JP3404622B2 - 直線ローラ案内装置およびテーブル案内装置 - Google Patents

直線ローラ案内装置およびテーブル案内装置

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JP3404622B2 JP04359399A JP4359399A JP3404622B2 JP 3404622 B2 JP3404622 B2 JP 3404622B2 JP 04359399 A JP04359399 A JP 04359399A JP 4359399 A JP4359399 A JP 4359399A JP 3404622 B2 JP3404622 B2 JP 3404622B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は建築物の免震装置
等に用いられる直線ローラ案内装置およびテーブル案内
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】免震装置の建物支持機構として、従来か
ら転動体の転がりを利用した転がり案内装置が利用され
ている。すなわち、転がり案内装置を介して基礎に対し
建築物を移動可能に支持し、基礎の振動が建築物に直接
伝わりにくくするものである。転がり案内装置の構成と
しては、直線状の軌道レールを用いたものと、建築物が
直線運動の軌跡を取るように軌道レールを上下方向に湾
曲させた曲線状の軌道レールを用いたものがある。直線
状の軌道レールを用いたものは軌道レールに沿って直線
的に移動する建築物の運動エネルギをダンパによって吸
収するもので、曲線状の軌道レールを用いたものは建築
物の運動エネルギを位置エネルギに変換して吸収するも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は直線運動を
案内する直線運動案内装置に関するものである。重荷重
を支持するためには、ボールよりもローラの方が形状的
に圧縮荷重に対する歪みが小さく耐圧性も高いのでロー
ラを使用することが望ましい。このようなローラ案内装
置としては、たとえば図12に示すように軌道レール5
10の肩部511の上面及び下面にローラ512,51
2を配置した構成が考えられる。しかし、ローラの場合
にはボールと異なり自動調芯性が無いために、軌道レー
ル510と移動ブロック513の平行度が悪いとローラ
512の左右両端に過大応力が発生し、ローラや軌道面
が損傷するおそれがある。損傷しないまでも摩耗しやす
く耐久性が悪くなる。この軌道レール510と移動ブロ
ック513の平行度は、軌道レール510と移動ブロッ
ク513が取り付けられる相手取り付け面514,51
5の精度によるところが大きい。ところが、建築物の場
合には、相手取り付け面となる基礎や建築物の取り付け
面に工作機械等のような高精度を要求することは不可能
である。
【0007】本発明は上記した従来技術の問題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、重
荷重用に好適なローラを使用し、しかも自動調芯性を備
えた直線ローラ案内装置を提供することにある。また、
このような自動調芯性を備えた直線ローラ案内装置を利
用して全方向の案内を行う直線ローラ案内装置を提供す
ることにある。さらに、このような自動調心性を備えた
直線ローラ案内装置利用したテーブル案内装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本請求項1に係る発明にあっては、長手方向に沿っ
て直線状に延びるレール本体部と、該レール本体部下面
の長手方向と直交する幅方向中央部を支持するベース部
と、を備え、前記レール本体部の幅方向断面形状を下側
に突出するように湾曲する円弧形状とし上面の円弧と前
記ベース部を隔てた左右半部下面の円弧とを同心円状に
構成した軌道レールと、前記レール本体部の上面と対向
するブロック本体部と、該ブロック本体部の幅方向両端
部から前記レール本体部の左右両端部との間に所定の空
間を隔てて下方に突出する左右一対の脚部と、該脚部の
下端部から軌道レールの幅方向中心側に向かって突出し
て前記レール本体部の左右半部下面と対向する支持片部
と、を備え、前記ブロック本体の前記レール本体部の上
面との対向面および前記支持片部の前記レール本体部の
左右半部下面との対向面にはそれぞれ長手方向に延びる
ローラ軌道溝が設けられた移動ブロックと、前記ブロッ
ク本体部のローラ軌道溝とレール本体部上面との間に転
動自在に介装される多数の樽形ローラによって構成され
る複数列の樽形ローラ列と、前記ブロック本体部の左右
支持片部のローラ軌道溝とレール本体部の左右半部下面
との間に転動自在に介装される多数の鼓形ローラによっ
て構成される鼓形ローラ列と、を備え、前記移動ブロッ
クの軌道レールの長手方向に沿う直線運動は前記樽形ロ
ーラ列と鼓形ローラ列の転動によって案内し、レール本
体部の上面および下面に対する前記樽形ローラ列と鼓形
ローラ列のレール本体部の幅方向のすべりによって前記
移動ブロックをレール本体部の幅方向に円弧状に変位
能としたことを特徴とする。この直線ローラ案内装置
は、上方からの荷重はレール本体部上面に接触する樽形
ローラ列で支持し、下からの浮き上がり荷重はレール本
体部下面に接触する鼓形ローラ列で支持し、上下両方向
からの荷重を支持することできる。特に、レール本体部
上面の樽形ローラ列を複数列設けているので、上方から
大荷重を支持することができる。また、一般的にローラ
は調芯性が無いが、本発明ではレール本体部の幅方向断
面形状を円弧形状としたので、樽形ローラおよび鼓形ロ
ーラがレール本体部の上面および下面の幅方向円弧に沿
ってすべり移動ブロックは円弧移動する。したがって、
高剛性でかつ調芯性を兼ね備えた直線ローラ案内装置を
実現できる。
【0009】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
記載の直線ローラ案内装置2組を上下逆向きにして各軌
道レールを直交配置とし、2つのブロック本体部を背面
合わせとして一体化し1つの移動ブロックとしたもので
ある。ここで一体化とは、別体の2つのブロック本体部
をボルト等で一体的に結合する場合と、継ぎ目の無い一
つの材料によって一体成形されている場合の両方を含
む。つまり、長手方向に沿って直線状に延びる第1レー
ル本体部と、該第1レール本体部下面の長手方向と直交
