JP3400975B2 - 織テープおよびテープ縁縫い方法 - Google Patents
織テープおよびテープ縁縫い方法Info
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- JP3400975B2 JP3400975B2 JP2000182533A JP2000182533A JP3400975B2 JP 3400975 B2 JP3400975 B2 JP 3400975B2 JP 2000182533 A JP2000182533 A JP 2000182533A JP 2000182533 A JP2000182533 A JP 2000182533A JP 3400975 B2 JP3400975 B2 JP 3400975B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両側縁に位置する
挿入糸および繊維溶融部を縫い糸で包み込んだ織テープ
または織ラベルに関し、さらにテープ素材の両側縁にお
ける繊維溶融部に挿入糸を沿わせる縁縫い方法に関す
る。
挿入糸および繊維溶融部を縫い糸で包み込んだ織テープ
または織ラベルに関し、さらにテープ素材の両側縁にお
ける繊維溶融部に挿入糸を沿わせる縁縫い方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】市販の繊維製品に縫着するポリエステル
製の織ラベルは、レピア織機などの高速織機を用いて合
成繊維で広幅織物を織り上げ、この広幅織物を帯状にヒ
ートカットする方法が一般的になっている。このヒート
カットの際に、広幅織物の横糸を溶融切断し、得た織テ
ープの両側縁に線状の繊維溶融部が生じる。この繊維溶
融部は、ポリエステル繊維であると硬いガラス様を呈
し、触感や外観において全体組織との違和感が著しい。
製の織ラベルは、レピア織機などの高速織機を用いて合
成繊維で広幅織物を織り上げ、この広幅織物を帯状にヒ
ートカットする方法が一般的になっている。このヒート
カットの際に、広幅織物の横糸を溶融切断し、得た織テ
ープの両側縁に線状の繊維溶融部が生じる。この繊維溶
融部は、ポリエステル繊維であると硬いガラス様を呈
し、触感や外観において全体組織との違和感が著しい。
【0003】 アパレルメーカーなどの多数のユーザー
は、広幅織物のヒートカットによって製造する織ラベル
について、両側縁における繊維溶融部の発生防止を強く
要望している。繊維溶融部の発生防止策として、既に、
広幅織物を超音波で切断する方法が提案されているが、
超音波切断によって繊維の溶融部分が軽減できても、切
断個所がほつれやすくなるという問題が残存する。
は、広幅織物のヒートカットによって製造する織ラベル
について、両側縁における繊維溶融部の発生防止を強く
要望している。繊維溶融部の発生防止策として、既に、
広幅織物を超音波で切断する方法が提案されているが、
超音波切断によって繊維の溶融部分が軽減できても、切
断個所がほつれやすくなるという問題が残存する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】既に、特開平11−1
72546号および11−200173号において、テ
ープ両側縁における繊維溶融部を単環縫い部で包み込む
方法が提案されている。この縁縫い方法は、1本の縫い
糸によって織テープを密に縁縫いし、この縁縫いの際に
該テープを単環縫いミシンへ正確に送り込み、織テープ
がずれたり捻れたりしない。この縁縫い方法では、織テ
ープや織ラベルを製造する工程において、ラベル切断・
折り曲げ工程の前にテープ両側縁の縁縫い工程を追加す
るだけであり、織テープや織ラベルの高速製造を何ら阻
害しない。
72546号および11−200173号において、テ
ープ両側縁における繊維溶融部を単環縫い部で包み込む
方法が提案されている。この縁縫い方法は、1本の縫い
糸によって織テープを密に縁縫いし、この縁縫いの際に
該テープを単環縫いミシンへ正確に送り込み、織テープ
がずれたり捻れたりしない。この縁縫い方法では、織テ
ープや織ラベルを製造する工程において、ラベル切断・
折り曲げ工程の前にテープ両側縁の縁縫い工程を追加す
るだけであり、織テープや織ラベルの高速製造を何ら阻
害しない。
【0005】 提案した方法で得た織テープや織ラベル
では、ヒートカットで形成された両側縁の溶融カット部
が縫い糸で密に被覆されて露出せず、該織ラベルを折り
曲げても溶融突片が発生しない。したがって、この織ラ
ベルを肌着に縫着すると、該織ラベルによって皮膚を傷
つけたり発疹することが解消し、スキーウェアなどの外
衣に縫着しても、下に着込んだセーターや中衣シャツが
ほつれたり毛羽立ったりしない。
では、ヒートカットで形成された両側縁の溶融カット部
が縫い糸で密に被覆されて露出せず、該織ラベルを折り
曲げても溶融突片が発生しない。したがって、この織ラ
ベルを肌着に縫着すると、該織ラベルによって皮膚を傷
つけたり発疹することが解消し、スキーウェアなどの外
衣に縫着しても、下に着込んだセーターや中衣シャツが
ほつれたり毛羽立ったりしない。
【0006】 前記の織テープや織ラベルは、ヒートカ
ットによる問題点をほぼ解決してその生産量は急増して
いるが、それでもニードル織機による細幅テープとは多
少差異を有する。つまり、前記の織テープや織ラベルで
は、単環縫い部で繊維溶融部を包み込んだ後でも、テー
プ側縁に若干の凹凸とざらつきが残り、テープの触感が
多少低下している。また、単環縫い部の縫い糸とテープ
横糸との明度が顕著に異なるならば、テープ側縁が目線
と一直線状になるように配列した時に、その側縁で密に
並んだ縫い糸の間から裏側の横糸の存在が認識でき、ユ
ーザーがテープの美観についてクレームを述べることが
ある。
ットによる問題点をほぼ解決してその生産量は急増して
いるが、それでもニードル織機による細幅テープとは多
少差異を有する。つまり、前記の織テープや織ラベルで
は、単環縫い部で繊維溶融部を包み込んだ後でも、テー
プ側縁に若干の凹凸とざらつきが残り、テープの触感が
多少低下している。また、単環縫い部の縫い糸とテープ
横糸との明度が顕著に異なるならば、テープ側縁が目線
と一直線状になるように配列した時に、その側縁で密に
並んだ縫い糸の間から裏側の横糸の存在が認識でき、ユ
ーザーがテープの美観についてクレームを述べることが
ある。
【0007】 本発明の目的は、両側縁の縁縫い部にお
ける凹凸とざらつきが消滅して触感がいっそう良く、且
つ美観的にもいっそう優れた織テープを提供することで
ある。
ける凹凸とざらつきが消滅して触感がいっそう良く、且
つ美観的にもいっそう優れた織テープを提供することで
ある。
【0008】 本発明の他の目的は、両側縁の縁縫い部
における凹凸とざらつきが消滅して触感がいっそう良
く、且つ美観的にもいっそう優れた織ラベルを提供する
ことである。
における凹凸とざらつきが消滅して触感がいっそう良
く、且つ美観的にもいっそう優れた織ラベルを提供する
ことである。
【0009】 本発明の別の目的は、公知のオーバーロ
ックミシンなどを用いてテープ側縁を縁縫いしても、両
側縁の縁縫い部における凹凸とざらつきが減少して触感
および美観が良好になる織テープを提供することであ
る。
ックミシンなどを用いてテープ側縁を縁縫いしても、両
側縁の縁縫い部における凹凸とざらつきが減少して触感
および美観が良好になる織テープを提供することであ
る。
【0010】 本発明のさらに別の目的は、織テープを
自動的且つ迅速に縁縫いする際に、両側縁の繊維溶融部
を縫い糸で密に包み込むと同時に、挿入糸を送り込む縁
縫い方法を提供することである。
自動的且つ迅速に縁縫いする際に、両側縁の繊維溶融部
を縫い糸で密に包み込むと同時に、挿入糸を送り込む縁
縫い方法を提供することである。
【0011】 本発明に関するこれらおよびその他の目
的、特徴ならびに利点は、以下の記載によって当業者に
おいていっそう明白になるであろう。
的、特徴ならびに利点は、以下の記載によって当業者に
おいていっそう明白になるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る織テープは、広幅織物のヒートカット
によって得る織テープであって、このヒートカットによ
って両側縁に形成された繊維溶融部と、テープ側縁の近
辺に沿って糸環部の縫い糸がテープ側縁を越えながら横
