JP3407996B2 - ミシンの上糸張力決定方法並びに上糸張力決定装置及び糸調子装置 - Google Patents

ミシンの上糸張力決定方法並びに上糸張力決定装置及び糸調子装置

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JP3407996B2
JP3407996B2 JP28194894A JP28194894A JP3407996B2 JP 3407996 B2 JP3407996 B2 JP 3407996B2 JP 28194894 A JP28194894 A JP 28194894A JP 28194894 A JP28194894 A JP 28194894A JP 3407996 B2 JP3407996 B2 JP 3407996B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンによる縫製時に
上糸及び下糸の結節点を加工布の中央に形成するために
必要な適正上糸張力を決定する上糸張力決定方法と、上
糸張力決定装置、および、前記適正上糸張力を上糸に与
える糸調子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、上糸張力を自動的に決定・調
整するミシンが種々提案されている。例えば、特公昭6
0−20030号公報には、布厚に応じて上糸張力を調
整するミシンが開示されている(従来技術1)。また、
特公平3−56754号公報には、上糸の種類に応じて
上糸張力を調整するミシンが開示されている(従来技術
2)。更に、特公平5−75440号公報には、上糸張
力波形のピーク値あるいは当該ピーク値の現れるミシン
回転位相に応じて上糸張力を調整するミシンが開示され
ている(従来技術3)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、以下に述べるような問題があった。例え
ば、布の種類が変わった場合を考えると、布と糸との間
に生じる摩擦抵抗が変わるため、当然、上糸張力を相応
に調整する必要がある。しかし、上記従来技術1,2で
は、布厚あるいは上糸の種類以外の変化については、何
ら上糸張力の調整に反映されていなかった。そのため、
結局、期待するような上糸張力に調整することは困難で
あり、満足のゆく調整はなされていなかった。
【0004】また、上記従来技術3では、上糸張力波形
を演算した結果に基づいて上糸張力付与装置を作動させ
ているので、期待するような張力で布締めがなされなか
った場合に、その後の布締めにおける上糸張力を調整す
ることになり、調整のタイミングが少しずつ遅れ、リア
ルタイムで上糸張力を調整することはできなかった。ま
た、微小回転位相△θ毎に張力変化△Vを求めると共
に、波形の傾斜△V/△θを算出しており、しかも、ピ
ーク値のサーチ等も必要となるため、かなり高速な演算
器で多量のデータ処理を行わねばならず、高速な演算器
を使えば製造コストが大幅に上昇するという問題もあっ
た。
【0005】そこで本発明は、従来にない新規な上糸張
力決定方法、及び、上糸張力決定装置を提供し、更に、
その上糸張力決定方法によってリアルタイムで上糸張力
を調整可能とした糸調子装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めになされた本発明の上糸張力決定方法は、請求項1記
載の通り、ミシンによる縫製時に上糸及び下糸の結節点
を加工布の中央に形成するために必要な適正上糸張力を
決定するミシンの上糸張力決定方法であって、上糸のな
すループが釜を越えた後から前記上糸が引き上げられて
前記ループの下端が加工布の下面に至るまでの間におけ
る上糸張力を検出する上糸引抜張力検出工程と、下糸の
引出し張力を検出する下糸引出張力検出工程と、予め定
められた関係に基づき、前記上糸引抜張力検出工程で検
出した上糸張力値と、前記下糸引出張力検出工程で検出
した下糸張力値とに応じて、前記適正上糸張力を決定す
る適正上糸張力決定工程とからなることを特徴とする。
【0007】
【0008】次に、本発明の上糸張力決定装置は、請求
記載の通り、ミシンによる縫製時に上糸及び下糸の
結節点を加工布の中央に形成するために必要な適正上糸
張力を決定する上糸張力決定装置であって、上糸供給源
から針に至る糸道中に配置され、上糸張力を計測可能な
上糸張力計測手段と、該上糸張力計測手段により、上糸
のなすループが釜を越えた後から前記上糸が引き上げら
れて前記ループの下端が加工布の下面に至るまでの間に
おける上糸張力を検出する上糸引抜張力検出手段と、下
糸の引出し張力を検出する下糸引出張力検出手段と、予
め定められた関係に基づき、前記上糸引抜張力検出手段
で検出した上糸張力値と、前記下糸引出張力検出手段で
検出した下糸張力値とに応じて前記適正上糸張力を決定
する適正上糸張力決定手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0009】また、請求項記載の通り、前記上糸張力