する幅方向中央部を支持する第1ベース部と、を備え、
前記第1レール本体部の幅方向断面形状を下側に突出す
るように湾曲する円弧形状とし上面の円弧と前記第1ベ
ース部を隔てた左右半部下面の円弧とを同心円状に構成
した第1軌道レールと、前記第1軌道レールの上方に第
1軌道レールに対して直交方向に配置され、長手方向に
沿って直線状に延びる第2レール本体部と、該第2レー
ル本体部上面の長手方向と直交する幅方向中央部を支持
する第2ベース部と、を備え、前記第2レール本体部の
幅方向断面形状を上側に突出するように湾曲する円弧形
状とし下面の円弧と前記第2ベース部を隔てた左右半部
上面の円弧とを同心円状に構成した第2軌道レールと、
前記第1レール本体部の上面と対向する第1ブロック本
体部と、該第1ブロック本体部の下面幅方向両端部から
前記第1レール本体部の左右両端部との間に所定の空間
を隔てて下方に突出する左右一対の第1脚部と、該第1
脚部の下端部から第1軌道レールの幅方向中心側に向か
って突出して前記第1レール本体部の左右半部下面と対
向する第1支持片部と、前記第1ブロック本体部と一体
で第2レール本体部の下面と対向する第2ブロック本体
部と、該第2ブロック本体部の上面幅方向両端部から前
記第2レール本体部の左右両端部との間に所定の空間を
隔てて上方に突出する左右一対の第2脚部と、該第2脚
部の上端部から第2軌道レールの幅方向中心側に向かっ
て突出して前記第2レール本体部の左右半部上面と対向
する第2支持片部と、を備え、前記第1ブロック本体部
の前記第1レール本体部上面との対向面および前記第1
支持片部の前記第1レール本体部の左右半部下面との対
向面にはそれぞれ第1レール本体部の長手方向に延びる
ローラ軌道溝が設けられ、前記第2ブロック本体部の前
記第2レール本体部下面との対向面および前記第2支持
片部の前記第2レール本体部の左右半部上面との対向面
にはそれぞれ長手方向に延びるローラ軌道溝が設けられ
た移動ブロックと、前記第1ブロック本体部下面および
第2ブロック本体部上面の各ローラ軌道溝と第1レール
本体部上面および第2レール本体部下面との間に転動自
在に介装される多数の樽形ローラによって構成される複
数列の第1および第2樽形ローラ列と、前記第1ブロッ
ク本体部の左右第1支持片部のローラ軌道溝および第2
ブロック本体部の左右第2支持片部のローラ軌道溝と
1レール本体部の左右半部下面および第2レール本体部
の左右半部上面との間に転動自在に介装される多数の鼓
形ローラによって構成される第1および第2鼓形ローラ
列と、を備えてなることを特徴とする。本発明にあって
は、第1軌道レールと第2軌道レールの取り付け誤差に
よって第1軌道レールと第2軌道レールの平行度に狂い
が生じても(各レールの取り付け面間の傾き)、レール
本体部の幅方向断面形状を円弧形状としたので、樽形ロ
ーラおよび鼓形ローラがレール本体部の上面および下面
の幅方向円弧に沿ってすべり移動ブロックは円弧移動す
る。したがって、高剛性でかつ調芯性を兼ね備えた直線
ローラ案内装置を実現できる。免震装置の建物支持構造
に用いる場合、工作機械等の精密機械と異なり全く異な
り、建築物と基礎床の精度は期待できない。このように
取り付け面の傾きに対しても、第1,第2樽形ローラ列
および第1,第2鼓形ローラ列は自在継ぎ手のように傾
斜吸収機構として機能し、取り付け面の精度に関わらず
円滑に移動する。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項2の第1軌
道レールと第2軌道レールの少なくとも一方をそれぞれ
複数本ずつ平行に配置し、移動ブロックを各第1,第2
軌道レールの交差部にそれぞれ設けたことを特徴とす
る。つまり、長手方向に沿って直線状に延びる第1レー
ル本体部と、該第1レール本体部下面の長手方向と直交
する幅方向中央部を支持する第1ベース部と、を備え、
前記第1レール本体部の幅方向断面形状を下側に突出す
るように湾曲する円弧形状とし上面の円弧と前記第1ベ
ース部を隔てた左右半部下面の円弧とを同心円状に構成
した第1軌道レールと、該第1軌道レールの上方に第1
軌道1レールに対して直交方向に配置され、長手方向に
沿って直線状に延びる第2レール本体部と、該第2レー
ル本体部上面の長手方向と直交する幅方向中央部を支持
する第2ベース部と、を備え、前記第2レール本体部の
幅方向断面形状を上側に突出するように湾曲する円弧形
状とし下面の円弧と前記第2ベース部を隔てた左右半部
上面の円弧とを同心円状に構成した第2軌道レールと、
前記第1レール本体部の上面および第2レール本体部の
下面と対向するブロック本体部と、該ブロック本体部の
下面幅方向両端部から前記第1レール本体部の左右両端
部との間に所定の空間を隔てて下方に突出する左右一対
の第1脚部と、該第1脚部の下端部から第1軌道レール
の幅方向中心側に向かって突出して前記第1レール本体
部の左右半部下面と対向する第1支持片部と、前記ブロ
ック本体部の上面幅方向両端部から前記第2レール本体
部の左右両端部との間に所定の空間を隔てて上方に突出
する左右一対の第2脚部と、該第2脚部の上端部から第
2軌道レールの幅方向中心側に向かって突出して前記第
2レール本体部の左右半部上面と対向する第2支持片部
と、を備え、前記ブロック本体部の前記第1レール本体
部上面との対向面および前記第1支持片部の前記第1レ
ール本体部の左右半部下面との対向面にはそれぞれ第1
レール本体部の長手方向に延びるローラ軌道溝が設けら
れ、前記ブロック本体部の前記第2レール本体部下面と
の対向面および前記第2支持片部の前記第2レール本体
部の左右半部上面との対向面にはそれぞれ長手方向に延
びるローラ軌道溝が設けられた移動ブロックと、前記第
1ブロック本体部下面および第2ブロック本体部上面の
各ローラ軌道溝と第1レール本体部上面および第2レー
ル本体部下面との間に転動自在に介装される多数の樽形
ローラによって構成される複数列の第1および第2樽形
ローラ列と、前記第1ブロック本体部の左右第1支持片
部のローラ軌道溝および第2ブロック本体部の左右第2
支持片部のローラ軌道溝と第1レール本体部の左右半部
下面および第2レール本体部の左右半部上面との間に転
動自在に介装される多数の鼓形ローラによって構成され
る第1および第2鼓形ローラ列と、を備え、前記第1軌
道レールと第2軌道レールの少なくとも一方をそれぞれ
複数本ずつ平行に配置し、移動ブロックを各第1,第2
軌道レールの交差部にそれぞれ設けたことを特徴とす
