JP3405019B2 - 集中潤滑装置の分配弁 - Google Patents

集中潤滑装置の分配弁

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JP3405019B2
JP3405019B2 JP27409295A JP27409295A JP3405019B2 JP 3405019 B2 JP3405019 B2 JP 3405019B2 JP 27409295 A JP27409295 A JP 27409295A JP 27409295 A JP27409295 A JP 27409295A JP 3405019 B2 JP3405019 B2 JP 3405019B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油を一定量計
量して建設車両などの潤滑箇所に分配供給する集中潤滑
装置の分配弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の分配弁として、例えば図
3に示すようなものが知られている(特開平5−184
93号公報)。この分配弁は、底面に給油路43に連通
する給油孔44が開口し,側面に排油路45が開口する
シリンダ室42を本体41に設け、このシリンダ室42
に上下に液密に連結された蓋体である第2スリーブ47
と第1スリーブ46とを圧入するとともに、両スリーブ
46,47の片側外周と本体41の間に縦方向に形成さ
れる油通路48の環状の上端48aと第2スリーブ47
の内部をつなぐ横方向の連通孔49と、上記油通路48
の環状の下端48bを第1スリーブ46の底部中心の貫
通穴50につなぐ放射状の連通孔51と、第1スリーブ
46の内部を排油路45につなぐ排油口52とを設けて
いる。そして、第1スリーブ46内に、上記貫通穴50
に沿って摺動するランド部53aと,第1スリーブ46の
底部46aの近くに位置する鍔部53cと,これらをつな
ぐ小径軸部53bと,鍔部53cの上方に続く軸部53dか
らなる弁体53を嵌装する一方、第2スリーブ47内
に、カップ状の計量ピストン54を嵌装し、この計量ピ
ストン54と上記弁体53の鍔部53cとの間にばね5
5を縮装している。尚、第1スリーブ46の下端中央に
は、大小2つの環状パッキン57a,57bをもつ環状の
端部材56を嵌合し、上記貫通穴50の連通孔51との
交差部にも環状パッキン57bを挿着して、ランド部5
3aとの液密を保っている。また、第2スリーブ47の
中心には、計量ピストン54の上死点を調整するねじ5
8を螺合している。
【0003】図3の分配弁において、図示しないポンプ
によって給油路43に圧送されてきた潤滑油は、給油孔
44を経て弁体53のランド部53aをばね55に抗し
て押し上げ、連通孔51を開いて油通路48および連通
孔49を通って背面室60に流入し、計量ピストン54
をばね55に抗して押し下げる。すると、計量室59内
の潤滑油が、排油孔52を経て排油路45から所定量だ
け排出され、押し縮められるばね55の力を鍔部53c
を介して受ける弁体53は、下降してランド部53aで
上記連通孔51を閉鎖し、給油路43から背面室60へ
の潤滑油の供給を遮断する。次に、上記閉鎖に伴う給油
路43の圧力上昇を検知したセンサは、ポンプによる潤
滑油の圧送を停止させ、かつ給油路43をタンクに開放
させる。すると、弁体53は、ばね55によってさらに
押し下げられ、ランド部53aが給油孔44を塞ぐ下死
点に達する。そうすると、連通孔51が開かれて、ばね
55による計量ピストン54の押し上げに伴い、背面室
60内の潤滑油は、連通孔49,油通路48,連通孔51
および弁体の小径軸部53bと貫通穴50の間を通って
計量室59に流入して、図3に示す最初の状態に戻り、
次の潤滑油吐出サイクルに備える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
分配弁は、既述の如く本体41のシリンダ室42に一体
に連結された第1,第2スリーブ46,47を圧入し、両
スリーブ46,47の片側外周に沿って縦方向に油通路
48を形成しているため、この油通路48にポンプから
高圧(125kgf/cm2)の潤滑油が供給されると、片側のみ
に高圧を受ける両スリーブ46,47は、その中心軸に
関して非対称に変形し、この変形は、両スリーブ46,
