JP3406791B2 - 不焼成SiC成形体を用いた焼却炉炉壁の構築方法 - Google Patents
不焼成SiC成形体を用いた焼却炉炉壁の構築方法Info
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Description
な腐食雰囲気に曝される焼却炉の炉壁を構築する方法に
関する。
する一方にある。これらの廃棄物を処理するため、可燃
ゴミを焼却するためにゴミ焼却炉が建造されている。こ
の種のゴミ焼却炉としては、たとえば図1に示す構造を
もつストーカ式焼却炉が知られている。この焼却炉で
は、投入口1から投入されたゴミは、プッシャー2で燃
焼帯3に押し込まれ、予熱空気と共に燃焼する。燃焼に
よって発生した排ガスは、排ガス筒4から送り出され、
熱回収される。燃焼残渣は、冷却帯5を経て炉外に排出
される。ゴミ焼却炉で発生する燃焼生成物は、塩素ガ
ス,亜硫酸ガス,アルカリ等の腐食性成分を含んでお
り、炉壁や熱回収系統等を急速に侵食する。熱回収系統
では、チューブ,フィン等の金属部材に対してSiCを
含む不定形耐火物をライニングすることにより、燃焼生
成物による侵食を抑制する手段が採用されている。他
方、焼却炉では、SiCの優れた高温特性を活用し、ク
レーボンドSiC煉瓦,窒珪ボンドSiC煉瓦,酸窒化
ケイ素ボンドSiC煉瓦等が使用されている。
温部は、塩素ガス,SOx ,P2 O5 ,アルカリ等の腐
食性成分を含む過酷な腐食環境にある。また、SiC煉
瓦焼成時の温度に比較して低温で、しかも水蒸気分圧が
高い雰囲気となっている。そのため、連続酸化が発生し
易く、SiC系煉瓦を使用した場合にも短期間に剥離,
欠損,割れ等のトラブルが発生し、焼却炉の寿命を低下
させる。本発明者等は、このような雰囲気に曝されたと
き優れた耐久性を発揮する耐火物として不焼成SiC成
形体が有効であることを見い出し、同日付けで別途出願
した(整理番号8P373)。本発明は、提案した不焼
成SiC成形体が不定形のSiC系耐火物と実質的に同
じ材質及び状態であることに着目し、種々異なる形状や
曲面をもつ炉壁に対しても、不焼成SiC成形体で施工
性良く焼却炉の炉壁を構築することを目的とする。
築方法は、その目的を達成するため、SiC粒子をアル
ミナセメント,水ガラス,リン酸等のバインダで結合し
た不焼成SiC成形体を炉殻の表面方向及び直角方向に
関して所定間隔で配置し、配設した不焼成SiC成形体
の隙間をSiC系不定形耐火物で充填する。不焼成Si
C成形体は、必要に応じて直接的又は間接的に固定金物
で背面側の鉄皮に固定される。また、表面近傍の応力を
開放させるスコアラインを適宜の箇所に形成し、炉壁耐
火物の大きな座屈や破損を防止できる。
ト,水ガラス,リン酸等のバインダを配合したSiC粉
末を所定形状に成形し、熱処理することによって製造さ
れる。また、必要に応じ、解膠剤,分散剤,強度付与
剤,硬化剤,可塑剤等の1種又は2種以上を配合しても
良い。この不焼成SiC成形体は、表層部及び内部共に
SiCの均一相組織をもち、従来の焼結型SiC煉瓦の
ようにSiC層とSiO2 層との2層構造になっていな
い。そのため、焼却炉炉壁として水蒸気分圧が大きな8
00〜1000℃の温度雰囲気に曝されても、内部酸化
に起因する体積膨張によって脆弱化し、座屈,破損等の
トラブルを発生させることもない。すなわち、物理的に
も化学的にも同一SiC粒子及び同一ケミカルボンドが
内層及び外層にわたって均一に分布し、且つ気相拡散を
必要としない製造工程を経由しているので、一段と緻密
な組織になっている。
このような特徴から通気性が低く、たとえば通常の燃焼
室温度900〜1100℃に匹敵する1000℃に50
〜100時間加熱する酸化テストの結果としても、表層
の0.5〜1mm程度に酸化が限られ、酸化による重量
増加も0.3〜0.5%程度に過ぎない。実炉の900
