JP3401639B2 - 循環式有機性廃棄物処理装置 - Google Patents
循環式有機性廃棄物処理装置Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
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- Activated Sludge Processes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性廃棄物の有
機物を分解可能な循環式有機性廃棄物処理装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】家畜の糞尿や動植物性残渣などの有機性
廃棄物の最終処分の仕方としては、焼却処分と埋立処分
とが一般的であるが、最近では微生物を利用して有機性
廃棄物を分解して堆肥化することが次第に多くなってい
る。 【0003】かかる微生物利用の廃棄物処理として、例
えば牛舎や豚舎の近くに堆肥板を設置し、この堆肥板上
に牛等の糞尿を野積みし、微生物(土壌菌等)の力で腐
食させて堆肥化させることが行われている。 【0004】また、好気性微生物の代謝作用を利用した
活性汚泥法も広く行われている。この活性汚泥法では、
下水処理場の原液槽に流入した汚水(糞尿等を含んだ
水)は調整槽に送られ、処理効率を高めるために大量の
水を加えられて希釈される。この希釈された汚水は、処
理槽に送られ汚水中の有機物が微生物によって分解処理
される。有機物を分解して増殖した微生物は、凝集して
沈殿槽の底面に沈殿させられて活性汚泥となる。そして
浄化された上澄み水は近くの川などに放流される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、有機性廃棄
物は一般的にいって水分含有率が極めて高いので、焼却
処分するには大量の燃料を必要としコスト高となる不都
合を有している。また、最近、埋立処分場の確保が難し
くなりつつあり、埋立処分するにも限界がある。 【0006】また、堆肥板上に牛等の糞尿を野積みして
堆肥化させる処分方法では、周囲に悪臭が漂うことにな
るとともに、雨水によって糞尿が周囲に流出して土壌や
川を汚染する事態が生じることがある。 【0007】また、活性汚泥法は、汚水を希釈するため
に大量の水を必要としコスト高となりやすい。また、設
備が大型化しやすい。 【0008】本発明の目的は、悪臭の発生を抑えつつ低
コストで有機性廃棄物を分解処理することができる循環
式有機性廃棄物処理装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、好気性微生物
を含んだ液を収容し当該液中に投入された有機性廃棄物
を攪拌して液を好気的状態に保持可能な曝気槽と、この
曝気槽又は前段の槽から送られてきた上澄み液を収容し
好気性微生物による有機性廃棄物中の有機物の酸化分解
を促進可能かつ後段の槽へ有機物含有率が低下した上澄
み液を送り可能な複数個の直列接続された分解促進槽
と、最終段の分解促進槽中の好気性微生物を含んだ上澄
み液を曝気槽へ戻し可能な液戻し手段とを設け、曝気槽
と最初の分解促進槽との間、各分解促進槽の間および最
終段の分解促進槽と曝気槽との間で好気性微生物を含ん
だ液を流動させつつ有機性廃棄物の有機物を分解可能に
構成したことを特徴とする。 【0010】かかる発明の場合、曝気槽の液中で好気性
微生物(酸素を利用して有機物を酸化分解する微生物)
は有機性廃棄物に付着する。そして、上澄み液の流動に
伴い好気性微生物は有機性廃棄物とともに各分解促進槽
へ送られ、当該各槽内で有機性廃棄物中の有機物を酸化
分解する。ここで、分解促進槽は複数個設置されている
ので、後段の分解促進槽へ行くほど有機物含有率が低下
した上澄み液が流入することになり、悪臭も消えること
になる。 【0011】なお、有機物は、好気性微生物によって最
終的には炭酸ガスと水とに分解されるが、各分解促進槽
では、微生物の中でそれぞれの槽内の液を分解するのに
最も適した種類が一番増殖するので酸化分解が迅速にな
される。 【0012】また、液戻し手段によって、最終段目の分
解促進槽中の好気性微生物を含んだ液が曝気槽へ戻され
るので、新たな液を追加する必要はなくランニングコス
トの低減を図れる。また、曝気槽と最初の分解促進槽と
の間、各分解促進槽の間および最終の分解促進槽と曝気
槽との間では、それぞれ砂利や砂等を殆ど含まない上澄
み液が流通されるので、液を流すのに要する装置を簡単
