JP3399360B2 - 橋梁継目の多節リンク式伸縮装置 - Google Patents

橋梁継目の多節リンク式伸縮装置

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孝一 三浦
一夫 宮川
不二雄 鈴木
潔 中山
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、長大橋梁用の道路
伸縮装置として採用する橋梁継目の多節リンク式伸縮装
置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】橋梁継目の大幅な伸縮量にも十分に追随
でき、かつ、防水及び防塵が完全で、しかも、回転の際
に路面に凹凸を生じない軽量な伸縮装置を、本出願人は
特公昭52−32173号で提案した。 【0003】この伸縮装置は、図4に示すように、下端
を互いにピン1aaによって枢着し、上端を対向する接
続部材2a,2bの端部に夫々ピン1abによって枢着
したV型リンク1aと、このV型リンク1aの各中央部
に下端をそれぞれピン1baによって枢着し、かつ、前
記したV型リンク1aの上端枢着部と同一高さにおいて
上端を互いに軸1bbによって枢着した逆V型リンク1
bとからなるリンク機構1を、対向する接続部材2a,
2b間において、幅方向に所定の間隔を存して設けると
共に、前記逆V型リンク1bの軸1bb上に、前記接続
部材2a,2bに基端を枢着した夫々のフィンガー3
a,3bの先端側を交互に載置し、かつ、これらのフィ
ンガー3a,3b上に支持部材4を介して可撓板5を配
置した構成である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た構造の伸縮装置においては、最大伸長時から最小収縮
時までを、一組のV型リンク1aにより吸収する構成で
あるので、高さ方向に大きなスペースが必要であった。 【0005】加えて、近年の橋梁技術の発展により、伸
縮装置に求められる伸縮量が大きくなってきているが、
上記した構造では伸縮量の増加に比例してリンク機構が
大きくなる為、益々高さ方向に大きなスペースが必要と
なり、連続桁橋等の桁の高さの小さな橋梁には、適用が
難しくなってきた。 【0006】本発明は、上記した従来のリンク式伸縮装
置が内在していた問題点に鑑みてなされたものであり、
高さ方向に大きなスペースを必要とすることのない橋梁
継目の多節リンク式伸縮装置を提供することを目的とし
ている。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の橋梁継目の多節リンク式伸縮装置は、
端横梁に基端側を固定し、夫々の先端側をオーバーラッ
プして噛合状に位置させたフィンガーの先端側を、下方
から中間横梁で支承すると共に、両端枢支部を端横梁に
取付けた多節リンク機構の中心枢支部に、中間横梁を取
付けることとしている。そして、このようにすること
で、高さ方向に大きなスペースを必要とすることなく、
大きな伸縮量にも追随することができる。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の橋梁継目の多節リンク式
伸縮装置は、対向配置した橋端部材に枢着される端横梁
に基端側を固定され、夫々の先端側はオーバーラップし
て噛合状に位置すべくなされたフィンガーと、これらフ
ィンガーの先端側を下方から支承する中間横梁と、この
中間横梁を中心枢支部に取付け、両端枢支部は前記端横
梁に取付けた多節リンク機構を備えたものである。 【0009】本発明の橋梁継目の多節リンク式伸縮装置
によれば、フィンガーの先端側に作用する荷重を、中間
横梁を介して多節のリンク機構の中立位置で支持させる
ので、従来のリンク機構に対してリンク長が小さくなっ
て、大きな伸縮量に追随させる場合でも、伸縮装置全体
の高さは小さくなる。 【0010】 【実施例】以下、本発明の橋梁継目の多節リンク式伸縮
装置を図1〜図3に示す一実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の橋梁継目の多節リンク式伸縮装置の正面
図、図2は図1の側面図、図3は本発明の橋梁継目の多
節リンク式伸縮装置を構成するフィンガーの1ブロック
を示す平面図である。 【0011】図1〜図3において、11a,11bは例
えば橋梁幅に適合する長さを有する端横梁であり、橋梁
継目に対向して立設された橋端部材(図示せず)に、例
えばユニバーサルジョイント12を介して枢着されてい
る。 【0012】13a,13bは、例えば図3に示すよう
に、一定数を櫛状にして一組として形成した対をなすフ
ィンガーであり、基端側は前記した端横梁11a,11