方向に続く単環縫い部と、繊維溶融部と接して縁縫い部
内に封入される直線状の挿入糸とからなる。この織テー
プでは、単環縫い部を形成する1本の縫い糸がテープ側
縁と交差しながら相互に密接して該縫い糸で各側縁の繊
維溶融部を被覆するとともに、挿入糸によって繊維溶融
部の影響を緩和する。
に、本発明に係る織テープは、広幅織物のヒートカット
によって得る織テープであって、このヒートカットによ
って両側縁に形成された繊維溶融部と、テープ側縁の近
辺に沿って糸環部の縫い糸がテープ側縁を越えながら横
方向に続く単環縫い部と、繊維溶融部と接して縁縫い部
内に封入される直線状の挿入糸とからなる。この織テー
プでは、単環縫い部を形成する1本の縫い糸がテープ側
縁と交差しながら相互に密接して該縫い糸で各側縁の繊
維溶融部を被覆するとともに、挿入糸によって繊維溶融
部の影響を緩和する。
【0013】 本発明の織テープは、オーバーロックミ
シンなどでテープ側縁の近辺に沿って縁縫い部を形成
し、繊維溶融部と接して直線状の挿入糸を縁縫い部内に
封入することも可能である。得た織テープに図柄や文字
を織り込んでおり、該織テープを横方向に寸断すると、
織ラベルを形成することができる。
シンなどでテープ側縁の近辺に沿って縁縫い部を形成
し、繊維溶融部と接して直線状の挿入糸を縁縫い部内に
封入することも可能である。得た織テープに図柄や文字
を織り込んでおり、該織テープを横方向に寸断すると、
織ラベルを形成することができる。
【0014】 本発明の縁縫い方法では、両側縁に繊維
溶融部を有するテープ素材を長手方向に向けて立てて送
り込むと同時に、挿入糸を繊維溶融部と接するように送
り込む。水平作動のミシン針と前後揺動のルーパとを備
えるミシンにおいて、一方のテープ側縁の近辺に沿って
縫い糸を前後に送りながら横方向に続く単環縫い部を形
成する。
溶融部を有するテープ素材を長手方向に向けて立てて送
り込むと同時に、挿入糸を繊維溶融部と接するように送
り込む。水平作動のミシン針と前後揺動のルーパとを備
えるミシンにおいて、一方のテープ側縁の近辺に沿って
縫い糸を前後に送りながら横方向に続く単環縫い部を形
成する。
【0015】 本発明の縁縫い方法では、さらに、テー
プ素材を長手方向において反転し、さらに別の挿入糸を
他方の繊維溶融部と接するように送り込む。水平作動の
ミシン針と前後揺動のルーパとを備える反対送りのミシ
ンにおいて、他方のテープ側縁の近辺に沿って縫い糸を
前後に送りながら横方向に続く単環縫い部を形成すると
好ましい。
プ素材を長手方向において反転し、さらに別の挿入糸を
他方の繊維溶融部と接するように送り込む。水平作動の
ミシン針と前後揺動のルーパとを備える反対送りのミシ
ンにおいて、他方のテープ側縁の近辺に沿って縫い糸を
前後に送りながら横方向に続く単環縫い部を形成すると
好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の織テープは、広幅織物の
ヒートカットによって形成された繊維溶融部4(図2)
が存在する両側縁の近辺に沿って、縫い糸5をテープの
前後に送りながら横方向に続く単環縫い部6を設ける
か、またはオーバーロックミシンなどで公知の縁縫い部
を形成する。このような縁縫い部を形成すると同時に、
その縁縫い部の内に直線状の挿入糸を繊維溶融部4と接
するように封入する。この挿入糸は、通常、縫い糸5と
同様に1本または2本以上の撚り糸からなるけれども、
無撚糸なども使用可能であり、さらにその番手や色を変
えてデザインに変化をつけてもよい。
ヒートカットによって形成された繊維溶融部4(図2)
が存在する両側縁の近辺に沿って、縫い糸5をテープの
前後に送りながら横方向に続く単環縫い部6を設ける
か、またはオーバーロックミシンなどで公知の縁縫い部
を形成する。このような縁縫い部を形成すると同時に、
その縁縫い部の内に直線状の挿入糸を繊維溶融部4と接
するように封入する。この挿入糸は、通常、縫い糸5と
同様に1本または2本以上の撚り糸からなるけれども、
無撚糸なども使用可能であり、さらにその番手や色を変
えてデザインに変化をつけてもよい。
【0017】 図1に例示する織テープ1では、広幅織
物のヒートカットで形成された繊維溶融部4(図2)が
存在する両側縁の近辺に沿って、縫い糸5をテープの前
後に送りながら横方向に続く単環縫い部6を設けると好
ましく、単環縫い部6を形成する1本の縫い糸5がテー
プ側縁3と交差して繊維溶融部4を被覆する。単環縫い
部6を形成すると同時に、単環縫い部6の内に、それぞ
れ直線状の挿入糸7(図2)を繊維溶融部4と接して封
入する。
物のヒートカットで形成された繊維溶融部4(図2)が
存在する両側縁の近辺に沿って、縫い糸5をテープの前
後に送りながら横方向に続く単環縫い部6を設けると好
ましく、単環縫い部6を形成する1本の縫い糸5がテー
プ側縁3と交差して繊維溶融部4を被覆する。単環縫い
部6を形成すると同時に、単環縫い部6の内に、それぞ
れ直線状の挿入糸7(図2)を繊維溶融部4と接して封
入する。
【0018】 図示しないけれども、他方では、広幅織
物のヒートカットで形成された繊維溶融部が存在する織
ラベルについて、その両側縁の近辺に沿ってオーバーロ
ックミシンなどで縁縫い部を形成してもよい。この縁縫
い部を形成する際に、その内に直線状の挿入糸を繊維溶
融部と接するように封入し、この挿入糸の供給機構は図
7や図11に開示するものと機能的に同一である。オー
バーロックミシンで形成した縁縫い部は、下記の実施例
における単環縫い部6と比べると美的でないけれども、
縫い糸をより細くすると実用化可能である。
物のヒートカットで形成された繊維溶融部が存在する織
ラベルについて、その両側縁の近辺に沿ってオーバーロ
ックミシンなどで縁縫い部を形成してもよい。この縁縫
い部を形成する際に、その内に直線状の挿入糸を繊維溶
融部と接するように封入し、この挿入糸の供給機構は図
7や図11に開示するものと機能的に同一である。オー
バーロックミシンで形成した縁縫い部は、下記の実施例
における単環縫い部6と比べると美的でないけれども、
縫い糸をより細くすると実用化可能である。
【0019】 縁縫いしたテープ素材2は、帯状のまま
で織テープ1として使用しても、横方向に寸断して織ラ
ベル9として使用してもよい。縫い糸5および挿入糸7
は、テープ素材の横糸と同じ細い糸を用いると、テープ
全体の色調が統一できるので好ましい。織テープ1また
は織ラベル9は、後処理の熱プレスによって平らにし、
テープ全体をほぼ同じ厚みにすることも可能である。
で織テープ1として使用しても、横方向に寸断して織ラ
ベル9として使用してもよい。縫い糸5および挿入糸7
は、テープ素材の横糸と同じ細い糸を用いると、テープ
全体の色調が統一できるので好ましい。織テープ1また
は織ラベル9は、後処理の熱プレスによって平らにし、
テープ全体をほぼ同じ厚みにすることも可能である。
【0020】 本発明の縁縫い方法では、繊維溶融部4
を有するテープ素材2を長手方向に向けて立てて送り込
み、一方のテープ側縁3の近辺に沿って縫い糸5を前後
に送りながら横方向に続く単環縫い部6を形成すると同
時に、該単環縫い部内に挿入糸7を封入する。この方法
において、テープ素材2の一側縁3に単環縫い部6の形
成および挿入糸7の封入を行った後に、該テープ素材を
長手方向において反転し、さらに他方のテープ側縁3の
近辺に沿って単環縫い部6を形成してもよい。
を有するテープ素材2を長手方向に向けて立てて送り込
み、一方のテープ側縁3の近辺に沿って縫い糸5を前後
に送りながら横方向に続く単環縫い部6を形成すると同
時に、該単環縫い部内に挿入糸7を封入する。この方法
において、テープ素材2の一側縁3に単環縫い部6の形
成および挿入糸7の封入を行った後に、該テープ素材を
長手方向において反転し、さらに他方のテープ側縁3の
近辺に沿って単環縫い部6を形成してもよい。
【0021】 好ましくは、ミシン針でテープ側縁3に
単環縫いする際に、該ミシン針は押え金37の先端部の
下方を通過させ、糸環部の縫い糸5はテープ側縁3と直
接接触することなく、押え金37の先端部の上面と直接
接触するとともに、糸ガイド棒59(図8)やL字ガイ
ド板106(図11)の貫通孔を通った挿入糸7はテー
プ側縁3とほぼ並行して走行し、糸環部の旋回によって
単環縫い部6の内に包み込まれていく。この結果、挿入
糸7の包み込みは容易であり、糸環部の縫い糸5は、強
