだろ
う。これらのハプロタイプは、増幅と分析の上で、異な
ったパターンを生成する。病気をもった20から100の比
較的小さな数の個体からのDNAは迅速に増幅し、消化し
そして分析することができる。パターンは、遺伝子座の
対立遺伝子の変異数に依存し、3から8群になるだろ
う。それぞれの対立遺伝子群からのDNAのただ1つの代
表サンプルだけが配列のために必要である。そのサンプ
ルが代表的なものであることを確認するため、2つまた
は3つのサンプルが配列されることが望ましい。この方
法で、配列前に、異なったハプロタイプ関連の対立遺伝
子をもつこれらの個体を決定することができ、最も普及
している反復配列を避けることができる。
たとえば、嚢胞性繊維症(CF)は、常染色体性劣性遺
伝病で、各染色体上に突然変異遺伝子の存在が必要であ
る。CFは、コーカサス人では最も普通の遺伝病で、2000
人の出生に1人が発生する。40人のコーカサス人の中の
1人はこの病気の保菌者と推定されている。
最近、予測した1480アミノ酸ポリペプチドの位置508
におけるフェニルアラニン残基を不全に導く推測CF遺伝
子の読み取り枠で3個の連続した塩基対の特定の欠失が
報告された〔Kerem et al,Science245:1073−1080(198
9)〕。ハプロタイプ分析に基づき、この欠失は、北ヨ
ーロッパ人にある(約68%)大部分のCF突然変異にその
原因が帰せられるようである。第2の突然変異は、伝え
られる所ではある南ヨーロッパ人にゆきわたっている。
追加データでは、いくつかの他の突然変異もこの病気の
原因になっているかも知れないことが示されている。
CF患者(必然的に1人は正常、1人は病気に関係した
ハプロタイプ)の両親のハプロタイプの研究では、CF遺
伝子座に関係する、すくなくとも178ハプロタイプがあ
ることが示された。これらのハプロタイプの中、90だけ
が病気に関係し;78だけが正常人に見出され;そして10
は、病気と正常の両方に関係している(Kerem et al,Su
pra)。病気は明らかに、いくつかの異なる突然変異が
原因であり、あるものはヒトには極めて頻度が低い。ハ
プロタイプ情報で実証されたように、病気の原因になる
のは、突然変異の対立遺伝子であるよりは、遺伝子座に
関係するハプロタイプである方が多い。
本法は、遺伝子座に関係するハプロタイプを決定し、
病気−関連遺伝座に関係すると現在認められている178
のハプロタイプの中のハプロタイプを検出することがで
きう。病気に関係する追加のハプロタイプは、本発明の
方法により、多くのCF患者のDNAを迅速に分析して容易
に決定される。
さらに、非暗号調節領域に関係すると思われる突然変
異もまた、本法で検出することができ、スクリーニング
操作で確認されるだろう。
病気の原因になる暗号領域でのそれぞれの欠失を決定
しようと試みるよりもむしろ、本法は、遺伝子座に関係
するイントロン配列を増幅して、対立遺伝子及びサブ対
立遺伝子のパターンを識別する。イントロン配列によっ
て生じた新しいPDLP及びRFLPパターンは、これまで認め
られなかったハプロタイプの存在を示している。
プライマーの選択、増幅方法及びDNA配列の分析は以
下に示す。これらの技術は、最初に、遺伝子座に関係す
る通常の対立遺伝子/ハプロタイプによって作られるパ
ターンを決定するのに使用される。いったん通常のパタ
ーンが設定されれば、そのパターンは、遺伝子座に関係
する追加のハプロタイプを見分けられるように精製され
る。この追加された特性によって、新しいハプロタイプ
が容易に識別されるようになる。この完全な特性は、遺
伝病に関係した遺伝子座にとって、また、HLA遺伝子座
のような、その他の医学的に重要な遺伝子座にとって特
に価値あるものである。しかしながら、ある遺伝子座に
ついては、数百の個体の分析で、遺伝子座に関係するわ
ずか1つか2つのハプロタイプしかないことが実証され
るだろう。このような小さな数は、領域に関係するハプ
ロタイプの数が限られていることを示している。他の10
0個体の分析で、さらに1つか2つのハプロタイプを追
加されるだろう。多くの他の個体からのDNAは、低頻度
のハプロタイプの検出のために分析される必要がある。
それ以上の特性は、すべてのこのような遺伝子座にとっ
て望まれないだろう。
増幅されたDNA領域内には、検出することが出来る3
つの主な遺伝子変異の型があって、対立遺伝子とサブ対
立遺伝子群を同定するために用いられる。これらの変異
は、検出の楽な順から云えば、(1)配列の長さの変
化、(2)すくなくとも1つの制限部位の存在または位
置の変化、そして(3)制限部位に変化をもたらさない
1個または2、3個のヌクレオタイドの置換である。増
幅されたDNA配列内での他の変異も、また、検出可能で
ある。あるいは、遺伝子座についての十分な配列情報
が、一たび展開されれば、対立遺伝子/ハプロタイプ−
特異的増幅が、当の遺伝子座に関する多くの追加個体の
DNAの解析を行うことができる。対立遺伝子/ハプロタ
イプ特異的増幅は、対立遺伝子/ハプロタイプの特性で
あるプライマー部位の選択に基づいている。
変異の検出には4つの型の技術が用いられる。第1
は、増幅されたDNA配列のシークエンシングである。シ
ークエンシングは、最も時間を消費し、また、増幅され
た配列中のどの型の遺伝子変異も検出するので、最も分
析法が明らかにされる。第2の分析法は、対立遺伝子−
特異的オリゴヌクレオチドまたは、配列−特異的オリゴ
ヌクレオチドプローブ(ASOまたはBSOプローブ)であ
る。プローブは、変異部位の正確な配列が知られる限
り、遺伝変異のどの型でも、その結果生ずるシングルヌ
クレオチドの変化を検出することができる。第3の分析
方法の型は、異なった長さの配列(すなわち、ヌクレオ
チドの挿入/欠失による、移動度を変えるヌクレオチド
の置換によるあるいは、制限部位の位置の変化による)
そしてまたあるいは、配列の異なった数(制限部位の獲
得または欠失による)を検出する方法である。好まし
い、長さの差異検出法は、ゲルまたはキャピラリー電気
泳動法である。制限部位の変化に伴う断片の長さまたは
数の変化を検出するため、増幅された配列は、断片の長
さのパターンの分析の前に、適当な制限エンドヌクレア
ーゼで消化されなければならない。
第4のそして最も望ましい型の分析法は、選択された
対立遺伝子/ハプロタイプの存在を検出するため、対立
遺伝子/ハプロタイプ−特異的増幅に基づくものであ
る。第4の方法で、遺伝子座−特異的増幅DNA配列は、
選択された対立遺伝子/ハプロタイプにとって特異的な
一組のプライマーペアで増幅される。プライマーペアに
より、増幅されたDNA配列の生産物は、対立遺伝子/ハ
プロタイプの存在を示す。本法のより好ましい具体例と
して、それぞれの組合わされた増幅は、増幅されたDNA
配列の存在が対立遺伝子/ハプロタイプの存在を示すよ
うに、分離した増幅反応混合器の中で行われる。各プラ
イマーペアは、異なった長さの増幅されたDNA配列を生
産し、こうして出来た増幅DNA配列の長さは、対立遺伝
子/ハプロタイプの存在を確認するために決定されるこ
とが望ましい。
分析技術は、増幅されたDNA配列の中の、対立遺伝子
に関係した遺伝変異を確認するために用いられるけれど
も、プローブまたは増幅されたDNA配列のシークエンシ
ングの利用を含めることができる。これらの方法は、病
気に関係した対立遺伝子の識別のような、特別の利用法
に限定する方が望ましい。ほとんどの場合、初期分析
は、増幅されたDNA配列の使用をベースとし、また、そ
の後の分析は、(1)増幅されたDNA配列と、対立遺伝
子/ハプロタイプの相互関係、(2)対立遺伝子/ハプ
ロタイプに相関するRFLPパターンの生産あるいは(3)
増幅されたDNA配列の生産物が、選択された対立遺伝子
/ハプロタイプの存在を示すような配列−特異的増幅、
のいづれかに基づいて行われる。しかしながら、シーク
エンシングまたはプローブの使用は、いくつかの遺伝領
域で好ましい分析方法であると云えよう。
プライマー プライマー部位の選択 本発明の方法は、ゲノムDNAの選択されたイントロン
領域の増幅に基づいている。その方法論は、興味ある遺
伝的座についての、その他の遺伝的座は関係なく、複数
の対立遺伝子に関係するゲノムDNAを選択的に、独自の
保護領域にハイブリダイズすることをプライマーの使用
によって促進することにある。
このようにして、プライマーがハイブリダイズする部
位は、マップされるべき範囲内で、保護領域に選択され
る。保護領域は、すくなくとも2個体からの配列に基づ
いて決定される。もし、それ以上の配列情報が利用でき
なければ、制限部位、クローン配列STS部位を作る保護
領域、あるいは、領域を画くのに用いられる他のマーカ
ーを用いることができる。
ゲノムDNAが利用できる時、プライマーは、イントロ
ン内の保護領域に位置することが望ましい。利用しうる
配列がcDNA配列だけである時、プライマーは、エクソン
内の保護領域に位置決定される。もし、cDNA配列内のイ
ントロンとエクソン配列の接続点が知られているなら
ば、プライマー部位は、これらの接続点の近くに位置す
ることが望ましい。
遺伝子座−特異的プライマーペアは、増幅されたDNA
配列の5′末端を、増幅されるべき標的配列の5′末端
にハイブリダイズするように定められた5′上流プライ
マーと、また、増幅されたDNA配列の3′末端を、増幅
されるべきDNA配列の3′末端の補体でハイブリダイズ
するように定められた3′下流プライマーを含んでい
る。プライマーペア内のプライマーは、本発明で用いら
れる條件下で、他の遺伝座のDNAとハイブリダイズは行
わない。
遺伝子座−特異的プライマーペアの各プライマーにつ
いて、プライマーは、増幅されるべきDNA遺伝子座の複
数の対立遺伝子に、あるいはその補体にハイブリダイズ
する。プライマーペアはハプロタイプが関係するにもか
かわらず、遺伝子座のすべての対立遺伝子を増幅するほ
うが望ましい。しかしながら、特別な集団群に存在する
最も共通の対立遺伝子とあるいは共通の配列を分け合う
対立遺伝子群と特異的に結合するプライマーペアまたは
その結合体もまた考えられる。
プライマーによって定められる増幅されたDNA配列
