JP3406838B2 - モータロータのバランス修正方法及びバランス修正システム - Google Patents

モータロータのバランス修正方法及びバランス修正システム

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JP3406838B2 JP17960398A JP17960398A JP3406838B2 JP 3406838 B2 JP3406838 B2 JP 3406838B2 JP 17960398 A JP17960398 A JP 17960398A JP 17960398 A JP17960398 A JP 17960398A JP 3406838 B2 JP3406838 B2 JP 3406838B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータロータのバ
ランス修正方法及びバランス修正システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、整流子モータのロータは、回
転軸に多数のスロットを有する薄肉鋼板を多数枚積層し
た積層コアを圧入し、必要な絶縁処理を施した上で、積
層コアから突出する回転軸の一端にコンミュテータを装
着し、積層コアのスロット内にコイルを巻き付けて固定
し、その後コンミュテータの反対側の回転軸にファンを
取り付けるといった工程を経て製造されている。
【0003】この様にして製造されるモータロータにお
いては、図9〜図11の模式図に示す様に、積層コアを
構成する各薄肉鋼板のそれぞれが微妙な重量バランスの
ズレを有していること等に起因して、静アンバランスと
偶アンバランスとが生じており、全体として動アンバラ
ンスを発生させている。そして、静アンバランスが許容
値を超えている場合には、図10に示す様に軸心をずら
そうとする回転状態となり、偶アンバランスが許容値を
超えている場合には、図11に示す様な振れ回りを発生
させる回転状態となる。
【0004】このため、従来より、モータロータを製造
する工程においては、個々のモータロータ毎に発生する
アンバランスを修正するため、例えば特許第26771
34号の特許公報に記載される様な動釣合試験機等を用
いてモータロータのアンバランス量を測定し、この測定
結果に基づいてモータロータの円筒積層コアを切削する
ことによりバランス調整を行う修正工程が採用されてい
る。
【0005】このアンバランスの修正方法としては、例
えば特開昭53−147901号公報に記載される様
に、アンバランスの方向を中心としてモータロータの円
筒積層コアを切削する極座標方式による修正方法と、修
正範囲の中心が常にスロットの中心となる様にした分力
方式による修正方法とが知られている。また、従来、こ
の様な修正には、ロータの径に応じた鼓型カッタやV字
形カッタが用いられている。
【0006】図12(A),(B)は、鼓型のカッタを
用いた極座標方式の修正方法を例示しており、図示のハ
ッチングの部分が切削によって同じ深さだけ削り取られ
る。図12(A)の場合にはアンバランス方向がスロッ
トの中心と一致していることから精度よくバランス修正
を行うことができるが、図12(B)の場合にはアンバ
ランス方向がスロットと一致していないため、修正精度
が悪くなるという問題がある。また、図12(C),
(D)は、同じく鼓型のカッタを用いた分力方式の修正
方法を例示している。図12(C)はたまたまアンバラ
ンス方向がスロットの中心と一致しているので、修正範
囲1と修正範囲2は同じ深さだけ切削されることにな
る。一方、図12(D)はアンバランス方向がスロット
の中心からずれているため、修正範囲1の切削深さと修
正範囲2の切削深さは約3:1に制御される。この分力
方式の修正により、アンバランス方向がスロット中心と
ずれていてもより精度よくバランス修正を行うことが可
能になっている。
【0007】なお、偶アンバランス及び動アンバランス
を修正する場合には、ロータのコンミュテータ側とファ
ン側の2箇所について上述の様な極座標方式又は分力方
式によるバランス修正を行っている。
【0008】また、切削の方法として、切削により除去
すべき金属重量に応じて、カッタを積層コアに押し付け
て所定深さまで切削するだけに留めるプランジ切削と、
カッタを積層コアに押し付けた状態でさらにロータ軸に
沿って移動させるトラバース切削とが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この様に、従来、モー
タロータのバランス修正方式としては、極座標方式(以
下、「極座修正」ともいう。)と分力方式(以下、「分
力修正」ともいう。)、ロータの1箇所での切削方式
(通常、「静修正」又は「1面修正」と呼ばれる。)と
ロータの両端付近の2箇所での切削方式(通常、「動修
正」又は「2面修正」と呼ばれている。)及びプランジ
切削とトラバース切削といったいくつかの切削条件の中
から、修正開始前に作業者が修正方式を選択して設定す
る方法が採用されている。そして、通常の修正設備で
は、動バランス修正のためにロータの両端付近を切削す
る第1の修正工程と、静バランス修正のためにロータの
中心付近を切削する第2の修正工程とを備えることが多
く、修正工程全体として時間がかかる上に設備の大型化
を招くという問題がある。
【0010】また、従来の方法では、個々のモータロー
タ毎にその静アンバランスや偶アンバランスの大きさ及
び方向が異なるにも拘わらず、最初に設定した方式で修
正が行われるため、極座標方式の修正が選択されると修
正精度を十分に向上できないものが発生し得るという問
題がある。そこで、修正精度を向上するために分力方式
の修正を常に採用する対策が考えられるが、分力方式は
極座標方式に比べて切削回数が増加するため、修正時間
を短縮できず、設備全体の加工効率を向上できないとい
う問題もある。
【0011】さらに、トラバース切削は、プランジ切削
に比べて切削量を大きくすることができるという利点が
ある一方、加工・組み付け公差により、トラバース切削
の方がプランジ切削よりも切削量の誤差が大きくなる場
合があり、プランジ切削とするかトラバース切削とする
かの選択によっても、修正誤差等に問題が生じる。
【0012】そこで、本発明は、モータロータのバラン
ス修正を行うに当たって、修正精度を犠牲にすることな
くシステム全体としての修正時間を短縮することのでき
るモータロータのバランス修正方法及びバランス修正シ
ステムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた本発明のモータロータのバランス修正方法
