JP3401979B2 - 三角測量式測距装置及び障害物検知装置 - Google Patents

三角測量式測距装置及び障害物検知装置

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JP3401979B2
JP3401979B2 JP05929495A JP5929495A JP3401979B2 JP 3401979 B2 JP3401979 B2 JP 3401979B2 JP 05929495 A JP05929495 A JP 05929495A JP 5929495 A JP5929495 A JP 5929495A JP 3401979 B2 JP3401979 B2 JP 3401979B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鏡面反射する測定対象
でも測距が可能な三角測量式測距装置及びこの三角測量
式測距装置を用いた障害物検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の測距装置としては、2組の光学系
と受光部をもち、測定対象からの光を各光学系を介して
対応する各受光部で受光し、受光した光線の強度分布に
応じた明度信号が各受光部からそれぞれ出力され、出力
された互いの明度信号を、例えば一方の明度信号を基準
として他方の明度信号をずらしながら比較して相関を計
算し、相関が最も高い時、即ち、一方の基準の明度信号
に対して最も近似した明度信号が得られた時の位置のず
れ量を求め、このずれ量から距離を算出するようにした
パッシブ三角測量式測距装置がある(例えば特開昭50
−138825号公報参照)。
【0003】従来のパッシブ三角測量式測距装置の原理
について、図23及び図24を用いて説明する。ただし、測
定対象は測距装置正面にあるものとする。測定対象1か
らの光は、第1の光学系2を通って基準側受光部3で受
光され、基準側受光部3では受光した光線の強度分布に
応じた第1の明度信号4が得られる。また、測定対象1
からの光は、第2の光学系5を通って参照側受光部6で
受光され、参照側受光部6では、受光した光線の第2の
明度信号7が得られる。
【0004】この場合、測定対象1の位置1′、第2の
光学系2のレンズ中心位置2′、第2の光学系5のレン
ズ中心位置5′、第2の光学系5の光軸と参照側受光部
6の交点8、参照側受光部6上で測定対象1からの光が
焦点を結ぶ位置9及び第1の光学系2の光軸10の位置関
係は、図24のようになる。このとき、三角形1′−2′
−5′と三角形5′−8−9は相似である。
【0005】ここで、測定対象1の位置1′と第1の光
学系2のレンズ中心位置2′との間の距離(測定距離)
をDj、第1の光学系2のレンズ中心位置2′と第2の
光学系5のレンズ中心位置5′の間の距離(基線長)を
B、各光学系2,5の焦点距離をf、参照側受光部6上
における光軸との交点8と測定対象1からの光が焦点を
結ぶ位置9の間の距離(視差)をRとすると、 Dj/B=f/R ・・・ (1) が成り立つ。(1)式から、 Dj=B・f/R ・・・ (2) となり、光学系から測定対象1までの距離Djは、
(2)式から算出できる。
【0006】従って、基線長B、焦点距離fは予め測定
しておくことができるので、視差Rがわかれば距離Dj
を算出することができる。視差Rは、前述したように、
基準側受光部3と参照側受光部6から得られる明度信号
4,7を比較し、互いの相関の最も高い時のずれ量とし
て算出されるので、各受光部3,6からの明度信号4,
7を検出することで、測定対象までの距離Djは算出で
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこの種
の三角測量式測距装置では、測定対象が鏡面である場合
には、測定対象までの距離ではなく、測定対象表面に映
り込んだ虚像までの距離を測定してしまう可能性がある
という問題点があった。測定対象が鏡面である場合の従
来の測距装置としては、1つの略点光源からの光を複数
個の受光体で検出し、略点光源と受光した受光体の位置
関係と、平面鏡の角度から測定対象までの距離を算出す
るか、または、複数個の略点光源からの光線を1つの受
光体で検出し、受光体が受光したときに点灯していた略
点光源と受光体の位置関係と、平面鏡の角度から測定対
象までの距離を算出するもの(特開昭51−40169
号公報参照)と、1つの略点光源からの光を受光レンズ
を用いて位置検出素子上に結像させ、位置検出素子上の
光の位置、略点光源と受光レンズの位置関係、平面鏡の
角度から測定対象までの距離を算出するもの(特開平3
−255909号公報参照)等がある 前者の測距原理について、図25及び図26を用いて説明す
る。
【0008】狭指向角光源11から投射された光は、平面
鏡12で反射され、受光体13に入射される。狭指向角光源
11と各受光体13が基準線上に並んでおり、基準線と平面
鏡12は平行であるとする。平面鏡12の基準線に対する角
度が変化しなければ、平面鏡12までの距離Dmは、 Dm=J/2tanθ ・・・ (3) により算出できる。Jは狭指向角光源11と受光体13の間
の距離、θは狭指向角光源11の平面鏡12と直交する軸線
に対してなす角度である。
【0009】そして、図25のように1つの光源からの光
を複数の受光体で検出する場合は、平面鏡12がaの位置
からbの位置へ移動すると受光する受光体13が異なり、
図26のように複数の光源からの光を1つの受光体で検出
する場合は、平面鏡12の位置に応じて受光体13が受光す
る光を発する光源11が異なる。従って、いずれの場合も
平面鏡12の位置に応じて光源11と受光体13の間の距離J
が変化するので、この距離Jを検出することで平面鏡12
までの距離Dmが算出できる。
【0010】次に、後者の測距原理について、図27を用
いて説明する。略点光源の位置をL、受光レンズの中心
位置をO、平面鏡の位置をT、略点光源から平面鏡に垂