は、十分な数の非暗号領域のヌクレオチド、望ましくは
イントロン配列ヌクレオチドを含み、隣接した遺伝子座
の対立遺伝子間を区別し、そしてなるべくなら、遺伝子
座のすべての対立遺伝子として、試料中に存在する遺伝
子の対立遺伝子、あるいは選択した配列を含む遺伝子群
のすべての遺伝子を同定する。最も望ましい具体例で、
プライマーが限定した増幅されたDNA配列は、隣接した
遺伝子座と1つまたはそれ以上の離れた遺伝子座に関係
したハプロタイプ間を区別するために十分な数のイント
ロン配列ヌクレオチドを含んでいる。
配列の長さ 遺伝子座のすべての対立遺伝子/ハプロタイプ間の区
別ができるように十分な遺伝変異を含むことが要求され
る増幅された配列の長さは、遺伝子座(対立遺伝子の
数)の多型性の範囲と直接的な関係を生ずる。すなわ
ち、試験される遺伝子座に関係する対立遺伝子とハプロ
タイプの数が増加するに従って、各対立遺伝子/ハプロ
タイプを見分けるための十分な遺伝変異を含む増幅され
た配列の大きさも増加する。しかしながら、多くの対立
遺伝子とハプロタイプをもつHLA遺伝子座においてさ
え、2,000ntの増幅されたDNA領域で十分である。一般的
に、変異しうるエクソンに隣接したイントロンから、イ
ントロン配列ヌクレオチドの400から500ntに相当する、
増幅されたDNA配列は、遺伝子座に関係するすべてのハ
プロタイプを見分けるに十分である。
増幅されたDNA配列の末端は、増幅に用いられるプラ
イマーペアによって限定される。便宜上、プライマーペ
アは、遺伝子座のすべての対立遺伝子/ハプロタイプの
DNA配列とハイブリダイズするだろう。従って、各プラ
イマー配列は、ゲノムDNA配列の保護領域に相当しなけ
ればならない。そこで、増幅された配列の位置は、或る
範囲内で、保護領域内にプライマーを位置決定する必要
性によって指令されるだろう。保護されたイントロン領
域を決定するための十分なイントロン配列情報が利用さ
れない時、プライマーはエクソンの保護された部分に位
置決定され、これらのエクソン間のイントロン配列を増
幅するのに用いられる。
適切に位置決定された、保護配列が遺伝的座に唯一の
ものでない時、最初のプライマーペアによって作られた
増幅配列内に位置決定された第2のプライマーペアを、
遺伝的座に特異的な増幅DNA配列を与えるために用いる
ことができる。
すくなくとも、第2プライマーペアのプライマーの1
つは、最初のプライマーペアによって定められた増幅DN
A配列の保護領域に配置される。第2プライマーペア
は、第1プライマーペアによる増幅をフォローし、遺伝
子座特有の増幅DNA配列を生産するために第1プライマ
ーペアによって作られた増幅されたDNA配列の一部を増
幅するために用いられる。
遺伝変異に関する考察 増幅されたDNA配列に見出される遺伝変異の型はま
た、配列の配置と大きさに影響を与える。前に述べたよ
うに、分析は、むしろ、対立遺伝子/ハプロタイプ特異
的増幅あるいは、増幅されたDNA配列の長さに変化をも
たらし、または、すくなくとも1つの制限部位の存在ま
たは配置に変化をもたらす遺伝変異を基にしている。
対立遺伝子/ハプロタイプ−特異的増幅について、2
つの考え方がある。第1は、ネステドプライマーの少な
くとも1つについてのプライマー部位は、対立遺伝子/
ハプロタイプに特有である。これらの考察は、ネステド
プライマー特性の考察の中に述べられている。第2の考
察は、それぞれの対立遺伝子/ハプロタイプについての
増幅されたDNA配列は、むしろ、長さが異なるというこ
とである。
プライマーが定めた増幅DNA配列の長さに相違をもた
らす遺伝変異は、プライマー限定による長さの多型現象
(PDLP)として、ここに記載したが、遺伝子座の対立遺
伝子/サブ対立遺伝子群間の区別に用いることができ
る。PDLPは、プライマーペアによって定められたイント
ロン配列の一部分にあるDNAのかなり大きな長さ(増幅
したDNA配列の全長に比較して)の挿入または欠失の結
果として生ずる。PDLPの検出のため、増幅されたDNA配
列が、選んだ方法で検出できる大きさの挿入または欠失
を含んだ領域に配置される。
別に、長さの変異は、増幅されたDNA配列内の1個ま
たはそれ以上のヌクレオチドの置換により、電気泳動の
移動度に変化を生じたと理解される長さの変異である場
合がある。この明瞭な長さの変異は、プライマー限定の
移動度変異(PDMP)に関係があり、そしてまた、ここで
いうPDLPの型としても関係があるだろう。このような移
動度の相違は配列に存在するヌクレオチドの特別な結合
による増幅されたDNA配列のねじれまたは折りたたみに
帰せられる。このようなヌクレオチドの結合とその結果
の移動度の相違はよく知られている。たとえば、AT配列
における豊かな領域は、ねじれの傾向がある。
増幅されたDNA配列は、長さの違いについて、最善の
解決がなされたような長さを持つべきである。電気泳動
として、長さについて、約300から500塩基のDNA配列が
長さの相違についての最適の解決を与える。しかしなが
ら、800から1,000ntの長さの配列はまた、容易に識別し
うる。適当な條件の下で、ゲル電気泳動も、キャピラリ
ー電気泳動も、配列の長さで3nt程の少ない相違も検出
することができる。対立遺伝子間で、長さの相違は、好
ましいのは少なくとも10、さらに好ましくは20、最も望
ましいのは50ntまたはそれ以上である。従って、増幅さ
れたDNA配列は、300から1,000ntの間で、長さの差異
は、少くとも3、望ましくは10、最も望ましくは50ntま
たはそれ以上を含むことが望ましい。
PDLPは2種類の普通の方法で生産することができる。
第1には、プライマー部位はサンプルDNA配列の中の固
定した位置に置かれ、プライマー部位間の配列は、遺伝
子座の対立遺伝子またはハプロタイプに依存して変化す
る。別の具体例で、プライマー部位は対立遺伝子/ハプ
ロタイプ−特定増幅について述べたように、遺伝子座の
各対立遺伝子/ハプロタイプの異なった長さをもつ増幅
DNA配列を生産するために、位置を変えて選択される。
検出されるべき変異が制限部位での変化である時は、
増幅されたDNA配列は、少なくとも1つの制限部位、
(1)は1つの対立遺伝子に存在し、他に存在しない、
(2)は少なくとも2つの対立遺伝子または(3)その
結合体の配列内の異なった位置に明らかに配置されるよ
うな制限部位を含むことが必要である。増幅された配列
は、制限エンドヌクレアーゼ分割によって、ほぼ同じ長
さの2つまたはそれ以上の断片よりはむしろ、検出可能
な異なった長さの断片を生産するように位置決定される
ことが望ましいだろう。
ここに述べた方法について、1個以上の増幅されたDN
A配列の使用及びまたは、増幅されたDNA配列当り1分析
法以上の使用が、高度な多型性遺伝子座の場合;(対立
遺伝子が、その対立遺伝子に特有ではないシングルヌク
レオチド置換によって異なるような遺伝子座)、あるい
は離れた遺伝子座の対立遺伝子(ハプロタイプ)に関す
る情報が望まれる場合に必要になるだろうということが
考えられる。さらに特別には、異なった位置に配置され
る2つまたはそれ以上の増幅DNA配列を使用するため
に、また予備の集合増幅によって生産された増幅DNA配
列についての多重集合増幅を行うために、あるいは1つ
の増幅DNA配列を多数のエンドヌクレアーゼで消化して
遺伝子座の対立遺伝子とサブ対立遺伝子のパターンを区
別できるようにするために、PDLP分析とRFLP分析を結合
することが必要であるかも知れない。これらの結合は、
本発明の範囲内に含まれると考えられる。
プライマーの長さと配列の相同 それぞれの遺伝子座−特異的プライマーは、ハイブリ
ダイゼーションに用いられる條件下で、増幅されるべき
遺伝子座の対立遺伝子とハイブリダイズするには十分
な、また他の遺伝子座の対立遺伝子とのハイブリダイゼ
ーションは行わない多くのヌクレオチドを含む。プライ
マーの特性は、同じ緊縮性を与える條件下で、その配列
の中のヌクレオチドの数によって増加する。従って、よ
り長いプライマーが望まれる。15ヌクレオチドより少な
い数の配列は、特別な遺伝子座に対し特異的になる確実
性は少ない。すなわち、15ヌクレオチドより少ない数を
もつ配列は、ヌクレオチド配列の長さに反比例して、他
の遺伝子座、特に他の共通の起源または進化的に起源に
近い遺伝子座に関係したDNAの部分に存在することも大
いにありうる。それぞれのプライマーは、少なくともお
よそ15のヌクレオチドを含むことが望ましく、少なくと
もおよそ20のヌクレオチドをもつことがさらに望まし
い。プライマーは、およそ30ヌクレオチドを超えないこ
とが望ましく、およそ25ヌクレオチドを超えないことが
さらに望ましい。最も望ましいのは、プライマーが、お
よそ20と25ヌクレオチドの間の数をもつことである。
プライマーペアの2セットが、配列的に用いられて、
第2プライマーペアによって、第1プライマーペアの生
産物を増幅する時、プライマーは、最初の増幅に用いら
れたものと同じ大きさであることができる。しかしなが
ら、より小さなプライマーを第2の増幅に用いることが
でき、必要な特性を与えることができる。第2プライマ
ーペアのプライマーは、15またはそれより少ないヌクレ
オチドを持つことができる。プライマーペアの2セット
が、2つの増幅配列を生産するために用いられる時、第
2の増幅DNA配列が遺伝子変異のその後の分析に用いら
れ、増幅DNA配列について先に考察した要求に適合しな
ければならない。
プライマーは、増幅されるべきDNA配列またはその補
体の部分に一致したヌクレオチド配列をもつことが望ま
しい。しかしながら標的DNA配列またはその補体と異な
るプライマーの3′末端の最初の5ヌクレオチドの2つ
を持っているプライマーはまた、使用することができ
る。配列またはその補体に一致しないヌクレオチドはど
れも、プライマーの3′ヌクレオチドではない。プライ
マーの3′末端は、プライマーが結合する配列に相補的
であるヌクレオチドの少なくとも2つ、好ましくは3つ
またはそれ以上を持つことが望ましい。増幅されるべき
配列またはその補体に一致しない3′末端におけるどの