化・小型化できる。また、槽数も少なくて済み、小スペ
ース化および製造コストの低減を達成できる。ここで、
曝気槽へ戻される液中には、分解促進槽内で増殖され活
性化された微生物が大量に含まれるので、曝気槽および
各分解促進槽間での液循環回数が多くなればなるほど有
機物の酸化分解が迅速に行われることになる。 【0013】なお、大量の微生物が液中に含まれるよう
になっても、曝気槽内ではもとより分解促進槽内でも液
は強制流動させられているので、好気的状態が保持され
ることになり、微生物が不活性となるようなことはな
い。 【0014】したがって、悪臭の発生を抑えつつ低コス
トで有機性廃棄物を分解処理できる。 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。 【0015】本発明に係る循環式有機性廃棄物処理装置
は、図1に示すように、曝気槽10と、所定個数の分解
促進槽(20,30,40)と、液戻し手段60とを有
し、曝気槽10と分解促進槽(20,30,40)との
間で好気性微生物を含んだ液Qを流動させつつ有機性廃
棄物の有機物を酸化分解可能に構成されている。 【0016】具体的には、曝気槽10は、好気性微生物
を含んだ液Qを収容し当該液Q中に投入された有機性廃
棄物(例えば、家畜の糞尿や野菜屑)を攪拌して液Qを
好気的状態に保持可能に形成されている。この曝気槽1
0には、水道管81やコック(図示省略)等からなる水
供給手段80が接続されており、必要な場合にはコック
を開操作して水を曝気槽10内へ供給できる。また、曝
気槽10には、タンク71と供給管72とコック73と
からなる微生物供給手段70が接続されており、必要な
場合には好気性微生物を点滴状態で供給できる。 【0017】この実施形態では、好気性微生物として、
特開平9−245号に開示された微生物群(種菌)を使
用している。この微生物群は、豚の糞尿を酸素の存在下
に所定の条件で一定期間にわたって貯溜し、水分を蒸発
させて熟成及び濃縮して製造されたものであり、有機物
分解能力を有するとともに脱臭効果を奏するものとされ
ている。 【0018】なお、曝気槽10内には、曝気するために
攪拌装置15が取付けられている。また、曝気槽10の
上部には開閉用口11が設けられており、通常、運転中
は蓋12によって閉鎖されている。 【0019】次に、分解促進槽(20,30,40)
は、曝気槽10又は前段の槽から送られてきた上澄み液
Qを収容し好気性微生物による有機性廃棄物中の有機物
の分解を促進可能かつ後段の槽へ有機物含有率が低下し
た上澄み液を送り可能に形成されている。この実施形態
では、3個の分解促進槽(第1段目の分解促進槽20,
第2段目の分解促進槽30,第3段目の分解促進槽4
0)が直列に配置されている。 【0020】ここで、第1段目の分解促進槽20は、オ
ーバーフロー導入管51を介して曝気槽10と連通され
ているとともに、オーバーフロー導入管52を介して第
2段目の分解促進槽30と連通されている。この実施形
態では、分解促進槽20には、有機物の酸化分解を一段
と促進するために、液Q中にエアを吹き込むエア供給手
段90が設けられている。このエア供給手段90は、エ
アストーン91とエアポンプ92とエア供給管93とか
ら形成されている。 【0021】したがって、曝気槽10内で液面が所定高
さH1を越えると上澄み液Qはオーバーフロー導入管5
1を介して第1段目の分解促進槽20内へ流入する。ま
た、第1段目の分解促進槽20内で液面が所定高さH2
を越えると上澄み液Qはオーバーフロー導入管52を介
して第2段目の分解促進槽30内へ流入する。この実施
形態では、分解促進槽20の上部には、開閉用口21が
設けられており、当該開閉用口21は蓋22で閉鎖され
ている。この開閉用口21を介して槽底に溜まった砂利
や砂等の除去作業を簡単に行える。同様の目的で、後に
詳述する第3段目の分解促進槽40にも蓋42付きの開
閉用口41が設けられている。 【0022】次に、第2段目の分解促進槽30は、最終
段目(第3段目)の分解促進槽40内に収容されてい
る。装置全体のより一層の小型化を図るためである。こ
の第2段目の分解促進槽30からオーバーフローした上
澄み液Qは第3段目の分解促進槽40内に溜められる。
なお、第3段目の分解促進槽40には、溜まった上澄み
液(液肥)を外部へ取り出すための排出管65が設けら
れている。排出管65は、コック66で開閉されるもの
とされている。 【0023】液戻し手段60は、最終段の分解促進槽4
0と曝気槽10とを連通する戻し管62と、分解促進槽
40から吸い込んだ上澄み液Qを戻し管62を介して曝
