JP3400938B2 - リアルタイム電力系統解析装置 - Google Patents

リアルタイム電力系統解析装置

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JP3400938B2
JP3400938B2 JP02203198A JP2203198A JP3400938B2 JP 3400938 B2 JP3400938 B2 JP 3400938B2 JP 02203198 A JP02203198 A JP 02203198A JP 2203198 A JP2203198 A JP 2203198A JP 3400938 B2 JP3400938 B2 JP 3400938B2
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正志 西村
愁佳夫 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リアルタイム電力
系統解析装置に係わり、特に、大規模電力系統を刻み時
間の異なる解析装置を組み合わせて解析することを可能
にしたリアルタイム電力系統解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電力系統のリアルタイム解析装置
には、実系統のミニチュアモデルで構成されたアナログ
シミュレータが使用されてきた。しかし実系統に比べ
て、使用している電圧が低いために損失の影響が大き
く、実現象と電圧や電流の定常的な大きさや過渡振動の
減衰の様相が合わないといった間題がある。また送変電
機器毎にアナログモデルで模擬するために、大規模系統
を模擬しようとすると解析装置が大きくなり場所を取る
といった間題もある。
【0003】一方、最近のマイクロプロセッサの高速化
や電力系統の解析ソフトの進展により、ディジタルのリ
アルタイム解析が可能となってきた。リアルタイムディ
ジタルシミュレータはディジタルで電力系統を模擬する
ための解析装置であり、その装置の構成は、データを入
力するワークステーション等の計算機とマイクロプロセ
ッサからなる解析エンジンから構成されるため非常にコ
ンパクトなものとなる。現在のところ、リアルタイムデ
ィジタルシミュレータの解析刻み時間が50〜100μ
sにおいてリアルタイム解析ができるとの報告がある
が、将来はさらに小さい解析刻み時間の解析も可能にな
るものと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、リアルタイムデ
ィジタルシミュレータでは、解析刻み時間より小さい時
定数を持つ現象は解析できないので、例えば、適用が検
討されている自励式変換器を含む電力系統では、変換器
の半導体による高速スイッチングが行われているため、
このような機器を含む電力系統の解析には50〜100
μs以下の解析刻み時間が必要であり、現在のリアルタ
イムシミュレータでは精度良く電力系統を解析すること
ができない。
【0005】本発明の目的は、上記の問題点に鑑みて、
コンパクトな構成で、刻み時間の小さい現象を含む大規
模電力系統の解析を高精度に行なうことができるリアル
タイム電力系統解析装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、次のような手段を採用した。
【0007】請求項1の記載に係る発明は、一方の電力
系統の時間的にゆっくりした現象を所定の刻み時間で解
析を行なう第1のシミュレータ解析手段と、他方の電力
系統の時間的に応答の早い現象を前記刻み時間と異なる
刻み時間で解析を行う第2のシミュレータ解析手段と、
前記両方の電力系統を組み合わせて一括して解析するた
めの前記第1のシミュレータ解析手段と前記第2のシミ
ュレータ解析手段を結合するためのインターフェース手
段と、から構成され 前記インターフェース手段は、前
記第1のシミュレータ解析手段において検出される電流
値およびまたは電圧値から前記第2のシミュレータ解析
手段に伝達する電流指令値を計算し、また前記第2のシ
ミュレータ解析手段において検出される電流値およびま
たは電圧値から前記第1のシミュレータ解析手段に伝達
する電流指令値を計算し、 前記第1のシミュレータ解析
手段および前記第2のシミュレータ解析手段は、それぞ
れ前記伝達された電流指令値を電源とする電流源手段
と、それぞれ前記両方の電力系統間に接続される分布定
数線路のサージインピーダンスを模擬するインピーダン
ス手段と、それぞれ前記電流値およびまたは前記電圧値