ヌクレオチドも、プライマー配列に隣接しないことが望
ましい。さらに望ましくは、プライマー配列における非
相補的ヌクレオチドは、少なくとも2つ、より好ましく
は少なくとも3つのヌクレオチドを分離すべきであろ
う。プライマーは、およそ55から75℃の融解温度(Tm)
を持つべきである。緊縮増幅條件を助長するために望ま
しいTmは、およそ60℃から65℃である。特別のハイブリ
ダイゼーションを確実にするプライマー選択のための相
同、長さ、Tmその他の考察の程度は、よく知られてお
り、本発明の構成部分ではない。
プライマーは多くの方法、たとえば、ホスホトリエス
テルとホスホジエステル法あるいは、その自動化方法を
用いて作ることができる。ホスホジエステルとホスホエ
ステル法は、Cruthers,Science 230:281−285(1985);
Brown et al,Meth.Enzymol.,68:109(1979);及びNran
g et al,Meth.Enzymol.,68:90(1979).に記載されて
いる。1つの自動化方法として、Beaucage et al,Tetra
hedron letters,22:1859−1962(1981)により述べられ
ているように合成することができるジエチルホスホラミ
ジティが出発物質として用いられる。修飾した固体サポ
ート上のプライマーオリゴヌクレオチド配列の合成方法
は、U.S.Pat.No.4,458,066に記述されている。上記文献
はそれぞれ、文献としてその全体がここに編入されてい
る。
増 幅 一たびプライマーペアが選択されると、増幅DNA配列
を作るために、ゲノムDNAが増幅される。DNA増幅のため
の條件と試薬は、よく知られている。望ましい増幅方法
は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。PCR増幅方法
は、U.S.Patent No.4,683,195(to Mullis et al,issue
d July 28,1987);U.S.Patent No.4,683,194(to Saiki
et al,issued July28,1987);Saiki et al,Science,23
0;1350−1354(1985);Scharf et al,Science,324:163
−166(1986);Kogan et al,New Engl.J.Med,317:985−
990(1987)and Saiki,Gyllensten and Erlich,The Pol
ymerase Chain Reaction in Genome Analysis:A Parcti
cal Approach,ed.Davis pp.141−152(1988)I.R.L.Pre
ss,Oxford.に述べられている。
上記文献はそれぞれ、文献として、すべてここに編入
されている。残りの記述は、PCR増幅法の使用を基礎に
しているけれども、NASBA法(Compton Nature 350;91
〔1991〕)のような他のDNA増幅法もまた使用できる。
本分析法への他のDNA増幅方法の適用は、技術の熟練度
の範囲内である。
増幅に先立って、ゲノムDNAのサンプルが得られる。
すべての有核細胞はゲノムDNAを含み、それ故に必要なD
NAの潜在的入手源である。高等動物では、一般的に、組
織サンプルよりはむしろ、末梢血液細胞が使用される。
0.01から0.05ccのわずかな末梢血液が増幅のための十分
なDNAを提供する。髪の毛、精液そして組織もまたサン
プルとして使用できる。ゲノムDNAライブラリーが利用
できるそしてよく知られた方法で容易に作られる。
有核細胞からのDNA分離は;Kan et al,N.Engl.J.Med.2
97:1080−1084(1977);Kan et al,Nature 251:392−39
2(1974);and Kan et al,PNAS 75:5631−5635(197
8)、に述べられている。上記文献はいづれも文献とし
てそのすべてがここに編入されている。血液、精液、毛
嚢、粘膜上皮及びゲノムDNAのその他の入手源はよく知
られている。植物細胞の場合は、セルラーゼによる細胞
の消化でDNAを放出する。その後、DNAは、以下に述べる
ように精製される。
抽出されたDNAは、増幅の前にポリヌクレオチドを精
製するため、透析、クロマトグラフィーあるいは他の既
知の方法で精製することができる。一般的には、DNAは
増幅の前に精製されない。
増幅DNA配列は、DNAの一部と、鋳型としてプライマー
ペアが結合したその補体を用いて生産される。この方法
の最初の段階で、DNA鎖は、一重鎖DNAに分離される。こ
の鎖分離は、物理的化学的な多くの方法で行うことがで
きる。望ましい方法は、DNAが十分に(およそ93%)変
性するまで加熱して鎖を分離する物理的な方法である。
熱変性の温度範囲は約80゜から105℃、時間の範囲は約1
5から30秒である。一般的には、温度90゜から93℃で、
およそ30秒から1分間、DNAを加熱すれば十分である。
生産されるプライマーエクステンション生成物は、プ
ライマが限定したDNA領域に相補的であり、ハイブリダ
イズして同じ長さの鎖の二重体を形成する。エクステン
ション生成物とそれらの鋳型の二重体はそれから一重鎖
DNAに分離される。二重体の相補鎖が分離すると、鎖は
追加DNA鎖の合成の次のサイクルの鋳型として容易に用
いられる。
各合成段階は、DNA増幅に適した條件を用いて行うこ
とができる。一般に、増幅手段は、緩衝水溶液中で、望
ましくはpHはおよそ7から9、さらに望ましくはpH8で
行われる。適当な増幅緩衝液は、緩衝剤として、およそ
10から100mMのトリス塩酸を含む。緩衝液はまた、望ま
しくは、少なくとも約10mMで約60mM以下の一価塩を含
む。望ましい一価塩は、KCl,NaCl及び(NH42SO4であ
る。緩衝液はまた、約5から50mMのMgCl2を含む。ヘペ
スあるいはグリシン−NaOHそしてまた燐酸カリウム緩衝
剤のような他の緩衝剤系も用いることができる。一般的
に、増幅反応混合液の全容量は、およそ50から100μl
である。
ゲノムDNAとして、望ましくは、およそ106:1プライマ
ー:プライマーペアの鋳型の過剰モルが、分離されたDN
A鋳型鎖を含む緩衝液に加えられる。プライマーの大過
剰モルは増幅工程の効率を改良する。一般的に、各プラ
イマーのおよそ100から150ngが加えられる。
デオキシリボヌクレオチドトリホスフェートdATP,dCT
P,dGTP及びdTTPもまた、増幅DNA配列を生産するのに十
分な量で増幅混合液に加えられる。望ましくは、dNTPは
およそ0.75から4.0mM濃度で、さらに望ましくは、およ
そ2.0mMで存在する。この溶液は、約90゜から93℃で、
およそ30秒から1分間、DNA鎖を分離するために加熱さ
れる。この加熱時間後、溶液は増幅温度まで冷却され
る。
DNA鎖の分離につづいて、プライマーは鎖をアニーリ
ングさせる。アニーリング温度は、プライマーの長さと
GC含量で変化する。これらの変動は、各プライマーのTm
に反映される。エクステンション反応段階は、プライマ
ーのアニーリングに続いて、ゲノムDNAについて行われ
る。
プライマーエクステンション反応を誘導または触媒す
る適当な剤が、鎖分離(変性)手段の前か後に、変性條
件下の剤の安定度に依存して、増幅混合液に添加され
る。DNA合成反応は、技術的によく知られた條件下で、
行わせる。この合成反応(プライマーエクステンショ
ン)は、室温から、ポリメラーゼがもはや有効に機能し
ない以上の温度でおこすことができる。増幅温度を上げ
ると、反応の緊縮度が強められる。前に述べたように、
ヌクレオチドの置換が増幅配列内で、制限部位あるいは
プローブ結合部位を変えることができるので、増幅配列
とDNA鋳型配列が同じヌクレオチド配列を含むことを確
実にするために、緊縮な條件が必要である。
誘導剤は、プライマーエクステンション生成物の合成
を促進する如何なる化合物または系でもよく、望ましく
は酵素である。この目的に適した酵素は、DNAポリメラ
ーゼ(例えば、E.coli DNAポリメラーゼI、E.coli DNA
ポリメラーゼIのクレノウフラグメント、T4DNAポリメ
ラーゼ)、逆転写酵素及びその他の酵素(熱安定ポリメ
ラーゼを含む)を含み、これらはプライマーエクステン
ション生成物を形成するための適切な手段の中でヌクレ
オチドの結合を促進する。最も望ましいのは、Taqポリ
メラーゼまたはその他の熱安定性ポリメラーゼで、高温
(約60゜から90℃)でDNA合成を促進する。Taqポリメラ
ーゼは、たとえばCien et al,J.Bacteriol.,127:1550−
1557(1976)に述べられている。その論文は、文献とし
てそのすべてがここに編入されている。エックステンシ
ョン工程が約72℃でおよそ1分間行われる時、増幅され
るべき標的DNAの1,000塩基が必要になる。
増幅配列の合成は、各プライマーの3′末端で開始さ
れ、合成が終了するまで、鋳型DNA鎖に沿って鋳型の
5′末端の方に進み、異なった長さのDNA配列を生産す
る。新しく合成された鎖とその相補的鎖は、二重鎖分子
を生成し、それがその後に続く工程に用いられる。次の
工程で、二重鎖分子の鎖は、前に述べたように、分離さ
れ(変性される)一重鎖分子を供給する。
新しいDNAは、一重鎖鋳型分子上に合成される。上記
條件下で反応を進める必要があれば、追加のポリメラー
ゼ、ヌクレオチドそしてプライマーが加えられる。この
段階の後、エクステンション生成物の半分は、2つのプ
ライマーによって結合された増幅配列から成り立ってい
る。鎖分離とエクステンション生成物の合成の工程は、
増幅DNA配列の望まれる量を生産するに必要な多くの回
数が繰返される。生産される増幅配列の量は指数関数的
に蓄積される。一般的には、分析上、増幅DNA配列の適
当量を生産するには約25から30サイクルで十分である。
増幅方法は、各段階後に新しい試薬を加える段階方式
でも、あるいは、初期段階ですべての試薬を加える連続
方式でも、あるいは、きめられた数段階後に新らしい試
薬を加える一部段階一部連続方式でも行うことができ
