JP3407959B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JP3407959B2 JP3407959B2 JP32119093A JP32119093A JP3407959B2 JP 3407959 B2 JP3407959 B2 JP 3407959B2 JP 32119093 A JP32119093 A JP 32119093A JP 32119093 A JP32119093 A JP 32119093A JP 3407959 B2 JP3407959 B2 JP 3407959B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリヤ性を高め、
かつタイヤの軽量化を可能とした空気入りタイヤに関す
る。
かつタイヤの軽量化を可能とした空気入りタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】空気入
りタイヤにあっては、図5に示すように高圧空気が装填
される内腔oに面するタイヤの内面fは、図5に示すよ
うに気密性を有するゴムシートbにより覆われている。
りタイヤにあっては、図5に示すように高圧空気が装填
される内腔oに面するタイヤの内面fは、図5に示すよ
うに気密性を有するゴムシートbにより覆われている。
【0003】このようなゴムシートbは、空気遮断のた
めには0.7〜1.8mmのゴム厚さtを必要とし、しか
もこの厚さに形成した場合であっても、若干の空気の漏
洩が生じ、いわゆるガスバリヤに劣る。又ゴム厚さの増
大はタイヤ重量の増加を招くことになる。
めには0.7〜1.8mmのゴム厚さtを必要とし、しか
もこの厚さに形成した場合であっても、若干の空気の漏
洩が生じ、いわゆるガスバリヤに劣る。又ゴム厚さの増
大はタイヤ重量の増加を招くことになる。
【0004】前記問題点の一端を解決すべく、ゴムシー
トに代えて、6ナイロン又は66ナイロンを用いて形成
されたフィルムによって前記内面を覆う提案もなされて
いるが、このフィルムを用いることによって気密性が向
上し、タイヤ重量も低減されるものの6ナイロン又は6
6ナイロンは、吸水性、吸湿性が高いため、カーカス、
ベルト層などタイヤ構造体を構成するスチールコードを
錆(腐蝕)させるという問題がある。
トに代えて、6ナイロン又は66ナイロンを用いて形成
されたフィルムによって前記内面を覆う提案もなされて
いるが、このフィルムを用いることによって気密性が向
上し、タイヤ重量も低減されるものの6ナイロン又は6
6ナイロンは、吸水性、吸湿性が高いため、カーカス、
ベルト層などタイヤ構造体を構成するスチールコードを
錆(腐蝕)させるという問題がある。
【0005】発明者らは、前記問題点の解決を図るべく
研究を重ねた結果、主鎖中に芳香属環を有する脂肪族ポ
リアミドを用いてフィルム体を形成することによって、
ガスバリヤ性が高くしかも極薄のシート体を形成でき、
又、吸水性、吸湿性が6ナイロン、66ナイロンに比し
て顕著に少ないため、前記構成のフィルム体を採用した
場合であってもタイヤ構造体のスチールコードに錆が生
じる危険がないことを見出し本発明を完成させたのであ
る。
研究を重ねた結果、主鎖中に芳香属環を有する脂肪族ポ
リアミドを用いてフィルム体を形成することによって、
ガスバリヤ性が高くしかも極薄のシート体を形成でき、
又、吸水性、吸湿性が6ナイロン、66ナイロンに比し
て顕著に少ないため、前記構成のフィルム体を採用した
場合であってもタイヤ構造体のスチールコードに錆が生
じる危険がないことを見出し本発明を完成させたのであ
る。
【0006】本発明は、ガスバリヤ性が高く、かつタイ
ヤの軽量化を可能とする空気入りタイヤの提供を目的と
している。
ヤの軽量化を可能とする空気入りタイヤの提供を目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に係る
発明を第1発明と、請求項2に係る発明を第2発明とい
い、併せて本発明ということがある)は、タイヤ内腔に
向く内面を、主鎖中に芳香属環を有する脂肪族ポリアミ
ドからなるフィルム体を用いたインナーライナを用いて
形成している空気入りタイヤである。
発明を第1発明と、請求項2に係る発明を第2発明とい