気槽10へ送り可能なポンプ61とを含み、上澄み液Q
を曝気槽10へ戻し可能に形成されている。 【0024】ここで、ポンプ61の駆動によって曝気槽
10へ戻される液流量が大きければ、曝気槽10および
分解促進槽(20,30,40)間を流れる上澄み液Q
の流速が早くなり、上記液流量が小さければ上澄み液Q
の流速が遅くなる。 【0025】次に、この実施形態の作用について説明す
る。 【0026】有機性廃棄物が投入された曝気槽10内の
液Qが攪拌されることにより、液Q中の好気性微生物
(酸素を利用して有機物を酸化分解する微生物)は有機
性廃棄物に付着する。そして、上澄み液Qの流動に伴い
好気性微生物は有機性廃棄物とともに分解促進槽(2
0,30,40)へ送られ、当該槽(20,30,4
0)内で有機性廃棄物中の有機物を酸化分解する。ここ
で、後段の分解促進槽へ行くほど有機物含有率が低下し
た上澄み液Qが流入することになり、悪臭も急速に無臭
化される。 【0027】なお、有機物は、好気性微生物によって最
終的には炭酸ガスと水とに分解される。各分解促進槽
(20,30,40)では、微生物中それぞれの槽内の
液Qを分解するのに最も適した種類の菌類が一番増殖す
るので酸化分解が迅速になされる。 【0028】また、液戻し手段60によって、最終段の
分解促進槽40中の液Qが曝気槽10へ戻されるので、
新たな液を追加する必要はなくランニングコストの低減
を図れる。また、曝気槽と最初の分解促進槽との間、各
分解促進槽の間および最終の分解促進槽と曝気槽との間
では、それぞれ砂利や砂等を殆ど含まない上澄み液が流
通されるので、液を流すのに要する装置を簡単化・小型
化できる。また、槽数も少なくて済み、小スペース化お
よび製造コストの低減を達成できる。ここで、曝気槽1
0へ戻される液Q中には、分解促進槽(20,30,4
0)内で増殖され活性化された微生物が大量に含まれて
いるので、曝気槽10および分解促進槽(20,30,
40)間での液循環回数が多くなればなるほど有機物の
酸化分解が迅速に行われることになる。 【0029】なお、大量の微生物が液中に含まれるよう
になっても、曝気槽10内ではもとより分解促進槽(2
0,30,40)内でも液Qは強制流動させられている
ので、好気的状態が保持されることになり、微生物が不
活性となるようなことはない。 【0030】したがって、悪臭の発生を抑えつつ低コス
トで有機性廃棄物を分解処理することができる。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、曝気槽と、複数個の分
解促進槽と、液戻し手段とを有し、曝気槽と各分解促進
槽との間で好気性微生物を含んだ上澄み液を流動させつ
つ有機性廃棄物の有機物を酸化分解可能に構成されてい
るので、悪臭の発生を抑えつつ有機性廃棄物を確実に分
解処理できる。また、槽数も少なくて済み、小スペース
化および製造コスト・ランニングコストの低減を達成で
きる。
機物を分解可能な循環式有機性廃棄物処理装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】家畜の糞尿や動植物性残渣などの有機性
廃棄物の最終処分の仕方としては、焼却処分と埋立処分
とが一般的であるが、最近では微生物を利用して有機性
廃棄物を分解して堆肥化することが次第に多くなってい
る。 【0003】かかる微生物利用の廃棄物処理として、例
えば牛舎や豚舎の近くに堆肥板を設置し、この堆肥板上
に牛等の糞尿を野積みし、微生物(土壌菌等)の力で腐
食させて堆肥化させることが行われている。 【0004】また、好気性微生物の代謝作用を利用した
活性汚泥法も広く行われている。この活性汚泥法では、
下水処理場の原液槽に流入した汚水(糞尿等を含んだ
水)は調整槽に送られ、処理効率を高めるために大量の
水を加えられて希釈される。この希釈された汚水は、処
理槽に送られ汚水中の有機物が微生物によって分解処理
される。有機物を分解して増殖した微生物は、凝集して
沈殿槽の底面に沈殿させられて活性汚泥となる。そして
浄化された上澄み水は近くの川などに放流される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、有機性廃棄
物は一般的にいって水分含有率が極めて高いので、焼却
処分するには大量の燃料を必要としコスト高となる不都
合を有している。また、最近、埋立処分場の確保が難し
くなりつつあり、埋立処分するにも限界がある。 【0006】また、堆肥板上に牛等の糞尿を野積みして
堆肥化させる処分方法では、周囲に悪臭が漂うことにな
