JP3398809B2 - 生体電極用導電性組成物の製法 - Google Patents

生体電極用導電性組成物の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生体電極の装着時に
皮膚と電極素子の間に介在させる導電性組成物の製造に
関する。
【0002】
【従来の技術】生体電極は基本的に銀や銀/塩化銀、カ
ーボン等で作られた電極素子と、この電極素子と皮膚の
間を連絡するなんらかの導電性組成物で構成されてお
り、心電図や筋電図等の生体電気現象を導出したり、生
体に電気的刺激を与える場合等に、体表面上に装着して
用いられるものである。
【0003】人間の正常な皮膚の外層は角質と呼ばれる
層があり、様々な外的因子の侵入から生体を防御してい
る。皮膚は乾燥した外気に触れると角質層から水分が失
われたり、加齢とともに角質層中の含有水分が減少し、
電気的には角質層の抵抗が高くなる。また、皮膚表面は
平坦ではなく、凹凸があり、さらには湾曲しているなど
複雑な形状をしている。
【0004】このように角質層の水分が欠乏した皮膚表
面に電極素子を直接接触させると、電極素子と皮膚との
密着が阻害されやすく、有効な接触面積が減少するため
接触抵抗が増大し、さらに上記のように角質層の抵抗が
高くなっているため、全体の電気抵抗も高くなる。この
ため、導出した生体電気信号に雑音が混入しやすくな
り、記録が不安定になったり、ときには記録ができなく
なる等の障害が発生する。また、電極を介して体表面よ
り電気的刺激を与える場合はその接触面で高抵抗とな
り、電流密度が高くなり、やけどを起こす等生体に損傷
を与える原因となる。
【0005】これらの問題を解決するため、生体電極で
は一般に生体と電極素子間の皮膚抵抗を低減する目的で
液体状やゼリー状またはゲル状の導電性組成物が用いら
れている。これらの導電性組成物は、多量の水分やNa
Cl、KCl等の電解質を含有し、これらが皮膚外部か
ら皮膚角質層に吸収されることによって皮膚抵抗を減少
させるように作用する。しかしこれらの導電性組成物は
その成分特性により、それ自体では粘性が低く流動性が
あるため、電極素子と皮膚の間に長時間安定して保持さ
せることは難しい。そのため電極素子に導電性組成物を
維持させる格納スペースやスポンジ等の保持手段が必要
となる。さらには電極素子を体表面上に固定するために
粘着テープが必要となっている。しかし粘着テープが使
用されると電極素子の装着離脱が繰り返し行なわれた場
合、皮膚に機械的な損傷を与えることになる。
【0006】ICUやホルター心電図測定等で電極素子
がこのような導電性組成物を介して体表面に長時間装着
され使用されると、導電性組成物は体動や電極素子の自
重により電極素子から圧迫され、機械的負荷を受ける。
このため導電性組成物が電極素子の周囲へ漏れ、電極剥
がれが生じたり、導電性組成物の流出により電極素子と
皮膚間の接触が不安定となり生体信号の記録が不可能に
なる。
【0007】またこのような導電性組成物は使用中に水
分が蒸発し、乾燥するため皮膚抵抗が高くなり、生体信
号の記録が不安定となる。また、導電性組成物から水分
が蒸発すると、導電性組成物中の塩素イオン濃度が高く
なり、皮膚刺激が発生する。さらには、これらの導電性
組成物は電極素子を取り除いても皮膚上に残留するため
皮膚のカブレの原因となる。
【0008】また、電極には繰り返し使用できる電極
と、1回使用した後廃棄するいわゆる使い捨ての電極が
ある。前者は使用直前に皮膚に導電性組成物を塗布し使
用するが、後者の多くは簡単に装着することができるよ
うにすでに電極に導電性組成物が充填、または組み込ま
れている。このため後者の電極は、使用直前まで導電性
組成物が乾燥しないような構造とすることや、製造後の
保管中に導電性組成物が乾燥しないように密閉包装する
ことが必要となる。従って、後者の電極はその使用、保
管を考慮すると全体に複雑な構造となる。
【0009】そこで本願発明者は先の特許出願(特願平
7-174749)において、可塑剤としての機能を有し、また
角質層の生理的保湿機能を補助、増進させる保湿剤(ピ
ロリドンカルボン酸ソーダ、乳酸ソーダ、ピロリドンカ
ルボン酸カリ、乳酸カリ等)が添加されたソリッドゲル
状の導電性組成物を提案した。
【0010】この種保湿剤はイオン性物質であるので、
従来可塑剤として必要であった非イオン性の多価アルコ
ールを添加した場合と比較してNaClやKCl等の電
解質を加えることなく導電性組成物自体の導電性を高め
ることができる。
【0011】さらに、保湿剤が皮膚角質層に浸透する
