JP3405938B2 - ルアー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣りに用いるル
アーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のルアー、特にプラグ型と呼ばれる
ルアーは、外形を魚体に似せた中空のプラスチック製ル
アー本体と、ルアー本体の頭部から斜め下方に突出した
リップ部と、ルアー本体頭部に設けられ釣糸を係止可能
な釣糸係止部と、ルアー本体の腹部及び尾部に連結され
た釣針とを有している。また、ルアー本体の腹部付近内
部には金属製の錘が配置されている。

【０００３】水中にキャスティングした後に釣糸を巻き
取りながらこの従来のルアーをリトリーブさせると、腹
部付近の錘が全体のバランスを保ちつつルアー本体頭部
のリップ部が水流を受けて、ルアーは振動しながら泳動
する。そして、生き餌のように水中を漂って魚を引きつ
ける。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】リトリーブ時のルアー
の泳動姿勢を安定させるためには、錘をなるべくルアー
本体の腹部側に配置して、ルアーの重心位置を低位置側
（ルアー本体の底部側）に配置するのが望ましい。しか
し、錘をルアー本体内部に収納する以上、錘を低位置に
配置するにも限界がある。

【０００５】本発明の課題は、水中で十分に安定した泳
動姿勢をとり得るルアーを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】発明１のルアーは、魚釣
りに用いるルアーであって、外形を魚に似せて形成した
合成樹脂からなる中空のルアー本体と、ルアー本体の頭
部に設けられた釣糸係止部と、ルアー本体の頭部底面側
に設けられ斜め下方に突出した水受部と、ルアー本体の
底面側に一部が外部に露出するように挿入された錘と、
ルアー本体内に長手方向中央付近から尾部付近にかけて
移動自在に配置された移動錘とを備えている。そして、
中空のルアー本体は左右対称な一対の半割部材を開口側
で貼り合わせたものであり、半割部材の貼り合わせ面の
一部に錘を収納可能な空間である錘収納部がルアー本体
の外部にその一部が開口した状態で形成されており、錘
収納部の開口部分は錘の最大径より小径である。この場
合には、その一部が外部に露出する状態でルアー本体の
底面側に錘が配置されている。錘がルアー本体内に配置
されている場合に比べて錘がより底部側（低位置側）に
位置するので、同じ比重の錘を用いたとしてもルアー全
体の重心位置を底部側（低位置側）にすることができ
る。この結果、ルアーは水中でより安定した泳動姿勢を
保持できる。また、ルアー本体の外部に露出した錘の一
部が光を反射して魚の興味をより引きつけることも可能
である。また、釣糸係止部に釣糸を係止してキャスティ
ングする際には、このルアーは尾部側を飛翔方向として
飛翔する。ここでは、移動錘がルアー本体内を尾部側に
移動するので、ルアーを狙ったポイントに投げ入れやす
くなる。着水後には移動錘がルアー本体長手方向中央付
近の錘収納部に移動し収納され、一部が外部に露出した
錘と共にルアー全体のバランスを整える。

【０００７】発明２のルアーは、魚釣りに用いるルアー
であって、外形を魚に似せて形成した合成樹脂からなる
中空のルアー本体と、ルアー本体の上面側に設けられた
釣糸係止部と、ルアー本体の底面側に一部が外部に露出
するように挿入された錘とを備えている。そして、中空
のルアー本体は左右対称な一対の半割部材を開口側で貼
り合わせたものであり、半割部材の貼り合わせ面の一部
に錘を収納可能な空間である錘収納部がルアー本体の外
部にその一部が開口した状態で形成されており、錘収納
部の開口部分は錘の最大径より小径である。

【０００８】発明３のルアーは、発明１又は２に記載の
ルアーであって、錘は、鉛，真鍮，タングステン，スチ
ールから選択される金属からなる。発明４のルアーは、
発明１〜３の何れかに記載のルアーであって、錘は表面
に蛍光塗料が塗布されている。この場合には、錘の一部
がルアー本体外部に露出しており、錘の表面の蛍光塗料
が光って魚の興味を引き立てる。

