JP3399566B2 - 燃料電池 - Google Patents
燃料電池Info
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- JP3399566B2 JP3399566B2 JP30220892A JP30220892A JP3399566B2 JP 3399566 B2 JP3399566 B2 JP 3399566B2 JP 30220892 A JP30220892 A JP 30220892A JP 30220892 A JP30220892 A JP 30220892A JP 3399566 B2 JP3399566 B2 JP 3399566B2
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- gas amount
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池に係わり、更
に詳しくは、溶融炭酸塩型燃料電池に関する。
に詳しくは、溶融炭酸塩型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池は、高効率、かつ
環境への影響が少ないなど、従来の発電装置にはない特
徴を有しており、水力・火力・原子力に続く発電システ
ムとして注目を集め、現在世界各国で鋭意研究開発が行
われている。特に改質器を備えた溶融炭酸塩型の燃料電
池は、都市部のビルやマンション等に分散して設置し、
都市ガスを燃料として発電と冷暖房を行うことにより、
従来の送電に伴うロスを大幅に低減でき、かつ80%以
上の熱効率を発揮できるシステムとして脚光を浴びてい
る。
環境への影響が少ないなど、従来の発電装置にはない特
徴を有しており、水力・火力・原子力に続く発電システ
ムとして注目を集め、現在世界各国で鋭意研究開発が行
われている。特に改質器を備えた溶融炭酸塩型の燃料電
池は、都市部のビルやマンション等に分散して設置し、
都市ガスを燃料として発電と冷暖房を行うことにより、
従来の送電に伴うロスを大幅に低減でき、かつ80%以
上の熱効率を発揮できるシステムとして脚光を浴びてい
る。
【0003】かかる発電装置は、改質器と燃料電池を備
え、改質器により燃料ガスを水素を含むアノードガスに
改質し、このアノードガスと酸素を含むカソードガスと
から燃料電池により電気を発電し、その余熱により温水
を製造するものである。この燃料電池内での主な電池反
応は、 H2 +CO3 2-→H2 O+CO2 +2e のアノード反
応と、 1/2 O2 +CO2+2e →CO3 2- のカソード反応
であり、全体としては水素(H2 )が水(H2 O)に変
わる反応である。従って、燃料電池発電装置は本質的に
排ガスがクリーンであり、環境への影響が極めて少な
い。
え、改質器により燃料ガスを水素を含むアノードガスに
改質し、このアノードガスと酸素を含むカソードガスと
から燃料電池により電気を発電し、その余熱により温水
を製造するものである。この燃料電池内での主な電池反
応は、 H2 +CO3 2-→H2 O+CO2 +2e のアノード反
応と、 1/2 O2 +CO2+2e →CO3 2- のカソード反応
であり、全体としては水素(H2 )が水(H2 O)に変
わる反応である。従って、燃料電池発電装置は本質的に
排ガスがクリーンであり、環境への影響が極めて少な
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】溶融炭酸塩型燃料電池
は原理的には上述したアノード反応により燃料である水
素を80%以上反応させることができる。しかし、実用
的には、燃料電池内でのガスの拡散が完全ではないの
で、高い燃料利用率(例えば80%以上)で運転すると
部分的に燃料が不足する反応部分ができ、この部分から
燃料電池の電極を損傷させてしまう問題点があった。
は原理的には上述したアノード反応により燃料である水
素を80%以上反応させることができる。しかし、実用
的には、燃料電池内でのガスの拡散が完全ではないの
で、高い燃料利用率(例えば80%以上)で運転すると
部分的に燃料が不足する反応部分ができ、この部分から
燃料電池の電極を損傷させてしまう問題点があった。
【0005】一方、燃料電池発電装置は、都市部に分散
して設置されるため、負荷側の要求により短時間に起動
させ発電することが要望される。このため、昇温を行う
