JP3400974B2 - 屋根葺き用の溶剤遮断層付アスファルトシングル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、屋根葺き用のアス
ファルトシングルに関する。

【０００２】

【従来の技術】北米生まれの屋根葺き用のアスファルト
シングルは、ガラス不織布等にアスファルトを含浸・塗
覆し表面に着色砂粒を付着させ、所定の形状に打抜いて
製造される。そして、このアスファルトシングルは、屋
根をふくに当ってアスファルトを溶剤でカットバックし
た接着剤、いわゆるシングルセメントが使用される。こ
の場合、上記アスファルトシングルを屋根へ葺く際に、
太陽熱等により、シングルセメントの溶剤がアスファル
トシングルを軟化させ、溶剤の揮発に伴ってアスファル
トシングル中に泡が発生して品質を低下させるという不
具合がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の不具合を解消するために発明されたものであり、本
発明の課題とするところは、アスファルトシングルにお
いて、屋根へ葺く際、アスファルトを溶剤でカットバッ
クした接着剤が使用される場合において、アスファルト
シングルを軟化させることなく、上記溶剤の揮発により
泡が発生することがないアスファルトシングルを提供す
ることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明に係る屋根葺き用の溶剤遮断層付アスファル
トシングルは、アスファルトシングルのタブ部１ｂ裏面
のアスファルトセメント塗布部分へ、予めアスファルト
セメントの溶剤を遮断する溶剤遮断層を設けたことを特
徴とする。また、更に、上記溶剤遮断層をアルミ箔で形
成したことを特徴とする。

【０００５】

【発明の実施の態様】以下、本発明に係る実施例を図面
に基づいて説明する。アスファルトシングル（以下、単
に「シングル」という。）１自体は、種々の形状が既に
提案されており、基本的には、図１に示すように、シャ
ドウ部１ａとタブ部１ｂとからなり、ガラス不織布等に
アスファルトを含侵・塗覆し、表面に着色砂粒を付着さ
せ、所定の形状に打抜かれたものが一般的である。そし
て、本実施例にかかるシングル１のタブ部１ｂの裏面
（シングル敷設時の下面）には、シングル１の加熱時に
於ける粘着性を利用してアルミ箔１０が貼着される。な
お、打抜工程とアルミ箔１０の貼着工程の前後関係は適
宜選択できるものとする。

【０００６】上記構成のシングル１・・を屋根に配置す
るに当っては、図２に示すように、下地材が耐水合板２
の場合は、防水ルーフ材３を耐水合板２の上面に敷設し
た上、下方から順次上方に向けて既設シングル１のシャ
ドウ部１ａに、敷設しようとするタブ部１ｂを重ね合わ
しながら行う。このときに、配置しようとするシングル
１のタブ部１ｂの下面には、アスファルトセメント（ア
スファルトを溶剤でカットバック（溶解）した接着剤）
が塗布され、配置後において、タブ部１ｂは、既配置の
シングル１のシャドウ部１ａに接着され、シングル１は
釘４・・で固定される。

【０００７】この構成により、従来のアルミ箔がないも
のでは、アスファルトセメントがタブ部１ｂを軟化さ
せ、溶剤の揮発により発泡が生ずることがあったが、本
実施例のようにアルミ箔を配置したことにより、アスフ
ァルトセメントがシングル１のタブ部１ｂを軟化させず
泡の発生もなくすることができる。しかも、シングルセ
メントは、アスファルトを主成分としていることから、
強い接着力とシール性及び耐候性を有しており、シング
ル１のタブ部１ｂの機能保存と相俟って、機能性が高い
シングル１を実現することができる。とりわけ、アルミ
箔は耐熱性が高く、アスファルトとの接着性もよいか
ら、溶剤遮断層として好適である。なお、溶剤遮断層と
しては、アルミ箔の外に、銅箔や耐熱性が高い合成樹脂
フィルムを用いることもできる。

【０００８】

【発明の効果】本発明は、上記構成によりアスファルト
シングルの裏面の接着剤塗布部分へ、あらかじめ溶剤遮
断層を設けたことで、接着剤がタブ部のアスファルトを
溶かしてシングルを軟化させることがなく、溶剤の揮発
による泡が発生せず、アスファルトシングルの品質低下
を発生させない。しかも、シングルセメントは、アスフ
ァルトを主成分としていることから、強い接着力とシー
ル性及び耐候性を有しており、シングルのタブ部の機能
保存と相俟って、機能性が高いシングルを実現すること
ができる。とりわけ、溶剤遮断層としてのアルミ箔は耐
熱性が高く、アスファルトとの接着性もよく且つ兼価で
あるから好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る実施例のアスファルトシングルの
裏面図。

【図２】同アスファルトシングルの配置状態を示す斜視
図。

【符号の説明】

１・・・アスファルトシングル １ａ・・・シャドウ部 １ｂ・・・タブ部 ２・・・耐水合板 ３・・・防水ルーフ材 ４・・・釘 １０・・アルミ箔（溶剤遮断層）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−87456（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−291595（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−10517（ＪＰ，Ａ) 特公 昭54−3297（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E04D 1/28 E04D 1/22 E04D 1/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】アスファルトシングルのタブ部１ｂ裏面の
   アスファルトセメント塗布部分へ予めアスファルトセメ
   ントの溶剤を遮断する溶剤遮断層を設けたことを特徴と
   する屋根葺き用の溶剤遮断層付アスファルトシングル。
2. 【請求項２】 溶剤遮断層をアルミ箔で形成したことを
   特徴とする請求項１記載の屋根葺き用の溶剤遮断層付ア
   スファルトシングル。