線を下ろしその交点をQ、略点光源からの光が平面鏡上
の点Pで反射して受光レンズによって焦点を結ぶ受光体
上の位置をXとして、直線L−Qと直線O−Pの延長線
上の交点をIとすると、図24で説明した三角測量の原理
によって、L、O、Xの位置関係と平面鏡の角度から略
点光源の位置LからIまでの距離が算出できる。三角形
L−Q−PとI−Q−Pは等しいので、略点光源から平
面鏡までの距離は、LからIまでの距離の半分である。
【0011】しかしながら、表面が鏡面である測定対象
の測距を行う、上述の従来装置では、測定対象である平
面鏡と測距装置との角度関係が既知でないと平面鏡まで
の距離が測定できないため、測定対象が不特定の場合は
使用できないという問題があった。本発明はこのような
従来の問題点に着目してなされたもので、鏡面に光源の
虚像が映り込むことに着目し、三角測量の原理を利用し
て、不特定の測定対象の測距が可能で、しかも、鏡面反
射をする測定対象でも測距が可能な三角測量式測距装置
を提供することを目的とする。また、この三角測量式測
距装置を利用した障害物検知装置を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、第1の発明の
三角測量式測距装置では、図1に示すように、測定対象
Aに光を照射する光源Bと、測定対象Aからの光がそれ
ぞれ入光する第1及び第2の光学系C,Dと、第1の光
学系Cを介して受光した光の強度分布状態を示す第1の
明度信号を出力する基準側受光手段Eと、第2の光学系
Dを介して受光した光の強度分布状態を示す第2の明度
信号を出力する参照側受光手段Fと、第1の明度信号と
第2の明度信号とを比較して基準側受光手段表面の受光
位置に対する参照側受光手段の受光位置のずれ量を測定
する測定手段Gと、前記測定手段Gで測定されたずれ量
に基づき三角測量の原理を用いて前記光源の虚像までの
距離を演算する第1の距離演算手段Hと、第1の距離演
算手段Hで演算された虚像までの距離をDk、光源から
光学系までの距離をDoffとした時、測定対象までの
距離Dhを、 Dh=(Dk−Doff)/2 の演算式により算出する第2の距離演算手段Iと、前記
両受光手段の少なくとも一方の明度信号に基づいて測定
対象が鏡面か否かを判定する判定手段(図示せず)とを
備え、測定対象が鏡面でないと判定された時は、光源の
消灯状態で得られた前記ずれ量に基づいて三角測量の原
理を用いて測定対象までの距離を演算し、測定対象が鏡
面であると判定された時は、前記第2の距離演算手段で
算出される値を測定対象までの距離とする構成とした。
【0013】また、第2の発明の三角測量式測距装置で
は、図2に示すように、測定対象Aに光を照射する第1
及び第2の光源B,B′と、測定対象Aからの光がそれ
ぞれ入光する第1及び第2の光学系C,Dと、第1の光
学系Cを介して受光した光の強度分布状態を示す第1の
明度信号を出力する基準側受光手段Eと、第2の光学系
Dを介して受光した光の強度分布状態を示す第2の明度
信号を出力する参照側受光手段Fと、各光源B,B′の
照射光毎に第1の明度信号と第2の明度信号とを比較し
て基準側受光手段表面の受光位置に対する参照側受光手
段の受光位置のずれ量を各光源の照射光毎に測定する測
定手段Gと、前記測定手段Gで測定された各光源の照射
光に対する各ずれ量に基づき三角測量の原理を用いて各
光源の虚像までの距離をそれぞれ演算する第1の距離演
算手段Hと、第1の距離演算手段Hで演算された各虚像
までの距離をDk1 ,Dk2 、第1及び第2の光源から
光学系までのそれぞれの距離をDoff1 ,Doff2
とした時、測定対象までの距離Dhを、 Dh=(Dk2 ・Doff1 −Dk1 ・Doff2 )/
(Dk1 −Doff2−Dk2 +Doff1 ) の演算式により算出する第2の距離演算手段Iとを備え
て構成した。
【0014】また、上記の第2の発明の三角測量式測距
装置に、前記両受光手段の少なくとも一方の明度信号に
基づいて測定対象が鏡面か否かを判定する判定手段を設
け、測定対象が鏡面でないと判定された時は、光源の消
灯状態で得られた前記ずれ量に基づいて三角測量の原理
を用いて測定対象までの距離を演算し、測定対象が鏡面
であると判定された時は、前記第2の距離演算手段で算
出される値を測定対象までの距離とするように構成する
とよい。
【0015】前記判定手段は、明度信号に予め設定した
閾値より高いピーク値が存在するか否を判定し、閾値よ
り高いピーク値が存在する時に測定対象は鏡面と判定
し、閾値より高いピーク値が存在しない時に測定対象は
鏡面でないと判定する構成である。また、前記判定手段
は、明度信号の光源点灯時と消灯時の値の差を算出し、
算出された差信号に予め設定した閾値より高いピーク値
が存在するか否を判定し、差信号に閾値より高いピーク
値が存在する時に測定対象は鏡面と判定し、閾値より高
いピーク値が存在しない時に測定対象は鏡面でないと判
定する構成としてもよい。
【0016】前記判定手段は、明度信号又は差信号の空
間微分値を演算し、算出された空間微分値の絶対値に予
め設定した閾値より高いピーク値が存在するか否を判定
し、閾値より高いピーク値が存在する時に測定対象は鏡
面と判定し、閾値より高いピーク値が存在しない時に測
定対象は鏡面でないと判定する構成としてもよい。ま
た、前記測定手段は、第1の明度信号の光源点灯時と消
灯時の値の差信号と、第2の明度信号の光源点灯時と消
灯時の値の差信号とを比較して受光位置のずれ量を測定
する構成とするとよい。
【0017】また、基準側受光手段表面における第1の
光学系の光軸との交点と受光位置との間の距離をRdと
し、第1の光学系の焦点距離をfとし、測定対象の方向
角度θhを、 θh=atan(f/Rd) の演算式により算出する方向角度算出手段を備える構成
とするとよい。
【0018】また、両光学系にシリンドリカルレンズを
用いるとよい。また、測定対象と受光手段との間に、光
源の照射光の波長以外の光をカットする光学フィルタを