る。増幅反応混合液は、サンプルのゲノムDNAに加え
て、4つのヌクレオチド、モル過剰のプライマーペア、
及びTagポリメラーゼのような誘導材を含むことができ
る。
各工程の段階は、すべての試薬が最初に存在している
にもかかわらず逐次的に起こる。付加物質は必要に応じ
て加えてよい。一般的には、熱安定性ポリメラーゼが用
いられる時、ポリメラーゼは補充されない。増幅配列の
望みの量が適当な回転数で生産された後、酵素を不活性
化し、あるいは反応成分を分離し、あるいは熱循環を止
めることによって反応は停止される。
この方法の望ましい具体例として、増幅は、最初の増
幅につづく第2の増幅を行うために第2プライマーペア
の使用を含む。第2プライマーペアは、最初の増幅配列
の一部であるDNA配列を限定する。すなわち、少なくと
も第2プライマーペアの1つは、最初の増幅配列の末端
以内にある第2増幅配列の1つの末端を限定する。この
方法で、第2プライマーペアの使用は、第2増幅反応で
生産されるどの増幅配列も、試験される遺伝子座に特異
的であることを確実にするよう助長する。すなわち遺伝
子座−特異的ペアによりコピーされるかも知れない非標
的配列は、最初の増幅配列内に位置決定する第2遺伝子
座−特異的プライマーペアとハイブリダイズする配列を
含むことはないように思われる。
増幅DNA配列の分析 前に考察したように、サンプルDNAに存在する対立遺
伝子の特性を明らかにするため増幅DNA配列を分析する
ことに用いられる方法は、配列中の遺伝変異に依存す
る。対立遺伝子間の差異が、プライマー限定の長さの多
型を含む時、増幅配列は長さに基づいて望ましくは、ゲ
ルまたはキャピラリー電気泳動を用いて分離される。分
析がRFLP断片のパターンに基づく時、増幅配列は、1個
またはそれ以上の制限エンドヌクレアーゼによって消化
し、その結果の断片は長さをベースに、望ましくはゲル
またはキャピラリー電気泳動によって分離される。最も
望ましい方法は、増幅−特異的方法であり、集合した増
幅DNA配列が選択された対立遺伝子またはハプロタイプ
の存在を示す。
種々の分析方法のそれぞれの工程は、たとえばDNA増
幅、エンドヌクレアーゼ消化法そしてゲル電気泳動のよ
うな良く知られた方法を用いており、以下に記載する。
対立遺伝子−または−ハプロタイプ−特異的増幅分析法 対立遺伝子−または−ハプロタイプ−特定増幅は好ま
しい分析方法であり、最も異なった民族グループの15か
ら20個体について、領域に関する400から500bpの配列情
報が一たび利用できれば行うことができる。
分析方法の最初の段階として、ネステの配列−特異的
プライマーペア、対立遺伝子−特異的プライマーペアあ
るいはハプロタイプ−特異的プライマーペアにより増幅
される標的DNA配列として用いられる遺伝子座−特異的
増幅DNA配列が作られる。標的DNA配列は、変異性エクソ
ンまたは変異性エクソンの下流のエクソン及び隣接する
イントロン配列ヌクレオチドを含む遺伝座の部分に相当
することが望ましい。この方法は、選択された配列が標
的配列の中に存在する時にだけ、ペアのプライマーのす
くなくとも1つが、標的DNA配列にハイブリダイズする
ようなプライマーペアを用いて標的DNA配列を増幅する
ことを基にしている。前に述べたように、配列多型は、
一つの対立遺伝子または遺伝座の対立遺伝子群に特徴的
であることができる。別に、配列多型は、遺伝座及び1
個またはそれ以上の隣接遺伝子座に関係したハプロタイ
プに特徴的なサブ−対立遺伝子変異であることができ
る。この方法で、増幅DNA配列の生産物は、選択された
配列多型性そして選択されたサブ−対立遺伝変異、対立
遺伝子または対立遺伝子群が標的DNAに存在することを
示す。1つの具体例として、最初の増幅は、サンプルに
存在する対立遺伝子またはハプロタイプに関係なく標的
DNA配列を生産する遺伝子座−特異的プライマーペアを
使用する。他の具体例として、共通の配列多型をもつ対
立遺伝子の選択群がサンプルに存在する時にだけ、遺伝
子座−特異的プライマーペアが標的DNA配列を生産す
る。標的配列の次の増幅は、群内の対立遺伝子を用いて
行われる。
第2の増幅は、サンプル中の対立遺伝子/ハプロタイ
プを決定するための十分な配列多型として、プライマー
ペアを含むことが望ましい。一つの具体例で、それぞれ
の増幅反応混合液が、シングルプライマーペアを含んで
多数の増幅が行われる。反応混合液中の増幅の存在の検
出には、プライマーペアが特異的である対立遺伝子がサ
ンプル中に存在することを測定して行う。他の具体例
で、多重DNA増幅が、プライマーペアを用いて単一反応
混合液中で行われる。ここでは、反応混合液中のそれぞ
れのプライマーペアによって、それぞれ、長さの違いが
区別できる増幅されたDNA配列が生産される。結果とし
て生じた増幅DNAの長さの測定は、標的DNA中に存在する
配列多型を同定する。望ましい事例として、プライマー
ペアの十分なコンビネーションが用いられその結果生じ
た増幅DNA配列は、サンプル中に存在する遺伝座の両方
の対立遺伝子を測定する。
ネストのプライマーペア この方法は、ネストのプライマーペアを用いた、標的
DNA配列の増幅に基いている。ここでネストのプライマ
ーペアによる増幅の存在が、特別な配列多型がサンプル
中に存在することを示している。配列多型は、一つの対
立遺伝子、遺伝座の対立遺伝子群の特性であることがで
き、あるいは、1個またはそれ以上の個体のサブ対立遺
伝子変異特性であり、あるいは、遺伝座及び1個または
それ以上の隣接遺伝子座に関係するハプロタイプの特性
であることができる。一つの望ましい事例として、標的
DNA配列は、サンプル中の対立遺伝子またはハプロタイ
プの存在にかかわりなく、サンプルのゲノムDNAを増幅
する遺伝子座−特異的プライマーペアにより生産される
増幅DNA配列である。他の望ましい事例において、標的D
NA配列は、遺伝子座の対立遺伝子群を包みこむがすべて
の対立遺伝子は包みこまない。
対立遺伝子−特異的またはハプロタイプ−特異的増幅
に影響するため、各ネストのプライマーペアにおける少
なくとも1つのプライマーは選択されて、選択された配
列多型が存在する時だけ、そのプライマーがDNA配列に
ハイブリダイズする。このようにして、増幅DNA配列の
存在は配列多型がそのサンプルに存在することを示す。
これは、プライマーが保護領域に結合し、結果として生
じた増幅DNA配列が通常はオリゴプローブを用いて、増
幅配列内の多型の存在を分析する先行技術とは最も対照
的である。
各プライマーペアの少なくとも1つのプライマーは、
選択的に配列多型とハイブリダイズし、(1)遺伝座の
多数の対立遺伝子に特異的であるが、すべての対立遺伝
子には存在しない(配列−特異的プライマーまたはSS
P)、(2)遺伝病の1つの対立遺伝子(対立遺伝子−
特異的プライマーまたはASP、(3)遺伝座及び1個ま
たはそれ以上の隣接遺伝座に関係した1つのハプロタイ
プ(ハプロタイプ−特異的プライマーまたはHSP)ある
いは(4)特別な個体または個体グループ(個体−特異
的プライマーまたはISP)に特異的である。プライマー
ペアのその他のプライマーは、前に考察したようにあま
り特異的ではない。
ネストの増幅DNA配列の各々は、標的DNA配列に位置決
定される。標的DNAの各々のネストの増幅DNA配列の位置
は、増幅DNA配列の1方または両方の末端が、望ましい
特性の多型配列を含むように選択される。すなわち、増
幅DNA配列の3′末端または5′末端または両末端のど
れかが、配列−特異的、対立遺伝子−特異的、ハプロタ
イプ−特異的または個体−特異的のいづれかのプライマ
ーがハイブリダイズするような多型配列を含んでいる。
プライマーはまた、反応混合液内の各プライマー対が
異なった長さの増幅DNA配列を限定するように位置され
ることが望ましい。遺伝座に関係する各ネストのプライ
マーペアが異なった長さの増幅DNA配列を限定するよう
にプライマーが位置されれば、さらに望ましい。
ネストのプライマーにより生産される増幅DNA配列
は、その長さがおよそ50から700bpまで変化しうるが、5
0から300bpが望ましく、50から100bpが最も望ましい。
それぞれのネストの増幅DNA配列はまた、反応混合液内
でお互いにネストの増幅DNA配列が異なることが望まし
く、遺伝子座のそれぞれのネストの増幅DNA配列が少な
くとも十分な数のヌクレオチドにより、ゲル電気泳動で
増幅DNA配列が容易に区別することが出来ることが望ま
しい。
長さの相違は、配列(プライマーが限定した長さの多
型またはPDLP)内のヌクレオチドの数に帰せられあるい
は、ゲル(プライマー限定の移動度の多型またはPDMP)
における配列の移動度の相違に起因する明瞭な長さの相
違であり得る。PDLPまたはPDMPのゲル電気泳動の説明
は、ここに詳細に述べられている。
第2増幅についてのネストのプライマーの特別なハイ
ブリダイゼーションについての考え方は遺伝子座−特異
的増幅で必要な條件とはいくらか異なっている。すなわ
ち、プライマーは、選択されたDNA配列、最初の増幅で
生成された標的配列を増幅する目的に十分に特異的であ
ることのみが必要である。ネストのプライマーに対する
考え方の相違は良く知られている。ネストのプライマー
について、それぞれのプライマーは長さがおよそ10から
30まで変化するが、望ましい長さは15から20nt最も望ま
しい長さは約18ntである。プライマーペア(SSP,ASP,HS
P,またはISP)の中の各特別なプライマーについて、プ
ライマーの3′末端は、配列対立遺伝子、ハプロタイプ
あるいは検出されるべき個体変異について特徴的な標的
配列の独特の領域に選択的にハイブリダイズする。
3′末端における1つの独自のヌクレオチドは、増幅
反応に適当な緊縮度を与える條件下で、十分特殊性を保
証している。プライマー部位の3′末端に2または3個
の独自なヌクレオチドをもつ位置を可能な時に用いるこ
とができる。プライマーとプライマー部位はプライマー
の3′ヌクレオチドについて少なくとも相補的でなけれ
ばならない。3′ヌクレオチドに加えて、隣接4個のヌ
クレオチドの少なくとも2個が望ましく、プライマーの
