JP3407755B2 - 複合ロール - Google Patents

複合ロール

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JP3407755B2
JP3407755B2 JP14658693A JP14658693A JP3407755B2 JP 3407755 B2 JP3407755 B2 JP 3407755B2 JP 14658693 A JP14658693 A JP 14658693A JP 14658693 A JP14658693 A JP 14658693A JP 3407755 B2 JP3407755 B2 JP 3407755B2
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良登 瀬戸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄鋼圧延用等の複合ロー
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】複合ロールには、耐摩耗材で形成された
圧延使用層たる外層に強靭材によって形成された中実状
内層(軸芯部) を溶着したものや、図1に示すように外
層1と内層2との間に中間層3を介在させたものがあ
る。尚、図2に示すように、円筒形ロールはスリーブロ
ールとも呼ばれ、通常、ロール軸に焼きばめ等により固
着され、組み立てられて圧延に供される。前記中間層3
は、外層1と内層2とを直接溶着した場合に生じる、外
層1から内層2への高合金元素の混入を防止し、内層の
強靭性劣化防止のために形成されるものである。
【0003】従来、耐摩耗性に優れた外層材として、特
公昭58−30382号公報、特公昭61−16415
号公報に開示されているように、Crを10〜25%含
有した高クロム鋳鉄や耐焼付性をも改善した黒鉛晶出高
クロム鋳鉄が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、圧延条件が苛酷
になり、より高い耐摩耗性が要求されるようになった。
このため、前記公報に言及されているように、高クロム
鋳鉄や黒鉛晶出高クロム鋳鉄にNb,Vの一種又は二種
を合計で2%以下添加して、その微細炭化物を結晶核と
して生成させ、これによって組織の微細化、緻密化を図
り、もって耐摩耗性の向上が図られている。しかし、耐
摩耗性の向上の要求に十分応えているとはいえないのが
実情である。
【0005】一方、鉄鋼圧延における耐摩耗性を大幅に
改善するには、材質中にWを多量に添加すればよいと考
えられる。しかしながら、複合ロールの外層は、主とし
て遠心力鋳造によって鋳造されることから、Wが比重差
により分離し、周方向に偏析が生じて均一な材質が得難
いという問題がある。そこで前記問題点を解決するた
め、本発明者らはCr,Mo,W,V等の合金元素を添
加して基地を強化すると共に、VC等の高硬度炭化物を
含有せしめた複合ロール材を特願平3−346930号
として提案した。
【0006】しかしながら、このロール材は耐摩耗性は
良いものの黒皮と呼ばれる酸化スケールがロール表面に
厚く生成し易く、該黒皮が剥離したときの肌荒れが問題
である。本発明は、前記提案したロール材の特性を維持
しつつ、即ち耐摩耗性に優れ、かつ均一材質で、更に耐
肌荒れ性に優れた外層を備えた鉄鋼圧延用等の複合ロー
ルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の複合ロールは、
外層と中間層、中間層と内層とが相互に溶着して構成さ
れており、前記外層は、化学組成が重量%で、 C :0.7〜1.0%未満、 Si:0.1〜2.0
%、 Mn:0.1〜2.0%、 Ni:0.1〜4.5
%、 Cr:3.0〜10.0%、 Mo:0.1〜9.0
%、 W :1.5〜10.0%、 V, Nb:一種又は二種の総計で1.5〜10.0%、 および残部実質的にFeからなり、前記中間層はC:
1.0〜2.5%含有した特定組成の高炭素鋳鋼からな
り、前記内層は片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄又は黒鉛鋼
により形成されている。また、外層成分には、前記外層
合金成分のほかに、Al, Ti,Zr:各々0.01〜
0.50%の内の一種又は二種以上を含有することがで
きる。
【0008】
【作用】本発明の複合ロールに係る外層は、Cr, M
o,W,Nb,V,FeおよびCが相互に結合した高硬
度の複合炭化物が基地中に存在するため、常温および高
温における硬度が向上し、耐摩耗性が飛躍的に向上す
