JP3405250B2 - 分光測光器 - Google Patents

分光測光器

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JP3405250B2
JP3405250B2 JP02961899A JP2961899A JP3405250B2 JP 3405250 B2 JP3405250 B2 JP 3405250B2 JP 02961899 A JP02961899 A JP 02961899A JP 2961899 A JP2961899 A JP 2961899A JP 3405250 B2 JP3405250 B2 JP 3405250B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基準試料を用いて
試料の2次元領域の反射率スペクトルを測定する分光測
光器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年感性が重要視される時代となって、
カラー印刷物、染色、塗料等の色や色ムラを精細に測定
する科学的な方法が要求されるようになってきた。一般
に試料の色を反射測定によって行う場合、先ず基準とな
る試料(以下基準試料という)を測定したときの分光測
光計の反射光スペクトル出力とサンプルの反射光スペク
トル出力の比を計算することによって行う。その際、分
光測光計の光学系と試料との間の相対的位置関係を変化
させながら試料表面上の複数の領域にわたり波長別の光
強度情報を順次測定して行き位置情報を持たせて、ある
位置における基準試料に対するサンプルの2次元反射ス
ペクトルを得ることができる分光測光計がある。
【0003】このような分光測光計では、先ず平面状の
基準試料の表面に測定光を照射すると基準試料の表面で
反射した測定光の一部は対物レンズに入りレンズを透過
して焦点位置において鮮明に結像するが、細長い開口を
持つスリットにより制限されて基準試料表面の1次元領
域内の測定光のみがスリットを通過することができる。
スリットを通過した1次元領域内の測定光は分光素子に
投射され、分光素子面でスリットの長手方向に直交する
方向に分光される。分光された光は2次元に配列された
多数の光検出素子(例えばCCD)からなる平面状の光
検出器に投射される。
【0004】検出器の平面の横軸は基準試料の1次元方
向の位置情報を、これと直交する縦軸は対応する分光分
布情報(波長別の光強度情報)が投影され、各光検出素
子は受光した光の強度に応じて基準試料表面の1次元領
域の各々の点における反射光の波長分布別の光強度情報
を出力する。この出力を読み取ることによって基準試料
表面の1次元領域内の各点の反射光スペクトルが測定さ
れ、コンピュータの記憶装置に格納される。次に、基準
試料位置を分光測光計のスリットの長手方向に対し直角
方向に僅かに移動し、その位置での基準試料の一次元領
域内の反射光測定データを得、以後この測定を順次繰り
返していくことによって、基準試料表面上の2次元領域
全域にわたる反射光スペクトルの測定結果が得られ、夫
々のデータは前述したようにコンピュータの記憶装置に
格納される。
【0005】次に、基準試料と同一または同一と見なせ
る位置関係にサンプルを設定し、前述の基準試料の測定
と同様にして順次サンプルの反射光スペクトルを測定
し、結果をコンピュータの記憶装置に格納する。その後
両者のデータの比を計算(演算処理)することによって
サンプル全面にわたって反射率スペクトルが測定されて
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとくサンプル
上の2次元領域に対する個々のスペクトルを測定する、
すなわち試料の光学像を光検出器上に鮮明に結像させ、
複数の反射率スペクトルをその位置情報と共に得ること
を目的とした分光測光器において、サンプルの反射率ス
ペクトルの測定は基準試料の反射光スペクトルとの比較
においてなされるので、基準試料の反射光スペクトルの
測定が正しくなされることが全ての測定の前提となる。
基準試料としては通常硫酸バリウムの粉末を圧着したり
燒結して造られる拡散反射板を用いるが、この表面は全
体にわたって厳密には均一とはならず、微細な凹凸やキ