47が、油通路48により非対称となったシリンダ室4
2に圧入されていることからより大きくなる。そのた
め、両スリーブ46,47の内周を摺動する計量ピスト
ン54が、円滑に動かなくなったり、途中で停止したり
して、潤滑箇所に必要量の潤滑油を供給できなくなると
いう問題がある。また、圧入された両スリーブ46,4
7は、必ずしもその下端面がシリンダ室42の底面に密
着するとは限らず、両面間に隙間ができると、第2スリ
ーブ47の上面がシリンダ室42の所定位置に嵌着され
る止め輪61で位置決めされることから、計量室59の
容積および計量ピストン54のストロークが変動して、
潤滑油の1サイクル当たりの吐出量が製品毎にばらつく
という問題がある。さらに、シリンダ室に両スリーブを
圧入した本体41の2重構造および第1スリーブ46の
下端の端部材56による嵌合構造などのため、高い加工
精度が要求され、部品点数が増加するという問題もあ
る。
【0005】そこで、本発明の目的は、吐出動作に係る
諸部材の構成をシリンダ室の中心軸に関して対称になる
ように工夫等することによって、一定量の潤滑油を確実
に吐出することができる簡素で低コストな集中潤滑装置
の分配弁を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載の集中潤滑装置の分配弁
は、給油路が開口する小径シリンダ室と、この小径シリ
ンダ室に連なり、排油路が開口する大径シリンダ室とを
有する本体と、この本体に取り付けられるとともに、上
記両シリンダ室の全長に亘って延設され、かつ、内部通
路を有する筒体と、この筒体と上記大径シリンダ室との
間に嵌装された往復動自由な計量ピストンと、上記筒体
と小径シリンダ室との間に嵌装された往復動自由なパイ
ロットピストンと、上記両ピストン間の計量室に設けら
れ、この両ピストンを付勢するばねとを備え、上記計量
室に対向する計量ピストン背面の背面室を上記筒体の内
部通路に連通し、上記計量室に対向するパイロットピス
トン背面の供給室を上記給油路に連通する一方、上記筒
体の外周に上記内部通路に連通する連通路を開口して、
上記供給室を加圧したとき、上記パイロットピストンの
往動により上記連通路を供給室に連通し、上記供給室を
脱圧したとき、上記パイロットピストンの復動により上
記連通路を上記計量室に連通させるようにしたことを特
徴とする。
【0007】給油路に連通する供給室が加圧されると、
筒体と小径シリンダ室との間に嵌装されたパイロットピ
ストンが往動し、筒体の外周に設けられた連通路が開か
れる。すると、供給室の潤滑油は、上記連通路から筒体
の内部通路を通って背面室に流入し、計量ピストンをパ
イロットピストンとの間に設けられたばねの力に抗して
往動させ、これに伴って計量室から排油路を経て所定量
の潤滑油が吐出される。次に、上記供給室が脱圧される
と、パイロットピストンは、ばねの力によって復動し、
上記連通路と供給室との間を遮断するとともに、この連
通路を計量室に連通させる。すると、背面室が筒体の内
部通路と上記連通路を経て計量室に連なるので、背面室
を満たしていた潤滑油は、上記ばねによる計量ピストン
の復動に伴って計量室に流れ込んで、次のサイクルの吐
出に備えることになり、最初の動作状態に戻る。
【0008】請求項1の分配弁では、本体の両シリンダ
室の全長に亘って延設された筒体に計量ピストンとパイ
ロットピストンを往復動自由に夫々嵌装するとともに、
筒体の内部通路をピストン作動のための油通路としてい
るので、諸部材の非対称な変形がなくなって計量ピスト
ンが常に円滑に動き、1サイクル当たりの潤滑油の吐出
量が確実かつ常に一定となる。
【0009】本発明の請求項2の分配弁は、請求項1と
同様の本体と筒体とばねに加えて、大径シリンダ室の開
口端を塞ぎ,計量ピストンの他側に,筒体の内部通路に連
通する背面室を形成する蓋体を新たに設けるとともに、
上記計量ピストンを、筒体と大径シリンダ室の間に嵌装
されるピストン部とこのピストン部の一側から突出する
突出部とで構成し、上記パイロットピストンを、筒体と
小径シリンダ室の間に嵌装されるピストン部とこのピス
トン部の他端の鍔部とで構成して、上記蓋体に当接した
計量ピストンの突出部に上記鍔部が近づいたパイロット
ピストンの上死点において、上記筒体に設けられた連通
路を介して上記給油路を上記筒体の内部通路に連通する
一方、上記大径シリンダ室と小径シリンダ室との間の段