る。本発明のように複数の軌道レールを有する構造にす
れば、複数本の軌道レールによって相手取り付け面に安
定して設置することができるので、一本の軌道レールを
取り付ける場合に比べて組み付けが簡単になる。また、
複数本の軌道レールを連結プレートによって予め平行に
組み付けておけば、取り付け時に平行度を出す必要がな
く、組み付け性がより向上する。
【0011】また、請求項4に係る発明は、請求項1に
記載の直線ローラ案内装置を複数並列に配置し、該複数
の直線ローラ案内装置を介してテーブルの直線運動を案
内するテーブル案内装置である。このテーブル案内装置
は、鋳物成形、溶接構造の場合のように、2つの軌道レ
ールの取り付け精度が悪い場合に最適である。たとえ
ば、2つの軌道レールの平行度に狂いがある場合、上下
方向の狂いは、樽形ローラ列および鼓形ローラ列がレー
ル本体部の上面および下面の幅方向円弧に沿ってすべり
各移動ブロックが幅方向に傾いて自動調芯される。ま
た、左右方向の平行度の狂いがある場合、各樽形ローラ
列と鼓形ローラ列の各ローラ軸が幅方向円弧状のレール
本体部の長手方向と直交する断面に対して斜めに傾くこ
とになるが、本発明のローラは樽形および鼓形に構成さ
れているので円筒ローラのようにエッジが鋭角でないの
でエッジロードが緩和される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を図示の実施の形
態に基づいて詳細に説明する。 実施の形態1.図1乃至図4は、この発明の第1の実施
の形態に係る直線ローラ案内装置である。この直線ロー
ラ案内装置1は、軌道レール2と、この軌道レール2に
沿って移動自在に組み付けられる移動ブロック3とを備
えている。軌道レール2は、長手方向に沿って直線状に
延びるレール本体部4と、このレール本体部下面の長手
方向と直交する幅方向中央部を支持するベース部5と、
を備え、前記レール本体部4の幅方向断面形状が下側に
突出するように湾曲する円弧形状とし上面の円弧と前記
ベース部5を隔てた左右半部下面の円弧とを同心円状に
構成されている。ベース部5はレール本体部4の長手方
向に沿って全長にわたって延びる梁部51と、この梁部
51の下端から幅方向左右に延びる固定フランジ部52
と、を備えている。梁部51の上端部はレール本体部4
の長手方向円弧形状に沿った円弧形状で、レール本体部
4の下面に一体的に結合されている。一方、梁部51の
下端部は直線状に延びていて、固定フランジ部52も直
線状に延びている。
【0013】移動ブロック3は、前記レール本体部4の
上面と対向するブロック本体部6と、このブロック本体
部6の幅方向両端部から前記レール本体部4の左右両端
部との間に所定の空間7を隔てて下方に突出する左右一
対の脚部8,8と、この脚部8,8の下端部から軌道レ
ール2の幅方向中心側に向かって突出して前記レール本
体部4の左右半部41,41下面と対向するフック部と
なる支持片部9,9と、を備えている。ブロック本体部
6の前記レール本体部4の上面との対向面および前記支
持片部9の前記レール本体部4の左右半部41,41下
面との対向面にはそれぞれ長手方向に延びるローラ軌道
溝10,11が設けられている。
【0014】ブロック本体部6の下面はレール本体部4
の上面と同心円状の円弧面によって構成され、このブロ
ック本体部6の下面には複数条、図示例では5条のロー
ラ軌道溝10が設けられている。各ローラ軌道溝10は
断面矩形状で、その上底にレール本体部4上面の曲率と
同一の曲率のローラ転動面14が形成されている。ま
た、ブロック本体部6には各ローラ軌道溝10と並んで
直線的に延びるローラ逃げ穴15が貫通形成され、さら
にえブロック本体部4の両端部には上記ローラ軌道溝1
0の両端とローラ逃げ穴15両端とを連通するU字形状
の方向転換路16を備えたエンドプレート17が固定さ
れ、荷重負荷域のローラ軌道溝10から無負荷域のロー
ラ逃げ穴15を結ぶローラ循環路が構成されている。
【0015】また、移動ブロックの支持片部9の上面は
レール本体部4の左右半部41,41の下面と同心円状
の円弧面によって構成され、各支持片部9の上面にはそ
れぞれ1列のローラ軌道溝11が設けられている。各ロ
ーラ軌道溝11は断面矩形状で、その下底にレール本体
部4下面の曲率と同一の曲率の上側に向かって凸のロー
ラ転動面18が形成されている。また、この支持片部9
には各ローラ軌道溝11と並んで直線的に延びるローラ
逃げ穴19が貫通形成され、さらにローラ軌道溝11と
ローラ逃げ穴19を連通するU字形状の方向転換路20
がエンドプレート17に形成され、荷重負荷域のローラ
軌道溝11から無負荷域のローラ逃げ穴19を結ぷロー
ラ循環路が構成されている。
【0016】そして、レール本体部4上面とブロック本
体部6下面の5列のローラ軌道溝10の間には5列の樽
型ローラ列12が、レール本体部4の下面と移動ブロッ
ク3の支持片部9上面のローラ軌道溝11の間にはそれ
ぞれ一列ずつの鼓形ローラ列13が介装されている。こ
の5列の樽型ローラ列12は、真ん中の樽型ローラ列1
2がレール本体部4の中央のベース部5位置に配置さ
れ、左右に対称的に2列ずつ配置される。各樽型ローラ
列12は循環路全域にわたって充填された多数の樽形ロ
ーラ13によって構成され、方向転換路16を介してロ
ーラ軌道溝10とローラ逃げ穴15間を循環する。各樽
形ローラ13はローラの中心軸を通る外周断面形状が中
央部が膨らむ円弧形状で、この円弧の曲率はレール本体
部4の上面とほぼ同一か若干大きい曲率を有する。ま
た、レール本体部4の左右半部41下面と支持片部9の
ローラ軌道溝11との間には、それぞれ一列ずつの鼓形
ローラ列21が介装されている。この鼓形ローラ列21
は循環路全域にわたって充填された多数の鼓形ローラ2
2によって構成され、方向転換路20を介してローラ軌
道溝11とローラ逃げ穴19間を循環する。各鼓形ロー
ラ22はローラの中心軸を通る外周断面形状が中央部が
くびれた円弧形状で、この円弧の曲率はレール本体部4
の下面とほぼ同一か若干小さい曲率を有する。
【0017】さらに、本実施の形態では、これら樽型ロ
ーラ列12と鼓形ローラ列21が可撓性のローラ保持ベ
ルト23によって一連に保持されている。このローラ保
持ベルト23は、各樽形ローラ13または鼓形ローラ2
2が保持される矩形状の収納穴24がスペーサ部25を
介して所定ピッチで設けられた帯状のベルト本体26
と、このベルト本体26の各収納穴24の幅方向端縁に
