JP3403387B2 - 送信装置 - Google Patents

送信装置

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JP3403387B2
JP3403387B2 JP2000392536A JP2000392536A JP3403387B2 JP 3403387 B2 JP3403387 B2 JP 3403387B2 JP 2000392536 A JP2000392536 A JP 2000392536A JP 2000392536 A JP2000392536 A JP 2000392536A JP 3403387 B2 JP3403387 B2 JP 3403387B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるカーテシ
アン歪み補償回路を備えた送信装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】直交変調信号を所要送信電力の送信信号
まで増幅する送信装置では、一般的に、電力増幅器の非
直線性に起因して発生する非直線歪みを補償するため、
負帰還型の歪み補償方式が採用されている。この場合、
負帰還型歪み補償方式の1つとして例えば電力増幅器の
入力に高周波信号である送信信号を直接戻して負帰還を
かける方式には、帰還される送信信号自体に位相遅延が
発生するため、発振現象を招いたり、広帯域に亘る補償
が困難であるなどの問題が存在する。このため、図4に
示す従来の送信装置51では、カーテシアンループリニ
アライザと称される線形歪み補償回路を用いて負帰還を
かける構成が採用されている。このカーテシアンループ
リニアライザは、モジュレーション帰還の一種であっ
て、直交変調された送信信号をベースバンド信号に一旦
復調して帰還をかけている。この構成によれば、送信信
号の一部を同相復調信号と直交復調信号とに分解し、こ
れらを直交変調器の入力に帰還すればよいため、回路を
容易に実現することができる。
【0003】この送信装置51は、直交変調器2、可変
減衰器52、電力制御部53、電力増幅器54、方向性
結合器5、可変減衰器6、直交復調器7、発振器9、移
相器10および減算器8を備えている。この場合、発振
器9は、例えばUHF帯の搬送波SCRを生成する。直交
変調器2は、入力した差分同相信号SSIと差分直交信号
SSQとで発振器9によって出力される搬送波SCRを直交
変調する。可変減衰器52は、電力制御部53から出力
される制御信号Saに基づいて減衰量を決定し、直交変
調器2から出力された直交変調信号SVEを、決定した減
衰量に応じて減衰させる。この場合、可変減衰器52
は、通常、ピンダイオードで形成されるピンアッテネー
タを必要減衰量分だけ多段化して構成されている。電力
増幅器54は、可変減衰器52によって減衰された直交
変調信号SVEを所定レベルまで増幅して送信信号STRと
して出力する。方向性結合器5は、電力増幅器54の出
力端に配置されると共に、送信信号STRの一部を取り出
してフィードバック用信号SFEとして出力する。また、
可変減衰器6は、電力制御部53から出力される制御信
号Sbに基づいて減衰量を決定し、決定した減衰量でフ
ィードバック用信号SFEを減衰させる。この場合、可変
減衰器6は、通常、ピンアッテネータを必要な減衰量分
だけ多段化して構成されている。
【0004】直交復調器7は、可変減衰器6によって所
定レベルまで減衰されたフィードバック用信号SFEを移
相器10から出力されるローカル信号SLOで復調して同
相復調信号SUIおよび直交復調信号SUQを生成する。移
相器10は、発振器9によって生成される搬送波SCRの
位相を移相してローカル信号SLOとして出力する。減算
器8は、入力した同相入力信号SIIから同相復調信号S
UIを差し引いて差分同相信号SSIを生成すると共に入力
した直交入力信号SIQから直交復調信号SUQを差し引い
て差分直交信号SSQを生成する。電力制御部53は、装
置外部から入力された電力制御信号に基づき、制御信号
Saを出力して可変減衰器52の減衰量を設定すること
により、電力増幅器54から出力される送信信号STRの
送信電力を所定電力に設定する。また、電力制御部53
は、制御信号Sbを出力することにより、負帰還ループ
(カーテシアンループ)の一巡伝達関数を常に一定にな
らしめるように可変減衰器6の減衰量を制御する。
【0005】この送信装置51では、電力制御部53