起動時には燃料電池が完全に昇温しきる前に、負荷をか
けて発電を開始し、その後、発電による反応熱で燃料電
池を所定の運転温度まで昇温させる手段が従来から用い
られていた。かかる従来の燃料電池起動時の流量制御装
置は、例えば図3に示すように、負荷指令1に基づき必
要な流量信号2を設定するガス量設定器3と、このガス
量設定器により設定された流量信号2から運転中の流量
信号4を減算する減算器5と、この減算器5による減算
結果を零に近ずけるようにアノードガス流量を制御する
ガス量制御器6とを備え、燃料電池の起動時に、改質器
(図示せず)から燃料電池8へ流れるアノードガス流量
を計測し、このアノードガス流量がガス量設定器3によ
り設定されたアノードガス流量になるように流量調節弁
9が制御されていた。
して設置されるため、負荷側の要求により短時間に起動
させ発電することが要望される。このため、昇温を行う
起動時には燃料電池が完全に昇温しきる前に、負荷をか
けて発電を開始し、その後、発電による反応熱で燃料電
池を所定の運転温度まで昇温させる手段が従来から用い
られていた。かかる従来の燃料電池起動時の流量制御装
置は、例えば図3に示すように、負荷指令1に基づき必
要な流量信号2を設定するガス量設定器3と、このガス
量設定器により設定された流量信号2から運転中の流量
信号4を減算する減算器5と、この減算器5による減算
結果を零に近ずけるようにアノードガス流量を制御する
ガス量制御器6とを備え、燃料電池の起動時に、改質器
(図示せず)から燃料電池8へ流れるアノードガス流量
を計測し、このアノードガス流量がガス量設定器3によ
り設定されたアノードガス流量になるように流量調節弁
9が制御されていた。
【0006】しかし、かかる従来の制御手段では電池温
度が昇温しきっていない段階で負荷をかけて電流を取り
出すと、定格出力に達していないにもかかわらず燃料利
用率が高くなり過ぎ、所定負荷運転を行えないばかりか
燃料電池の電極を損傷させるおそれがある問題点があっ
た。
度が昇温しきっていない段階で負荷をかけて電流を取り
出すと、定格出力に達していないにもかかわらず燃料利
用率が高くなり過ぎ、所定負荷運転を行えないばかりか
燃料電池の電極を損傷させるおそれがある問題点があっ
た。
【0007】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、燃
料電池の昇温を行う起動時に燃料利用率を高めることな
く所定の負荷運転を行うことができ、かつ短時間に起動
し発電することができる燃料電池を提供することにあ
る。更に本発明の目的は、起動後短時間に運転温度まで
昇温できる燃料電池を提供することにある。
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、燃
料電池の昇温を行う起動時に燃料利用率を高めることな
く所定の負荷運転を行うことができ、かつ短時間に起動
し発電することができる燃料電池を提供することにあ
る。更に本発明の目的は、起動後短時間に運転温度まで
昇温できる燃料電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、最大燃
料利用率信号から運転中の燃料利用率信号を減算する第
1の減算器(20)と、該第1減算器による減算結果が
負の場合にそれを正にするための流量信号を設定する第
1のガス量設定器(21)と、負荷指令に基づき必要な
流量信号を設定する第2のガス量設定器(22)と、前
記第1ガス量設定器と第2ガス量設定器により設定され
た流量信号を比較して大きい方の流量信号を選択する高
信号選択器(23)と、該高信号選択器による流量信号
から運転中のアノードガス流量の流量信号を減算する第
2の減算器(24)と、該第2減算器による減算結果を
零に近づけるようにアノードガス流量を制御するガス量
制御器(25)と、を備え、昇温を行う燃料電池の起動
時に、アノードガス流量、アノードガス組成、及び燃料
電池の電流を計測し、前記アノードガス流量、アノード
ガス組成、及び燃料電池の電流から燃料利用率を算出
し、前記燃料利用率が所定の最大燃料利用率より高い場
合に、アノードガス流量を増やして前記燃料利用率を最
大燃料利用率まで下げる、ことを特徴とする燃料電池が
提供される。
料利用率信号から運転中の燃料利用率信号を減算する第
1の減算器(20)と、該第1減算器による減算結果が
負の場合にそれを正にするための流量信号を設定する第
1のガス量設定器(21)と、負荷指令に基づき必要な
