JP3668863B2 - ハイブリッド電力系統解析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の状態を解析するアナログシミュレータとディジタルシミュレータを結合したハイブリッド電力系統解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力系統の複雑かつ多岐化により、大規模系統解析の必要性が増している。電力系統のリアルタイム解析装置としては、従来、実系統のミニチュアモデルで構成されたアナログシミュレータが用いられてきた。しかし、アナログシミュレータの場合、模擬送電線などの損失が実系統に比べて大きくなり、電圧や電流の定常値や過渡的な振動の減衰の様相が実現象と合わないといった問題がある。また送変電機器毎にアナログの縮小モデルで模擬するために装置が大きくなり場所をとる問題があった。
【0003】
一方、最近は、マイクロプロセッサの高速化や電力系統の解析ソフトの進展により、ディジタル演算によるリアルタイム解析が可能となってきている。リアルタイムディジタルシミュレータは、データを入力するワークステーション等の計算機とマイクロプロセッサからなる解析エンジンから構成されるため、非常にコンパクトなものとなる。
【0004】
そこで、従来、アナログ型シミュレータの大規模化を軽減するとともに、系統構成の変更に対応させるため、ディジタル型シミュレータとを組み合わせた電力系統解析シミュレータシステムが提案されている(特開平3-256529号公報)。これによれば、発電機、変圧器、負荷などの電力機器、及び制御モデル、リレーモデルをアナログ模擬してなるアナログシミュレータと、回路網計算の部分を模擬してなるディジタルシミュレータとを、D/A-A/D変換器を介して接続し、回路網計算の収束演算を短縮化し、かつアナログシミュレータの大規模化を抑え、かつ系統構成の変更に比較的容易に対応できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ディジタルシミュレータでは、解析演算周期である解析刻み時間よりも小さい時定数を持つ現象は、例えば、高周波でスイッチング制御される電力変換器などが含まれる系統の現象は解析することができないことについて配慮されていない。
【0006】
例えば、小さな解析刻み時間が要求される電力系統は、アナログシミュレータで模擬し、解析刻み時間が大きくても問題がない部分は、リアルタイムディジタルシミュレータで模擬し、それらを組合せ、ないし結合させて、電力系統を解析するハイブリッド電力系統解析装置が考えられるが、従来は、そのようなハイブリッド電力系統解析装置については考慮されていない。
【0007】
本発明は、ハイブリッド電力系統解析装置において、ディジタルシミュレータの解析刻み時間よりも短い状態変化を伴う電力系統の解析に好適なハイブリッド電力系統解析装置を実現することを課題とする。特に、アナログシミュレータとディジタルシミュレータの結合を適切に行うことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、次の手段により解決することができる。
本発明のハイブリッド電力系統解析装置は、電力系統の一部をアナログ模擬により解析するアナログシミュレータと、前記電力系統の残りの部分をディジタル模擬により解析するディジタルシミュレータと、前記アナログシミュレータと前記ディジタルシミュレータの間のデータ受け渡しをするインターフェースとを備え、前記アナログシミュレータは、アナログ模擬手段と、該アナログ模擬手段に第1のインピーダンス素子を介して接続された第1の電圧源とを備え、前記ディジタルシミュレータは、ディジタル模擬手段と、該ディジタル模擬手段に第2のインピーダンス素子を介して接続された第2の電圧源とを備え、
前記第1と第2のインピーダンス素子は、前記アナログシミュレータの模擬対象の電力系統と前記ディジタルシミュレータの模擬対象の電力系統との連係部位のインピーダンスの少なくとも一部を模擬する共通のインピーダンスを有してなり、前記インターフェースは、前記アナログ模擬手段と前記第1のインピーダンス素子との接続部位の電流又は電圧の検出値に基づいて、前記第2の電圧源に指令を出力して前記第2のインピーダンス素子と前記第2の電圧源の接続部位の電流又は電圧を前記検出値に調整する手段と、前記ディジタル模擬手段と前記第2のインピーダンス素子との接続部位の電流又は電圧の検出値に基づいて、前記第1の電圧源に指令を出力して前記第1のインピーダンス素子と前記第1の電圧源の接続部位の電流又は電圧を前記検出値に調整する手段とを有してなることを特徴とする。
【0010】