決定装置において、下糸供給源から上糸との結節点に至
る糸道中に配置され、下糸張力を計測可能な下糸張力計
測手段を備え、前記下糸引出張力検出手段は、前記下糸
張力計測手段により計測された計測値を、下糸の引出し
張力として検出することを特徴とする。
【0010】あるいは、請求項記載の通り、任意に設
定される下糸張力値を、外部操作により入力可能な下糸
張力入力手段を備え、前記下糸引出張力検出手段は、前
記下糸張力入力手段により入力された入力値を、下糸の
引出し張力として検出することを特徴とする。
【0011】また前記構成に加えて、請求項記載の通
り、前記適正上糸張力決定手段で決定した適正上糸張力
を表示する上糸張力表示手段を備えたことを特徴とす
る。次に、本発明の糸調子装置は、請求項記載の通
り、ミシンによる縫製時に上糸及び下糸の結節点を加工
布の中央に形成するために必要な適正上糸張力を上糸に
与える糸調子装置であって、上糸供給源から針に至る糸
道中に配置され、上糸張力を増減調整可能な上糸張力調
整手段と、該上糸張力調整手段から針に至る糸道中に配
置され、上糸張力を計測可能な上糸張力計測手段と、上
糸のなすループが釜を越えた後から前記上糸が引き上げ
られて前記ループの下端が加工布の下面に至るまでの間
における上糸張力を、前記上糸張力計測手段によって検
出する上糸引抜張力検出手段と、下糸の引出し張力を検
出する下糸引出張力検出手段と、予め定められた関係に
基づき、前記上糸引抜張力検出手段で検出した上糸張力
値と、前記下糸引出張力検出手段で検出した下糸張力値
とに応じて前記適正上糸張力を決定する適正上糸張力決
定手段と、上糸張力が前記適正上糸張力決定手段で決定
した前記適正上糸張力となる様に、前記上糸張力調整手
段を作動させる作動制御手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0012】また、請求項記載通り、前記糸調子装置
において、下糸供給源から上糸との結節点に至る糸道中
に配置され、下糸張力を計測可能な下糸張力計測手段を
備え、前記下糸引出張力検出手段は、前記下糸張力計測
手段により計測された計測値を、下糸の引出し張力とし
て検出することを特徴とする。
【0013】あるいは、請求項記載の通り、任意に設
定される下糸張力値を、外部操作により入力可能な下糸
張力入力手段を備え、前記下糸引出張力検出手段は、前
記下糸張力入力手段により入力された入力値を、下糸の
引出し張力として検出することを特徴とする。
【0014】また前記構成に加えて、請求項記載の通
り、前記適正上糸張力決定手段で決定した適正上糸張力
を表示する上糸張力表示手段を備えたことを特徴とす
る。
【0015】
【作用】本発明の上糸張力決定方法は、下糸張力が一定
の場合、ミシンによる縫製時に上糸及び下糸の結節点を
加工布の中央に形成するために必要な上糸張力(以下、
適正上糸張力という)と、上糸のなすループが釜を越え
た後から前記上糸が引き上げられて前記ループの下端が
加工布の下面に至るまでの間における上糸張力(以下、
上糸引抜張力という)とに、密接な関係があるという実
験結果に基づいて完成されたものである。前記適正上糸
張力および上糸引抜張力は、いずれも上糸を引き上げる
際に摩擦要素となる部分、例えば、布と糸との摩擦抵
抗、針穴と糸との摩擦抵抗、天秤と糸との摩擦抵抗等
が、総合的に影響して発生するものであるため、布の違
い、糸の違い、針の違い等による影響を反映しており、
両者にはほぼ線形に近いきわめて強い相関がある。
【0016】そこで、本発明の上糸張力決定方法では、
上糸引抜張力検出工程において上糸引抜張力を検出し、
その上糸張力値に応じて、適正上糸張力決定工程で適正
上糸張力を決定する。上糸引抜張力と適正上糸張力との
関係は、ミシンの構造の違い等によっても変わるため一
概に特定することはできないが、上記の通り線形に近い
きわめて強い相関があるので、この関係を事前に実験的
に調べておき、この相関を近似的に表す数式に基づいて
上糸引抜張力から適正上糸張力を算出してもよいし、実
験的に調べた上糸引抜張力と適正上糸張力との関係を表
すデータを採取しておいて、そのデータに基づいて上糸
引抜張力をパラメータとして適正上糸張力を決定しても
よい。
【0017】さらに、適正上糸張力は下糸張力にも関係
するため、下糸張力を変化させた場合においても、上糸
引抜張力と適正上糸張力との関係に変化が現れる実験結
果が得られる。そこで、本発明の上糸張力決定方法で
は、下糸引出張力検出工程で下糸の引出し張力を検出
し、適正上糸張力決定工程において、上糸引抜張力検出
工程で検出した上糸張力値と、下糸引出張力検出工程で
検出した下糸張力値とに応じて、適正上糸張力を決定す
る。このようにすれば、下糸張力が可変とされている場
合にも、適正上糸張力を決定することができる。なお、
下糸張力については、測定器等を用いて測定しても構わ
ないが、一般にミシンの利用者が任意に設定する値なの
で、特に測定器等を用いずとも知ることはできる。
【0018】次に、本発明の上糸張力決定装置によれ