3′末端における5個のヌクレオチドがまた、プライマ
ー部位配列に相補的であることが最も望ましい。プライ
マーの5′末端における、望ましくは少なくとも3個の
ヌクレオチド、さらに望ましくは5個のヌクレオチドも
またプライマー部位配列に相補的である。プライマーの
中心に近い非相補的領域、望ましくは、非相補的ヌクレ
オチドが隣接しなければ特別な増幅について十分相同性
を与える。
分析法 前に述べたように、分析法は、標的DNA配列を生産す
るため、遺伝子座−特異的プライマーによる最初の増幅
を含む。標的DNA配列は、配列、対立遺伝子、ハプロタ
イプあるいは検出されるべき個体変異について特徴的な
標的配列の一部分に特異的なネストのプライマーペアに
よって増幅される。方法はいくつかの異なったやり方で
行うことができ、ネストのプライマーペアにより生産さ
れた増幅DNA配列は、ペアが特異的であるような配列が
サンプル中に存在することを示して、特徴的である。
DNA増幅に用いられる試薬と條件は、遺伝子座−特異
的増幅のそれらと異ならない。次の方法の説明は、目的
を明確にするため、遺伝子座の対立遺伝子検出の項に書
かれている。同じ考え方が、サブ−対立遺伝子の変異の
検出に含まれている。
最初の増幅 分析法の最初の工程は、遺伝子座−特異的増幅DNA配
列を生産するため、遺伝子座−特異的プライマーによる
ゲノムDNAの増幅である。前に述べたように、遺伝子座
−特異的プライマーは、共通配列多型をもつ遺伝子座の
対立遺伝子群用の増幅DNA配列を生産する。最初の増幅
は2つの方法の中の1つで行われる。1つの具体例とし
て、遺伝子座−特異的プライマーペアは、サンプルのゲ
ノムDNA中に存在する対立遺伝子にかかわりなく、増幅D
NA配列を生産する。結果として生じた遺伝子座−特異的
増幅DNA配列はその後の工程の標的DNAとして使用され
る。
より好ましい具体例として、遺伝子座特異的プライマ
ーペアは遺伝子座の多数の対立遺伝子を増幅するが遺伝
子座のすべての対立遺伝子は増幅しない。この具体例で
の使用は、遺伝子座−特異的プライマーペアは、遺伝子
座のすべての対立遺伝子を増幅するよう要求されている
ことを意味する。しかしながら、第2の増幅は、標的DN
A配列を生産する遺伝子座−特異的プライマーペアの配
列多型をもつ対立遺伝子群に対する特異性のみを必要と
する。この方法は、特殊な試料を分析することが要求さ
れるので全DNA増幅の数は小さくなる。
それぞれの遺伝子座−特異的プライマーペアは分離し
た増幅反応混合液中に存在することができる。その場
合、増幅DNA配列の存在は試料中の対立遺伝子の群を示
す。また別に、2個またはそれ以上の遺伝子座−特異的
プライマーペアは、単一増幅反応混合液に存在すること
ができる。その場合、結果として生じたそれぞれの増幅
DNA配列は区別しうる長さをもち、試料中に存在する対
立遺伝子群を決定するため電気泳動にかけられる。単一
反応混合液中の多数のプライマーペアの結合技術は、マ
ルチプレシングとして文献を参照のこと、マチルプレシ
ングに関係する考察は、第2増幅で詳細が述べられる。
第2増幅 標的DNA配列内のDNA配列を増幅する第2増幅は、プラ
イマーペアを用いて行われる。第2増幅において、増幅
に責任をもつプライマーペアが指示的に増幅DNA配列を
生産する。すなわち、プライマーペアの少なくとも1プ
ライマーは、対立遺伝子または遺伝子座の対立遺伝子群
について特徴的なDNA配列にハイブリダイズする。特別
なプライマーペアまたはプライマーの群による増幅DNA
配列の生産は、対立遺伝子が試料中に存在することを示
している。
標的配列が遺伝子座のすべての対立遺伝子を包み込む
時各対立遺伝子の増幅が行われる。一つの具体例で、分
離反応混合液は、遺伝子座の各対立遺伝子へのプライマ
ーペアの特質のために作られる。増幅DNA配列を生産す
る1つまたは2つの反応混合液の測定で試料中に存在す
る対立遺伝子が識別される。好ましい具体例で、各増幅
DNA配列は、長さが異なり、増幅DNA配列は、試料中の対
立遺伝子の存在を確認するために測定される。
一方、第2反応混合液の少なくとも一つは、2個また
はそれ以上のプライマーペアを含むことができる。反応
混合液中のあらゆる他のプライマーペアによって生産さ
れる増幅DNA配列から、それぞれのプライマーペアが区
別できる、長さをもつ増幅DNA配列を生産できるよう
に、反応混合液におけるプライマーペアの結合を選択す
ることによって、増幅DNA配列の生産に責任のあるプラ
イマーペアは、増幅DNA配列の長さを測定することによ
って容易に識別することができる。かくして、標的DNA
中の配列多型の存在が、増幅DNA配列の長さの測定によ
って容易に識別することができる。
単一反応混合液中で多くのプライマーペアが用いられ
る時、反応混合液中に存在する他のプライマーペアによ
って生産されるすべての他の増幅DNA配列の長さから、
増幅DNA配列の長さを区別出来るように各ペアのプライ
マーが選択される。それぞれのペアのプライマーは、選
択される対立遺伝子に特異的であることができる。一
方、反応混合液中の2個またはそれ以上のプライマーペ
アは、共通のプライマーを分け合うことができる。反応
混合液中の1つのプライマーペアが共通のプライマーを
利用する時、便宜的に、反応混合液中のすべてのプライ
マーペアが共通のプライマーを利用する。その場合、そ
れぞれのプライマーペアの対立遺伝子−特異的プライマ
ーは、ゲル電気泳動によって区別されるように、他の対
立遺伝子−特異的プライマーから十分に離れた位置に選
択されるだろう。
好ましい具体例で、ただ1つの増幅DNA配列が、各対
立遺伝子用に生産される。すなわち、遺伝子座の各対立
遺伝子用に1つの対立遺伝子−特異的プライマーペアが
あることが望ましい。たとえば、いくつかの対立遺伝子
−特異的プライマーペアが用いられる時、各ペアごとの
プライマーが選択され、その結果、対立遺伝子が標的DN
Aに存在する時、ただ1つの増幅DNA配列が生産される。
しかしながら、対立遺伝子に特徴的な配列−特異的増幅
DNA配列のパターンが、一諸に起ると、また考えさせら
れる。
他の具体例で、第2反応混合液中で、1個またはそれ
以上のネストのプライマーペアが配列−特異的プライマ
ーであり、遺伝子座の対立遺伝子群を増幅する。第2増
幅により生産された増幅DNA配列を増幅するためにネス
トのプライマーを用いる追加増幅が、第2増幅DNA配列
内の対立遺伝子を測定するために用いられる。
遺伝子座の対立遺伝子のための上記の分析法は、サブ
対立遺伝子多型、特殊なハプロタイプ多型、あるいは、
対立遺伝子−ハプロタイプを特徴づける配列−特異的プ
ライマー群の使用あるいは、対立遺伝子/ハプロタイプ
を測定するためネストのプライマーによる増幅のような
分析技術で普通の腕をもった人ならば容易に適用するこ
とができる。
RFLP断片パターンの生産 制限エンドヌクレアーゼ 制限エンドヌクレアーゼは、制限部位と呼ばれる特別
なヌクレオチド配列でDNAを加水分解的に分裂または切
断する酵素である。粘着性の末端断片(鎖の加水分解位
置は少量のヌクレオチドで互いに分離される)を生ずる
エンドヌクレアーゼと同様ブラント末端DNA断片(両方
のDNA鎖に結合するホスホジエステルの加水分解が同じ
位置で起る)を生ずるエンドヌクレアーゼを用いること
ができる。
制限酵素はSigma Pharmaceutical,Bethesda Research
Labs,Boehringer−Manheim and Pharmaciaを含む多く
の入手先から商業的に利用することができる。前述のよ
うに、本発明に用いられる制限エンドヌクレアーゼは、
本発明の増幅DNA配列を分裂して、区別できる断片長を
もった一連の断片から成る消化物を生産する。特に、遺
伝子座の1つの対立遺伝子/ハプロタイプの断片は、他
の遺伝子座の他の対立遺伝子/ハプロタイプの断片と大
きさが異なる。多くの消化物の断片の分離と視覚化によ
り生じたパターンは、遺伝子座の対立遺伝子とサブ対立
遺伝子のパターンを十分に区別できる。さらに特徴的に
は、増幅配列の1個またはそれ以上の消化物を用いて、
遺伝子座の対立遺伝子が区別できるように、エンドヌク
レアーゼを選択できる。
エンドヌクレアーゼの選択で、考慮すべき重要なこと
は、遺伝子座の色々な対立遺伝子をもつ増幅配列から生
ずる断片の数である。さらに特別な事として、対立遺伝
子とハプロタイプ間を見分けるために十分な数の断片が
作られなければならない。しかしながら多くの断片が、
特別な検出方法によっても、他のハプロタイプのパター
ンと区別できない程、その大きさが大きすぎても、ある
いは同じであってもいけない。この選択については、異
なるエンドヌクレアーゼと増幅DNA配列を実験的に組合
わせてその結果のパターンを評価するよりは、むしろ、
代表的な配列を分析し、配列にとって有用な制限エンド
ヌクレアーゼを決定する方が望ましい。
普通の熟練者ならば、エンドヌクレアーゼが、区別で
きる断片長をもったRFLP断片を作るか否かを容易に決定
することができる。
この決定は、それぞれの対立遺伝子をもった増幅配列
と、本発明法で指定したエンドヌクレアーゼで分裂する
ことによって実験的に行うことができる。断片のパター
ンは、それから分析される。配列が分析され、遺伝子座
をもつ配列の中にあって、対立遺伝子−ハロタイプの特
徴をもつ断片を生産するエンドヌクレアーゼの制限位置
を選定することが望ましい。対立遺伝子のパターン間の
相違を検出するのに、2個またはそれ以上の消化物のパ
ターンを比較すれば十分かどうかを決めることにより、
パターンは容易にその違いを区別できる。このような比
較は、断片を生産し、ゲルによって断片を分離すること
によって行うことができる。一方、エンドヌクレアーゼ
によって作られる断片は、既知の配列を解析することに
よって、その長さを決定することができる。
RFLP断片の生産 増幅の後、増幅DNA配列は、エンドヌクレアーゼと結
合させて、特別な制限部位で、加水分解的に分裂または
切断される。エンドヌクレアーゼと増幅DNA配列の結合
物は、区別できる長さの一連の断片を含んだ消化物を生
産する。U.S.Patent No.4,582,788(to Erlich issued