さらに具体的には、前記アナログシミュレータは、前記一部の電力系統部をアナログ模擬して解析するアナログ模擬手段と、ディジタル模擬により解析する電力系統との連係部位の少なくとも一部を模擬するインピーダンス素子を介して前記アナログ模擬手段に接続してなる第1の電圧源とを有してなり、前記ディジタルシミュレータは、前記残りの一部の電力系統部をディジタル模擬して解析するディジタル演算手段と、アナログ模擬により解析する電力系統との連係部位の前記インピーダンス素子と等価なインピーダンス素子のディジタル模擬により解析する電力系統側の電圧データを書き換える第2の電圧源とを有してなり、前記アナログ模擬手段と前記インピーダンス素子の接続点の電流を検出し、該電流に相当す電流を前記インピーダンス素子に流す前記電圧データに書き換えさせる指令を第2の電圧源に出力する手段と、前記ディジタル模擬手段と前記インピーダンス素子の接続点の電流を検出し、該電流に相当する電流を前記インピーダンス素子に流す電圧指令を第1の電圧源に出力する手段とを備えてなるものとしてもよい。
【0011】
また、これに代えて、前記アナログシミュレータは、前記一部の電力系統部をアナログ模擬して解析するアナログ模擬手段と、ディジタル模擬により解析する電力系統との連係部位の少なくとも一部を模擬するインピーダンス素子を介して前記アナログ模擬手段に接続してなる第1の電圧源とを有してなり、前記ディジタルシミュレータは、前記残りの一部の電力系統部をディジタル模擬して解析するディジタル演算手段と、アナログ模擬により解析する電力系統との連係部位の前記インピーダンス素子と等価なインピーダンス素子のディジタル模擬により解析する電力系統側の電圧データを書き換える第2の電圧源とを有してなり、前記アナログ模擬手段と前記インピーダンス素子の接続点の電流を検出し、該電流に相当す電流を前記インピーダンス素子に流す前記電圧データに書き換えさせる指令を第2の電圧源に出力する手段と、前記ディジタル模擬手段と前記インピーダンス素子の接続点の電圧を検出し、該電圧に相当する電圧を前記第1の電圧源に発生させる指令を出力する手段とを備えて構成することができる。
【0012】
上記の場合において、前記インピーダンス素子は、前記連係系統の送電線のインピーダンスに相当するものに設定できる。また、これに限らず、連係系統を構成する変圧器、直列補償コンデンサ、移相器などの送変電機器のインピーダンスに相当するものの、一部又は適宜選択したものに設定できる。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、図面を参照して、本発明のハイブリッド電力系統解析装置の実施形態を説明する。図1は、一実施形態のハイブリッド電力系統解析装置の主要部構成図を示し、図2は、その全体概要構成図を示す。また、図3は、図1の実施の形態が適用される解析対象の電力系統モデルを示す。
【0014】
図2に示すように、ハイブリッド電力系統解析装置は、アナログシミュレータ(ANS)11、リアルタイム模擬解析を実行するディジタルシミュレータ(RDS)12、インターフェース回路(INF)13、入出力装置(WS)14を備えて構成されている。アナログシミュレータ11は、電力系統の一部を解析対象としてアナログ模擬解析するものであり、その解析対象の電力系統をミニチュアモデルで模擬してなるアナログ模擬手段を含んで構成されている。ディジタルシミュレータ12は、マイクロプロセッサからなる解析エンジンからなるディジタル模擬手段を含んで構成される。インターフェース回路13は、アナログシミュレータ11とディジタルシミュレータ12及び入出力装置14にそれぞれ接続されており、それらの間のデータの受け渡しを行う。入出力装置14は、計算機を用いて構成され、アナログシミュレータ11、ディジタルシミュレータ12及びインターフェース回路13への入力データ、解析条件、解析結果の表示等の入出力を行う。
【0015】
図3に示すように、解析対象の電力系統モデルは、電力系統を2つの電力系統PS1、PS2に分けて、それらの2つの電力系統間をインピーダンス素子Zeを介して接続したものとしている。ここで、電力系統PS1は,パワーエレクトロニクス機器等で構成されるような送変電機器が含まれている電力系統である。すなわち、パワーエレクトロニクス機器等は、スイッチング周波数が高くなってきているため、状態変化が極めて短い時間で起こる。そのようなパワーエレクトロニクス機器等を含む系統の状態変化を解析するには、小さい解析刻み時間(例えば,100μs以下)を必要とする。一方、電力系統PS2は、解析刻み時間が比較的大きい送変電機器で構成された電力系統を想定している。
【0016】