部に上記鍔部が当接するパイロットピストンの下死点に
おいて、上記筒体の内部通路を上記連通路を介して上記
計量ピストンの一側に形成される計量室に連通するよう
にしている。
【0010】請求項2の分配弁において、筒体に外嵌し
て大径シリンダ室を摺動する計量ピストンのピストン部
が、大径シリンダ室の開口端を塞ぐ蓋体に当接し、上記
筒体に外嵌して小径シリンダ室を摺動するパイロットピ
ストンの鍔部が、大径,小径の両シリンダ室の間の段部
に当接した状態で、給油路に潤滑油が圧送されてくる。
すると、この潤滑油は、筒体の外周と小径シリンダ室の
間に流入して、上記パイロットピストンを、その鍔部と
計量ピストンのピストン部との間に縮装されたばねの力
に抗して押し上げる。そして、上記鍔部が、蓋体に当接
した上記計量ピストンの突出部に近づくと、筒体に設け
られた連通路が開かれて上死点に達する。すると、上記
潤滑油は、この連通路を通って筒体の内部通路を上昇
し、計量ピストンの後方の背面室に流入して、計量ピス
トンをばねの力に抗して押し下げ、やがて計量ピストン
の突出部の前端が、パイロットピストンの鍔部に当接す
る。
【0011】続いて、パイロットピストンよりも大きい
受圧面積をもつ計量ピストンが、パイロットピストンに
当接したまま下降し、計量ピストンの一連の下降に伴っ
て前方の計量室から排油路を経て所定量の潤滑油が吐出
される。下降するパイロットピストンが、筒体の上記連
通路を閉鎖すると、給油路から筒体の内部通路への潤滑
油の供給が遮断され、この遮断によりポンプからの潤滑
油の供給が続く給油路の圧力は上昇する。そこで、この
圧力上昇を例えばセンサで検出して、ポンプを停止さ
せ,給油路をタンクに開放させる。すると、パイロット
ピストンは、給油路側の圧力が抜けるため上記ばねによ
って突出部から離れるようにさらに押し下げられ、鍔部
が上記段部に当接した下死点に達する。すると、筒体の
内部通路を給油路に対して閉じ続けていた上記連通路
は、今度は計量室に向かって開いて、背面室を満たして
いた潤滑油は、ばねによる計量ピストンの押し上げに伴
って、上記内部通路および連通路を通って、先のパイロ
ットピストンの下降で低圧になった計量室に流入し、次
のサイクルの潤滑油の吐出に備える。かくて、計量ピス
トンが蓋体に,パイロットピストンの鍔部が段部に夫々
当接した最初の状態に戻る。請求項2の分配弁でも、大
径,小径の両シリンダ室に全長に亘って筒体を延設し、
この筒体と各シリンダ室の間に計量ピストンとパイロッ
トピストンを夫々嵌装するとともに、筒体の内部通路を
ピストン作動のための油通路とした軸対称な構造にして
いるので、諸部材の非対称な変形がなくなって計量ピス
トンが常に円滑に動き、1サイクル当たりの潤滑油の吐
出量が確実かつ常に一定となるうえ、従来の弁ランド部
が摺接する環状の端部材などが不要になって部品点数の
少ない簡素な構成により製造コストの低減を図ることが
できる。
【0012】本発明の請求項3の分配弁では、上記連通
路が、上記パイロットピストンの上死点において、上記
給油路を上記筒体の内部通路に連通するように上記筒体
にこの筒体の軸と直交する方向に設けられた半径方向穴
と、上記パイロットピストンの下死点において、上記半
径方向穴を上記計量室に連通するように上記パイロット
ピストンのピストン部の内周に設けられた環状通路とか
らなる。
【0013】請求項3の分配弁においては、パイロット
ピストンが上死点に達したとき、上記連通路の一方であ
る筒体に設けられた半径方向穴のみが開き、給油路の潤
滑油は、上記半径方向穴,筒体の内部通路を経て背面室
に流入し、計量ピストンが押し下げられて、計量室から
所定量の潤滑油が吐出される。一方、パイロットピスト
ンが下死点に達したとき、上記連通路の双方である上記
筒体の半径方向穴とこれに連なるパイロットピストンの
ピストン部の内周の環状通路が開いて、背面室の潤滑油
は、計量ピストンの押し上げに伴って、筒体の内部通
路,上記連通路を経て計量室に流入し、次のサイクルの
潤滑油の吐出に備える。このように、上記連通路は、筒
体とこれに沿って摺動するパイロットピストンとにこれ
らの相対運動に関連づけて協働するように形成されてい
るので、筒体内部を給油路と計量室とに切換連通する連
通路を、より簡素かつコンパクトで確実に切換動作する
構成にすることができる。
【0014】本発明の請求項4の分配弁では、上記内部