い引張り力が生じる締め付け時にテープ側縁3と直接接
触せず、テープの硬軟および厚みなどに関係なく、常に
一定した単環縫い部6を形成できる。送り込むテープ素
材2は、その上縁部を受け止める第1ガイドプレートと
下縁部に接する第2ガイドプレートとで位置決めし、第
1および第2ガイドプレートはそれぞれ上下方向に位置
替え可能である。
単環縫いする際に、該ミシン針は押え金37の先端部の
下方を通過させ、糸環部の縫い糸5はテープ側縁3と直
接接触することなく、押え金37の先端部の上面と直接
接触するとともに、糸ガイド棒59(図8)やL字ガイ
ド板106(図11)の貫通孔を通った挿入糸7はテー
プ側縁3とほぼ並行して走行し、糸環部の旋回によって
単環縫い部6の内に包み込まれていく。この結果、挿入
糸7の包み込みは容易であり、糸環部の縫い糸5は、強
い引張り力が生じる締め付け時にテープ側縁3と直接接
触せず、テープの硬軟および厚みなどに関係なく、常に
一定した単環縫い部6を形成できる。送り込むテープ素
材2は、その上縁部を受け止める第1ガイドプレートと
下縁部に接する第2ガイドプレートとで位置決めし、第
1および第2ガイドプレートはそれぞれ上下方向に位置
替え可能である。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではなく、本発明
の精神と範囲を逸脱することなしに当業者が変形可能で
あることを理解されるべきである。
が、本発明は実施例に限定されるものではなく、本発明
の精神と範囲を逸脱することなしに当業者が変形可能で
あることを理解されるべきである。
【0023】 図1および図2に示す織テープ1におい
て、テープ素材2は公知のように広幅織物を帯状にヒー
トカットして同時に多数本製造し、その両側縁3,3に
ヒートカットによる繊維溶融部4(図2)が発生してい
る。この広幅織物は、例えば、ポリエステル繊維糸、ナ
イロン繊維糸、綿糸などで織成され、該広幅織物には少
なくともヒートカット部分に合成繊維糸を織り込む。
て、テープ素材2は公知のように広幅織物を帯状にヒー
トカットして同時に多数本製造し、その両側縁3,3に
ヒートカットによる繊維溶融部4(図2)が発生してい
る。この広幅織物は、例えば、ポリエステル繊維糸、ナ
イロン繊維糸、綿糸などで織成され、該広幅織物には少
なくともヒートカット部分に合成繊維糸を織り込む。
【0024】 本発明において、テープ素材2には、側
縁3の近辺に沿って縫い糸5(図1)を前後に送りなが
ら横方向に続く単環縫い部6を設ける。単環縫い部6の
内には、それぞれ直線状の挿入糸7を繊維溶融部4と接
して封入している。挿入糸7は、縫い糸5と同色且つ同
素材であっても、相互に異なっていてもよい。縫い糸5
および挿入糸7は、テープ素材2の横糸のように細いも
のでも、ウーリー糸のような太い糸でも使用可能であ
る。一般に、縫い糸5および挿入糸7は撚り糸からなる
けれども、無撚糸も使用可能であり、その番手や色を変
えてデザインに変化をつけてもよい。
縁3の近辺に沿って縫い糸5(図1)を前後に送りなが
ら横方向に続く単環縫い部6を設ける。単環縫い部6の
内には、それぞれ直線状の挿入糸7を繊維溶融部4と接
して封入している。挿入糸7は、縫い糸5と同色且つ同
素材であっても、相互に異なっていてもよい。縫い糸5
および挿入糸7は、テープ素材2の横糸のように細いも
のでも、ウーリー糸のような太い糸でも使用可能であ
る。一般に、縫い糸5および挿入糸7は撚り糸からなる
けれども、無撚糸も使用可能であり、その番手や色を変
えてデザインに変化をつけてもよい。
【0025】 テープ素材2は、図3のように文字8や
図柄を連続的に織り込んでいると、横方向に寸断して織
ラベル9として個々に使用でき、または縁縫い後にその
まま織テープとして使用することも可能である。テープ
素材2における文字8や図柄などは、広幅織物の織成時
に同時に織り込んでも、多数本のテープ素材2にヒート
カットした後に、プリントによって一部または全部を形
成してもよい。
図柄を連続的に織り込んでいると、横方向に寸断して織
ラベル9として個々に使用でき、または縁縫い後にその
まま織テープとして使用することも可能である。テープ
素材2における文字8や図柄などは、広幅織物の織成時
に同時に織り込んでも、多数本のテープ素材2にヒート
カットした後に、プリントによって一部または全部を形
成してもよい。
【0026】 単環縫いする際に用いる片側縫い装置1
0は、図4に示すように1枚の矩形テーブル12上に全
部材を載置し、該テーブルは下方設置のキャスタ(図示
しない)によって移動自在である。テーブル12の前方
中央には、公知の縁縫いミシン14を設置する。ミシン
14の前方両側に第1および第2案内部材16,18を
垂直にネジ止めし、両案内部材はミシン前面と平行に一
直線状に配列する。第1案内部材16の後方には、芯立
て棒と円座を有するテープ巻き載置台20を垂直に取り
付け、且つ第2案内部材18の後方に水平案内部材22
が位置する。また、上下に並べたローラ対24は、テー
ブル右側において水平案内部材22の後方に回転自在に
設置する。
0は、図4に示すように1枚の矩形テーブル12上に全
部材を載置し、該テーブルは下方設置のキャスタ(図示
しない)によって移動自在である。テーブル12の前方
中央には、公知の縁縫いミシン14を設置する。ミシン
14の前方両側に第1および第2案内部材16,18を
垂直にネジ止めし、両案内部材はミシン前面と平行に一
直線状に配列する。第1案内部材16の後方には、芯立
て棒と円座を有するテープ巻き載置台20を垂直に取り
付け、且つ第2案内部材18の後方に水平案内部材22
が位置する。また、上下に並べたローラ対24は、テー
ブル右側において水平案内部材22の後方に回転自在に
設置する。
【0027】 縁縫いミシン14は、テーブル12の裏
側に取り付けたマイコン制御のトルクモータ(図示しな
い)で駆動し、該ミシンの回転軸に固着したプーリ26
およびベルト28を介して、プーリ30を固着したロー
ラ対24の回転軸32を同期回動する。ミシン14の前
方中央には、回転可能な円形平面の突出台34を水平に
取り付け、周面に刻み目を有する水平の押え円盤36を
突出台34の周面と近接させて設置する(図6参照)。
押え円盤36は、ミシン前面上方から前方斜め下向きに
張り出したアーム38によって回転可能に支承する。図
7に示すように、湾曲平面の押え金37は、突出台34
の上方において近接設置し、該突出台の左側方から前方
突出面まで延びてテープ側縁3と接触し(図8参照)、
突出台34および押え円盤36は矢印方向に間欠的に回
動する。押え金37の上面は、図8のようにテープ側縁
3の繊維溶融部4から約0.2mm上方に位置する。
側に取り付けたマイコン制御のトルクモータ(図示しな
い)で駆動し、該ミシンの回転軸に固着したプーリ26
およびベルト28を介して、プーリ30を固着したロー
ラ対24の回転軸32を同期回動する。ミシン14の前
方中央には、回転可能な円形平面の突出台34を水平に
取り付け、周面に刻み目を有する水平の押え円盤36を
突出台34の周面と近接させて設置する(図6参照)。
押え円盤36は、ミシン前面上方から前方斜め下向きに
張り出したアーム38によって回転可能に支承する。図
7に示すように、湾曲平面の押え金37は、突出台34
の上方において近接設置し、該突出台の左側方から前方
突出面まで延びてテープ側縁3と接触し(図8参照)、
突出台34および押え円盤36は矢印方向に間欠的に回
動する。押え金37の上面は、図8のようにテープ側縁
3の繊維溶融部4から約0.2mm上方に位置する。
【0028】 ミシン14において、ミシン針40は、
図6に示すように突出台34の上面と近接させて水平に
取り付け、図7の線40aで示すように押え円盤36上
まで水平方向に往復作動し、この際に図8の位置40b
で示すように押え金37の先端部の下方を通過してい
る。一方、ルーパ42は、図5に示すように垂直バー4
4の下端に横向きに突出させた爪部材であり、該垂直バ
ーはミシン前面上方から前方へ水平に突き出した揺動バ
ー46に固着する。図6の一点鎖線から明らかなよう
に、ルーパ42は、ミシン針40が前端まで前進して後
退作動する直後に該針の針穴後方の位置42aまで下降
し、針40の後退とともに上昇し、後端まで後退した際
に針尖端の前方位置42bまで下降する。
図6に示すように突出台34の上面と近接させて水平に