設置するとよい。本発明の障害物検知装置では、図1及
び図2に点線で示すように、表示手段を設け、上述の三
角測量式測距装置で得られた測定対象の位置情報を表示
手段に入力して測定対象の位置を表示する構成である。
【0019】また、前記表示手段は、扇状の表示部を有
し、扇の要の位置を測距装置の位置として測定対象の位
置を表示する構成とするとよい。
【0020】
【作用】請求項1記載の第1の発明の構成によれば、
定対象が鏡面か非鏡面であるかを判定手段により判定
し、測定対象が鏡面である場合に、第1の距離演算手段
で、測定対象に映り込む光源の虚像までの距離を三角測
量の原理から算出し、算出した虚像までの距離と光源と
光学系の間の距離とから所定の演算式を用いて第2の距
離演算手段より距離を算出することにより、測定対象が
鏡面で不特定の場合でも測定対象までの距離を算出する
ことが可能である。また、測定対象が非鏡面である場合
は従来の三角測量の原理を用いて距離を演算すればよ
く、測定対象の表面状態に応じた測距ができる。
【0021】また、請求項2記載の第2の発明のよう
に、光源を2つ設けることにより、測定対象が曲面鏡で
あっても測距が可能となる。第2の発明において、請求
項3記載のように、測定対象が鏡面か非鏡面であるかを
判定する機能を設けることで、測定対象の表面状態に応
じた測距ができる。また、請求項8記載のように、受光
位置のずれ量を、光源の点灯時と消灯時の明度信号の値
の差の信号から測定するようにすれば、光源以外の外光
の影響を低減することができ、S/Nが向上し、測距精
度を高められる。
【0022】また、光学系にシリンドリカルレンズを用
いれば、上下方向に検知範囲が広がり、測定対象が上下
方向に傾いていても測距が可能となる。また、光源の照
射光の波長以外の光をカットする光学フィルタを設ける
ことにより、外光の影響が低減でき、S/Nを向上でき
る。請求項12記載の障害物検知装置では、障害物位置を
表示手段によって容易に把握することができ、自動車等
に搭載する障害物検知システムに好適である。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図3に、第1の発明である平面鏡を測定対象とし
た測距装置の実施例の構成を示す。図において、ケース
30の前面に、第1の光学系31と第2の光学系32が、間隔
を有して配置される。第1の光学系31の後方には、第1
の光学系31を介して入光する光を受光する基準側受光手
段である基準側受光部33が配置され、第2の光学系32の
後方には、第2の光学系32を介して入光する光を受光す
る参照側受光手段である参照側受光部34が配置される。
これら基準側受光部33及び参照側受光部34は、受光した
光の強度分布状態に対応する第1の明度信号と第2の明
度信号をそれぞれ出力する構成である。第1の光学系31
と第2の光学系32との間のケース30内の空間部には、測
定対象に光を照射する例えばLED等を使用した略点光
源35が配置される。
【0024】コンピュータ36は、略点光源35を駆動する
LEDドライバ37に点灯・消灯の制御信号を出力すると
共に、略点光源35の照射光に基づく基準側受光部33及び
参照側受光部34からの各明度信号をA/D変換器38を介
してディジタル値に変換して取り込み、データバスを介
して記憶装置39に書き込む。書き込まれた第1及び第2
の明度信号情報に基づいて、例えば参照側受光部34側の
第2の明度信号を順次シフトさせて、基準側受光部33の
第1の明度信号と比較し、相関の最も高い時(第1の明
度信号に対して第2の明度信号が最も類似している時)
のシフト量をずれ量(視差)として算出する。更に、こ
の算出したずれ量に基づいて三角測量の原理を用いて測
定対象が平面鏡である場合には、平面鏡に映り込んだ略
点光源35の虚像までの距離を算出し、この算出値及び略
点光源35と光学系の間の距離とから測定対象までの距離
を演算する。
【0025】従って、コンピュータ36が、ずれ量を測定
する測定手段と、第1の距離演算手段及び第2の距離演
算手段の機能を備えている。更に、コンピュータ36は、
後述の図13及び図14のフローチャートで説明するよう
に、明度信号情報に基づいて測定対象が鏡面であるかど
うかを判断する判定手段の機能を備えている。次に、図
4及び図5を参照して、測定対象が鏡面である場合の
実施例装置の測距原理について説明する。まず、測定対
象が平面鏡であり、平面鏡が光学系と平行である場合に
ついて、図4を参照して説明する。
【0026】略点光源35からの光は、測定対象である平
面鏡40で反射して第1の光学系31を通って基準側受光部
33に、第2の光学系32を通って参照側受光部34にそれぞ
れ入射する。従って、前述した従来のバッシブ三角測量
式測距装置の測距原理による距離算出式である(2)式
から、 Dk=B・f/R ・・・ (4) として、略点光源35の虚像35′までの距離Dkを算出す
ることができる。ただし、Bは互いの光学系31,32のレ
ンズ中心位置31′,32′間の距離(基線長)、fは光学
系の焦点距離、Rは基準側受光部33と参照側受光部34の
明度信号の比較結果から得られるずれ量(視差)であ
る。
【0027】そして、第1及び第2の光学系31、32と略
点光源35の間の距離(オフセット)をDoffとする
と、光学系から平面鏡40までの距離Dhは、 Dh=(Dk−Doff)/2 ・・・ (5) となり、(5)式から光学系と平面鏡が平行である場合
に平面鏡40までの距離が算出できる。
【0028】次に、測定対象が平面鏡であり、平面鏡が
光学系と平行でない場合について、図5を参照して説明
する。略点光源35の虚像の位置35′、第1の光学系31の
レンズ中心位置31′、第2の光学系32のレンズ中心位置
32′、第2の光学系32のレンズ中心位置32′から直線3
5′−31′に並行に伸ばした線と参照側受光部34の交点
8及び参照側受光部34上で略点光源35からの光の反射光