通路を背面室に連通する油通路が、上記蓋体の大径シリ
ンダ室に臨む面に上記筒体と交差するように設けられた
溝になっている。この分配弁においては、筒体の内部通
路を背面室に連通する油通路が、蓋体の大径シリンダ室
に臨む面に設けられた,例えば筒体を中心とする円形空
間でなく,溝であるので、計量ピストンの後端と筒体お
よび大径シリンダとの間に夫々挿着される環状パッキン
が、油通路の端縁に接触して損傷する虞が少なくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
により詳細に説明する。図1は、本発明の集中潤滑装置
の分配弁の実施の一形態を示す縦断面図である。なお、
図1では、摺動部材の摺動範囲が分かるように、中心線
(一点鎖線)の左右で摺動部材の位置を異ならせて描いて
いる。この分配弁は、給油路3が開口する小径シリンダ
室2と、この小径シリンダ室2に同軸をなして連なり,
排油路5が開口する大径シリンダ室4を有する本体1
と、上記小径シリンダ室2の底部に前端がパッキン18
を介して液密に差し込まれるとともに、両シリンダ室
2,4の中心軸上に全長に亘って延設され、かつ内部通
路6aを有する筒体6と、この筒体6と大径シリンダ室
4の間に液密に嵌装されるピストン部7aとこのピスト
ン部7aの前方に突出する突出部としてのスリーブ部7b
からなる計量ピストン7と、上記筒体6と小径シリンダ
室2の間に液密に嵌装されるピストン部8aとこのピス
トン部の後端の鍔部8bからなるパイロットピストン8
と、このパイロットピストン8の鍔部8bと上記計量ピ
ストン7のピストン部7aとの間に縮装されたばね9
と、大径シリンダ室4の後端を塞ぐべく螺合される蓋体
10と、上記パイロットピストン8の動きに応じて,筒
体の内部通路6aを上記給油路3と上記計量ピストン7
の前方に形成される計量室11とに切換連通する連通路
13で構成される。
【0016】上記連通路13は、パイロットピストンの
鍔部8bが、蓋体10に当接した計量ピストン7のスリ
ーブ部7bの前端に近づいた上死点において、給油路3
を筒体6の外周と小径シリンダ室2との間を介して内部
通路6aに連通するように筒体6にその軸と直交する方
向に放射状に複数設けられた半径方向穴14と、大径シ
リンダ室4と小径シリンダ室2の間の段部16に鍔部8
bが当接するパイロットピストン8の下死点において、
上記半径方向穴14を計量室11に連通するようにパイ
ロットピストン8のピストン部8aの内周に設けられた
環状通路15とからなる。
【0017】上記蓋体10の大径シリンダ室4に臨む面
には、筒体6の内部通路6aを計量ピストン7の後方に
形成される背面室12に連通すべく、筒体6の直径方向
に合わせて油通路としての1本の直線溝17が設けられ
ている。なお、図1の直線溝17は、長手方向の断面と
して示されている。なお、液密を維持すべく、筒体6の
半径方向穴14の上下にパッキン19,19を、計量ピ
ストン7のピストン部7aの後端に筒体6および大径シ
リンダ室4に対してパッキン20,21を、蓋体10と
大径シリンダ室4の後端の間にパッキン22を、パイロ
ットピストン8のピストン部8aの外周にパッキン23
を夫々挿着している。
【0018】上記構成の分配弁の動作について、図2を
参照しつつ次に述べる。なお、図2では、明瞭化のため
に図1のパッキン19,23を省略している。図2(A)
に示すように、筒体6に外嵌して大径シリンダ4内を摺
動する計量ピストン7のピストン部7aが、大径シリン
ダ室4の後端を塞ぐ蓋体10に当接し、筒体6に外嵌し
て小径シリンダ室2内を摺動するパイロットピストン8
の鍔部8bが、大径,小径シリンダ室4,2の間の段部1
6に当接した状態で、小径シリンダ室2の前端に開口す
る給油路3に図示しないポンプから潤滑油が圧送されて
くる。この潤滑油は、筒体6の外周と小径シリンダ室2
の間に流入して、図2(B)に示すようにパイロットピス
トン8を、鍔部8bと計量ピストン7のピストン部7aと
の間に縮装されたばね9の力に抗して押し上げ、鍔部8
bが計量ピストンのスリーブ部7bの前端に近づくと、筒
体6に設けられた半径方向穴14が開かれて上死点に達
する。すると、筒体6の外周の潤滑油は、この半径方向
穴14を通って筒体の内部通路6aを上昇し、後端の蓋
体10の溝17を経て計量ピストン7の後方の背面室1
2(図2(C)参照)に流入する。
【0019】背面室12に流入した潤滑油は、計量ピス