い、併せて本発明ということがある)は、タイヤ内腔に
向く内面を、主鎖中に芳香属環を有する脂肪族ポリアミ
ドからなるフィルム体を用いたインナーライナを用いて
形成している空気入りタイヤである。
【0008】又フィルム体は、その厚さが1μm以上か
つ40μm以下の範囲であり、かつ前記脂肪族ポリアミ
ドは、メタキシレンジアミリンと、アシピン酸との重縮
合反応によって得ることが出来る結晶性のポリアミドで
あり、下記化学式による分子構造からなる結晶性のポリ
アミドであることが好ましい。
つ40μm以下の範囲であり、かつ前記脂肪族ポリアミ
ドは、メタキシレンジアミリンと、アシピン酸との重縮
合反応によって得ることが出来る結晶性のポリアミドで
あり、下記化学式による分子構造からなる結晶性のポリ
アミドであることが好ましい。
【0009】
【化1】
【0010】さらに第1発明においては、前記インナー
ライナ4は、そのタイヤ内腔の内面2の全体を前記フィ
ルム体3を用いて形成する。また図3に示す第2発明の
ように、前記フィルム体3を、タイヤを正規のリムJに
装着し、正規内圧を充填した状態において、タイヤ子午
断面におけるタイヤ最大巾点Bを通りタイヤ軸方向にの
びる最大巾線LBと、カーカス16の厚さ中心線がタイ
ヤ赤道COと交わるカーカスの半径方向外方点Cとの間
の半径方向の中間点をタイヤ軸方向にのびる外方線LU
よりも半径方向外方の外方域6、及び前記ビードエーペ
ックスの半径方向外端Pをタイヤ軸方向にのびる内方線
LDよりも半径方向内方に位置する内方域とに貼り付け
ている。又前記外方域6、内方域7の間の中間域9に
は、ゴム層10をカーカス16の内向き面に貼り付け、
前記内面2を形成している。
ライナ4は、そのタイヤ内腔の内面2の全体を前記フィ
ルム体3を用いて形成する。また図3に示す第2発明の
ように、前記フィルム体3を、タイヤを正規のリムJに
装着し、正規内圧を充填した状態において、タイヤ子午
断面におけるタイヤ最大巾点Bを通りタイヤ軸方向にの
びる最大巾線LBと、カーカス16の厚さ中心線がタイ
ヤ赤道COと交わるカーカスの半径方向外方点Cとの間
の半径方向の中間点をタイヤ軸方向にのびる外方線LU
よりも半径方向外方の外方域6、及び前記ビードエーペ
ックスの半径方向外端Pをタイヤ軸方向にのびる内方線
LDよりも半径方向内方に位置する内方域とに貼り付け
ている。又前記外方域6、内方域7の間の中間域9に
は、ゴム層10をカーカス16の内向き面に貼り付け、
前記内面2を形成している。
【0011】
【作用】インナーライナは、主鎖中に芳香族環を有する
脂肪族ポリアミドからなるフィルム体によって形成さ
れ、前記分子構造を有する脂肪族ポリアミドは、例えば
三菱瓦斯化学(株)製のナイロンMXD6(商品名)で
ありその分子構造は次の化学式で表される。
脂肪族ポリアミドからなるフィルム体によって形成さ
れ、前記分子構造を有する脂肪族ポリアミドは、例えば
三菱瓦斯化学(株)製のナイロンMXD6(商品名)で
ありその分子構造は次の化学式で表される。
【0012】
【化1】
【0013】このように本発明に用いる前記脂肪族ポリ
アミドは、ナイロン6の分子構造が、 H−〔NH−(CH2 )5 −CO〕n −ON 又、ナイロン66の分子構造が H−〔NH−(CH2 )6 −NHCO−(CH2 )4 −
CO〕n −OH であるのに比べて本発明のものは例えば前記化学式に示
す分子構造の中に、芳香族環を有するのが特徴である。
アミドは、ナイロン6の分子構造が、 H−〔NH−(CH2 )5 −CO〕n −ON 又、ナイロン66の分子構造が H−〔NH−(CH2 )6 −NHCO−(CH2 )4 −
CO〕n −OH であるのに比べて本発明のものは例えば前記化学式に示
す分子構造の中に、芳香族環を有するのが特徴である。
【0014】従って本発明における前記脂肪族ポリアミ
ドは、ナイロンも、及びナイロン66に比して、 (1)強度、弾性率が高い。 (2)ガラス転位温度が高い。 (3)低吸水性、低透湿性である。 (4)適度な結晶化速度を有し、成形加工性に優れる。 (5)ガスバリヤ性に優れる。 という特徴がある。
ドは、ナイロンも、及びナイロン66に比して、 (1)強度、弾性率が高い。 (2)ガラス転位温度が高い。 (3)低吸水性、低透湿性である。 (4)適度な結晶化速度を有し、成形加工性に優れる。 (5)ガスバリヤ性に優れる。 という特徴がある。