取り付け、図7の線40aで示すように押え円盤36上
まで水平方向に往復作動し、この際に図8の位置40b
で示すように押え金37の先端部の下方を通過してい
る。一方、ルーパ42は、図5に示すように垂直バー4
4の下端に横向きに突出させた爪部材であり、該垂直バ
ーはミシン前面上方から前方へ水平に突き出した揺動バ
ー46に固着する。図6の一点鎖線から明らかなよう
に、ルーパ42は、ミシン針40が前端まで前進して後
退作動する直後に該針の針穴後方の位置42aまで下降
し、針40の後退とともに上昇し、後端まで後退した際
に針尖端の前方位置42bまで下降する。
【0029】 縫い糸5の糸巻き載置台48は、テーブ
ル12(図4)の後方中央に配置し、ミシン14の後側
に位置している。載置台48は、1組または2組以上の
糸立て棒50と糸立て座52を有し、その上方に糸案内
バー54を水平に取り付ける。ミシン針40に通す縫い
糸5は、載置台48の糸巻きから糸案内バー54を越
え、ミシン14の上方に設置した糸案内台組56を経て
針40へ供給する。
ル12(図4)の後方中央に配置し、ミシン14の後側
に位置している。載置台48は、1組または2組以上の
糸立て棒50と糸立て座52を有し、その上方に糸案内
バー54を水平に取り付ける。ミシン針40に通す縫い
糸5は、載置台48の糸巻きから糸案内バー54を越
え、ミシン14の上方に設置した糸案内台組56を経て
針40へ供給する。
【0030】 挿入糸7は、図4に示すように、ミシン
14の前面上方に取り付けた糸テンショナ57および糸
ガイド58を経て供給する。挿入糸7のガイド棒59
は、図5,図7と図8に示すように、押え円盤36の上
方で該円盤と近接させて水平に配置し、その先端部の貫
通孔はガイドプレート60の左端上方に位置する。挿入
糸7は、図8のように糸ガイド棒59の貫通孔を通して
テープ側縁3と接触させ、図2のように単環縫い部6の
内に封入する。挿入糸7を供給する糸巻き(図示しな
い)は、装置10の上方で回転自在に支持している。挿
入糸7の張力は糸テンショナ57によって調整できる。
また、糸ガイド棒59は、その後方部を支持棒61に挿
入して固定し、該支持棒はミシン14の側部に直接また
は間接的に固着する。
14の前面上方に取り付けた糸テンショナ57および糸
ガイド58を経て供給する。挿入糸7のガイド棒59
は、図5,図7と図8に示すように、押え円盤36の上
方で該円盤と近接させて水平に配置し、その先端部の貫
通孔はガイドプレート60の左端上方に位置する。挿入
糸7は、図8のように糸ガイド棒59の貫通孔を通して
テープ側縁3と接触させ、図2のように単環縫い部6の
内に封入する。挿入糸7を供給する糸巻き(図示しな
い)は、装置10の上方で回転自在に支持している。挿
入糸7の張力は糸テンショナ57によって調整できる。
また、糸ガイド棒59は、その後方部を支持棒61に挿
入して固定し、該支持棒はミシン14の側部に直接また
は間接的に固着する。
【0031】 ミシン14の前面において、図5と図6
に示すように、テープ素材2の上縁部を受け止めるU字
部62を有する第1ガイドプレート60と、該テープ素
材の下縁部に接する水平部63を有する第2ガイドプレ
ート64とを取り付け、これらはほぼ垂直に隣接設置す
る。第1ガイドプレート60は、U字部62が突出台3
4と押え円盤36の左側直前において水平面で接線方向
に位置するように取り付け(図7参照)、ナット66,
66を緩めると上下方向に位置替えできる。また、第2
ガイドプレート64は、押え円盤36の下方に位置し、
クランプ68を調整して上下方向に位置替え可能であ
る。第1ガイドプレート60のU字部62の内周面上方
と第2ガイドプレート64の水平部63上面との垂直距
離が、長手方向に立てて水平搬送するテープ素材2の横
幅に相当する。
に示すように、テープ素材2の上縁部を受け止めるU字
部62を有する第1ガイドプレート60と、該テープ素
材の下縁部に接する水平部63を有する第2ガイドプレ
ート64とを取り付け、これらはほぼ垂直に隣接設置す
る。第1ガイドプレート60は、U字部62が突出台3
4と押え円盤36の左側直前において水平面で接線方向
に位置するように取り付け(図7参照)、ナット66,
66を緩めると上下方向に位置替えできる。また、第2
ガイドプレート64は、押え円盤36の下方に位置し、
クランプ68を調整して上下方向に位置替え可能であ
る。第1ガイドプレート60のU字部62の内周面上方
と第2ガイドプレート64の水平部63上面との垂直距
離が、長手方向に立てて水平搬送するテープ素材2の横
幅に相当する。
【0032】 図5に示す第1および第2案内部材1
6,18は、ミシン14の前方両側において、ガイドプ
レート60,64と一直線状になるように配列する。案
内部材16,18は、それぞれ支持板70と水平板72
との間に多数本の案内バー74を垂直且つ平行に設置
し、各案内バー74と嵌合する貫通孔を設けた案内板7
6を支持板70と水平板72との間に取り付ける。案内
板76は、走行するテープ素材2の横幅に応じて、両端
面にねじ込んだ蝶ボルト78を締めて任意の水平位置で
固定できる。テープ素材2は、案内バー74の周囲を左
右交互に回り込みながら水平板72と案内板76との間
を通過する。
6,18は、ミシン14の前方両側において、ガイドプ
レート60,64と一直線状になるように配列する。案
内部材16,18は、それぞれ支持板70と水平板72
との間に多数本の案内バー74を垂直且つ平行に設置
し、各案内バー74と嵌合する貫通孔を設けた案内板7
6を支持板70と水平板72との間に取り付ける。案内
板76は、走行するテープ素材2の横幅に応じて、両端
面にねじ込んだ蝶ボルト78を締めて任意の水平位置で
固定できる。テープ素材2は、案内バー74の周囲を左
右交互に回り込みながら水平板72と案内板76との間
を通過する。
【0033】 一方、水平案内部材22は、図4に示す
ように、テーブル12上において第2案内部材18の後
方に位置し、その上端面が案内部材18の水平板72と
案内板76とのほぼ中間の高さになるように高さ位置を
調整できる。水平案内部材22は、左右上端部の間に多
数本の案内バー80を水平且つ平行に設置する。縁縫い
後のテープ素材2は、第2案内部材18を出て縦向きか
ら水平になり、案内バー80の周囲を上下交互に回り込
みながら通過する。ローラ対24は、図9のように上下
方向に並べて配置し、水平案内部材22の後方において
回転自在に設置する。ローラ対24は、ミシン14と同
期して間欠的に回動し、左右両側のボルト82で上方ロ
ーラを下方ローラへ押圧することで加圧力を調整でき
る。
ように、テーブル12上において第2案内部材18の後
方に位置し、その上端面が案内部材18の水平板72と
案内板76とのほぼ中間の高さになるように高さ位置を
調整できる。水平案内部材22は、左右上端部の間に多
数本の案内バー80を水平且つ平行に設置する。縁縫い
後のテープ素材2は、第2案内部材18を出て縦向きか
ら水平になり、案内バー80の周囲を上下交互に回り込
みながら通過する。ローラ対24は、図9のように上下
方向に並べて配置し、水平案内部材22の後方において
回転自在に設置する。ローラ対24は、ミシン14と同
期して間欠的に回動し、左右両側のボルト82で上方ロ
ーラを下方ローラへ押圧することで加圧力を調整でき
る。
【0034】 テーブル12には、ローラ対24の下方
近傍において開口84(図9)を設け、ローラ対24で
引き取ったテープ素材2をテーブル下方へ送り出し、複
数個のローラを経てテープ素材2を巻き芯86で巻き取
る。テープ素材2をローラ対24から上下動自在なロー
ラ88を経て巻芯86に巻き取る際に、ローラ88が下
端位置に達するとリミットスイッチ(図示しない)が閉
じてモータ89で巻芯86を回転し、一方、ローラ88
が上端位置に達すると別のリミットスイッチが開いてモ
ータ89の回転を停止する。所望に応じて、ローラ対2
4は、縁縫い後のテープ素材2を熱プレスする加熱可能
な金属ローラであってもよく、該テープ素材の表面が光
らないようにローラ表面をローレット加工をしたりまた
は筒状布を被せる。
近傍において開口84(図9)を設け、ローラ対24で
引き取ったテープ素材2をテーブル下方へ送り出し、複
数個のローラを経てテープ素材2を巻き芯86で巻き取
る。テープ素材2をローラ対24から上下動自在なロー