が焦点を結ぶ位置9の位置関係は、図5のようになる。
このとき、三角形35′−31′−32′と三角形32′−8−
9は相似であり、(4)式が成り立つ。ただし、距離D
kは各光学系の31′−32′を結ぶ基準線から虚像35′ま
での最短距離、Bは上述した基線長、fは光学系の焦点
距離、Rは視差である。従って、平面鏡が光学系と平行
な場合の距離算出式である(5)式によって、光学系の
レンズ中心位置31′−32′を結ぶ基準線から平面鏡40ま
での最短距離Dhが算出できる。
【0029】また、平面鏡40の基準線に対する方向角度
θhは、 θh=atan(f/Rd) ・・・ (6) によって算出できる。ただし、Rdは、基準側受光部33
上における第1の光学系31の光軸との交点から結像位置
までの距離である。尚、(5)式で得られる測定距離D
hは最短距離であり、正確な第1の光学系31のレンズ中
心位置31′から平面鏡40までの距離Drは、 Dr=Dh/sinθh ・・・ (7) によって補正することができる。
【0030】図6に、本実施例装置の測定対象が鏡面で
ある場合の測距動作のフローチャートを示す。尚、測定
対象が鏡面であるか否かの判定動作を含んだ本実施例装
置の測距動作については図13及び図14のフローチャート
に従って後述する。ステップ1(図中、S1で示し以下
同様とする)では、LEDドライバ37に光源点灯指令を
発生して略点光源35を点灯する。ステップ2では、基準
側受光部33と参照側受光部34からの各明度信号をA/D
変換器38を介してディジタル信号として読み込み、記憶
装置39に記憶させる。
【0031】ステップ3では、参照側受光部34のシフト
量iを0にセットする。ステップ4では、参照側受光部
34の明度信号を順次シフトし、各シフト量において基準
側受光部33の明度信号と比較して相関を計算する。ステ
ップ5では、シフト量iが所定量nになったか否かを判
定し、所定量nになるまでステップ4の相関計算を実行
する。所定量nになった時はステップ6に進む。
【0032】ステップ6では、ステップ4の計算結果に
基づいて相関の最も高い時のシフト量を視差Rとして算
出する。ステップ7では、ステップ6で算出した視差
R、既知の光学系のレンズ中心位置間距離(基線長)B
及び焦点距離fから、三角測量の原理を用いて(4)式
により、虚像までの距離Dkを算出する。
【0033】ステップ8では、ステップ7で算出した距
離Dkと、既知の光学系と略点光源との間の距離Dof
fから、(5)式により、測定対象までの距離Dhを算
出する。以上のように、本実施例によれば平面鏡40の方
向角度に拘らず平面鏡までの距離と方向が算出できるの
で、従来の鏡面用の測距装置では不可能であった、測定
対象の方向角度が不明な不特定物体でも測距が可能とな
る。
【0034】次に、測定対象が曲面鏡である第2の発明
の実施例について説明する。図7に実施例装置の構成を
示す。尚、図3に示す第1の発明の実施例と同一要素に
は同一符号を付してある。図7において、ケース30の前
面に、第1の光学系31と第2の光学系32が、間隔を有し
て配置され、第1の光学系31の後方に基準側受光手段で
ある基準側受光部33が配置され、第2の光学系32の後方
に参照側受光手段である参照側受光部34が配置される。
基準側受光部33及び参照側受光部34は、受光した光の強
度分布状態に対応する第1の明度信号と第2の明度信号
をそれぞれ出力する。そして、本実施例装置では、第1
の光学系31と第2の光学系32との間のケース30内の空間
部には、測定対象に光を照射する例えばLED等を使用
した第1の光源である略点光源35に加えて、更に、第2
の光源である略点光源41が配置されることが第1の発明
と異なっている。
【0035】コンピュータ36は、2つの略点光源35,41
を駆動するLEDドライバ37に点灯・消灯の制御信号を
出力し、基準側受光部33及び参照側受光部34からの略点
光源35,41からの光に基づく各明度信号をA/D変換器
38を介してディジタル値に変換して取り込み、データバ
スを介して記憶装置39に書き込む。記憶した各略点光源
35,41毎の第1及び第2の明度信号情報に基づいて、例
えば参照側受光部34側の第2の明度信号を順次シフトさ
せて、基準側受光部33の第1の明度信号と比較し、相関
の最も高い時のシフト量をずれ量(視差)として各略点
光源35,41毎に算出する。これら算出したずれ量に基づ
いて三角測量の原理を用いて曲面鏡に映り込んだ略点光
源35,41の各虚像までの距離を算出し、各算出値及び略
点光源35,41と光学系の間の各距離とから測定対象であ
る曲面鏡までの距離を演算する。
【0036】従って、コンピュータ36が、ずれ量を測定
する測定手段と、第1の距離演算手段及び第2の距離演
算手段の機能を備えている。次に、図8及び図9を参照
して、本実施例装置の測距原理について説明する。図8
は、一方の略点光源35の光を曲面鏡42に照射した場合を
示し、図9は他方の略点光源41の光を曲面鏡に照射した
場合を示している。
【0037】この場合、略点光源35と光学系31,32を結
ぶ基準線までの距離(オフセット)をDoff1 、略点
光源41と前記基準線までの距離をDoff2 とし、略点
光源35の虚像35′と光学系31,32の各レンズ中心位置3
1′−32′を結ぶ基準線の間の最短距離をDk1 、略点
光源41の虚像41′とレンズ中心位置31′−32′を結ぶ基
準線の最短距離をDk2 とする。前記基準線から測定対
象である曲面鏡42までの測定すべき距離をDhとする。
Dk1 −DhをDr1 、Dk2 −DhをDr2 とする。
曲面鏡42に映る各虚像35′,41′までの距離Dr1 ,D
2 を、曲面鏡42の曲率によって変化する係数αを用い
て曲面鏡42から実像(実際の略点光源)までの距離で近
似すると、次式が成り立つ。