流量信号を設定する第2のガス量設定器(22)と、前
記第1ガス量設定器と第2ガス量設定器により設定され
た流量信号を比較して大きい方の流量信号を選択する高
信号選択器(23)と、該高信号選択器による流量信号
から運転中のアノードガス流量の流量信号を減算する第
2の減算器(24)と、該第2減算器による減算結果を
零に近づけるようにアノードガス流量を制御するガス量
制御器(25)と、を備え、昇温を行う燃料電池の起動
時に、アノードガス流量、アノードガス組成、及び燃料
電池の電流を計測し、前記アノードガス流量、アノード
ガス組成、及び燃料電池の電流から燃料利用率を算出
し、前記燃料利用率が所定の最大燃料利用率より高い場
合に、アノードガス流量を増やして前記燃料利用率を最
大燃料利用率まで下げる、ことを特徴とする燃料電池が
提供される。
【0009】本発明の好ましい実施例によれば、前記ガ
ス量制御器は、アノードガスラインに設けられた流量調
節弁と、該流量調節弁を制御する調節器とからなる。
又、前記第1ガス量設定器は、アノードガス流量が所定
の下限以下にならないように流量信号を設定する下限設
定器を更に備える。更に、前記第1ガス量設定器及びガ
ス量制御器は、比例制御及び積分制御を行うPI制御器
である。又、前記第2ガス量設定器は、負荷指令に基づ
き所定の関数により必要な流量信号を設定する関数制御
器であるのがよい。
ス量制御器は、アノードガスラインに設けられた流量調
節弁と、該流量調節弁を制御する調節器とからなる。
又、前記第1ガス量設定器は、アノードガス流量が所定
の下限以下にならないように流量信号を設定する下限設
定器を更に備える。更に、前記第1ガス量設定器及びガ
ス量制御器は、比例制御及び積分制御を行うPI制御器
である。又、前記第2ガス量設定器は、負荷指令に基づ
き所定の関数により必要な流量信号を設定する関数制御
器であるのがよい。
【0010】
【作用】従来の起動手段で、昇温を行う起動時に定格出
力に達していないにもかかわらず燃料利用率が高くなり
過ぎる原因は、燃料電池の温度が低いため燃料電池の電
圧が低く、所定の電池出力を得ようとすると、電圧が低
いぶん大きい電流を取り出す必要があり(出力=電圧×
電流)、結果として上記アノード反応を右に進めること
になり、大量の水素を消耗し、燃料利用率が高くなるた
めであることがわかった。
力に達していないにもかかわらず燃料利用率が高くなり
過ぎる原因は、燃料電池の温度が低いため燃料電池の電
圧が低く、所定の電池出力を得ようとすると、電圧が低
いぶん大きい電流を取り出す必要があり(出力=電圧×
電流)、結果として上記アノード反応を右に進めること
になり、大量の水素を消耗し、燃料利用率が高くなるた
めであることがわかった。
【0011】本発明は、かかる新規の知見に基づき、昇
温を行う起動時に燃料利用率が高くなり過ぎる場合に
は、アノードガス流量を増やすことによって、アノード
反応を抑制することなく燃料利用率を下げるものであ
る。
温を行う起動時に燃料利用率が高くなり過ぎる場合に
は、アノードガス流量を増やすことによって、アノード
反応を抑制することなく燃料利用率を下げるものであ
る。
【0012】すなわち、本発明によれば、最大燃料利用
率信号から運転中の燃料利用率信号を減算する第1の減
算器(20)と、該第1減算器による減算結果が負の場
合にそれを正にするための流量信号を設定する第1のガ
ス量設定器(21)と、負荷指令に基づき必要な流量信
号を設定する第2のガス量設定器(22)と、前記第1
ガス量設定器と第2ガス量設定器により設定された流量
信号を比較して大きい方の流量信号を選択する高信号選
択器(23)と、該高信号選択器による流量信号から運
転中のアノードガス流量の流量信号を減算する第2の減
算器(24)と、該第2減算器による減算結果を零に近
づけるようにアノードガス流量を制御するガス量制御器
(25)と、を備え、燃料電池の昇温を行う起動時に、
アノードガス流量、アノードガス組成、及び燃料電池の
電流を計測し、前記アノードガス流量、アノードガス組
成、及び燃料電池の電流から燃料利用率を算出し、前記
燃料利用率が所定の最大燃料利用率より高い場合に、ア
ノードガス流量を増やして前記燃料利用率を最大燃料利
用率まで下げることによって、燃料電池にアノードガス
を大量に供給して電圧が低いぶん大きい電流を取り出す
ことを可能にし、電池出力を高め、併せて燃料利用率を
下げることができる。更に、本発明によればアノード反