そして、図1に示すように、電力系統PS1はアナログシミュレータ11によって解析し、電力系統PS2はディジタルシミュレータ12によって解析するようにしている。ここで、本発明の特徴部に係る点の1つは、アナログシミュレータ11とディジタルシミュレータ12を、共通のインピーダンス素子Zeを用い、そのインピーダンス素子Zeの両端の電圧を、相互に交換するようにして、両者のシミュレータを結合した点にある。この特徴について、以下に詳しく説明する。
【0017】
インピーダンス素子Zeは、電力系統PS1、PS2を接続している系統、すなわち連係部位を構成する系統の送変電機器のインピーダンスに対応し、その連係部位の全部または少なくとも一部のインピーダンスを模擬するものである。ここで、共通のインピーダンス素子Zeの両端の電圧を、V1とV2とすると、Zeを流れる電力Pは、数式1で与えられる。
【0018】
【数式1】
P=(V1・V2 sinθ)/X
また、無効電力Qは数式2で与えられる。
【0019】
【数式2】
Q=(V1・V2 cosθ−V2・V2)/X
ここに、θはV1とV2の位相差、Xはインピーダンス素子Zeのリアクタンス成分である。
【0020】
すなわち、位相情報を含めてV1とV2が決まると、電力系統PS1、PS2の間の電力のやり取りが一義的に決まる。そこで、電力系統PS1と共通のインピーダンス素子Ze及びディジタルシミュレータ12で模擬した電力系統PS2の系統電圧V2をもつ電圧源モデル31をアナログ模擬し、電力系統PS2と共通のインピーダンス素子Ze及びアナログシミュレータ11で模擬した電力系統PS1の系統電圧V1をもつ電圧源モデル32をディジタル模擬することにより、図1に示す2つのシミュレータを結合したハイブリッド電力系統解析装置を実現できる。
【0021】
図1に示すように、アナログシミュレータ11は、電力系統PS1をアナログ模擬してなるアナログ模擬手段21を有してなり、電力系統PS2との連係点に相当する部位に、その連係系統の少なくとも一部を構成するインピーダンスを模擬するインピーダンス素子23の一端が接続され、そのインピーダンス素子23の他端に、電圧源モデルである電圧増幅器31を接続して構成されている。また、インピーダンス素子23に流れる電流i1(t)が、電流検出器33により検出されて、インターフェース回路13に出力されている。
【0022】
一方、ディジタルシミュレータ12は、電力系統PS2をディジタル演算により模擬してなるディジタル模擬手段22を有してなり、電力系統PS1との連係点に相当する部位に、前記インピーダンス素子23と等価なインピーダンス素子24の一端が接続され、そのインピーダンス素子24の他端に、電圧源モデル32を接続して構成されている。ただし、図示のディジタルシミュレータ12の構成は、模式的に概念を表したものであり、実際にはディジタルプロセッサで構成されている。つまり、インピーダンス素子24は演算定数として設定され、電圧源モデル32は演算式等により模擬され、インピーダンス素子24の一端の系統データが、ディジタル模擬手段22の連係点に相当する部位のデータとして共有するようになっている。また、インピーダンス素子24に流れる電流i2(t)の演算データは、概念的には、電流検出器34により検出されて、インターフェース回路13に出力されている。
【0023】
インターフェース回路13は、指令作成回路35、36を備えて構成されている。指令作成回路35は、アナログシミュレータ11の電流検出器33から出力される検出電流i1(t)を取りこみ、これに基づいてディジタルシミュレータ12の電圧源モデル32に指令を送り、インピーダンス素子24に流れる電流がi1(t)になるように、電圧源モデル32の出力電圧V1(t−τ)を調整するようになっている。同様に、指令作成回路36は、ディジタルシミュレータ12の電流検出器34から送られてくる検出電流i2(t)を取りこみ、これに基づいてアナログシミュレータ11の電圧増幅器31に指令を送り、インピーダンス素子23に流れる電流がi2(t)になるように、電圧増幅器31の出力電圧V2(t−τ)を調整するようになっている。つまり、指令値作成回路35と指令値作成回路36は、次の数式3に示す演算を行い、電圧増幅器31及び電圧源モデル32の電圧指令値V1、V2を作成する。
【0024】
【数式3】
V1(t)−V2(t−τ)=X・di1(t)/dt
V1(t−τ)−V2(t)=X・di2(t)/dt
ここに、τはアナログシミュレータとディジタルシミュレータ間の信号やり取りのサンプリングによる遅れ時間、Xは共通インピーダンスZeのリアクタンス、i1(t)はインピーダンス素子23に流れる電流、i2(t)はインピーダンス素子24に流れる電流である。