【0038】 Dr1 =α・(Dh+Doff1 ) ・・・ (8) Dk1 =Dh+Dr1 ・・・ (9) Dr2 =α・(Dh+Doff2 ) ・・・ (10) Dk2 =Dh+Dr2 ・・・ (11) (8)、(9)式より、 Dk1 =α・(Dh+Doff1 )+Dh ・・・ (12) (10)、(11)式より、 Dk2 =α・(Dh+Doff2 )+Dh ・・・ (13) α・(Dh+Doff2 )=Dk2 −Dh ・・・ (14) α=(Dk2 −Dh)/(Dh+Doff2 ) ・・・ (15) (15)式のαを(12)式に代入すると、 Dk1 =〔(Dk2 −Dh)/(Dh+Doff2 )〕・(Dh+Doff1 )+Dh ・・・ (16) (Dk1 −Dh)・(Dh+Doff2 )=(Dk2 −Dh)・(Dh+Do ff1 ) ・・・ (17) −Dh・Dh+(Dk1 −Doff2 )・Dh+Dk1 ・Doff2 =−Dh・Dh+(Dk2 −Doff1 )・Dh+Dk2 ・Doff1 ・・・ (18) (Dk1 −Doff2 −Dk2 +Doff1 )・Dh =Dk2 ・Doff1 −Dk1 ・Doff2 ・・・ (19) Dh=(Dk2 ・Doff1 −Dk1 ・Doff2 )/(Dk1 −Doff2 −Dk2 +Doff1 ) ・・・ (20) ここで、Doff1 、Doff2 は既知であり、D
1 、Dk2 は、それぞれの略点光源35,41毎に基準側
受光部33と参照側受光部34からの明度信号から視差を算
出すれば三角測量の原理により(4)式から演算するこ
とができるので、(20)式より、曲面鏡42から光学系の
レンズ中心位置31′−32′を結ぶ基準線までの最短距離
Dhが得られる。
【0039】図10に、本実施例装置の測距動作のフロー
チャートを示す。ステップ11では、LEDドライバ37に
第1の略点光源35の点灯指令を発生して略点光源35を点
灯する。ステップ12では、基準側受光部33と参照側受光
部34からの各明度信号をA/D変換器38を介してディジ
タル信号として読み込み、記憶装置39に記憶させる。
【0040】ステップ13では、参照側受光部34のシフト
量iを0にセットする。ステップ14では、参照側受光部
34の明度信号を順次シフトし、各シフト量において基準
側受光部の明度信号と比較して相関を計算する。ステッ
プ15では、シフト量iが所定量nになったか否かを判定
し、所定量nになるまでステップ14の相関計算を実行す
る。所定量nになった時はステップ16に進む。
【0041】ステップ16では、第1の略点光源35の消灯
指令を発生した後、第2の略点光源41の点灯指令を発生
して略点光源41を点灯させる。ステップ17〜20まで、第
1略点光源35の場合のステップ12〜15と同様にして、相
関計算を実行する。ステップ21では、ステップ14,19
計算結果に基づいて、相関の最も高い時のシフト量を第
1及び第2の略点光源35,41毎の各視差R1 ,R2 とし
て算出する。
【0042】ステップ22では、ステップ21で算出した視
差R1 ,R2 と、既知の光学系のレンズ中心位置間距離
(基線長)B及び焦点距離fから、三角測量の原理を用
いて(4)式により、各虚像35′,41′までの距離Dk
1 ,Dk2 を算出する。ステップ23では、ステップ22で
算出した距離Dk1 ,Dk2 と、既知の光学系と略点光
源との間の距離Doff1 ,Doff2 から、(20)式
により、測定対象までの距離Dhを算出する。
【0043】以上のように、本実施例によれば曲面の角
度に関係なく、曲面鏡までの距離を算出できる。次に、
別の実施例について説明する。本実施例は、略点光源以
外の外光の影響を除去するようにしたものである。ハー
ドウエアの構成は前述の実施例と同様であり、ソフトウ
エア構成が異なるだけであり、以下にその動作について
図11のフローチャートに従って説明する。
【0044】ステップ31では、略点光源の点灯指令を発
生して略点光源を点灯させる。ステップ32では、略点光
源点灯時の基準側受光部と参照側受光部の各明度信号を
読み込む。この場合、図12(A)に示すような強度分布
を持つ基準側明度信号61aと参照側明度信号62aが得ら
れる。ステップ33では、略点光源の消灯指令を発生して
略点光源を消灯させる。
【0045】ステップ34では、略点光源消灯時の基準側
受光部と参照側受光部の各明度信号を読み込む。この場
合、図12(B)に示すような強度分布を持つ基準側明度
信号61bと参照側明度信号62bが得られる。ステップ35
では、ステップ32,34で記憶させた明度信号情報に基づ
いて、基準側受光部及び参照側受光部の略点光源の点灯
時と消灯時の明度信号の差をそれぞれ算出する。図13
(C)に、基準側の差信号61cと参照側の差信号62cを
示す。
【0046】ステップ36では、参照側受光部34のシフト
量iを0にセットする。ステップ37では、ステップ35で
算出した参照側受光部34の差信号62cを順次シフトし、
各シフト量において基準側受光部の差信号61cと比較し
て相関を計算する。ステップ38では、シフト量iが所定
量nになったか否かを判定し、所定量nになって全ての
差信号の相関計算が終了したらステップ39に進む。
【0047】ステップ39では、ステップ37の計算結果に
基づいて、相関の最も高い時のシフト量を視差Rとして
算出した後、前述したの同様にして測定対象までの距
離Dhを演算する。以上のように、明度信号発生のタイ
ミングに合わせて略点光源を点滅させ、略点光源が点灯
した時と消灯した時の明度信号の差を、基準側と参照側
でそれぞれ算出し、互いの差信号61c,62cを用いて距
離Dhを算出すれば、略点光源以外の外光の影響が小さ
くなり、S/Nが向上し測距精度を高めることができ
る。
【0048】次に、前述した第1の発明の実施例装置に
よる測定対象が鏡面か非鏡面かを判別する判定動作を含
んだ測距動作について、図13及び図14のフローチャート
に従って説明する。
【0049】測定対象が鏡面であるときには、鏡面に映
った略点光源の虚像が検出されるため、図15(A)に示
すように、各受光部33,34からの明度信号又は差信号71