トン7をばね9の力に抗して押し下げ、やがて計量ピス
トンのスリーブ部7bの前端が、パイロットピストン8
の鍔部8bに当接する。続いて、パイロットピストンの
ピストン部8aに比して大きい受圧面積をもつ計量ピス
トン7が、図2(C)に示すように、パイロットピストン
8に当接したまま下降し、計量ピストン7の一連の下降
に伴って前方の計量室11から排油路5を経て図示しな
い建設車両の潤滑箇所などに所定量の潤滑油が吐出され
る。下降するパイロットピストン8が、筒体6の半径方
向穴14を閉鎖すると、給油路3から筒体の内部通路6
aへの潤滑油の供給が遮断され、この状態でパイロット
ピストン8のピストン部8aの前端に給油路3から加わ
る押し上げ力と、鍔部8bに当接する計量ピストン7か
ら加わる押し下げ力とがバランスして、下降が停止す
る。
【0020】さて、上記半径方向穴14の遮断により、
ポンプからの潤滑油の供給が続く給油路3の圧力は上昇
する。この圧力上昇は、給油路3に設けられた図示しな
いセンサで検出され、この検出信号に基づいて制御部
(図示せず)は、ポンプを停止させ、給油路3をタンクに
開放する。すると、パイロットピストン8は、給油路3
側の圧力が抜けるためばね9によって計量ピストンのス
リーブ部7bから離れるようにさらに押し下げられ、図
2(D)に示すように、鍔部8bが大径,小径の両シリンダ
室4,2の間の段部16に当接した下死点に達する。す
ると、内部通路6aを給油路3に対して閉じ続けていた
筒体6の半径方向穴14は、パイロットピストン8の内
周に設けられた環状通路15とつながり、今度は計量室
11に向かって開いて、背面室12を満たしていた潤滑
油は、ばね9による計量ピストン7の押し上げに伴っ
て、蓋体10の溝17,筒体の内部通路6aおよび上記開
かれた半径方向穴14と環状通路15を通って、先のパ
イロットピストン8の下降で低圧になった計量室11に
流入し、次のサイクルの潤滑油の吐出に備える。かく
て、計量ピストン7が蓋体10に当接するまで上昇すれ
ば、図2(A)に示すもとの状態に戻る。
【0021】上記実施の態様は、本発明の請求項2以下
に記載の分配弁について述べたものであるが、請求項1
に記載の分配弁も、課題を解決するための手段の欄で述
べたように動作する。従って、本発明では、大径,小径
の両シリンダ室4,2の全長に亘って筒体6を延設し、
この筒体6と各シリンダ室4,2の間に計量ピストン7
とパイロットピストン8を夫々嵌装すると共に、筒体の
内部通路6aをピストン作動のための油通路とした構造
にしているので、同軸に連結され,内周を計量ピストン
54が摺動する2つのスリーブ46,47をシリンダ室
42に圧入し、両スリーブ46,47の片側外周に油通
路48を形成した従来の分配弁(図3参照)と異なり、非
対称な変形がなくなって計量ピストン7が常に円滑に動
き、1サイクル当たりの潤滑油の吐出量が確実かつ常に
一定となる。
【0022】上記実施の形態では、計量ピストン7やパ
イロットピストン8などをより簡素で無駄のない構造に
するとともに、筒体の内部通路6aを,パイロットピスト
ン8の動作に応じて給油路3と計量室11とに切換連通
する連通路13を、筒体6の半径方向穴14と、この穴
にパイロットピストンの下死点において連通するパイロ
ットピストンの内周の環状通路15とで構成しているの
で、従来例の如き環状の端部材56(図3参照)等が不要
になるうえ、連通路13をより簡素かつコンパクトで確
実に切換動作するものにでき、部品点数の少ない簡素な
構成により製造コストの低減を図ることができる。ま
た、上記実施の形態では、筒体の内部通路6aを背面室
12に連通する油通路を、蓋体の大径シリンダ室に臨む
面に設けられた溝17としたので、上記油通路が筒体を
中心とする円形空間である場合と異なり、計量ピストン
の後端に挿着された環状パッキン20,21が、油通路
の端縁に接触して損傷する虞れが少なくなる。上記実施
の形態では、蓋体10に設ける油通路を筒体6の直径方
向に合わせた1本の直線溝17としたが、これを筒体を
中心とする放射状の複数本の直線溝にすることもでき
る。
【0023】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
請求項1に記載の集中潤滑装置の分配弁は、給油路が開
口する小径シリンダ室と,これに連なって排油路が開口