ラ88を経て巻芯86に巻き取る際に、ローラ88が下
端位置に達するとリミットスイッチ(図示しない)が閉
じてモータ89で巻芯86を回転し、一方、ローラ88
が上端位置に達すると別のリミットスイッチが開いてモ
ータ89の回転を停止する。所望に応じて、ローラ対2
4は、縁縫い後のテープ素材2を熱プレスする加熱可能
な金属ローラであってもよく、該テープ素材の表面が光
らないようにローラ表面をローレット加工をしたりまた
は筒状布を被せる。
【0035】 テープ素材2を製造する広幅織物は、公
知のように紋織機構によって織成する。この紋織機構
は、例えば、高速運転のレピア織機,プロジェクタイル
織機,エアージェット織機などの広幅織機と、広幅織物
を織る際に縦糸の開口運動を行なうジャカード機とを組
み合わせる。ジャカード機では、紋紙のパターンに応じ
て広幅織機が複雑な紋様を織り出し、織組織は平織、斜
文織、朱子織のいずれでもよい。得た広幅織物は、幅7
0〜260cmであり、広幅織機のブレストビームの前
方または後方に設置した切断装置によって帯状にヒート
カットする。この切断装置は、例えば、一定間隔を置い
て並列に配置した多数本のナイフからなる。ヒートカッ
トした多数本のテープ素材2は、その両側縁に線状の繊
維溶融部4(図2)が発生しており、各テープ素材を広
幅織機においてそれぞれ適当な巻芯に巻き取る。
知のように紋織機構によって織成する。この紋織機構
は、例えば、高速運転のレピア織機,プロジェクタイル
織機,エアージェット織機などの広幅織機と、広幅織物
を織る際に縦糸の開口運動を行なうジャカード機とを組
み合わせる。ジャカード機では、紋紙のパターンに応じ
て広幅織機が複雑な紋様を織り出し、織組織は平織、斜
文織、朱子織のいずれでもよい。得た広幅織物は、幅7
0〜260cmであり、広幅織機のブレストビームの前
方または後方に設置した切断装置によって帯状にヒート
カットする。この切断装置は、例えば、一定間隔を置い
て並列に配置した多数本のナイフからなる。ヒートカッ
トした多数本のテープ素材2は、その両側縁に線状の繊
維溶融部4(図2)が発生しており、各テープ素材を広
幅織機においてそれぞれ適当な巻芯に巻き取る。
【0036】 得たテープ素材2の巻芯90は、図4の
片側縫い装置10における載置台20の円座の上に載
せ、該巻芯からテープ素材2を引き出して第1案内部材
16で水平方向に搬送する。第1案内部材16は、長手
方向に向けて立ったテープ素材2を縁縫いミシン14へ
送り込み、第1ガイドプレート60のU字部62と第2
ガイドプレート64の水平部63との間でテープ素材2
を正確に位置決めし、突出台34と押え円盤36で間欠
的に図4の矢印方向へ送る。テープ素材2について、図
8において針位置40bから上方の部分が縁縫い幅hで
あり、テープ位置を適宜に上下させると縁縫い幅hを調
整できる。
片側縫い装置10における載置台20の円座の上に載
せ、該巻芯からテープ素材2を引き出して第1案内部材
16で水平方向に搬送する。第1案内部材16は、長手
方向に向けて立ったテープ素材2を縁縫いミシン14へ
送り込み、第1ガイドプレート60のU字部62と第2
ガイドプレート64の水平部63との間でテープ素材2
を正確に位置決めし、突出台34と押え円盤36で間欠
的に図4の矢印方向へ送る。テープ素材2について、図
8において針位置40bから上方の部分が縁縫い幅hで
あり、テープ位置を適宜に上下させると縁縫い幅hを調
整できる。
【0037】 図8を参照すると、ミシン針40が前進
して停止中のテープ素材2に例えば点92aで突き刺さ
ると、針穴に通した縫い糸5がミシン針40とともにテ
ープ裏側から表側へ通過し、テープ表側で糸環部93a
が生じる。針40が図6の位置40cまで前進してから
後退を開始した直後に、ルーパ42がテープ表側におい
て針40の針穴後方の位置42aまで下降し、さらに若
干旋回して糸環部93aを引っかける。次に針40が後
退してテープ素材2から抜け、テープ素材2は図8の矢
印方向つまり図4の矢印方向へ距離dだけ間欠的に移動
する。ルーパ42は、ミシン針40の後退とともに糸環
部93aを引っかけたまま上昇し、さらにテープ表側か
ら裏側へ後退移動し、テープ裏側へ来ると下降を開始す
る。ミシン針40が、図6の実線位置まで後退すると、
糸環部93aを引っかけたままのルーパ42は針尖端の
前方位置42bまで下降する。この際に、糸環部93a
の縫い糸5は、テープ側縁3と直接接触することなく、
押え金37の先端部の上面と直接接触する。ミシン針4
0が再び前進すると、ルーパ42は逆旋回して糸環部9
3aから外れ、該針はテープ裏側でルーパ42で引き出
された糸環部93aの中を通過し、点92bでテープ素
材2に突き刺さる。この結果、糸環部93aをテープ側
縁3に縫い付けることができる。ミシン針40の前進と
ともにルーパ42は上昇を開始し、前記と同様の作動に
よって位置40bで次の糸環部93bを縫い付け、この
ためにテープ素材2が左方向へ距離dだけ移動すると、
図示のように前の糸環部93aが押え金37の先端部か
ら外れて糸環部93aの縫い糸5がテープ側縁3と直接
接触する。糸環部93aの縫い糸5は強い引張り力が生
じる締め付け時にテープ側縁3と直接接触しないことに
より、テープ素材2の硬軟および厚みなどに関係なく、
縫い糸5の糸切れや毛羽立ちが殆ど生じず、常に一定し
た単環縫い部6を形成することができる。以下、前記の
操作を繰り返して縁縫いを行っていく。
して停止中のテープ素材2に例えば点92aで突き刺さ
ると、針穴に通した縫い糸5がミシン針40とともにテ
ープ裏側から表側へ通過し、テープ表側で糸環部93a
が生じる。針40が図6の位置40cまで前進してから
後退を開始した直後に、ルーパ42がテープ表側におい
て針40の針穴後方の位置42aまで下降し、さらに若
干旋回して糸環部93aを引っかける。次に針40が後
退してテープ素材2から抜け、テープ素材2は図8の矢
印方向つまり図4の矢印方向へ距離dだけ間欠的に移動
する。ルーパ42は、ミシン針40の後退とともに糸環
部93aを引っかけたまま上昇し、さらにテープ表側か
ら裏側へ後退移動し、テープ裏側へ来ると下降を開始す
る。ミシン針40が、図6の実線位置まで後退すると、
糸環部93aを引っかけたままのルーパ42は針尖端の
前方位置42bまで下降する。この際に、糸環部93a
の縫い糸5は、テープ側縁3と直接接触することなく、
押え金37の先端部の上面と直接接触する。ミシン針4
0が再び前進すると、ルーパ42は逆旋回して糸環部9
3aから外れ、該針はテープ裏側でルーパ42で引き出
された糸環部93aの中を通過し、点92bでテープ素
材2に突き刺さる。この結果、糸環部93aをテープ側
縁3に縫い付けることができる。ミシン針40の前進と
ともにルーパ42は上昇を開始し、前記と同様の作動に
よって位置40bで次の糸環部93bを縫い付け、この
ためにテープ素材2が左方向へ距離dだけ移動すると、
図示のように前の糸環部93aが押え金37の先端部か
ら外れて糸環部93aの縫い糸5がテープ側縁3と直接
接触する。糸環部93aの縫い糸5は強い引張り力が生
じる締め付け時にテープ側縁3と直接接触しないことに
より、テープ素材2の硬軟および厚みなどに関係なく、
縫い糸5の糸切れや毛羽立ちが殆ど生じず、常に一定し
た単環縫い部6を形成することができる。以下、前記の
操作を繰り返して縁縫いを行っていく。
【0038】 一方、挿入糸7は、装置10の上方に位
置する糸巻き(図示しない)から送り出し、糸テンショ
ナ57(図4)および糸ガイド58を経て供給する。挿
入糸7は、さらに糸ガイド棒59(図8)の貫通孔を通
ってテープ側縁3とほぼ並行して走行し、糸環部93の
旋回によって単環縫い部6の内に包み込まれ、押え金3
7を通過すると側縁3つまり繊維溶融部4と接触する。
挿入糸7は、図2に示すように、単環縫い部6の縫い糸
5と繊維溶融部4との間に介在するため、繊維溶融部4
による縫い糸5の糸切れや毛羽立ちをほぼ完全に防止す
る。
置する糸巻き(図示しない)から送り出し、糸テンショ
ナ57(図4)および糸ガイド58を経て供給する。挿
入糸7は、さらに糸ガイド棒59(図8)の貫通孔を通
ってテープ側縁3とほぼ並行して走行し、糸環部93の
旋回によって単環縫い部6の内に包み込まれ、押え金3
7を通過すると側縁3つまり繊維溶融部4と接触する。
挿入糸7は、図2に示すように、単環縫い部6の縫い糸