る。このため、従来の高クロム鋳鉄等と同程度の寿命を
確保する場合、外層厚さは鋳込み厚さで80mm程度以
下すなわち従来の厚さの80%程度と薄くてもよいた
め、高価な合金を多量に含む外層材の使用量が少なくて
済む。また、外層は高クロム鋳鉄等と同様、焼入れ熱処
理が施されて高硬度が付与される。この際、本発明に係
る外層材は高硬度であり、高クロム鋳鉄等に比べて残留
応力が高くなるが、外層を薄くすることができるため、
残留応力を低く抑えることができ、耐事故性を改善する
ことができる。また、鋳込み厚さを80mm程度以下に
薄くすることができるため、急冷凝固することができ、
マクロ偏析が生じにくく、また微細組織になり、耐摩耗
性が更に向上する。一方、外層を厚く形成する場合で
も、質量の大きいWを10%以下に抑えたので、偏析が
比較的生じ易い遠心力鋳造により外層を鋳造形成して
も、マクロ偏析は生じにくく、組織の均一性に優れる。
【0009】特に本発明の外層は0.7〜1.0%未満
という低C%としたので、最終凝固で粒界に晶出する共
晶炭化物量が殆どなくなる。従って熱間圧延において優
先的に酸化され、黒皮を厚くし易く、また熱間圧延にお
ける加熱冷却の反復によってヒートクラックの伝播経路
ともなって黒皮剥離の原因となる共晶化物(粒界炭化
物)を減じたことにより耐肌荒れ性に優れる。なお、前
記共晶炭化物にはFe,Mo,W,V等の元素が含有さ
れており、一方、本成分系においてもVC,NbC等の
高硬度炭化物が晶出することは当然である。
【0010】特定組成の高炭素鋳鋼により、外層と内層
との間に中間層を形成したので、外層の高合金成分が内
層に混入して、その強靭性を劣化するのを防止すること
ができる。また、中間層と内層との境界部は低合金とな
るので、炭化物層の形成が抑制され、境界強度の向上を
図ることができる。また、外層のオーステナイト熱処理
の際、内層の温度上昇を防止することができ、内層材質
の強靭性劣化を防止しつつ、外層のみを1100℃以上
の高温に加熱することができる。また、本発明の中間層
組成では、外層の焼入れ時にマルテンサイト変態するこ
とがないので、外層に焼入れ熱処理を施しても、過大な
残留応力が生じることがなく、耐事故性に優れる。
【0011】また、内層を片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄
又は黒鉛鋼すなわち、黒鉛の晶出した鉄鋼材で形成した
ので、ヤング率を19000kg/mm2 程度以下とす
ることができ、過負荷時にロールの偏平化によって負荷
を吸収し、耐事故性を向上することができる。また、低
温歪取り焼鈍によって、外層熱処理時の残留応力を軽減
することができる。また、熱伝導性ひいては放熱性に優
れ、圧延時のロールの熱変形を防止することができる。
又、良好な靭性を有するため、衝撃的な圧延トルクに対
しても耐えることができる。
【0012】
【実施例】まず、本発明の複合ロールの外層に使用され
る耐摩耗鋳鋼材の化学組成の限定理由について説明す
る。以下、成分の単位はすべて重量%である。 C:0.7〜1.0%未満 CはFe,Cr,Mo,V,Nb,Wと結合して高硬度
複合炭化物を形成する。この高硬度複合炭化物形成のた
めと、併せて、高温で酸化し易く、ヒートクラックの伝
播経路となる共晶炭化物(粒界炭化物)を極力減らし
て、黒皮を薄くかつ安定にするためにC%は1.0%未
満である必要がある。一方、Cが0.7%未満ではピン
ホール欠陥や異物かみ等の欠陥が発生し易い。 Si:0.1〜2.0% Siは本発明材が鋳造合金であるため、湯流れ性の確保
のために必要な元素であり、また、耐焼付き性の改善に
も有効である。同時に又、使用原材料から0.1%程度
は不可避的に含有される。しかし、2.0%を越えると
靭性の低下を招くため好ましくない。 Mn:0.1〜2.0% Mnは硬化能を増し、また、Sと結合してMnSを生成
し、Sによる脆化を防ぐ元素であり、同時に使用原材料
から0.1%程度は不可避的に含有される。しかし、
2.0%を越えると靭性の低下を招くため好ましくな
い。 Ni:0.1〜4.5% Niは基地中に固溶し、連続冷却変態線図(CCT図)
および等温変態線図(TTT図) におけるベーナイト変
態を長時間側に移動させるため、焼入れ性が向上し、焼
入れ時の冷却速度を遅くしても途中でベーナイト変態が
起こらず、多量の残留オーステナイトがマルテンサイト
変態するため、高硬度が得られる。本発明のような複合
ロールの外層材の場合、焼入れ時の外層と内層の熱膨張
差に起因する熱応力が大きく、また重量物である大形ロ
ールの場合、熱容量が大きく、冷却速度を大きくするこ