ば、上糸引抜張力検出手段が、上糸張力計測手段により
上糸引抜張力を計測する。一方、下糸引出張力検出手段
が下糸の引出し張力を検出する。そして、適正上糸張力
決定手段が、予め定められた関係に基づき、上糸引抜張
力検出手段で検出した上糸張力値と、下糸引出張力検出
手段で検出した下糸張力値とに応じて適正上糸張力を決
定する。
【0019】ここで、上糸張力計測手段としては、上糸
張力に応じた可変信号を出力可能な機構であれば何でも
良く、具体例を挙げれば、上糸張力に応じた信号を出力
可能な歪ゲージ、圧電素子等によって構成できる。ま
た、上糸引抜張力検出手段,下糸引出張力検出手段,適
正上糸張力決定手段としては、例えば、周知のCPU,
ROM,RAM,A/D変換器等を用いた論理演算回路
により構成できる。また、前記下糸引出張力検出手段で
検出する下糸張力は、例えば、請求項又は請求項
載の構成によって検出できる。
【0020】即ち、請求項記載の上糸張力決定装置に
よれば、下糸張力計測手段が、下糸供給源から上糸との
結節点に至る糸道中に配置され、その配置位置において
下糸張力を実際に計測する。そして、この計測値が、下
糸引出張力検出手段によって下糸の引出し張力として検
出される。したがって、下糸引出張力検出手段は、実測
に基づく正確な下糸張力を検出することができる。な
お、下糸張力計測手段としては、下糸張力に応じた可変
信号を出力可能な機構であれば何でも良く、具体例を挙
げれば、上糸張力計測手段と同様、下糸張力に応じた信
号を出力可能な歪ゲージ、圧電素子等によって構成でき
る。
【0021】一方、請求項記載の上糸張力決定装置に
よれば、下糸張力入力手段によって入力された下糸張力
値が、下糸引出張力検出手段によって下糸の引出し張力
として検出される。即ち、上述の通り、下糸張力はミシ
ンの利用者が任意に設定する値なので、当該値はわざわ
ざ実測しなくても利用者が入力するだけでも足り、測定
器等を設けずとも、下糸引出張力検出手段は下糸張力を
検出することができる。この様な下糸張力入力手段とし
ては、利用者が入力した数値に応じた可変信号を出力可
能な機構であれば何でも良く、例えば、入力キーやダイ
ヤル等を設けておけばよい。
【0022】更に、請求項記載の上糸張力決定装置に
よれば、上糸張力表示手段に適正上糸張力が表示される
ので、利用者が適正上糸張力を目で確認でき、例えば、
上糸張力をマニュアル操作で調整する様な場合には、き
わめて有用である。上糸張力表示手段としては、数値を
表示できるか、表示内容から数値を読み取れるものであ
れば良いが、具体例を挙げれば、CRT,液晶等による
文字表示が可能なもの、7セグメントLED等による数
字表示が可能なもの、指針の位置から数値を読み取るメ
ータの様なもの、多数のLEDからなる点灯装置の点灯
個数や点灯位置から数値を読み取るものでも良い。ま
た、上糸張力として表示する数値は、グラム等の特定の
単位をもって表される値でなくても、そのミシンにおい
てのみ使用する相対的なレベルを示す値であってもよ
い。
【0023】次に、本発明の糸調子装置によれば、上糸
引抜張力検出手段が、上糸張力計測手段により上糸引抜
張力を計測する。一方、下糸引出張力検出手段が下糸の
引出し張力を検出する。そして、適正上糸張力決定手段
が、予め定められた関係に基づき、上糸引抜張力検出手
段で検出した上糸張力値と、下糸引出張力検出手段で検
出した下糸張力値とに応じて適正上糸張力を決定する。
この適正上糸張力を上糸に与えるべく、作動制御手段が
上糸張力調整手段を作動させ、上糸張力の増減を行う。
【0024】ここで、上糸張力調整手段としては、作動
制御手段からの作動信号によって能動的に上糸を把持・
解放できる機構であれば何でも良く、例えば、積層圧電
素子や電磁ソレノイド等の電力で作動する可動部材が挙
げられる。また、作動制御手段としては、前記上糸引抜
張力検出手段,下糸引出張力検出手段,適正上糸張力決
定手段等と同様、CPUを中心とした論理演算回路によ
り構成できる。なお、その他の構成については、前記記
上糸張力決定装置と同様に構成可能であり、前記下糸引
出張力検出手段で検出する下糸張力についても、例え
ば、請求項又は請求項記載の構成によって検出でき
る。
【0025】即ち、請求項記載の糸調子装置によれ
ば、下糸張力計測手段が下糸張力を実際に計測し、その
計測値が下糸引出張力検出手段によって下糸の引出し張
力として検出される。また、請求項記載の糸調子装置
によれば、下糸張力入力手段によって入力された下糸張
力値が、下糸引出張力検出手段によって下糸の引出し張
力として検出される。
【0026】更に、請求項記載の糸調子装置によれ
ば、上糸張力表示手段に適正上糸張力が表示される。
【0027】
【実施例】次に、本発明の第1実施例を図面に基づいて
説明する。本実施例のミシンは、図1に示す通り、ミシ
ン本体10と、上糸11を繰り出す糸供給源としての糸
巻き12と、糸掛け13、14、15と、上糸張力調整
手段としての上糸張力調整器16と、上糸張力計測手段
としての上糸張力センサ17と、ミシン主軸18に同期