April 15,1986)は、制限酵素断片長多型(RFLP)に基
づいたHLA型方法について述べている。この特許は文献
として、すべてここに編集されている。
好ましい具体例として、分割試料当り、略等量のDNA
を含む2個またはそれ以上の増幅反応混合液の分割試料
を用意する。便宜上100μl反応混合液中のおよそ5か
ら10μlが各分割試料として用いられる。各分割試料
は、異なったエンドヌクレアーゼと結合させて多数の消
化物が作られる。この方法で、特別な増幅DNA配列に対
し、多くのエンドヌクレアーゼを使用して、特別な遺伝
子座の多数の対立遺伝子を区別する遺伝子座−特異的結
合物が容易に決定される。消化物の作成に続いて、それ
ぞれの消化物は、RFLPパターンの形成に使用される。パ
ターン形成の前に、2個またはそれ以上の消化物をプー
ルすることが望ましい。
一方、2個またはそれ以上の制限エンドヌクレアーゼ
が、単一消化物の生産に用いられる。消化物は、それぞ
れ酵素が別々に用いられて異なっており、結果的に生じ
た断片については、一つの酵素によって生ずる断片は消
化物の他の酵素によって認識される1個またはそれ以上
の制限部位を含んでいるかも知れないので、プールされ
る。2個またはそれ以上の酵素によって同時に消化され
て生じたパターンは、これらの酵素で別々に消化された
生じた生成物をプールしたものよりは、より多くの断片
を含むだろうし、また分析ももっと複雑になるだろう。
増幅DNA配列のエンドヌクレアーゼによる消化は、エ
ンドヌクレアーゼの活性上、より好適な條件である水溶
液中で行うことができる。一般に、溶液はpH約6.5から
8.0の緩衝液である。望ましい温度は約20℃から45℃、
より望ましい生理的温度(25℃から40℃)が適用され
る。制限エンドヌクレアーゼは通常マグネシウムイオン
を要求し、ある場合は、補因子(ATP及びS−アデノシ
ルメチオニン)または他の薬剤を、活性のために要求す
る。従って、これらのイオン源、例えば、無機マグネシ
ウム塩、またその他の薬剤は、必要ならば、消化混合液
中に加えられる。適当な條件は、エンドヌクレアーゼの
製造業者が述べており、一般には、エンドヌクレアーゼ
がその最適活性條件として、高い、中間の、または低い
塩を必要とするか否かによって変ってくる。
消化混合液中のDNAの量は、一般的には、1%から20
%重量の範囲にある。大抵の場合、完了までに消化され
る5から20μgの全DNAから適当量がRFLP断片の生産の
ために提供される。過剰なヌクレアーゼ、望ましくは、
1から5単位/μgDNAが使用される。
消化物中の断片のセットは、望ましくは、RFLPパター
ンの生産のための工程へ進められ、分析される。望まれ
るならば、消化物は、Kan et al,PNAS 75:5631−5635
(1978)によって述べられているように、次の工程の前
に、沈澱と再懸濁により精製することができる。この論
文は文献として、すべてがここに編集されている。
断片は、いったん生成されれば、既知の方法で分析さ
れる。断片は、電気泳動で分析されることが望ましい。
ゲル電気泳動法は詳細がここに述べられている。キャピ
ラリー電気泳動法は、自動化することができ(Applied
Biosystems of Foster City,CAにより、型207A分析キャ
ピラリー電気泳動系の使用によって)、Chin et al,Ame
rican Biotechnology Laboratory News Edition,Decemb
er,1989に記載されている。
DNA断片の電気泳動分離 電気泳動は、電場の影響下で大きさと荷電により、支
持培地に含まれるDNA配列フラグメントを分離する。ゲ
ル板または平板、たとえば、アガローズ、アガローズ−
アクリルアミドまたはポリアクリルアミド、が普通、ヌ
クレオチド配列の分析に用いられる。電気泳動の條件
は、断片の分離の程度に影響する。10ヌクレオチド以下
の大きさの違いで断片が分離される程度で普通は十分で
ある。
3から5ヌクレオチドの断片の違いを解決するゲル能
力が望ましい。しかしながら、ある目的で、少なくとも
100ntの配列上の差異の区別が分析としては十分であろ
う。
分析ゲルの製造と染色はよく知られている。たとえ
ば、エチジウムブロミドを用いて染色する3%Nuシーブ
1%アガロースがBoerwinkle et al,PNAS,86:212−216
(1989)に記載されている。シルバー染色を用いるポリ
アクリルアミドゲルによるDNAの検出がGoldman et al,E
lectrophoresis,3:24−26(1982);Marshall,Electroph
oresis;4:269−272(1983);Tegelstrom,Electrophores
is,7:226−229(1987);及びAllen et al,BioTechniqu
es 7:736−744(1989)に述べられている。Allen et a
l,により述べられている、シルバーにより染色される大
孔サイズ超薄層の再水和性ポリアクリルアミドゲルが好
ましい。これらの論文は文献としてすべてここに編集さ
れている。
本発明は、以下の特徴的なしかし限定されない例によ
ってさらに説明される。特に記載のない限り、温度は、
摂氏度で、濃度は、重量パーセントで与えられる。解釈
上、実用性に乏しい方法は、現在の時制で述べ、また、
実験室で行われた方法は、過去の時制で説明されてい
る。
例 1 HLA DQA 遺伝子座の分析 HLA DQA1遺伝子座のハプロタイプは、下記のように
分析された。DQA1遺伝子座のよく知られたハプロタイプ
の個体からのDNAが評価された。およそ1μgの試料DNA
が、プライマーペア(各プライマー1μg)、dNTPS
(各2.5mg)及び増幅緩衝液(50mM塩化カリウム;10mMト
リス−塩酸、PH8.0;2.5mg塩化マグネシウム;100μg/ml
ゲラチン)中のTaqポリメラーゼ2.5単位を含む100μl
の全容量中で結合し、増幅反応混合液が作られた。
プライマーの配列は: SGD 001−−5′TTCTGAGCCAGTCCTGAGA 3′:及び SGD 003−−5′GATCTGGGGACCTCTTGG 3′.であった。
これらのプライマーは、第2エクソンの5′末端から上
流およそ500bpの配列へ、また、第2エクソンから下流5
0bpにハイブリダイズし、700から800bp範囲の増幅DNA配
列を生成する。各プライマーはApplied Biosystem mode
l 308A DNAシンセサイザーを用いて合成された。増幅
方法は94℃で30秒間、60℃で30秒間、及び72℃で60秒間
の30サイクルで行った。増幅後、増幅DNA配列は、PDLP
型を決定するために、4%ポリアクリルアミドゲルで電
気泳動にかけられた。この場合、8対立遺伝子の増幅DN
A配列は、5つの異なる長さのPDLP配列を生成した(少
なくとも、5ハプロタイプの存在を示す)。RFLPパター
ンを生成するために用いられるその後の酵素消化は、追
加の対立遺伝子とサブ−対立遺伝子(ハプロタイプ型)
パターンを識別した。
増幅DNA配列は分割され、制限酵素Alu I,Dde I及びMb
o II(Bethesda Research Laboratories)を用いて、別
々に消化された。消化は、5単位(1μl)の酵素と、
10μlの増幅DNA配列(およそ0.5及び1μgのDNA)
を、製造業者の指示により製造業者から提供された酵素
緩衝液中で混合して、消化物を生成させた。消化物は、
次に37℃で2時間培養されて、酵素消化を完結させた。
消化反応生成物は、およそ0.1μgの“ラダー”ヌクレ
オチド配列(始めの長さ123bpで123bpに増加し、最終サ
イズがおよそ5,000bpになるヌクレオチド対照配列;Beth
esda Research Laboratories,Bethesda MDから購入可
能)と混合し、また、4%水平超薄ポリアクリルアミド
ゲル(E−C Apparatus,Clearwater FLA)を用いて電
気泳動を行った。ゲルのバンドは、シルバー染色技術
〔Allen et al,BioTechniques7:736−744(1989)〕を
用いて視覚化(染色化)された。
3つのエンドヌクレアーゼの各々による、DQA1ハプロ
タイプの各々とのPDLP群及び断片のパターンは表1に説
明されている。
フロントページの続き (56)参考文献 Genomics,2(1988)p. 273−279 日本臨床,1989年 5月12日,第47 巻・1989年増刊号,p.550−576 Hum.Genet.,75(1987), p.264−268 日本医師会雑誌,,97(1987),p. 637−640 Nature,314(1985)p.67− 73 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/68 C12N 15/00 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) PubMed

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報を提供する多型性マーカーを同定し、
    同マーカーを用いて一定の形質に関連した染色体領域を
    同定するゲノム地図作成法であって、以下の工程を含む
    方法: (a)一般集団の多様性を反映する複数の個体から、ゲ
    ノムDNAサンプルを得る工程、 (b)上記各ゲノムDNAサンプルの選択された染色体領
    域から非コード配列を増幅して、増幅DNA配列を得る工
    程、 (c)上記増幅DNA配列を解析して上記非コード配列が
    複数の多型性領域を含むか否かを判定し、この多型性領
    域によって、選択された遺伝変異解析技術により検出可
    能な複数のハプロタイプパターンを特定する工程、 (d)上記選択された技術によって測定すると明らかに
    なる、上記非コード配列に関係したハプロタイプパター
    ンであって、各ハプロタイプパターンが、上記選択され
    た染色体領域におけるハプロタイプのマーカーであると