ズあるいは表面に付着した繊維状の不純物や塵埃等によ
る不整を有する。不整が存在する部分での反射光スペク
トルは他の正常な部分のそれとは大きく異なって出力さ
れるので、結果として、サンプルの測定において全2次
元領域上の各々の位置における反射率を正しく測定する
ことができない。
【0007】また、基準試料の測定においてのみ、その
全測定領域で反射光スペクトルデータを平均化し、サン
プルの反射率を求める演算はこの平均化した一つの値を
用いて行うことも考えられるが、試料面への測定光の照
明状態にムラがある場合、その影響が直接的に反映さ
れ、サンプルの全2次元領域にわたって正しいデータを
得ることができない。この試料面への測定光の均一照射
は一般に極めて困難で、照明状態のムラは測定誤差要因
の大きな部分を占めるのである。
【0008】さらに、対物レンズの焦点位置に置くスリ
ットの幅を広げたりある程度の面積を持つ微細孔スリッ
トを用いることにより、基準試料表面の1次元領域の測
定ではなくある大きさの2次元領域の像を結び分光する
光学的平均化手法を用いて不整の影響を薄める方法を採
っている分光測光器があるが、この場合、測定対象面積
が大きくなるので分解能が低下し、測定すべきサンプル
表面の状態を精細に知ることが困難となる上、測定光の
照明ムラをキャンセルすることができない。本発明はこ
のような課題を解決するために成されたものであり、不
整を有する基準試料を用いた場合でもサンプルの反射率
計算に対する影響を希釈し、かつ照明ムラ等の影響を有
効にキャンセルして、サンプル表面の2次元領域の各々
の点における反射スペクトルを精細に測定し得る分光測
光器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の分光測光器は、
上記課題を解決するために、試料からの反射光をスリッ
トにより1次元方向に制限した後に分光し、分光された
反射光を、2次元に配列された複数の光検出素子からな
る受光面を有する光検出器で検出し、試料の1次元領域
内の各位置毎に反射光の波長別の光強度を測定する構成
の分光測光器において、つぎの各構成要件を具備してな
るものである。
【0010】1)本発明が第1に提供する分光測光器に
おいては、反射率を求めるため前記スリットに直交する
方向に光学系を走査しながら、基準試料の2次元領域の
各々の点に対する波長別の光強度を測定する手段と、前
記基準試料の前記一次元領域内の各々の測定点について
の複数の測定結果を走査方向に平均化して得られる複数
の値を前記1次元方向の各々の点における基準値として
保持する手段を有し、サンプルについて光学系を前記ス
リットに直交する方向に走査しながら測定することによ
って2次元領域の各々の点に対して得られる測定結果を
保持して、1次元方向の各々の点における前記基準値を
演算処理することにより、前記サンプルの2次元領域に
わたって基準試料に対する反射率スペクトルを得るよう
にしたものである。
【0011】2)さらに、本発明が第2に提供する分光
測光器は、反射率を求めるため前記スリットに直交する
方向に光学系を走査しながら基準試料の2次元領域の各
々の点に対する波長別の光強度を測定する手段と、前記
基準試料の前記1次元領域内の各々の測定点についての
複数の測定結果の全平均値を計算して、該全平均値と前
記基準試料の前記1次元領域内の各々の測定点について
の測定結果との比較を行い、一定の差を生じたときこの
領域の測定値を省いて走査方向に平均化しなおして得ら
れる複数の値を前記1次元方向の各々の点における基準
値として保持する手段を有し、サンプルについて光学系
を前記スリットに直交する方向に走査しながら2次元領
域の各々の点に対して得られる測定結果を保持して、1
次元方向の各々の点における前記基準値を演算処理する
ことにより、前記サンプルの2次元領域にわたって基準
試料に対する反射率スペクトルを得るようにしたもので
ある。
【0012】3)また、第3に本発明が提供する分光測
光器は、反射率を求めるため光学系と基準試料の相対的
位置関係を変化させて基準試料上の測定領域が互いに異
なるような複数回の測定を行い、得られた複数の測定結
果を平均化して得られる値を基準値として保持する手段