が、装置外部から電力制御信号を入力した際に、制御信
号Saを出力して可変減衰器52の減衰量を所定減衰量
に設定すると共に制御信号Sbを出力して可変減衰器6
の減衰量を所定減衰量に設定する。一方、減算器8は、
入力した同相入力信号SIIから同相復調信号SUIを差し
引いて差分同相信号SSIを生成すると共に入力した直交
入力信号SIQから直交復調信号SUQを差し引いて差分直
交信号SSQを生成し、両信号SSI,SSQを直交変調器2
に出力する。次いで、直交変調器2が、発振器9から出
力された搬送波SCRを両信号SSI,SSQで直交変調して
生成した直交変調信号SVEを出力する。続いて、可変減
衰器52が、設定された減衰量で直交変調信号SVEを減
衰させた後、電力増幅器54に出力する。この後、電力
増幅器54が、直交変調信号SVEを所要送信電力まで増
幅して送信信号STRとして出力する。
【0006】一方、方向性結合器5は、送信信号STRの
一部を取り出してフィードバック用信号SFEとして可変
減衰器6に出力する。この際に、可変減衰器6は、設定
された減衰量でフィードバック用信号SFEを減衰させて
直交復調器7に出力する。この場合、電力制御部53が
可変減衰器52の減衰量に応じて可変減衰器6の減衰量
を制御することにより、負帰還ループの一巡伝達関数が
常に一定に維持される。具体的には、例えば、送信信号
STRの送信電力を10Wから1Wに低下させるときに
は、電力制御部53が、可変減衰器52の減衰量を10
dB大きく制御すると共に可変減衰器6の減衰量を10
dB小さくする。これにより、直交復調器7に入力され
るフィードバック用信号SFEのレベルは、常に一定にな
るように電力制御部53によって制御される。次いで、
直交復調器7が、入力したフィードバック用信号SFEを
移相器10から出力されるローカル信号SLOで復調し、
復調した同相復調信号SUIおよび直交復調信号SUQを生
成して減算器8に出力する。この結果、両信号SUI,S
UQが減算器8にフィードバックされて負帰還ループが構
成され、これにより、カーテシアンループ本来の歪み補
償動作によって送信信号STRが一定電力に維持されて送
信される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この送信装
置51には、以下の問題点がある。すなわち、この送信
装置51では、可変減衰器52がピンアッテネータで構
成されている。この場合、通常、減衰量を大きくするた
めには、ピンアッテネータを複数段直列接続して可変減
衰器52を構成している。しかし、ピンアッテネータを
多段化することに起因して、可変減衰器52の挿入損失
が大きくなるため、その損失分を填補するために、電力
増幅器54の利得を大きくするか、電力増幅器54とは
別に増幅回路を配置する必要がある。この結果、従来の
送信装置51には、ピンアッテネータを多段化して構成
した可変減衰器52と、損失分填補用の増幅回路とを配
置することに起因して、回路構成の複雑大型化や装置コ
ストの上昇を招き、さらには消費電力も増加するという
問題点がある。
【0008】また、従来の送信装置51では、直交復調
器7に入力されるフィードバック用信号SFEのレベルが
常に一定になるように制御されているため、フィードバ
ック側回路における可変減衰器6の減衰量が温度変化に
応じて低下または増加した場合、その変動分に応じて、
送信信号STRの送信電力が増加または低下する。このた
め、従来の送信装置51には、フィードバック側回路に
おける減衰量の温度変化に起因して送信信号STRの送信
電力が変動するという問題点もある。
【0009】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、回路構成の簡素化、並びにコストおよび消
費電力の低減を図り得る送信装置を提供することを主目
的とし、温度変化に対する送信電力の安定化を図り得る
送信装置を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載の送信装置は、差分同相信号と差分直交信号
とで搬送波を変調して直交変調信号を生成する直交変調
回路と、入力直交変調信号を増幅して送信信号として出
力する電力増幅回路と、前記送信信号の一部を適宜量減
衰させる可変減衰器と、当該可変減衰器を経由して入力
したフィードバック用信号を同相復調信号および直交復
調信号に復調して出力する直交復調回路と、入力した同
相入力信号から前記同相復調信号を差し引いて前記差分
同相信号を生成すると共に入力した直交入力信号から前