と、保湿剤に組織中の水分が結合し、角質層自体の保湿
性が上昇する。これにより、皮膚角質層水分量を高める
ことができる。皮膚角質層水分量が増えると、角質層の
電気抵抗が小さくなり、電極の対皮膚インピーダンスを
低く抑えることができる。
【0012】保湿剤が対皮膚インピーダンスを小さくす
る機能を果たすため、導電性組成物の水分含有量も低く
抑えることができるので、粘着力が向上する。このため
保存中あるいは使用中の水分蒸発が抑えられる。
【0013】また、本導電性組成物からの水の浸出によ
る粘着力の喪失、体外から経皮的に過剰な水分や電解質
を吸収することによる皮膚障害発生等の問題を回避する
ことができる。
【0014】これらの保湿剤は、皮膚角質層にもともと
存在する物質であるため、添加しても皮膚刺激性が生じ
る危険性は少ない。
【0015】また、ピロリドンカルボン酸や乳酸等の保
湿剤は粘着性付与剤として働き、添加により対皮膚粘着
力が向上し、添加量を変えることで容易に対皮膚粘着力
をコントロールすることができる。このように保湿剤は
可塑剤として、電解質として、角質層の水分量増加剤と
して、および粘着性付与剤としての4つの機能を有する
ため生体電極用導電性組成物を構成する成分としては最
適な素材である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記導電性組
成物を製造する場合、まず原液を調製し、型に注入した
後、その原液に紫外線を照射するか、加熱して架橋重合
を行わせるのであるが、その原液に添加されている保湿
剤の存在により、原液調製後直ちにアクリル酸モノマー
が自然重合を開始する場合がある。これは保湿剤は塩で
あり、アクリル酸を中和するために添加するNaOHや
KOHに保湿剤は関与せず、このために原液のPHが高
くなり、このPHが高くなるとアクリル酸が不安定にな
るからである。
【0017】この現象は、添加されている保湿剤の割合
が多いほど生じやすくなる。そして原液は、この自然重
合が発生すると粘性が高くなり、流動性が低下し、架橋
重合開始前のゲル化が発生する。このような事態となれ
ば原液を型等に流し込むことが困難となり、ショートシ
ョット(充填不足)が生じることなどで、注型やインジ
ェンクションによるソリッドゲル成形ができなくなる。
【0018】現在、生体電極は心電図、脳波、筋電図等
の測定用、また刺激用等多様に用いられており、その構
造もそれぞれの用途に応じて多様化、複雑化している。
そのため、注型やインジェンクションによるソリッドゲ
ル成形ができないと、これらの用途に応じることができ
なくなる。
【0019】また、ソリッドゲルの原液を網目状等の補
強材に染み込ませてから架橋重合開始処理を行う場合が
るが、自然重合により流動性が低下すると原液の補強材
への染み込みが悪くなり、所望のゲル状組成物ができな
い。
【0020】さらに、架橋重合開始処理前に原液の流動
性が低下すると、その処理の際、架橋重合反応にむらが
生じ、部分的に架橋重合していないモノマーが残り、皮
膚刺激性が現れる。また原液に自然重合が発生すると、
化学的に不安定となり、そのポットライフ(容器中の寿
命)が短くなる。このため、大きなバッチで原液を調製
することが難しくなり、例えば自動ラインによる生産の
ような量産が困難となるという問題が発生する。さら
に、電極にはシート状のものがあり、これはフィルム状
の電極素子に原液を塗工し、連続的に製造するものであ
る。このような電極を製造する際、原液に自然重合反応
が生じているならばその原液の粘性は上昇し、化学的に
不安定となり、ゲル化が進み、その原液を塗工すること
が困難となる。
【0021】本発明の目的は、保湿剤を含む導電性組成
物の製法において、原液の流動性を維持した状態にして
注型やインジェンクションを行い、所望の形状のソリッ
ドゲル成形ができるようにすることである。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
生体と電極素子とを電気的および物理的に結ぶ機能を持
ち、少なくとも下記の成分から組成されるゲル状の生体
電極用導電性組成物の製法において、下記の成分のうち
成分1および成分2を含む第1の液と、下記の成分のう
ち成分3および成分4を含む第2の液とをそれぞれ製造
した後、第1の液と第2の液とを混合し、その混合物に
対し光の照射または加熱を行う。 1.遊離基重合可能な不飽和化合物 2.NaOHまたはKOHと反応し、その結果物は可塑
剤としての機能および皮膚の角質層の生理的保湿機能を