とが困難であるものについては焼入れ時の冷却速度が遅
くても焼入れ組織が得られることは大変重要である。こ
の際、0.1%未満ではこのような効果が得られず、一
方、4.5%を越えて含有されると、残留オーステナイ
トが増して、高硬度が得難くなる。なお、0.1%Ni
以上では焼入れ温度から400〜650℃までの温度に
かけての冷却速度が100℃/Hr以上あれば焼入れ組
織が得られる。 Cr:3.0〜10.0% CrはFe, Mo, V, Nb, Wと共にCと結合して、
高硬度複合炭化物を形成して高温に於ける耐摩耗性の向
上に寄与する。また、大半は基地中に固溶して焼入れ性
および耐摩耗性を改善する。3.0%未満ではこれらの
効果が少なく、耐摩耗性改善が期待できない。一方、1
0.0%を越えて含有されると靭性の劣化を来すため好
ましくない。 Mo:0.1〜9.0% MoはFe, Cr, V, Nb, Wと共にCと容易に結合
して、主としてM7 3 型, M6 C型, M2 C型複合炭
化物を形成すると共にその大半は基地中に固溶して、常
温および高温硬度を高めて耐摩耗性の向上に寄与する。
MoはWに比較して少量添加でその効果を発揮する。こ
のさい、0.1%未満では所期の耐摩耗性を得ることが
できず、一方、9.0%を越えると靭性の低下を来し好
ましくない。 W:1.5〜10.0% Wも同様にFe, Cr, Mo,V, Nbと共にCと容易
に結合して複合炭化物を形成し、常温および高温硬度を
高めて耐摩耗性の向上に寄与する。1.5%未満では所
期の耐摩耗性を得ることができず、一方、10.0%を
越えると靭性の低下を来し、耐ヒートクラック性を悪化
させる。また、遠心力鋳造の際、マクロ偏析を生成し易
くさせる。このため10.0%以下とする。 V, Nb:一種又は二種の総計で1.5〜10.0% VはNbと同様にFe, Cr, Mo, Wと共にCと容易
に結合して、主としてMC型の複合炭化物を形成し、常
温および高温硬度を高めて耐摩耗性の向上に寄与する。
また、このMC型複合炭化物は厚さ方向に枝状に生成す
るため、基地の塑性変形を抑止し、機械的性質、さらに
は耐クラック性の向上にも寄与する。単独または二種を
複合して1.5%以上添加しないとかかる効果は現れに
くい。しかし、添加量が10.0%を越えると靭性の低
下を招来すると共に、遠心力鋳造の際、マクロ偏析を生
成し易くなる。このため、10.0%以下とする。
【0013】本発明外層の耐摩耗鋳鋼材は以上の合金成
分のほか残部がFeおよび不純物で形成される。尚、
P, Sは原料より不可避的に混入するが、材質を脆くす
るので少ない程望ましく、P:0.2%以下、S:0.
1%以下に止めておくのがよい。本発明に係る外層の耐
摩耗鋳鋼材には、前記合金成分のほかに、下記組成範囲
のAl, Ti,Zrの内の一種又は二種以上を含有する
ものを含む。 Al, Ti,Zr:各々0.01〜0.50% Al, Ti,Zrは溶湯中で酸化物を生成して、溶湯中
の酸素含有量を低下させ、製品の健全性を向上させると
共に、生成した酸化物が結晶核として作用するために凝
固組織の微細化に効果がある。0.01%未満ではこの
効果は十分ではなく、一方、0.50%を越えて含有さ
れると介在物となって残留し、好ましくない。尚、A
l, Ti,Zrは、本発明では主として鋳造組織の微細
化による耐摩耗性改善のために添加されるものであり、
単に脱ガスを目的として添加されるものではない。
【0014】次に本発明複合ロールの内層材について説
明する。内層材としては、下記の理由により黒鉛が晶出
した材料、具体的には片状黒鉛鋳鉄(FCと略記) 、球
状黒鉛鋳鉄(DCIと略記) 、黒鉛鋼(SGSと略記)
を用いる。 黒鉛晶出材を用いる理由 圧延使用時には、過負荷状態の発生(例えば、2枚
板噛み) は避けられないが、外層材のヤング率は210
00〜23000kg/mm2 と高いため、外層材中に
大きな応力が発生する。中間層のヤング率は20000
〜23000kgf/mm2 であるが、層厚が25〜3
0mm程度と比較的薄いため、複合化する内層材のヤン
グ率が低ければ、過負荷時には、ロールの偏平化によっ
て内層材の方で負荷を吸収し得る。このため、内層材の
ヤング率を低くする方が、使用時の安全性を増す。20
000kg/mm2 未満のヤング率とするためには、内
層材は、黒鉛の晶出したものでなければならない。
外層材は特殊合金が含まれており、また、焼戻し2次硬
化現象によって硬化するため、一般に残留応力の除去が
され難い材料である。このため、複合ロールに対し、外
層材の硬化熱処理すると、外層材の変態による膨張によ
り、外層には圧縮応力、内層には引張応力が生じる。内