には明確なピークが存在するが、測定対象が鏡面でない
ときには図15(B)に示すように、明度信号又は差信号
71には明確なピークが存在しない。そこで、前述した判
定手段の機能として、明度信号又は差信号71のピークの
有無から、測定対象が鏡面であるかどうかを判断する機
能をコンピュータ36に設ける。本発明の方式で演算され
る距離Dhと従来の三角測量による距離Djの測距結果
が一致している場合には、どちらの測距結果を使っても
よい。測距結果が一致していない場合は、鏡面か否かの
判断結果に応じてどちらの測距結果を選択するかを決定
する。
【0050】図13及び図14のフローチャートにおいて、
ステップ41〜ステップ46までは、図11のフローチャート
と同様であり、略点光源を点灯した時と消灯した時の、
基準側及び参照側の受光部における明度信号及び差信号
の読み込みを行い、シフト量iを0にセットする。ステ
ップ47では、略点光源を消灯した時の基準側明度信号と
参照側明度信号の相関を計算し、ステップ48で全ての相
関計算が終了したと判定された時は、ステップ49に進
み、従来の三角測量の原理による距離Djを算出する。
【0051】ステップ50では、シフト量i=0にセット
する。ステップ51では、ステップ45で算出した基準側と
参照側の各明度信号の差信号に基づいて相関計算し、ス
テップ52で全ての相関計算が終了したと判定された時
は、ステップ53に進む。ステップ53では、略点光源を用
いた時の距離Dhを算出する。
【0052】ステップ54では、ステップ49で算出した従
来の三角測量の原理による距離Djとステップ53で算出
した距離Dhが一致しているか否かを判定する。一致し
ている場合は、どちらか一方を測定対象までの距離とし
て決定して測距動作を終了する。不一致の場合はステッ
プ55に進む。ステップ55では、例えば基準側明度信号の
ピーク値が閾値Vthを越えているか否かを判定する。
越えている場合は、測定対象が鏡面である、若しくは鏡
面と非鏡面が混ざっていても鏡面のコントラストの方が
強いと判断し、ステップ56に進み、測定対象までの距離
として距離Dhを選択して測距動作を終了する。一方、
越えていない場合は、測定対象が鏡面でない、若しくは
鏡面と非鏡面が混ざっていても非鏡面のコントラストの
方が強いと判断し、ステップ57に進み、測定対象までの
距離として従来の三角測量の原理により算出した距離D
jを選択して測距動作を終了する。
【0053】尚、上記実施例では、鏡面か否かの判断を
受光部から出力される明度信号そのものを用いて判断す
る構成であるが、明度信号の差信号を用いて判断する構
成でもよいことを言うまでもない。また、明度信号又は
差信号の他に、これら信号の空間微分値の絶対値を用い
て、鏡面か否かの判断を行うこともできる。
【0054】即ち、明度信号又はその差信号の空間微分
値72も、測定対象が鏡面の場合は図16(A)に示すよう
に明確なピークが存在し、測定対象が非鏡面の場合は図
16(B)に示すように明確なピークが存在しない。従っ
て、明度信号又はその差信号の空間微分値を用いても、
適切な閾値範囲Vth′を設定することで測定対象が鏡
面か否かを判定することが可能である。
【0055】かかる実施例によれば、測定対象が鏡面か
否か、それとも鏡面と非鏡面が混ざっているのかに関わ
らず、測定対象までの距離が正確に算出できる。尚、従
来の三角測量の原理による距離Djの測距機構は、図3
の構成において略点光源を消灯した状態で行うことがで
きるが、図17に示すよう、別に従来の三角測量による測
距専用の測距装置80を設け、A/D変換器81を介してコ
ンピュータ36にデータを入力する構成としてもよい。第
2の発明の実施例である図7に示す2つの略点光源を備
えた測距装置の場合も、1つの測距装置を兼用してもよ
く、別に図17と同様に三角測量専用の測距装置80を別に
設けるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0056】尚、例えば、図18に示すように、基準側受
光部33を複数の領域LZ1〜LZ3に分割し、参照側受
光部34も、基準側受光部33の領域LZ1、LZ2、LZ
3にそれぞれ対応する領域RZ1、RZ2、RZ3に分
割する。そして、分割した対応する領域LZ1とRZ
1、LZ2とRZ2、LZ3とRZ3毎に距離演算を行
うようにすれば、測定対象が複数存在し、それぞれの測
定対象までの距離が違っていてもそれぞれの測定対象ま
での距離を算出することができる。
【0057】次に、本発明の測距装置を例えば自動車の
障害物検知システムに応用した場合の構成について、図
19を参照して説明する。図19において、略点光源35は、
コンピュータ36からの指令により、LEDドライバ37に
よって駆動される。基準側受光部33と参照側受光部34か
ら発生する基準側明度信号と参照側明度信号は、それぞ
れのA/D変換器38、38′を通して、コンピュータ36に
入力され、データバスを介して記憶装置39に書き込まれ
る。コンピュータ36では、データバスを介して記憶装置
39とデータのやりとりを行い、図20及び図21のフローチ
ャートに示すような距離演算を実行して障害物の距離と
方向を算出する。図20及び図21のフローチャートのステ
ップ61〜77までの距離演算動作は、図13及び図14のフロ
ーチャートと同様である。そして、ステップ74又はステ
ップ75の判定に基づいて演算した距離Dj又はDhが選
択されると、ステップ78の実行により、最終的にコンピ
ュータ36は算出したデータをデータバスを通して表示手
段である表示装置90に送る。表示装置90では、図に示す
ように扇の要を自車両位置として障害物の位置(中央上
部の濃い部位)が表示される表示部91を有している。。
【0058】かかるシステムによれば、自動車周辺に存
在する障害物の位置(距離及び方向)を画面で運転者に
知らせることができるので、運転者は障害物の位置情報
を容易に把握することができる。本システムの距離演算