して上下動する天秤19と、縫い針20と、ミシン主軸
18の回転位相を検出する主軸回転センサ21と、下糸
供給源である釜32と、釜32から引き出された下糸3
3の張力を検出する下糸張力センサ34と、適正上糸張
力を表示する7セグメントLEDからなる表示器35と
を備え、糸巻き12から供給された上糸11は、糸掛け
13、上糸張力調整器16、糸掛け14、上糸張力セン
サ17、糸掛け15、天秤19を経て、縫い針20に供
給されている。
【0028】また、本実施例のミシンは、図2に示す通
り、各種制御処理を実行するCPU41と、後述する基
準上糸張力及び補正係数データや、制御プログラム等を
記憶するROM42と、処理中に必要なデータ等を一時
的に記憶するRAM43と、上糸張力センサ17からの
信号を入力するためのインターフェイス回路44および
A/D変換器45と、下糸張力センサ34からの信号を
入力するためのインターフェイス回路46およびA/D
変換器47と、CPU41からの信号により上糸張力調
整器16を作動させるドライバ48とを備え、これらが
CPU41を中心に接続されて各種制御が実行される。
これらの他に、CPU41には、ミシン主軸18を駆動
するミシンモータ50を、CPU41からの信号によっ
て作動させるミシンモータドライバ51等も接続されて
いる。
【0029】なお、図1,図2には、便宜上、下糸張力
入力スイッチ37も併せて示してあるが、これは、第2
実施例において必要な構成で、第1実施例では不要であ
る。この下糸張力入力スイッチ37については、第2実
施例で説明する。次に、上記構成について更に詳しく説
明する。
【0030】上糸張力調整器16は、図3に示すよう
に、印加電圧に応じて伸縮する積層圧電素子22の伸縮
方向両端を、L型金具23と、L型金具23に一体成形
されたヒンジ部24とで挟み込み、ヒンジ部24に取り
付けられた糸把持腕25の端部に形成された糸把持板2
6と糸把持対向板27とで、上糸11を把持可能に構成
されている。ヒンジ部24は、てこの原理により、積層
圧電素子22の伸び量を拡大して糸把持腕25に伝達
し、糸把持板26を移動させる。そして、その移動距離
と関連して、糸把持対向板27の位置が決定されてい
る。即ち、糸把持板26と糸把持対向板27の間隔は、
積層圧電素子22に対する印加電圧が0ボルトの時には
上糸11を完全に解放できるように上糸11の太さより
少し大きくなるよう設定され、かつ印加電圧が100ボ
ルトの時には上糸11の太さより小さくなって上糸11
を完全に把持できるように予め設定されている。
【0031】上糸張力センサ17は、図4に示すよう
に、張力センサ保持体28で片持ち梁状に保持された長
方形の金属板29の片端上面に、張力センサ糸掛け30
を取り付け、さらに金属板29の下面に歪みゲージ31
を貼り付けて構成してある。前記上糸11は、糸掛け1
4、15(図1に示す)の間で張力センサ糸掛け30に
掛けられており、上糸11の張力によって生ずる金属板
29の歪みを歪みゲージ31の抵抗値変化として検出す
ることができる。また、この上糸張力センサ17がつな
がれるインターフェイス回路44は、三つの抵抗で構成
された抵抗ブリッジ回路44aと、抵抗ブリッジ回路4
4aの出力を差動増幅して上糸張力に対応する正の電圧
を出力する差動増幅器44bとで構成されている。
【0032】下糸張力センサ34は、図5,図6に示す
通り、階段状に厚くされた端部をミシンの針板10aの
裏側に固定された金属板61に、下糸挿通穴62を形成
すると共に、金属板61の下面に歪ゲージ63を貼り付
けて構成してある。下糸33は、金属板61と接触する
ように下糸挿通穴62に通され、下糸33の張力によっ
て生じる金属板61の歪が歪ゲージ63の抵抗値変化と
して検出される。また、この下糸張力センサ34がつな
がれるインターフェイス回路46は、前記インターフェ
イス回路44と同様、三つの抵抗で構成された抵抗ブリ
ッジ回路46aと、抵抗ブリッジ回路46aの出力を差
動増幅して上糸張力に対応する正の電圧を出力する差動
増幅器46bとで構成されている。
【0033】次に、CPU41によって実行される上糸
張力調整制御について説明する。まず、縫製が開始され
ると、CPU41は、図7に示すように、主軸回転セン
サ21によって主軸回転角度θを検出し(S10)、下
糸引出し位相(θ=60゜)となるまで待機する(S2
0:NO)。下糸引出し位相になったら(S20:YE
S)、その時の下糸張力Tb を下糸張力センサ34によ
って計測してメモリに格納する(S30)。また、計測
した上糸張力の格納に使うメモリ(以下、Tu メモリと
いう)をクリアする(S40)。このTu メモリは、R
AM43内に確保されている。そして、主軸回転センサ
21によって主軸回転角度θを再び検出し(S50)、
上糸引抜位相のやや手前(θ=300゜)となるまで待
機する(S60:NO)。そして、上糸引抜位相が近づ
いたら(S60:YES)、S10〜S60の初期処理
を完了し、繰り返し実行される主処理に移る。