は、その基本的な構成として、モータロータを製造する
際に発生するアンバランスを、該モータロータの一部を
カッタで切削することにより修正する様にしたモータロ
ータのバランス修正方法において、モータロータのバラ
ンス修正方式として、静修正及び動修正のいずれを採用
すべきかと、バランス修正の方式として極座標方式及び
分力方式のいずれを採用すべきかと、具体的な切削方法
としてプランジ切削及びトラバース切削のいずれを採用
すべきかとを、個々のモータロータ毎に測定したアンバ
ランスの発生状態に基づいて個々のモータロータ毎にそ
れぞれ決定し、該決定の結果に従って個々のモータロー
タ毎に異なる方式によるバランス修正を実行する様に構
成されていることを特徴とする。
【0014】このモータロータのバランス修正方法によ
れば、バランス修正システムにおけるバランス修正方式
を最初から一定の方式に定めずにおき、個々のモータロ
ータ毎に測定したアンバランスの発生状態に基づいて、
当該モータロータのバランス修正方式として、静修正及
び動修正のいずれを採用すべきかと、この静修正か動修
正かの選択の結果として採用されたバランス修正箇所に
おけるバランス修正の方式として極座標方式及び分力方
式のいずれを採用すべきかと、さらに、具体的な切削方
法としてプランジ切削及びトラバース切削のいずれを採
用すべきかとを、個々のモータロータ毎にそれぞれ決定
し、この決定結果に従って個々のモータロータ毎に異な
る方式によるバランス修正を実行することができる。こ
の結果、例えば、初期アンバランスの小さいモータロー
タに対して必要以上に多くの箇所での切削を行うことが
なく、修正時間を必要最小限にすることができる。一
方、初期アンバランスの大きいモータロータに対して
は、要求精度を満足するために一般的に修正量を多く確
保可能な動修正を行い、不良品を発生させることがな
い。
【0015】また、より具体的には、前述のモータロー
タのバランス修正方法において、前記静修正及び動修正
のいずれを採用すべきかの決定に当たっては、前記個々
のモータロータ毎に測定されたアンバランスの発生状態
に応じて、アンバランスの大きさが所定値以上の場合に
動修正とし、所定値未満の場合に静修正とし、前記極座
標方式及び分力方式のいずれを採用すべきかの決定に当
たっては、前記個々のモータロータ毎に測定されたアン
バランスの発生状態から判明する必要切削量と前記カッ
タにより当該モータロータを切削するときのトラバース
切削能力に関する所定の条件とを比較し、前記必要切削
量が前記トラバース切削により十分に切削可能な量の場
合は極座標方式とし、それ以外の場合は分力方式とし、
前記プランジ切削及びトラバース切削のいずれを採用す
べきかの決定に当たっては、前記個々のモータロータ毎
に測定されたアンバランスの発生状態から判明する必要
切削量と前記カッタにより当該モータロータを切削する
ときのプランジ切削能力とを比較し、前記必要切削量が
前記プランジ切削により十分に切削可能な量である場合
はプランジ切削とし、それ以外の場合はトラバース切削
とすることを特徴とするモータロータのバランス修正方
法として構成することができる。
【0016】この具体的なバランス修正方法によれば、
静修正及び動修正のいずれを採用すべきかの決定に当た
っては、個々のモータロータ毎に測定されたアンバラン
スの大きさが所定値と比較され、所定値以上の場合に動
修正とし、所定値未満の場合に静修正とする。これによ
り、静アンバランス又は偶アンバランスの小さいモータ
ロータについてまで動修正を行うことがなく、バランス
修正時間を短縮することができる。逆に、静アンバラン
ス又は偶アンバランスの大きいモータロータに対して
は、一般的に修正量を多く確保可能な動修正によりモー
タロータの両端近傍の2箇所に対してバランス修正のた
めの切削を行うことにより、大きなアンバランスを確実
に除去することができる。
【0017】また、このバランス修正方法では、極座標
方式及び分力方式のいずれを採用すべきかの決定に当た
っては、個々のモータロータ毎に測定されたアンバラン
スの発生状態から判明する必要切削量とカッタにより当
該モータロータを切削するときのトラバース切削能力に
関する所定の条件とを比較し、必要切削量がトラバース
切削により十分に切削可能な量の場合は極座標方式と
し、それ以外の場合は分力方式としている。ここで、分
力方式は精度向上には有利であるが、分力に対応して2
回以上の切削を必要とすることからバランス修正に時間
がかかる。これに対し、極座標方式の場合には精度は若
干劣るものの1回の切削でよく修正時間を短縮できる。
また、トラバース切削はプランジ切削に比べると修正誤
差が大きくなる傾向にある。この様に、必要修正量とト
ラバース切削能力に関する所定条件とを比較して極座標
方式とするか分力方式とするかを決定することにより、
静修正又は動修正のいずれを選択したかによって定まる
バランス修正箇所におけるバランス修正時間をできるだ
け短くすることと、精度を向上することとを両立させ得
る最適なバランス修正方式を選択することができてい
る。
【0018】なお、ここで、トラバース切削能力に関す
る所定の条件としては、トラバース切削能力の上限値で
はなく、これよりも若干低めの値、例えば6〜9割(よ
り望ましくは7〜8割)程度の値を用いるとよい。これ
は、上述の様に、トラバース切削はプランジ切削に比べ
て修正誤差が大きくなることから、その能力の上限値を
基準としないことで、極座標方式による修正誤差とトラ
バース切削による修正誤差が重複して修正誤差が大きく
なってしまうのを避けるためである。また、ここで、必
要切削量及びトラバース切削能力とは、例えば静修正が
選択されている場合には、静修正で除去すべき金属重量
及び静修正を行う箇所でのトラバース切削能力をいい、
動修正が選択されている場合は、動修正を行う2箇所の
それぞれにおいて除去すべき金属重量及びトラバース切
削能力を意味する。
【0019】さらに、このバランス修正方法では、プラ
ンジ切削及びトラバース切削のいずれを採用すべきかの
決定に当たっては、個々のモータロータ毎に測定された
アンバランスの発生状態から判明する必要切削量とカッ
タにより当該モータロータを切削するときのプランジ切
削能力とを比較し、必要切削量がプランジ切削により十
分に切削可能な量である場合はプランジ切削とし、それ
以外の場合はトラバース切削としている。これは、プラ
ンジ切削が可能であるならば、プランジ切削を採用する
ことで、修正時間の短縮と修正精度の向上が共に達成で
きるからである。一方、プランジ切削能力を超える場合
には、修正時間が長くて修正精度が悪くなるとしてもト
ラバース切削を採用せざるを得ないからである。