【0015】ガスバリヤ性については、エチレン・ビニ
ルアルコール共重合樹脂(EVOH)、塩化ビニリデン
共重合樹脂(PVDO)及びアクリロニトル共重合樹脂
よりも優れたガスバリヤ性に優れている。
ルアルコール共重合樹脂(EVOH)、塩化ビニリデン
共重合樹脂(PVDO)及びアクリロニトル共重合樹脂
よりも優れたガスバリヤ性に優れている。
【0016】しかも強度、弾性率が高いこと、低吸水性
・低透湿性であることによって、カーカス及びベルト層
にスチールコードを用いた場合であっても、その腐蝕の
危険がなく、さらには成形加工性に優れていることなど
タイヤのインナーライナとして適した性能を具備してい
る。
・低透湿性であることによって、カーカス及びベルト層
にスチールコードを用いた場合であっても、その腐蝕の
危険がなく、さらには成形加工性に優れていることなど
タイヤのインナーライナとして適した性能を具備してい
る。
【0017】従って、前記構成の脂肪族ポリアミドのシ
ート体をインナーライナとして用いることによりガスバ
リヤ性は一層向上し、しかもフィルム状に形成すること
によりタイヤ重量の軽減を可能とするのである。
ート体をインナーライナとして用いることによりガスバ
リヤ性は一層向上し、しかもフィルム状に形成すること
によりタイヤ重量の軽減を可能とするのである。
【0018】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図1は第1発明の一実施の態様を例示し、空気入り
タイヤ1は、タイヤ内腔Oに向く内面2が主鎖中に芳香
族環を有する脂肪族ポリアミドからなるフィルム体3に
よって形成されたインナーライナ4に覆われているのが
特徴である。
る。図1は第1発明の一実施の態様を例示し、空気入り
タイヤ1は、タイヤ内腔Oに向く内面2が主鎖中に芳香
族環を有する脂肪族ポリアミドからなるフィルム体3に
よって形成されたインナーライナ4に覆われているのが
特徴である。
【0019】又、空気入りタイヤ1は、トレッド部12
とその両側からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイ
ドウォール部13、13と、該サイドウォール部13の
内方にのびるビード部14とを有する。
とその両側からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイ
ドウォール部13、13と、該サイドウォール部13の
内方にのびるビード部14とを有する。
【0020】又空気入りタイヤ1には、トレッド部12
からサイドウォール部13をへてビード部14に至る本
体部16aにビードコア15の周りをタイヤ軸方向内側
から外側に向かって折返す折返し部16bを一体に具え
るカーカス16と、該カーカス16の外側かつトレッド
部の内方に配されるベルト層17と、前記カーカス16
の本体部16aと折返し部16bとの間に配され断面三
角形状かつ硬質のゴムからなるビードエーペックス18
と、ビード部14に配されるクリンチエーペックス24
とを具える。(なお図1には、第1発明が要件とする、
後記するフィルム体3と、カーカス16の内向き面及び
クリンチエーペックス24の内向き面との間に介在する
ゴムシート5を図示していないが、本発明の他の構成に
ついてのために用いる)。
からサイドウォール部13をへてビード部14に至る本
体部16aにビードコア15の周りをタイヤ軸方向内側
から外側に向かって折返す折返し部16bを一体に具え
るカーカス16と、該カーカス16の外側かつトレッド
部の内方に配されるベルト層17と、前記カーカス16
の本体部16aと折返し部16bとの間に配され断面三
角形状かつ硬質のゴムからなるビードエーペックス18
と、ビード部14に配されるクリンチエーペックス24
とを具える。(なお図1には、第1発明が要件とする、
後記するフィルム体3と、カーカス16の内向き面及び
クリンチエーペックス24の内向き面との間に介在する
ゴムシート5を図示していないが、本発明の他の構成に
ついてのために用いる)。
【0021】前記カーカス16は、本例では、2枚のカ
ーカスプライ16A、16Bからなり、各カーカスプラ
