JP3405736B2 - 刺咬性害虫忌避剤 - Google Patents

刺咬性害虫忌避剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は刺咬性害虫忌避剤に関
し、さらに詳しくは忌避成分であるN,N−ジエチル−
m−トルアミド(以下、DEETと称する。)の効果を
持続させた刺咬性害虫忌避剤に関する。
【0002】
【従来の技術】刺咬性昆虫、特にカ,シラミ,ノミ,ダ
ニ等の吸血性昆虫の忌避成分として、古くはジメチルフ
タレ―ト,2―エチル−1,3−ヘキサンジオ―ル等が
知られており、近年では2,3,4,5−ビス(△2
ブチレン)テトラヒドロフルフラ―ル,DEETなどが
知られている。これらの忌避成分はアルコ−ル溶液とし
てスプレ―やエアゾ―ルに、あるいはクリ―ム,リニメ
ントの形で実用に供されている。特にDEETは忌避効
果に優れていると共に、皮膚に刺激を与えず、また不快
臭も無いことから忌避成分として広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、忌避成
分を皮膚に塗布した場合、皮膚表面からの揮散,経皮吸
収,皮膚の発汗による流れだし、衣服による摩擦などに
より、皮膚表面から忌避成分が失われやすいため、長時
間にわたり忌避効果を持続させることは難しい。特に液
剤は基剤にアルコ−ルを用いることが多く、アルコ−ル
はすみやかに揮散するので、忌避効果の持続は短い。忌
避効果の持続性の技術は粉末添加による方法(特開昭5
9−199602号公報)が知られているが、粉末剤は
皮膚を白く汚し、液剤は用時振盪を要し、あるいはスプ
レ―剤はノズルに目詰まりを生じて好ましくない。ま
た、忌避効果の持続性の技術として、ヒマシ油をDEE
Tと配合した組成物(特開平1−172303号公報)
が知られているが、この液剤は、経時的に透明から褐色
に変色し、また匂いも良好なものではなく、経時的に劣
化するため、外用の製剤としては満足できるものではな
かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決すべく鋭意研究の結果、DEETと、飽和脂
肪酸とアルコ−ルとのエステル油を共存させた液剤は、
DEETの皮膚表面での保持性が高まり、その結果、忌
避効果が長く持続し、経時での色安定性および匂い安定
性も高いことを見い出し、本発明を完成した。即ち本発
明は、DEETと、飽和脂肪酸とアルコ−ルとのエステ
ル油を配合したことを特徴とする刺咬性害虫忌避剤であ
る。
【0005】本発明に用いられるエステル油は、ジ−2
―ヘプチルウンデカン酸グリセリン,トリ−2―ヘプチ
ルウンデカン酸グリセリン,トリ−2―エチルヘキサン
酸グリセリン,トリ−イソステアリン酸グリセリン等の
グリセリンエステル類、テトラ−2―エチルヘキサン酸
ペンタエリスリト―ル等のペンタエリスリト―ルエステ
類等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組
み合わせて用いることができる。これらのエステル油の
うち特に好ましいのは、トリ−2―エチルヘキサン酸グ
リセリン、テトラ−2―エチルヘキサン酸ペンタエリス
リト―ルである。
【0006】本発明において、エステル油は、DEET
1重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは、
0.05〜5重量部配合する。0.01重量部未満で
は、DEETの忌避効果の持続性について満足する結果
が得られず、10重量部を超えるとべたつきが生じ、満
足な使用性を得ることができない。
【0007】本発明においては、必要に応じて、2,
3,4,5−ビス(△2−ブチレン)テトラヒドロフル
フラ―ル,ジメチルフタレ―ト,2―エチル−1,3−
ヘキサンジオ―ルなどの害虫忌避剤をDEETと併用す
ることもできる。また、この他、乳化剤、効力増強剤、
展着剤、安定剤、香料なども適宜配合することができ
る。本発明の製剤は液剤、リニメント剤、エアゾ―ル
剤、非エアゾ―ル型スプレ―剤として使用することがで
きる。
【0008】本発明の製剤は、例えば次のようにして製
造することができる。即ち、DEETにエステル油を加
え、有機溶媒に溶解して溶液とするか、その後さらに常
法により乳化液とする。これを塗布栓付の容器に充填し
て液剤とするか、リニメント容器に充填してリニメント
剤とする。また、これを非エアゾ―ル型スプレ―容器に
充填してスプレ―剤とするか、液化ガスとともにエアゾ
―ル容器に充填してエアゾ―ル剤とする。前記有機溶媒
として、アルコ−ル類(メチルアルコ−ル,エチルアル
コ−ル,イソプロピルアルコ−ル,エチレングリコ−
ル,プロピレングリコ−ル等)、ケトン類(ジイソブチ
ルケトン,2―オクタノン等)、エ―テル剤(テトラヒ
ドロフラン,メチルセルソルブ,ジプロピレングリコ−
ルエチルエ―テル等)、炭化水素(ケロシン,ソルベン
トナフサ,テレピン油等)を用いることができる。この
うち、アルコ−ル類、特にエチルアルコ−ルの使用が最
も望ましい。前記液化ガスとして、クロロフルオロカ―
ボン(フロン11,フロン12,フロンF−22等)、
液化石油ガス、ジメチルエ―テル等を用いることができ
る。