する大径シリンダ室とを有する本体と、この本体に取り
付けて,上記両シリンダ室の全長に亘って延設され,かつ
内部通路を有する筒体と、この筒体と上記大径シリンダ
室との間および上記筒体と小径シリンダ室との間に夫々
往復動自由に嵌装された計量ピストンおよびパイロット
ピストンと、この両ピストン間の計量室に付勢のために
設けられたばねとを備え、上記計量室に対向する計量ピ
ストン背面の背面室を上記筒体の内部通路に連通し、上
記計量室に対向するパイロットピストン背面の供給室を
上記給油路に連通する一方、上記筒体の外周に上記内部
通路に連通する連通路を開口して、上記供給室を加圧し
たとき、上記パイロットピストンの往動により上記連通
路を供給室に連通し、上記供給室を脱圧したとき、上記
パイロットピストンの復動により上記連通路を上記計量
室に連通させるようにしているので、諸部材の非対称な
変形がなくなって計量ピストンが常に円滑に動き、1サ
イクル当たりの潤滑油の吐出量が確実かつ常に一定とな
る。
【0024】本発明の請求項2の分配弁は、請求項1と
同様の本体と筒体とばねに加えて、大径シリンダ室の開
口端を塞ぎ,計量ピストンの他側に,筒体の内部通路に連
通する背面室を形成する蓋体を新たに設けるとともに、
上記計量ピストンを、筒体と大径シリンダ室の間に嵌装
されるピストン部とこのピストン部の一側から突出する
突出部とで構成し、上記パイロットピストンを、筒体と
小径シリンダ室の間に嵌装されるピストン部とこのピス
トン部の他端の鍔部とで構成して、上記蓋体に当接した
計量ピストンの突出部に上記鍔部が近づいたパイロット
ピストンの上死点において、上記筒体に設けられた連通
路を介して上記給油路を上記筒体の内部通路に連通する
一方、上記大径シリンダ室と小径シリンダ室との間の段
部に上記鍔部が当接するパイロットピストンの下死点に
おいて、上記筒体の内部通路を上記連通路を介して上記
計量ピストンの一側に形成される計量室に連通するよう
にしているので、請求項1で述べた効果に加えて、従来
の弁ランド部が摺接する環状の端部材などが不要になっ
て、部品点数の少ない簡素な構成により製造コストの低
減を図ることができる。
【0025】また、請求項3の分配弁は、筒体の内部を
パイロットピストンの動作に応じて給油路側と計量室側
とに切換連通する請求項2の連通路を、筒体の半径方向
穴と、この穴にパイロットピストンの下死点において連
通するパイロットピストンの内周の環状通路とで構成し
ているので、上記連通路をより簡素かつコンパクトで確
実に切換動作するものにできる。さらに、請求項4の分
配弁は、筒体の内部通路を背面室に連通する油通路を、
上記蓋体の大径シリンダ室に臨む面に溝として設けてい
るので、上記油通路が筒体を中心とする円形空間である
ような場合と異なり、計量ピストンの後端に挿着された
環状パッキンが、油通路の端縁に接触して損傷する虞れ
が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の集中潤滑装置の分配弁の実施の一形
態を示す縦断面図である。
【図2】 図1の分配弁の動作を順に示した縦断面図で
ある。
【図3】 従来の集中潤滑装置の分配弁を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1…本体、2…小径シリンダ室、3…給油路、4…大径
シリンダ室、5…排油路、6…筒体、6a…内部通路、
7…計量ピストン、7a…ピストン部、7b…スリーブ
部、8…パイロットピストン、8a…ピストン部、8b…
鍔部、9…ばね、10…蓋体、11…計量室、12…背
面室、13…連通路、14…半径方向穴、15…環状通
路、16…段部、17…直線溝、18,19,20,21,
22,23…パッキン。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−107400(JP,A) 実開 平5−73398(JP,U) 実開 昭55−64476(JP,U) 実開 昭56−91991(JP,U) 実開 平6−25728(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16N 25/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給油路(3)が開口する小径シリンダ室
    (2)と、この小径シリンダ室(2)に連なり、排油路(5)