設けられる端面保持板27と、から構成されている。こ
の端面保持板27は各樽形または鼓形ローラ13,22
のローラ端面に接触して各ローラの軸を移動ブロックの
移動方向に対して直交する方向に安定して保持するもの
で、その中央には樽形および鼓形ローラ13,22の端
面に設けられた丸穴13a,22aに回転摺動自在に係
合する係合凸部28が設けられている。この端面保持板
は各ローラ軌道溝10,11の内側壁に案内される。こ
のように、本実施の形態では、移動ブロック3の軌道レ
ール2の長手方向に沿う直線運動は前記樽形ローラ列1
2と鼓形ローラ列21の転動によって案内し、レール本
体部4の上面および下面に沿った前記樽形ローラ列12
と鼓形ローラ列21のすべりによって移動ブロック3を
レール本体部4の幅方向に円弧状に変位可能としてい
る。
【0018】本発明では、転動体を樽形ローラ13およ
び鼓形ローラ22によって構成したので、ボール比べて
に接触面積が大きくなり建築物等の重荷重に対しても十
分な剛性が得られる。特に、レール本体部4上面に接触
する樽形ローラ列12を5列設けたので、可及的に大き
くすることができる。また、一般的にはローラを転動体
として用いた場合には調芯性が無いが、本発明ではレー
ル本体部4を円弧形状としたので、移動ブロック3の相
手取付面と軌道レール2の相手取り付け面の平行度のば
らつきがあっても、樽形ローラ13および鼓形ローラ2
2を円弧に沿ってすべらせることにより、レール本体部
4の円弧に沿って移動ブロック3の円弧移動して傾きを
吸収することができる。したがって、高剛性でかつ調芯
性を兼ね備えた直線ローラ案内装置を実現できた。
【0019】実施の形態2,図には本発明の実施の形態
2に係る傾斜吸収機能付き直線ローラ案内装置が示され
ている。この実施の形態は、上記実施の形態1に記載の
直線ローラ案内装置2組を上下逆向きにして軌各道レー
ルを直交配置とし、2つの移動ブロックを背面合わせと
して一体化し1つの移動ブロックとしたものである。す
なわち、この傾斜吸収機能付き直線ローラ案内装置10
0は、下側の第1直線運動案内部100Aと、この下側
の第1直線運動案内部100Aと直交方向の案内をする
上側の第2直線運動案内部100Bと、から構成されて
いる。下側の第1直線運動案内部100Aは上記実施の
形態1と全く同一の構成であり、また、上側の第2直線
運動案内部100Bが下側の第1直線運動案内部100
Aと異なる点は、上下逆配置となっている点と、第1,
第2軌道レールの方向が直交配置となっている点が異な
るだけで、基本的な構成は全く同一である。
【0020】すなわち、この傾斜吸収機能付き直線ロー
ラ案内装置100は、長手方向に沿って直線状に延びる
第1レール本体部104と、この第1レール本体部10
4下面の長手方向と直交する幅方向中央部を支持する第
1ベース部105と、を備え、前記第1レール本体部1
04の幅方向断面形状を下側に突出するように湾曲する
円弧形状とし上面の円弧と前記第1ベース部105を隔
てた左右半部141下面の円弧とを同心円状に構成した
第1軌道レール102を備えている。第1ベース部10
5は第1レール本体部104の長手方向に沿って全長に
わたって延びる梁部151と、この梁部151の下端か
ら幅方向左右に延びる固定フランジ部152と、を備え
ている。梁部151の上端部は第1レール本体部104
の長手方向に沿った直線形状で、第1レール本体部10
4の下面に一体的に結合されている。一方、梁部151
の下端部も直線状に延びていて、固定フランジ部152
も直線状に延びている。
【0021】また、この第1軌道レール102の上方に
第1軌道1レール102に対して直交方向に配置され、
長手方向に沿って直線状に延びる第2レール本体部20
4と、この第2レール本体部204上面の長手方向と直
交する幅方向中央部を支持する第2ベース部205と、
を備え、前記第2レール本体部204の幅方向断面形状
を上側に突出するように湾曲する円弧形状とし下面の円
弧と前記第2ベース部205を隔てた左右半部241上
面の円弧とを同心円状に構成した第2軌道レール202
が設けられている。第2ベース部205は第2レール本
体部204の長手方向に沿って全長にわたって延びる梁
部251と、この梁部251の上端から幅方向左右に延
びる固定フランジ部252と、を備えている。梁部25
1の下端部は第2レール本体部204の長手方向に沿っ
た直線形状で、第2レール本体部204の下面に一体的
に結合されている。一方、梁部251の上端部も直線状
に延びていて、固定フランジ部252も直線状に延びて
いる。
【0022】これら第1軌道レール102と第2軌道レ
ール202の間には移動ブロック3Aが介装されてい
る。この移動ブロック3Aは、前記第1レール本体部1
04の上面と対向する第1ブロック本体部106と、第
2レール本体部204の下面と対向する第1ブロック本
体部106と一体構成の第2ブロック本体部206とを
備えている。第1ブロック本体部106の下面幅方向両
端部には、前記第1レール本体部104の左右両端部と
の間に所定の空間107を隔てて下方に突出する左右一
対の第1脚部108が設けられ、この第1脚部108の
下端部には第1軌道レール102の幅方向中心側に向か
って突出して前記第1レール本体部104の左右半部1
41下面と対向する第1支持片部109が設けられてい
る。
【0023】一方、第2ブロック本体部206の上面幅
方向両端部には前記第2レール本体部206の左右両端
部との間に所定の空間207を隔てて上方に突出する左
右一対の第2脚部208が設けられ、さらに第2脚部2
06の上端部には第2軌道レール202の幅方向中心側
に向かって突出して前記第2レール本体部204の左右
半部241上面と対向する第2支持片部209が設けら
れている。そして、前記第1ブロック本体部106の前
記第1レール本体部104上面との対向面および前記第
1支持片部109の第1レール本体部104の左右半部
141下面との対向面にはそれぞれ第1レール本体部1
04の長手方向に延びるローラ軌道溝10、11が設け
られ、前記第2ブロック本体部206の第2レール本体
部204下面との対向面および前記第2支持片部209
の前記第2レール本体部204の左右半部241上面と
の対向面にはそれぞれ長手方向に延びるローラ軌道溝1
0、11が設けられている。
【0024】すなわち、第1レール本体部104上面と
対向する第1ブロック本体部106の下面はレール本体