【0020】また、前述のモータロータのバランス修正
方法において、前記静修正及び動修正のいずれを採用す
べきかの決定に当たり、前記個々のモータロータ毎のア
ンバランスの大きさが前記所定値未満であっても、前記
個々のモータロータ毎に測定されたアンバランスの発生
状態から判明する静修正用の必要切削量と前記カッタに
より当該モータロータを切削するときのトラバース切削
能力とを比較し、前記必要切削量が前記トラバース切削
能力以上である場合は動修正に決定することを特徴とす
るモータロータのバランス修正方法とすることができ
る。
【0021】このバランス修正方法によれば、個々のモ
ータロータ毎のアンバランスの大きさが所定値未満であ
って本来は静修正とすべき場合であっても、個々のモー
タロータ毎に測定されたアンバランスの発生状態から判
明する静修正用の必要切削量とカッタにより当該モータ
ロータを切削するときのトラバース切削能力とを比較
し、必要切削量がトラバース切削能力以上である場合は
動修正に決定している。この様な状況は、静修正に必要
な切削を、1回のトラバース切削では行うことができな
いことを意味するから、どうしても分力修正を採用して
2回の切削を行う必要が生じることになる。従って、動
修正とした場合に最低2回の切削が行われることになる
が、静修正であっても2回の切削が必要であるのと比べ
たときに修正時間が長くなることがない。また、逆に、
静修正では分力方式で2回ともトラバース切削を行った
としても十分にバランス修正を行えない可能性も出てく
る。こうした理由により、この修正方法では、単純にア
ンバランスの大きさだけから動修正とするか静修正とす
るかを決定してしまわずに、さらに、静修正における必
要切削量とトラバース切削能力とを比較して、一般的に
修正量を多く確保でき、修正時間についても長くなり過
ぎることのない動修正を選択しているのである。
【0022】また、上記目的を達成するためになされた
本発明のモータロータのバランス修正システムは、その
基本的な構成として、モータロータを製造する際に発生
するアンバランスを、該モータロータの一部をカッタで
切削することにより修正する様にしたモータロータのバ
ランス修正システムにおいて、個々のモータロータ毎に
アンバランスの発生状態を測定するバランス測定手段
と、該バランス測定手段による測定結果に基づいて、当
該モータロータのバランス修正方式として、静修正及び
動修正のいずれを採用すべきか選択する第1の選択手段
と、前記バランス測定手段による測定結果に基づいて、
当該モータロータのバランス修正方式として、極座標方
式と分力方式の切削のいずれを採用すべきか選択する第
2の選択手段と、前記バランス測定手段による測定結果
に基づいて、当該モータロータのバランス修正方式とし
て、プランジ切削とトラバース切削のいずれを採用すべ
きか選択する第3の選択手段と、前記第1、第2及び第
3の選択手段によって選択されたバランス修正方式に従
って、修正を行うバランス修正手段とを備えていること
を特徴とする。
【0023】このバランス修正システムによれば、バラ
ンス測定手段が個々のモータロータ毎にアンバランスの
発生状態を測定し、この測定結果に基づいて、当該モー
タロータのバランス修正方式として、第1の選択手段が
静修正及び動修正のいずれを採用すべきか選択し、第2
の選択手段が極座標方式と分力方式の切削のいずれを採
用すべきか選択し、第3の選択手段がプランジ切削とト
ラバース切削のいずれを採用すべきか選択する。そし
て、これら第1、第2及び第3の選択手段によって選択
されたバランス修正方式に従って、バランス修正手段
が、当該モータロータの一部をカッタで切削してバラン
ス修正を行う。この結果、この修正システムによれば、
個々のモータロータ毎に、静修正が選択されたり、動修
正が選択されたりし、また、極座標方式が選択されたり
分力方式が選択されたりし、さらに、プランジ切削が選
択されたりトラバース切削が選択されることになり、各
モータロータは、そのアンバランスの発生状態に応じ
て、修正時間と修正精度の両面から、それぞれについて
最適なバランス修正方式によってバランス修正を実行さ
れることになる。
【0024】ここで、より具体的には、このモータロー
タのバランス修正システムにおいて、前記第1の選択手
段を、前記バランス測定手段により個々のモータロータ
毎に測定されたアンバランスの発生状態に応じて、アン
バランスの大きさが所定値以上の場合に動修正を選択
し、所定値未満の場合に静修正を選択する手段として構
成し、前記第2の選択手段を、前記バランス測定手段に
より個々のモータロータ毎に測定されたアンバランスの
発生状態から判明する必要切削量と前記カッタにより当
該モータロータを切削するときのトラバース切削能力に
関する所定の条件とを比較し、前記必要切削量が前記ト
ラバース切削により十分に切削可能な量の場合は極座標
方式を選択し、それ以外の場合は分力方式を選択する手
段として構成し、前記第3の選択手段を、前記バランス
測定手段により個々のモータロータ毎に測定されたアン
バランスの発生状態から判明する必要切削量と前記カッ
タにより当該モータロータを切削するときのプランジ切
削能力とを比較し、前記必要切削量が前記プランジ切削
により十分に切削可能な量である場合はプランジ切削を
選択し、それ以外の場合はトラバース切削を選択する手
段として構成することができる。
【0025】このより具体的なバランス修正システムに
よれば、個々のモータロータ毎に、静修正とすべきか動
修正とすべきか、極座標方式とすべきか分力方式とすべ
きか及びプランジ切削とすべきかトラバース切削とすべ
きかを、上述した本発明の具体的なバランス修正方法に
則って実行することができる。従って、このバランス修
正システムによれば、個々のモータロータに対して、修
正時間及び修正精度の両面から考えたときに最適なバラ
ンス修正方式を適切に選択して実行することができる。
なお、ここでも、トラバース切削能力に関する所定の条
件としては、トラバース切削能力の上限値ではなく、こ
れよりも若干低めの値、例えば6〜9割(より望ましく
は7〜8割)程度の値を用いるとよい。その理由は、既
にバランス修正方法に関して説明した通りである。
【0026】なお、この具体的なモータロータのバラン
ス修正システムにおいても、前記第1の選択手段を、前
記個々のモータロータ毎のアンバランスの大きさが前記
所定値未満であっても、前記個々のモータロータ毎に測
定されたアンバランスの発生状態から判明する静修正用
の必要切削量と前記カッタにより当該モータロータを切
削するときのトラバース切削能力とを比較し、前記必要
切削量が前記トラバース切削能力以上である場合は動修