層材の引張応力が過大になると、内層の破損や中間層・
内層の境界部での破断が生じ、ロールの破壊に至る。破
壊を防止するには、複合ロールに歪取り焼鈍を施し、内
層材の残留応力を解放すればよい。しかし、600℃を
越える高温歪取り焼鈍では外層の硬度低下を招来する。
従って、低温歪取り焼鈍により、内層材の残留応力を解
放する必要がある。このためには、内層材は黒鉛が晶出
したものがよい。尚、本発明の場合、低温歪取り焼鈍は
外層の焼戻し熱処理によりその目的を達成することがで
きる。 ロールは使用時に圧延材(1000℃前後)
から熱を受ける。ロールの熱変形を防止、所定形状を維
持するには放熱が良好でなければならない。従って、内
層は熱の伝導が良くなければならない。そのため内層材
として黒鉛晶出材が好適である。 ロールのネック部
には、ベンディング力とモータートルクに耐える強度が
必要である。衝撃的な荷重もあることから、強度ととも
に靭性も重要である。黒鉛を晶出させることにより、靭
性を向上させることができる。
【0015】次に、複合ロールの内層を形成する各種内
層材の特徴および好ましい組成(単位wt%) について
説明する。内層は叙上の通り、黒鉛を含むことが必要で
あるが、外層と内層との溶着時に外層の高合金成分の混
入が必然的に生じる。この点を考慮して組成を決定する
必要がある。 (1)FCの場合 FCは鋳造性が良好で、ヤング率が10000〜150
00kg/mm2 と低く、又黒鉛の形態が片状であるた
め、残留応力の除去が容易で、熱伝導率も高い。また、
加工性も良好で、中空ロールの内層材として用いた場
合、内面加工が容易である。もっとも、強度は30kg
/mm2 程度が限度であるため、圧延荷重の大きな条件
下で使用する複合ロールには適さない。尚、下記組成の
FCの固相線は1130〜1170℃である。
【0016】以下に好ましい組成例と限定理由を示す。 C:2.5〜4.0% Cは黒鉛を晶出させるために必要であり、2.5%未満
では黒鉛量が少ない。一方、4.0%を越えると黒鉛量
が過多となり、強度が低下する。 Si:0.8〜2.5% Siは黒鉛晶出を助長する作用をなし、0.8%未満で
は黒鉛化が不充分である。一方、2.5%を越えると基
地が脆くなる。 Mn:0.2〜1.5% Mnは基地の強化と共にSの害を防ぐ作用がある。0.
2%未満ではその作用がほとんど期待できない。一方、
1.5%を越えると材質が脆くなる。 P, S:各々0.2%以下 P, Sは不純元素であるため少ない程よく、0.2%以
下に止めるのがよい。低濃度のものは高コストになるた
め、経済性を考慮すると、0.01%程度以上の含有は
止むを得ないであろう。 Ni:3.0%以下 Niは黒鉛化と基地の強化のために有効であるが、3.
0%を越えると未変態組織が残留し易くなり、強度が劣
化する。 Cr, Mo:各々2.0%以下 Cr, Moは基地の強化作用があるが、多過ぎると黒鉛
化を阻害させる。基地強化のためには、0.1%以上含
有させることが望ましい。一方、黒鉛化の阻害を防止す
るには、外層からの混入量を含めて2.0%以下に止め
る必要がある。 W, V, Nb:総計で4.0%以下 これらの元素は外層から必然的に混入する。W, V, N
bは内層材質改善作用はない。従って、これらの元素は
不純物として解釈され、内層材の機械的性質を劣化させ
ない範囲として、4%まで許容される。尚、外層にA
l, Ti,Zrを含む場合、これらの元素も中間層を介
して内層に必然的に混入するが微量であるため、材質上
ほとんど問題にはならない。
【0017】FCは以上の成分の他、残部実質的にFe
で形成される。尚、中間層に溶着する前すなわち鋳込前
の溶湯組成範囲を下記に例示する。溶湯組成は溶着後に
上記内層組成となるように、中間層からの成分混入量が
考慮されて決定される。 C :2.5〜4.0%、 Si:0.8〜2.5%、 Mn:0.2〜1.5%、 P :0.2%以下、 S :0.2%以下、 Ni:3.0%以下、 Cr:2.0%以下、 Mo:2.0%以下、 残部実質的にFe (2) DCIの場合 DCIは鋳造性が良好で、ヤング率が15000〜19
000kg/mm2 であり、黒鉛量も多い。更に、その
黒鉛の形態は、FCと異なり、球状であるため、強度お
よび靭性も優れている。また、加工性も良好である。こ
のため内層材として好適である。尚、特公昭59−52
930号公報、特公昭59−52931号公報に開示さ
れているように、フェライト・オーステナイト共存温度
域(780〜900℃) に加熱保持後、200〜800
℃/Hrで急冷し、オーステナイトを微細パーライト化
する熱処理により、基地組織がフェライト・パーライト