るとともに、雨水によって糞尿が周囲に流出して土壌や
川を汚染する事態が生じることがある。 【0007】また、活性汚泥法は、汚水を希釈するため
に大量の水を必要としコスト高となりやすい。また、設
備が大型化しやすい。 【0008】本発明の目的は、悪臭の発生を抑えつつ低
コストで有機性廃棄物を分解処理することができる循環
式有機性廃棄物処理装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、好気性微生物
を含んだ液を収容し当該液中に投入された有機性廃棄物
を攪拌して液を好気的状態に保持可能な曝気槽と、この
曝気槽又は前段の槽から送られてきた上澄み液を収容し
好気性微生物による有機性廃棄物中の有機物の酸化分解
を促進可能かつ後段の槽へ有機物含有率が低下した上澄
み液を送り可能な複数個の直列接続された分解促進槽
と、最終段の分解促進槽中の好気性微生物を含んだ上澄
み液を曝気槽へ戻し可能な液戻し手段とを設け、曝気槽
と最初の分解促進槽との間、各分解促進槽の間および最
終段の分解促進槽と曝気槽との間で好気性微生物を含ん
だ液を流動させつつ有機性廃棄物の有機物を分解可能に
構成したことを特徴とする。 【0010】かかる発明の場合、曝気槽の液中で好気性
微生物(酸素を利用して有機物を酸化分解する微生物)
は有機性廃棄物に付着する。そして、上澄み液の流動に
伴い好気性微生物は有機性廃棄物とともに各分解促進槽
へ送られ、当該各槽内で有機性廃棄物中の有機物を酸化
分解する。ここで、分解促進槽は複数個設置されている
ので、後段の分解促進槽へ行くほど有機物含有率が低下
した上澄み液が流入することになり、悪臭も消えること
になる。 【0011】なお、有機物は、好気性微生物によって最
終的には炭酸ガスと水とに分解されるが、各分解促進槽
では、微生物の中でそれぞれの槽内の液を分解するのに
最も適した種類が一番増殖するので酸化分解が迅速にな
される。 【0012】また、液戻し手段によって、最終段目の分
解促進槽中の好気性微生物を含んだ液が曝気槽へ戻され
るので、新たな液を追加する必要はなくランニングコス
トの低減を図れる。また、曝気槽と最初の分解促進槽と
の間、各分解促進槽の間および最終の分解促進槽と曝気
槽との間では、それぞれ砂利や砂等を殆ど含まない上澄
み液が流通されるので、液を流すのに要する装置を簡単
化・小型化できる。また、槽数も少なくて済み、小スペ
ース化および製造コストの低減を達成できる。ここで、
曝気槽へ戻される液中には、分解促進槽内で増殖され活
性化された微生物が大量に含まれるので、曝気槽および
各分解促進槽間での液循環回数が多くなればなるほど有
機物の酸化分解が迅速に行われることになる。 【0013】なお、大量の微生物が液中に含まれるよう
になっても、曝気槽内ではもとより分解促進槽内でも液
は強制流動させられているので、好気的状態が保持され
ることになり、微生物が不活性となるようなことはな
い。 【0014】したがって、悪臭の発生を抑えつつ低コス
トで有機性廃棄物を分解処理できる。 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。 【0015】本発明に係る循環式有機性廃棄物処理装置
は、図1に示すように、曝気槽10と、所定個数の分解
促進槽(20,30,40)と、液戻し手段60とを有
し、曝気槽10と分解促進槽(20,30,40)との
間で好気性微生物を含んだ液Qを流動させつつ有機性廃
棄物の有機物を酸化分解可能に構成されている。 【0016】具体的には、曝気槽10は、好気性微生物
を含んだ液Qを収容し当該液Q中に投入された有機性廃
棄物(例えば、家畜の糞尿や野菜屑)を攪拌して液Qを
好気的状態に保持可能に形成されている。この曝気槽1
0には、水道管81やコック(図示省略)等からなる水
供給手段80が接続されており、必要な場合にはコック
を開操作して水を曝気槽10内へ供給できる。また、曝
気槽10には、タンク71と供給管72とコック73と
からなる微生物供給手段70が接続されており、必要な
場合には好気性微生物を点滴状態で供給できる。 【0017】この実施形態では、好気性微生物として、
特開平9−245号に開示された微生物群(種菌)を使
用している。この微生物群は、豚の糞尿を酸素の存在下
に所定の条件で一定期間にわたって貯溜し、水分を蒸発
させて熟成及び濃縮して製造されたものであり、有機物
分解能力を有するとともに脱臭効果を奏するものとされ
ている。 【0018】なお、曝気槽10内には、曝気するために
攪拌装置15が取付けられている。また、曝気槽10の