部104の上面と同心円状の円弧面によって構成され、
このブロック本体部106の下面には複数条、図示例で
は5条のローラ軌道溝110が設けられている。また、
第2レール本体部204下面と対向する第2ブロック本
体部206の上面は第2レール本体部204の下面と同
心円状の円弧面によって構成され、この第2ブロック本
体部206の上面に複数条、図示例では5条のローラ軌
道溝210が設けられている。各ローラ軌道溝110,
210は断面矩形状で、その溝底に第1または第2第レ
ール本体部104上面または下面の曲率と同一の曲率の
凹状のローラ転動面114,214が形成されている。
また、第1,第2ブロック本体部106,206には各
ローラ軌道溝110,210と並んで直線的に延びるロ
ーラ逃げ穴115,215が貫通形成され、さらに第
1,第2ブロック本体部104,204の両端部には上
記ローラ軌道溝110,210の両端とローラ逃げ穴1
15,215両端とを連通するU字形状の方向転換路1
16,216を備えた第1,第2エンドプレート11
7,217が固定され、荷重負荷域のローラ軌道溝11
0,210から無負荷域のローラ逃げ穴115,215
を結ぷローラ循環路が構成されている。
【0025】また、第1レール本体部104の下面と対
向する第1支持片部109の上面はレール本体部104
の左右半部141,141の下面と同心円状の円弧面に
よって構成され、各第1支持片部109の上面にはそれ
ぞれ1列のローラ軌道溝111が設けられている。一
方、第2レール本体部204の上面と対向する第2支持
片部209の下面は第2レール本体部204の左右半部
241,241の上面と同心円状の円弧面によって構成
され、各第2支持片部209の下面にはそれぞれ1列の
ローラ軌道溝211が設けられている。各ローラ軌道溝
111,211は断面矩形状で、その溝底には第1レー
ル本体部104下面または第2レール本体部204の上
面の曲率と同一の曲率の凸状のローラ転動面118,2
18が形成されている。また、この第1,第2支持片部
109,209には各ローラ軌道溝111,211と並
んで直線的に延びるローラ逃げ穴119,219が貫通
形成され、さらにローラ軌道溝111,211とローラ
逃げ穴119,219を連通するU字形状の方向転換路
120,220がエンドプレート117,217に形成
され、荷重負荷域のローラ軌道溝111,211から無
負荷域のローラ逃げ穴119,210を結ぶローラ循環
路が構成されている。
【0026】そして、第1レール本体部104上面と第
1ブロック本体部106の5列のローラ軌道溝110の
間と、第2レール本体部204下面と第2ブロック本体
部206の5列のローラ軌道溝210の間には5列の樽
型ローラ列112,212が転動自在に介装され、第1
レール本体部104の下面と第1支持片部109上面の
ローラ軌道溝111の間と、第2レール本体部204の
上面と第2支持片部209下面のローラ軌道溝211の
間にはそれぞれ一列ずつの鼓形ローラ列112,212
が介装されている。5列の樽型ローラ列112,212
は、真ん中の樽型ローラ列112,212が第1,第2
レール本体部104,204中央のベース部105,2
05位置に配置され、左右に対称的に2列ずつ配置され
る。各樽型ローラ列112,212は循環路全域にわた
って充填された多数の樽形ローラ13によって構成さ
れ、方向転換路116,216を介してローラ軌道溝1
10,210とローラ逃げ穴115,215間を循環す
る。各樽形ローラ13はローラの中心軸を通る外周断面
形状が中央部が膨らむ円弧形状で、この円弧の曲率は第
1,第2レール本体部104,204の上面または下面
とほぼ同一か若干大きい曲率を有する。
【0027】また、第1レール本体部104の左右半部
141下面と第1支持片部109のローラ軌道溝111
との間と、第2レール本体部204の左右半部241上
面と第2支持片部209のローラ軌道溝211との間に
は、それぞれ一列ずつの鼓形ローラ列121,221が
介装されている。この鼓形ローラ列121,221は循
環路全域にわたって充填された多数の鼓形ローラ22に
よって構成され、方向転換路120,220を介してロ
ーラ軌道溝111,211とローラ逃げ穴119,21
9間を循環する。各鼓形ローラ22はローラの中心軸を
通る外周断面形状が中央部がくびれた円弧形状で、この
円弧の曲率は第1,第2レール本体部104,204の
下面または上面とほぼ同一か若干小さい曲率を有する。
また、本実施の形態においても、これら樽型ローラ列1
12,212と鼓形ローラ列121,221は、図 に
示したローラ保持ベルト23によって一連に保持されて
いる。
【0028】本実施の形態にあっては、移動ブロック3
Aの第1軌道レール102の長手方向に沿う直線運動は
前記第1樽形ローラ列112と第1鼓形ローラ列222
の転動によって案内され、この直線運動による移動ブロ
ック3Aの第2軌道レール202に対する傾きが、前記
第2樽形ローラ列113と第2鼓形ローラ列213の第
2レール本体部204に対する幅方向の円弧面に沿った
すべりによって吸収される。また、移動ブロック3Aの
第2軌道レール202の長手方向に沿う直線運動は前記
第2樽形ローラ列213と第2鼓形ローラ列222の転
動によって案内し、この直線運動による移動ブロック3
Aの第1軌道レール102に対する傾きを前記第1樽形
ローラ列113と第1鼓形ローラ列122の第1レール
本体部204の円弧面に沿ったすべりによって吸収され
る。
【0029】実施の形態3.次に本発明の実施の形態3
について説明する。図にはこの実施の形態3に係る傾斜
吸収機能付き直線ローラ案内装置を示している。この実
施の形態3は、実施の形態2の第1軌道レール102と
第2軌道レール202をそれぞれ2本ずつ平行に配置
し、4つの移動ブロック3Aによって井桁状に組んだ構
成である。第1,第2軌道レール102,202および
移動ブロック3A等の各部の構成は上記実施の形態2と
全く同一なので、実施の形態2の説明を援用し、重複し
た説明は省略する。図中には上記実施の形態2と同一の
符号を付した。図示例では、2本の第1軌道レール10
2,102が四角形状の連結プレート301によって連
結され、第2軌道レール202,202も四角形状の連
結プレート302によって連結されている。本実施の形
態3のように複数の軌道レール102,102;20
2、202を有する構造にすれば、相手取り付け面に安
定して設置することができるので、一本の軌道レールを