正を選択する手段として構成することが望ましい。
【0027】これは、既にバランス修正方法について述
べた様に、静修正を行ったとしても2回の切削が必要に
なるのであれば、より修正精度を向上できる動修正とし
ても差し支えないばかりか、修正時間も大差がなくなる
からである。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施の形態につ
いて説明する。この実施の形態のモータロータのバラン
ス修正システムは、図1に示す様に、モータロータのバ
ランスを測定するバランス測定機10と、このバランス
測定機10による測定結果を入力するシーケンサ20
と、このシーケンサ20との間で必要なデータの授受を
行うパネルコンピュータ30と、このパネルコンピュー
タ30用のバックアップ電源40と、パネルコンピュー
タ30が算出した制御データに従ってシーケンサ20に
より駆動制御されるバランス修正機50と、図示を省略
した搬送ラインとによって構成されている。
【0029】バランス測定機10は、モータロータのア
ンバランスをコンミュテータ側(以下、「コンミ側」と
いう。)とファン側の2面で計測する装置で、静バラン
ス及び偶バランス、あるいは動バランスの計測結果を表
示及び出力することができるものである。
【0030】シーケンサ20は、バランス修正機50の
備えているアクチュエータやサーボモータの制御を行う
ものである。また、操作画面の切り替え等を行うと共
に、本実施の形態のバランス修正システムにおいてバラ
ンス修正可能なモータロータについての各モデルのデー
タを記憶したRAMを備えている。このRAMに記憶さ
れるデータは、モータロータのモデルNo.毎に、それ
ぞれの偶アンバランスの許容値である「管理値」や、静
バランス修正範囲、コンミ側修正範囲、ファン側修正範
囲である。
【0031】ここで、シーケンサ20に記憶されるモデ
ルNo.とデータとの関係を少し詳しく説明しておく。
図2に示す様に、モータロータの積層コアの軸方向中心
を基準線として、偶アンバランスが大きい場合に動修正
を実行する際のコンミ側のトラバース切削の左端を規定
する位置e及びトラバース切削の右端を規定する位置
f、ファン側のトラバース切削の右端を規定する位置j
及びトラバース切削の左端を規定する位置i、偶アンバ
ランスが小さくて静アンバランスの修正で足りる場合の
トラバース切削の右端を規定する位置g及びトラバース
切削の左端を規定する位置hが各モデル毎に管理値等と
共に記憶されている。また、モデルNo.によっては静
修正のみが設定され、この場合にはg,hの幅を通常よ
り広く設けることもある。
【0032】パネルコンピュータ30は、バランス測定
機10から出力されたバランス測定結果を、シーケンサ
20を介して受信し、後述するプログラムを実行して個
々のモータロータ毎の修正方式等を決定した後、これを
修正用データとしてシーケンサ20へ返す様に構成され
ている。また、操作盤としての機能も持っている。そし
て、このパネルコンピュータ30が実行する後述のプロ
グラムや、このプログラムを実行するために必要な各種
設定値等は、このパネルコンピュータ30が内蔵してい
るハードディスク内に予め保管されており、オペレーテ
ィングシステムを立ち上げたときに自動的に設定される
様になっている。
【0033】バランス修正機50は、図3(A),
(B)に示す様に、鼓型のフォームドカッタ51を着脱
可能に装着されるカッタスピンドル52と、このカッタ
スピンドル52を回転駆動する駆動モータ53と、これ
らカッタスピンドル52及び駆動モータ53を固定され
たカッタベース54と、このカッタベース54を図3
(B)の左右方向であるX軸方向スライド可能に支持す
る昇降体55と、この昇降体55を上下方向であるZ軸
方向スライド可能に支持する修正機本体56と、カッタ
ベース54のX軸方向の位置制御を行うX軸用サーボモ
ータ57と、昇降体55のZ軸方向の位置制御を行うZ
軸用サーボモータ58と、被削ワークWを固定するワー
ククランプ61と、同じく被削ワークWの側面のスロッ
トに嵌合して位置決めを行うロケーティングピン62と
を主要な構成要素として備えている。なお、カッタベー
ス54及び昇降体55は、ネジ送り機構を利用して各サ
ーボモータ57,58により高精度に位置制御される構
成となっている。また、ワーククランプ61及びロケー
ティングピン62は、エアシリンダをアクチュエータと
して駆動制御される構成となっている。なお、被削ワー
クWの回転軸は、図示を省略した支持部材によって水平
に支持されている。
【0034】次に、パネルコンピュータ30によって実
行されるバランス修正方式決定処理の内容について説明
する。この演算処理は、図4〜図7のフローチャートに
示す様な手順で実行されている。なお、本処理に先立っ
て、バランス修正の対象となるモータロータのモデルN
o.=nを作業者が指定することにより、シーケンサ2
0内に記憶しておいた各種データの内、これから説明す
る処理における判定に用いる当該モデルに関する偶管理
値Gn等がパネルコンピュータ30側に送信される。
【0035】このパネルコンピュータ30によるバラン
ス修正方式決定処理においては、まず最初に、シーケン
サ20からバランス測定機10により測定された静バラ
ンス及び偶バランスに関する測定結果を受信する(S1
0)。そして、この受信結果の内、偶バランスの大きさ
を表す偶測定値と、このモデルに関して先に保管してお
いた偶管理値Gnとを比較する(S20)。この比較に
おいて、偶測定値が当該モデルの偶管理値Gn未満であ
ると判定された場合は(S20:YES)、次に静バラ
ンスの大きさを表す静測定値と当該モデルに関する静ト
ラバース修正量STnとを比較する(S30)。この比
較において、静測定値が静トラバース修正量STn未満
であると判定された場合は(S30:YES)、修正方
式として静修正位置だけでバランス調整を行う「静修
正」を選択する(S40)。一方、偶測定値が偶管理値
Gn以上の場合(S20:NO)、及び偶測定値は偶管
理値Gn未満であるものの静測定値が静トラバース修正
量STn以上である場合には(S20:YES,S3
0:NO)、修正方式として、コンミ側修正位置とファ
ン側修正位置の2箇所を切削してバランス調整を行う
「動修正」を選択する(S50)。この様にして、シー
ケンサ20を介して受信したバランス測定データに基づ
いて、静バランス修正で足りるか、動バランス修正を行
わなければならないかが、まず、決定される。
【0036】次に、静修正が選択された後の処理につい
て説明する。静修正選択後の最初の処理では、静測定値