補助、増進させる機能を持つ保湿剤となる酸 3.水 4.NaOHおよび/またはKOH 5.光または熱による重合の開始剤 6.架橋剤
【0023】請求項2に係る発明は、請求項1記載の生
体電極用導電性組成物の製法において、成分1の不飽和
化合物は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イ
タコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−ア
クリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸、それらの
塩などの単独あるいは混合物、アクリル酸−ビニルピロ
リドン混合物、酢酸ビニル−エチレン混合物、酢酸ビニ
ル−マレイン酸ジオクチル混合物のうちのいずれかであ
ることを特徴とする。
【0024】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の生体電極用導電性組成物の製法において、成分2
の酸は、ピロリドンカルボン酸、乳酸のいずれかまたは
これらの組み合わせであることを特徴とする。
【0025】請求項4に係る発明は、請求項1乃至3い
ずれかに記載の生体電極用導電性組成物の製法におい
て、光による重合の開始剤は、ベンジルジメチルケタ
ル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケト
ン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケト
ンとベンゾフェノンの共融混合物、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプ
ロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1
−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−
プロパン−1−オンと2.4.6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニル−フォスフィンオキサイドの混合物、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オンとビスアシルフォスフィンオキサイドの混合物、1
−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2
ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビ
ス(シクロペンタジエニル)−ビス(2.6−ジフルオ
ロ−3−(ピル−1−イル)チタニウムのいずれかであ
ることを特徴とする。
【0026】請求項5に係る発明は、請求項1乃至3い
ずれかに記載の生体電極用導電性組成物の製法におい
て、熱による重合の開始剤は、アゾビスイソブチロニト
リル、ベンゾイルパ−オキシド、ラウロイルパ−オキシ
ド、メチルエチルケトンパ−オキシド、シクロヘキサノ
ンパ−オキシド、t−ブチルハイドロパ−オキシド、ジ
−t−ブチルパ−オキシド、ジ−t−アミルパ−オキシ
ド、ジクミルパ−オキシド、t−ブチルパ−ベンゾエー
トのいずれかであることを特徴とする。
【0027】請求項6に係る発明は、請求項1乃至5い
ずれかに記載の生体電極用導電性組成物の製法におい
て、成分6の架橋剤はN−N’メチレンビスアクリルア
ミド、エチレングリコールジメタアクリレート、ポリエ
チレングリコール400ジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、1.3−ブタンジオールジア
クリレート、1.4−ブタンジオールジアクリレート、
1.6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エ
ステルネオペンチルグリコールジアクリル、トルメチロ
ールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート
のいずれかであることを特徴とする。
【0028】請求項7に係る発明は、請求項1記載の生
体電極用導電性組成物の製法において、第1の液には、
不飽和化合物としてアクリル酸モノマー、保湿剤となる
酸としてピロリドンカルボン酸、架橋剤としてN−N’
メチレンビスアクリルアミド、光による重合の開始剤と
してベンジルジメチルケタルが含まれており、それぞれ
の量は第2の液との混合後の全体量に対し順に20〜5
0重量%、1〜43重量%、0.01〜1重量%、0.