【0025】
数式3から、数4に示すV1、V2が導き出せる。
【0026】
【数式4】
Figure 0003668863
数4において、電流i1(t)、i2(t)は、それぞれのシミュレータから検出される時点の値である。一方、電流i1(t−τ)、i2(t−τ)は、i1(t)、i2(t)よりも、1サンプリング時間前の値である。また、電圧V1(t−2τ)、V2(t−2τ)は、それぞれ2サンプリング前の電圧V1(t)、V2(t)の値である。
【0027】
上記のように、図1の実施の形態によれば、アナログシミュレータ11とディジタルシミュレータ12の連係点における解析データを、共通のインピーダンス素子を介して、相互に電圧増幅器31と電圧源モデル32を用いて供給するようにして、2つのシミュレータを結合したことから、それぞれのシミュレータの特性を生かした、ハイブッリッド電力系統解析装置を実現できる。
【0028】
特に、サンプリング時間による遅れτが、解析する現象の動きに比べて十分に小さければ、アナログシミュレータ11とディジタルシミュレータ12を図1のように結合してなる装置により、精度よく電力系統の解析を行うことができる。すなわち、電力系統の電流検出は、電圧検出の場合に比べて、かなり高速に行えるから、サンプリング時間による遅れτが十分に小さいものにできるからである。因みに、一般に、系統電圧の検出時間は、例えば50msであるのに比べて、系統電流の検出時間は、例えば0.1ms程度と極めて高速である。したがって、図1の例によれば、連係点の系統電圧を相互に検出してやり取りしていることから、系統電圧V1、V2の指令値作成を高速に行うことができる。
【0029】
また、アナログシミュレータ11に電圧源(電圧増幅器31)を用いているのは、電流増幅器(電流源)に比べて電圧増幅器(電圧増幅器)の方が、指令値に対応した出力を高速に出力できるからである。
【0030】
このように、高速な電流検出手段や電圧源手段を採用することにより、ディジタルシミュレータ12の解析刻み時間、即ちサンプリング時間内に次の解析刻み時間後に対応する電圧指令値を作り、アナログシミュレータ11で指令値に応じた電圧を出すことができ、アナログシミュレータ11とディジタルシミュレータ12を組み合わせた電力系統の解析が可能になるのである。
【0031】
図4に、本発明の他の実施形態のハイブリッド電力系統解析装置を示す。図において、図1と同一の機能構成を有する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施の形態が図1と異なる点は、ディジタルシミュレータ12の電流検出器34に変えて、電圧検出器42を適用し、これに合わせて、指令値作成回路44は、ディジタル模擬手段22とインピーダンス素子24の接続点の検出電圧(解析電圧)を指令値として電圧増幅器31に出力するようにして、ディジタルシミュレータ12とアナログシミュレータ11を結合した点にある。
【0032】
この実施形態は、ディジタルシミュレータ12の解析電圧に基づいて、直接、アナログシミュレータ11の電圧増幅器31の電圧指令値を作っていることから、電圧変動が小さく電圧検出にフィルタリング等が必要なく、高速検出が可能な場合に適用できる。その具体的な電力系統の一例を図5に示す。
【0033】
図5において、直流送電/BTB等のサイリスタ変換装置が接続される連系点Aには、変換装置51から発生する高調波を交流系統に流さないために交流フィルタ52が設置される。また、無効電力の調相設備53も設置される。したがって、連系点Aの電圧は、ほぼ基本波と考えることができ、電圧検出55を高速に行うことが可能となる。このような系統でアナログシミュレータ11とディジタルシミュレータ12で分割して解析するような場合は、指令値作成回路44は演算の必要がなく、絶縁をとるだけの簡単なもので良いことになる。即ち、指令値V2は数式5で与えられる。
【0034】
【数式5】
V2=V2(t)=v2(t)
ここに、v2(t)はディジタル模擬手段とインピーダンス素子24の連係点の電圧検出値である。
【0035】
図6に、本発明に係るハイブリッド電力系統解析装置の適用例の他の電力系統解析モデルを示す。本例は、図示のように、アナログシミュレータとディジタルシミュレータを送電線部で組み合わせることを考えた例であり、2つの電力系統PS1、PS2が、送電線61により連係されている。この送電線61が短い場合を考えると、これは小さい容量のインダクタンスで置き換えることができる。この場合のハイブリッド電力系統解析装置の構成は、図7に示すように、図1におけるインピーダンス素子を、連係部の送電線61の等価インダクタンス素子62,63で置き換えたものになる。各部分の機能は図1に述べた通りである。