記直交復調信号を差し引いて前記差分直交信号を生成す
る減算回路とを備えた送信装置であって、前記直交変調
信号を所定利得で増幅して前記入力直交変調信号または
その基となる直交変調信号を出力する利得可変増幅回路
と、前記フィードバック用信号のフィードバック量に応
じて前記利得可変増幅回路の利得を制御することにより
前記送信信号の送信電力を一定に制御する利得制御部と
をさらに備えていることを特徴とする。この発明におい
て、「入力直交変調信号の基となる直交変調信号」と
は、利得可変増幅回路と電力増幅回路との間に周波数変
換器(例えばミキサ)が配設されるときには、その周波
数変換器に入力される直交変調信号を意味する。したが
って、かかる構成の場合、周波数変換器が、入力直交変
調信号の基となる直交変調信号を入力して周波数変換す
ることにより、電力増幅回路に入力される入力直交変調
信号を生成する。
【0011】請求項2記載の送信装置は、請求項1記載
の送信装置において、前記利得制御部は、前記直交復調
回路に入力される前記フィードバック用信号のレベルを
検出するレベル検出回路と、基準電圧を生成する基準電
圧生成回路と、前記レベル検出回路によって検出された
検出電圧と前記基準電圧とを入力し、当該両電圧の差分
電圧を生成する比較回路とを備え、前記差分電圧を前記
利得可変増幅回路に出力して前記両電圧が互いに等しく
なるように当該利得可変増幅回路の利得を制御すること
を特徴とする。
【0012】請求項3記載の送信装置は、請求項2記載
の送信装置において、装置内部の温度を検出する温度セ
ンサと、前記基準電圧を温度補償する温度補償回路とを
備え、当該温度補償回路は、前記温度センサによって検
出された前記温度に基づいて、前記電力増幅回路の出力
部から前記レベル検出回路の出力部までのフィードバッ
ク側回路における前記検出電圧に対する利得の温度係数
と等しい温度係数で前記基準電圧を温度補償することを
特徴とする。なお、以下の発明を含めて本発明における
「利得」には、増幅量および減衰量の両者が含まれる。
【0013】請求項4記載の送信装置は、請求項2記載
の送信装置において、装置内部の温度を検出する温度セ
ンサと、前記レベル検出回路の検出電圧を温度補償する
温度補償回路とを備え、当該温度補償回路は、前記温度
センサによって検出された前記温度に基づいて、前記電
力増幅回路の出力部から前記レベル検出回路の出力部ま
でのフィードバック側回路における前記検出電圧に対す
る利得の温度係数と絶対値が等しく符号が反対の係数で
前記検出電圧を温度補償することを特徴とする。
【0014】請求項5記載の送信装置は、請求項1また
は2記載の送信装置において、装置内部の温度を検出す
る温度センサと、前記可変減衰器の減衰率を温度補償す
る温度補償回路とを備え、当該温度補償回路は、前記温
度センサによって検出された前記温度に基づいて、前記
減衰率の温度係数と絶対値が等しく符号が反対の係数で
当該減衰率を温度補償することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る送信装置の好適な実施の形態について説明す
る。なお、従来の送信装置51と同一の構成要素につい
ては同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】送信装置1は、π/4シフトQPSK変調
方式によって変調した送信信号STRを出力可能に構成さ
れており、図1に示すように、直交変調器(直交変調回
路)2、利得可変増幅器(利得可変増幅回路)3、電力
増幅器(電力増幅回路)4、方向性結合器5、可変減衰
器6、直交復調器(直交復調回路)7、減算器(減算回
路)8、発振器9、移相器10、利得制御部11、電力
制御部12、および温度センサ13を備えている。この
場合、発振器9は、例えばUHF帯の搬送波SCRを生成
する。電力制御部12は、装置外部から入力される電力
制御信号(例えば10W/1W切換信号)に応じて制御
信号Sbを出力して可変減衰器6の減衰量を設定するこ
とにより、電力増幅器4から出力される送信信号STRの
送信電力を制御する。直交変調器2は、入力した差分同
相信号SSIと差分直交信号SSQとで搬送波SCRを直交変
調して生成した直交変調信号SVEを利得可変増幅器3に
出力する。可変利得増幅器3は、利得制御部11から出
力される制御信号Scによって制御される所定利得で直
交変調信号SVEを増幅して電力増幅器4に出力する。電
力増幅器4は、可変利得増幅器3によって増幅された直
