JP3400661B2 - 生産管理方法 - Google Patents

生産管理方法

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JP3400661B2
JP3400661B2 JP31532996A JP31532996A JP3400661B2 JP 3400661 B2 JP3400661 B2 JP 3400661B2 JP 31532996 A JP31532996 A JP 31532996A JP 31532996 A JP31532996 A JP 31532996A JP 3400661 B2 JP3400661 B2 JP 3400661B2
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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Multi-Process Working Machines And Systems (AREA)
  • General Factory Administration (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ統括
制御された生産システムにおける生産管理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりコンピュータ統括制御された生
産システムにおいて、生産設備の故障時に生産設備の復
旧作業をただちに行なうか臨時生産状態とするかを選択
し、また製品や部品の不良が検出されたときに部品の生
産設備を修正するか生産工程の生産設備を修正するかを
選択するようにした生産ラインの管理方法が提案されて
いる(特開平2−284853号公報)。この公報に記
載の生産管理方法では、コンピュータがシミュレーショ
ンによって選択肢を自動的に判断するように構成されて
いる。また、必要に応じて作業者に対して各種の指示を
行なうとともに、その指示に対する作業者からの入力を
待つようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、生産システ
ムでは、非正常状態が生じたときに、製品の納期、品
質、工数、コストなどのどの事項を優先して製品を製造
すべきかは、現場において判断するのが望ましい。しか
しながら、上述した従来の生産管理方法では、作業者に
対して、故障した設備の復旧作業が充分行なわれていた
か否かを検討させて検討結果の入力を待ったり、不良の
発見された部品などの修正を作業者に指示したりするの
みであり、現場作業者が納期、品質、工数、コストなど
を考慮して非正常状態に対してどのように対処するかの
判断を行なうための材料を提供するようにはなっていな
いものである。
【0004】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、非正常状態が生じたときに、現場作
業者に対応処置の判断材料を与えることで、現場作業者
に対応処置を選択させることを可能とした生産管理方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、少な
くとも生産工程と検査工程とを含む製造システムと、製
造システムを生産計画に従って制御するとともに製造シ
ステムの状態を監視する管理システムとを備える生産シ
ステムにおける生産管理方法であって、製造システムに
おける各種作業を少なくともその作業に要する現場作業
者と作業時間とコストとに対応付けた作業コストマスタ
ファイルと、検査工程により検出される不良を生じたワ
ークと不良内容と不良の程度である不良レベルとを対応
付けた不良レベルマスタファイルと、良品ではないが仕
様に影響のない程度の軽欠点品を出荷した価格と良品の
価格とをワークに対応付けた軽欠点品価格マスタファイ
ルとを管理システムにあらかじめ作成しておき、管理シ
ステムは検査工程により不良が検出されると不良のワー
クおよび不良内容を不良レベルマスタファイルに照合し
て不良レベルを求め、検出された不良レベルが軽欠点品
であるときにはそのワークを軽欠点品価格マスタファイ
ルに照合して良品との価格差による損失コストを求めて
現場作業者に示すとともに、軽欠点品を出荷する対応処
置案と不良品となったワークを再生産する対応処置案と
について、各対応処置に伴う作業を作業コストマスタフ
ァイルに照合することにより少なくとも作業時間とコス
トとを対応処置案ごとに求めて現場作業者に示し、現場
作業者の判断による操作入力を受けることにより対応処
置を選択させるものである。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、製造システムがワークを在庫品として貯蔵する倉庫
を備え、ワーク同士の関係および数量を記述した構成マ
スタファイルと、倉庫における各在庫品の現在の在庫量
を記憶する在庫ファイルとを管理システムにあらかじめ
作成しておき、管理システムでは検査工程により検出さ
れた不良レベルが製品を出荷できない程度であるときに
は不足分の供給に必要なワークの種類および数量を構成
マスタファイルを参照して算出し、求めたワークの種類
および数量を在庫ファイルに照会して出庫可能であると
きに倉庫に出庫を要求するものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、管理システムでは検査工程により検出された不良レ
ベルが上流側工程への再投入で修正可能な程度であると
きには不良品を上流工程に再投入する対応処置案と、不
良品となったワークを再生産する対応処置案とについ
、各対応処置に伴う作業を作業コストマスタファイル
に照合することにより少なくとも作業時間とコストとを
対応処置案ごとに求めて現場作業者に示し、現場作業者
の判断による操作入力を受けることにより対応処置を選
択させるものである。
【0008】
【0009】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、製造システムが製品を梱包する梱包工程を有し、管
理システムでは不良レベルが軽欠点品であるときに、梱
包工程で生じる仕分作業に伴う作業コストを現場作業者
に示すものである。
【0010】
【0011】
【0012】本発明は、非正常状態が生じたときに、現
場作業者に対応処置の判断材料を与えることで、現場作
業者に対応処置を選択させるのであって、非正常状態が
生じた時点で、コスト、納期、作業人員などを考慮して
対応処置を施すことができるから、生産現場に則した柔
軟性の高い生産が可能になるのである。また、従来は軽
欠点品でも出荷せずに廃棄することが多かったが、軽欠
点品についてコストを考慮して出荷可能としているか
ら、不良品であってもすべてが損失にはならずコストの
一部が回収可能になる。同様に請求項3の発明のよう
に、不良品のうち再生可能なものを抽出して上流工程に
再投入することを可能としたものでは、さらにコストの
回収率が高くなるという利点がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)本実施形態における生産システムは、製
品を生産・検査・貯蔵する製造システム1と、生産計画
に従って製造システム1を制御するとともに製造システ
ム1の動作状態を監視する管理システム2とを備える。
【0014】製造システム1は、外注品(以下では部材
料という)を購入時に検査する部材料検査工程11と、
検査後の部材料を貯蔵する部材料倉庫12とを備える。
部材料は、製品の製造に直接用いられたり製品を構成す
る部品を製造したりするために用いられる。たとえば、
製品が照明器具であるとすれば、部材料であるネジは製