と当該モデルに関する静トラバース修正量STnに1未
満の所定係数Kを乗じた値K・STnとを比較する(S
60)。この比較において、静測定値がK・STn未満
であると判定された場合は(S60:YES)、修正方
式として極座標方式(以下、「極座修正」という。)を
選択する(S70)。一方、静測定値がK・STn以上
である場合には(S60:NO)、修正方式として、分
力方式(以下「分力修正」という。)を選択する(S8
0)。この様にして、「静修正」を選択した後も、静測
定値と静トラバース修正量との関係に応じて、「極座修
正」と「分力修正」のいずれによる修正を行うかが決定
される。
【0037】次に、極座修正が選択された後の処理につ
いて説明する。静修正における極座修正選択後の最初の
処理では、静測定値と当該モデルに関する静プランジ修
正量SPnとを比較する(S90)。この比較におい
て、静測定値が静プランジ修正量SPn未満であると判
定された場合は(S90:YES)、最終的な修正方式
として、「静修正」による「極座修正」であってプラン
ジ切削方式による修正(以下、「静・極座・プランジ修
正」という。)を設定する(S100)。一方、静測定
値がSPn以上である場合には(S90:NO)、最終
的な修正方式として、「静修正」による「極座修正」で
あってトラバース切削方式による修正(以下、「静・極
座・トラバース修正」という。)を設定する(S11
0)。そして、最終的に設定した修正方式をシーケンサ
20に対して返信して本処理を抜ける(S120)。な
お、S120の指令では、「静・極座・プランジ修正」
という修正方式を指令する場合には、プランジ切削の深
さに関するデータも併せて指令される。同じく、「静・
極座・トラバース修正」という修正方式を指令する場合
には、トラバース切削の深さに関するデータも併せて指
令される。
【0038】次に、分力修正が選択された後の処理につ
いて説明する。静修正における分力修正選択後の最初の
処理では、図5に示す様に、まず、静測定値とその静ア
ンバランス方向とに基づいて、図12(C),(D)に
例示したのと同様に分力計算を実行する(S210)。
そして、この分力計算の結果に従って、まず、図12
(C),(D)に例示した修正範囲1及び修正範囲2の
それぞれに対する修正方式を決定する処理を実行する。
以下の説明では、分力計算によって算出された修正範囲
1に対する切削量に相当する値を分力1といい、修正範
囲2に対する切削量に相当する値を分力2という。
【0039】まず最初に、分力1と静プランジ修正量S
Pnとを比較する(S220)。この比較において、分
力1が静プランジ修正量SPn未満であると判定された
場合は(S220:YES)、修正範囲1に対する最終
的な修正方式として、「静修正」による「分力修正」で
あってプランジ切削方式による修正(以下、「静・分力
1・プランジ修正」という。)を設定する(S23
0)。一方、分力1がSPn以上である場合(S22
0:NO)には、修正範囲2に対する最終的な修正方式
として、「静修正」による「分力修正」であってトラバ
ース切削方式による修正(以下、「静・分力1・トラバ
ース修正」という。)を設定する(S240)。こうし
て、分力1に関してプランジ切削又はトラバース切削の
いずれの方式によるかを決定したら、続いて、分力2と
静プランジ修正量SPnとを比較する(S250)。そ
して、分力2が静プランジ修正量SPn未満であると判
定された場合は(S250:YES)、修正範囲2に対
する最終的な修正方式として、「静修正」による「分力
修正」であってプランジ切削方式による修正(以下、
「静・分力2・プランジ修正」という。)を設定する
(S260)。一方、分力2がSPn以上である場合
(S250:NO)には、修正範囲2に対する最終的な
修正方式として、「静修正」による「分力修正」であっ
てトラバース切削方式による修正(以下、「静・分力2
・トラバース修正」という。)を設定する(S27
0)。以上の様にして、修正範囲1及び修正範囲2のそ
れぞれに対する修正方式を設定することができたら、S
120へ進んでこの設定結果に従って修正方式をシーケ
ンサ20に対して指令する。このときも、修正範囲1及
び修正範囲2に対するプランジ切削又はトラバース切削
の深さに関するデータも併せて指令される。
【0040】次に、S20,S30の判定結果により動
修正が選択された場合のその後の処理について説明す
る。図6に示す様に、動修正選択後の最初の処理では、
まず、S10で受信した測定結果に基づいて、動バラン
スデータを算出する処理を実行する(S310)。この
処理は、静バランス、偶バランス及び動バランスがそれ
ぞれベクトル表現により、図8に演算式と共に示した模
式図の様な関係にあることを利用して、S10で受信し
た静バランス及び偶バランス測定結果に基づいて図示の
式の様な演算を実行する処理として構成されている。即
ち、コンミ側の動バランスベクトルXC は、コンミ側の
偶バランスベクトルXGCと静バランスベクトルXS の1
/2のベクトル和として算出することができ、また、フ
ァン側の動バランスベクトルXF は、ファン側の偶バラ
ンスベクトルXGFと静バランスベクトルXS の1/2の
ベクトル和として算出することができる。また、偶力の
特性として、コンミ側偶バランスベクトルXGCとファン
側偶バランスベクトルXGFとは大きさが等しくなってい
る。なお、図8に記載される通り、動バランスベクトル
XC ,XF が与えられれば、逆に、静バランスベクトル
XS 、コンミ側偶バランスベクトルXGC、ファン側偶バ
ランスベクトルXGFを演算によって求めることができ
る。
【0041】こうして動バランスデータが算出できた
ら、まず、ファン側動バランスベクトルXF の大きさ
(以下、「動右測定値」という。)と当該モデルに関す
る動右トラバース修正量DRTnに1未満の係数Kを乗
じた値とを比較する(S320)。この比較において、
動右測定値がK・DRTn未満であると判定された場合
は(S320:YES)、ファン側の動修正の方式とし
て、極座修正を選択する(S330)。この後は、静修
正の場合と同様に、動右測定値と当該モデルに関する動
右プランジ修正量DRPnとを比較する(S340)。
この比較において、動右測定値が動右プランジ修正量D
RPn未満であると判定された場合は(S340:YE
S)、ファン側の動修正領域に対する最終的な修正方式
として、「動修正」による「極座修正」であってプラン
ジ切削方式による修正(以下、「動右・極座・プランジ
修正」という。)を設定する(S350)。一方、動右
測定値がDRPn以上である場合には(S340:N
O)、ファン側の動修正領域に対する最終的な修正方式