01〜1重量%、となる量であり、第2の液には水、N
aOH、KOHが含まれており、このうち水、NaOH
それぞれの量は第1の液との混合後の全体量に対し順に
7〜25重量%、0.2〜13重量%となる量であり、
KOHは混合後の全体液のPHを4.0〜8.0とする
量であることを特徴とする。
【0029】請求項8に係る発明は、請求項1記載の生
体電極用導電性組成物の製法において、第1の液には不
飽和化合物としてアクリル酸モノマー、保湿剤となる酸
として乳酸、架橋剤としてN−N’メチレンビスアクリ
ルアミド、光による重合の開始剤としてベンジルジメチ
ルケタルが含まれており、それぞれの量は第2の液との
混合後の全体量に対し順に20〜50重量%、1〜32
重量%、0.01〜1重量%、0.01〜1重量%、と
なる量であり、第2の液には水、NaOH、KOHが含
まれており、このうち水、NaOHそれぞれの量は第1
の液との混合後の全体量に対し順に10〜25重量%、
0.3〜32重量%となる量であり、KOHは混合後の
全体液のPHを4.0〜8.0とする量であることを特
徴とする。
【0030】請求項9に係る発明は、請求項1記載の生
体電極用導電性組成物の製法において、第1の液には不
飽和化合物としてアクリル酸モノマー、保湿剤となる酸
としてピロリドンカルボン酸、架橋剤としてN−N’メ
チレンビスアクリルアミド、光による重合の開始剤とし
てベンジルジメチルケタルが含まれており、それぞれの
量は第2の液との混合後の全体量に対し順に20〜50
重量%、1〜43重量%、0.01〜1重量%、0.0
1〜1重量%、となる量であり、第2の液には水、KO
Hが含まれており、このうち水の量は第1の液との混合
後の全体量に対し8〜25重量%となる量であり、KO
Hは混合後の全体液のPHを4.0〜8.0とする量で
あることを特徴とする。
【0031】請求項10に係る発明は、請求項1記載の
生体電極用導電性組成物の製法において、第1の液には
不飽和化合物としてアクリル酸モノマー、保湿剤となる
酸として乳酸、架橋剤としてN−N’メチレンビスアク
リルアミド、光による重合の開始剤としてベンジルジメ
チルケタルが含まれており、それぞれの量は第2の液と
の混合後の全体量に対し順に20〜50重量%、1〜3
重量%、0.01〜1重量%、0.01〜1重量%、
となる量であり、第2の液には水、KOHが含まれてお
り、このうち水の量は第1の液との混合後の全体量に対
し6〜25重量%となる量であり、KOHは混合後の全
体液のPHを4.0〜8.0とする量であることを特徴
とする。
【0032】請求項1に係る導電性組成物の製法では、
第1の液のPHが成分2の酸によって低く保たれるた
め、第1の液に含まれている成分1の不飽和化合物の自
然重合を抑える。第2の液は長時間保存しても変化する
成分が含まれていない。第1の液が第2の液と混合さ
れ、その混合物に対し光の照射または加熱が行われると
成分1の不飽和化合物は架橋重合される。また第1の液
が第2の液と混合されると、成分2の酸と、成分4のN
aOHまたはKOHにより可塑剤としての機能も有する
保湿剤が生成される。また第1の液と第2の液を混合す
ると、混合時に酸性度の高い成分2の酸が成分4のNa
OHまたはKOHに対し選択的に中和反応に関与するの
で、この成分4のNaOHまたはKOHにより成分1の
不飽和化合物が不安定になることを長時間抑制する。
【0033】請求項2に係る導電性組成物の製法では、