【0034】主処理では、まず、主軸回転センサ21に
よって主軸回転角度θを改めて検出し(S110)、針
上死点位相(θ=0゜)か、布締め位相(30゜≦θ≦
90゜)か、あるいは上糸引抜位相(315゜≦θ≦3
45゜)かを判断して(S120〜S140)、上記以
外の位相と判断されればS110へと戻る。ここで、こ
れら各位相と上糸張力Tu との関係をグラフ化すると、
図8に示すように、上糸引抜位相では微弱な上糸張力
(上糸引抜張力)が発生し、また、布締め位相では強い
上糸張力(布締め張力)が発生している。本処理では、
この上糸引抜張力に基づいて布締め張力の最適化を図る
制御を行う。この上糸引抜張力は、図5に示すような状
態で発生する張力、即ち、上糸のなすループが釜を越え
た後から前記上糸が引き上げられて前記ループの下端が
加工布64の下面に至るまでの間において発生する張力
で、上糸が比較的自由な状態にあって、布と上糸との摩
擦、あるいは、上糸と針穴,天秤等との摩擦等によって
生じている。なお、上糸引抜位相前と針上死点位相近辺
において上糸張力のピークがあるが、これらのピークは
本処理には関係がないので詳細な説明は省略する。
【0035】さて、上記初期処理では上糸引抜位相を待
って主処理に移っているため、初期処理を終えた直後
は、CPU41は、上糸引抜位相であると判断する(S
140:YES)。そして、その時の上糸張力Tu を上
糸張力センサ17によって計測してTu メモリに格納し
(S410)、S110へと戻る。なお、本処理は、実
際には、ミシン主軸18が3゜回転する毎に一度、割り
込み処理によって実行されており、上糸引抜位相(31
5゜≦θ≦345゜)では上糸張力Tu が11回計測さ
れ、この11個の上糸張力値が、すべて別個にTu メモ
リに格納される。
【0036】次に、上糸引抜位相が終わり、S110で
検出した主軸回転角度θから、針上死点位相と判断する
と(S120:YES)、上糸引抜張力Tp を算出する
(S210)。具体的には、Tu メモリに格納された1
1個の上糸張力Tu の内、小さい順に5個の値を抽出
し、その平均値を上糸引抜張力Tp とする。ここで、小
さい方の値を使用するのは、例えば、上糸がたまたま異
物に引っかかる等、偶発的な張力の上昇が多々あるのに
対し、偶発的に張力が低下することは少なく、比較的小
さな値が所期の上糸引抜張力であると考えられるためで
ある。また、5個の値の平均値を使うのは、測定誤差等
もあって張力の低下が全く起こらないとは言えないた
め、最小値を使うよりは信頼性があるためである。
【0037】次に、こうして算出した上糸引抜張力Tp
に基づいて、基準上糸張力Tref を算出する(S22
0)。この基準上糸張力Tref は、下糸張力を20gに
設定した場合の上糸引抜張力Tp に対応する適正上糸張
力であり、事前に実験的に上糸引抜張力Tp を種々変更
して採取され、上糸引抜張力Tp をパラメータとするデ
ータとして予めROM42に記憶されている。なお、本
実施例においては、上糸引抜張力Tp と基準上糸張力T
ref とは、横軸に上糸引抜張力Tp 、縦軸に基準上糸張
力Tref を取ってグラフ化すると、図9(a)に示す通
り、ほぼ線形に近い強い相関がある。この関係は、布や
糸の種類をそれぞれ変更して組み合わせても変わらない
ことが確認されている。したがって、布や糸の種類が変
わったとしても、上糸引抜張力Tp が決まれば、基準上
糸張力Tref を求めることができる。
【0038】次に、下糸張力Tb に基づいて、補正係数
Mを算出し(S230)、この補正係数Mと上記基準上
糸張力Tref とに基づいて、適正上糸張力To を算出す
る(S240)。ここで、適正上糸張力To は、図9
(a)に示した基準上糸張力Tref のグラフに対し、傾
きのみ異なるグラフとなる関係にあることが実験的に判
明している。したがって、この傾きの変換を行う補正係
数Mが分かれば、適正上糸張力To を補正係数Mと基準
上糸張力Tref との積として求めることができる。そこ
で、事前に実験的に下糸張力Tb を種々変更して採取さ
れた上糸張力と基準上糸張力Tref とに基づいて補正係
数Mを算出し、下糸張力Tb をパラメータとするデータ
として予めROM42に記憶してある。なお、本実施例
においては、下糸張力Tb と補正係数Mとは、横軸に下
糸張力Tb 、縦軸に補正係数Mを取ってグラフ化する
と、図9(b)に示す関係となっている。
【0039】こうして算出した適正上糸張力To を表示
器35に表示し(S250)、再びS110へと戻り、
布締め位相(30゜≦θ≦90゜)となるまで待機す
る。S110で検出した主軸回転角度θから、布締め位
相と判断すると(S130:YES)、上糸張力センサ
17によって検出した上糸張力が適正上糸張力Toとな
るように、上糸張力調整器16を制御する(S31
0)。この結果、上糸引抜位相において判明したまさに
最適な布締め張力で布締めがなされる。
【0040】そして、下糸引出し位相(θ=60゜)で
あれば(S320:YES)、その時の下糸張力Tb を