の2相混合組織となる。この組織はクラックの進展、残
留応力の除去効果に特に優れる。前記2相混合組織化の
熱処理は、複合ロールの外層の硬化熱処理の前熱処理と
して行えばよい。尚、下記組成のDCIの固相線は11
30〜1170℃である。
【0018】以下に好ましい組成例と限定理由を示す。 C :2.5〜4.0%、 Si:1.3〜3.5%、 Mn:0.2〜1.5%、 P :0.2%以下、 S :0.2%以下、 Ni:3.0%以下、 Cr:2.0%以下、 Mo:2.0%以下、 W, V, Nb:総計で4%以下、 Mg:0.02〜
0.1%、 残部実質的にFe Si, Mg以外の成分限定理由はFCと同様のため、こ
の二成分について説明する。
【0019】Siは黒鉛化促進元素である。DCIは黒
鉛の球状化のため、Mgが含有される。Mgは強力な黒
鉛化阻害元素であるため、Mgの存在下で黒鉛化を図る
には、Si1.3%以上必要である。一方、3.5%を
越えると、基地を脆くすると共に、多量のフェライトを
析出させ、強度も低下する。Mgは黒鉛を球状化させる
作用を有する。その作用を得るためには0.02%以上
必要である。一方、0.1%を越えると、黒鉛化を阻害
し、又鋳造欠陥を発生させ易くする。
【0020】尚、外層に溶着する前のDCIの好適な溶
湯組成を下記に例示する。 C :2.5〜4.0%、 Si:1.3〜3.5%、 Mn:0.2〜1.5%、 P :0.2%以下、 S :0.2%以下、 Ni:3.0%以下、 Cr:2.0%以下、 Mo:2.0%以下、 Mg:0.02〜0.1%、残部実質的にFe (3)SGSの場合 SGSはヤング率が17000〜20000kg/mm
2 と高く、また黒鉛量も少ないため、残留応力は比較的
除去され難い。また、鋳造性もあまり良好ではなく、大
きな押湯等を必要とする。しかし、強度は40kg/m
2 以上と優れており、また靭性にも優れているので、
大きなベンダー荷重等が働く苛酷な使用条件で用いられ
るロールには最適である。また、固相線(下記組成のS
GSの場合) が1170〜1250℃とFC, DCIに
比べて高いので、外層のオーステナイト化熱処理の際に
劣化しにくい利点がある。
【0021】以下に好ましい組成例と限定理由を示す。 C :1.0〜2.3%、 Si:0.5〜3.0%、 Mn:0.2〜1.5%、 P :0.2%以下、 S :0.2%以下、 Ni:3.0%以下、 Cr:2.0%以下、 Mo:2.0%以下、 W, V, Nb:合計で4.0%以下、 残部実質的にF
e C, Si以外の成分限定理由はFCと同様のため、この
二成分について説明する。
【0022】Cは黒鉛を晶出させるために必要である。
1.0%未満では黒鉛の晶出は生じにくい。一方、2.
3%を越えると黒鉛形状が崩れて、強度が低下する。S
iは黒鉛化のために必要である。0.5%未満では黒鉛
晶出は困難となり、一方、3.0%を越えると基地が脆
くなる。尚、外層に溶着する前のSGSの好適な溶湯組
成を下記に例示する。 C :1.0〜2.3%、 Si:0.5〜3.0%、 Mn:0.2〜1.5%、 P :0.2%以下、 S :0.2%以下、 Ni:3.0%以下、 Cr:2.0%以下、 Mo:2.0%以下、 残部実質的にFe 次に、中間層について説明する。中間層は、外層の合金
成分が内層に混入するのを軽減することを目的の一つと
して形成されるが、それ自体も30kg/mm2 程度以
上の強度が必要である。強度が不足すると、外層と中間
層との境界部が破断し、外層が剥離する。従って、中間
層には外層から多量の合金成分が混入しても高強度な材
質とする必要がある。かかる理由から、中間層材として
は下記組成の高炭素鋳鋼(ADと略記) が好適である。
以下、本発明に係る中間層材の組成と限定理由を示す。 C:1.0〜2.5% Cは強度向上に寄与するが、1.0%未満では凝固点が
高くなり、溶着が不充分になり易い。一方、2.5%を
越えると炭化物が過多となり、材質が脆くなる。 Si:0.2〜3.5% Siは脱ガスの促進作用、湯流れ性の向上作用がある。
0.2%未満ではかかる作用が期待できず、一方、3.
5%を越えると材質が脆化する。尚、高Si領域ではN
i含有量との関係で黒鉛の晶出が見られる場合がある
が、材質上問題はない。 Mn:0.2〜1.5% Mnは内層材のダクタイル鋳鉄と同様の理由によって上
記範囲に限定される。 Ni:4.0%以下 Niは材質を強化する作用がある。しかし、4.0%を
越えると作用が飽和すると共に未変態組織が生じ易くな
り、強度が劣化する。 Cr, Mo:各々4.0%以下 Cr, Moは材質を強化する作用がある。しかし、4.