を検出する手段と、を備え、 前記両方の電力系統間に接
続される分布定数線路の伝搬時間を、前記刻み時間の整
数倍に近似した値に設定し、この伝搬時間を用いて解析
を行う、ことを特徴とする。
【0008】
【0009】
【0010】請求項2の記載に係る発明は、請求項1
載のリアルタイム電力系統解析装置において、前記両方
の電力系統間に接続される分布定数線路の伝搬時間を、
前記刻み時間の整数倍に近似した値に設定し、この伝搬
時間を用いて解析を行う代わりに、前記両方の電力系統
間に接続される分布定数線路長を、前記刻み時間のいず
れかに相当する遅延時間分の分布定数線路長に設定し、
実際の分布定数線路長と前記設定された分布定数線路長
との差に相当する分布定数線路長を、前記第1のシミュ
レータ解析手段または第2のシミュレータ解析手段にお
ける送電線モデルに表して解析することを特徴とす
る。
【0011】請求項3の記載に係る発明は、請求項1
載のリアルタイム電力系統解析装置において、前記両方
の電力系統間に接続される分布定数線路の伝搬時間を、
前記刻み時間の整数倍に近似した値に設定し、この伝搬
時間を用いて解析を行う代わりに、前記両方の電力系統
間に接続される分布定数線路の伝搬時間を、前記各刻み
時間の最小公倍数に相当する伝搬時間に設定し、実際の
分布定数線路の伝搬時間と設定された伝搬時間との差に
相当する分布定数線路長を、前記第1のシミュレータ解
析手段または第2のシミュレータ解析手段における送電
線モデルに表して解析することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1の実施形態
を図1から図3を用いて説明する。
【0013】図1は後述する各実施形態に係わるリアル
タイム電力系統解析装置の全体構成を示すブロック図で
ある。
【0014】図において、RDSはマイクロプロセッサ
から構成されるリアルタイムディジタルシミュレータ、
ANSはアナログシミュレータ、INFは両者を結合す
るインターフェース装置を示し、WSはリアルタイムデ
ィジタルシミュレータRDS、アナログシミュレータA
NS、およびインターフェース装置INFへの入力デー
タ、解析条件、解析結果等の入出力を行う計算機から構
成される入出力装置である。
【0015】図2は、本実施形態を適用して解析を行う
電力系統モデル(Bergeron法モデル)を示す図
であり、図において、PS1、PS2はそれぞれ現象の
異なる電力系統を表し、両系統間は分布定数線路DLを
介して接続される。
【0016】ここで、電力系統PS1には、解析刻み時
間が比較的小さい、例えば50μs以下の解析刻み時間
を必要とする送変電機器モデルは含まれていない電力系
統を想定し、電力系統PS2には、パワエレ機器等で構
成される小さい解析刻み時間が必要なモデルが含まれて
いる電力系統を想定する。この場合、電力系統PS1は
ディジタルシミュレータRDSによって、また電力系統
PS2はアナログシミュレータによって模擬するのが好
ましい。
【0017】図3は、図2に示す電力系統モデルに本実
施形態のリアルタイム電力系統解析装置を適用した一例
を示す図であり、図において、1,2はそれぞれ図2に
示す電力系統PS1,PS2に対応する電力系統、10
は電力系統PS1と分布定数線路DLとの接続端(以
下、送電端という)において仮想される等価電流源,2
0は電力系統PS2と分布定数線路DLとの接続端(以
下、受電端という)において仮想される等価電流源、1
1,21はそれぞれ分布定数線路DLのサージインピー
ダンス、12,22はそれぞれ電力系統PS1の送電端
および電力系統PS2の受電端での電流を検出する電流
検出器、13,23はそれぞれ電力系統PS1の送電端
および電力系統PS2の受電端での電圧を検出する電圧
検出器、31,32はインターフェース回路であり、R
DS,ANS,およびINFはそれぞれ図1に示す構成
に対応する。
【0018】ここで、電流検出器12,22で検出され
た電流検出値をikm,imk、電圧検出器13,23で検
出される電圧検出値をvk,vm、等価電流源10,20
の電流指令値をIkm,Imk、サフィックスkを送電端、
mを受電端、τを分布定数線路DLの伝搬時間、Zをサ
ージインピーダンス11,21の値とする。
【0019】送電端kにおける等価電流源10の電流指
令値Ikm(t)は、受電端mで検出された電圧検出値v
m(t) と電流検出値imk(t)をインターフェース回
路32において下式の演算を行うことによって得られ
る。
【0020】
【数1】
