JP3401840B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に関し、特
に高耐圧デバイスと低耐圧デバイスとを集積化した絶縁
分離基板を用いた半導体装置に関するものである。 【0002】 【従来技術】従来、モータやソレノイド等の駆動に使わ
れるパワーICとして、図2に示すように、各種のサー
ジに対してIC部を保護する保護ダイオードを有する回
路が知られている。この回路は制御回路32にパワーM
OS33が接続され、パワーMOS33のソースとGN
D37の間に負荷34を接続したハイサイドスイッチの
構成となっている。パワーMOS33のソース・ドレイ
ン間には寄生のダイオード36が出来るが、このダイオ
ードの耐圧は通常60V以上と高く、このダイオードで
は耐圧が高々30Vの制御回路を保護することができな
い。そこで、ツェナーダイオード35をVDD−GND間
に接続するようにしていた。従来はこのダイオードを半
導体チップ表面に形成していたが、チップ表面に形成す
るとチップサイズが大きくなりコストが増加するという
問題点があった。 【0003】そこで、上記問題点を解決する方法とし
て、特願平4−79076号に示す構成が挙げられる。
これは図15に示すように、P型シリコン基板21上に
絶縁分離層11を成膜し、絶縁分離層11を成膜しない
部分には、N型多結晶層13を形成するようにして、絶
縁分離層11によりP型シリコン基板21と絶縁分離さ
れたバイポーラトランジスタ8を形成し、絶縁分離層1
1のない部分に保護ダイオードを形成したものでる。こ
の構成によれば、縦方向に保護ダイオードを形成し、そ
のブレイクダウンをP型シリコン基板21の不純物濃度
により設定することができるため、保護ダイオードをそ
の寸法を大きくすることなく形成できる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、サージ
でも特に自動車用途ではロードダンプといわれる50〜
100Vの電源サージに対しては、比較的大きな電流を
流す必要からPN接合面積が数mm2 以上の比較的大き
なダイオードが必要となる。従って、上述の特願平4−
79076号に示す構成では、PN接合面積を数mm2
以上確保しようとすると、保護ダイオードの大きさをあ
る程度確保するためにその基板上での占有面積を大きく
取らなければならず、半導体装置としての大きさが大き
くなってしまうといった問題が発生する。 【0005】従って、本発明は上記問題点に鑑み、ロー
ドダンプといった大きなサージにも耐えうるような保護
ダイオードを有し、且つその大きさを変える必要のない
半導体装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めになされた本発明による半導体装置は、一導電型を有
する半導体基板と、該半導体基板上に形成され、絶縁分
離層により底部および側壁部を囲われた絶縁分離領域
と、前記半導体基板上に形成され、自身の底部が前記絶
縁分離領域の底部の絶縁分離層よりも下方に形成される
とともに、前記自身の底部と前記半導体基板との接合面
の端部が、前記絶縁分離層の底部に接している逆導電型
の半導体層と、前記半導体層の底部と前記半導体基板と
の前記接合面に形成されるPN接合によりサージに対す
る保護ダイオードが構成され、この保護ダイオードの電
極として、前記半導体層に形成された表面電極と、前記
半導体基板に形成された裏面電極とを有することを特徴
としている。 【0007】 【作用】本発明によると、一導電型を有する半導体基板
上に形成され、前記半導体基板とは逆導電型を有する半
導体層の底部を、前記半導体基板上に形成された絶縁分
離領域の底部の絶縁分離層よりも下方に形成するように
しているため、前記一導電型を有する半導体基板と前記
逆導電型を、有する半導体層から形成される保護ダイオ
ードのPN接合面積を該半導体層の前記半導体基板上で
の占有領域を広げることなく該半導体層の底部を広げる
のみで任意に大きくすることができる。また、逆導電型
を有する半導体層の底部と一導電型を有する半導体基板
との接合面の端部が絶縁分離層の底部に接しているた
め、接合面の端部に、新たにトレンチ酸化膜などの絶縁
膜を設けることなく、絶縁分離層によって接合面の端部
を絶縁することができる。 【0008】 【実施例】本発明の第1の実施例を図1に示す。所定の
処理を施したN- 型シリコン基板1とP- 型シリコン基
板2とを貼り合わせ、シリコン基板1の表面上にパワー
素子10や制御回路24を形成する。半導体基板1は酸
化膜3で絶縁分離された領域10、14、19と、直接
接合の領域9とに分かれている。高耐圧のパワー部10
と低耐圧の制御回路部24は、各々酸化膜3で絶縁分離
されている。また、半導体基板2には図中に模式的に描
かれたツェナーダイオードとなるPN接合5が形成さ
れ、基板1の直接接合領域9の表面電極6と基板2の裏
面電極7が各々ダイオードのカソード電極、アノード電
極となる。 【0009】以上のような構造とする事でPN接合5
は、酸化膜3で分離された領域の下にも形成できるた
め、比較的大きな面積のPN接合を形成できる。さら
に、より大きなサージに対しても、酸化膜3下に形成す
るN+ 層領域を大きくするのみで任意にPN接合面積を
大きくすることができるため、直接接合部の領域を大き
くする必要はなく、半導体装置としての大きさを大きく
する必要がなくなる。 【0010】以下に、第一実施例の製造工程を図3〜1
1を用いて説明する。まず、図3に示すように、N-
のシリコン基板1を鏡面研磨し、化学エッチングあるい
は反応性イオンエッチング(以下、RIEという)によ
り凸部6aを形成する。次に、図4に示すように、レジ