下糸張力センサ34によって計測してメモリに格納し
(S330)、下糸引出し位相でなければ(S320:
NO)、S110へと戻り、布締め位相の間はS310
〜S330の処理を繰り返して上糸張力の調整がなされ
る。そして、布締め位相が終わると再び上糸引抜位相を
待って、上記の処理が繰り返される。
【0041】以上説明した通り、本実施例のミシンによ
れば、上糸引抜張力に基づいて適正上糸張力を算出し
て、上糸張力を調整しているので、一針毎にリアルタイ
ムで上糸の張力が最適に制御され、最適な布締め張力で
布締めがなされる。また、算出された適正上糸張力は、
布や糸の違いによって生じる摩擦抵抗の違いを反映して
いるので、様々な布や糸の組合せに対しても適正な値と
なる。この結果、上糸及び下糸の結節点が加工布の中央
に形成される、いわゆる糸締り率がほぼ100%の状態
の良好な縫い上がりとなる。
【0042】更に、適正上糸張力の算出に当たっては、
下糸張力を実際に計測して補正を行っているので、下糸
張力に応じて自動的に上糸張力も変わり、利用者が下糸
張力を変更しても上糸張力の調整は不要である。加え
て、上糸張力がどれ位に調整されたかについては、表示
器によっても確認できるので便利である。
【0043】次に、第2実施例について説明する。第2
実施例としてのミシンは、第1実施例の構成の内、下糸
張力センサ34、それに付随して設けられていたインタ
ーフェイス回路46、A/D変換器47等を廃し、その
代わりに、図1に併記した通り、下糸張力入力スイッチ
37を備えている。この下糸張力入力スイッチ37は、
数値入力用あるいは機能指示用としての多数のキーを有
し、利用者が別途任意に設定した下糸張力値を入力可能
な入力装置である。
【0044】この様に構成された本実施例のミシンで
は、図10に示すとおり、下糸張力センサ34で計測さ
れた下糸張力を検出する代わりに、下糸張力入力スイッ
チ37から入力された下糸張力を検出して処理を行う。
より具体的には、第1実施例において実施していた下糸
張力を検出する処理(図7のS10〜S30、S320
〜S330)は行わない。そして、その代わりに、S2
20とS230の間で、下糸張力Tb を入力する(S2
25)。ここでは、下糸張力入力スイッチ37により事
前に入力されてメモリに格納された下糸張力値が検出さ
れ、後の処理で使われることになる。これら以外の処理
については、図7に示した第1実施例の処理と同様なの
で、同様の処理については同じ符号を付して詳細な説明
は省略する。
【0045】以上説明した第2実施例のミシンでも、第
1実施例と同様に、一針毎にリアルタイムで上糸の張力
が最適に制御され、最適な布締め張力で布締めがなされ
る。また、算出された適正上糸張力は、様々な布や糸の
組合せに対しても適正な値となる。この結果、いわゆる
糸締り率がほぼ100%の状態の良好な縫い上がりとな
る。
【0046】更に、適正上糸張力の算出に当たっては、
下糸張力を利用者が入力して補正を行っているので、下
糸張力センサ等を廃してコストダウンを図ることがで
き、入力された下糸張力に応じて自動的に上糸張力が変
わるので、上糸張力の調整が不要であるという利点は変
わらない。
【0047】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内
の種々なる態様を採用することができる
【0048】例えば、実施例では、適正上糸張力を表示
する表示器を設けたが、上糸張力が自動調整される場合
には、特に表示機がなくても構わない。逆に、この様な
表示器を設けてあれば、上糸張力調整器を自動制御する
構成に代えて、表示器に表示された値に基づいて手動で
上糸張力を調整する構成とすることもできる。こうすれ
ば、自動制御はできないものの、上糸張力決定装置を備
えたミシンを安価に提供することができる。
【0049】更に、実施例では、1台のミシンを単独で
使う場合を想定したが、本発明の上糸張力決定方法,上
糸張力決定装置,および糸調子装置は、複数台のミシン
を接続した構成とした場合にも優れた効果を奏する。具
体例を挙げて説明すれば、上糸張力決定装置又は糸調子
装置を備えたミシンAと、少なくとも上糸張力調整手段
を備えたミシンBとの間を、周知のRS−232C等の
通信手段で接続しておき、ミシンAからミシンBに対し
て適正上糸張力のデータを転送できるように構成する。
この構成においては、ミシンAでの縫製により適正上糸
張力が決定され、ミシンBでは上糸張力調整手段によっ
てその適正上糸張力に調整される。したがって、工業用
等の用途で多数台のミシンを導入する場合、1台のミシ
ンAと多数のミシンBとから構成すれば、同じ糸と布を
使って同様のパターンを縫製する場合に、ミシンBでも
最適な適正上糸張力に調整でき、ミシンBに比べれば高
価な構成となるミシンAが1台で済むので、全体として
は大幅なコストダウンを図ることができる。
【0050】また、上糸引抜張力に基づき、少なくとも
基準上糸張力値を決定可能なミシンCと、少なくとも下
糸張力検出手段及び上糸張力調整手段を備えたミシンD