【0021】同様に、受電端mの等価電流源20の電流
指令値Imk(t)は、送電端kで検出された電圧検出値
k(t) と電流検出値ikm(t)をインターフェース
回路31において下式の演算を行うことによって得られ
る。
【0022】
【数2】
【0023】ここで、(t−τ)は分布定数線路DLで
の伝搬時間τ遅れた時点における検出値や電流指令値を
表す。さらに、上記の数式1および数式2はそれぞれ電
流検出値のみを使った下式に書き替えることができる。
【0024】
【数3】
【0025】
【数4】
【0026】ここで、ディジタルシミュレータRDSヘ
は、アナログシミュレータANSにおいて電流検出器2
2と電圧検出器23によって電流と電圧を検出し、イン
ターフェース回路32に取り込んで、数式1に示す計算
を行い、伝搬時間τだけ遅らせた電流指令値Ikm(t−
τ)を送電端kに伝達する。この電流指令値Ikm(t−
τ)は、ディジタルシミュレータRDSにおいて模擬さ
れる電力系統PS1のサージインピーダンス11、電流
検出器12および電圧検出器13に接続される等価電流
源10の指令値となる。
【0027】一方、アナログシミュレータANSへは、
ディジタルシミュレータRDSにおいて電流検出器12
と電圧検出器13によって電流と電圧を検出し、インタ
ーフェース回路31に取り込んで、数式2に示す計算を
行い、伝搬時間τだけ遅らせた電流指令値Imk(t−
τ)を受電端mに伝達する。この電流指令値Imk(t−
τ)は、アナログシミュレータANSにおいて模擬され
る電力系統PS2のサージインピーダンス21、電流検
出器22および電圧検出器23に接続される等価電流源
20の指令値となる。
【0028】上記の各式から明らかなように、ディジタ
ルシミユレータRDSの解析刻み時間を伝搬時間τより
小さく、逆に分布定数線路DLの伝搬時間τを解析刻み
時間よりも長くなるように分布送電線路長を取ることに
より、信号のやり取りに必要な時間の影響を受けること
なくディジタルシミュレータRDSとアナログシミュレ
ータANSを組み合わせた解析を行うことができる。即
ち、ディジタルシミュレータRDSとアナログシミュレ
ータANSを結合して解析する場合の信号のやり取りや
計算刻み時間等による時間遅れを、この伝搬時間τの中
に含めることにより、これらの遅れの影響を受けないよ
うにすることができる。
【0029】このように、ディジタルシミュレータの時
間刻み、電圧電流の検出の遅れ、等価電流源における増
幅器の応答の遅れ時間等を分布定数線路の伝搬時間に割
り振ることにより、これらの遅れの影響を受けずにアナ
ログシミュレータとディジタルシミュレータを結合した
解析が行える。
【0030】この場合、上記遅れ時間の整数倍に伝搬時
間を正確に合わせることは不可能であり、整数倍に丸め
込んだ伝搬時間を使うことになるが、解析結果によれば
この丸め込みによる解析結果への影響は小さくわずかで
あり、間題はない。
【0031】上記の説明では単相回路の電力系統につい
て述べたが、3相回路で構成される電力系統も、以下に
述べるように単相回路と同様に扱うことができる。具体
的には、関根著の「電力系統解析理論」p346、電気
書院、にあるように3相間に相互インダクタンスやキャ
パシタンスのある3相の相空間での扱いをモード空間に
変換することにより単相回路と同様に扱うことができ
る。
【0032】なお、上記実施形態では、解析刻み時間の
小さい現象をアナログシュミレータANSを用いて解析
するものとしたが、高速のマイクロプロセッサを備えた
ディジタルリアルタイムシュミレータとしても良いこと
は明らかである。
【0033】次に、本発明の第2の実施形態を図4から
図5を用いて説明する。
【0034】図4は、本実施形態を適用する3相分布定
数線路を含む電力系統モデル(Bergeron法モデ
ル)を表す図であり、図において、PS1、PS2はそ
れぞれ現象の異なる電力系統を表し、両系統間は3相各
相の分布定数線路DLA,DLB,DLCを介して接続
される。
【0035】ここで、第1の実施形態と同様に、電力系
統PS1には、解析刻み時間が比較的小さい送変電機器
モデルは含まれていないものとし、電力系統PS2に
は、パワエレ機器等で構成される小さい解析刻み時間が
必要なモデルが含まれている場合を想定し、電力系統P
S1はディジタルシミュレータRDSによって、電力系
統PS2はアナログシミュレータANSによって模擬す
る。
【0036】図5は、図4に示す3相の電力系統モデル
に本実施形態のリアルタイム電力系統解析装置を適用し