〜1100℃の一次燃焼雰囲気下に3か月曝した試験で
も、表面が変色するのみで、重量増加は0.2%以下に
過ぎない。しかも、マイクロクラックが皆無であるた
め、内部酸化は全く生じない。また、SiC粒子がアル
ミナセメント,水ガラス,リン酸等のバインダで結合さ
れた構造となっており、不定形のSiC系耐火物と実質
的に同じ材質及び状態である。したがって、不焼成Si
C成形体を積み上げた隙間を不定形SiC耐火物で充填
しても、均質な相構造の炉壁となる。すなわち、局部的
な応力集中や亀裂発生等の原因となる異質相がなく、焼
却炉使用条件下での機械的強度,耐摩耗性及び耐久性の
面で設計者の意図に反することがないSiCの優れた特
性が発揮される。
用し、種々の形状や曲面をもつ炉壁を高い施工性で構築
できる。不焼成SiC成形体の使用形態としては、単純
形状の成形物で主要部のほとんどを構築し、端部に生じ
る複雑形状の部分を不定形耐火物で埋める方式(図2,
図4)や、SiC成形体をアンカーブロックとして不定
形材料の中に埋め込み、支持拠点を金物で連結すること
により壁構造全体を安定させる方式(図3)等がある。
たとえば、図2(a)に示すように傾斜のある炉殻6に
対しては、同じ矩形形状に成形した多数の不焼成SiC
成形体7を水平方向に多段積みし、炉殻6と不焼成Si
C成形体7との隙間を不定形SiC耐火物8で充填す
る。垂直な炉壁を構築する場合には、図2(b)に示す
ように相互にずらして不焼成SiC成形体を多段積み
し、炉殻6との隙間を不定形SiC耐火物8で充填す
る。アーチ状の炉壁を構築する場合には、図2(c)に
示すように多段積みした不焼成SiC成形体7と炉殻6
との隙間を不定形SiC耐火物8で充填する。また、傾
斜角度の大きな炉壁では、図2(d)に示すように数段
づつずらして不焼成SiC成形体1を積み上げ、炉殻6
との隙間に不定形SiC耐火物8を充填する。
iC耐火物の使用割合を逆に多くすることにより、コス
ト低減,迅速で簡便な施工を図った築炉も可能である。
たとえば、図3(a)に示すように、所定間隔を開けて
複数の不焼成SiC成形体7を加熱面に直角に上下及び
水平方向に配設し、それら不焼成SiC成形体7の隙間
を不定形SiC耐火物8で充填する。また、適宜の間隔
で不定形SiC耐火物層8にスコアライン9を入れ、最
大応力を逃がし、応力分散を図ることができる。また、
図3(b)に示すように、不焼成SiC成形体7の一面
を高温側に臨ませ、固定金物10で背面の鉄皮12等に
固定することも可能である。この場合、固定金物として
厚肉パイプ13を使用し、溶接部14で鉄皮12に強固
に固定する。更に、稼働面の平滑度が重要視される場
合、不定形材料の一枚壁を形成するため、不焼成SiC
成形体7を図3(c)に示すように後退させて、高温側
に不定形SiC耐火物8を設ける場合もある。
ら築炉するとき、方向が変わる炉壁も容易に構築でき
る。たとえば、図4(a),(b)に示すように凹状壁
面を構築する場合、不焼成SiC成形体7をそれぞれの
ゾーンごとに積み上げ、隣接する不焼成SiC成形体ゾ
ーンの間隙を炉体外方向に向けて大きくする。そして、
この隙間に不定形SiC耐火物8を充填する。また、不
焼成SiC成形体7は、図5に示すように間接的に固定
することができる。この場合、凹凸嵌合15で他の耐熱
煉瓦16と組み合わせ、煉瓦16を引張り金物10で固
定する。以上のように構築された炉壁は、何れもSiC
の単一相からなる組織を持っており、熱や機械的な応力
が集中し易い異質相が本質的に存在しない。そのため、
耐酸性,耐アルカリ性等に優れたSiCの特性が十分発
揮され、耐久性に優れた炉壁をもつ焼却炉となる。
7重量部にアルミナセメント系バインダを13重量部配
合し、混練して300mm×200mm×100mmの
矩形状ブロックに成形した。そして、成形体を空気中で
500℃に10時間加熱し、ケミカルボンドの不焼成S
iC成形体を得た。この不焼成SiC成形体は、SiC