交変調信号SVE(入力直交変調信号)をさらに所要の送
信電力まで増幅して送信信号STRとして出力する。方向
性結合器5は、送信信号STRの一部を取り出してフィー
ドバック用信号SFEとして可変減衰器6に出力する。可
変減衰器6は、電力制御部12から出力される制御信号
Sbによって設定された減衰量でフィードバック用信号
SFEを減衰させる。
【0017】直交復調器7は、可変減衰器6によって所
定レベルまで減衰されたフィードバック用信号SFEを移
相器10から出力されるローカル信号SLOで復調するこ
とにより、同相復調信号SUIと直交復調信号SUQとを生
成する。減算器8は、入力した同相入力信号SIIから同
相復調信号SUIを差し引いて差分同相信号SSIを生成す
ると共に、入力した直交入力信号SIQから直交復調信号
SUQを差し引いて差分直交信号SSQを生成する。また、
温度センサ13は、送信装置1の内部の温度、具体的に
は、方向性結合器5、可変減衰器6、直交復調器7およ
びレベル検出回路21から形成されるフィードバック側
回路(帰還ループ)に配置されたデバイス(送信装置1
では主として可変減衰器6)の温度を検出して、その検
出温度を温度補償回路24に出力する。
【0018】利得制御部11は、レベル検出回路21、
基準電圧生成回路22、比較回路23および温度補償回
路24を備え、可変利得増幅器3の利得を制御すること
により送信信号STRの送信電力を一定に制御する。この
場合、レベル検出回路21は、例えばログアンプで構成
され、可変減衰器6を経由して直交復調器7に入力され
るフィードバック用信号SFEのレベルを検出して検出電
圧VDVを出力する。具体的には、レベル検出回路21
は、フィードバック用信号SFEを対数増幅した後に全波
整流して検出電圧VDVを生成する。したがって、レベル
検出回路21に入力されるフィードバック用信号SFEの
ダイナミックレンジを大きくすることができる結果、幅
広い電力制御を行うことができる。基準電圧生成回路2
2は、比較回路23で検出電圧VDVと比較する際の基準
となる基準電圧VREF を生成する。比較回路23は、検
出電圧VDVと基準電圧VREF とを入力し、その両電圧V
DV,VREF の差分電圧を制御信号Scとして利得可変増
幅器3に出力することにより、両電圧VDV,VREF が互
いに等しくなるように利得可変増幅器3の利得を制御す
る。
【0019】温度補償回路24は、温度センサ13によ
って検出された検出温度に基づいて、基準電圧生成回路
22によって生成される基準電圧VREF を温度補償す
る。具体的には、温度補償回路24は、電力増幅器4の
出力部からレベル検出回路21の出力部までのフィード
バック側回路における検出電圧VDVに対する利得(主と
して可変減衰器6の減衰量)の温度係数と等しい温度係
数で基準電圧VREF を温度補償する。この場合、温度補
償回路24の構成としては、温度センサ13の検出温度
に基づいて基準電圧VREF をアナログ処理で補償する回
路を採用することができる。また、フィードバック側回
路における温度変化に対する検出電圧VDVの電圧変動を
予め測定したデータを温度補償回路24内に記憶させて
おき、周囲温度に対する測定した検出電圧VDVと等しい
電圧になるように、基準電圧VREFをディジタル処理で
温度補償する回路を採用することもできる。
【0020】次に、送信装置1の全体的な動作について
説明する。
【0021】この送信装置1では、装置外部から電力制
御信号(例えば10W切換信号)が出力されると、電力
制御部12が制御信号Sbを出力して可変減衰器6の減
衰量を例えば20dBに制御する。次いで、利得制御部
11のレベル検出回路21が、直交復調器7に入力され
るフィードバック用信号SFEのレベルを検出し、比較回
路23が、制御信号Scを出力して、検出電圧VDVと基
準電圧VREF とが互いに等しくなるように可変利得増幅
器3の利得を制御する。この結果、送信装置1から所望
電力(この例では10W)の送信信号STRが出力され
る。一方、装置外部から電力制御信号(例えば1W切換
信号)が出力されると、電力制御部12が制御信号Sb
を出力して可変減衰器6の減衰量を例えば10dBに制
御する。この際にも、比較回路23が、制御信号Scを
出力して検出電圧VDVと基準電圧VREF とが互いに等し
くなるように可変利得増幅器3の利得を制御する。これ
により、送信装置1から所望電力(この例では1W)の
送信信号STRが安定的に出力される。
【0022】また、装置内部の温度が変化して例えば可