bに例えばボルト14で固定され、先端側はオーバーラ
ップして噛合状に位置すべく成されている。そして、こ
れらの対をなす櫛状のフィンガー13a,13bを橋梁
幅に適合する長さとなるように適数個、並列状に配置す
る。 【0013】15は適数個、並列状に配置した対をなす
前記フィンガー13a,13bの夫々の先端側を下方か
ら支承する中間横梁であり、前記した端横梁11a,1
1bと同様に橋梁幅に適合する長さを有している。 【0014】16は各辺の長さを等しくした四辺形の一
つの頂点を、隣合う四辺形で共通させたものを、例えば
3つ直列状に配置すると共に、両側の四辺形の一辺を延
長した多節リンク機構であり、例えば両側の四辺形の一
辺を延長したその端部を端横梁11a,11bに枢着す
ると共に、真ん中の四辺形の上方の枢支点16aを中間
横梁15に枢着し、フィンガー13a,13bの先端側
に作用する荷重を、中間横梁15を介して多節リンク機
構16の中立位置で支持するようにしている。 【0015】なお、本発明に係る橋梁継目の多節リンク
式伸縮装置の初期設定状態におけるフィンガー13a,
13b先端側のオーバーラップ量、及び、沓上への橋端
部材の当接量は、吸収しようとする伸縮量に応じて設定
してあることは言うまでもない。 【0016】本発明に係る橋梁継目の多節リンク式伸縮
装置は上記した構成であり、橋端部材間の距離の変動に
基づく伸縮量を吸収するフィンガー13a,13bの先
端側に作用する荷重は、中間横梁15を介して多節のリ
ンク機構16の中立位置で支持される。 【0017】本実施例では多節リンク機構16として、
四辺形の一つの頂点を、隣合う四辺形で共通させたもの
を、3つ直列状に配置したものについて説明したが、配
置する数は3つに限らないことは言うまでもない。 【0018】また、本実施例では、組立作業を容易とす
るために、一定数を櫛状にして一組として形成したフィ
ンガー13a,13bを使用したものを開示したが、フ
ィンガーを一本ずつ櫛状に配置したものであっても良
い。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の橋梁継目
の多節リンク式伸縮装置では、フィンガーの先端側に作
用する荷重を、中間横梁を介して多節のリンク機構の中
立位置で支持させるので、従来のリンク機構に対してリ
ンク長が小さくなって、大きな伸縮量に追随させる場合
でも、伸縮装置全体の高さが小さくなる。 【0020】従って、桁高さの低い橋梁で大きな伸縮量
が要求される橋梁に対しても十分に採用が可能であり、
周辺の景観を損なうことがなく、道路沿線の景観保護に
も有益である。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の橋梁継目の多節リンク式伸縮装置の正
面図である。 【図2】図1の側面図である。 【図3】本発明の橋梁継目の多節リンク式伸縮装置を構
成するフィンガーの1ブロックを示す平面図である。 【図4】従来の橋梁継目の伸縮装置を一部断面して示す
正面図である。 【符号の説明】 11a 端横梁 11b 端横梁 13a フィンガー 13b フィンガー 15 中間横梁 16 多節リンク機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 不二雄 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 中山 潔 大阪府大阪市此花区島屋5丁目1番109 号 住金関西工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−3911(JP,A) 特開 平10−37132(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01C 11/02 E01D 19/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 対向配置した橋端部材に枢着される端横
    梁に基端側を固定され、夫々の先端側はオーバーラップ
    して噛合状に位置すべくなされたフィンガーと、これら
    フィンガーの先端側を下方から支承する中間横梁と、こ
    の中間横梁を中心枢支部に取付け、両端枢支部は前記端
    横梁に取付けた多節リンク機構を備えたことを特徴とす
    る橋梁継目の多節リンク式伸縮装置。
JP12211298A 1998-05-01 1998-05-01 橋梁継目の多節リンク式伸縮装置 Expired - Fee Related JP3399360B2 (ja)

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