【０００９】

【発明の実施の形態】［第１実施形態］以下、本発明の
第１実施形態を採用したルアーを、図面を参照しつつ説
明する。本発明の第１実施形態を採用したルアーは、図
１に示すように、外形を魚に似せて形成されたプラスチ
ック製のルアー本体１を有している。ルアー本体１は、
頭部に設けられ釣糸を係止可能な釣糸係止部２と、頭部
底面側に設けられ斜め下方に突出したリップ部３と、長
さ方向中央付近の腹部下面及び尾部に設けられたアイ
４，５とを有している。そして、アイ４，５にはスプリ
ットリング６，７を介してフック８，９がそれぞれ連結
されている。

【００１０】ルアー本体１は、内部に中空を有する中空
部材であって、左右対称な一対の半割部材を開口側で張
り合わせて接着剤等で接着し固定したものである。この
一対の半割部材の腹部付近の貼り合わせ面の一部は錘収
納部１ａとなっており、球状の錘１０が収納されてい
る。錘収納部１ａは球状の空間であって一部がルアー本
体１外部に開口している。この開口部分は錘１０の直径
より小径であり、錘収納部１ａ内に収納される錘１０は
その表面の一部が開口部分よりルアー本体１外部へ露出
しつつ錘収納部１ａ内に収められる。また、ルアー本体
１の半割部材の貼り合わせ面にはアイ４，５を係止可能
な係止部も設けられており、アイ４，５及び錘１０を所
定の位置に配置した後に、半割部材を貼り合わせ面で貼
り合わせてルアー本体１は形成される。この錘１０は、
鉛，真鍮，タングステン等の金属からなる球状部材であ
る。ルアー本体１より露出した表面が光を十分に反射可
能なように、錘１０の表面処理を施してもよい。

【００１１】さらに、ルアー本体１の中空内には、長手
方向中央付近において他の部分より一段凹入するように
形成された窪み部１ｂと、窪み部１ｂに連続してルアー
本体１の尾部にかけて形成された錘通路１ｃとが形成さ
れている。そして、窪み部１ｂ〜錘通路１ｃには長手方
向に移動自在に移動錘１１が配置されている。このよう
に構成されたルアーは、釣糸係止部２に釣糸を係止して
キャスティングすると尾部側を飛翔方向として水中に向
けて飛翔する。このキャスティング時には遠心力によっ
て移動錘１１が錘通路１ｃを尾部側に移動して飛翔側に
移動錘１が位置するので、狙ったポイントにルアーをキ
ャスティングしやすい。着水後リトリーブすると、ルア
ーはリップ３が水力を受けて頭部側を水底方向に傾けつ
つ泳動する。このリトリーブ時には移動錘１１が窪み部
１ｂ内に収納され、移動錘１１は錘１０と共にルアー本
体１の重心を長手方向中心付近に位置させる。また、錘
１０はその一部がルアー本体１外部に露出するようにル
アー本体１に配置されており、ルアー本体１の上下方向
において十分に水底側に重心を位置させる。この結果、
ルアーは安定した泳動姿勢をとり得る。さらに、ルアー
本体１の外部に一部が露出した錘１０は光を反射して煌
めき魚の興味を引きつける。

【００１２】［第２実施形態］以下、本発明の第２実施
形態を採用したルアーを、図面を参照しつつ説明する。
本発明の第２実施形態を採用したルアーは、図２に示す
ように、外形を魚に似せて形成されたプラスチック製の
ルアー本体２１を有している。ルアー本体２１は、頭部
上面に設けられ釣糸を係止可能な釣糸係止部２２と、長
さ方向中央付近の腹部下面及び尾部に設けられたアイ２
４，２５とを有している。そして、アイ２４，２５には
スプリットリング２６，２７を介してフック２８，２９
がそれぞれ連結されている。