    いう、ハプロタイプパターンの数を判定する工程、 (e)工程(a)〜(d)を繰り返して、一連の選択さ
    れた染色体領域において、各々が、関係するハプロタイ
    プパターンを複数もつ、複数の非コード配列を同定する
    工程、 (f)上記一般集団内の個体であって、上記形質をも
    ち、かつ、単一の家系に由来しない複数の個体から、ゲ
    ノムDNAサンプルを得る工程、 (g)上記ゲノムDNAサンプルにおける上記一連の染色
    体領域から上記複数の非コード配列を増幅して、増幅DN
    A配列を得る工程、 (h)上記各増幅DNA配列のハプロタイプパターンを検
    出して、各々に対応する選択された染色体領域のハプロ
    タイプを同定する工程、 (i)上記(b)記載の増幅DNA配列および上記(g)
    記載の増幅DNA配列について、選択された染色体領域毎
    に同定されたハプロタイプパターンの数を比較すること
    によって、上記(g)記載の増幅DNA配列の選択された
    各染色体領域について、ハプロタイプの異質性の制約度
    を測定する工程、および、 (j)上記選択された染色体領域全体にわたるハプロタ
    イプ異質性の制約度を比較して、一部の連続する選択さ
    れた染色体領域において、末端部にある選択された染色
    体領域におけるよりも、中心部にある選択された染色体
    領域の方においてハプロタイプ異質性制約度が高いとい
    う、上記一部の連続する選択された染色体領域を同定し
    て、この中心部にある選択された染色体領域が上記形質
    と関係することを示す指標とする工程。
  2. 【請求項2】各増幅DNA配列の長さが約200〜2000塩基で
    ある、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】選択された染色体領域が約0.01〜2×106
    塩基対(Mbp)離れている、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】非コード配列がイントロン配列である、請
    求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の方法であって、さらに、 (a)ゲノムDNAの一領域の塩基配列をcDNAの塩基配列
    と比較する方法、および (b)対応する増幅cDNA配列よりも長い増幅ゲノムDNA
    配列を得る方法 からなる群より選択される方法によってイントロン配列
    を同定する工程を含む方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の方法であって、 (a)エクソントラッピング法 (b)ズーブロット解析法(zoo blot analysis) (c)制限エンドヌクレアーゼを用いてCpGアイランド
    を同定する方法 からなる群より選択される方法によって転写領域を同定
    した後にイントロン配列を同定する方法。
  7. 【請求項7】非コード配列が、配列標識部位または制限
    酵素断片長多型部位に相当する既知の塩基配列をもつゲ
    ノムDNA領域中に存在する、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】ある形質に関係した染色体領域を同定する
    ゲノム地図作成法であって、以下の工程を含む方法: (a)一般集団に由来する、上記形質をもつ複数個体で
    あって、単一の家系に由来しない複数個体からゲノムDN
    Aサンプルを得る工程、 (b)各ゲノムDNAサンプル中の選択された染色体領域
    であって、選択された遺伝変異解析技術によって検出可
    能な複数のハプロタイプパターンを特定できる複数の多
    型性非コード領域を含む染色体領域を増幅して、複数の
    非コード配列を増幅する工程、 (c)上記複数の増幅DNA配列を解析して、対応する選
    択された染色体領域毎にハプロタイプを同定する工程、 (d)上記形質をもつ上記複数の個体について、上記一
    般集団と比較しながら、選択された各染色体領域におけ
    るハプロタイプ異質性の制約度を測定する工程、および (e)上記選択された染色体領域全体にわたるハプロタ
    イプ異質性の制約度を比較して、一部の連続する選択さ
    れた染色体領域において、末端部にある選択された染色
    体領域におけるよりも、中心部にある選択された染色体
    領域の方においてハプロタイプ異質性制約度が高いとい
    う、上記一部の連続する選択された染色体領域を同定し
    て、この中心部にある選択された染色体領域が上記形質
    と関係することを示す指標とする工程。
  9. 【請求項9】形質が単一遺伝子による疾患である、請求
    項8記載の方法。
  10. 【請求項10】形質が複数遺伝子による疾患である、請
    求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】複数個体が20〜100個体からなる集団で
    ある、請求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】各増幅DNA配列の長さが約200〜2000塩基
    である、請求項8記載の方法。
  13. 【請求項13】選択された染色体領域が約0.01〜2×10
    6塩基対(Mbp)離れている、請求項8記載の方法。
  14. 【請求項14】少なくとも一つの選択された染色体領域
    について、複数の多型性非コード領域がイントロン配列
    中に存在している、請求項8記載の方法。
  15. 【請求項15】選択された遺伝変異解析技術が、ハプロ
    タイプ、対立遺伝子、または配列に特異的なプライマー
    による増幅を含むものである、請求項8記載の方法。
  16. 【請求項16】2つの増幅DNA配列長の違いに基づい
    て、2種類以上の明確なハプロタイプパターンが識別で
    きる、請求項8記載の方法。
  17. 【請求項17】2つの増幅DNA配列を少なくとも1種類
    の制限エンドヌクレアーゼによって分解して得られた断
    片パターンの違いに基づいて、2種類以上の明確なハプ
    ロタイプパターンを識別できる、請求項8記載の方法。
  18. 【請求項18】断片パターンの違いが断片数の違いであ
    る、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】断片パターンの違いが、少なくとも1個
    の断片の長さの違いである、請求項17記載の方法。
  20. 【請求項20】多型性領域が多型部位を含むものであ
    る、請求項1記載の方法。
  21. 【請求項21】多型性非コード領域が多型部位を含むも
    のである、請求項8記載の方法。
JP51213591A 1990-07-11 1991-07-11 イントロン配列分析法を用いた直接ハプロタイピングによるゲノム地図作成方法 Expired - Lifetime JP3409796B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US55093990A 1990-07-11 1990-07-11
US550,939 1990-07-11
PCT/AU1991/000310 WO1992001066A1 (en) 1990-07-11 1991-07-11 Genomic mapping method by direct haplotyping using intron sequence analysis

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05506998A JPH05506998A (ja) 1993-10-14
JP3409796B2 true JP3409796B2 (ja) 2003-05-26

Family

ID=24199190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51213591A Expired - Lifetime JP3409796B2 (ja) 1990-07-11 1991-07-11 イントロン配列分析法を用いた直接ハプロタイピングによるゲノム地図作成方法

Country Status (12)

Country Link
EP (1) EP0570371B1 (ja)
JP (1) JP3409796B2 (ja)
AT (1) ATE185377T1 (ja)
AU (1) AU647806B2 (ja)
CA (1) CA2087042C (ja)
DE (1) DE69131691T2 (ja)
DK (1) DK0570371T3 (ja)
IE (1) IE912426A1 (ja)
IL (1) IL98793A (ja)
NZ (1) NZ238926A (ja)
WO (1) WO1992001066A1 (ja)
ZA (1) ZA915422B (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0660877B1 (en) * 1991-11-01 2002-08-07 The Immunogenetics Research Foundation Incorporated Genetic analysis
US6383747B1 (en) 1991-11-01 2002-05-07 The Immunogenetics Research Foundation Incorporated Method for determining ancestral haplotypes using haplospecific geometric elements within the major histocompatibility complex multigene cluster