とを、上記通信手段で接続して、1台のミシンCから複
数台のミシンDに対して基準上糸張力のデータを転送で
きるように構成しても、上記と同様の構成となる。この
場合、各ミシンD毎に下糸張力の設定値を変えることが
できる。
【0051】
【発明の効果】以上の如く本発明の請求項1記載の上糸
張力決定方法によれば、上糸引抜張力に基づいて適正上
糸張力を算出するので、布や糸の違いによって生じる摩
擦抵抗の違いが反映され、上糸及び下糸の結節点を加工
布の中央に形成可能な上糸張力を決定できる。
【0052】特に、請求項記載の上糸張力決定方法に
よれば、下糸張力を可変とされている場合でも、最適な
適正上糸張力を決定できる。また、本発明の請求項
請求項のいずれかに記載の上糸張力決定装置によれ
ば、上記上糸張力決定方法によって、上糸及び下糸の結
節点を加工布の中央に形成可能な上糸張力を決定でき
る。
【0053】特に、請求項記載の上糸張力決定装置に
よれば、下糸張力を計測して、その計測値による補正を
行って適正上糸張力を決定しているので、下糸張力が可
変とされている場合でも、簡単に上糸張力を決定でき
る。また、請求項記載の上糸張力決定装置によれば、
下糸張力を入力して、その入力値による補正を行って適
正上糸張力を決定しているので、下糸張力が可変とされ
ている場合でも、簡単に上糸張力を決定できる。
【0054】更に、請求項記載の上糸張力決定装置に
よれば、決定された適正上糸張力が表示されるので、利
用者が簡単に適正上糸張力を知ることができ、例えば、
その値を見て、利用者がスイッチ操作等により上糸張力
の調整を行うことも可能である。
【0055】また、本発明の請求項〜請求項のいず
れかに記載の糸調子装置によれば、上糸引抜張力に基づ
いて算出された適正上糸張力が、上糸に自動的に付与さ
れるので、簡単かつ最適に上糸張力が調整され、様々な
布や糸の組合せに対して、いわゆる糸締り率がほぼ10
0%の状態の良好な縫い上がりとなる。また、直前の上
糸引抜位相での上糸引抜張力により、次の布締め位相に
おける上糸張力が最適化されるので、一針毎にリアルタ
イムで上糸の張力が最適に制御され、最適な布締め張力
で布締めがなされる。
【0056】特に、請求項記載の糸調子装置によれ
ば、適正上糸張力の算出に当たって、下糸張力を実際に
計測して補正を行っているので、下糸張力に応じて自動
的に上糸張力も変わり、利用者が下糸張力を変更しても
上糸張力の調整は不要である。また、請求項記載の糸
調子装置によれば、利用者が設定した下糸張力を入力す
るだけで、上糸張力が最適に調整される。しかも、下糸
張力を計測する構成がなくても、下糸張力の変動に対応
できるので、請求項記載の糸調子装置よりも安価に構
成できる。
【0057】更に、請求項記載の糸調子装置によれ
ば、上糸張力がどれ位に調整されているのかが表示され
るので、利用者が簡単に適正上糸張力を知ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例としての糸調子装置を備えたミシンの
概略構成図である。
【図2】 実施例としての糸調子装置の制御回路を示す
ブロック図である。
【図3】 上糸張力調整器を示す斜視図である。
【図4】 上糸張力センサの斜視図及び該センサに接続
されたインターフェイス回路の回路図である。
【図5】 下糸張力センサの取付状態を示す断面図であ
る。
【図6】 下糸張力センサの斜視図及び該センサに接続
されたインターフェイス回路の回路図である。
【図7】 第1実施例における糸調子装置の動作を示す
フローチャートである。
【図8】 上糸張力波形を示すグラフである。
【図9】 適正上糸張力を算出するためのデータを示す
グラフで、(a)は糸引抜張力と基準上糸張力との関
係、(b)は下糸張力と補正係数との関係をそれぞれ示
す。
【図10】 第2実施例における糸調子装置の動作を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
10・・・ミシン本体、11・・・上糸、12・・・糸
巻き、13,14,15・・・糸掛け、16・・・上糸
張力調整器、17・・・上糸張力センサ、18・・・ミ
シン主軸、19・・・天秤、20・・・縫い針、21・
・・主軸回転センサ、22・・・積層圧電素子、23・
・・L型金具、24・・・ヒンジ部、25・・・糸把持
腕、26・・・糸把持板、27・・・糸把持対向板、2
8・・・張力センサ保持体、29・・・金属板、30・
・・張力センサ糸掛け、31・・・歪みゲージ、32・
・・釜、33・・・下糸、34・・・下糸張力センサ、
35・・・表示器、37・・・下糸張力入力スイッチ、
41・・・CPU、42・・・ROM、43・・・RA
M、44,46・・・インターフェイス回路、45,4
7・・・A/D変換器、48・・・ドライバ、50・・
・ミシンモータ、51・・・ミシンモータドライバ、6
1・・・金属板、62・・・下糸挿通穴、63・・・歪
ゲージ。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンによる縫製時に上糸及び下糸の結