品の組立に直接用いられ、部材料である板金のフープ材
はプレス加工などが施されて反射板や器具本体などの部
品となる。また、接着剤や塗料なども部材料として扱わ
れる。
【0015】部材料の少なくとも一部は製造システム1
の中の部品製造・検査工程13に送られ部品が内製され
る。内製された部品は検査された後に部品倉庫14に貯
蔵される。製品は製品製造・検査工程15において製造
されるのであって、製品製造・検査工程15は主として
組立工程と検査工程とからなっている。つまり、部材料
倉庫12に貯蔵された部材料や部品倉庫14に貯蔵され
た部品を用いて製品が組み立てられ、組立後に検査され
るのである。検査後の製品は梱包工程16において梱包
された後に製品倉庫17に貯蔵されて出荷を待つことに
なる。
【0016】ところで、生産システム1における各工程
(製造、検査、倉庫)11〜17は複数の設備を組み合
わせて構成されており、各設備はプログラマブルコント
ローラ(以下、シーケンサという)のような下位コンピ
ュータ31により制御され、かつ下位コンピュータ31
に接続したセンサにより動作状態が監視されている。下
位コンピュータ31は工程11〜17ごとに設けた工程
制御コンピュータ32により統括して監視制御されてお
り、工程制御コンピュータ32は下位コンピュータ31
に対して設備の動作を指示し、また下位コンピュータ3
1に設けたセンサで検出された情報を収集する。ここ
に、工程制御コンピュータ32は1つの工程11〜17
を統括制御する程度でよいから、パーソナルコンピュー
タ程度の能力があればよい。
【0017】工程制御コンピュータ32には各種情報を
出力する表示装置33と、現場作業者が情報を入力する
ための入力装置34と、警報報知装置35とが設けられ
る。表示装置33としては、CRTのようなディスプレ
イ装置、プリンタ、タッチパネルなどを用いることがで
き、入力装置34としては、キーボード、タッチパネル
などを用いることができる。タッチパネルは、CRTや
液晶表示器のような表示装置の画面に透明電極を備える
タッチスイッチを重ねた構成のものであって、画面に表
示された内容に応じてタッチスイッチの適宜領域にスイ
ッチの機能を割り当てるようになっている。この種のタ
ッチパネルは、シーケンサに接続可能なものが提供され
ているから、工程制御コンピュータ32のみではなく下
位コンピュータ31にも接続可能である。このように設
備を監視制御する下位コンピュータ31にタッチパネル
を接続する場合には、設備にタッチパネルを組み込んで
おいてもよい。警報報知装置35は、いわゆるパトライ
トやブザーのようなものであり、表示装置33から離れ
ている現場作業者に対して何らかの非正常状態が生じた
ことを報知し、表示装置33を見るように促す機能を有
している。図1に示す製造システム1において一点鎖線
で囲んだ部分は同様の構成を有することを意味する。つ
まり、部材料検査工程11についてのみ下位コンピュー
タ31、工程制御コンピュータ32、表示装置33、入
力装置34、警報報知装置35を記載しているが、他の
工程12〜17においても同様の構成が設けられてい
る。
【0018】工程制御コンピュータ32は、部材料検査
工程11、部品製造・検査工程13、製品製造・検査工
程15での検査結果を下位コンピュータ31から受け取
って部材料・部品・製品の良否を判定し、不良の場合に
は非正常状態と判定する。部材料・部品・製品の良否
は、部材料・部品・製品の種類に応じて抽出される情報
(寸法、形状、性能など)を判定基準と比較することに
より判定される。
【0019】ところで、工程制御コンピュータ32は、
下位コンピュータ31から検査結果を受け取るだけでは
なく、下位コンピュータ31から伝送された情報に基づ
いて設備の異常、設備の稼働率、生産実績を監視する機
能も有している。これによって、設備に異常が生じたと
き、設備の稼働率が既定値以下になったとき、生産実績
と生産計画との差が既定値以上になったときに非正常状
態と判定する。さらに、工程制御コンピュータ32は、
各工程11〜17で定常作業以外の作業を行なっている
ときにも非正常状態と判定する。つまり、臨時生産、試
作生産のような非定常的生産を行なうときや、設備の動
作を停止させて点検作業、修理作業、清掃作業のような
非定常作業を行なうときには、入力装置34から指示が
与えられるから、これらの状態も非正常状態とみなす。
このように、工程制御コンピュータ32は非正常状態検
出手段として機能する。
【0020】各工程11〜17の工程制御コンピュータ
32は管理システム2に設けた管理ホストコンピュータ
20によって統括して監視制御がなされている。つま
り、工程制御コンピュータ32が非正常状態を検出する
と管理ホストコンピュータ20に通知し、管理ホストコ
ンピュータ20は後述する手順で各非正常状態に対する
対応処置を求め、納期、品質、工数、コストなどを算出
して算出結果を工程管理コンピュータ32に返す。ここ
に、対応処置が複数存在するときには、それぞれの対応
処置について納期、品質、工数、コストなどを算出し、
算出結果を工程管理コンピュータ32に返す。工程管理
コンピュータ32は管理ホストコンピュータ20からの
算出結果を表示装置33に示す。また、対応処置が複数
種類あれば、それらの対応処置を算出結果とともに示
し、現場作業者にどの対応処置を採用するかを選択させ
る。なお、対応処置を表示装置33に示す際に警報報知
装置35を駆動して現場作業者に表示装置33を見るよ
うに促す。警報報知装置35を駆動するタイミングは、
管理ホストコンピュータ20から算出結果が返送された
後でよいが、工程制御コンピュータ32が非正常状態を
検出した時点で警報報知装置35を駆動してもよい。こ
のようにして、現場作業者は警報報知装置35が動作す
れば、非正常状態の具体的な内容を表示装置33からの
出力情報により確認することができる。ここに、表示装
置33としてプリンタを並設している場合には、対応処
置や上述の算出結果を印刷してもよい。
【0021】管理ホストコンピュータ20は、工程制御
コンピュータ32のほかに、部材料を発注する購買担当
部署や部材料の注文先に設けた発注用コンピュータ36
との間でもデータ伝送が可能であって、必要に応じて発
注用コンピュータ36に対して部材料の購入を要求する
ようになっている。管理システム2に設けた管理ホスト
コンピュータ20は、製造システム1から非正常状態が
報知されると、作業内容判別手段21において非正常状
態の内容を判別し、演算手段22において上述した納
期、品質、工数、コストなどの算出演算を行なう。作業
内容判別手段21における内容判別や演算手段22にお
ける演算は、後述する各種ファイルを参照することで行
なわれる。管理コンピュータ20は、各工程11〜17
の工程制御コンピュータ32に対して必要な生産計画を
与える機能、工程制御コンピュータ32からの各種情報
を受け取り各種ファイルと照合することにより生産計画
に反映させる機能、工程制御コンピュータ32から受け
取った情報を各種ファイルと照合することにより現場作
業者に与える情報を生成して工程制御コンピュータ32
に返す機能などを備える。
【0022】管理ホストコンピュータ20が用いるファ
イルとしては、あらかじめデータが設定されており生産
途中では内容が変更されることのない基準ファイルF1
と、製造システム1の稼働中に部材料検査工程11、部
品製造・検査工程13、製品製造検査工程15により得
られる検査結果を蓄積する検査ファイルF2 と、製造シ
ステム1に与える生産計画が登録される生産計画ファイ
ルF3 と、部材料倉庫12、部品倉庫14における部材
料ないし部品の在庫量が登録された在庫ファイルF4
がある。生産計画ファイルF3 の内容は、基本的には生
産目標や製造注文に応じて生産計画立案システム3にお