た図であり、図において、1,2はそれぞれ図4に示す
電力系統PS1,PS2に対応する電力系統、101,
102,103はそれぞれ電力系統PS1とそれぞれの
各相の分布定数線路DLA,DLB,DLCとの接続端
(以下、送電端という)において模擬される等価電流
源,201,202,203はそれぞれ電力系統PS2
とそれぞれの各相の分布定数線路DLA,DLB,DL
Cとの接続端(以下、受電端という)において仮想され
る等価電流源、111,211は分布定数線路DLAの
サージインピーダンス、112,212は分布定数線路
DLBのサージインピーダンス、113,213は分布
定数線路DLCのサージインピーダンス、121,12
2,123はそれぞれ前記送電端における電流を検出す
る電流検出器、141,142,143は電力系統PS
1における各送電線間のインピーダンス、151,15
2,153はそれぞれ電力系統PS1の送電端の電圧検
出器、221,222,223はそれぞれ電力系統PS
2の受電端における電流を検出する電流検出器、24
1,242,243は電力系統PS2における各送電線
間のインピーダンス、251,252,253はそれぞ
れ電力系統PS2の受電端での電圧を検出する電圧検出
器、310,320はインターフェース回路であり、R
DS,ANS,およびINFはそれぞれ図1に示す構成
に対応する。
【0037】ここで、アナログシミュレータANSのそ
れぞれの電流検出器221,222,223で検出され
た電流検出値をimka,imkb,imkc、 電圧検出器24
1,242,243で検出される電圧検出値をvma,v
mb,vmc、等価電流源101,102,103の各電流
指令値をIkma,Ikmb,Ikmc、 サフィックスのkを送
電端、mを受電端とする。
【0038】また、モード空間では伝搬時間に2つのモ
ード、即ち、零相モードとα相(=β相)モードの異な
った2つのモードが現れるので、モード毎に伝搬時間だ
け遅らせた電流指令値を使う必要がある。
【0039】送電端kにおける等価電流源101,10
2,103の電流指令値Imka(t),Imkb(t),I
mkc(t)は、受電端mで検出された電圧検出値v
ma(t), vmb(t) ,vmc(t)と電流検出値i
mka(t),imkb(t),imkc(t)をインターフェ
ース回路320において下式の演算を行うことによって
得られる。
【0040】
【数5】
【0041】ここで、
【0042】
【数6】
【0043】次に、相空間において求められた検出値
は、下式によってモード空間の検出値に変換することが
できる。
【0044】
【数7】
【0045】さらに、モード空間において求められ電流
指令値は、下式によって相空間の電流指令値に変換する
ことができる。
【0046】
【数8】
【0047】次に、本実施形態に係わる電力系統解析装
置の動作について説明する。
【0048】はじめに、インターフェース回路320に
おいて、検出された電流検出値imka(t),i
mkb(t),imkc(t)、電圧検出値vma,vmb,vmc
を数式6によりモード空間に変換する。次に数式5によ
って、モード空間における電流指令値Ikm0(t−
τ0),Ikmα(t−τα),Ikmβ(t−τβ)を算
出する。最後に、数式7によって、相空間における電流
指令値Ikma(t−τ0), Ikmb(t−τα),Ikmc
(t−τβ) を算出することによって、等価電流源1
01,102,103の電流指令値を求めることができ
る。
【0049】また、等価電流源201,202,203
の電流指令値も上記と同様の計算によって求めることが
できる。
【0050】このようにディジタルシミュレータRDS
とアナログシミュレータANSの結合を、第1の実施形
態と同様に、時間遅れの影響を受けないで行うことがで
きる。
【0051】なお、上記の電流指令値は電流検出値と電
圧検出値の両方を使って求めたが、第1の実施形態にお
いて数式3および数式4で求めたように、電流検出値の
みを使って求めることもできる。
【0052】上記のごとく、一般に多相分布定数線路の
場合、線路間の相互誘導があるために3相の相空間から
モード空間に変数変換して相互誘導の影響を打ち消して
扱うのが好都合である。上記の各式に示したように、相
空間からモード空間へ、さらにはモード空間から相空間
への変換を行うことによつて電流指令値を算出すること
ができる。
【0053】また、数式5からも明らかなように、3相
回路においても、単相回路と同様に扱うことができ、デ
ィジタルシミュレータの時間刻み、電圧電流の検出の遅