取り付ける場合に比べて組み付けが簡単になる。特に、
それぞれ一対ずつの第1,第2軌道レール102,10
2;202,202を連結プレート301,302によ
って予め平行に組み付けておけば、取り付け時に平行度
を出す必要がなく、組み付け性がより向上する。なお、
この実施の形態では第1,第2軌道レール102,20
2を2本ずつ平行に配置したが、第1軌道レール102
と第2軌道レール202の少なくとも一方をそれぞれ複
数本ずつ平行に配置し、移動ブロック3Aを各第1,第
2軌道レール102,202の交差部にそれぞれ設ける
ようにすればよい。たとえば、第1,第2軌道レール1
02,202の一方を1本とし他方を2本とする構成、
一方を2本とし他方を3本以上とする構成、両方を3本
ずつ以上とする構成等種々の構成をとることが可能であ
る。
【0030】実施の形態4.次に本発明の実施の形態4
について説明する。図には本発明の実施の形態3に係る
テーブル案内装置が示されている。この実施の形態で
は、上記実施の形態1に記載の直線ローラ案内装置1を
複数、この実施の形態では2列並列に配置し、この2列
の直線ローラ案内装置1,1を介してテーブル301の
直線運動を案内するようにしたものである。
【0031】すなわち、平行に配列された2本の軌道レ
ール2,2が基台302に固定され、これらの軌道レー
ル2,2に組み付けられる各移動ブロック3,3間を連
結するようにテーブル301が固定されている。直線ロ
ーラ案内装置1については、実施の形態1と全く同一の
構成なので、同一の構成部分については同一の符号を付
してその説明は省略する。実施の形態1の直線ローラ案
内装置単独では搬送案内としては実用的でなく、実施の
形態1の直線ローラ案内装置と平行に他の案内機構と対
でテーブル案内装置が構成される。この実施の形態4で
は、上記実施の形態1の直線ローラ案内装置を一対用い
たものである。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、長手方向に沿って直線状に延びるレール本
体部と、該レール本体部下面の長手方向と直交する幅方
向中央部を支持するベース部と、を備え、前記レール本
体部の幅方向断面形状を下側に突出するように湾曲する
円弧形状とし上面の円弧と前記ベース部を隔てた左右半
部下面の円弧とを同心円状に構成した軌道レールと、前
記レール本体部の上面と対向するブロック本体部と、該
ブロック本体部の幅方向両端部から前記レール本体部の
左右両端部との間に所定の空間を隔てて下方に突出する
左右一対の脚部と、該脚部の下端部から軌道レールの幅
方向中心側に向かって突出して前記レール本体部の左右
半部下面と対向する支持片部と、を備え、前記ブロック
本体の前記レール本体部の上面との対向面および前記支
持片部の前記レール本体部の左右半部下面との対向面に
はそれぞれ長手方向に延びるローラ軌道溝が設けられた
移動ブロックと、前記ブロック本体部のローラ軌道溝と
レール本体部上面との間に転動自在に介装される多数の
樽形ローラによって構成される複数列の樽形ローラ列
と、前記ブロック本体部の左右支持片部のローラ軌道溝
とレール本体部の左右半部下面との間に転動自在に介装
される多数の鼓形ローラによって構成される鼓形ローラ
列と、を備え、前記移動ブロックの軌道レールの長手方
向に沿う直線運動は前記樽形ローラ列と鼓形ローラ列の
転動によって案内し、レール本体部の上面および下面に
対する前記樽形ローラ列と鼓形ローラ列のレール本体部
の幅方向のすべりによって前記移動ブロックをレール本
体部の幅方向に円弧状に変位可能としたことにより、上
方からの荷重はレール本体部上面に接触する樽形ローラ
列で支持し、下からの浮き上がり荷重はレール本体部下
面に接触する鼓形ローラ列で支持することができる。特
に、レール本体部上面には樽形ローラ列を複数列設けて
いるので、上方から大荷重を支持することができる。ま
た、一般的にローラは調芯性が無いが、本発明ではレー
ル本体部の幅方向断面形状を円弧形状としたので、樽形
ローラおよび鼓形ローラがレール本体部の上面および下
面の幅方向円弧に沿ってすべり移動ブロックは円弧移動
する。したがって、高剛性でかつ調芯性を兼ね備えた直
線ローラ案内装置を実現できる。
【0033】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
記載の直線ローラ案内装置2組を上下逆向きにして各軌
道レールを直交配置とし、2つの移動ブロックを背面合
わせとして一体化し1つの移動ブロックとしたことによ
り、第2ブロック本体部の第2軌道レールに対する傾き
は第2レール本体部下面および上面の幅方向円弧に沿う
第2樽形ローラ列と第2鼓形ローラ列のすべりによって
吸収される。また、第1ブロック本体部の第1軌道レー
ルに対する傾きは第1レール本体部下面および上面の幅
方向円弧に沿う第1樽形ローラ列と第2樽形ローラ列の
すべりによって吸収される。このように第1,第2樽形
ローラ列および第1,第2鼓形ローラ列は、転がり案内
だけではなく、傾斜吸収機構としても機能するので、ロ
ーラの荷重支持特性を生かして支持し得る最大荷重を可
及的に大きくすることができる。また、免震装置の建物
支持機構として利用する場合、建築物が地震の振動エネ
ルギにより第1,第2レール本体部に沿って水平方向に
移動する。この直線運動の際に各ローラの摩擦抵抗によ
って振動が減衰していくが、本発明の場合、転がり摩擦
だけでなくすべり摩擦が作用するので、振動減衰効果が
高まるという効果もある。また、本発明の傾斜吸収機能
は、基礎床と建築物の取り付け面の平行度の狂いにも対
応する。すなわち、工作機械等の精密機械と異なり全く
異なり、建築物と基礎床の精度は期待できない。このよ
うに取り付け面が傾きに対しても、第1,第2樽形ロー
ラ列および第1,第2鼓形ローラ列は自在継ぎ手のよう
に傾斜吸収機構として機能し、取り付け面の精度に関わ
らず円滑に移動する。
【0034】請求項3に係る発明は、請求項2の第1軌
道レールと第2軌道レールの少なくとも一方を複数本ず
つ平行に配置し、各軌道レールの交差部に移動ブロック
を設けることにより、相手取り付け面に安定して設置す
ることでき、一本の軌道レールを取り付ける場合に比べ
て組み付けが簡単になる。
【0035】また、請求項4に係る発明は、請求項1に
記載の直線ローラ案内装置を複数並列に配置し、該複数
の直線ローラ案内装置を介してテーブルの直線運動を案