相互に重合容易な不飽和化合物が成分であるので重合反
応が容易に行なわれる。
【0034】請求項3に係る導電性組成物の製法では、
製造の際、可塑剤の添加は不要であり、その製造物は使
用の際、角質層の水分増加が顕著となる。
【0035】請求項4に係る導電性組成物の製法では、
製造の際、光による重合反応の開始が容易に行なわれ
る。
【0036】請求項5に係る導電性組成物の製法では、
製造の際、熱による重合反応の開始が容易に行なわれ
る。
【0037】請求項6に係る導電性組成物の製法では、
製造の際、架橋反応が容易に行なわれる。
【0038】請求項7〜10に係る導電性組成物の製法
では、最適なゲル状の導電性組成物が得られる。
【0039】
【発明の実施の形態】
実施の形態1; アクリル酸モノマー38部にN−N’
メチレンビスアクリルアミド0.19部、ベンジルジメ
チルケタル0.19部を加え、撹拌しながら均一に溶解
する。各成分の混合順序はどのような順序でも良い。次
に、ピロリドンカルボン酸17部を加える。ピロリドン
カルボン酸は液中に沈殿するが特に問題はない。この液
を液1Aと称する。
【0040】以上の操作では大きな反応熱は出ないの
で、特に冷却操作等は必要としない。混合後は密栓し、
アクリル酸モノマーの自然重合をできるだけ抑えるため
10℃以下の暗所に保管する。
【0041】次に、水15部にNaOH5部とKOH2
4部を加え、撹拌しながら均一に溶解する。この液を液
1Bと称する。この操作ではNaOHおよびKOHの溶
解に伴い発熱するので、NaOHおよびKOHは徐々に
加えるようにし、溶解熱による液の沸騰、飛散が起こら
ないようにする。混合後液1Bは密栓し、保管する。
【0042】次に、液1Aに液1Bを液温が30℃を越
えないよう冷却、撹拌しながら添加し、均一に混合す
る。添加の過程で液1A中に沈殿していたピロリドンカ
ルボン酸は徐々に溶解し、最終的には完全に透明な溶液
になる。この液を液1と称する。この操作では、混合に
伴い発熱するので、液1Bは徐々に加えるようにし、中
和熱によるアクリル酸モノマーの自然重合および液の沸
騰、飛散が起こらないようにする。
【0043】混合後は密栓し、アクリル酸モノマーの自
然重合をできるだけ抑えるため10℃以下の暗所に保管
する。
【0044】次に、液1を幅50mm、長さ800m
m、厚さ1.5mmのシリコン型に充填する。次に、紫
外線照射装置(高圧水銀灯使用、出力750W、照射距
離180mm、照射時間15秒間)を用いて液1に架橋
重合を行わせる。この結果、透明で粘着性を有し、ソリ
ッドゲル状かつシート状の導電性組成物を得る。
【0045】実施の形態2; アクリル酸モノマー38
部にN−N’メチレンビスアクリルアミド0.19部、
ベンジルジメチルケタル0.19部、乳酸16部を加
え、撹拌しながら均一に溶解する。この液を液2Aと称
する。各成分の混合順序はどのような順序でも良い。
【0046】以上の操作では大きな反応熱は出ないの
で、特に冷却操作等は必要としない。混合後は密栓し、
アクリル酸モノマーの自然重合をできるだけ抑えるため
10℃以下の暗所に保管する。
【0047】次に、水14部にNaOH7部とKOH2
4部を加え、撹拌しながら均一に溶解する。この液を液
2Bと称する。この操作ではNaOHおよびKOHの溶
解に伴い発熱するので、NaOHおよびKOHは徐々に
加えるようにし、溶解熱による液の沸騰、飛散が起こら
ないようにする。混合後液2Bは密栓し、保管する。