5と繊維溶融部4との間に介在するため、繊維溶融部4
による縫い糸5の糸切れや毛羽立ちをほぼ完全に防止す
る。
【0039】 片側縫い装置10において、テープ素材
2の一方の側縁を縁縫いすると巻芯86(図9)に巻き
取り、巻き取ったテープ素材2を再び装置10に通すこ
とにより、両側縁を縁縫いした織テープを得ることがで
きる。この織テープは、両側縁における単環縫い部6の
縫い糸5の傾きが平面から見てほぼ同じ方向であり、ラ
ベル1枚ごとに寸断すれば織ラベル9(図3)に加工で
きる。この織テープでは、テープ素材2の横糸を縫い糸
5として用いてもよく、テープ全体の色彩とデザインの
統一性を図ることもできる。
2の一方の側縁を縁縫いすると巻芯86(図9)に巻き
取り、巻き取ったテープ素材2を再び装置10に通すこ
とにより、両側縁を縁縫いした織テープを得ることがで
きる。この織テープは、両側縁における単環縫い部6の
縫い糸5の傾きが平面から見てほぼ同じ方向であり、ラ
ベル1枚ごとに寸断すれば織ラベル9(図3)に加工で
きる。この織テープでは、テープ素材2の横糸を縫い糸
5として用いてもよく、テープ全体の色彩とデザインの
統一性を図ることもできる。
【0040】 縁縫いしたテープ素材2において、単環
縫い部6を形成する1本の縫い糸5がテープ側縁3で繊
維溶融部4と重合せずに交差し、実際には、糸環部93
ごとの縫い糸5は図8のような空隙が生じることなく相
互に密接する。しかも、挿入糸7が単環縫い部6内で繊
維溶融部4と接しているから、繊維溶融部4によるテー
プ側縁3の凹凸とざらつきを解消し、テープの触感が格
段に向上する。単環縫い部6の縫い糸5が、その明度に
ついてテープ横糸と顕著に異なっていても、該縫い糸と
同系色の挿入糸7の存在によって、テープ側縁3を目線
と一直線状になるように配列した際にもテープ裏側の横
糸を完全に隠蔽し、テープの美観を損なうことがない。
縫い部6を形成する1本の縫い糸5がテープ側縁3で繊
維溶融部4と重合せずに交差し、実際には、糸環部93
ごとの縫い糸5は図8のような空隙が生じることなく相
互に密接する。しかも、挿入糸7が単環縫い部6内で繊
維溶融部4と接しているから、繊維溶融部4によるテー
プ側縁3の凹凸とざらつきを解消し、テープの触感が格
段に向上する。単環縫い部6の縫い糸5が、その明度に
ついてテープ横糸と顕著に異なっていても、該縫い糸と
同系色の挿入糸7の存在によって、テープ側縁3を目線
と一直線状になるように配列した際にもテープ裏側の横
糸を完全に隠蔽し、テープの美観を損なうことがない。
【0041】 図10に示す両側縫い装置118は、図
4の装置10を2台組み合わせたような構造であるけれ
ども、第1ミシン120ではテープ素材2を図10の矢
印方向つまり左方向へ送るため、ミシン14(図4)と
はテープ送り方向が反対である。また、第2ミシン12
2ではテープ素材2を図10の矢印方向へ送るため、ミ
シン14(図4)とテープ送り方向が同一である。第1
ミシン120に関して、テープ巻芯の載置台124から
出たテープ素材2は、垂直ローラ126,128および
案内部材130を経てミシン120へ送られ、該案内部
材130は案内部材16(図5)と同じ構造である。ミ
シン120を通過したテープ素材2は、垂直ローラ13
2,134を経て水平案内部材136とローラ対138
を通り、案内部材136とローラ対138は水平案内部
材22とローラ対24(図4)とほぼ同じ構造である。
第2ミシン122に関しても前記のミシン14(図4)
と同じ構造である。
4の装置10を2台組み合わせたような構造であるけれ
ども、第1ミシン120ではテープ素材2を図10の矢
印方向つまり左方向へ送るため、ミシン14(図4)と
はテープ送り方向が反対である。また、第2ミシン12
2ではテープ素材2を図10の矢印方向へ送るため、ミ
シン14(図4)とテープ送り方向が同一である。第1
ミシン120に関して、テープ巻芯の載置台124から
出たテープ素材2は、垂直ローラ126,128および
案内部材130を経てミシン120へ送られ、該案内部
材130は案内部材16(図5)と同じ構造である。ミ
シン120を通過したテープ素材2は、垂直ローラ13
2,134を経て水平案内部材136とローラ対138
を通り、案内部材136とローラ対138は水平案内部
材22とローラ対24(図4)とほぼ同じ構造である。
第2ミシン122に関しても前記のミシン14(図4)
と同じ構造である。
【0042】 第1ミシン120では、押え円盤96
は、ミシン前面上方から前方斜め下向きに張り出したア
ーム97によって回転可能に支承する。図11に示すよ
うに、湾曲平面の押え金98は、突出台99の上方にお
いて近接設置し、該突出台の右側方から前方突出面まで
延びてテープ側縁3と接触する。押え金98の上面は、
テープ側縁3の繊維溶融部4から約0.2mm上方に位
置する。一方、第1ガイドプレート100は、そのU字
部が突出台99と押え円盤96の右側直前において水平
面で接線方向に位置するように取り付け、アーム97の
基部のほぼ下方に位置する。第1ガイドプレート100
のU字部がテープ素材2の上縁部を受け止め、第2ガイ
ドプレート(図示しない)の水平部が該テープ素材の下
縁部に接し、これらはほぼ垂直に隣接設置する。
は、ミシン前面上方から前方斜め下向きに張り出したア
ーム97によって回転可能に支承する。図11に示すよ
うに、湾曲平面の押え金98は、突出台99の上方にお
いて近接設置し、該突出台の右側方から前方突出面まで
延びてテープ側縁3と接触する。押え金98の上面は、
テープ側縁3の繊維溶融部4から約0.2mm上方に位
置する。一方、第1ガイドプレート100は、そのU字
部が突出台99と押え円盤96の右側直前において水平
面で接線方向に位置するように取り付け、アーム97の
基部のほぼ下方に位置する。第1ガイドプレート100
のU字部がテープ素材2の上縁部を受け止め、第2ガイ
ドプレート(図示しない)の水平部が該テープ素材の下
縁部に接し、これらはほぼ垂直に隣接設置する。
【0043】 図11に示すように、挿入糸7は、装置
118の上方で回転自在に支持する糸巻き(図示しな
い)から、ミシン120の前面上方に取り付けた糸テン
ショナ102と、その前方に位置する糸ガイド104の
貫通孔を経て送り出している。挿入糸7のL字ガイド板
106は、その垂直部107の基部をアーム97の基部
に固着し、垂直部107の中央および水平部108の先
端部にそれぞれ貫通孔を設け、該水平部を第1ガイドプ
レート100の上方に配置する。水平部108の貫通孔
109は、押え円盤96および突出台99と共通する接
線と近接する。挿入糸7は、糸テンショナ102および
糸ガイド104からアーム97の基部の下側を通過し、
L字ガイド板106の垂直部107および水平部108
の貫通孔109を通してテープ側縁3と接触させ、図2
のように単環縫い部6の内に封入する。
118の上方で回転自在に支持する糸巻き(図示しな
い)から、ミシン120の前面上方に取り付けた糸テン
ショナ102と、その前方に位置する糸ガイド104の
貫通孔を経て送り出している。挿入糸7のL字ガイド板
106は、その垂直部107の基部をアーム97の基部
に固着し、垂直部107の中央および水平部108の先
端部にそれぞれ貫通孔を設け、該水平部を第1ガイドプ
レート100の上方に配置する。水平部108の貫通孔
109は、押え円盤96および突出台99と共通する接
線と近接する。挿入糸7は、糸テンショナ102および
糸ガイド104からアーム97の基部の下側を通過し、
L字ガイド板106の垂直部107および水平部108
の貫通孔109を通してテープ側縁3と接触させ、図2
のように単環縫い部6の内に封入する。
【0044】 第2ミシン122において、挿入糸7
は、前記の装置10と同様に、装置118の上方に位置
する糸巻き(図示しない)から送り出し、糸テンショナ
110および糸ガイド112を経て供給する。挿入糸7
は、さらに糸ガイド棒(図示しない)の貫通孔を通って
テープ側縁3とほぼ並行して走行し、糸環部の旋回によ
って単環縫い部6の内に包み込まれ、押え金114を通
過すると側縁つまり繊維溶融部4と接触する。両側縁の
挿入糸7,7は、図2に示すように、単環縫い部6の縫
い糸5と繊維溶融部4との間に介在するため、繊維溶融
部4による縫い糸5の糸切れや毛羽立ちをほぼ完全に防
止する。
は、前記の装置10と同様に、装置118の上方に位置