0%を越えると機械的性質がかえって劣化するようにな
る。 W, V, Nb:総計で12%以下 これらの元素は中間層の材質を向上する作用はほとんど
ないが、外層からの混入は避けられない。中間層材質の
機械的性質を劣化させない範囲として、12%まで許容
される。尚、外層にAl, Ti, Zrを含む場合、これ
らの元素も中間層に必然的に入ってくる。この場合、同
様の理由により、これらの元素を含めて統計で12%以
下とする。
【0023】中間層材の成分は、以上の他、残部実質的
にFeで形成される。尚、P, Sは不純物であり、材質
を脆くするため少ない程よく、本発明においては、内層
材と同様、両者とも0.2%以下に止めるのがよい。
尚、外層に溶着する前の溶湯組成範囲を下記に例示す
る。溶湯組成は溶着後に上記中間層組成となるように、
外層からの成分混入量が考慮されて決定される。 C :1.0〜3.5%、 Si:0.2〜3.5%、 Mn:0.2〜1.5%、 P :0.2%以下、 S :0.2%以下、 Ni:4.0%以下、 Cr:4.0%以下、 Mo:4.0%以下、 残部実質的にFe 本発明では、外層と内層(軸芯部) との間に1.0〜
2.5%Cの中間層を設けたので、内層に有害な合金元
素が外層から内層へ、溶着の際に直接混入するのを大幅
に抑制することができるほか、下記の効果を奏する。
【0024】外層の焼入れ熱処理の際、オーステナイト
化熱処理のため、外層を1100℃以上に加熱するのが
よいが、外層を1100℃以上に加熱しても内層への伝
熱は中間層を介して行われるため、熱量の調整により内
層の温度を1100℃以下に容易に抑えることができ、
内層の溶損を防止することができる。中間層は外層との
溶着によって、Cr, Mo, W, Vの濃度が高くなる
が、それでもこれらの元素は外層よりも低く抑えられる
ので、外層と内層を直接溶着させた時よりも、外層と中
間層を溶着させた後、中間層と内層を溶着させる方が、
内層の溶着部分の合金濃度は低くできる。このため、中
間層を設けた場合は内層との境界に炭化物層が形成され
にくく、境界強度が改善できる。
【0025】また、本発明に係る中間層はロールの焼入
れ熱処理中にその大半がパーライト変態し、更に残部は
ベイナイト変態する。マルテンサイト変態は起こらない
か、起こしてもごくわずかの量である。このため、マル
テンサイト変態に伴う大きな膨張挙動がなく、ロールへ
の残留応力を大きくすることはない。尚マルテンサイト
変態を多量に起こすと、外層のマルテンサイト変態と合
わさって、外層・中間層に大きな圧縮の残留応力(軸方
向) 、内層にはそれに見合う大きな引張の残留応力(軸
方向) が働らき、内層が引張・破壊する。
【0026】本発明の複合ロールは、通常、中実状ロー
ルの場合、外層および中間層が遠心力鋳造された後、そ
の内部に内層(軸芯部) が静置鋳造される。また、スリ
ーブロールの場合、外層、中間層に引き続いて内層も遠
心力鋳造される。図3は横型遠心力鋳造装置を示してお
り、遠心力鋳造用金型4は回転ローラ5,5によって回
転自在に支持されており、溶湯は堰鉢6から注湯樋7を
介して金型4内に鋳込まれる。8は湯止め用砂型であ
る。中実状の複合ロールを鋳造するには、まず、外層材
溶湯を回転する金型4に鋳込み、それが凝固した後に、
外層1の内周面に中間層材溶湯を鋳込んで、中間層3を
遠心力鋳造する。その後、外層1と中間層3とを内有し
た金型4を起立させ、その両端に軸芯部形成用の上型、
下型を連設して静置鋳型を構成し、その内部に内層材溶
湯を鋳込めばよい。該横型遠心力鋳造装置においては、
金型内に鋳込まれた溶湯の各部は金型の回転毎に上下動
するため、Gの変動があり、またローラや金型の偏心や
傷により振動が発生し易く、鋳込まれた外層材溶湯中の
成分は移動し易い。このため、厚肉の外層を鋳造する場
合、成分の移動により偏析が生じ易くなるので、通常、
凝固開始温度+70℃程度以下として比較的低温で鋳込
むのがよい。もっとも、本発明に係る外層材は高耐摩耗
材であるために、摩耗しにくく、外層は比較的薄くても
よく、鋳込厚さで80mm(望ましくは55〜70m
m)程度までは金型により急冷されるため、前記温度よ
り高温で鋳込んでも偏析のおそれはほとんどない。尚、
製品外層厚さとしては中間層による溶解代20mm、加
工代10mmを考慮すると50mm(望ましくは25〜
40mm) 程度となる。
【0027】図4は立型遠心力鋳造装置を示しており、
遠心力鋳造用金型11の上下端には上型12、下型13
が組み立てられており、該鋳型は回転する基盤14に同
心状に機械的に固定されている。このため、堰鉢15を
介して鋳型内に鋳込まれ、遠心力の作用で金型11内面
に上昇し付着した外層材溶湯16は、Gの変動や振動を
受けにくい。従って、立型遠心力鋳造すれば、厚肉の外
層を鋳造する場合でも偏析が生じにくいため、より高温
で鋳込むことができ、作業性の向上や異物の混入による
鋳造欠陥の防止に効果的である。尚、遠心力鋳造用金型
11のみ基盤14に固定し、外層および中間層を鋳造
後、上型、下型を組み立て、軸芯部を静置鋳造してもよ
いことは勿論である。
【0028】本発明の外層耐摩耗鋳鋼材は、複合ロール
の外層として鋳造後、ロール全体を焼入れ温度(オース
テナイト化温度) から400〜650℃までの温度域を
100℃/Hr以上の冷却速度で焼入れることにより、
良好な焼入れ組織を得ることができる。焼戻しは500
〜600℃の温度で1回ないし数回行なうとよい。本発
明に係る外層材は、オーステナイト化熱処理の際に基地