イ16A、16Bは、ナイロン、ポリエステル、レーヨ
ン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維又はスチールから
なるカーカスコードをタイヤ赤道Cに対して75〜90
°の角度で傾けて配列したラジアル、又はセミラジアル
配列として形成され、又各カーカスプライ16A、16
Bの間では前記カーカスコードが互いに交差する向きに
配される。又これらのカーカスコードは、トッピングゴ
ムで被覆することによりシート状のカーカスプライが形
成される。なお本例では、折返し部16bの先端のビー
ドベースラインからの高さをビードエーペックス18の
前記高さに比較して大きいハイターンアップいわゆる2
−0HT構成として形成している。
ーカスプライ16A、16Bからなり、各カーカスプラ
イ16A、16Bは、ナイロン、ポリエステル、レーヨ
ン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維又はスチールから
なるカーカスコードをタイヤ赤道Cに対して75〜90
°の角度で傾けて配列したラジアル、又はセミラジアル
配列として形成され、又各カーカスプライ16A、16
Bの間では前記カーカスコードが互いに交差する向きに
配される。又これらのカーカスコードは、トッピングゴ
ムで被覆することによりシート状のカーカスプライが形
成される。なお本例では、折返し部16bの先端のビー
ドベースラインからの高さをビードエーペックス18の
前記高さに比較して大きいハイターンアップいわゆる2
−0HT構成として形成している。
【0022】ベルト層17は本実施例では、カーカス1
6の半径方向外側かつ該カーカス16に隣接して配され
る内のベルトプライ17Aと、この内のベルトプライの
外側に配される外のベルトプライ17Bとからなり、各
ベルトプライ17A、17Bは、ナイロン、ポリエステ
ル、レーヨン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維又はス
チールからなるベルトコードをタイヤ周方向に対して1
6〜24°の角度で傾けかつ互いに逆に配列している。
なおベルトプライ17A、17Bは、前記配列したベル
トコードをトッピングゴムにより被覆したカットプライ
からなる。
6の半径方向外側かつ該カーカス16に隣接して配され
る内のベルトプライ17Aと、この内のベルトプライの
外側に配される外のベルトプライ17Bとからなり、各
ベルトプライ17A、17Bは、ナイロン、ポリエステ
ル、レーヨン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維又はス
チールからなるベルトコードをタイヤ周方向に対して1
6〜24°の角度で傾けかつ互いに逆に配列している。
なおベルトプライ17A、17Bは、前記配列したベル
トコードをトッピングゴムにより被覆したカットプライ
からなる。
【0023】又空気入りタイヤ1には、トレッド部12
の前記ベルト層17とトレッド面12Aとの間には、耐
摩耗性の高いトレッドゴム22が、又サイドウォール部
13においては、カーカス16の軸方向外方に、タイヤ
外壁面を形成するサイドウォールゴム23が、さらにビ
ード部14には、リムJに嵌着する前記クリンチエーペ
ックス24がそれぞれ配される。
の前記ベルト層17とトレッド面12Aとの間には、耐
摩耗性の高いトレッドゴム22が、又サイドウォール部
13においては、カーカス16の軸方向外方に、タイヤ
外壁面を形成するサイドウォールゴム23が、さらにビ
ード部14には、リムJに嵌着する前記クリンチエーペ
ックス24がそれぞれ配される。
【0024】従って、前記リムJと嵌り合うことによ
り、トレッド部12、サイドウォール部13、ビード部
14によって囲まれ高圧空気を装填しうるタイヤ内腔O
が形成される。この内腔Oに向く内面2、即ちカーカス
16の内向き面及びクリンチエーペックス24の内向き
面は、その全面に亘ってフィルム体3からなるインナー
ライナ4により覆われている。また内向き面とフィルム
体3との間にはゴムシート5を介在させている。このよ
うに、少なくともカーカス16の内向き面にフィルム体
3を貼り付け、タイヤ内腔Oの内面2を覆っている。
り、トレッド部12、サイドウォール部13、ビード部