【0048】次に、液2Aに液2Bを液温が30℃を越
えないよう冷却、撹拌しながら添加し、均一に混合す
る。この液を液2と称する。この操作では、混合に伴い
発熱するので、液2Bは徐々に加えるようにし、中和熱
によるアクリル酸モノマーの自然重合および液の沸騰、
飛散が起こらないようにする。
【0049】混合後は密栓し、アクリル酸モノマーの自
然重合をできるだけ抑えるため10℃以下の暗所に保管
する。
【0050】次に、液2を幅50mm、長さ800m
m、厚さ1.5mmのシリコン型に充填する。次に、紫
外線照射装置(高圧水銀灯使用、出力750W、照射距
離180mm、照射時間15秒間)を用いて1液に架橋
重合を行わせる。この結果、透明で粘着性を有し、ソリ
ッドゲル状かつシート状の導電性組成物を得る。
【0051】実施の形態3; アクリル酸モノマー31
部にN−N’メチレンビスアクリルアミド0.16部、
ベンジルジメチルケタル0.16部を加え、撹拌しなが
ら均一に溶解する。各成分の混合順序はどのような順序
でも良い。次に、ピロリドンカルボン酸26部を加え
る。ピロリドンカルボン酸は液中に沈殿するが特に問題
はない。この液を液3Aと称する。
【0052】以上の操作では大きな反応熱は出ないの
で、特に冷却操作等は必要としない。混合後は密栓し、
アクリル酸モノマーの自然重合をできるだけ抑えるため
10℃以下の暗所に保管する。
【0053】次に、水13部にKOH31部を加え、撹
拌しながら均一に溶解する。この液を液3Bと称する。
この操作ではKOHの溶解に伴い発熱するので、KOH
は徐々に加えるようにし、溶解熱による液の沸騰、飛散
が起こらないようにする。混合後液3Bは密栓し、保管
する。
【0054】次に、液3Aに液3Bを液温が30℃を越
えないよう冷却、撹拌しながら添加し、均一に混合す
る。添加の過程で液3A中に沈殿していたピロリドンカ
ルボン酸は徐々に溶解し、最終的には完全に透明な溶液
になる。この液を液3と称する。この操作では、混合に
伴い発熱するので、液3Bは徐々に加えるようにし、中
和熱によるアクリル酸モノマーの自然重合および液の沸
騰、飛散が起こらないようにする。
【0055】混合後は密栓し、アクリル酸モノマーの自
然重合をできるだけ抑えるため10℃以下の暗所に保管
する。
【0056】次に、液3を幅50mm、長さ800m
m、厚さ1.5mmのシリコン型に充填する。次に、紫
外線照射装置(高圧水銀灯使用、出力750W、照射距
離180mm、照射時間15秒間)を用いて液3に架橋
重合を行わせる。この結果、透明で粘着性を有し、ソリ
ッドゲル状かつシート状の導電性組成物を得る。
【0057】実施の形態4; アクリル酸モノマー28
部にN−N’メチレンビスアクリルアミド0.13部、
ベンジルジメチルケタル0.13部、乳酸24部を加
え、撹拌しながら均一に溶解する。この液を液4Aと称
する。各成分の混合順序はどのような順序でも良い。
【0058】以上の操作では大きな反応熱は出ないの
で、特に冷却操作等は必要としない。混合後は密栓し、
アクリル酸モノマーの自然重合をできるだけ抑えるため
10℃以下の暗所に保管する。
【0059】次に、水15部にKOH33部を加え、撹
拌しながら均一に溶解する。この液を液4Bと称する。
この操作ではKOHの溶解に伴い発熱するので、KOH
は徐々に加えるようにし、溶解熱による液の沸騰、飛散
が起こらないようにする。混合後液4Bは密栓し、保管
する。