【0036】
図8に、本発明に係るハイブリッド電力系統解析装置の適用例の他の電力系統解析モデルを示す。本例は、図示のように、アナログシミュレータとディジタルシミュレータを、連係部を構成する送変電機器の変圧器で組み合わせることを考えた例であり、2つの電力系統PS1、PS2が、変圧器71により連係されている。この場合も変圧器71は等価的に漏れリアクタンスで表すことができるので、具体的な適用例は図7と同様な構成となる。
【0037】
図9に、本発明の他の実施形態のハイブリッド電力系統解析装置を示す。図において、図4と同一の機能構成を有する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施の形態が図4と異なる点は、アナログシミュレータ11の電流検出器33に変えて、電圧検出器41を適用し、これに合わせて、指令知作成回路43は、アナログ模擬手段21とインピーダンス素子23の接続点の検出電圧を指令値として電圧源モデル32に出力するようにして、ディジタルシミュレータ12とアナログシミュレータ11を結合した点にある。
【0038】
この実施形態は、アナログシミュレータ11及びディジタルシミュレータ12の解析電圧に基づいて、直接、ディジタルシミュレータ12及びアナログシミュレータ11の電圧源モデル32及び電圧増幅器31の電圧指令値を作っていることから、図5に示したと同様に、電圧変動が小さく電圧検出にフィルタリング等が必要なく、高速検出が可能な場合に適用できる。この場合の指令値V1、V2は数式6で与えられる。
【0039】
【数式6】
V1=V1(t)=v1(t)
V2=V2(t)=v2(t)
ここに、v1(t):アナログ模擬手段とインピーダンス素子23の連係点の電圧検出値、v2(t):ディジタル模擬手段とインピーダンス素子24の連係点の電圧検出値である。
【0040】
図10に、本発明の他の実施形態のハイブリッド電力系統解析装置を示す。図において、図4と同一の機能構成を有する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施の形態が図4と異なる点は、インピーダンス素子23、24に変えて、図7のインダクタンス素子62、63を適用して、ディジタルシミュレータ12とアナログシミュレータ11を結合した点にある。したがって、図4と実質的に同一の動作になる。
【0041】
以上説明した実施の形態によれば、アナログシミュレータとディジタルシミュレータを結合するにあって、系統の電流や電圧の検出、検出された信号から等価電圧源の指令値を作るための演算、アナログ部に設置するの等価電圧源の応答時間の遅れ等を適宜考慮した適切な結合を実現できる。なお、上記各実施の形態は単相回路で説明したが、三相回路でも同様に扱うことができることは明らかである。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ディジタルシミュレータの解析刻み時間よりも短い状態変化を伴う電力系統の解析に好適なハイブリッド電力系統解析装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハイブリッド電力系統解析装置の一実施の形態の主用部構成図である。
【図2】図1実施の形態の全体構成図である。
【図3】図1実施の形態が適用可能な解析対象の電力系統モデルの一例を示す図である。
【図4】本発明に係るハイブリッド電力系統解析装置の他の実施の形態の主用部構成図である。
【図5】図4実施の形態が適用可能な解析対象の電力系統モデルの一例を示す図である。
【図6】本発明を適用する解析対象の電力系統モデルの他の例を示す図である。
【図7】図6の電力系統モデルに適用する本発明のハイブリッド電力系統解析装置の一実施の形態の主要部構成図である。
【図8】本発明を適用する解析対象の電力系統モデルのさらに他の例を示す図である。
【図9】本発明のハイブリッド電力系統解析装置の他の実施の形態の主要部構成図である。
【図10】本発明のハイブリッド電力系統解析装置のさらに他の実施の形態の主要部構成図である。
【符号の説明】
11 アナログシミュレータ
12 ディジタルシミュレータ
13 インターフェース回路
14 入出力装置
21 アナログ模擬手段
22 ディジタル模擬手段
23、24 インピーダンス素子
31 電圧増幅器
32 電圧源モデル
33、34 電流検出器
35、36 指令値作成回路
41、42 電圧検出器
43、44 指令値作成回路、
62、63 インダクタンス素子

Claims (5)