内するテーブル案内装置を構成したことにより、横方向
荷重も支持することができ、重量物の搬送装置として利
用できる。特に、鋳物成形、溶接構造の場合のように、
2つの軌道レールの取り付け精度が悪い場合に最適であ
る。たとえば、2つの軌道レールの平行度に狂いがある
場合、上下方向の狂いは、樽形ローラ列および鼓形ロー
ラ列がレール本体部の上面および下面の幅方向円弧に沿
ってすべり各移動ブロックが幅方向に傾いて自動調芯さ
れる。また、左右方向の平行度の狂いがある場合、各樽
形ローラ列と鼓形ローラ列の各ローラ軸が幅方向円弧状
のレール本体部の長手方向と直交する断面に対して斜め
に傾くことになるが、本発明のローラは樽形および鼓形
に構成されているので円筒ローラのようにエッジが鋭角
でないのでエッジロードが緩和される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態1に係る直線ロ
ーラ案内装置の縦断面図である。
【図2】 図2は図1の装置の移動ブロックをII−I
I線に沿う断面で示した側面図である。
【図3】 図3は図1の装置の平面図である。
【図4】 図4は図1の装置のローラ保持ベルトを示す
もので、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図であ
る。
【図5】 図5はこの発明の実施の形態2に係る直線ロ
ーラ案内装置を第1軌道レールに対して直交する断面に
て一部を破断して示す一部破断正面図である。
【図6】 図6は図5の装置を第2軌道レールに対して
直交する断面にて一部を破断して示す一部破断側面図で
ある。
【図7】 図7は図5の装置の平面図である。
【図8】 図8はこの発明の実施の形態3に係る傾斜吸
収機能付き直線ローラ案内装置を示すもので、同図
(a)は上方の連結プレートを外して示す平面図、同図
(b)は正面図、同図(c)は側面図である。
【図9】 図9は図8の装置の使用状態の一例を示す図
である。
【図10】 図10はこの発明の実施の形態4に係るテ
ーブル案内装置を示すもので、同図(a)は正面図、同
図(b)は側面図である。
【図11】 図11は従来のローラ案内装置の一例を示
す概略図である。
【符号の説明】
1 直線ローラ案内装置 2,101,202 軌道レール,第1,第2軌道レー
ル 3,3A 移動ブロック 4,104,204 レール本体部,第1,第2レール
本体部 41,141,241 左右半部 5,105,205 ベース部、第1、第2ベース部 6、106,206 ブロック本体部,第1,第2ブロ
ック本体部 7、107,207 空間、第1,第2空間 8,108,208 脚部,第1,第2脚部 9,109,209 支持片部,第1,第2支持片部 10,110、210 ローラ軌道溝,第1,第2ロー
ラ軌道溝 11,111,211 ローラ軌道溝,第1,第2ロー
ラ軌道溝 12,112,212 樽形ローラ列、第1,第2樽形
ローラ列 13,113,213 樽形ローラ,第1,第2樽形ロ
ーラ 14,114,214 ローラ転動面 15,115,215 ローラ逃げ穴 16,116,216 方向転換路 17,117,217 エンドプレート 18,118,218 ローラ転動面 19,119,219 ローラ逃げ穴,第1,第2ロー
ラ逃げ穴 20,120,220 方向転換路 21,121,221 鼓形ローラ列,第1,第2鼓形
ローラ列 22,122,222 鼓形ローラ,第1,第2鼓形ロ
ーラ 23 ローラ保持ベルト 24 収納穴 25 スペーサ部 26 ベルト本体 27 端面保持板 28 係合凸部 100 直線ローラ案内装置 100A 第1直線運動案内部 100B 第2直線運動案内部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−55046(JP,A) 特開 平5−177488(JP,A) 特開 平11−82506(JP,A) 特開 平2−24033(JP,A) 実開 昭62−68022(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 29/04 - 29/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向に沿って直線状に延びるレール本
    体部と、該レール本体部下面の長手方向と直交する幅方
    向中央部を支持するベース部と、を備え、前記レール本
    体部の幅方向断面形状を下側に突出するように湾曲する
    円弧形状とし上面の円弧と前記ベース部を隔てた左右半
    部下面の円弧とを同心円状に構成した軌道レールと、 前記レール本体部の上面と対向するブロック本体部と、
    該ブロック本体部の幅方向両端部から前記レール本体部
    の左右両端部との間に所定の空間を隔てて下方に突出す
    る左右一対の脚部と、該脚部の下端部から軌道レールの
    幅方向中心側に向かって突出して前記レール本体部の左
    右半部下面と対向する支持片部と、を備え、前記ブロッ
    ク本体の前記レール本体部の上面との対向面および前記
    支持片部の前記レール本体部の左右半部下面との対向面
    にはそれぞれ長手方向に延びるローラ軌道溝が設けられ
    た移動ブロックと、 前記ブロック本体部のローラ軌道溝とレール本体部上面
    との間に転動自在に介装される多数の樽形ローラによっ
    て構成される複数列の樽形ローラ列と、 前記ブロック本体部の左右支持片部のローラ軌道溝とレ
    ール本体部の左右半部下面との間に転動自在に介装され
    る多数の鼓形ローラによって構成される鼓形ローラ列
    と、を備え、 前記移動ブロックの軌道レールの長手方向に沿う直線運
    動は前記樽形ローラ列と鼓形ローラ列の転動によって案
    内し、レール本体部の上面および下面に対する前記樽形
    ローラ列と鼓形ローラ列のレール本体部の幅方向のすべ
    りによって前記移動ブロックをレール本体部の幅方向に
    円弧状に変位可能としたことを特徴とする直線ローラ案
    内装置。
  2. 【請求項2】長手方向に沿って直線状に延びる第1レー
    ル本体部と、該第1レール本体部下面の長手方向と直交
    する幅方向中央部を支持する第1ベース部と、を備え、
    前記第1レール本体部の幅方向断面形状を下側に突出す
    るように湾曲する円弧形状とし上面の円弧と前記第1ベ
    ース部を隔てた左右半部下面の円弧とを同心円状に構成