と、サンプルについて前記分光測光器の光学系を前記ス
リットに直交する方向に走査しながら測定することによ
って前記サンプルの2次元領域の各々の点に対して得ら
れる測定結果を保持して前記基準値を演算処理すること
により、サンプルの2次元領域にわたって基準試料に対
する反射率スペクトルを得るようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施例
について説明する。図1に示すように、分光測光器は
(基準試料またはサンプルである)試料2に測定光を照
射する光源1、試料2からの反射光を集光する対物レン
ズ5、反射光を1次元領域に制限するためのスリットS
を備えたスリット板6、1次元制限光を分光素子8に投
射するコリメータレンズ7、分光された1次元制限光を
結像レンズ9により光検出器10に投射する光学系等よ
りなる分光器ユニット11と、試料2を試料台4に保持
する試料ホルダー3、固定具15に保持したリニアガイ
ド13上を移動する試料台4の位置を制御し光学系との
相対位置を変化せしめるリニアガイドコントローラ14
等よりなる試料台ユニット12と、リニアガイドコント
ローラ14を制御し光学系との相対位置を変化させなが
ら、光検出器10から出力される試料2の1次元領域の
各点に対応する波長分布情報を収集し、演算処理して反
射率を計算するコンピュータ16により構成される。
【0014】試料2の表面と対物レンズ5との距離は試
料台4のX方向への移動に関わらず変化せず常に一定し
ていることが必要である。本実施例では、試料2は図2
に示すように、試料台4に対し平行かつ定位置になるよ
うに位置決めピン30によって光学系に向けて開口する
試料窓25を有する試料ホルダー3をピン穴29に装着
し、試料ホルダー3の裏面に試料2を押え板26と板バ
ネ27により圧着して固定する構造となっているので、
試料2の厚みに関わらず試料2の表面と対物レンズ5と
の距離は一定する。試料ホルダー3は試料台4とは着脱
自在に装着されているので、試料をセットする際、試料
ホルダー3を試料台4から取り外し、止めネジ28に対
し回転自在に係着された板バネ27を回転し試料を取り
扱うことができるので、試料ホルダー3への試料2の装
着は容易に行うことができる。なお、図2(A)は平面
図、図2(B)は正面図を示す。
【0015】分光測光器の変形例においては、図1の試
料台ユニット12に代わり、図3に示すような試料台ユ
ニットを用いる。該試料台ユニットはベース31に搭載
したモータ32、支軸35、軸受36、ベルト33より
なる回転機構を備え、回転試料台34に試料ホルダー3
に保持した試料2を位置決めピン30により係着し、コ
ンピュータ16により制御回転させて、試料2と分光器
ユニット11との相対位置を変化させることができる。
【0016】以上の構成において、次に動作を説明す
る。先ず、通常硫酸バリウムの微粉末を均一な厚みの平
面状に成形した基準試料2を作成し試料ホルダ3に装着
して、これに光源1より均一に測定光を照射する。基準
試料2の表面からの反射光は対物レンズ5を通って焦点
位置に置かれたスリット板6上に結像するが、(図中Y
方向に)細長い開口を持つスリットSにより1次元領域
に制限されて基準試料2の表面(図中Y方向)の1次元
領域内の反射光のみがスリットSを通過することができ
る。スリットSを通過した反射光はコリメータレンズ7
により平行光線となり通常平面回折格子である分光素子
8に投射され、スリットSの長手方向に直交する方向に
分光される。分光された光は結像レンズ9により2次元
に配列された多数の光検出素子(例えばCCD)からな
る平面状の光検出器10に投射され、光検出器10の平
面の横軸(図中Y方向)には基準試料の1次元の位置情
報を、これと直交する縦軸(図中λ方向)には位置情報
に対応する分光分布情報(波長別の光強度情報)を投影
し、光検出器10の各光検出素子は受光した光の強度に
応じて基準試料2の表面の1次元領域内の各々の点にお
ける反射光の波長分布別(波長λ)の光強度情報を出力
する。
【0017】そして、これを読み取ることによって基準
試料2の表面の1次元領域内の各点の反射光スペクトル
が測定され、この測定データはコンピュータ16の記憶