する糸巻き(図示しない)から送り出し、糸テンショナ
110および糸ガイド112を経て供給する。挿入糸7
は、さらに糸ガイド棒(図示しない)の貫通孔を通って
テープ側縁3とほぼ並行して走行し、糸環部の旋回によ
って単環縫い部6の内に包み込まれ、押え金114を通
過すると側縁つまり繊維溶融部4と接触する。両側縁の
挿入糸7,7は、図2に示すように、単環縫い部6の縫
い糸5と繊維溶融部4との間に介在するため、繊維溶融
部4による縫い糸5の糸切れや毛羽立ちをほぼ完全に防
止する。
【0045】 図12に示すように、ミシン120側の
ローラ対138の下方において、テーブル140に開口
142を設ける。ローラ対138で引き取ったテープ素
材2は、開口142を経てテーブル140の下方へ送り
出し、両ローラから上下動自在なローラ144に回し掛
けし、さらに上方の水平ローラ145と水平案内部材1
46を経て、ミシン122側の垂直ローラ148,15
0へ送り出す。ローラ144の昇降運動により、ミシン
120と122との送り速度のずれを緩和できる。一
方、ミシン122側では、引き取りローラ152の下方
近傍において、テーブル154に開口156を設け、ロ
ーラ対152で引き取ったテープ素材2をテーブル下方
へ送り出し、前記の装置10と同様に、テープ素材2を
上下動自在なローラ(図示しない)を経て巻芯に巻き取
る。
ローラ対138の下方において、テーブル140に開口
142を設ける。ローラ対138で引き取ったテープ素
材2は、開口142を経てテーブル140の下方へ送り
出し、両ローラから上下動自在なローラ144に回し掛
けし、さらに上方の水平ローラ145と水平案内部材1
46を経て、ミシン122側の垂直ローラ148,15
0へ送り出す。ローラ144の昇降運動により、ミシン
120と122との送り速度のずれを緩和できる。一
方、ミシン122側では、引き取りローラ152の下方
近傍において、テーブル154に開口156を設け、ロ
ーラ対152で引き取ったテープ素材2をテーブル下方
へ送り出し、前記の装置10と同様に、テープ素材2を
上下動自在なローラ(図示しない)を経て巻芯に巻き取
る。
【0046】 両側縫い装置118において、テープ素
材2の巻芯158を載置台124の円座の上に載せ、該
巻芯からテープ素材2を引き出して案内部材130で水
平方向に搬送する。案内部材130により、長手方向に
向けて立ったテープ素材2をミシン120へ送り込んで
該テープ素材を正確に位置決めし、押え円盤96で間欠
的に左方へ送りながら一方の単環縫い部6(図2)を形
成するとともに、挿入糸7を直線状に封入する。片側を
縁縫いしたテープ素材2は、案内部材136およびロー
ラ対138を経て水平方向に引き取り、さらにローラ1
44,145と案内部材146で水平方向に送り出す。
テープ素材2は、垂直ローラ148において長手方向に
向けて立ち、この際に元の単環縫い部6は下側に位置す
る。さらに案内部材162により、テープ素材2をミシ
ン122へ送り込み、押え円盤164で間欠的に右方へ
送りながら他方の単環縫い部6を形成するとともに、挿
入糸7を封入する。両側縁を縁縫いしたテープ1は、ロ
ーラ152,152で引き取り、テーブル154の下方
で巻芯に巻き取る。
材2の巻芯158を載置台124の円座の上に載せ、該
巻芯からテープ素材2を引き出して案内部材130で水
平方向に搬送する。案内部材130により、長手方向に
向けて立ったテープ素材2をミシン120へ送り込んで
該テープ素材を正確に位置決めし、押え円盤96で間欠
的に左方へ送りながら一方の単環縫い部6(図2)を形
成するとともに、挿入糸7を直線状に封入する。片側を
縁縫いしたテープ素材2は、案内部材136およびロー
ラ対138を経て水平方向に引き取り、さらにローラ1
44,145と案内部材146で水平方向に送り出す。
テープ素材2は、垂直ローラ148において長手方向に
向けて立ち、この際に元の単環縫い部6は下側に位置す
る。さらに案内部材162により、テープ素材2をミシ
ン122へ送り込み、押え円盤164で間欠的に右方へ
送りながら他方の単環縫い部6を形成するとともに、挿
入糸7を封入する。両側縁を縁縫いしたテープ1は、ロ
ーラ152,152で引き取り、テーブル154の下方
で巻芯に巻き取る。
【0047】 図1に示すテープ1を得るには、テープ
素材2を両側縫い装置118(図10)を1回走行させ
る。テープ1の両側縁において、単環縫い部6,6を形
成する1本の縫い糸5がテープ側縁3の繊維溶融部4と
交差し、且つその縫い目が重合せずに連続的に存在し、
細い縫い糸5でも繊維溶融部4を密に被覆する。テープ
1は、一連の模様ならばそのままテープとして使用でき
る。所望に応じて、テープ1にケミカル糊などで樹脂加
工を行って形状を整える。
素材2を両側縫い装置118(図10)を1回走行させ
る。テープ1の両側縁において、単環縫い部6,6を形
成する1本の縫い糸5がテープ側縁3の繊維溶融部4と
交差し、且つその縫い目が重合せずに連続的に存在し、
細い縫い糸5でも繊維溶融部4を密に被覆する。テープ
1は、一連の模様ならばそのままテープとして使用でき
る。所望に応じて、テープ1にケミカル糊などで樹脂加
工を行って形状を整える。
【0048】 テープ1を図柄や文字単位ごとに横方向
にヒートカットすると、図3に示す織ラベル9を形成で
きる。織ラベル9は、後続の折り曲げ工程において、図
3の一点鎖線の位置でエンドホールドする。この際に、
あらかじめ樹脂加工を行い、その後に別個のヒートカッ
ト装置でラベル1枚ごとに横方向にヒートカットしても
よい。得た織ラベル9は、後続の折り曲げ工程でエンド
ホールドしてからプレスする。
にヒートカットすると、図3に示す織ラベル9を形成で
きる。織ラベル9は、後続の折り曲げ工程において、図
3の一点鎖線の位置でエンドホールドする。この際に、
あらかじめ樹脂加工を行い、その後に別個のヒートカッ
ト装置でラベル1枚ごとに横方向にヒートカットしても
よい。得た織ラベル9は、後続の折り曲げ工程でエンド
ホールドしてからプレスする。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る織テープは、ヒートカット
したテープ素材をオーバーロック加工しただけの織テー
プに比べて、テープ側縁が平坦化することにより、両側
縁の縁縫い部がいっそう良く耳組織に対応して美観的に
優れている。本発明の織テープは、挿入糸が縁縫い部内
で繊維溶融部と接するから、該繊維溶融部によるテープ
側縁の凹凸とざらつきを解消して触感を格段に向上させ
る。本発明の織テープでは、単環縫い部の縫い糸とテー
プ横糸との明度が顕著に異なっていても、該縫い糸と同
系色の挿入糸の存在によって、テープ側縁を目線と一直
線状になるように配列した際にもテープ裏側の横糸を完
全に隠蔽し、テープの美観が損なわれることが全くな
い。
したテープ素材をオーバーロック加工しただけの織テー
プに比べて、テープ側縁が平坦化することにより、両側
縁の縁縫い部がいっそう良く耳組織に対応して美観的に
優れている。本発明の織テープは、挿入糸が縁縫い部内
で繊維溶融部と接するから、該繊維溶融部によるテープ
側縁の凹凸とざらつきを解消して触感を格段に向上させ
る。本発明の織テープでは、単環縫い部の縫い糸とテー
プ横糸との明度が顕著に異なっていても、該縫い糸と同
系色の挿入糸の存在によって、テープ側縁を目線と一直
線状になるように配列した際にもテープ裏側の横糸を完
全に隠蔽し、テープの美観が損なわれることが全くな
い。
【0050】 この織テープから得た織ラベルは、折り
曲げた際の突き出し片の発生を縁縫い部と挿入糸とで防
ぐため、突き出し片が部分的にも発生することがなく、
衣服着用者に不快感を与えることを解消する。この織ラ
ベルは、肌着に縫着すると肌着の良好な着用感を保持で
き、コートやスキーウェアなどの外衣に縫着すると、下
に着込んだセーターや中衣シャツに毛羽立ちなどの障害
を与えることを回避する。
曲げた際の突き出し片の発生を縁縫い部と挿入糸とで防
ぐため、突き出し片が部分的にも発生することがなく、
衣服着用者に不快感を与えることを解消する。この織ラ
ベルは、肌着に縫着すると肌着の良好な着用感を保持で
き、コートやスキーウェアなどの外衣に縫着すると、下
に着込んだセーターや中衣シャツに毛羽立ちなどの障害
を与えることを回避する。
【0051】 本発明の縁縫い方法では、両側縁の繊維
溶融部を縫い糸で包み込む際に、直線状の挿入糸が縫い