スト等のマスクにより凸部6aおよび将来DMOS領域
となる部分11aにイオン注入しN+ 領域を形成する。 【0011】次に、図5に示すように、酸素導入溝1a
をダイシングあるいは化学エッチングあるいはRIEに
よって形成する。なお、この酸素導入溝1aはシリコン
基板1の端部に連通するように形成されている。次に、
図6に示すように、P- 型シリコン基板2の鏡面研磨し
た貼り合わせ面側に部分的にイオン注入しN+ 層を形成
する。さらに、その反対側の面に全面にイオン注入しP
+ 層を形成する。 【0012】次に、図7に示すように、シリコン基板1
およびシリコン基板2のそれぞれN + 層を形成した面を
貼り合わせて接合させる。このとき、凸部6aは、シリ
コン基板2に接触することになる。その後、酸素導入溝
1aより酸素を導入し、溝壁に酸化膜3を形成する。こ
のとき、溝は酸化膜によりすべて埋設されず、空洞4a
が残るようにする。 【0013】次に、図9に示すように、基板1側より研
削・研磨して空洞4aを露出させる。次に、図10に示
すように多結晶シリコン4をLPCVD法などにより堆
積し、空洞4aを埋め込む。その後、図11に示すよう
に余分な多結晶シリコン4を研磨する。 【0014】そして、酸化膜3により絶縁分離された領
域にDMOSやその他制御部を形成して図1に示すよう
な素子が形成される。第1の実施例において、半導体基
板2に形成されたPN接合をフォトダイオードとして利
用することもできる。この場合には裏面電極7の一部
に、発光ダイオード等から放射される光が通過できるよ
うに窓を開ける必要がある。 【0015】また、半導体基板1の酸化膜3で分離され
た領域に形成される素子はMOSトランジスタに限ら
ず、バイポーラ素子やサイリスタ等でも良い。さらに、
図1ではパワー素子10は酸化膜3で分離された領域に
形成し、且つ、ダイオードのカソードを単独で取り出し
ていたが、図12に示す第2の実施例では、パワーMO
Sのドレインとダイオードのカソードを共通としたこと
以外は第1の実施例と同じである。図2に示した回路構
成のようにパワーMOSのドレインとカソードが共通で
あるような場合には、図6の構造でも同様の効果が得ら
れる。 【0016】第2の実施例の製造工程において、第1の
実施例の製造工程と異なる点は、図13に示すようにN
- 型のシリコン基板1の鏡面研磨した面の全面にイオン
注入してN+ 層を形成し、その後、図14に示すように
選択エッチングにより保護ダイオード領域およびDMO
S領域となる部分Aを形成する点である。それ以後の工
程は、図5〜図11を踏襲する。 【0017】 【発明の効果】以上のように本発明によると、一導電型
を有する半導体基板と前記逆導電型を有する半導体層か
ら形成される保護ダイオードのPN接合面積を該半導体
層の前記半導体基板上での占有領域を広げることなく該
半導体層の底部を広げるのみで任意に大きくすることが
できるため、大きなサージに対する保護ダイオードを前
記半導体基板上に形成しても、前記半導体領域を大きく
取る必要はなく、半導体装置としての大きさを大きくす
る必要はない。
【図面の簡単な説明】 【図1】第1実施例の半導体装置を表す断面図である。 【図2】第1実施例の半導体装置の製造工程を表す断面
図である。 【図3】第1実施例の半導体装置の製造工程を表す断面
図である。 【図4】第1実施例の半導体装置の製造工程を表す断面
図である。 【図5】第1実施例の半導体装置の製造工程を表す断面
図である。 【図6】第1実施例の半導体装置の製造工程を表す断面
図である。 【図7】第1実施例の半導体装置の製造工程を表す断面
図である。 【図8】第1実施例の半導体装置の製造工程を表す断面
図である。 【図9】第1実施例の半導体装置の製造工程を表す断面
図である。 【図10】第1実施例の半導体装置の製造工程を表す断
面図である。 【図11】第1実施例の半導体装置の製造工程を表す断
面図である。 【図12】第2実施例の半導体装置を表す断面図であ
る。 【図13】第2実施例の半導体装置の製造工程を表す断
面図である。 【図14】第2実施例の半導体装置の製造工程を表す断
面図である。 【図15】従来の半導体装置の断面図である。 【符号の説明】 1 N- 型シリコン基板 2 P- 型シリコン基板 3 酸化膜 5 PN接合面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−275450(JP,A) 特開 平3−93265(JP,A) 特開 平3−217052(JP,A) 特開 平2−271567(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/762 H01L 21/822 H01L 27/04

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一導電型を有する半導体基板と、 該半導体基板上に形成され、絶縁分離層により底部およ
    び側壁部を囲われた絶縁分離領域と、 前記半導体基板上に形成され、自身の底部が前記絶縁分
    離領域の底部の絶縁分離層よりも下方に形成されるとと
    もに、前記自身の底部と前記半導体基板との接合面の端
    部が、前記絶縁分離層の底部に接している逆導電型の半
    導体層と 前記半導体層の底部と前記半導体基板との前記接合面に
    形成されるPN接合によりサージに対する保護ダイオー
    ドが構成され、この保護ダイオードの電極として、前記
    半導体層に形成された表面電極と、前記半導体基板に形
    成された裏面電極と を有することを特徴とした半導体装
    置。
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