14によって囲まれ高圧空気を装填しうるタイヤ内腔O
が形成される。この内腔Oに向く内面2、即ちカーカス
16の内向き面及びクリンチエーペックス24の内向き
面は、その全面に亘ってフィルム体3からなるインナー
ライナ4により覆われている。また内向き面とフィルム
体3との間にはゴムシート5を介在させている。このよ
うに、少なくともカーカス16の内向き面にフィルム体
3を貼り付け、タイヤ内腔Oの内面2を覆っている。
【0025】前記フィルム体3は、主鎖中に芳香族環を
有する脂肪族、ポリアミドによって形成される。前記構
成の脂肪族ポリアミドは、例えば三菱瓦斯化学(株)製
のナイロンMXD6(商品名)のように、メタキシレン
ジアミンと、アジピン酸から得られる結晶性のポリアミ
ドであり、その分子構造の一例を下記に示す。
有する脂肪族、ポリアミドによって形成される。前記構
成の脂肪族ポリアミドは、例えば三菱瓦斯化学(株)製
のナイロンMXD6(商品名)のように、メタキシレン
ジアミンと、アジピン酸から得られる結晶性のポリアミ
ドであり、その分子構造の一例を下記に示す。
【0026】
【化1】
【0027】さらに、前記フィルム体3はその厚さTを
1μm以上かつ40μm以下としている。従来のインナ
ーライナがゴム組成物によって形成されていたため、
0.7〜1.8mmのゴム厚さを必要としていた従来のイ
ンナーライナに比べて顕著に薄肉に形成でき、その分タ
イヤ重量の軽減を図ることが出来る。
1μm以上かつ40μm以下としている。従来のインナ
ーライナがゴム組成物によって形成されていたため、
0.7〜1.8mmのゴム厚さを必要としていた従来のイ
ンナーライナに比べて顕著に薄肉に形成でき、その分タ
イヤ重量の軽減を図ることが出来る。
【0028】又、前記フィルム体3は、RFL溶液でそ
の両面をデッピングすることによりカーカス16のトッ
ピングゴム及びクリンチエーペックス24との間の接着
力を高めることが出来る。
の両面をデッピングすることによりカーカス16のトッ
ピングゴム及びクリンチエーペックス24との間の接着
力を高めることが出来る。
【0029】前記厚さTが1μm未満では、成形、加硫
時において、破損の危険があり、40μmをこえると、
フィルム体3の剛性が高くなり成形時にカーカス16及
びクリンチエーペックス24の内向き面に確実に沿うこ
とが出来ず接着不良が生じやすい。
時において、破損の危険があり、40μmをこえると、
フィルム体3の剛性が高くなり成形時にカーカス16及
びクリンチエーペックス24の内向き面に確実に沿うこ
とが出来ず接着不良が生じやすい。
【0030】さらに第1発明は、前記のごとく、図2に
示すように、カーカス16の内向き面及びクリンチエー
ペックス24の内向き面との間にゴムシート5を貼り付
けており、このゴムシート5は、ゴム組成物からなりか
つ厚みが0.3〜1.7mmであって、このようなゴムシ
ート5を設けることにより前記フィルム体3の接着力を
更に高めることが出来る。
示すように、カーカス16の内向き面及びクリンチエー
ペックス24の内向き面との間にゴムシート5を貼り付
けており、このゴムシート5は、ゴム組成物からなりか
つ厚みが0.3〜1.7mmであって、このようなゴムシ
ート5を設けることにより前記フィルム体3の接着力を
更に高めることが出来る。
【0031】図3、4は第2発明を例示する。第2発明
においては、前記フィルム体3を、タイヤ1を正規のリ
ムJに装着し、正規内圧を充填した状態において、タイ
ヤ子午断面におけるタイヤ最大巾点Bを通りタイヤ軸方
向にのびる最大巾線LBと、カーカス16の厚さ中心線
がタイヤ赤道COと交わるカーカスの半径方向外方点C
との間の半径方向の中間点をタイヤ軸方向にのびる外方
線LUよりも半径方向外方の外方域6、及び前記ビード
エーペックスの半径方向外端Pをタイヤ軸方向にのびる
内方線LDよりも半径方向内方に位置する内方域とに貼
り付けこの領域を覆っている。
においては、前記フィルム体3を、タイヤ1を正規のリ
ムJに装着し、正規内圧を充填した状態において、タイ
ヤ子午断面におけるタイヤ最大巾点Bを通りタイヤ軸方
向にのびる最大巾線LBと、カーカス16の厚さ中心線
がタイヤ赤道COと交わるカーカスの半径方向外方点C
との間の半径方向の中間点をタイヤ軸方向にのびる外方