いて作成されるものであるが、後述するように製造シス
テム1に非正常状態が生じたときにも適宜に内容が変更
されることがある。また、在庫ファイルF4 の内容は生
産途中で時々変更される。このように、基準ファイルF
1 は製造中には内容に変更がなく、検査ファイルF2
在庫ファイルF4 とは内容が時々変化し、生産計画ファ
イルF3 は内容が適時変更されるのである。
【0023】基準ファイルF1 には、製品の構成要素
(部品、部材料)を構造関係が明確になるように記述し
た構成マスタファイルF11と、内製された部品や製品の
不良の内容を不良の程度である不良レベルに対応付けた
不良レベルマスタファイルF12と、内製された部品や製
品の不良の内容を不良の原因に対応付けた不良原因マス
タファイルF13と、製造システム1における各種作業を
その作業に要する工数やコストに対応付けた作業コスト
マスタファイルF14と、各部材料と注文先とを対応付け
た注文マスタファイルF15と、良品ではないが出荷可能
な程度の「軽欠点」品である部品または製品と価格とを
対応付けた軽欠点品価格マスタファイルF 16とが設けら
れる。
【0024】これらのファイルの内容についてさらに詳
しく説明する。構成マスタファイルF11は、図3に示す
ように、〔製品・部品名、製品・部品コード、〔部品・
部材料コード、数量、単価〕n 〕を1レコードとしたフ
ァイルである。ここに、nは〔部品・部材料コード、数
量、単価〕の組が適当個数設けられていることを意味
し、nは適宜に設定される。図3では、「40W2灯用
富士型」という製品には、「011100」という部品
コードの部品と、「021101」という部品コードの
部品とが1個ずつ用いられていることがわかる。図2は
構成マスタファイルF11の一部の内容を示すものであ
り、5種類の製品と1種類の部品についてのレコードの
一部を示してある。この構成マスタファイルF 11による
と40W2灯用富士型という製品に用いる「01110
0」という部品コードの部品は、部品・部材料コードの
照合によって「40W2灯用本体」という部品であっ
て、「0001」という部材料コードの部材料により製
R>造されるものであることがわかる。ここに、部品コー
ドは6桁の数字、部材料コードは4桁の数字で表してあ
り、数字の桁数に基づいて部品か部材料かを識別できる
ようになっている。また、製品コードはアルファベット
文字と数字とを適宜に組み合わせて作られる。部材料コ
ードについては、構成マスタファイルF11では照合され
ず、後述する不良レベルマスタファイルF12もしくは在
庫ファイルF4 に対して部材料コードを照合すれば部材
名がわかるようにしてある。
【0025】不良レベルマスタファイルF12は、図4に
示すように、〔製品・部品・部材料名、製品・部品・部
材料コード、不良内容、不良レベル、関連工程〕を含む
データを1レコードとしたファイルであって、不良内容
はあらかじめ経験的に設定されており、各不良内容につ
いて不良レベルが3種類に分類されている。すなわち、
不良レベルは、塗装がはげている場合や一部に傷や凹み
があるといったように、良品としては出荷できないが軽
欠点であって製品仕様には影響のない程度の「軽欠点」
品と、抜き穴の位置がずれていたり部品の取付位置がず
れているといったように、不良を検出した検査工程より
も上流側の製造工程に再投入して修正すれば良品として
出荷可能な程度の「再生可能」品と、抜き穴形状が不良
であるといったように、規格に合致せず修正も不可能で
あって廃棄以外に対応処置がない「廃棄」品とに分類さ
れている。「再生可能」品の場合は、どの工程に再投入
することで修正が可能になるかが関連工程のフィールド
に示されている。不良内容と不良レベルおよび関連工程
との対応付けは経験的に決定される。このように不良レ
ベルマスタファイルF12を持ち、かつ不良レベルを分類
している点が本発明の1つの特徴である。
【0026】不良原因マスタファイルF13は、図5に示
すように、〔製品・部品名、製品・部品コード、不良内
容、関連工程〕を含むデータを1レコードとしたファイ
ルであって、不良内容は不良レベルマスタファイルF12
と同様に設定されている。また、その不良を生じる設備
を含む工程(生産ライン)が関連工程として登録されて
いる。したがって、部品製造・検査工程13や製品製造
・検査工程15で部品や製品に不良が検出されたとき
に、不良原因マスタファイルF13に照合すれば、その不
良を生じさせた原因となる設備を抽出することができ
る。ここに、不良内容と関連工程とは経験的に対応付け
がなされる。
【0027】作業コストマスタファイルF14は、図6に
示すように、特定の作業を行なうことのできる人員とコ
ストと作業に要する時間とを対応付けたものであり、
〔作業内容、関連工程、必要人数、〔作業者名、単価〕
n 、単位所要時間、作業区分〕を1レコードに含んでい
る。作業区分は、製造過程における定常作業であるか、
「再生可能」品の修正作業のような非定常作業であるか
の別であり、定常作業や非定常作業の具体的な作業の内
容を作業内容とし、その作業内容の対象となる工程(生
産ライン)を関連工程としている。また、作業人数は作
業内容に示された作業を行なうために必要な人数を示
し、nはこの人数分の作業者名と単価とが1レコードと
して登録されることを示している。また、その作業にお
いて1個の部品ないし製品を作成するのに要する時間、
あるいは作業内容で示された作業の開始から終了までの
所要時間を単位所要時間としてある。
【0028】注文マスタファイルF15は、部材料名、部
材料コード、発注先ないし購買担当部署を1レコードと
するものであり、部材料を注文するときに参照すること
で発注先ないし購買担当部署に対して部材料の購入を指
示することができる。軽欠点品価格マスタファイルF16
は、図7に示すように、〔製品・部品名、製品・部品コ
ード、不良内容、良品価格、軽欠点品価格〕を1レコー
ドに含み、不良レベルが「軽欠点」品であるときには、
軽欠点品価格マスタファイルF16に照合することで、軽
欠点品のコストを求めることができる。ここに、良品単
価、軽欠点品単価は、製品であれば部材料のコストだけ
ではなく作業コストなども含む全コストを考慮した販売
単価であり、部品であれば部材料のコストのみを考慮し
た販売単価(部品は販売するものではないが、その部品
単価が製品単価に占める割合によって求められる)であ
る。
【0029】検査ファイルF2 は、図8のように、日付
別にグループ化された形で格納され、部材料検査工程1
1、部品製造・検査工程13、製品製造・検査工程15
の各検査結果を、それぞれ検査ロットごとに1レコード
にまとめて格納される。つまり、検査ファイルF2 は、
〔日付、製品・部品・部材料名、製品・部品・部材料コ
ード、検査ロット番号、結果、不良内容、発見工程、不
良実績〕を1レコードに含み、検査毎にレコードが作成
される。検査ロット番号は便宜的に付与される番号であ
って、ここでは後述する生産計画ファイルF3 における
ロット番号を用いている。つまり、生産計画ファイルF
3 のロット番号を製造工程に品種情報として送り、検査
工程へはそのロット番号を含むロット情報を受け渡して
いくことで、生産計画のロット番号を検査ロット番号と
して用いることができる。ただし、生産ロット毎に格別
に識別できるものであればどのようなものでもよい。結
果は良品(OK)と不良品(NG)との別であり、また
不良内容は不良レベルマスタファイルF12や不良原因マ
スタファイルF13の不良内容と照合可能に書き込まれる
のであって、いずれも製造システム1からの情報が格納
される。発見工程は、部品製造・検査工程13と製品製
造・検査工程15とのどの段階の検査で不良品が発見さ
れたかを示す。また、不良実績は、検査ロット内で発見
された不良品の個数を示す。