装置に格納される。次に、リニアガイドコントローラ1
4によって試料台4をリニアガイド13に沿って分光測
光計のスリットSの長手方向に対し直角方向(図中X方
向)に僅かに移動し、その位置での基準試料2の1次元
領域内の反射光測定データを得、以後この測定を順次繰
り返して、基準試料2の表面上の2次元領域全域にわた
る反射光スペクトルの測定データが得られ、夫々のデー
タは前述したようにコンピュータの記憶装置に格納され
るのである。
【0018】基準試料2の表面の測定範囲を、図4に示
すように1次元領域の走査方向(図1のX方向)にn分
割し(i=1、2、…、i、…、n)、走査方向に直交
する方向(図1のY方向、すなわちスリットSの長手方
向)にm分割し(j=1、2、…、j、…、m)それぞ
れi軸、j軸とする。光学系と基準試料2が相対的に静
止した状態での測定で、例えばi=1の位置における測
定ではY方向にj=1からmまでの1次元領域の各点に
おける分光強度スペクトルデータが光検出器10から出
力され、コンピュータ16に記憶される。つぎにi=2
の位置で同様な測定を行い、同様な測定をX方向に1か
らnまでn回繰り返すことによって、n・m点からなる
領域の各々の点での分光強度スペクトルデータが得られ
ることになる。
【0019】すなわち、基準試料2をセットし、基準試
料測定のコマンドを与えると、分光器ユニット11はY
方向の1次元領域について1からnまでX方向に走査を
行いながら順次測定し、n・m点からなる領域の各々の
セグメントでの分光強度スペクトルデータPi,jを得
ることになる。Pi,jは位置(i,j)、波長λの関
数であり、基準試料2の分光強度スペクトルデータはP
ri,jとすれば、Pri,j=f(i,j,λ)とし
て表される。Y方向のj=1の位置においてX方向の測
定値の平均値を演算プログラムによって計算し、j=1
における分光強度分布データPr1を基準値として保持
する。この演算プログラムをj=1からj=mまで繰り
返し実行し、Y方向の1次元領域にわたって位置情報を
持ったm個の分光強度スペクトルデータPrj(j=1
〜m)をY方向におけるそれぞれのセグメントの基準値
として得て、基準値Prjとしてコンピュータに保持す
る。
【0020】次に、基準試料2を表す図4のjとiの交
点に不整が存在したと仮定する。この位置(i,j)以
外の点では、光検出器10に投射される分光分布は図5
(A)のように光源のスペクトルをそのまま反映する形
となる。位置(i,j)には不整が存在するので光検出
器10に投射される分光分布は図5(B)のようにX方
向i番目の測定において、Y方向j番目に異常を生じ
る。不整が黄色系のものであるとすると短波長側で反射
率が小さく500(nm)を超えたところから急に大きく
なるのでこの様子を模式的に濃淡で示してある。
【0021】図6は縦軸に反射率(%)、横軸に波長λ
(nm)をとるとすると、白色系部分ではWのようななだ
らかな曲線を示し、不整が黄色系のばあいはYのような
曲線を示す(他の系統の色では異なった反射率曲線を示
す)。前述のごとく、一般にサンプルの反射測定を行う
場合、サンプルと同一または同一と見なせる位置関係に
おいて基準試料を測定し、基準試料の反射光スペクトル
との比較においてなされるので、本来均一であるべき基
準試料の反射光スペクトルの測定が正しくなされること
が全ての測定の前提となり、基準試料の測定を行う際不
整の影響を除去または稀釈することが重要となるのであ
る。
【0022】本発明では、Y方向に直交するX方向に平均
をとっているが、これは試料への測定光の照射強度のム
ラが測定結果に及ぼす影響を考慮したことによる。すな
わち、光源1にはランプ等が用いられるので1次元領域
のY方向への照射ムラは避けることができないが、試料
と光学系の相対的位置関係を変化させ走査していくX方
向については、照射強度は常に同一のムラを持つ1次元
領域で走査されることになり、基準値Prjは測定光の
照射強度のムラ情報を含んでいる。本発明の方法によれ
ば、サンプルの反射率スペクトル測定の演算において測
定光の照射強度のムラがキャンセルされる。このことは
カラー印刷物、染色、塗料等サンプルの色や色ムラの精
細な測定を目的とする場合、重要な意味を持つのであ
る。