中に固溶したMo, W, V, Nb等が焼戻し熱処理によ
って微細炭化物として析出し、焼戻し2次硬化現象を生
じるため、高温硬度に優れる。
【0029】外層の加熱方法としては、ロール全体を加
熱炉に入れて加熱する方法、外層外周面の回りに誘導加
熱コイルや多数のガスバーナを配置しておき、これらに
よって外層のみを急速加熱する方法がある。前者は昇温
に時間がかかり、外層表面に厚い酸化膜ができ、外層の
歩留りが低下する。更に、鋳鉄材質の内層の溶損を回避
して加熱するには1100℃(望ましくは1000℃)
以下の加熱に止めなければならず、このため炭化物を基
地中に十分固溶させることが難しく、以後の熱処理によ
っても十分な硬度が得難いという問題がある。これに対
して、外層のみの加熱方法によれば、中間層の形成と相
まって、外層を1100℃以上に、内層を1100℃未
満に確実に止めることができるので、内層の部分溶融
や、結晶粒の粗大化による強度低下を防止することがで
きる。また、内層(軸芯部) の中心に向かうほど低温と
なるため、オーステナイト化温度に加熱後、外層の熱を
内部へ逃がすことができ、焼入れの際、外層深部の冷却
速度を大きくすることができる。
【0030】本発明の複合ロールは、特に熱間圧延ロー
ル、ピンチロール或いは搬送用ローラー等の耐摩耗性、
耐肌荒れ性を要求されるロール、ローラーに適用され
る。次に本発明の具体的実施例を掲げる。 (1)内径φ1040mmの遠心力鋳造用金型に表1、
表2の外層材溶湯を遠心力鋳造し、外層が完全に凝固し
た後引き続いて、同表の中間層材溶湯を遠心力鋳造し、
外層と中間層とを溶着させた。鋳込量は肉厚で外層70
mm、中間層25mmとした。尚、実施例は試料No.
1〜No.であり、比較例は試料No.〜No.
で、これは特願平3−346930での実施例であり、
No.の従来例の外層材は耐摩耗性を改善した高クロ
ム鋳鉄材である。表中の 組成の単位は重量%、残部は
実質的にFeである。 (2)中間層が完全に凝固するのを待って、金型の回転
を止め、外層および中間層を内有した金型を垂直に立て
て、両端に上型および下型を連設して、その内部に同表
に併せて示した内層材(軸芯材) 溶湯を鋳込んだ。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】(3)鋳造された複合ロールを粗加工した
後、実施例のロールに対しては、600℃に均一に予熱
後、図5に示すように、ロールを水平に対向配置されか
つロール軸方向に沿って250mmピッチで平行に列設
されたガスバーナ21間に回転自在に支持し、ロールを
回転させながら、外層の表面を加熱した。外層表面温度
が1170℃、内層の中心部の温度が830℃となった
ところで加熱を止めた。加熱に要した時間は300分で
あった。熱伝導の温度データより、本例の場合、内層外
周面付近の温度は960℃と推定された。一方、従来の
ロールに対しては、ロール全体を1050℃で5時間保
持してオーステナイト化した。 (4)実施例および比較例、従来例のロールに対して、
加熱停止後、速やかに噴霧水冷を行い、ロール表面温度
を500℃に急冷した後、常温まで放冷した。その後、
550℃で20時間保持する焼戻し熱処理を2回繰り返
した。熱処理後の外層表面硬度は、下記表3の通りであ
った。同表より、実施例、比較例の外層は、従来例のそ
れに比べて、硬度の向上が著しく、耐摩耗性に優れてい
ることが分かる。尚、外層表面の酸化状態を観察したと
ころ、酸化層の厚さは、第3表に示すように実施例は従
来例に比し著しく薄かった。
【0034】
【表3】
【0035】なお、黒皮の剥離と疵について次の実験を
行った。 1.高温摩耗試験:試験片(φ300×50),相手材
SS41(φ290×50) 2.条件 相手材の加熱温度…800℃ 実験時間……………5時間 水冷温度……………40℃ 3.結果 試験片表面の状態 ・実施例の試験片表面は光沢のある美麗肌を呈していた
が、比較例の試験片表面には黒皮の付着むらおよび疵が
みられ、部分的な黒皮剥離も見られた。
【0036】・従来例については黒皮剥離と疵が顕著に
認められた。 (5)胴表面を仕上加工した後、超音波探傷試験によっ
て溶着状況を確認したところ、いずれのロールについて
も溶着は良好であった。次に、ロール胴部を切断し、外
層断面を目視観察したところ、いずれのロールも成分の
偏析は認められなかった。又、中間層の層厚の中央部お
よび内層(軸芯部) 中心部における成分を分析した結果
を表4、表5に示す。同表より、実施例および比較例、
従来例とも内層における外層高合金成分の混入量は非常
に少ないことが分かる。
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】(6)また、各試料の内層から引張試験片
を採取し、引張試験を行った結果を表6に示す。同表よ
り、内層がDCIの実施例のNo.1および3は従来例
のNo.8に比して、高強度であり、従来例は実施例に
比して約20%の劣化が認められる。
【0040】
【表6】
【0041】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の複合ロール
はその外層をCr,Mo,W, V, Nbの所定量を含有
した特殊鋳鋼材で形成したので、これらの高硬度複合炭
化物の存在により、耐摩耗性を飛躍的に向上させること
ができ、また鋳造に際しマクロ偏析も生じにくい。特に
本発明の外層は0.7〜1.0%未満という低C%とし
たので、最終凝固で粒界に晶出する共晶炭化物量が殆ど