【0030】生産計画ファイルF3 は、図9のように、
〔日付、製品・部品名、製品・部品コード、計画数、良
品下限、ロット番号、検査工程ライン、後工程、製造工
程ライン、納期〕を1レコードに含み、各日付毎にグル
ープ化された形で格納される。日付は実際に製造作業を
行なう日であり、計画数は、ロット番号で示されたロッ
トの製造個数、良品下限はそのロットで必要な良品の最
小個数を意味する。つまり、製品の製造には良品下限の
個数があれば足りるが、不良品の発生を見込んで余分に
製造するのであり、不良品の発生分を見込んだ個数が計
画数になる。検査工程ラインは部品製造・検査工程1
3、製品製造・検査工程15のどの工程(ライン)で検
査するかを示し、後工程は検査後の搬送先(実際には部
品倉庫14または梱包工程16)を示す。製造工程ライ
ンは部品製造・検査工程13、製品製造・検査工程15
のどの工程(ライン)で製造するかを示している。さら
に、納期は日付および時刻により示される(1996年
5月27日午前12時であれば、「960527120
0」と表される)。
【0031】在庫ファイルF4 は、部材料倉庫12と部
品倉庫14との在庫をそれぞれ示すように各別に作成さ
れる。図10には部材料倉庫12に関する在庫ファイル
4を示してあり、〔部材料名、部材料コード、材料ロ
ット、関連部品コード、在庫重量、単位重量(部品1個
当たりの生産に要する重量)、生産可能数〕を1レコー
ドに含むように作成されている。ここでは、部材料から
部品を製造する際には、1種類の部材料から1種類の部
品を製造するものとしてあり、したがって関連部品コー
ドは部材料名に一対一に対応する。ただし、部品は複数
の製品に共通に用いる場合もある。
【0032】図10では部材料倉庫12に関する在庫フ
ァイルF4 を示しているが、図10に示した部材料名、
部材料コードを部品名、部品コードに読み替え、また在
庫重量と単位重量と生産可能数に代えて在庫数量を用い
ることにより部品倉庫14の在庫ファイルF4 を作成す
ることができる。つまり、〔部品名、部品コード、関連
製品・部品コード、在庫数量〕を1レコードに含むこと
になる。ここに、関連製品・部品コードを設けているの
は、複数の部品を複合して製造される中間組立品として
の部品を扱う場合を想定してのことである。
【0033】以上説明した各種ファイルF1 (F11〜F
16),F2 〜F4 を組み合わせて用いることにより、非
正常状態の発生時に現場作業者に対して示す情報を作成
することができる。この手順は図2のようになる。すな
わち、製造システム1の工程制御コンピュータ32は、
部品製造・検査工程13や製品製造・検査工程15での
1ロットの作業が完了するたびに非正常状態の有無を管
理システム2の管理ホストコンピュータ20に転送する
(S1)。本発明の要旨は、非正常状態の発生時におけ
る対応にあるから、以下の説明では非正常状態が生じた
場合を想定して説明する。
【0034】工程制御コンピュータ32から管理ホスト
コンピュータ20への非正常状態の報知は、図9に示す
形式で行なわれる。すなわち、〔日付、検査ロット番
号、製品・部品・部材料コード、非正常状態内容、非正
常状態箇所、発見工程〕を組にした形式で非正常状態の
発生が管理ホストコンピュータ20に報知される。非正
常状態内容は、非正常状態を大概念で分類するものであ
り、上述したように非正常状態としては、部材料・部品
・製品の良否、設備異常、設備稼働率、生産実績と生産
計画との差、非定常的生産、非定常作業があり、これら
のうちのどの内容かを分類するのが非正常状態内容の項
目になる。また、非正常状態箇所は、たとえば非正常状
態内容が部材料・部品・製品の良否に関するものであれ
ば不良箇所を示すことになる。設備異常、設備稼働率、
生産実績と生産計画との差も同様である。非定常的生産
や非定常作業については説明を省略する。
【0035】ところで、いま部品または製品について不
良が生じた場合を想定する。工程制御コンピュータ32
が管理ホストコンピュータ20に対して図11(a)の
ような内容の非正常状態を報知すると、管理ホストコン
ピュータ20では、非正常状態内容が「ワーク不良」で
あることから、部品もしくは製品に不良が生じたことを
知り、検査ファイルF2 との照合を行なう(S2)。こ
の照合は、〔日付、検査ロット番号、製品・部品・部材
料コード、非正常状態箇所=不良内容、発見工程〕がキ
ーになる。非正常状態の報知を受けて検査ファイルF2
との照合を行なったから、検査ファイルF2 の当該レコ
ードにおける結果は当然ながら「NG」になる。この照
合は非正常状態が生じたことを検査ファイルF2 によっ
ても確認するために行なう。
【0036】図11(a)のような内容の非正常状態が
報知された場合には、不良内容は「抜き穴ズレ」であ
り、図11(b)の場合には不良内容は「塗装ハゲ」で
あって、それぞれ図8に示す検査ファイルF2 の上から
4段目と5段目とのレコードに合致することになる。検
査ファイルF2 との照合により非正常状態が確認される
と、次に、〔製品・部品・部材料コード、不良内容〕を
キーとして図4に示す不良レベルマスタファイルF12
の照合が行なわれる(S3)。この照合によって、不良
レベルが求められる。図示例では図11(a)の非正常
状態に対して「再生可能」品、図11(b)の非正常状
態に対して「軽欠点」品という不良レベルが求められ
る。この段階で「廃棄」品と判定されたときには、廃棄
処理を行なうことになる。つまり、生産計画を変更して
再生産を行なうことになる(S13,S14)。「再生
可能」品や「軽欠点」品は出荷が可能であるから、出荷
するほうがよいのか、出荷せずに廃棄して不良が発生し
た個数(不良実績)分を再生産するほうがよいのかなど
の選択肢が設定される。本発明の特徴の一つはこのよう
な選択肢を現場作業者に示す点にある。
【0037】そこで、まず検査ファイルF2 と不良レベ
ルマスタファイルF12とのデータを組み合わせて、図1
2に示すような不良レベル判定結果データを作成する
(S4)。図12(a)は図11(a)の非正常状態に
対応し、図12(b)は図11(b)の非正常状態に対
応する。不良レベル判定結果データは、〔日付、検査ロ
ット番号、製品・部品・部材料コード、不良内容、不良
レベル、不良実績〕を含むデータであり、このような不
良レベル判定結果データを作成し、各ファイルとの照合
を行なうことで現場作業者に示す情報を容易に作成する
ことができる。つまり、不良レベル判定結果データは、
図6に示す不良原因マスタファイルF 13に照合される。
ここでのキーには〔製品・部品・部材料コード、不良内
容〕を用い、不良原因マスタファイルF13からは関連工
程を求める(S6,S7)。図11(a)の例の場合に
は上から2段目、図11(b)の例の場合には上から5
段目のレコードに合致するから、それぞれ関連工程とし
て「部品製造工程(1号ライン)」、「梱包工程(2号
ライン)」が求められる。また、作り直し(再生産)の
場合の情報を得るために、図11(a)(b)のいずれ
の場合も作業内容が「部品作成」である上から3段目の
レコードを取得する。
【0038】図11(a)の例のように不良レベルが
「再生可能」品であるときには、前工程に再投入するこ
とで修正する場合と、廃棄して新たに作り直す場合との
二者択一であるから、図6に示す作業コストマスタファ
イルF14との照合を行なえばよいが(S8)、図11
(b)の例のように不良レベルが「軽欠点」品であると
きには、販売可能であるから販売に伴う演算を行なう必
要がある。つまり、不良原因マスタファイルF13および
軽欠点品価格マスタファイルF16との照合を行なって軽
欠点品の販売時における価格を求める(S7,S8)。
【0039】まず、「再生可能」品の場合について説明