として、「動修正」による「極座修正」であってトラバ
ース切削方式による修正(以下、「動右・極座・トラバ
ース修正」という。)を設定する(S360)。
【0042】一方、動右測定値がK・DRTn以上の場
合には(S320:NO)、ファン側の動修正の方式と
して、分力修正を選択する(S370)。この後は、静
修正の場合と同様に、分力計算を実行する(S41
0)。以下の説明では、分力計算によって算出された修
正範囲1に対する切削量に相当する値を分力R1とい
い、修正範囲2に対する切削量に相当する値を分力R2
という。
【0043】まず最初に、分力R1と動右プランジ修正
量DRPnとを比較し(S420)、分力R1が動右プ
ランジ修正量DRPn未満であると判定された場合は
(S420:YES)、ファン側の修正範囲1に対する
最終的な修正方式として、「動修正」による「分力修
正」であってプランジ切削方式による修正(以下、「動
右・分力R1・プランジ修正」という。)を設定する
(S430)。一方、分力R1がDRPn以上である場
合(S420:NO)には、ファン側の修正範囲1に対
する最終的な修正方式として、「動修正」による「分力
修正」であってトラバース切削方式による修正(以下、
「動右・分力R1・トラバース修正」という。)を設定
する(S440)。こうして、分力R1に関してプラン
ジ切削又はトラバース切削のいずれの方式によるかを決
定したら、続いて、分力R2と動右プランジ修正量DR
Pnとを比較し(S450)、分力R2が動右プランジ
修正量DRPn未満であると判定された場合は(S45
0:YES)、ファン側の修正範囲2に対する最終的な
修正方式として、「動修正」による「分力修正」であっ
てプランジ切削方式による修正(以下、「動右・分力R
2・プランジ修正」という。)を設定する(S46
0)。一方、分力R2がDRPn以上である場合には
(S450:NO)、ファン側の修正範囲2に対する最
終的な修正方式として、「動修正」による「分力修正」
であってトラバース切削方式による修正(以下、「動右
・分力R2・トラバース修正」という。)を設定する
(S470)。
【0044】以上の様にして、ファン側の修正範囲1及
び修正範囲2のそれぞれに対する修正方式を設定するこ
とができたら、次に、図7に示す様に、コンミ側動バラ
ンスベクトルXC の大きさ(以下、「動左測定値」とい
う。)と当該モデルに関する動左トラバース修正量DL
Tnに1未満の係数Kを乗じた値とを比較する(S52
0)。この比較において、動左測定値がK・DLTn未
満であると判定された場合は(S520:YES)、コ
ンミ側の動修正の方式として、極座修正を選択する(S
530)。この後は、静修正等の場合と同様に、動左測
定値と当該モデルに関する動左プランジ修正量DLPn
とを比較する(S540)。この比較において、動左測
定値が動左プランジ修正量DLPn未満であると判定さ
れた場合は(S540:YES)、コンミ側の動修正領
域に対する最終的な修正方式として、「動修正」による
「極座修正」であってプランジ切削方式による修正(以
下、「動左・極座・プランジ修正」という。)を設定す
る(S550)。一方、動左測定値がDLPn以上であ
る場合には(S540:NO)、コンミ側の動修正領域
に対する最終的な修正方式として、「動修正」による
「極座修正」であってトラバース切削方式による修正
(以下、「動左・極座・トラバース修正」という。)を
設定する(S560)。
【0045】一方、動左測定値がK・DLTn以上の場
合には(S520:NO)、コンミ側の動修正の方式と
して、分力修正を選択する(S570)。この後は、静
修正等の場合と同様に、分力計算を実行する(S61
0)。以下の説明では、分力計算によって算出された修
正範囲1に対する切削量に相当する値を分力L1とい
い、修正範囲2に対する切削量に相当する値を分力L2
という。
【0046】まず最初に、分力L1と動左プランジ修正
量DLPnとを比較し(S620)、分力L1が動左プ
ランジ修正量DLPn未満であると判定された場合は
(S420:YES)、コンミ側の修正範囲1に対する
最終的な修正方式として、「動修正」による「分力修
正」であってプランジ切削方式による修正(以下、「動
左・分力L1・プランジ修正」という。)を設定する
(S630)。一方、分力L1がDLPn以上である場
合には(S620:NO)、コンミ側の修正範囲2に対
する最終的な修正方式として、「動修正」による「分力
修正」であってトラバース切削方式による修正(以下、
「動左・分力L1・トラバース修正」という。)を設定
する(S640)。こうして、分力L1に関してプラン
ジ切削又はトラバース切削のいずれの方式によるかを決
定したら、続いて、分力L2と動左プランジ修正量DL
Pnとを比較し(S650)、分力L2が動左プランジ
修正量DLPn未満であると判定された場合は(S65
0:YES)、コンミ側の修正範囲2に対する最終的な
修正方式として、「動修正」による「分力修正」であっ
てプランジ切削方式による修正(以下、「動左・分力L
2・プランジ修正」という。)を設定する(S66
0)。一方、分力L2がDLPn以上である場合には
(S650:NO)、コンミ側の修正範囲2に対する最
終的な修正方式として、「動修正」による「分力修正」
であってトラバース切削方式による修正(以下、「動左
・分力L2・トラバース修正」という。)を設定する
(S670)。
【0047】以上の様にして、動修正を選択した場合に
ついては、ファン側の修正方式及びコンミ側の修正方式
のそれぞれを設定し、そして、最終的に設定した修正方
式をシーケンサ20に対して返信して本処理を抜ける
(S120)。なお、ここでも、「動右・極座・プラン
ジ修正」、「動右・極座・トラバース修正」、「動左・
極座・プランジ修正」、「動左・極座・トラバース修
正」、「動右・分力R1・トラバース修正」、「動右・
分力R2・プランジ修正」、「動左・分力L1・トラバ
ース修正」及び「動左・分力L2・プランジ修正」の各
修正方式の指令に当たっては、それぞれの方式における
プランジ切削の深さ及びトラバース切削の深さに関する
データも併せて指令される。
【0048】以上説明した様に、本実施の形態によれ
ば、バランス測定機10により個々のモータロータの静
バランス及び偶バランスを測定し、この測定結果に従っ
て、偶バランスが小さいものは積層コアの中央部付近の
1箇所だけを切削する静修正方式を選択し、偶バランス
が大きいものについては積層コアの両端付近の2箇所を
切削する動修正方式を選択する。また、静修正方式を選
択した場合においても、静トラバース修正量に対して1
未満の係数を乗じた値と静測定値とを比較した結果に基