変減衰器6の減衰量が電力制御部12によって設定され
た減衰量よりも低下した場合、直交復調器7に入力され
るフィードバック用信号SFEのレベルが上昇するため、
レベル検出回路21から出力される検出電圧VDVが上昇
する。この場合、温度補償回路24は、温度センサ13
の検出温度に基づいて、可変減衰器6による減衰量の温
度係数と等しい温度係数で基準電圧VREF を上昇させ
る。したがって、瞬時的には、上昇した検出電圧VDVと
基準電圧VREF とが互いに等しい電圧となる。一方、フ
ィードバック用信号SFEのレベルが上昇するため、差分
同相信号SSIおよび差分直交信号SSQのレベルが低下
し、これに起因してフィードバック用信号SFEのレベル
が低下する。したがって、検出電圧VDVが基準電圧VRE
F よりも低下するため、比較回路23は、検出電圧VDV
と基準電圧VREF とが等しくなるように、制御信号Sc
を出力して利得可変増幅器3の利得を増加させる。この
結果、減算器8、直交変調器2、利得可変増幅器3およ
び電力増幅器4から形成されるフォワード側回路の総利
得が、フィードバック側回路の利得増加分だけ増加す
る。これにより、送信信号STRの送信電力が一定電力に
なるように、自動電力制御(APC(Automatic Power
Control ))が行われる。
【0023】逆に、装置内部の温度が変化して例えば可
変減衰器6の減衰量が電力制御部12によって設定され
た減衰量よりも増加した場合、フィードバック用信号S
FEのレベルが瞬時的に低下して検出電圧VDVの電圧値も
低下する。この場合には、温度補償回路24は、温度セ
ンサ13の検出温度に基づいて、基準電圧VREF を低下
させる。このため、可変減衰器6の減衰量が低下したと
きとは逆の動作で、フォワード側回路の総利得がフィー
ドバック側回路の利得低下分だけ低下する。したがっ
て、この際にも、送信信号STRの送信電力が一定電力に
なるように、自動電力制御が行われる。
【0024】このように、この送信装置1によれば、フ
ィードバック側回路に電力制御用の可変減衰器6を配置
すると共にフォーワード側回路にフィードバック制御用
の可変利得増幅器3を配置した構成を採用しているた
め、従来の送信装置51とは異なり、フォーワード側回
路での可変減衰器による挿入損失をなくすことができ、
これにより、挿入損失填補用の増幅器の配置を省くこと
ができる。この結果、送信装置1の回路構成の簡素化、
低消費電力化、および低価格化を実現することができ
る。また、送信装置1によれば、装置内部の温度が変化
してフィードバック側回路に配置されたデバイスの利得
(または減衰量)が変化したとしても、基準電圧VREF
が自動的に温度補償されため、比較回路23が、利得可
変増幅器3の利得変化とフィードバック側回路の利得変
化分とが等しくなるように、利得可変増幅器3を利得制
御する。この結果、送信信号STRの送信電力が常に一定
電力になるように、温度補償を行いつつ電力制御が自動
的に行われる。同時に、APC回路と温度補償回路とを
共有化しているため、送信装置1の回路構成を、より簡
素化することができる。
【0025】なお、本発明は、本発明の実施の形態に示
した構成に限らず、適宜変更が可能である。例えば、図
1に破線で示すように、温度補償回路24が、温度セン
サ13の検出温度に基づいて、電力増幅器4の出力部
(方向性結合器5の出力部であってもよい)からレベル
検出回路21の出力部までのフィードバック側回路にお
ける検出電圧VDVに対する利得の温度係数と絶対値が等
しく符号が反対の係数で検出電圧VDVを温度補償するこ
ともできる。この場合、同図に示すように、レベル検出
回路21の利得を温度制御してもよいし、レベル検出回
路21の後段で検出電圧VDVを温度補償してもよい。ま
た、温度補償回路24が、温度センサ13の検出温度に
基づいて、可変減衰器6における減衰率の温度係数と絶
対値が等しく符号が反対の係数で可変減衰器6の減衰率
を温度補償してもよい。この構成によれば、フィードバ
ック側回路における温度変化に対する減衰量変動を低減
できるため、フィードバックループ全体としての利得を
安定させることができる。
【0026】さらに、本発明は、アップコンバージョン
方式の送信装置にも適用することができる。図2に示す
送信装置31は、利得可変増幅器3と電力増幅器4との
間に配設されて直交変調信号SVEの周波数を送信信号S
TRの周波数までアップコンバートするミキサ32と、可
変減衰器6と直交復調器7との間に配設されてフィード