すると、上述のようにして作成した不良レベル判定結果
データのうち不良内容と関連工程とをキーに用いて、図
6に示す作業コストマスタファイルF14と照合する。こ
の照合は、関連工程を第1のキーとして部品ないし製品
を最初から製造し直す場合の情報を求めるとともに、第
2のキーである不良内容を用いて上流工程に再投入した
場合の情報を求める。言い換えると、同じ製品ないし部
品を製造する際の定常作業と、再投入による非定常作業
とについて(これは作業区分の参照によってわかる)、
作業人数、作業者、単価、単位所要時間を求めるのであ
る。これらの情報があれば、不良レベル判定結果データ
の不良実績を用いて作業時間、必要コスト、必要工数を
求めることができる。
【0040】ただし、最初から製造し直すには、部材料
倉庫12に充分な量の部材料が残っていることが必要で
あるから、不良と判定された製品ないし部品を製造する
のに必要な部材料を構成マスタファイルF11から求め、
その部材料について部材料倉庫12の在庫量を図10に
示す在庫ファイルF4 に問合せる。また同時に、図9に
示す生産計画ファイルF3 を検査ロット番号をキーに用
いて参照することによって、その部材料を用いて生産さ
れる製品の納期に遅れが生じないかどうかを確認する。
このように、在庫量と生産計画との関係によって再生産
(製造のやり直し)が可能であるか否かを判断し、同時
に再生産の場合の作業時間、必要コスト、必要工数を求
める(S9)。
【0041】図示例では不良の生じた部品の部品コード
が「011100」であり、不良実績が10であって、
構成マスタファイルF11によれば、この部品を製造する
ための部材料は部材料コードが「0001」であるか
ら、「0001」の部材料コードを持つ部材料の在庫量
を在庫ファイルF4 に問い合せる。ここで、生産可能数
が「2000」であるから、再生産が可能であるとす
る。
【0042】そこで、管理マスタコンピュータ20は、
上述の手順に従って図13に示すような報告データを作
成し、不良品を発生した工程の工程制御コンピュータ3
2に対して作成した報告データを送るのである(S1
0)。ここに、図13(a)は不良レベル判定結果デー
タに生産計画の納期を付加した不良の実体を報告するデ
ータであり、図13(b)は上流工程への再投入の場
合、図13(c)は再生産の場合をそれぞれ示すデータ
である。工程制御コンピュータ32はこのような報告デ
ータを受け取ると、警報報知装置35により現場作業者
に対して非正常状態の発生を報知し、かつ表示装置33
に上記データを示して現場作業者に対して非正常状態に
対してどのような対処をとるかを選択させる。つまり、
不良レベルは「再生可能」品であるから、上流工程に再
投入するか、最初から製造し直すかの判断を促すのであ
る。この場合、現場作業者は納期に余裕があってコスト
を優先することができるのか、納期(作業時間)を優先
するのか、あるいは工数が確保可能かなどの判断を行な
い選択肢の中から処置方法を判断する(S11)。
【0043】なお、図13において作業時間は図6に示
す作業コストマスタファイルF14における単位所要時間
と不良実績との積であり、工数は当該作業に関わる作業
者の人数と作業時間との積である。上流工程に再投入す
る場合には部材料は消費されないから作業コストのみで
あり、作業者の単価と作業時間とにより必要な全コスト
を求めることができる。一方、再生産の場合には部材料
が消費されるから、1個の部品を作成するのに要する部
材料の単価(材料単価)を在庫マスタファイルF4 に問
い合せ、材料単価と不良実績との積を求めることで材料
コストを求めるとともに、作業コストを求めて両者の和
を全コストとする。また、再生産の場合には在庫量や納
期との兼ね合いによっては再生産ができないときもある
から、再生産が可能か否かを示すフラグとして部材料チ
ェック結果も合わせて工程制御コンピュータ32に送
る。ここで、部材料チェック結果が再生産を否定してい
る場合には、工程制御コンピュータ32の表示装置33
には上流工程への再投入しか選択肢がないことを示し、
再生産については示さず現場作業者に不必要な情報を与
えないようにするのが望ましい。
【0044】一方、不良レベルが「軽欠点」品の場合に
は、不良レベル判定結果データを作成し、不良原因マス
タファイルF13から関連工程を求めた後の処理は以下の
ようになる。すなわち、不良レベル判定結果データは、
〔製品・部品・部材料コード、不良内容〕をキーにして
図7に示す軽欠点品価格マスタファイルF16にも照合さ
れ、良品単価と軽欠点品単価とが求められる。両者の差
額は軽欠点品を出荷したときの1個当たりの損失額にな
る。
【0045】このようにして、不良の生じた関連工程
と、軽欠点品を出荷したときの1個当たりの損失額とが
求められると、次に、図6に示す作業コストマスタファ
イルF 14が参照される。ここで、軽欠点品を出荷すると
きには梱包工程16で良品との仕分作業があるから、こ
のときに作業コストが発生する。そこで、梱包工程16
での仕分作業に要する費用を作業コストマスタファイル
14から求める。このデータを用いることによって、作
業時間、必要コスト、必要工数を求めることができる。
【0046】また、「再生可能」品の場合と同様に、作
業コストマスタファイルF14を用いて再生産の場合につ
いても作業時間、必要コスト、必要工数を求めるととも
に、構成マスタファイルF11、在庫マスタファイル
4 、生産計画ファイルF3 を用いて現状の在庫量およ
び納期で再生産が可能か否かが判定される。図示例では
不良の発生した部品コードが「021101」であり、
不良実績が20であって、図3の構成マスタファイルF
11を参照すると、この部品を製造するのに必要な部材料
の部材料コードは「0004」であるから、部材料コー
ドを用いて図10に示す在庫ファイルF4 に問い合わせ
ると生産可能数が「1000」であることがわかる。し
たがって再生産が可能であると判断される。
【0047】そこで、管理マスタコンピュータ20は、
上述の手順に従って図14に示すようなデータを作成
し、不良品を発生した工程の工程制御コンピュータ32
に対して作成したデータを送るのである。ここに、図1
4(a)は不良レベル判定結果データに生産計画の納期
を付加した不良の実体を報告するデータであり、図14
(b)は軽欠点品として出荷した場合、図14(c)は
再生産の場合をそれぞれ示すデータである。以後は「再
生可能」品の場合と同様であり、工程制御コンピュータ
32はこのようなデータを受け取ると、警報報知装置3
5により現場作業者に対して非正常状態の発生を報知
し、かつ表示装置33に上記データを示して現場作業者
に対して非正常状態に対してどのような対処をとるかを
選択させるのである。
【0048】なお、図14(b)における損失コスト
は、軽欠点品マスタファイルF16から求めた良品単価と
軽欠点品単価との差と不良実績との積であり、作業コス
トマスタファイルF14から求めた仕分作業の費用は作業
コストになる。このようにして求めた作業コストと損失
コストとの和が全コストとして求められる。図14
(c)は図14(c)と同様に作成されるデータであ
る。
【0049】以上説明したように、部品製造・検査工程
13や製品製造・検査工程15において製品や部品に不
良が検出されたときに、不良レベルが「再生可能」品や
「軽欠点」品であるときには、処理に対する複数の選択
肢を現場作業者に示し、かつ同時に各選択肢ごとにコス
ト、納期(作業時間)、工数などの判断材料を現場作業
者に示すことで、コストと納期とのどちらを優先する
か、あるいは工数が確保できるかなどの条件から現場作
業者が不良に対する処置を選択することができるように
なっているのである。再生産を行なわない場合には、必
要に応じて生産計画に修正を加え(S15)、対応処置