【0009】
【実施例】以下、実施例および試験例を挙げて本発明を
具体的に説明する。 実施例1〜3、比較例1 次の表1に示すような配合剤および配合量で刺咬性害虫
忌避剤を製造した。
【0010】
【表1】 ──────────────────────────────────── 比較例 実施例 ─────── ─────────── 1 2 1 2 3 4 ──────────────────────────────────── エタノ―ル 54 48 53.7 48 24 48 DEET 6 6 6 6 6 6 テトラ−2―エチルヘキサ − − 0.3 6 30 − ン酸ペンタエリスリト―ル トリ−2−エチル − − − − − 6 ヘキサン酸グリセリン ヒマシ油 − 6 − − − − フロン12 40 40 40 40 40 40 ────────────────────────────────────
【0011】試験例 (1)上記各サンプルを上腕部に3g塗布し、各時間経
過後の皮膚上に残っているDEET量を定量した。その
結果を図1に示す。図中、Aは比較例1、Bは実施例
1、Cは実施例2、Dは実施例3の場合である。また、
図1では、10分後の定量値を100とし、各時間経過
後の定量値を相対評価した。図から本発明による忌避剤
の忌避効果はエステル油を含まない比較例と比べて持続
性に優れること、およびエステル油含量の多い方が持続
性に優れることがわかる。 (2)また、実際に蚊を用い、忌避効果の持続時間を以
下の方法で評価した。 試験方法 健康な成人5人を1群とし、各試料にそれぞれ1群をあ
てた。各群の被験者の前腕部12cm×5cmにそれぞ
れDEET塗布量が250μg/cm2となるよう、そ
れぞれ該当する試料を均一に塗布し、吸血能力を有する
ヒトスジシマカ(雌)100匹を予め放った金網ケ―ジ
(30cm×30cm×30cm)内に差し入れて忌避
時間を測定した。忌避時間は、DEET塗布面を2時間
毎に金網ケ―ジ内で3分間露出させ、カが吸血を開始す
るまでに要した時間とした。その結果を次表に示す。
【0012】
【表2】 ────────────────────────────────── DEET/ 忌避時間 使用感 安定性 匂い エステル油 ────────────────────────────────── 比較例1 − 8 ― 〇 〇 比較例2 1/1 16 きわめて良好 × × 実施例1 1/0.05 14 きわめて良好 〇 〇 実施例2 1/1 16 きわめて良好 〇 〇 実施例3 1/5 20 良好 〇 〇 実施例4 1/1 16 きわめて良好 〇 〇 ──────────────────────────────────
【0013】なお表中の安定性の評価は次のようにして
行った。各試料を0℃、50℃の恒温槽に1ヶ月放置
後、0℃放置品に対して50℃放置品をその外観の色に
ついて評価した。なお、評価の基準は以下のとおりであ
る。 〇:0℃に対して変色せず。 ×:0℃に対して変色。 また、使用感の評価および匂いの評価は官能によって行
った。このうち使用感は主にべたつきの有無に対する評
価である。匂いについては、上記放置品において、0℃
放置品に対して50℃放置品を評価した。なお評価の基
準は以下のとおりである。 〇:0℃に対して変臭せず。 ×:0℃に対して変臭。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
忌避効果が長く持続し、かつ経時的に安定な刺咬性害虫
忌避剤の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による忌避剤を皮膚に塗布した時の経過
時間と残留DEET量との関係を示す特性図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−82802(JP,A) 特開 昭59−199615(JP,A) 特開 昭59−199602(JP,A) 特開 平1−160903(JP,A) 特開 平4−244001(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 37/18 A01N 25/02 A01N 25/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N,N−ジエチル−m−トルアミドと、
    グリセリントリ飽和脂肪酸エステルから選ばれる一種ま
    たは二種以上のエステル油と、有機溶媒とを配合したこ
    とを特徴とする液状の刺咬性害虫忌避剤。
  2. 【請求項2】 N,N−ジエチル−m−トルアミドと、
    ペンタエリスリトール飽和脂肪酸エステルから選ばれる
    一種または二種以上のエステル油と、有機溶媒とを配合
    したことを特徴とする液状の刺咬性害虫忌避剤。
  3. 【請求項3】 エステル油の飽和脂肪酸部分が2−エチ
    ルヘキサン酸である請求項1または2記載の刺咬性害虫
    忌避剤。
  4. 【請求項4】 有機溶媒がエタノールである請求項1ま
    たは2記載の刺咬性害虫忌避剤。
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