糸と繊維溶融部との間に介在し、縫い糸が繊維溶融部と
直接接触することがない。このため、単環縫い部の縫い
糸に対する繊維溶融部の干渉を防ぎ、縫い糸を高速走行
させても繊維溶融部による糸切れや毛羽立ちをほぼ完全
に防止できる。本発明の縁縫い方法は、直線状の挿入糸
の介在により、縫い糸の糸切れや毛羽立ちを防ぐととも
に単環縫い部における縫いむらを解消し、テープ素材を
自動的且つ迅速に縁縫い処理できる。
溶融部を縫い糸で包み込む際に、直線状の挿入糸が縫い
糸と繊維溶融部との間に介在し、縫い糸が繊維溶融部と
直接接触することがない。このため、単環縫い部の縫い
糸に対する繊維溶融部の干渉を防ぎ、縫い糸を高速走行
させても繊維溶融部による糸切れや毛羽立ちをほぼ完全
に防止できる。本発明の縁縫い方法は、直線状の挿入糸
の介在により、縫い糸の糸切れや毛羽立ちを防ぐととも
に単環縫い部における縫いむらを解消し、テープ素材を
自動的且つ迅速に縁縫い処理できる。
【図1】 広幅織物をヒートカットし、両側縁を縁縫い
した織テープの一例を示す概略平面図である。
した織テープの一例を示す概略平面図である。
【図2】 図1のA−A線に沿って切断した織テープを
部分的に示す拡大断面図である。
部分的に示す拡大断面図である。
【図3】 図1の織テープを寸断して得た織ラベルの概
略平面図である。
略平面図である。
【図4】 織テープの側縁を片側ずつ縁縫いする装置を
概略的に示す全体平面図である。
概略的に示す全体平面図である。
【図5】 図4の装置におけるミシンの個所を拡大して
示す部分正面図である。
示す部分正面図である。
【図6】 図5のB−B線に沿って拡大して示す部分側
断面図であり、押え金などを省略している要部側断面図
である。
断面図であり、押え金などを省略している要部側断面図
である。
【図7】 図6とほぼ同じ位置における部分平面図であ
り、押え金を加え且つ拡大率を変えて示す要部平面図で
ある。
り、押え金を加え且つ拡大率を変えて示す要部平面図で
ある。
【図8】 縁縫いしたテープ側縁を裏側から示す拡大側
面図であり、縁縫い状態を判りやすいようにデフォルメ
している部分側面図である。
面図であり、縁縫い状態を判りやすいようにデフォルメ
している部分側面図である。
【図9】 図4の装置のテープ巻き取り個所を概略的に
示す部分側断面図である。
示す部分側断面図である。
【図10】 テープの両側縁を連続的に縁縫いする装置
を概略的に示す全体平面図である。
を概略的に示す全体平面図である。
【図11】 図10の装置における第1ミシンの要部を
拡大して示す図7と同様の平面図である。
拡大して示す図7と同様の平面図である。
【図12】 図10の装置において一方のミシン側から
他方のミシン側へ送り込む個所を概略的に示す部分側断
面図である。
他方のミシン側へ送り込む個所を概略的に示す部分側断
面図である。
1 テープ
2 テープ素材
3,3 テープ側縁
5 縫い糸
6 単環縫い部
7 挿入糸
9 織ラベル
10 片側縫い装置
14 縁縫いミシン
34 突出台
36 押え円盤
37 押え金
40 ミシン針
42 ルーパ
57 糸テンショナ
58 糸ガイド
59 糸ガイド棒
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
D06C 25/00
D04D 9/00
G09F 3/02
D03D 1/00
D05B 1/06
Claims (6)
- 【請求項1】 広幅織物のヒートカットによって得る織
テープであって、このヒートカットによって両側縁に形
成された繊維溶融部と、テープ側縁の近辺に沿って糸環
部の縫い糸がテープ側縁を越えながら横方向に続く単環
縫い部と、繊維溶融部と接して単環縫い部内に封入され
る直線状の挿入糸とからなり、単環縫い部を形成する1
本の縫い糸がテープ側縁と交差しながら相互に密接して
該縫い糸で各側縁の繊維溶融部を被覆するとともに、挿
入糸によって繊維溶融部の影響を緩和する織テープ。 - 【請求項2】 広幅織物のヒートカットによって得る織
テープであって、このヒートカットによって両側縁に形
成された繊維溶融部と、オーバーロックミシンなどでテ
ープ側縁の近辺に沿って形成する縁縫い部と、繊維溶融
部と接して縁縫い部内に封入される直線状の挿入糸とか
らなり、縁縫い部によって各側縁の繊維溶融部を被覆す
るとともに、挿入糸によって繊維溶融部の影響を緩和す
る織テープ。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の織テープに図柄
や文字などを連続的に織り込んでおり、該織テープを横
方向に寸断することによって形成する織ラベル。 - 【請求項4】 両側縁に繊維溶融部を有するテープ素材
を長手方向に向けて立てて送り込むと同時に、挿入糸を
繊維溶融部と接するように送り込み、水平作動のミシン
針と前後揺動のルーパとを備えるミシンにおいて、一方
のテープ側縁の近辺に沿って縫い糸を前後に送りながら
横方向に続く単環縫い部を形成して、その単環縫い部に
よって挿入糸を直線状に封入する縁縫い方法。 - 【請求項5】 両側縁に繊維溶融部を有するテープ素材
を長手方向に向けて立てて送り込むと同時に、挿入糸を
一方の繊維溶融部と接するように送り込み、水平作動の
ミシン針と前後揺動のルーパとを備えるミシンにおい
て、一方のテープ側縁の近辺に沿って縫い糸を前後に送
りながら横方向に続く単環縫い部を形成し、次にテープ
素材を長手方向において反転し、さらに別の挿入糸を他
方の繊維溶融部と接するように送り込み、水平作動のミ
シン針と前後揺動のルーパとを備える反対送りのミシン
において、他方のテープ側縁の近辺に沿って縫い糸を前
後に送りながら横方向に続く単環縫い部を形成する両縁
縫い方法。 - 【請求項6】 両側縁に繊維溶融部を有するテープ素材
を長手方向に向けて水平に送り込むと同時に、挿入糸を
繊維溶融部と接するように送り込み、オーバーロックミ
シンにおいて、一方のテープ側縁の近辺に沿って縫い糸
を前後に送りながら横方向に続く縁縫い部を形成して、
その縁縫い部によって挿入糸を直線状に封入する縁縫い
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000182533A JP3400975B2 (ja) | 2000-06-19 | 2000-06-19 | 織テープおよびテープ縁縫い方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000182533A JP3400975B2 (ja) | 2000-06-19 | 2000-06-19 | 織テープおよびテープ縁縫い方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002004160A JP2002004160A (ja) | 2002-01-09 |
JP3400975B2 true JP3400975B2 (ja) | 2003-04-28 |
Family
ID=18683269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000182533A Expired - Fee Related JP3400975B2 (ja) | 2000-06-19 | 2000-06-19 | 織テープおよびテープ縁縫い方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3400975B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100957662B1 (ko) | 2007-12-04 | 2010-05-12 | 김운수 | 라벨 제조방법 |
JP6259362B2 (ja) * | 2014-06-23 | 2018-01-10 | 住友ゴム工業株式会社 | バンドプライ形成方法、及びバンドプライ形成装置 |
-
2000
- 2000-06-19 JP JP2000182533A patent/JP3400975B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002004160A (ja) | 2002-01-09 |
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