線LUよりも半径方向外方の外方域6、及び前記ビード
エーペックスの半径方向外端Pをタイヤ軸方向にのびる
内方線LDよりも半径方向内方に位置する内方域とに貼
り付けこの領域を覆っている。
【0032】又、この外方域6と内方域7との間の中間
域9には、ゴム組成物からなるゴム層10がカーカス1
6の内向き面に貼付けられる。
域9には、ゴム組成物からなるゴム層10がカーカス1
6の内向き面に貼付けられる。
【0033】このように前記フィルム体3とゴム層10
とを使い分けて貼合わせインナーライナ4を形成したの
は次の理由に基づく。
とを使い分けて貼合わせインナーライナ4を形成したの
は次の理由に基づく。
【0034】空気入りタイヤ1に荷重が作用することに
よって、図4に示す如く変形する。この際、前記中間域
9の内面2には圧縮力が作用する。前記フィルム体3は
大きな圧縮歪が作用した場合には弾性不足によるゴムと
の剥離または座屈が生じる危険があるため、この中間域
9に弾性が大きいゴム組成物からなるゴム層10を配し
ている。これによって、例えば不整地走行用タイヤのよ
うに走行時に大きな変形を受けるタイヤであっても繰返
し変形に耐えタイヤの耐久性を保持できるのである。
よって、図4に示す如く変形する。この際、前記中間域
9の内面2には圧縮力が作用する。前記フィルム体3は
大きな圧縮歪が作用した場合には弾性不足によるゴムと
の剥離または座屈が生じる危険があるため、この中間域
9に弾性が大きいゴム組成物からなるゴム層10を配し
ている。これによって、例えば不整地走行用タイヤのよ
うに走行時に大きな変形を受けるタイヤであっても繰返
し変形に耐えタイヤの耐久性を保持できるのである。
【0035】
【具体例】タイヤサイズが195/70 R14であり
かつ図2,3の構成を有するタイヤ(実施例1、2)に
ついて試作するとともにその性能についてテストを行っ
た。なお図5に示す従来の構成を有するタイヤについて
併せてテストを行いその性能の比較を行った。
かつ図2,3の構成を有するタイヤ(実施例1、2)に
ついて試作するとともにその性能についてテストを行っ
た。なお図5に示す従来の構成を有するタイヤについて
併せてテストを行いその性能の比較を行った。
【0036】テスト条件は次の通り。
【0037】1)耐エアリーク性
各試供タイヤをリムに装着し、かつ2.0kgf/cm2 の
内圧を付与し、試供タイヤを80℃のオーブンに15日
間放置するとともに、放置後の空気圧を測定した。
内圧を付与し、試供タイヤを80℃のオーブンに15日
間放置するとともに、放置後の空気圧を測定した。
【0038】2)耐久性
1)項の各試供タイヤを実車に装着しタイヤ1本当たり
の負荷荷重が600kgfのもとで、80km/Hの速度で
30000km走行させた後、タイヤを解体し、フィルム
体に生じるキズ及び剥離の有無を調査した。
の負荷荷重が600kgfのもとで、80km/Hの速度で
30000km走行させた後、タイヤを解体し、フィルム
体に生じるキズ及び剥離の有無を調査した。
【0039】なお前記実施例におけるフィルム体は、何
れも三菱瓦斯化学(株)製のナイロンMXD6を用いて
成形した。
れも三菱瓦斯化学(株)製のナイロンMXD6を用いて
成形した。
【0040】3)タイヤ重量
従来例を100とする指数で表示した。数値が小さいほ
ど軽いことを示す。テスト結果を表1に示す。
ど軽いことを示す。テスト結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】テスト結果、実施例のものは比較例のもの
に比べてエアーリークが低減しかつ耐久性も同等である
ことが確認できた。又、実施例のものは比較例のものに
比し重量を軽減することが出来た。
に比べてエアーリークが低減しかつ耐久性も同等である
ことが確認できた。又、実施例のものは比較例のものに
比し重量を軽減することが出来た。
【0043】
【発明の効果】叙上の如く本発明の空気入りタイヤは、
タイヤ内腔に向く内面が主鎖中に芳香族環を有する脂肪
族ポリアミドからなるフィルム体を用いたインナーライ
ナにより覆われているため、耐久性を保持しつつガスバ
リヤ性を高めかつタイヤの軽量化を可能とする。
タイヤ内腔に向く内面が主鎖中に芳香族環を有する脂肪
族ポリアミドからなるフィルム体を用いたインナーライ