US5965362A (en) 1992-03-04 1999-10-12 The Regents Of The University Of California Comparative genomic hybridization (CGH)
US5550020A (en) * 1994-07-08 1996-08-27 Visible Genetics Inc. Method, reagents and kit for diagnosis and targeted screening for retinoblastoma
US7455964B1 (en) 1996-07-15 2008-11-25 The Hospital For Sick Children Genes from the 20q13 amplicon and their uses
US7049424B2 (en) 1996-07-15 2006-05-23 The Regents Of The University Of California Genes from the 20Q13 amplicon and their uses
US7058517B1 (en) 1999-06-25 2006-06-06 Genaissance Pharmaceuticals, Inc. Methods for obtaining and using haplotype data
US6931326B1 (en) 2000-06-26 2005-08-16 Genaissance Pharmaceuticals, Inc. Methods for obtaining and using haplotype data
IL144515A0 (en) * 2000-07-31 2002-05-23 Pfizer Prod Inc A pcr-based multiplex assay for determining haplotype
KR100722770B1 (ko) * 2005-01-31 2007-05-30 재단법인서울대학교산학협력재단 조건실행을 지원하는 재구성 가능한 프로세싱 요소의배열구조
EP2929070A4 (en) 2012-12-05 2016-06-01 Genepeeks Inc SYSTEM AND METHOD FOR COMPUTERIZED PREDICTION OF THE EXPRESSION OF MONOGENIC PHENOTYPES

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5310893A (en) * 1986-03-31 1994-05-10 Hoffmann-La Roche Inc. Method for HLA DP typing
EP0294098A1 (en) * 1987-05-29 1988-12-07 City Of Hope Synthetic DNA probes
EP0433367A1 (en) * 1988-09-08 1991-06-26 Lifecodes Corporation Probes for the detection of rflp in the human genome
WO1990012891A1 (en) * 1989-04-14 1990-11-01 Genmap, Inc. Method of physically mapping genetic material
US5192659A (en) * 1989-08-25 1993-03-09 Genetype Ag Intron sequence analysis method for detection of adjacent and remote locus alleles as haplotypes

Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Genomics,2(1988)p.273−279
Hum.Genet.,75(1987),p.264−268
Nature,314(1985)p.67−73
日本医師会雑誌,,97(1987),p.637−640
日本臨床,1989年 5月12日,第47巻・1989年増刊号,p.550−576

Also Published As

Publication number Publication date
DK0570371T3 (da) 2000-04-17
EP0570371A1 (en) 1993-11-24
EP0570371A4 (en) 1993-05-18
DE69131691T2 (de) 2000-05-31
IL98793A (en) 1995-10-31
ATE185377T1 (de) 1999-10-15
JPH05506998A (ja) 1993-10-14
CA2087042C (en) 2006-04-04
IL98793A0 (en) 1992-07-15
EP0570371B1 (en) 1999-10-06
AU647806B2 (en) 1994-03-31
AU8099491A (en) 1992-02-04
IE912426A1 (en) 1992-01-15
DE69131691D1 (de) 1999-11-11
NZ238926A (en) 1993-12-23
WO1992001066A1 (en) 1992-01-23
ZA915422B (en) 1993-04-13
CA2087042A1 (en) 1992-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5851762A (en) Genomic mapping method by direct haplotyping using intron sequence analysis
US6183958B1 (en) Probes for variance detection
JP3206812B2 (ja) ハロタイプとして隣接するおよび遠い遺伝子座のアレルを検出するイントロン配列分析の方法
US7316903B2 (en) Detection of nucleic acid sequence variations using phase Mu transposase
US7563572B2 (en) Method for long range allele-specific PCR
US6361949B1 (en) Nucleic acid amplification with direct sequencing
IE892307L (en) A method for the amplification of nucleotide sequences
WO1989010414A1 (en) AMPLIFIED SEQUENCE POLYMORPHISMS (ASPs)
WO1998018967A1 (en) Polymorphisms in the glucose-6 phosphate dehydrogenase locus
US20060078938A1 (en) Haplotyping method for multiple distal nucleotide polymorphisms
JP3409796B2 (ja) イントロン配列分析法を用いた直接ハプロタイピングによるゲノム地図作成方法
Patrushev et al. New DNA diagnostic system for detection of factor V Leiden
Kurar Comparative physical and linkage mapping of bovine chromosome 24 with human chromosome 18
US20030008301A1 (en) Association between schizophrenia and a two-marker haplotype near PILB gene
JP3005668B2 (ja) 遺伝子型の判定方法
US20050084849A1 (en) Diagnostic polymorphisms for the ecnos promoter
JP3684921B2 (ja) 骨粗鬆症薬剤感受性予測方法
Owen et al. Applications to the study and treatment of Applications to the study and t'reatment of respiratory disease: methodsin molecular biology
Müller et al. Physical mapping of the ATP2A2 gene to equine chromosome 8p14--> p12 by FISH and confirmation by linkage and RH mapping
Owen et al. Molecular biology and respiratory disease. 2--Applications to the study and treatment of respiratory disease: methods in molecular biology.
Xenophontos Genetic and physical mapping in the terminal region of human chromosome 1p
JP2003018990A (ja) ミュータント系統を含む動物の遺伝子型判定方法
JP2003284558A (ja) 酸化ストレスが関与する疾患の発症しやすさに影響する遺伝性素因を有するか否かを検査するための方法
JP2000189176A (ja) ウシのChediak―Higashi症候群の遺伝子診断法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080320

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110320

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120320

Year of fee payment: 9