  1. 電力系統の一部をアナログ模擬により解析するアナログシミュレータと、前記電力系統の残りの部分をディジタル模擬により解析するディジタルシミュレータと、前記アナログシミュレータと前記ディジタルシミュレータの間のデータ受け渡しをするインターフェースとを備え、
    前記アナログシミュレータは、アナログ模擬手段と、該アナログ模擬手段に第1のインピーダンス素子を介して接続された第1の電圧源とを備え、
    前記ディジタルシミュレータは、ディジタル模擬手段と、該ディジタル模擬手段に第2のインピーダンス素子を介して接続された第2の電圧源とを備え、
    前記第1と第2のインピーダンス素子は、前記アナログシミュレータの模擬対象の電力系統と前記ディジタルシミュレータの模擬対象の電力系統との連係部位のインピーダンスの少なくとも一部を模擬する共通のインピーダンスを有してなり、
    前記インターフェースは、前記アナログ模擬手段と前記第1のインピーダンス素子との接続部位の電流又は電圧の検出値に基づいて、前記第2の電圧源に指令を出力して前記第2のインピーダンス素子と前記第2の電圧源の接続部位の電流又は電圧を前記検出値に調整する手段と、前記ディジタル模擬手段と前記第2のインピーダンス素子との接続部位の電流又は電圧の検出値に基づいて、前記第1の電圧源に指令を出力して前記第1のインピーダンス素子と前記第1の電圧源の接続部位の電流又は電圧を前記検出値に調整する手段とを有してなるハイブリッド電力系統解析装置。
  2. 電力系統の一部をアナログ模擬により解析するアナログシミュレータと、前記電力系統の残りの部分をディジタル模擬により解析するディジタルシミュレータとを備え、
    前記アナログシミュレータは、前記一部の電力系統部をアナログ模擬して解析するアナログ模擬手段と、ディジタル模擬により解析する電力系統との連係部位の少なくとも一部を模擬するインピーダンス素子を介して前記アナログ模擬手段に接続してなる第1の電圧源とを有してなり、
    前記ディジタルシミュレータは、前記残りの一部の電力系統部をディジタル模擬して解析するディジタル演算手段と、アナログ模擬により解析する電力系統との連係部位の前記インピーダンス素子と等価なインピーダンス素子のディジタル模擬により解析する電力系統側の電圧データを書き換える第2の電圧源とを有してなり、
    前記アナログ模擬手段と前記インピーダンス素子の接続点の電流を検出し、該電流に相当す電流を前記インピーダンス素子に流す前記電圧データに書き換えさせる指令を第2の電圧源に出力する手段と、
    前記ディジタル模擬手段と前記インピーダンス素子の接続点の電流を検出し、該電流に相当する電流を前記インピーダンス素子に流す電圧指令を第1の電圧源に出力する手段とを備えてなることを特徴とするハイブリッド電力系統解析装置。
  3. 電力系統の一部をアナログ模擬により解析するアナログシミュレータと、前記電力系統の残りの部分をディジタル模擬により解析するディジタルシミュレータとを備え、
    前記アナログシミュレータは、前記一部の電力系統部をアナログ模擬して解析するアナログ模擬手段と、ディジタル模擬により解析する電力系統との連係部位の少なくとも一部を模擬するインピーダンス素子を介して前記アナログ模擬手段に接続してなる第1の電圧源とを有してなり、
    前記ディジタルシミュレータは、前記残りの一部の電力系統部をディジタル模擬して解析するディジタル演算手段と、アナログ模擬により解析する電力系統との連係部位の前記インピーダンス素子と等価なインピーダンス素子のディジタル模擬により解析する電力系統側の電圧データを書き換える第2の電圧源とを有してなり、
    前記アナログ模擬手段と前記インピーダンス素子の接続点の電流を検出し、該電流に相当す電流を前記インピーダンス素子に流す前記電圧データに書き換えさせる指令を第2の電圧源に出力する手段と、
    前記ディジタル模擬手段と前記インピーダンス素子の接続点の電圧を検出し、該電圧に相当する電圧を前記第1の電圧源に発生させる指令を出力する手段とを備えてなることを特徴とするハイブリッド電力系統解析装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記インピーダンス素子は、前記連係系統の送電線のインピーダンスに相当することを特徴とするハイブリッド電力系統解析装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記インピーダンス素子は、前記連係系統を構成する変圧器などの送変電機器のインピーダンスに相当することを特徴とするハイブリッド電力系統解析装置。
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