応が燃料利用率を下げずに積極的に行われ、その結果ア
ノード反応により反応熱が多量に発生し、この反応熱に
より燃料電池を短時間に運転温度まで昇温することがで
きる。
率信号から運転中の燃料利用率信号を減算する第1の減
算器(20)と、該第1減算器による減算結果が負の場
合にそれを正にするための流量信号を設定する第1のガ
ス量設定器(21)と、負荷指令に基づき必要な流量信
号を設定する第2のガス量設定器(22)と、前記第1
ガス量設定器と第2ガス量設定器により設定された流量
信号を比較して大きい方の流量信号を選択する高信号選
択器(23)と、該高信号選択器による流量信号から運
転中のアノードガス流量の流量信号を減算する第2の減
算器(24)と、該第2減算器による減算結果を零に近
づけるようにアノードガス流量を制御するガス量制御器
(25)と、を備え、燃料電池の昇温を行う起動時に、
アノードガス流量、アノードガス組成、及び燃料電池の
電流を計測し、前記アノードガス流量、アノードガス組
成、及び燃料電池の電流から燃料利用率を算出し、前記
燃料利用率が所定の最大燃料利用率より高い場合に、ア
ノードガス流量を増やして前記燃料利用率を最大燃料利
用率まで下げることによって、燃料電池にアノードガス
を大量に供給して電圧が低いぶん大きい電流を取り出す
ことを可能にし、電池出力を高め、併せて燃料利用率を
下げることができる。更に、本発明によればアノード反
応が燃料利用率を下げずに積極的に行われ、その結果ア
ノード反応により反応熱が多量に発生し、この反応熱に
より燃料電池を短時間に運転温度まで昇温することがで
きる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。図1は、従来の燃料電池の起動特性を示
す図である。この図において、横軸tは起動後の経過時
間(Hr)であり、縦軸のTは燃料電池の温度(℃)、
Vは燃料電池(単セル)の電圧(mmV)、Ufは燃料
利用率(%)を示している。
して説明する。図1は、従来の燃料電池の起動特性を示
す図である。この図において、横軸tは起動後の経過時
間(Hr)であり、縦軸のTは燃料電池の温度(℃)、
Vは燃料電池(単セル)の電圧(mmV)、Ufは燃料
利用率(%)を示している。
【0014】この図から明らかなように、起動時には燃
料電池の温度Tが低く、例えば起動後4時間で約600
℃であり、起動後約8時間で計画温度の約700℃に達
している。また、起動時には燃料電池の電圧Vも低く、
やはり起動後約8時間経過して一定の値(約830m
V)に達している。起動時に電圧が低いのは、温度が低
いためである。従って、この段階で所定の電池出力を得
ようとすると、電圧が低いぶん大きい電流を取り出す必
要があり(出力=電圧×電流)、結果として前述したア
ノード反応を右に進めることになり、大量の水素を消耗
し、燃料利用率が高くなる。図1において起動時の燃料
利用率Ufが高く、特に初期には80%以上になるの
は、かかる原因によるものと考えられる。
料電池の温度Tが低く、例えば起動後4時間で約600
℃であり、起動後約8時間で計画温度の約700℃に達
している。また、起動時には燃料電池の電圧Vも低く、
やはり起動後約8時間経過して一定の値(約830m
V)に達している。起動時に電圧が低いのは、温度が低
いためである。従って、この段階で所定の電池出力を得
ようとすると、電圧が低いぶん大きい電流を取り出す必
要があり(出力=電圧×電流)、結果として前述したア
ノード反応を右に進めることになり、大量の水素を消耗
し、燃料利用率が高くなる。図1において起動時の燃料
利用率Ufが高く、特に初期には80%以上になるの
は、かかる原因によるものと考えられる。
【0015】図2は、かかる新規の知見に基づく本発明
の燃料電池の全体構成図である。図2において、本発明
の燃料電池は、最大燃料利用率10から運転中の燃料利
用率11を減算する第1の減算器20と、この第1減算
器20による減算結果が負の場合にそれを正にするため
の流量信号12を設定する第1のガス量設定器21と、
負荷指令13に基づき必要な流量信号14を設定する第
2のガス量設定器22と、第1ガス量設定器21と第2
ガス量設定器22により設定された流量信号12、14
を比較して大きい方の流量信号(起動時には12)を選
択する高信号選択器23と、この高信号選択器23によ
る流量信号15から運転中のアノードガス流量の流量信
号16を減算する第2の減算器24と、この第2減算器