【００１３】ルアー本体２１は、第１実施形態と同様
に、内部に中空を有する中空部材であって、左右対称な
一対の半割部材を開口側で張り合わせて接着剤等で接着
し固定したものである。半割部材の頭部底面側の貼り合
わせ面の一部は錘収納部２１ａとなっており、楕円球状
の錘３０が収納されている。錘収納部２１ａは錘収納部
２１ａ外形に合わせて形成された空間であって一部がル
アー本体１外部に開口している。この開口部分は錘３０
の最大直径より小径であり、錘収納部２１ａ内に収納さ
れる錘３０はその表面の一部が開口部分よりルアー本体
２１外部へ露出しつつ錘収納部２１ａ内に収められる。
また、この錘３０は、表面に蛍光塗料が塗布されてい
る。

【００１４】このように構成されたルアーは、一部がル
アー本体２１外部に露出するようにルアー本体１に配置
された錘３０が、ルアー本体２１の上下方向において十
分に水底側に重心を位置させて、ルアーは安定した泳動
姿勢をとり得る。さらに、ルアー本体２１の外部に一部
が露出した錘３０は光を反射して煌めき魚の興味を引き
つける。

【００１５】［他の実施形態］ （ａ）外部に露出させる錘の形状は上記実施形態に限定
されず、種々の形状のものを用いることができる。 （ｂ）外部に露出させる錘は複数設けてもよい。また、
ルアー本体側面から外部に露出するように錘を配置し
て、錘を光らせて魚にアピール可能なようにしてもよ
い。

【００１６】

【発明の効果】本発明にかかるルアーは、底面方向に十
分に重心が位置するので安定した泳動姿勢をとり得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態を採用したルアーの全体
図。

【図２】本発明の第２実施形態を採用したルアーの全体
図。

【符号の説明】

１，２１ ルアー本体 １０，３０ 錘 １１ 移動錘

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平９−289846（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−95836（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−160147（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−138064（ＪＰ，Ｕ) 実用新案登録2578193（ＪＰ，Ｙ２) 登録実用新案3038066（ＪＰ，Ｕ) 登録実用新案3043186（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01K 85/00

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】魚釣りに用いるルアーであって、 外形を魚に似せて形成した合成樹脂からなる中空のルア
   ー本体と、 前記ルアー本体の頭部に設けられた釣糸係止部と、 前記ルアー本体の頭部底面側に設けられ斜め下方に突出
   した水受部と、 前記ルアー本体の底面側に一部が外部に露出するように
   挿入された錘と、 前記ルアー本体内に長手方向中央付近から尾部付近にか
   けて移動自在に配置された移動錘とを備え、前記中空のルアー本体は左右対称な一対の半割部材を開
   口側で貼り合わせたものであり、 前記半割部材の貼り合わせ面の一部に前記錘を収納可能
   な空間である錘収納部が前記ルアー本体の外部にその一
   部が開口した状態で形成されており、 前記錘収納部の開口部分は前記錘の最大径より小径であ
   るルアー。
2. 【請求項２】魚釣りに用いるルアーであって、 外形を魚に似せて形成した合成樹脂からなる中空のルア
   ー本体と、 前記ルアー本体の上面側に設けられた釣糸係止部と、 前記ルアー本体の底面側に一部が外部に露出するように
   挿入された錘とを備え、前記中空のルアー本体は左右対称な一対の半割部材を開
   口側で貼り合わせたものであり、 前記半割部材の貼り合わせ面の一部に前記錘を収納可能
   な空間である錘収納部が前記ルアー本体の外部にその一
   部が開口した状態で形成されており、 前記錘収納部の開口部分は前記錘の最大径より小径であ
   るルアー。
3. 【請求項３】前記錘は、鉛，真鍮，タングステン，スチ
   ールから選択される金属からなる、請求項１又は２の何
   れかに記載のルアー。
4. 【請求項４】前記錘は表面に蛍光塗料が塗布されてい
   る、請求項１〜３の何れかに記載のルアー。