バック用信号SFE1 (送信信号STRと同じ周波数)をダ
ウンコンバートしてフィードバック用信号SFEに変換す
るミキサ33と、アップコンバート用の搬送波SCR1 を
生成する発振器34と、移相器10と同様の機能を有し
ダウンコンバート用のローカル信号SLO1 をミキサ33
に出力する移相器35とをさらに備えて構成されてい
る。この送信装置31によれば、任意の周波数の送信信
号STRを送信可能な送信装置を構成することができる。
なお、同図および後述する図3において、送信装置1と
同様の機能を有する各回路には同一の符号を付して重複
した説明を省略する。また、送信装置31において、ミ
キサ33を方向性結合器5と可変減衰器6との間に配設
することもできる。なお、直交変調器2と利得可変増幅
器3との間、およびミキサ32と電力増幅器4との間
に、バンドパスフィルタをそれぞれ配置するのが好まし
い。
【0027】また、図3に示す送信装置41のように、
直交変調器2と利得可変増幅器3との間にミキサ32を
配設し、可変減衰器6から出力されるフィードバック用
信号SFE1 をダウンコンバートしてフィードバック用信
号SFEに変換するミキサ33を可変減衰器6と直交復調
器7との間に配設することもできる。この構成の送信装
置41でも、送信装置31と同様にして、任意の周波数
の送信信号STRを送信可能な送信装置を構成することが
できる。なお、直交変調器2とミキサ32との間、およ
びミキサ32と利得可変増幅器3との間に、バンドパス
フィルタをそれぞれ配置するのが好ましい。
【0028】さらに、送信電力切換(10W/1W切
換)が不要の場合には、可変減衰器6に代えて固定減衰
器または利得固定増幅回路を採用することができる。ま
た、本発明における変調方式については、特に限定され
ず、任意の直交変調方式を採用することができるのは勿
論である。さらに、送信装置1における各部および各回
路については、公知の構成を適宜採用することができ
る。
【0029】
【発明の効果】以上のように、請求項1,2記載の送信
装置によれば、利得制御部がフィードバック用信号のフ
ィードバック量に応じて利得可変増幅回路の利得を制御
して送信信号の送信電力を一定に制御することにより、
フォーワード側回路における可変減衰器の挿入損失を填
補するための増幅器の配置を省くことができる結果、回
路構成を簡素化できると共に消費電力および装置コスト
を低減することができる。
【0030】また、請求項3記載の送信装置によれば、
温度補償回路が温度センサによって検出された温度に基
づいてフィードバック側回路における検出電圧に対する
利得の温度係数と等しい温度係数で基準電圧を温度補償
することにより、温度変化に起因してフィードバック側
回路に配置された可変減衰器などのデバイスの利得(減
衰量を含む概念)が変動したとしても、送信信号の送信
電力が一定になるように利得可変増幅回路の利得が制御
される結果、温度変化に対する送信電力の安定化を図る
ことができる。
【0031】また、請求項4記載の送信装置によれば、
温度補償回路が、温度センサによって検出された温度に
基づいてフィードバック側回路における検出電圧に対す
る利得の温度係数と絶対値が等しく符号が反対の係数で
検出電圧を温度補償することにより、温度変化に起因し
て可変減衰器の減衰量が変動したとしても、送信信号の
送信電力が一定になるように利得可変増幅回路の利得が
制御される結果、温度変化に対する送信電力の安定化を
図ることができる。
【0032】さらに、請求項5記載の送信装置によれ
ば、温度補償回路が、温度センサによって検出された温
度に基づいて、可変減衰器の減衰率の温度係数と絶対値
が等しく符号が反対の係数でその可変減衰器の減衰率を
温度補償することにより、フィードバック側回路におけ
る温度変化に対する減衰量変動を低減できるため、フィ
ードバックループ全体としての利得を安定させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る送信装置1の構成を
示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る送信装置31の構成
を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る送信装置41の構成
を示すブロック図である。