れ、等価電流源の増幅器の応答の遅れ時間等を分布定数
線路の伝搬時間に割り振ることにより、これらの遅れの
影響を受けずにアナログシミュレータとディジタルシミ
ュレータを結合した解析を行うことができる。
【0054】また、モード空間の伝搬定数には零相モー
ドの伝搬時間とα相およびβ相モードの伝搬時間があ
り、リアルタイムディジタルシミュレータの解析刻み時
間は決まっており、そのため零相モードとα相及びβ相
モードの両方に合わせることは困難であるが、検討の結
果、解析刻み時問の整数倍に近い値にそれぞれのモード
の伝搬時間を丸め込んだ値を使っても、この丸め込みに
よる解析結果への影響は小さくわずかであり、間題はな
い。なお、計算刻み時間の整数倍による丸め込み時間が
分布定数線路の伝搬時間と大きくずれる場合には、分布
定数線路の伝搬時間の近似値として計算刻み時間の整数
倍による丸め込み時間をとった分布定数線路の長さでア
ナログシミュレータとディジタルシミュレータの結合を
行い、残りの線路はディジタルシミュレータまたはアナ
ログシミュレータで模擬すれば良い。
【0055】次に、本発明の第3の実施形態を図6およ
び図7を用いて説明する。
【0056】図6および図7は、それぞれ図2に示す単
相回路における電力系統モデルに、計算刻み時間の整数
倍による丸め込み時間が分布定数線路の伝搬時間と大き
くずれる場合に、リアルタイム電力系統解析装置を適用
した一例を示す図である。
【0057】図6には、ディジタルシミユレータRDS
に分布定数線路の伝搬時間の端数分の線路DLXを置い
ている。その他の構成は図3に示した部分と相違しない
ので、同一符号を付して説明を省略する。
【0058】この場合、解析刻み時間の整数倍に伝搬時
間、即ち送電線長を取り、余った部分はデイジタルシミ
ュレータRDSの内部の分布定数線路モデルを使って模
擬する。その結果、実際の分布定数線路の場合と同じ解
析結果を得ることができる。
【0059】また、図7には、アナログミユレータAN
Sに分布定数線の伝搬時間の端数分の線路DLYを置く
場合を示す。この場合も、その他の構成は図3に示した
部分と相違しないので、同一符号を付して説明を省略す
る。
【0060】この場合も、解析刻み時間の整数倍に伝搬
時間、即ち送電線長を取り、余った部分はアナログシミ
ュレータANSの内部の分布定数線路モデルを使って模
擬する。その結果、実際の分布定数線路の場合と同じ解
析結果を得ることができる。
【0061】なお、本実施形態では、単相回路で示した
が、3相回路でも同様に扱うことができる。
【0062】上記のごとく、本実施形態によれば、解析
刻み時間の異なる2つのリアルタイムディジタルシミュ
レータを結合して1つの電力系統として解析する場合に
は、結合の分布送電線の伝搬時間が2つのシミュレータ
の解析刻み時間の最小公倍数に近い値に丸め込んだ送電
線長に取ることにより、実際の分布送電線路の場合と同
じ解析結果を得ることができる。
【0063】
【発明の効果】本発明により、刻み時間の小さい現象を
含む大規模電力系統を効率良く解析できるコンパクトな
リアルタイムの電力系統解析装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態に係わるリアルタイム電力
系統解析装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1および第3の実施形態を適用して解析を行
う電力系統モデル(Bergeron法モデル)を示す
図である。
【図3】図2に示す電力系統モデルに本実施形態のリア
ルタイム電力系統解析装置を適用した一例を示す図であ
【図4】第2の実施形態を適用して解析を行う3相分布
定数線路を含む電力系統モデル(Bergeron法モ
デル)を示す図である。
【図5】図4に示す電力系統モデルに本実施形態のリア
ルタイム電力系統解析装置を適用した一例を示す図であ
る。
【図6】図2に示す電力系統モデルに第3の実施形態に
係わるリアルタイム電力系統解析装置を適用した一例を
示す図である。
【図7】図2に示す電力系統モデルに第3の実施形態に
係わるリアルタイム電力系統解析装置を適用した一例を
示す図である。
【符号の説明】
1 電力系統PS1 2 電力系統PS2 10,20 等価電流源 11,21,111,112,113,211,21
2,213 分布定数線路のサージインピーダンス 12,22,121,122,123,221,22
2,223 電流検出器13,23,151,152,