を施すことになる(S16)。
【0050】ところで、不良レベルが「再生可能」品や
「軽欠点」品の場合に、再生産を行なうという選択肢が
あり(S12)、この場合に部材料倉庫11から部材料
を出庫することになるから、部材料を出庫したときには
不足分を補うために部材料を発注することが必要にな
る。また、当然ながら不良レベルが「廃棄」品である場
合も、良品の生産数量を生産計画として与えられている
予定数量に到達させるためには、部材料の発注が必要に
なる。そこで、現場作業者が不良に対する処置として再
生産を選択したときや、不良レベルが「廃棄」品である
ときには(廃棄品の場合も他の不良レベルと同様に不良
レベル判定結果データが作成される)、在庫ファイルF
4 を参照して当該部材料の在庫量を求めるとともに、不
良実績の個数の部品ないし製品を製造したときに生じる
部材料の不足分を算出する。また、生産計画で予定され
ているすべての部品および製品を製造するのに要する当
該部材料の総量を求める。
【0051】ここで、不足分と総量との和が在庫量以下
であれば発注しなくとも現状の在庫量でまかなえるか
ら、予定されている次回の発注まで追加注文を行なう必
要はない。しかしながら、不足分と総量との和が在庫量
を超えるときには発注しておかなければ、生産計画とし
て予定している製品の製造が停止することになる。そこ
で、このような場合には、部材料コード5 をキーに用い
て注文マスタファイルF 15との照合を行ない、発注先な
いし購買担当部署を抽出する。このようにして抽出され
た発注先ないし購買担当部署の発注用コンピュータ36
に対する報知を行ない、不足分の部材料を充足できる部
材料を最小限の注文単位で発注するのである。
【0052】(実施形態2)本実施形態は、検査ファイ
ルF2 に蓄積された情報に基づいて不良内容を集計する
ことにより、不良内容の発生原因を除去するような対応
処置を現場作業者が選択できるようにしたものである。
本実施形態では、検査ファイルF2 に蓄積された情報を
一定時間ごとに集計する。この点は以下説明する実施形
態においても同様である。本実施形態では検査ファイル
2 に蓄積された情報を集計する時間間隔を1時間とし
てある。ここでは、検査ファイルF2 が図15に示す内
容であるものとして説明する。
【0053】図15に示す検査ファイルF2 は1996
年5月27日の9時から1時間の内容であって、本実施
形態では不良内容に着目し、不良内容別に「不良」の項
目の数を集計する。図15における「良品」とは検査工
程によって良品と判断された製品ないし部品の個数であ
り、「不良」とは不良があると判断された個数である。
また、各不良内容別の不良の総数に対する発生割合を演
算装置22において求める。このとき、不良内容別の集
計は同製品ないし同部品かつ同材料ロットごとに求め
る。図15の例では、製品・部品コードが「01110
0」かつ材料ロットが「052701」である「40W
2灯用本体」の「塗装ハゲ」という不良内容の合計が、
20+50+20+15=105であり、不良の総数が
20+50+20+30+50+15=185であるか
ら、不良全体のうち「011100」の「塗装ハゲ」は
(105/185)×100≒57%ということにな
る。ここで、材料ロットを考慮しているのは、「塗装ハ
ゲ」の原因が部材料の欠陥にあるという仮定に基づいて
いる。つまり、不良内容ごとに原因が経験的に知られて
いるものとし、演算手段22では集計の際にこの種の経
験的情報を用いるのであり、この種の経験的情報は図示
していないファイルに蓄積されているものとする。
【0054】上述のように求めた不良内容別発生率が5
0%以上であるときには、以下の処理を行なう。ここ
で、不良原因マスタファイルF13は図16のように作成
してある。つまり、〔製品・部品名、製品・部品コー
ド、不良内容、関連工程〕のほかに、構成マスタファイ
ルF11と同様の〔関連部品・部材料名、部品・部材料コ
ード〕n を1レコードに含んでいる(ただし、nは製品
・部品で決まる最大数より大きい自然数)。そこで、検
査ファイルF2 の集計から得た不良内容別発生率が50
%となった「不良内容」および「製品・部品コード」を
キーとして図16に示す不良原因マスタファイルF13
照合し、〔関連部品・部材料名、部品・部材料コード〕
n を求める。ここでは、部品・部材料コードが「000
1」である関連部品・部材料として「40W2灯用本体
フープ材」が得られる。さらに、部品・部材料コードを
図3に示す構成マスタファイルF11の部品・部材料コー
ドに照合し(照合を誤りなく行なうために製品・部品コ
ードも合わせて照合する)、部品・部材料の単価を求め
る。ここでは、250円になる。
【0055】また、不良内容別発生率が50%以上であ
った製品ないし部品について、その製品ないし部品の総
数に対する不良率も求める。図15の例では「0111
00」の総数は380+20+350+50+380+
20+385+15=1600であるから、不良率は
(105/1600)×100≒6.56%になる。つ
まり、この不良率は何ら対応処置を行なわずに生産を継
続した場合に予測される不良の発生率の予測値になる。
そこで、上述のようにして不良原因マスタファイルF13
から求めた部品・部材コード「0001」および材料ロ
ット「052701」を図10に示す在庫ファイルF4
に照合し、その部材料の生産可能数を抽出する。ここで
は生産可能数は2000個であるから、2000×
(6.56/100)×250=32800円になる。
つまり、現状のままで材料ロットが「052701」で
ある部材料を用いて生産を継続すると、不良品の総額は
32800円になると推定されることになる。
【0056】ところで、不良の原因を除去するために、
部材料を交換した場合には、非定常作業として部材料の
品種切替に要する作業コストが発生する。また、部材料
であるフープ材を交換した場合に部材料の手直しも必要
になるから、非定常作業として手直しに要する作業コス
トも発生する。そこで、上述のような不良品の総額を求
めた後に、これらの作業を行なった場合のコストを作業
コストマスタファイルF14から求める。ここで、不良内
容に対してどのような作業を選択することができるかは
経験的に知られているから、不良内容の原因と同様に図
示しないファイルにこの種の経験的情報を格納してお
く。しかして、図6に示す作業コストマスタファイル14
から作業内容が「品種切替」と「フープ材手直し」とで
ある場合の各作業者、各作業コスト、各単位所要時間を
求める。
【0057】以上の処理によって、現場作業者に示すべ
き情報として図17に示す内容を得ることができる。図
17(a)は検査ファイルF2 から求めた集計値、図1
7(b)は対応処置をとらずに継続した場合、図17
(c)は部材料を交換した場合の費用、図17(d)は
部材料を交換しかつ手直しした場合の費用をそれぞれ示
しており、現場作業者はこのような報告を見ることによ
って、コスト、時間、工数、作業人員などからどの対応
処置が適切かを選択することが可能になる。具体的には
コストとしては、図17(b)の損失コスト(3280
0円)と図17(d)の全コスト(29000円)とを
比較することになる。他の構成および動作は実施形態1
と同様である。
【0058】(実施形態3)本実施形態は、実施形態2
と同様に検査ファイルF2 に蓄積された情報を1時間ご
とに集計するものであるが、ここでは不良の生じた製品
ないし部品ごとに集計している。以下では、検査ファイ
ルF2 が図18に示す内容であるものとして説明する。
【0059】図18に示す検査ファイルF2 は1996
年5月27日の10時から1時間の内容であって、本実
施形態では不良の生じた製品ないし部品に着目し、製品