上部には開閉用口11が設けられており、通常、運転中
は蓋12によって閉鎖されている。 【0019】次に、分解促進槽(20,30,40)
は、曝気槽10又は前段の槽から送られてきた上澄み液
Qを収容し好気性微生物による有機性廃棄物中の有機物
の分解を促進可能かつ後段の槽へ有機物含有率が低下し
た上澄み液を送り可能に形成されている。この実施形態
では、3個の分解促進槽(第1段目の分解促進槽20,
第2段目の分解促進槽30,第3段目の分解促進槽4
0)が直列に配置されている。 【0020】ここで、第1段目の分解促進槽20は、オ
ーバーフロー導入管51を介して曝気槽10と連通され
ているとともに、オーバーフロー導入管52を介して第
2段目の分解促進槽30と連通されている。この実施形
態では、分解促進槽20には、有機物の酸化分解を一段
と促進するために、液Q中にエアを吹き込むエア供給手
段90が設けられている。このエア供給手段90は、エ
アストーン91とエアポンプ92とエア供給管93とか
ら形成されている。 【0021】したがって、曝気槽10内で液面が所定高
さH1を越えると上澄み液Qはオーバーフロー導入管5
1を介して第1段目の分解促進槽20内へ流入する。ま
た、第1段目の分解促進槽20内で液面が所定高さH2
を越えると上澄み液Qはオーバーフロー導入管52を介
して第2段目の分解促進槽30内へ流入する。この実施
形態では、分解促進槽20の上部には、開閉用口21が
設けられており、当該開閉用口21は蓋22で閉鎖され
ている。この開閉用口21を介して槽底に溜まった砂利
や砂等の除去作業を簡単に行える。同様の目的で、後に
詳述する第3段目の分解促進槽40にも蓋42付きの開
閉用口41が設けられている。 【0022】次に、第2段目の分解促進槽30は、最終
段目(第3段目)の分解促進槽40内に収容されてい
る。装置全体のより一層の小型化を図るためである。こ
の第2段目の分解促進槽30からオーバーフローした上
澄み液Qは第3段目の分解促進槽40内に溜められる。
なお、第3段目の分解促進槽40には、溜まった上澄み
液(液肥)を外部へ取り出すための排出管65が設けら
れている。排出管65は、コック66で開閉されるもの
とされている。 【0023】液戻し手段60は、最終段の分解促進槽4
0と曝気槽10とを連通する戻し管62と、分解促進槽
40から吸い込んだ上澄み液Qを戻し管62を介して曝
気槽10へ送り可能なポンプ61とを含み、上澄み液Q
を曝気槽10へ戻し可能に形成されている。 【0024】ここで、ポンプ61の駆動によって曝気槽
10へ戻される液流量が大きければ、曝気槽10および
分解促進槽(20,30,40)間を流れる上澄み液Q
の流速が早くなり、上記液流量が小さければ上澄み液Q
の流速が遅くなる。 【0025】次に、この実施形態の作用について説明す
る。 【0026】有機性廃棄物が投入された曝気槽10内の
液Qが攪拌されることにより、液Q中の好気性微生物
(酸素を利用して有機物を酸化分解する微生物)は有機
性廃棄物に付着する。そして、上澄み液Qの流動に伴い
好気性微生物は有機性廃棄物とともに分解促進槽(2
0,30,40)へ送られ、当該槽(20,30,4
0)内で有機性廃棄物中の有機物を酸化分解する。ここ
で、後段の分解促進槽へ行くほど有機物含有率が低下し
た上澄み液Qが流入することになり、悪臭も急速に無臭
化される。 【0027】なお、有機物は、好気性微生物によって最
終的には炭酸ガスと水とに分解される。各分解促進槽
(20,30,40)では、微生物中それぞれの槽内の
液Qを分解するのに最も適した種類の菌類が一番増殖す
るので酸化分解が迅速になされる。 【0028】また、液戻し手段60によって、最終段の
分解促進槽40中の液Qが曝気槽10へ戻されるので、
新たな液を追加する必要はなくランニングコストの低減
を図れる。また、曝気槽と最初の分解促進槽との間、各
分解促進槽の間および最終の分解促進槽と曝気槽との間
では、それぞれ砂利や砂等を殆ど含まない上澄み液が流
通されるので、液を流すのに要する装置を簡単化・小型
化できる。また、槽数も少なくて済み、小スペース化お
よび製造コストの低減を達成できる。ここで、曝気槽1
0へ戻される液Q中には、分解促進槽(20,30,4
0)内で増殖され活性化された微生物が大量に含まれて
いるので、曝気槽10および分解促進槽(20,30,
40)間での液循環回数が多くなればなるほど有機物の
酸化分解が迅速に行われることになる。 【0029】なお、大量の微生物が液中に含まれるよう
になっても、曝気槽10内ではもとより分解促進槽(2