づいて、極座修正(極座標方式の修正)とするか分力修
正(分力方式の修正)とするかを選択する様に構成され
ている。そして、極座修正又は分力修正が選択された後
も、さらに、静プランジ修正量と静測定値又は分力1,
分力2との大小関係を比較し、最終的にプランジ切削と
するかトラバース切削とするかを選択している。これに
より、偶アンバランスの小さいモータロータに対するバ
ランス修正方式として、「(1)静修正による極座標方
式のプランジ切削」、「(2)静修正による極座標方式
のトラバース切削」、「(3)静修正による分力方式の
プランジ切削」、「(4)静修正による分力方式のトラ
バース切削」、「(5)静修正による分力方式のプラン
ジ切削とトラバース切削の併用」といった種々の方式の
中から、加工時間をできるだけ短くし、しかも十分な精
度を維持できるバランス修正方式を選択することができ
る。
【0049】同様に、偶バランスが大きいものに対して
は、動修正方式を選択すると共に、その動修正の具体的
方法として、極座標方式と分力方式の中から最適な方式
を選択し、さらに、プランジ切削とトラバース切削の中
から最適な方式を選択する構成となっている。加えて、
動修正の方式において、ファン側の修正方式とコンミ側
の修正方式とをそれぞれ別個に設定することができる。
【0050】以上の様な作用により、本実施の形態によ
れば、個々のモータロータが有する固有の静バランス及
び偶バランスに基づいて、できるだけ短時間で、しかも
十分に精度を上げられる方式を選択してバランス修正を
行うことができ、従来の様に、加工時間又は精度のいず
れかを犠牲にすることなく、最適な修正方式を選択して
1つの修正工程においてこれを実行することができる。
また、バランス修正後の個々のモータロータについて
は、必要以上に大きな切削を行うことがないので、バラ
ンス修正によるモータの回転トルクの減少を最小限に抑
えることができる。従って、バランス修正の対象となる
被削ワークWに対しては、無駄な切削を行わず、必要最
小限の加工時間にて、求められる加工精度を得ると共
に、回転トルクの減少を最小限に抑えることができてい
る。また、修正工程は1つで済むので、設備の小型化も
可能にしている。
【0051】また、S60,S320及びS520の判
定において、トラバース切削量そのものではなく、これ
に1未満の係数Kを乗じた値と比較して極座修正とする
か分力修正とするかを選択する構成を採用している。こ
れは、トラバース切削はプランジ切削に比べて修正誤差
が大きくなることから、極座修正で能力いっぱいのトラ
バース切削を実行すると両方式の修正誤差が重複して精
度を悪くするのを防止するためである。
【0052】なお、上述の制御処理において測定値等と
の比較に用いた静トラバース修正量STn、静プランジ
修正量SPn、動右トラバース修正量DRTn、動右プ
ランジ修正量DRPn、動左トラバース修正量DLT
n、動左プランジ修正量DLPnは、モデルNo.等が
与えられることにより、パネルコンピュータ30の内部
演算によって算出される様に構成されている。
【0053】以上、本発明の一実施の形態について説明
したが、本発明はこの実施の形態に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲内においてさらに種々の
形態を採用することができることはもちろんである。
【0054】例えば、上述の実施の形態では、バランス
測定機10によってモータロータの静バランス及び偶バ
ランスを測定した結果に基づいて、個々のモータロータ
に対して最適なバランス修正方式を選択する構成として
いるが、モータロータのバランスとしては動バランスを
測定し、この測定結果に基づいて個々のモータロータに
対して最適なバランス修正方式を選択する様に構成して
も構わない。
【0055】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、モ
ータロータのバランス修正を行うに当たって、個々のモ
ータロータ毎に、修正時間と修正精度の両面から考えて
最適となる修正方式を採用してバランス修正を行うこと
ができるので、修正精度を犠牲にすることなくシステム
全体としての修正時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態としてのモータロータバランス修
正システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態において個々のモデル毎にシーケ
ンサに予め記憶しておくデータに関する説明図である。
【図3】 実施の形態におけるバランス修正機を示し、
(A)は正面図、(B)はその右側面図である。
【図4】 実施の形態において実行されるバランス修正
方式選択処理の内容の一部を示すフローチャートであ
る。
【図5】 実施の形態において実行されるバランス修正
方式選択処理の内容の一部を示すフローチャートであ
る。
【図6】 実施の形態において実行されるバランス修正
方式選択処理の内容の一部を示すフローチャートであ
る。
【図7】 実施の形態において実行されるバランス修正
方式選択処理の内容の一部を示すフローチャートであ
る。
【図8】 実施の形態において静バランス及ぶ偶バラン
スの測定結果から動バランスを演算する手法に関する式
を含む説明図である。
【図9】 モータロータにおけるアンバランスの発生原
因等を示す模式図である。
【図10】 モータロータに許容値を超える静アンバラ
ンスが存在することによる影響を示す模式図である。
【図11】 モータロータに許容値を超える偶アンバラ
ンスが存在することによる影響を示す模式図である。
【図12】 モータロータのバランス修正方式の内の、
極座標方式のバランス修正と分力方式のバランス修正と
について示す説明図である。
【符号の説明】
10・・・バランス測定機、20・・・シーケンサ、3
0・・・パネルコンピュータ、40・・・バックアップ
電源、50・・・バランス修正機、51・・・フォーム
ドカッタ、52・・・カッタスピンドル、53・・・駆
動モータ、54・・・カッタベース、55・・・昇降
体、56・・・修正機本体、57・・・X軸用サーボモ
ータ、58・・・Z軸用サーボモータ、61・・・ワー
ククランプ、62・・・ロケーティングピン、W・・・
被削ワーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 1/34 G01M 1/38 G01R 31/34 H02K 15/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータロータを製造する際に発生するア