ナにより覆われているため、耐久性を保持しつつガスバ
リヤ性を高めかつタイヤの軽量化を可能とする。
【図1】第1発明の一実施例の基本構成のみを示すタイ
ヤ右半分断面図である。
ヤ右半分断面図である。
【図2】第1発明の実施例を示すタイヤ右半分断面図で
ある。
ある。
【図3】第2発明の実施例を示すタイヤ右半分断面図で
ある。
ある。
【図4】その作用を示す断面図である。
【図5】従来技術を示す断面図である。
2 内面
3 フィルム体
4 インナーライナ
6 外方域
7 内方域
18 ビードエーペックス
B タイヤ最大巾点
J リム
LD 内方線
LU 外方線
T フィルム体の厚さ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平1−314164(JP,A)
特開 平5−254006(JP,A)
特開 平2−245026(JP,A)
特開 平5−38794(JP,A)
特開 平4−118302(JP,A)
特公 昭47−31761(JP,B1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60C 5/00,5/14
B32B 27/34
C08G 69/26
C08L 77/06
Claims (4)
- 【請求項1】タイヤ内腔に向く内面を、主鎖中に芳香属
環を有する脂肪族ポリアミドからなるフィルム体を用い
たインナーライナを用いて形成されるとともに、 前記フィルム体は、その厚さが1μm以上かつ40μm
以下であり、 かつ前記脂肪族ポリアミドは、メタキシレンジアミン
と、アジピン酸との重縮合反応によって得られる結晶性
のポリアミドからなり、 しかも、前記フィルム体を、少なくともカーカスの内向
き面に、ゴムシートを介在させて貼り付け、タイヤ内腔
の内面をフィルム体により覆ったことを特徴とする空気
入りタイヤ。 - 【請求項2】フィルム体をカーカスの内向き面、かつタ
イヤを正規のリムJに装着し、正規内圧を充填した状態
において、タイヤ子午断面におけるタイヤ最大巾点Bを
通りタイヤ軸方向にのびる最大巾線LBと、カーカス
(16)の厚さ中心線がタイヤ赤道COと交わるカーカ
スの半径方向外方点Cとの間の半径方向中間点をタイヤ
軸方向にのびる外方線LUよりも半径方向外方の外方域
(6)、及び前記ビードエーペックスの半径方向外端P
をタイヤ軸方向にのびる内方線LDよりも半径方向内方
に位置する内方域(7)とに貼り付け、 かつ前記外方域(6)、内方域(7)の間の中間域
(9)にはゴム層(5)をカーカスの内向き面に貼り付
けるとともに、 前記フィルム体は、主鎖中に芳香属環を有する脂肪族ポ
リアミドからなるフィルム体を用いたインナーライナを
用いて形成され、かつその厚さが1μm以上かつ40μ
m以下であり、しかも 前記脂肪族ポリアミドは、メタキシレンジアミン
と、アジピン酸との重縮合反応によって得られる結晶性
のポリアミドからなることを特徴とする空気入りタイ
ヤ。 - 【請求項3】前記脂肪族ポリアミドは、メタキシレンジ
アミンと、アジピン酸との重縮合反応によって得られる
結晶性のポリアミドであることを特徴とする請求項1又
は2記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項4】前記結晶性のポリアミドは下記化学式によ
る分子構造からなることを特徴とする請求項3記載の空
気入りタイヤ。 【化1】
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JP32119093A JP3407959B2 (ja) | 1993-11-26 | 1993-11-26 | 空気入りタイヤ |
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ID=18129797
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-
1993
- 1993-11-26 JP JP32119093A patent/JP3407959B2/ja not_active Expired - Fee Related
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