動作において、測定対象が鏡面か否かの判定(ステップ
75)は、明度信号の差信号或いは明度信号の空間微分値
を用いて行うようにしてもよいことは言うまでもない。
【0059】尚、上述した各実施例の光学系に、シリン
ドリカルレンズを用いたり、光学フィルタを追加すると
よい。図22に示すように、光学系としてシリンドリカル
レンズ51を用いると、上下方向(図中の矢印方向)に検
知範囲が広くなり、受光部を上下に長くするのと同じ効
果が得られる。測定対象が上下方向に傾いているとき
は、略点光源からの測定対象による反射光の返ってくる
上下方向が変化するので、光学系にシリンドリカルレン
ズ51を用いる事によって測定対象が上下方向に傾いてい
ても測距可能になる。
【0060】また、図22に示すように、受光部33,34の
前方に、略点光源からの光の波長以外の光をカットする
光学フィルタ52を追加する事によって、略点光源以外の
光による影響を低減できるので、明度信号のS/N比を
更に向上させることができる。尚、図22では、シリンド
リカルレンズ51と光学フィルタ52を一緒に図示したが、
どちらか一方を設ける構成でもよいことは言うまでもな
い。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、測定対象の表面が鏡面の場合でも、三角測量の原理
を利用して測距ができ、測定対象が鏡面で且つ不特定の
場合でも測距ができる。しかも、明度信号に基づいて測
定対象が鏡面か否かを判定する機能を設けたので、測定
対象が鏡面か否かに拘らず測距が可能となる。また、
2の発明によれば、光源を2つ使用することで、測定対
曲面鏡であっても測距ができる。
【0062】また、明度信号の差信号を利用して視差を
算出するか、又は光源の照射光の波長以外の光をカット
する光学フィルタを介して受光部に光を入光すること
で、外光の影響を低減でき、S/Nが向上して測距精度
を高めることができる。
【0063】また、受光部を複数の領域に分割し領域毎
に測距を行うことで、距離の異なる複数の測定対象が存
在しても測距することができる。光学系にシリンドリカ
ルレンズを用いれば、測定対象が上下方向に傾いていて
も測距が可能となる。本発明の三角測量式測距装置に表
示手段を設けて障害物検知装置を構成すれば、例えば自
動車等の周辺に存在する障害物をドライバに知らせるこ
とができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係る三角測量式測距装置の構成図
【図2】第2の発明に係る三角測量式測距装置の構成図
【図3】第1の発明の実施例の構成図
【図4】測定対象が平行な場合の同上実施例の測距原理
の説明図
【図5】測定対象が平行でない場合の同上実施例の測距
原理の説明図
【図6】同上実施例の測距動作を示すフローチャート
【図7】第2の本発明の実施例の構成図
【図8】同上実施例の測距原理の説明図
【図9】同上実施例の測距原理の説明図
【図10】同上実施例の測距動作を示すフローチャート
【図11】明度信号の差信号を用いてずれ量を算出する実
施例の測距動作を示すフローチャート
【図12】明度信号を示し、(A)は光源点灯時、(B)
は光源消灯時、(C)は点灯時と消灯時の差信号
【図13】図3に示す実施例装置の鏡面か否かの判定動
作を含んだ測距動作を示すフローチャート
【図14】図13に続くフローチャート
【図15】明度信号で、(A)は測定対象が鏡面である場
合、(B)は測定対象が非鏡面の場合
【図16】明度信号の空間微分値で、(A)は測定対象が
鏡面である場合、(B)は測定対象が非鏡面の場合
【図17】専用の三角測量式測距装置を別に設けた実施例
の構成図
【図18】受光部を複数の領域に分割して領域毎に測距す
る実施例の説明図
【図19】障害物検知装置の実施例を示す構成図
【図20】同上実施例の障害物検知動作を示すフローチャ
ート
【図21】図20に続くフローチャート
【図22】シリンドリカルレンズ又は光学フィルタを使用
した実施例の説明図
【図23】パッシブ三角測量式測距装置の従来例の説明図
【図24】同上従来例の測距原理の説明図
【図25】平面鏡までの距離を測定する従来装置の説明図
【図26】平面鏡までの距離を測定する従来装置の説明図
【図27】平面鏡までの距離を測定する別の従来装置の説
明図
【符号の説明】
31 第1の光学系 32 第2の光学系 33 基準側受光部 34 参照側受光部 35,41 略点光源 36 コンピュータ 37 LEDドライバ 38 A/D変換器 39 記憶装置 40 平面鏡 42 曲面鏡 51 シリンドリカルレンズ 52 光学フィルタ 90 表示装置 91 表示部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−229755(JP,A) 特開 平7−225112(JP,A) 特開 平5−306915(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 3/00 - 3/32 G01B 11/00 - 11/30 102

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象に光を照射する光源と、 測定対象からの光がそれぞれ入光する第1及び第2の光
    学系と、 第1の光学系を介して受光した光の強度分布状態を示す
    第1の明度信号を出力する基準側受光手段と、 第2の光学系を介して受光した光の強度分布状態を示す
    第2の明度信号を出力する参照側受光手段と、 第1の明度信号と第2の明度信号とを比較して基準側受
    光手段表面の受光位置に対する参照側受光手段の受光位
    置のずれ量を測定する測定手段と、 前記測定手段で測定されたずれ量に基づき三角測量の原
    理を用いて前記光源の虚像までの距離を演算する第1の
    距離演算手段と、 第1の距離演算手段で演算された虚像までの距離をD
    k、光源から光学系までの距離をDoffとした時、測