    ンバランスを、該モータロータの一部をカッタで切削す
    ることにより修正する様にしたモータロータのバランス
    修正方法において、 モータロータのバランス修正方式として、静修正及び動
    修正のいずれを採用すべきかと、バランス修正の方式と
    して極座標方式及び分力方式のいずれを採用すべきか
    と、具体的な切削方法としてプランジ切削及びトラバー
    ス切削のいずれを採用すべきかとを、個々のモータロー
    タ毎に測定したアンバランスの発生状態に基づいて個々
    のモータロータ毎にそれぞれ決定し、該決定の結果に従
    って個々のモータロータ毎に異なる方式によるバランス
    修正を実行する様に構成されていることを特徴とするモ
    ータロータのバランス修正方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のモータロータのバランス
    修正方法において、 前記静修正及び動修正のいずれを採用すべきかの決定に
    当たっては、前記個々のモータロータ毎に測定されたア
    ンバランスの発生状態に応じて、アンバランスの大きさ
    が所定値以上の場合に動修正とし、所定値未満の場合に
    静修正とし、 前記極座標方式及び分力方式のいずれを採用すべきかの
    決定に当たっては、前記個々のモータロータ毎に測定さ
    れたアンバランスの発生状態から判明する必要切削量と
    前記カッタにより当該モータロータを切削するときのト
    ラバース切削能力に関する所定の条件とを比較し、前記
    必要切削量が前記トラバース切削により十分に切削可能
    な量の場合は極座標方式とし、それ以外の場合は分力方
    式とし、 前記プランジ切削及びトラバース切削のいずれを採用す
    べきかの決定に当たっては、前記個々のモータロータ毎
    に測定されたアンバランスの発生状態から判明する必要
    切削量と前記カッタにより当該モータロータを切削する
    ときのプランジ切削能力とを比較し、前記必要切削量が
    前記プランジ切削により十分に切削可能な量である場合
    はプランジ切削とし、それ以外の場合はトラバース切削
    とすることを特徴とするモータロータのバランス修正方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のモータロータのバランス
    修正方法において、 前記静修正及び動修正のいずれを採用すべきかの決定に
    当たり、前記個々のモータロータ毎のアンバランスの大
    きさが前記所定値未満であっても、前記個々のモータロ
    ータ毎に測定されたアンバランスの発生状態から判明す
    る静修正用の必要切削量と前記カッタにより当該モータ
    ロータを切削するときのトラバース切削能力とを比較
    し、前記必要切削量が前記トラバース切削能力以上であ
    る場合は動修正に決定することを特徴とするモータロー
    タのバランス修正方法。
  4. 【請求項4】 モータロータを製造する際に発生するア
    ンバランスを、該モータロータの一部をカッタで切削す
    ることにより修正する様にしたモータロータのバランス
    修正システムにおいて、 個々のモータロータ毎にアンバランスの発生状態を測定
    するバランス測定手段と、 該バランス測定手段による測定結果に基づいて、当該モ
    ータロータのバランス修正方式として、静修正及び動修
    正のいずれを採用すべきか選択する第1の選択手段と、 前記バランス測定手段による測定結果に基づいて、当該
    モータロータのバランス修正方式として、極座標方式と
    分力方式の切削のいずれを採用すべきか選択する第2の
    選択手段と、 前記バランス測定手段による測定結果に基づいて、当該
    モータロータのバランス修正方式として、プランジ切削
    とトラバース切削のいずれを採用すべきか選択する第3
    の選択手段と、 前記第1、第2及び第3の選択手段によって選択された
    バランス修正方式に従って、修正を行うバランス修正手
    段とを備えていることを特徴とするモータロータのバラ
    ンス修正システム。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のモータロータのバランス
    修正システムにおいて、 前記第1の選択手段を、前記バランス測定手段により個
    々のモータロータ毎に測定されたアンバランスの発生状
    態に応じて、アンバランスの大きさが所定値以上の場合
    に動修正を選択し、所定値未満の場合に静修正を選択す
    る手段として構成し、 前記第2の選択手段を、前記バランス測定手段により個
    々のモータロータ毎に測定されたアンバランスの発生状
    態から判明する必要切削量と前記カッタにより当該モー
    タロータを切削するときのトラバース切削能力に関する
    所定の条件とを比較し、前記必要切削量が前記トラバー
    ス切削により十分に切削可能な量の場合は極座標方式を
    選択し、それ以外の場合は分力方式を選択する手段とし
    て構成し、 前記第3の選択手段を、前記バランス測定手段により個
    々のモータロータ毎に測定されたアンバランスの発生状
    態から判明する必要切削量と前記カッタにより当該モー
    タロータを切削するときのプランジ切削能力とを比較
    し、前記必要切削量が前記プランジ切削により十分に切
    削可能な量である場合はプランジ切削を選択し、それ以
    外の場合はトラバース切削を選択する手段として構成す
    ることを特徴とするモータロータのバランス修正システ
    ム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のモータロータのバランス
    修正システムにおいて、 前記第1の選択手段を、前記個々のモータロータ毎のア
    ンバランスの大きさが前記所定値未満であっても、前記
    個々のモータロータ毎に測定されたアンバランスの発生
    状態から判明する静修正用の必要切削量と前記カッタに
    より当該モータロータを切削するときのトラバース切削
    能力とを比較し、前記必要切削量が前記トラバース切削
    能力以上である場合は動修正を選択する手段として構成
    することを特徴とするモータロータのバランス修正シス
    テム。
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