【0023】サンプルの測定に際しては、基準試料2と
同一または同一と見なせる位置関係にサンプルを置いて
測定し、基準試料2の反射率スペクトルとの比較におい
てなされる。サンプルの分光強度分布データPsについ
ても基準試料2の場合と同じく、i,j,λの関数Ps
=f(i,j,λ)として得られる。
【0024】サンプルの反射スペクトルデータPsi,
jは、サンプルの分光強度分布データPsと基準試料2
の測定結果を走査方向に平均化して得た基準値Prj=
f(i,j,λ)との比 Psi,j=サンプルの分光強度分布データPs/基準
値Prj として演算される。図4に示すように基準試料2上の位
置(i,j)に不整があると仮定する。その結果本来一
様であるはずの基準試料2の測定データにおいて、位置
(i,j)での光強度スペクトルデータPi,jが図6
の曲線Yに示すように他の位置でのそれと大きく異なる
値として測定される。このとき前述のような平均化を行
わずに Psi,j=サンプルの分光強度分布データPs/光強
度スペクトルデータPi,j として演算を行った場合、たとえサンプルが均一なもの
であったとしても位置(i,j)でのサンプルの反射率
スペクトルは他の点と著しく異なる値として計算されて
しまう。特にサンプルの反射率のムラを測定しようとし
ている場合、信頼すべき結果を得ることができない。
【0025】一方、前述のような走査方向に対して平均
化処理がなされた基準値データPrjを用いた場合は、
走査方向(X方向)に長く続くような極めて特殊かつ広
範囲にわたる不整が無い限り、不整の影響を大幅に稀釈
することができる。不整を有すると考えられる基準試料
2を用いて正しい基準値を得る他の方法について以下に
説明する。
【0026】上記説明における平均もしくは平均化処理
は、X方向の総和をnで割るという算術平均だけでは無
く、1〜nまでの個々の影響を加味した代表値という意
味で用いられる他の一般的な平均もしくは平均化処理を
含む。すなわち上記説明の如くX方向の総和をnで割る
という算術平均方法では不整の影響を稀釈することは可
能であるがその影響を除去または積極的に最小化するこ
とはできない。不整の影響を除去または最小化する手段
の一つとして以下の方法がある。
【0027】すなわち、先ず前記の如く基準試料2を測
定し、基準試料2のn・m点からなる領域の各々のセグ
メントでの分光強度スペクトルデータPi,jの総平均
ΣPi,j/n・mを求め、各セグメントのデータP
i,jとの差Δ=ΣPi,j/n・m−Pi,jを計算
する。この差Δが総平均のある値(例えば5%)を下っ
たとき、これらのセグメントのデータPi,jを省い
て、前述の如く走査方向に平均化処理を行い新たな基準
値Prjをとして用いることにより、不整の影響の除去
または最小化を達成できる。この方法によれば演算時間
が多少長くなるデメリットがあるものの、不整の影響を
最小化できるので、サンプル特性をより正確に測定し、
あるいはサンプル相互間のより精密な比較測定が可能と
なる。また不整の数をカウントして基準試料の品質を管
理する手段としても有効であり、基準試料2の長寿命化
を図ることが可能となる等のメリットがある。
【0028】更に、不整を有すると考えられる基準試料
2を用いて正しい基準値を得る他の方法について以下に
説明する。図1の試料台ユニット12の代わりに、図3
に示す試料台ユニットを設定する。コンピュータ16か
ら基準試料測定指示を出すと基準試料2の測定が開始さ
れる。モータ32によりベルト33を介して、回転試料
台34上の基準試料2を測定毎に回転させ、分光器ユニ
ット11の光学系との相対位置を変化させるが、そのと
き測定領域が互いに異なるようにコンピュータ16によ
り制御回転させる。すなわち、1回の測定が終わる毎に
モータ32によって基準試料2は分光器ユニット11に
対して相対移動(回転)し、毎回基準試料2上の異なる
領域の反射光スペクトルを測定し、コンピュータ16に
それぞれ保持する。特に基準試料2の回転中心が光検出
器10に投影されないような位置関係に設定しておけ
ば、基準試料2上のすべての点が毎回の測定で分光器ユ
ニット11に対して互いに異なる位置にくることにな
る。基準試料2上の異なる領域の反射光スペクトルに対