24による減算結果を零に近ずけるようにアノードガス
流量を制御するガス量制御器25とを備える。最大燃料
利用率10は、最大利用率設定器26により設定され
る。また、負荷指令13は燃料電池発電装置全体の制御
装置(図示せず)により別途設定される。なお、上述し
た各制御機器間の信号は電気信号である。
の燃料電池の全体構成図である。図2において、本発明
の燃料電池は、最大燃料利用率10から運転中の燃料利
用率11を減算する第1の減算器20と、この第1減算
器20による減算結果が負の場合にそれを正にするため
の流量信号12を設定する第1のガス量設定器21と、
負荷指令13に基づき必要な流量信号14を設定する第
2のガス量設定器22と、第1ガス量設定器21と第2
ガス量設定器22により設定された流量信号12、14
を比較して大きい方の流量信号(起動時には12)を選
択する高信号選択器23と、この高信号選択器23によ
る流量信号15から運転中のアノードガス流量の流量信
号16を減算する第2の減算器24と、この第2減算器
24による減算結果を零に近ずけるようにアノードガス
流量を制御するガス量制御器25とを備える。最大燃料
利用率10は、最大利用率設定器26により設定され
る。また、負荷指令13は燃料電池発電装置全体の制御
装置(図示せず)により別途設定される。なお、上述し
た各制御機器間の信号は電気信号である。
【0016】ガス量制御器25は、アノードガスライン
17に設けられた流量調節弁27と、この流量調節弁2
7を制御する調節器28とからなる。この流量調節弁2
7は、空圧制御弁であるのが好ましい。これにより、大
流量の流量調節弁27を容易に制御することができる。
第1ガス量設定器21は、設定される流量信号12が所
定の下限以下にならないように下限設定器21aを更に
備える。この下限設定器21aは高信号選択器23によ
る流量信号15をバイアス設定器21bを介してフィー
ドバックし、流量信号15よりわずかに低い流量信号1
2の下限を設定する。これにより、アノードガス流量が
低くなりすぎ、燃料利用率が異常に高くなるのを防ぐこ
とができる。
17に設けられた流量調節弁27と、この流量調節弁2
7を制御する調節器28とからなる。この流量調節弁2
7は、空圧制御弁であるのが好ましい。これにより、大
流量の流量調節弁27を容易に制御することができる。
第1ガス量設定器21は、設定される流量信号12が所
定の下限以下にならないように下限設定器21aを更に
備える。この下限設定器21aは高信号選択器23によ
る流量信号15をバイアス設定器21bを介してフィー
ドバックし、流量信号15よりわずかに低い流量信号1
2の下限を設定する。これにより、アノードガス流量が
低くなりすぎ、燃料利用率が異常に高くなるのを防ぐこ
とができる。
【0017】第1ガス量設定器21及びガス量制御器2
5は、比例制御(P動作)及び積分制御(I動作)を行
うPI制御器であるのがよい。これにより、偏差がある
限り操作量を変化させ、偏差がなくなったところで安定
し、制御量を常に目標近くに維持することができる。第
2ガス量設定器22は、負荷指令に基づき所定の関数
(F(X) )により必要な流量信号を設定する関数制御器
であるのがよい。これにより、燃料電池特有の関数を予
めF(X) として設定することにより、必要な流量信号1
4を正確に設定することができる。
5は、比例制御(P動作)及び積分制御(I動作)を行
うPI制御器であるのがよい。これにより、偏差がある
限り操作量を変化させ、偏差がなくなったところで安定
し、制御量を常に目標近くに維持することができる。第
2ガス量設定器22は、負荷指令に基づき所定の関数
(F(X) )により必要な流量信号を設定する関数制御器
であるのがよい。これにより、燃料電池特有の関数を予
めF(X) として設定することにより、必要な流量信号1
4を正確に設定することができる。
【0018】本発明の燃料電池は、以下のように作動す
る。先ず、燃料電池の起動時のアノードガス流量、アノ
ードガス組成、及び燃料電池の電流を計測する。かかる
計測は、従来周知の流量計、濃度計、電流計を用いて計
測することができる。次いで、計測されたアノードガス
流量、アノードガス組成、及び燃料電池の電流から運転
中の燃料利用率11を算出し、この燃料利用率11が所
定の最大燃料利用率10より高い場合に、第1減算器2
0により最大燃料利用率10から運転中の燃料利用率1
1を減算し、この減算結果(起動時には負になる)を正