    節点を加工布の中央に形成するために必要な適正上糸張
    力を決定するミシンの上糸張力決定方法であって、 上糸のなすループが釜を越えた後から前記上糸が引き上
    げられて前記ループの下端が加工布の下面に至るまでの
    間における上糸張力を検出する上糸引抜張力検出工程
    と、下糸の引出し張力を検出する下糸引出張力検出工程と、 予め定められた関係に基づき、前記 上糸引抜張力検出工
    程で検出した上糸張力値と、前記下糸引出張力検出工程
    で検出した下糸張力値とに応じて、前記適正上糸張力を
    決定する適正上糸張力決定工程とからなることを特徴と
    するミシンの上糸張力決定方法。
  2. 【請求項2】 ミシンによる縫製時に上糸及び下糸の結
    節点を加工布の中央に形成するために必要な適正上糸張
    力を決定する上糸張力決定装置であって、 上糸供給源から針に至る糸道中に配置され、上糸張力を
    計測可能な上糸張力計測手段と、 該上糸張力計測手段により、上糸のなすループが釜を越
    えた後から前記上糸が引き上げられて前記ループの下端
    が加工布の下面に至るまでの間における上糸張力を検出
    する上糸引抜張力検出手段と、 下糸の引出し張力を検出する下糸引出張力検出手段と、 予め定められた関係に基づき、前記上糸引抜張力検出手
    段で検出した上糸張力値と、前記下糸引出張力検出手段
    で検出した下糸張力値とに応じて前記適正上糸張力を決
    定する適正上糸張力決定手段とを備えたことを特徴とす
    るミシンの上糸張力決定装置。
  3. 【請求項3】 請求項記載のミシンの上糸張力決定装
    置において、 下糸供給源から上糸との結節点に至る糸道中に配置さ
    れ、下糸張力を計測可能な下糸張力計測手段を備え、 前記下糸引出張力検出手段は、前記下糸張力計測手段に
    より計測された計測値を、下糸の引出し張力として検出
    することを特徴とするミシンの上糸張力決定装置。
  4. 【請求項4】 請求項記載のミシンの上糸張力決定装
    置において、 任意に設定される下糸張力値を、外部操作により入力可
    能な下糸張力入力手段を備え、 前記下糸引出張力検出手段は、前記下糸張力入力手段に
    より入力された入力値を、下糸の引出し張力として検出
    することを特徴とするミシンの上糸張力決定装置。
  5. 【請求項5】 請求項〜請求項のいずれかに記載の
    ミシンの上糸張力決定装置において、 前記適正上糸張力決定手段で決定した適正上糸張力を表
    示する上糸張力表示手段を備えたことを特徴とするミシ
    ンの上糸張力決定装置。
  6. 【請求項6】 ミシンによる縫製時に上糸及び下糸の結
    節点を加工布の中央に形成するために必要な適正上糸張
    力を上糸に与える糸調子装置であって、 上糸供給源から針に至る糸道中に配置され、上糸張力を
    増減調整可能な上糸張力調整手段と、 該上糸張力調整手段から針に至る糸道中に配置され、上
    糸張力を計測可能な上糸張力計測手段と、 上糸のなすループが釜を越えた後から前記上糸が引き上
    げられて前記ループの下端が加工布の下面に至るまでの
    間における上糸張力を、前記上糸張力計測手段によって
    検出する上糸引抜張力検出手段と、 下糸の引出し張力を検出する下糸引出張力検出手段と、 予め定められた関係に基づき、前記上糸引抜張力検出手
    段で検出した上糸張力値と、前記下糸引出張力検出手段
    で検出した下糸張力値とに応じて前記適正上糸張力を決
    定する適正上糸張力決定手段と、 上糸張力が前記適正上糸張力決定手段で決定した前記適
    正上糸張力となる様に、前記上糸張力調整手段を作動さ
    せる作動制御手段とを備えたことを特徴とするミシンの
    糸調子装置。
  7. 【請求項7】 請求項記載のミシンの糸調子装置にお
    いて、 下糸供給源から上糸との結節点に至る糸道中に配置さ
    れ、下糸張力を計測可能な下糸張力計測手段を備え、 前記下糸引出張力検出手段は、前記下糸張力計測手段に
    より計測された計測値を、下糸の引出し張力として検出
    することを特徴とするミシンの糸調子装置。
  8. 【請求項8】 請求項記載のミシンの糸調子装置にお
    いて、 任意に設定される下糸張力値を、外部操作により入力可
    能な下糸張力入力手段を備え、 前記下糸引出張力検出手段は、前記下糸張力入力手段に
    より入力された入力値を、下糸の引出し張力として検出
    することを特徴とするミシンの糸調子装置。
  9. 【請求項9】 請求項〜請求項のいずれかに記載の
    ミシンの糸調子装置において、 前記適正上糸張力決定手段で決定した適正上糸張力を表
    示する上糸張力表示手段を備えたことを特徴とするミシ
    ンの糸調子装置。
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