81重量%,SiO2 5重量%,Al2 O3 8重量%の
組成をもっており、嵩比重2.65,見掛け気孔率1
1.8%,曲げ強度22MPa,圧縮強度83MPa,
1000℃での熱膨張率0.3%,1000℃での熱伝
導率13.8W/mKであった。不焼成SiC成形体7
を、図2(a)に示すように傾斜角27度の炉殻6に積
み上げ、炉殻6と不焼成SiC成形体7との間に不定形
SiC耐火物8を充填した。なお、不定形SiC耐火物
8としては、特開平7−248915号公報,特開平8
−21688号公報,特開平8−21690号公報等に
記載されている圧入材を使用した。
組み込んだ。そして、水分含有量10〜50重量%の生
ゴミを投入し、800〜1150℃,水蒸気分圧10〜
100トール,Na+Kの蓄積濃度4〜10重量%の条
件下で焼却炉を稼動させ、95日,180日及び365
日経過後に炉壁の損傷状況を調査した。その結果、不焼
成SiC成形体を組み込んだ炉壁には、座屈,破損,欠
損,亀裂,異常膨張による炉壁の変形,部分的な欠損等
の欠陥が何らみられなかった。これに対し、従来のクレ
ーボンドSiC耐火ブロックを組み込んだ炉壁では、表
層煉瓦表面の一部欠落,稼動面側に発生した亀裂,一部
ブラケット上煉瓦の破断等がみられ、炉壁を捕集する必
要があることが判った。
築方法では、表層部及び内部共にSiCの均質相となっ
ている不焼成のSiC成形体を炉殻の表面方向及び直角
方向に関して所定間隔で配置し、配設した不焼成SiC
成形体の隙間をSiC系不定形耐火物で充填している。
そのため、形成された炉壁は、SiC単相の組織になっ
ており、焼却炉の水蒸気分圧が高い腐食性雰囲気に曝さ
れても、座屈,破損,欠損,亀裂等の欠陥が発生するこ
となく、焼却炉の寿命を延長させる。また、隙間を不定
形SiC耐火物で充填する方式であるため、形状や曲面
が異なる種々の炉壁に対しても同一形状の不焼成SiC
成形体を使用することができるため、築炉作業自体の施
工性も高くなる。
不定形SiC耐火物で充填した焼却炉炉壁の数例
炉炉壁の数例
炉炉壁の構築例
排ガス筒 5:冷却帯 6:他の耐火材又は炉殻部材 7:不焼成SiC成形
体 8:不定形SiC耐火物 9:スコアライン又
は縁切りライン 10:引張り金物 12:鉄皮
13:ガスパイプ又は厚肉パイプ等の固定側金物
14:溶接部 15:凹凸嵌合部 16:他の耐熱煉瓦
Claims (2)
- 【請求項1】 SiC粒子をアルミナセメント,水ガラ
ス,リン酸等のバインダで結合した不焼成SiC成形体
を炉殻の表面方向及び直角方向に関して所定間隔で配置
し、配設した不焼成SiC成形体の隙間をSiC系不定
形耐火物で充填することを特徴とする焼却炉炉壁の構築
方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の不焼成SiC成形体を直
接的又は間接的に固定金物で背面の鉄皮に固定すること
を特徴とする焼却炉炉壁の構築方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP33115196A JP3406791B2 (ja) | 1996-12-11 | 1996-12-11 | 不焼成SiC成形体を用いた焼却炉炉壁の構築方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10169940A JPH10169940A (ja) | 1998-06-26 |
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-
1996
- 1996-12-11 JP JP33115196A patent/JP3406791B2/ja not_active Expired - Fee Related
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