・部品コード別に「不良」の項目の数を集計している。
図18において製品・部品コードが「011100」で
ある「40W2灯用本体」に着目すると、不良品の個数
は20+30+40+50=140であり、不良品全体
の個数は20+30+10+40+50+50=200
であるから、製品・部品別発生率は、(140/20
0)×100=70%になる。このようにして各製品・
部品コードごとに製品・部品別発生率を求め、そのうち
最大値が得られた製品ないし部品について経験的に設定
されている原因を求める。つまり、実施形態2と同様
に、製品ないし部品と不良の発生原因との対応付けを行
なった図示しないファイル(一般に不良の発生原因は一
つの製品ないし部品について複数あるから、各製品ない
し各部品に対してそれぞれ不良原因が発生頻度順に対応
付けられる)との照合を行ない、発生頻度が高いと考え
られる原因を抽出する(たとえば、原因となる確率が5
0%以上のもののみを抽出する)。本実施形態では、
「011100」の部品の不良原因は製品形状であるこ
とが多いと仮定している。
【0060】上述のようにして求めた製品・部品別発生
率が最大値になる製品ないし部品について、実施形態2
と同様に、図16の不良原因マスタファイルF13と照合
し、〔関連部品・部材料名、部品・部材料コード〕n
求める。ここでは、部品・部材料コードが「0001」
である関連部品・部材料として「40W2灯用本体フー
プ材」が得られる。さらに、部品・部材料コードを図3
に示す構成マスタファイルF11の部品・部材コードに照
合し(照合を誤りなく行なうために製品・部品コードも
合わせて照合する)、部品・部材料の単価を求める。こ
こでは、250円になる。
【0061】さらに、製品・部品別発生率が最大値であ
った製品ないし部品について、その製品ないし部品の総
数に対する不良率も求める。図18の例では「0111
00」の総数は380+20+370+30+360+
40+350+50=1600であるから、不良率は
(140/1600)×100=8.75%になる。と
ころで、上述したように、本実施形態では不良原因は製
品形状にあるから、不良原因を除去する対応処置として
は設計変更がもっとも望ましい。そこで、図6に示す作
業コストマスタファイルF14との照合によって設計変更
を抽出する。なお、ここでも、不良品となった製品ない
し部品に対してどのような作業を行なうかは、実施形態
2と同様に経験的情報に基づいて作成されている図示し
ないファイルに基づいて選択される。作業コストマスタ
ファイルF14によれば、40W2灯用本体の設計変更は
2人で36時間を要することがわかる。設計変更が可能
な人員のコストは3000円と2000円であるから、
(3000+2000)×36=180000円の作業
コストを要することになる。
【0062】一方、設計変更を行なわずに設計変更に要
する時間分(36時間分)の生産を行なった場合には、
図19に示す生産計画ファイルF3 によれば、上記集計
以降の36時間の間に「011100」の部品を1ロッ
ト400個ずつ25ロット生産することになるから、上
述のように不良率が8.75%であると、不良品の総額
は、400×25×(8.75/100)×250=2
18750円になると推定される。
【0063】以上のような処理によって得られた図20
のような情報を現場作業者に報告するのである。図20
(a)は検査ファイルF2 から求めた集計値、図20
(b)は対応処置をとらずに継続した場合、図20
(c)は生産を一旦中止して設計変更を行なった場合を
それぞれ示しており、現場作業者はこのような報告を見
ることによって、コスト、時間、工数、作業人員などか
らどの対応処置が適切かを選択することが可能になる。
他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0064】(実施形態4)本実施形態においても、実
施形態2と同様に検査ファイルF2 に蓄積された情報を
1時間ごとに集計するが、不良の生じた製品ないし部品
および関連設備ごとに集計する点が異なる。以下では、
検査ファイルF2 が図21に示す内容であるものとして
説明する。
【0065】図21に示す検査ファイルF2 は1996
年5月27日の11時から1時間の内容であって、1レ
コードには関連設備という項目も含まれている。関連設
備は、製品ないし部品を製造する工程の中でとくにその
製品の製造に関わる設備を意味している。このような関
連設備の情報は、製品ないし部品と不良内容と生産計画
とを組み合わせた情報に相当するものである。したがっ
て、不良内容が異なっていても関連設備が共通している
場合も生じる。
【0066】いま、図21の検査ファイルF2 につい
て、製品・部品コードが「011100」かつ関連設備
が「プレス1」であるものに着目する。この条件を満た
す不良品の個数は30+20+40+50=140であ
り、不良品全体の個数は30+20+30+40+10
+10+50=190であるから、設備別発生率は、
(140/190)×100=73.7%になる。この
ようにして各製品・部品コードについて設備別発生率を
求め、設備別発生率が30%以上になる場合には、当該
製品ないし部品について経験的に設定されている原因を
求める。つまり、実施形態2と同様に、製品ないし部品
および設備と不良の発生原因との対応付けを行なった図
示しないファイルとの照合を行ない、不良の発生原因を
抽出する。本実施形態では、「011100」の部品が
「プレス1」に関連して不良を生じる原因は設備の欠陥
であることが多いと仮定している。
【0067】上述のようにして求めた設備別発生率が3
0%以上になる製品ないし部品について、実施形態2と
同様に、図16の不良原因マスタファイルF13と照合
し、〔関連部品・部材料名、部品・部材料コード〕n
求める。ここでは、部品・部材料コードが「0001」
である関連部品・部材料として「40W2灯用本体フー
プ材」が得られる。さらに、部品・部材料コードを図3
に示す構成マスタファイルF11の部品・部材コードに照
合し(照合を誤りなく行なうために製品・部品コードも
合わせて照合する)、部品・部材料の単価を求める。こ
こでは、250円になる。
【0068】さらに、設備別発生率が30%以上であっ
た製品ないし部品で関連設備が同じであるものについ
て、その総数に対する不良率も求める。図21の例では
「011100」で関連設備が「プレス1」であるもの
の総数は370+30+380+20+360+40+
350+50=1600であるから、不良率は(140
/1600)×100=8.75%になる。
【0069】ところで、上述したように、本実施形態で
は不良原因は設備の結果であるから、不良原因を除去す
る対応処置としては生産を一旦打ち切って設備保全を行
なうのが望ましい。そこで、図6に示す作業コストマス
タファイルF14との照合によってプレス1の設備保全を
抽出する。なお、ここでも、不良品となった製品ないし
部品に対してどのような作業を行なうかは、実施形態2
と同様に経験的情報に基づいて作成されている図示しな
いファイルに基づいて選択される。作業コストマスタフ
ァイルF14によれば、プレス1の設備保全は1人で4時
間を要することがわかる。設備保全が可能な人員のコス
トは6000円であるから、6000×4=24000
0円の作業コストを要することになる。
【0070】一方、設備保全を行なわずに設備保全に要
する時間分(4時間分)の生産を行なった場合には、図
19に示す生産計画ファイルF3 によれば、上記集計以
降の4時間の間に「011100」の部品を1ロット4
00個ずつ4ロット生産することになるから(ここで
は、いずれのロットもプレス1を用いるものとする)、
上述のように不良率が8.75%であると、不良品の総
額は、400×4×(8.75/100)×250=3