にするための流量信号12を第1ガス量設定器21によ
り設定し、第2ガス量設定器22により負荷指令13に
基づき必要な流量信号14を設定し、高信号選択器23
により流量信号12、14を比較して大きい方の流量信
号(12)を選択し、第2の減算器24により高信号選
択器23による流量信号15から運転中のアノードガス
流量の流量信号16を減算し、ガス量制御器25により
第2減算器24による減算結果を零に近ずけるようにア
ノードガス流量を制御することによって、アノードガス
ライン17を流れる実際のアノードガス流量を増やして
燃料利用率11を最大燃料利用率10まで下げる。これ
により、燃料電池にアノードガスを大量に供給して電圧
が低いぶん大きい電流を取り出すことが可能になり、結
果として電池出力を高め、併せて燃料利用率を下げるこ
とができる。又、アノード反応が燃料利用率を下げずに
積極的に行われる結果、アノード反応により反応熱が多
量に発生し、この反応熱により燃料電池を短時間に所定
の運転温度まで昇温することができる。
る。先ず、燃料電池の起動時のアノードガス流量、アノ
ードガス組成、及び燃料電池の電流を計測する。かかる
計測は、従来周知の流量計、濃度計、電流計を用いて計
測することができる。次いで、計測されたアノードガス
流量、アノードガス組成、及び燃料電池の電流から運転
中の燃料利用率11を算出し、この燃料利用率11が所
定の最大燃料利用率10より高い場合に、第1減算器2
0により最大燃料利用率10から運転中の燃料利用率1
1を減算し、この減算結果(起動時には負になる)を正
にするための流量信号12を第1ガス量設定器21によ
り設定し、第2ガス量設定器22により負荷指令13に
基づき必要な流量信号14を設定し、高信号選択器23
により流量信号12、14を比較して大きい方の流量信
号(12)を選択し、第2の減算器24により高信号選
択器23による流量信号15から運転中のアノードガス
流量の流量信号16を減算し、ガス量制御器25により
第2減算器24による減算結果を零に近ずけるようにア
ノードガス流量を制御することによって、アノードガス
ライン17を流れる実際のアノードガス流量を増やして
燃料利用率11を最大燃料利用率10まで下げる。これ
により、燃料電池にアノードガスを大量に供給して電圧
が低いぶん大きい電流を取り出すことが可能になり、結
果として電池出力を高め、併せて燃料利用率を下げるこ
とができる。又、アノード反応が燃料利用率を下げずに
積極的に行われる結果、アノード反応により反応熱が多
量に発生し、この反応熱により燃料電池を短時間に所定
の運転温度まで昇温することができる。
【0019】
【発明の効果】従って、本発明によれば、燃料電池の起
動時に燃料利用率を高めることなく所定の負荷運転を行
うことができ、かつ短時間に起動し発電することがで
き、併せて起動後短時間に運転温度まで燃料電池を昇温
することができる。
動時に燃料利用率を高めることなく所定の負荷運転を行
うことができ、かつ短時間に起動し発電することがで
き、併せて起動後短時間に運転温度まで燃料電池を昇温
することができる。
【図1】従来の燃料電池の起動特性を示す図である。
【図2】本発明の燃料電池を示す全体構成図である。
【図3】従来の燃料電池の構成図である。
1 負荷指令
2 流量信号
3 ガス量設定器
4 流量信号
5 減算器
6 ガス量制御器
7 改質器
8 燃料電池
9 流量調節弁
10 最大燃料利用率
11 運転中の燃料利用率
12 流量信号
13 負荷指令
14、15 流量信号
16 運転中のアノードガス流量の流量信号
17 アノードガスライン
20 第1減算器
21 第1ガス量設定器
21a 下限設定器
21b バイアス設定器
22 第2ガス量設定器
23 高信号選択器
24 第2減算器
25 ガス量制御器
26 最大利用率設定器
27 流量調節弁
28 調節器
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 橋本 文朗
東京都江東区豊洲3丁目2番16号 石川
島播磨重工業株式会社 豊洲総合事務所
内
(56)参考文献 特開 昭60−56374(JP,A)
特開 平1−63273(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01M 8/04
Claims (5)
- 【請求項1】 最大燃料利用率信号から運転中の燃料利
用率信号を減算する第1の減算器(20)と、該第1減