0,30,40)内でも液Qは強制流動させられている
ので、好気的状態が保持されることになり、微生物が不
活性となるようなことはない。 【0030】したがって、悪臭の発生を抑えつつ低コス
トで有機性廃棄物を分解処理することができる。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、曝気槽と、複数個の分
解促進槽と、液戻し手段とを有し、曝気槽と各分解促進
槽との間で好気性微生物を含んだ上澄み液を流動させつ
つ有機性廃棄物の有機物を酸化分解可能に構成されてい
るので、悪臭の発生を抑えつつ有機性廃棄物を確実に分
解処理できる。また、槽数も少なくて済み、小スペース
化および製造コスト・ランニングコストの低減を達成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための図である。
【符号の説明】
10 曝気槽
20 第1段目の分解促進槽
30 第2段目の分解促進槽
40 第3段目の分解促進槽
60 液戻し手段
70 微生物供給手段
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平9−253618(JP,A)
特開 平10−263517(JP,A)
特開2000−354898(JP,A)
登録実用新案3033082(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B09B 3/00
C02F 3/12
C02F 11/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 好気性微生物を含んだ液を収容し当該液
中に投入された有機性廃棄物を攪拌して液を好気的状態
に保持可能な曝気槽と、この曝気槽又は前段の槽から送
られてきた上澄み液を収容し好気性微生物による有機性
廃棄物中の有機物の酸化分解を促進可能かつ後段の槽へ
有機物含有率が低下した上澄み液を送り可能な複数個の
直列接続された分解促進槽と、最終段の分解促進槽中の
好気性微生物を含んだ上澄み液を曝気槽へ戻し可能な液
戻し手段とを設け、曝気槽と最初の分解促進槽との間、
各分解促進槽の間および最終段の分解促進槽と曝気槽と
の間で好気性微生物を含んだ液を流動させつつ有機性廃
棄物の有機物を分解可能に構成したことを特徴とする循
環式有機性廃棄物処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29661599A JP3401639B2 (ja) | 1999-10-19 | 1999-10-19 | 循環式有機性廃棄物処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29661599A JP3401639B2 (ja) | 1999-10-19 | 1999-10-19 | 循環式有機性廃棄物処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001113253A JP2001113253A (ja) | 2001-04-24 |
JP3401639B2 true JP3401639B2 (ja) | 2003-04-28 |
Family
ID=17835856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29661599A Expired - Fee Related JP3401639B2 (ja) | 1999-10-19 | 1999-10-19 | 循環式有機性廃棄物処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3401639B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007253142A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-10-04 | Shinyo Sangyo Kk | レトルト食品袋等水中破砕洗浄及び有機物分解浄化排水装置。 |
-
1999
- 1999-10-19 JP JP29661599A patent/JP3401639B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001113253A (ja) | 2001-04-24 |
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