    した第1軌道レールと、 前記第1軌道レールの上方に第1軌道レールに対して直
    交方向に配置され、長手方向に沿って直線状に延びる第
    2レール本体部と、該第2レール本体部上面の長手方向
    と直交する幅方向中央部を支持する第2ベース部と、を
    備え、前記第2レール本体部の幅方向断面形状を上側に
    突出するように湾曲する円弧形状とし下面の円弧と前記
    第2ベース部を隔てた左右半部上面の円弧とを同心円状
    に構成した第2軌道レールと、 前記第1レール本体部の上面と対向する第1ブロック本
    体部と、該第1ブロック本体部の下面幅方向両端部から
    前記第1レール本体部の左右両端部との間に所定の空間
    を隔てて下方に突出する左右一対の第1脚部と、該第1
    脚部の下端部から第1軌道レールの幅方向中心側に向か
    って突出して前記第1レール本体部の左右半部下面と対
    向する第1支持片部と、前記第1ブロック本体部と一体
    で第2レール本体部の下面と対向する第2ブロック本体
    部と、該第2ブロック本体部の上面幅方向両端部から前
    記第2レール本体部の左右両端部との間に所定の空間を
    隔てて上方に突出する左右一対の第2脚部と、該第2脚
    部の上端部から第2軌道レールの幅方向中心側に向かっ
    て突出して前記第2レール本体部の左右半部上面と対向
    する第2支持片部と、を備え、前記第1ブロック本体部
    の前記第1レール本体部上面との対向面および前記第1
    支持片部の前記第1レール本体部の左右半部下面との対
    向面にはそれぞれ第1レール本体部の長手方向に延びる
    ローラ軌道溝が設けられ、前記第2ブロック本体部の前
    記第2レール本体部下面との対向面および前記第2支持
    片部の前記第2レール本体部の左右半部上面との対向面
    にはそれぞれ長手方向に延びるローラ軌道溝が設けられ
    た移動ブロックと、 前記第1ブロック本体部下面および第2ブロック本体部
    上面の各ローラ軌道溝と第1レール本体部上面および第
    2レール本体部下面との間に転動自在に介装される多数
    の樽形ローラによって構成される複数列の第1および第
    2樽形ローラ列と、前記第1ブロック本体部の左右第1支持片部のローラ軌
    道溝および第2ブロック本体部の左右第2支持片部 のロ
    ーラ軌道溝と第1レール本体部の左右半部下面および第
    2レール本体部の左右半部上面との間に転動自在に介装
    される多数の鼓形ローラによって構成される第1および
    第2鼓形ローラ列と、を備えてなることを特徴とする直
    線ローラ案内装置。
  3. 【請求項3】長手方向に沿って直線状に延びる第1レー
    ル本体部と、該第1レール本体部下面の長手方向と直交
    する幅方向中央部を支持する第1ベース部と、を備え、
    前記第1レール本体部の幅方向断面形状を下側に突出す
    るように湾曲する円弧形状とし上面の円弧と前記第1ベ
    ース部を隔てた左右半部下面の円弧とを同心円状に構成
    した第1軌道レールと、 前記第1軌道レールの上方に第1軌道レールに対して直
    交方向に配置され、長手方向に沿って直線状に延びる第
    2レール本体部と、該第2レール本体部上面の長手方向
    と直交する幅方向中央部を支持する第2ベース部と、を
    備え、前記第2レール本体部の幅方向断面形状を上側に
    突出するように湾曲する円弧形状とし下面の円弧と前記
    第2ベース部を隔てた左右半部上面の円弧とを同心円状
    に構成した第2軌道レールと、 前記第1レール本体部の上面と対向する第1ブロック本
    体部と、該第1ブロック本体部の下面幅方向両端部から
    前記第1レール本体部の左右両端部との間に所定の空間
    を隔てて下方に突出する左右一対の第1脚部と、該第1
    脚部の下端部から第1軌道レールの幅方向中心側に向か
    って突出して前記第1レール本体部の左右半部下面と対
    向する第1支持片部と、前記第1ブロック本体部と一体
    で第2レール本体部の下面と対向する第2ブロック本体
    部と、該第2ブロック本体部の上面幅方向両端部から前
    記第2レール本体部の左右両端部との間に所定の空間を
    隔てて上方に突出する左右一対の第2脚部と、該第2脚
    部の上端部から第2軌道レールの幅方向中心側に向かっ
    て突出して前記第2レール本体部の左右半部上面と対向
    する第2支持片部と、を備え、前記第1ブロック本体部
    の前記第1レール本体部上面との対向面および前記第1
    支持片部の前記第1レール本体部の左右半部下面との対
    向面にはそれぞれ第1レール本体部の長手方向に延びる
    ローラ軌道溝が設けられ、前記第2ブロック本体部の前
    記第2レール本体部下面との対向面および前記第2支持
    片部の前記第2レール本体部の左右半部上面との対向面
    にはそれぞれ長手方向に延びるローラ軌道溝が設けられ
    た移動ブロックと、 前記第1ブロック本体部下面および第2ブロック本体部
    上面の各ローラ軌道溝と第1レール本体部上面および
    2レール本体部下面との間に転動自在に介装される多数
    の樽形ローラによって構成される複数列の第1および第
    2樽形ローラ列と、前記第1ブロック本体部の左右第1支持片部のローラ軌
    道溝および第2ブロック本体部の左右第2支持片部 のロ
    ーラ軌道溝と第1レール本体部の左右半部下面および第
    2レール本体部の左右半部上面との間に転動自在に介装
    される多数の鼓形ローラによって構成される第1および
    第2鼓形ローラ列と、を備え、 前記第1軌道レールと第2軌道レールの少なくとも一方
    を複数本ずつ平行に配置し、前記移動ブロックを前記第
    1および第2軌道レールの各交差部にそれぞれ設けたこ
    とを特徴とする直線ローラ案内装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の直線ローラ案内装置を複
    数並列に配置し、該複数の直線ローラ案内装置を介して
    テーブルの直線運動を案内するテーブル案内装置。
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