算器による減算結果が負の場合にそれを正にするための
流量信号を設定する第1のガス量設定器(21)と、負
荷指令に基づき必要な流量信号を設定する第2のガス量
設定器(22)と、前記第1ガス量設定器と第2ガス量
設定器により設定された流量信号を比較して大きい方の
流量信号を選択する高信号選択器(23)と、該高信号
選択器による流量信号から運転中のアノードガス流量の
流量信号を減算する第2の減算器(24)と、該第2減
算器による減算結果を零に近づけるようにアノードガス
流量を制御するガス量制御器(25)と、を備え、 燃料電池の昇温を行う起動時に、アノードガス流量、ア
ノードガス組成、及び燃料電池の電流を計測し、前記ア
ノードガス流量、アノードガス組成、及び燃料電池の電
流から燃料利用率を算出し、前記燃料利用率が所定の最
大燃料利用率より高い場合に、アノードガス流量を増や
して前記燃料利用率を最大燃料利用率まで下げる、こと
を特徴とする燃料電池。 - 【請求項2】 前記ガス量制御器(25)は、アノード
ガスラインに設けられた流量調節弁と、該流量調節弁を
制御する調節器とからなる、ことを特徴とする請求項1
に記載の燃料電池。 - 【請求項3】 前記第1ガス量設定器(21)は、アノ
ードガス流量が所定の下限以下にならないように流量信
号を設定する下限設定器を更に備える、ことを特徴とす
る請求項1に記載の燃料電池。 - 【請求項4】 前記第1ガス量設定器(21)及びガス
量制御器(25)は、比例制御及び積分制御を行うPI
制御器である、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料
電池。 - 【請求項5】 前記第2ガス量設定器(22)は、負荷
指令に基づき所定の関数により必要な流量信号を設定す
る関数制御器である、ことを特徴とする請求項1に記載
の燃料電池。
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---|---|---|---|
JP30220892A JP3399566B2 (ja) | 1992-11-12 | 1992-11-12 | 燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30220892A JP3399566B2 (ja) | 1992-11-12 | 1992-11-12 | 燃料電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06150952A JPH06150952A (ja) | 1994-05-31 |
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Family
ID=17906257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30220892A Expired - Fee Related JP3399566B2 (ja) | 1992-11-12 | 1992-11-12 | 燃料電池 |
Country Status (1)
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JP4244399B2 (ja) * | 1998-05-14 | 2009-03-25 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池システム及びそれを搭載した電気自動車並びに燃料電池システムの起動制御方法 |
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JP4507584B2 (ja) * | 2003-12-15 | 2010-07-21 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池システム |
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-
1992
- 1992-11-12 JP JP30220892A patent/JP3399566B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06150952A (ja) | 1994-05-31 |
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