153,251,252,253 電圧検出器 31,32,310,320 インターフェース回路 141,142,143,241,242,243 送
電線間のインピーダンス RDS ディジタルシミュレータ ANS アナログシミュレータ INF インターフェース装置 DL 分布定数線路 DLA,DLB,DLC 3相分布定数線路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 愁佳夫 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西 電力株式会社内 (72)発明者 西垣内 秀俊 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西 電力株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−117061(JP,A) 特開 平9−107633(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 3/00 - 5/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の電力系統の時間的にゆっくりした
    現象を所定の刻み時間で解析を行なう第1のシミュレー
    タ解析手段と、他方の電力系統の時間的に応答の早い現
    象を前記刻み時間と異なる刻み時間で解析を行う第2の
    シミュレータ解析手段と、前記両方の電力系統を組み合
    わせて一括して解析するための前記第1のシミュレータ
    解析手段と前記第2のシミュレータ解析手段を結合する
    ためのインターフェース手段と、から構成され 前記インターフェース手段は、前記第1のシミュレータ
    解析手段において検出される電流値およびまたは電圧値
    から前記第2のシミュレータ解析手段に伝達する電流指
    令値を計算し、また前記第2のシミュレータ解析手段に
    おいて検出される電流値およびまたは電圧値から前記第
    1のシミュレータ解析手段に伝達する電流指令値を計算
    し、 前記第1のシミュレータ解析手段および前記第2のシミ
    ュレータ解析手段は、それぞれ前記伝達された電流指令
    値を電源とする電流源手段と、それぞれ前記両方の電力
    系統間に接続される分布定数線路のサージインピーダン
    スを模擬するインピーダンス手段と、それぞれ前記電流
    値およびまたは前記電圧値を検出する手段と、を備え、 前記両方の電力系統間に接続される分布定数線路の伝搬
    時間を、前記刻み時間の整数倍に近似した値に設定し、
    この伝搬時間を用いて解析を行う、 ことを特徴とするリ
    アルタイム電力系統解析装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリアルタイム電力系統解
    析装置において、 前記両方の電力系統間に接続される分布定数線路の伝搬
    時間を、前記刻み時間の整数倍に近似した値に設定し、
    この伝搬時間を用いて解析を行う代わりに、 前記両方の電力系統間に接続される分布定数線路長を、
    前記刻み時間のいずれかに相当する遅延時間分の分布定
    数線路長に設定し、実際の分布定数線路長と前記設定さ
    れた分布定数線路長との差に相当する分布定数線路長
    を、前記第1のシミュレータ解析手段または第2のシミ
    ュレータ解析手段における送電線モデルに表して解析す
    ことを特徴とするリアルタイム電力系統解析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のリアルタイム電力系統解
    析装置において、 前記両方の電力系統間に接続される分布定数線路の伝搬
    時間を、前記刻み時間の整数倍に近似した値に設定し、
    この伝搬時間を用いて解析を行う代わりに、 前記両方の電力系統間に接続される分布定数線路の伝搬
    時間を、前記各刻み時間の最小公倍数に相当する伝搬時
    間に設定し、実際の分布定数線路の伝搬時間と設定され
    た伝搬時間との差に相当する分布定数線路長を、前記第
    1のシミュレータ解析手段または第2のシミュレータ解
    析手段における送電線モデルに表して解析することを
    特徴とするリアルタイム電力系統解析装置。
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