5000円になると推定される。
【0071】以上のような処理によって得られた図22
のような情報を現場作業者に報告するのである。図22
(a)は検査ファイルF2 から求めた集計値、図22
(b)は対応処置をとらずに継続した場合、図22
(c)は生産を一旦停止して設備保全を行なった場合を
それぞれ示しており、現場作業者はこのような報告を見
ることによって、コスト、時間、工数、作業人員などか
らどの対応処置が適切かを選択することが可能になる。
他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0072】
【発明の効果】本発明は、非正常状態が生じたときに、
現場作業者に対応処置の判断材料を与えることで、現場
作業者に対応処置を選択させるのであって、非正常状態
が生じた時点で、コスト、納期、作業人員などを考慮し
て対応処置を施すことができるから、生産現場に則した
柔軟性の高い生産が可能になるという利点を有する。ま
た、従来は軽欠点品でも出荷せずに廃棄することが多か
ったが、軽欠点品についてコストを考慮して出荷可能と
しているから、不良品であってもすべてが損失にはなら
ずコストの一部が回収可能になるという利点がある。同
様に請求項3の発明は、不良品のうち再生可能なものを
抽出して上流工程に再投入することを可能としているか
ら、さらにコストの回収率が高くなるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示すシステム図である。
【図2】本発明の実施形態1の動作説明図である。
【図3】同上に用いる構成マスタファイルの一例を示す
図である。
【図4】同上に用いる不良レベルマスタファイルの一例
を示す図である。
【図5】同上に用いる不良原因マスタファイルの一例を
示す図である。
【図6】同上に用いる作業コストマスタファイルの一例
を示す図である。
【図7】同上に用いる軽欠点品価格マスタファイルの一
例を示す図である。
【図8】同上に用いる検査ファイルの一例を示す図であ
る。
【図9】同上に用いる生産計画ファイルの一例を示す図
である。
【図10】同上に用いる在庫ファイルの一例を示す図で
ある。
【図11】同上における非正常状態に関するデータの一
例を示す図である。
【図12】同上における不良レベル判定結果データの一
例を示す図である。
【図13】同上における報告データの一例を示す図であ
る。
【図14】同上における報告データの一例を示す図であ
る。
【図15】本発明の実施形態2に用いる検査ファイルの
一例を示す図である。
【図16】同上に用いる不良原因マスタファイルの一例
を示す図である。
【図17】同上における報告データの一例を示す図であ
る。
【図18】本発明の実施形態3に用いる検査ファイルの
一例を示す図である。
【図19】同上に用いる生産計画ファイルの一例を示す
図である。
【図20】同上における報告データの一例を示す図であ
る。
【図21】本発明の実施形態4に用いる検査ファイルの
一例を示す図である。
【図22】同上における報告データの一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 製造システム 2 管理システム 11 部材料検査工程 12 部材料倉庫 13 部品製造・検査工程 14 部品倉庫 15 製品製造・検査工程 16 梱包工程 17 製品倉庫 20 管理ホストコンピュータ 33 表示装置 34 入力装置 F2 検査ファイル F3 生産計画ファイル F4 在庫ファイル F11 構成マスタファイル F12 不良レベルマスタファイル F13 不良原因マスタファイル F14 作業コストマスタファイル F15 注文マスタファイル F16 軽欠点品価格マスタファイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−284853(JP,A) 特開 平5−228806(JP,A) 特開 平6−89285(JP,A) 特開 平2−162401(JP,A) 特開 平4−42358(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 19/418 B23Q 41/08 G06F 17/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも生産工程と検査工程とを含む
    製造システムと、製造システムを生産計画に従って制御
    するとともに製造システムの状態を監視する管理システ
    ムとを備える生産システムにおける生産管理方法であっ
    て、製造システムにおける各種作業を少なくともその作
    業に要する現場作業者と作業時間とコストとに対応付け
    た作業コストマスタファイルと、検査工程により検出さ
    れる不良を生じたワークと不良内容と不良の程度である
    不良レベルとを対応付けた不良レベルマスタファイル
    、良品ではないが仕様に影響のない程度の軽欠点品を
    出荷した価格と良品の価格とをワークに対応付けた軽欠
    点品価格マスタファイルとを管理システムにあらかじめ
    作成しておき、管理システムは検査工程により不良が検
    出されると不良のワークおよび不良内容を不良レベルマ
    スタファイルに照合して不良レベルを求め、検出された
    不良レベルが軽欠点品であるときにはそのワークを軽欠
    点品価格マスタファイルに照合して良品との価格差によ
    る損失コストを求めて現場作業者に示すとともに、軽欠
    点品を出荷する対応処置案と不良品となったワークを再
    生産する対応処置案とについて、各対応処置に伴う作業
    を作業コストマスタファイルに照合することにより少な
    くとも作業時間とコストとを対応処置案ごとに求めて現
    場作業者に示し、現場作業者の判断による操作入力を受
    けることにより対応処置を選択させることを特徴とする
    生産管理方法。
  2. 【請求項2】 製造システムはワークを在庫品として貯
    蔵する倉庫を備え、ワーク同士の関係および数量を記述
    した構成マスタファイルと、倉庫における各在庫品の現
    在の在庫量を記憶する在庫ファイルとを管理システムに
    あらかじめ作成しておき、管理システムは検査工程によ
    り検出された不良レベルが製品を出荷できない程度であ
    るときには不足分の供給に必要なワークの種類および数
    量を構成マスタファイルを参照して算出し、求めたワー
    クの種類および数量を在庫ファイルに照会して出庫可能
    であるときに倉庫に出庫を要求することを特徴とする請
    求項1記載の生産管理方法。
  3. 【請求項3】 管理システムは検査工程により検出され
    た不良レベルが上流側工程への再投入で修正可能な程度
    であるときには不良品を上流工程に再投入する対応処置
    案と、不良品となったワークを再生産する対応処置案と
    について、各 対応処置に伴う作業を作業コストマスタフ
    ァイルに照合することにより少なくとも作業時間とコス
    トとを対応処置案ごとに求めて現場作業者に示し、現場
    作業者の判断による操作入力を受けることにより対応処
    置を選択させることを特徴とする請求項1記載の生産管
    理方法。
  4. 【請求項4】 製造システムは製品を梱包する梱包工程
    を有し、管理システムは不良レベルが軽欠点品であると
    きに、梱包工程で生じる仕分作業に伴う作業コストを現
    場作業者に示すことを特徴とする請求項1記載の生産管
    理方法。
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