【図4】従来の送信装置51の構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1,31,41 送信装置 2 直交変調器 3 利得可変増幅器 4 電力増幅器 6 可変減衰器 7 直交復調器 8 減算器 11 利得制御部 12 電力制御部 13 温度センサ 21 レベル検出回路 22 基準電圧生成回路 23 比較回路 24 温度補償回路 SCR 搬送波 SFE,SFE1 フィードバック用信号 SII 同相入力信号 SIQ 直交入力信号 SSI 差分同相信号 SSQ 差分直交 STR 送信信号 SUI 同相復調信号 SUQ 直交復調信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−101663(JP,A) 特開 平9−261292(JP,A) 特開2000−13254(JP,A) 特開 平11−220410(JP,A) 特開 平4−247721(JP,A) 実開 昭63−140740(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/04 H03F 1/30 H03G 3/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 差分同相信号と差分直交信号とで搬送波
    を変調して直交変調信号を生成する直交変調回路と、入
    力直交変調信号を増幅して送信信号として出力する電力
    増幅回路と、前記送信信号の一部を適宜量減衰させる可
    変減衰器と、当該可変減衰器を経由して入力したフィー
    ドバック用信号を同相復調信号および直交復調信号に復
    調して出力する直交復調回路と、入力した同相入力信号
    から前記同相復調信号を差し引いて前記差分同相信号を
    生成すると共に入力した直交入力信号から前記直交復調
    信号を差し引いて前記差分直交信号を生成する減算回路
    とを備えた送信装置であって、 前記直交変調信号を所定利得で増幅して前記入力直交変
    調信号またはその基となる直交変調信号を出力する利得
    可変増幅回路と、前記フィードバック用信号のフィード
    バック量に応じて前記利得可変増幅回路の利得を制御す
    ることにより前記送信信号の送信電力を一定に制御する
    利得制御部とをさらに備えていることを特徴とする送信
    装置。
  2. 【請求項2】 前記利得制御部は、前記直交復調回路に
    入力される前記フィードバック用信号のレベルを検出す
    るレベル検出回路と、基準電圧を生成する基準電圧生成
    回路と、前記レベル検出回路によって検出された検出電
    圧と前記基準電圧とを入力し、当該両電圧の差分電圧を
    生成する比較回路とを備え、前記差分電圧を前記利得可
    変増幅回路に出力して前記両電圧が互いに等しくなるよ
    うに当該利得可変増幅回路の利得を制御することを特徴
    とする請求項1記載の送信装置。
  3. 【請求項3】 装置内部の温度を検出する温度センサ
    と、前記基準電圧を温度補償する温度補償回路とを備
    え、当該温度補償回路は、前記温度センサによって検出
    された前記温度に基づいて、前記電力増幅回路の出力部
    から前記レベル検出回路の出力部までのフィードバック
    側回路における前記検出電圧に対する利得の温度係数と
    等しい温度係数で前記基準電圧を温度補償することを特
    徴とする請求項2記載の送信装置。
  4. 【請求項4】 装置内部の温度を検出する温度センサ
    と、前記レベル検出回路の検出電圧を温度補償する温度
    補償回路とを備え、当該温度補償回路は、前記温度セン
    サによって検出された前記温度に基づいて、前記電力増
    幅回路の出力部から前記レベル検出回路の出力部までの
    フィードバック側回路における前記検出電圧に対する利
    得の温度係数と絶対値が等しく符号が反対の係数で前記
    検出電圧を温度補償することを特徴とする請求項2記載
    の送信装置。
  5. 【請求項5】 装置内部の温度を検出する温度センサ
    と、前記可変減衰器の減衰率を温度補償する温度補償回
    路とを備え、当該温度補償回路は、前記温度センサによ
    って検出された前記温度に基づいて、前記減衰率の温度
    係数と絶対値が等しく符号が反対の係数で当該減衰率を
    温度補償することを特徴とする請求項1または2記載の
    送信装置。
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