して平均化処理を施して得られた基準試料2の一つの測
定データは位置(i,j)の不整の影響を稀釈したもの
となり、基準値として用いることができる。この基準値
を用いてサンプルの反射スペクトルデータを演算するこ
とにより、基準試料2上の位置(i,j)の不整の影響
を有効にキャンセルしたサンプルの2次元反射スペクト
ルデータを得ることができる。ここで支軸35、軸受3
6は回転試料台34をスムースに回転して、試料2と対
物レンズ5との距離を一定に保つように組立てる必要が
ある。
【0029】上記の方法によれば、基準試料2の表面に
存在する方向性を持つ微細な凹凸、キズ、うねり、表面
に付着した繊維状不純物や塵埃等による不整は、測定毎
に異なった角度から測定光が照射され反射されることに
なり、これらの不整の影響がより緩和され、基準試料2
の表面特性が効果的に平均化処理されることになる。
【0030】基準試料2を分光器ユニット11に対して
相対移動(回転)して測定する上記第3の方法におい
て、不整が回転中心に位置した場合、測定の都度同一位
置に毎回不整が測定される可能性があり、この場合、逆
に不整の影響が増幅される結果となる可能性がある。こ
の不合理を避け正しいデータを得るため、基準試料2を
分光器ユニット11に対して相対移動(回転)して測定
する機能に、基準試料2を直線移動させる機能を付加し
て回転中心を移動させて複数回の測定を行う、または回
転中心のデータを省略して演算する手段を具備する等の
複合的な機能を有する分光測光器を構成することができ
る。
【0031】なお、上記の方法において、分光器ユニッ
ト11の光学系と基準試料2の相対移動は回転に限らず
直線運動、往復動その他の揺動運動によるものであって
も良い。
【0032】前述のように、一般にサンプルの反射測定
を行う場合基準試料の反射率スペクトルとサンプルのそ
れとの比を計算して求めるので、先ず基準試料の測定値
を正しく行うことが正しいサンプル測定データを得る前
提となることに鑑み、基準試料の測定に重点を置いて説
明してあるが、上記の手段や方法はサンプル測定におい
ても適応可能なことは自明であり、測定目的に合わせて
選択可能である。図1において、分光素子8として凹面
素子を使い、結像レンズを省略することも可能である。
図1において、試料台4を固定し、逆に分光器ユニット
11をリニアガイド等で駆動し、試料2との相対的位置
関係を変化させ走査してもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明による分光測光器は以上説明した
通りであるから、分光測光測定において、反射率スペク
トルデータを得るための基準試料上に不整がある場合で
も、基準試料と光学系との相対的位置関係を変化させな
がら測定し、2次元領域の各々の点に対する複数のデー
タを平均化処理する際に基準値を得ることによって、比
較的少ないコンピュータメモリー容量で、不整の影響の
大幅低減または除去を可能にし、かつ光源の照射ムラを
キャンセルしてサンプル表面の2次元領域にわたり精細
な反射率スペクトルデータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による分光測光器の1実施例を示す図で
ある。
【図2】試料、試料ホルダー、試料台を含む取付け関係
を示す図で、(A)は平面図(B)は正面図である。
【図3】モータにより回転可能とした試料台ユニットを
示す正面図である。
【図4】基準試料表面におけるX方向とY方向の2次元
領域の分割と、基準試料表面上のある位置における不整
の存在を示す図である。
【図5】2次元光検出器上への基準試料の1次元領域内
の分光投射を示すもので、(A)は不整がない場合であ
り、(B)は不整が存在する場合の光強度分布を濃淡で
概念的に示す図である。
【図6】白色試料と黄色系試料の反射率と波長分布の一
例を示す図である。
【符号の説明】
1…光源 2…試料 3…試料ホルダー 4…試料台 5…対物レンズ S…スリット 6…スリット板 7…コリメータレンズ 8…分光素子 9…結像レンズ 10…光検出器 11…分光器ユニット 12…試料台ユニット 13…リニアガイド 14…リニアガイドコントローラ 15…固定具 16…コンピュータ 25…試料台窓 26…押え板 27…板バネ 28…止めネジ 29…ピン穴 30…位置決めピン 31…ベース 32…モータ 33…ベルト 34…回転試料台 35…支軸 36…軸受