なくなる。従って熱間圧延において優先的に酸化され、
黒皮を厚くし易くまた熱間圧延における加熱冷却の反復
によってヒートクラックの伝播経路にともなって黒皮剥
離の原因となる共晶化物(粒界炭化物)を減じたこと
により耐肌荒れ性に優れる。また、特定組成の高炭素鋳
鋼により中間層を形成したので、外層から内層への高合
金成分の混入を著しく軽減することができ、境界強度の
向上を図ることができ、マルテンサイト変態しないため
残留応力を増加させることがなく、更に外層のオーステ
ナイト化熱処理時の内層の溶損や強度低下を防止するこ
とができる。また、内層を片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄
又は黒鉛鋼で形成したので、強度および靭性が良好で、
ヤング率を外層のそれよりかなり低くすることができ、
過負荷時にはロールの偏平化によって外層に過大な応力
を生じるのを防止することができ、安全性や耐事故性に
優れる。更に、放熱性にも優れるため、熱変形も生じに
くい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中実状複合ロールの断面図であ
る。
【図2】本発明に係るスリーブ状複合ロールの断面図で
ある。
【図3】横型遠心力鋳造装置の主要部断面図である。
【図4】立型遠心力鋳造装置の主要部断面図である。
【図5】複合ロール外層加熱状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 外層 2 内層 3 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡林 昭利 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社 クボタ 尼崎工場内 (72)発明者 片山 博彰 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社 クボタ 尼崎工場内 (72)発明者 木村 広之 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社 クボタ 尼崎工場内 (56)参考文献 特開 平2−205656(JP,A) 特開 昭59−178110(JP,A) 特開 昭58−55550(JP,A) 特開 平5−132735(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐摩耗鋳鋼材で形成された外層と、該外
    層の内周面に溶着された中間層と、該中間層の内周面に
    溶着された内層とからなる複合ロールにおいて、 前記外層は、化学組成が重量%で、 C :0.7〜1.0%未満、 Si:0.1〜2.0
    %、 Mn:0.1〜2.0%、 Ni:0.1〜4.5
    %、 Cr:3.0〜10.0%、 Mo:0.1〜9.0
    %、 W :1.5〜10.0%、 V, Nb:一種又は二種の総計で1.5〜10.0%、 および残部実質的にFeからなり、 前記中間層は、化学組成が重量%で、 C :1.0〜2.5%、 Si:0.2〜3.5
    %、 Mn:0.2〜1.5%、 Ni:4.0%以下、 Cr:4.0%以下、 Mo:4.0%以下、 W ,V, Nb:総計で12%以下、 および残部実質的にFeからなり、 前記内層は片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄又は黒鉛鋼で形
    成されていることを特徴とする複合ロール。
  2. 【請求項2】 耐摩耗鋳鋼材で形成された外層と、該外
    層の内周面に溶着された中間層と、該中間層の内周面に
    溶着された内層とからなる複合ロールにおいて、 前記外層は、化学組成が重量%で、 C :0.7〜1.0%未満、 Si:0.1〜2.0
    %、 Mn:0.1〜2.0%、 Ni:0.1〜4.5
    %、 Cr:3.0〜10.0%、 Mo:0.1〜9.0
    %、 W :1.5〜10.0%、 V, Nb:一種又は二種の総計で1.5〜10.0%、 Al, Ti,Zr:各々0.01〜0.50%の内の一
    種又は二種以上および残部実質的にFeからなり、 前記中間層は、化学組成が重量%で、 C :1.0〜2.5%、 Si:0.2〜3.5
    %、 Mn:0.2〜1.5%、 Ni:4.0%以下、 Cr:4.0%以下、 Mo:4.0%以下、 W ,V, Nb,Al, Ti,Zr:総計で12%以下、 および残部実質的にFeからなり、 前記内層は片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄又は黒鉛鋼で形
    成されていることを特徴とする複合ロール。
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CN105217265A (zh) * 2015-10-23 2016-01-06 辽宁科技大学 一种胶带输送机的耐磨滚筒
CN105803340B (zh) * 2016-04-06 2017-11-28 广东省材料与加工研究所 一种耐磨铸钢及其制备方法
CN106756533A (zh) * 2016-11-23 2017-05-31 安徽瑞鑫自动化仪表有限公司 一种温度传感器用合金钢及其制备方法

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