    が開口する大径シリンダ室(4)とを有する本体(1)と、
    この本体(1)に取り付けられると共に、上記両シリンダ
    室(2,4)の全長に亘って延設され、かつ、内部通路(6
    a)を有する筒体(6)と、この筒体(6)と上記大径シリン
    ダ室(4)との間に嵌装された往復動自由な計量ピストン
    (7)と、上記筒体(6)と小径シリンダ室(2)との間に嵌
    装された往復動自由なパイロットピストン(8)と、上記
    両ピストン(7,8)間の計量室(11)に設けられ、この
    両ピストン(7,8)を付勢するばね(9)とを備え、上記
    計量室(11)に対向する計量ピストン(7)背面の背面室
    (12)を上記筒体(6)の内部通路(6a)に連通し、上記
    計量室(11)に対向するパイロットピストン(8)背面の
    供給室(25)を上記給油路(3)に連通する一方、上記筒
    体(6)の外周に上記内部通路(6a)に連通する連通路(1
    3)を開口して、上記供給室(25)を加圧したとき、上
    記パイロットピストン(8)の往動により上記連通路(1
    3)を供給室(25)に連通し、上記供給室(25)を脱圧
    したとき、上記パイロットピストン(8)の復動により上
    記連通路(13)を上記計量室(11)に連通させるように
    したことを特徴とする集中潤滑装置の分配弁。
  2. 【請求項2】 給油路(3)が開口する小径シリンダ室
    (2)と、この小径シリンダ室(2)に連なり、排油路(5)
    が開口する大径シリンダ室(4)を有する本体(1)と、 上記小径シリンダ室(2)の底部に一端が取り付けられる
    とともに、上記両シリンダ室(2,4)に全長に亘って延
    設され、かつ内部通路(6a)を有する筒体(6)と、 この筒体(6)と上記大径シリンダ室(4)の間に嵌装され
    るピストン部(7a)とこのピストン部(7a)の一側から突
    出する突出部(7b)とからなる計量ピストン(7)と、 上記大径シリンダ室(4)の開口端を塞ぎ、上記計量ピス
    トン(7)の他側に、上記筒体(6)の内部通路(6a)に連
    通する背面室(12)を形成する蓋体(10)と、 上記筒体(6)と上記小径シリンダ室(2)の間に嵌装され
    るピストン部(8a)とこのピストン部(8a)の他端の鍔部
    (8b)とからなり、この鍔部と上記計量ピストン(7)の
    ピストン部(7a)との間に縮装されたばね(9)によって
    付勢されるとともに、上記蓋体(10)に当接した上記計
    量ピストン(7)の突出部(7b)に上記鍔部(8b)が近づい
    た上死点において、上記筒体(6)に設けられた連通路
    (13)を介して上記給油路(3)を上記筒体(6)の内部通
    路(6a)に連通する一方、上記大径シリンダ室(4)と小
    径シリンダ室(2)との間の段部(16)に上記鍔部(8b)
    が当接する下死点において、上記筒体の内部通路(6a)
    を上記連通路(13)を介して上記計量ピストン(7)の一
    側に形成される計量室(11)に連通するパイロットピス
    トン(8)を備えたことを特徴とする集中潤滑装置の分配
    弁。
  3. 【請求項3】 上記連通路(13)は、上記パイロットピ
    ストン(8)の上死点において、上記給油路(3)を上記筒
    体の内部通路(6a)に連通するように上記筒体(6)にこ
    の筒体の軸と直交する方向に設けられた半径方向穴(1
    4)と、上記パイロットピストン(8)の下死点におい
    て、上記半径方向穴(14)を上記計量室(11)に連通す
    るように上記パイロットピストン(8)のピストン部(8
    a)の内周に設けられた環状通路(15)とからなることを
    特徴とする請求項2に記載の集中潤滑装置の分配弁。
  4. 【請求項4】 上記蓋体(10)の大径シリンダ室(4)に
    臨む面に、上記筒体(6)と交差するように、上記内部通
    路(6a)を上記背面室(12)に連通する溝(17)が設け
    られていることを特徴とする請求項2または3に記載の
    集中潤滑装置の分配弁。
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