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 G01J 3/00 - 3/52 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料からの反射光をスリットにより1次元
    方向に制限した後に分光し、分光された反射光を、2次
    元方向に配列された複数の光検出素子からなる受光面を
    有する光検出器で検出し、試料の1次元領域内の各位置
    毎に反射光の波長別の光強度を測定する構成の分光測光
    器において、反射率を求めるため前記スリットに直交す
    る方向に光学系を走査しながら、基準試料の2次元領域
    の各々の点に対する波長別の光強度を測定する手段と、
    前記基準試料の前記一次元領域内の各々の測定点につい
    ての複数の測定結果を走査方向に平均化して得られる複
    数の値を前記1次元方向の各々の点における基準値とし
    て保持する手段を有し、サンプルについて光学系を前記
    スリットに直交する方向に走査しながら測定することに
    よって2次元領域の各々の点に対して得られる測定結果
    を保持して、1次元方向の各々の点における前記基準値
    を演算処理することにより、前記サンプルの2次元領域
    にわたって基準試料に対する反射率スペクトルを得るよ
    うにしたことを特徴とする分光測光器。
  2. 【請求項2】試料からの反射光をスリットにより1次元
    方向に制限した後に分光し、分光された反射光を、2次
    元方向に配列された複数の光検出素子からなる受光面を
    有する光検出器で検出し、試料の1次元領域内の各位置
    毎に反射光の波長別の光強度を測定する構成の分光測光
    器において、反射率を求めるため前記スリットに直交す
    る方向に光学系を走査しながら基準試料の2次元領域の
    各々の点に対する波長別の光強度を測定する手段と、前
    記基準試料の前記1次元領域内の各々の測定点について
    の複数の測定結果の全平均値を計算して、該全平均値と
    前記基準試料の前記1次元領域内の各々の測定点につい
    ての測定結果との比較を行い、一定の差を生じたときこ
    の領域の測定値を省いて走査方向に平均化しなおして得
    られる複数の値を前記1次元方向の各々の点における基
    準値として保持する手段を有し、サンプルについて光学
    系を前記スリットに直交する方向に走査しながら2次元
    領域の各々の点に対して得られる測定結果を保持して、
    1次元方向の各々の点における前記基準値を演算処理す
    ることにより、前記サンプルの2次元領域にわたって基
    準試料に対する反射率スペクトルを得るようにしたこと
    を特徴とする分光測光器。
  3. 【請求項3】試料からの反射光をスリットにより1次元
    方向に制限した後に分光し、分光された反射光を、2次
    元方向に配列された複数の光検出素子からなる受光面を
    有する光検出器で検出し、試料の1次元領域内の各位置
    毎に反射光の波長別の光強度を測定する構成の分光測光
    器において、反射率を求めるため光学系と基準試料の相
    対的位置関係を変化させて基準試料上の測定領域が互い
    に異なるような複数回の測定を行い、得られた複数の測
    定結果を平均化して得られる値を基準値として保持する
    手段と、サンプルについて前記分光測光器の光学系を前
    記スリットに直交する方向に走査しながら測定すること
    によって前記サンプルの2次元領域の各々の点に対して
    得られる測定結果を保持して前記基準値を演算処理する
    ことにより、サンプルの2次元領域にわたって基準試料
    に対する反射率スペクトルを得るようにしたことを特徴
    とする分光測光器。
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