    定対象までの距離Dhを、 Dh=(Dk−Doff)/2 の演算式により算出する第2の距離演算手段と、前記両受光手段の少なくとも一方の明度信号に基づいて
    測定対象が鏡面か否かを判定する判定手段と、 を備え、 測定対象が鏡面でないと判定された時は、光源の消灯状
    態で得られた前記ずれ量に基づいて三角測量の原理を用
    いて測定対象までの距離を演算し、測定対象が鏡面であ
    ると判定された時は、前記第2の距離演算手段で算出さ
    れる値を測定対象までの距離とする構成とした ことを特
    徴とする三角測量式測距装置。
  2. 【請求項2】測定対象に光を照射する第1及び第2の光
    源と、 測定対象からの光がそれぞれ入光する第1及び第2の光
    学系と、 第1の光学系を介して受光した光の強度分布状態を示す
    第1の明度信号を出力する基準側受光手段と、 第2の光学系を介して受光した光の強度分布状態を示す
    第2の明度信号を出力する参照側受光手段と、 各光源の照射光毎に第1の明度信号と第2の明度信号と
    を比較して基準側受光手段表面の受光位置に対する参照
    側受光手段の受光位置のずれ量を各光源の照射光毎に測
    定する測定手段と、 前記測定手段で測定された各光源の照射光に対する各ず
    れ量に基づき三角測量の原理を用いて各光源の虚像まで
    の距離をそれぞれ演算する第1の距離演算手段と、 第1の距離演算手段で演算された各虚像までの距離をD
    1 ,Dk2 、第1及び第2の光源から光学系までのそ
    れぞれの距離をDoff1 ,Doff2 とした時、測定
    対象までの距離Dhを、 Dh=(Dk2 ・Doff1 −Dk1 ・Doff2 )/
    (Dk1 −Doff2−Dk2 +Doff1 ) の演算式により算出する第2の距離演算手段と、 を備えて構成したことを特徴とする三角測量式測距装
    置。
  3. 【請求項3】前記両受光手段の少なくとも一方の明度信
    号に基づいて測定対象が鏡面か否かを判定する判定手段
    を備え、測定対象が鏡面でないと判定された時は、光源
    の消灯状態で得られた前記ずれ量に基づいて三角測量の
    原理を用いて測定対象までの距離を演算し、測定対象が
    鏡面であると判定された時は、前記第2の距離演算手段
    で算出される値を測定対象までの距離とする請求項
    記載の三角測量式測距装置。
  4. 【請求項4】前記判定手段は、明度信号に予め設定した
    閾値より高いピーク値が存在するか否を判定し、閾値よ
    り高いピーク値が存在する時に測定対象は鏡面と判定
    し、閾値より高いピーク値が存在しない時に測定対象は
    鏡面でないと判定する構成である請求項1又は3に記載
    の三角測量式測距装置。
  5. 【請求項5】前記判定手段は、明度信号の光源点灯時と
    消灯時の値の差を算出し、算出された差信号に予め設定
    した閾値より高いピーク値が存在するか否を判定し、差
    信号に閾値より高いピーク値が存在する時に測定対象は
    鏡面と判定し、閾値より高いピーク値が存在しない時に
    測定対象は鏡面でないと判定する構成である請求項1又
    は3に記載の三角測量式測距装置。
  6. 【請求項6】前記判定手段は、明度信号の空間微分値を
    演算し、算出された空間微分値の絶対値に予め設定した
    閾値より高いピーク値が存在するか否を判定し、閾値よ
    り高いピーク値が存在する時に測定対象は鏡面と判定
    し、閾値より高いピーク値が存在しない時に測定対象は
    鏡面でないと判定する構成である請求項1又は3に記載
    の三角測量式測距装置。
  7. 【請求項7】前記判定手段は、明度信号の光源点灯時と
    消灯時の値の差信号の空間微分値を演算し、算出された
    空間微分値の絶対値に予め設定した閾値より高いピーク
    値が存在するか否を判定し、閾値より高いピーク値が存
    在する時に測定対象は鏡面と判定し、閾値より高いピー
    ク値が存在しない時に測定対象は鏡面でないと判定する
    構成である請求項1又は3に記載の三角測量式測距装
    置。
  8. 【請求項8】前記測定手段は、第1の明度信号の光源点
    灯時と消灯時の値の差信号と、第2の明度信号の光源点
    灯時と消灯時の値の差信号とを比較して受光位置のずれ
    量を測定する構成である請求項1〜7のいずれか1つに
    記載の三角測量式測距装置。
  9. 【請求項9】基準側受光手段表面における第1の光学系
    の光軸との交点と受光位置との間の距離をRdとし、第
    1の光学系の焦点距離をfとし、測定対象の方向角度θ
    hを、 θh=atan(f/Rd) の演算式により算出する方向角度算出手段を備えた請求
    項1〜8のいずれか1つに記載の三角測量式測距装置。
  10. 【請求項10】両光学系にシリンドリカルレンズを用い
    た請求項1〜9のいずれか1つに記載の三角測量式測距
    装置。
  11. 【請求項11】測定対象と受光手段との間に、光源の照
    射光の波長以外の光をカットする光学フィルタを設置す
    る構成である請求項1〜10のいずれか1つに記載の三角
    測量式測距装置。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれか1つの三角測量
    式測距装置と、該三角測量式測距装置で得られた測定対
    象の位置情報を入力して表示する表示手段とを備えて構
    成したことを特徴とする障害物検知装置。
  13. 【請求項13】前記表示手段は、扇状の表示部を有し、
    扇の要の位置を測距装置の位置として測定対象の位置を
    表示する構成である請求項12記載の障害物検知装置。
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