【0060】次に、液4Aに液4Bを液温が30℃を越
えないよう冷却、撹拌しながら添加し、均一に混合す
る。この液を液4と称する。この操作では、混合に伴い
発熱するので、液4Bは徐々に加えるようにし、中和熱
によるアクリル酸モノマーの自然重合および液の沸騰、
飛散が起こらないようにする。
【0061】混合後は密栓し、アクリル酸モノマーの自
然重合をできるだけ抑えるため10℃以下の暗所に保管
する。
【0062】次に、液4を幅50mm、長さ800m
m、厚さ1.5mmのシリコン型に充填する。次に、紫
外線照射装置(高圧水銀灯使用、出力750W、照射距
離180mm、照射時間15秒間)を用いて液4に架橋
重合を行わせる。この結果、透明で粘着性を有し、ソリ
ッドゲル状かつシート状の導電性組成物を得る。
【0063】比較例1. アクリル酸モノマー22部に
N−N’メチレンビスアクリルアミド0.09部、ベン
ジルジメチルケタル0.09部、水13部、ピロリドン
カルボン酸カリ50部、KOH13部をこの順序で、液
温が30℃を越えないよう冷却、撹拌しながら添加し、
均一に混合する。
【0064】液は混合後、1分で容器を傾けても流動し
なくなり、シャーベット状またはざらめ雪状にゲル化す
る。そのため電極成形用の型への注型やインジェクショ
ンが事実上不可能になる。
【0065】比較例2. アクリル酸モノマー22部に
N−N’メチレンビスアクリルアミド0.09部、ベン
ジルジメチルケタル0.09部、水13部、乳酸カリ5
0部、KOH13部をこの順序で、液温が30℃を越え
ないよう冷却、撹拌しながら添加し、均一に混合する。
【0066】液は混合後、1分で容器を傾けても流動し
なくなり、シャーベット状またはざらめ雪状にゲル化す
る。そのため電極成形用の型への注型やインジェクショ
ンが事実上不可能になる。
【0067】図1に実施の形態1〜4、比較例1、2の
導電性組成物それぞれの組成とその特性を示す。評価の
欄に示すように、実施の形態1〜4の2液タイプの各液
は調製後7日以上経ても流動性は維持されており、2液
を混合しても7日以上流動性は維持される。これに対
し、比較例1、2の1液タイプのものは、調製後1分で
流動性がなくなる。
【0068】以上の各実施の形態では、光による重合の
開始剤としてのベンジルジメチルケタルと架橋剤として
のN−N’メチレンビスアクリルアミドを、遊離基重合
可能な不飽和化合物としてのアクリル酸、および保湿剤
となる酸としてのピロリドンカルボン酸または乳酸、が
含まれている液の方に含ませたが、これら重合の開始剤
または架橋剤は、水、KOHおよび/またはNaOHが
含まれている液の方に含ませても同様の作用効果を有す
る。
【0069】図2〜図8に、1液タイプと2液タイプそ
れぞれについて各成分の重量%を変えて原液を製造した
場合の試作結果を示す。1液タイプの試作の場合は、上
記比較例1または2と同様の製法により作成し、2液タ
イプの試作の場合は、上記実施の形態1〜4と同様の製
法により作成する。ここで評価の欄に、各液が調製可能
か否か(自然重合が生じないか否か)、またそれぞれの
タイプの製造法により製造された結果物のゲル化が可能
か否かを示す。可能なものには丸印、可能でないものに
はバツ印を付けてある。
【0070】これらの試作結果より、2液中の各成分が
次の範囲にあれば原液は適度な流動性を備え、その結
果、注型等により所望の成型が可能となることが判明し
た。
【0071】保湿剤のもとになる酸がピロリドンカルボ
ン酸の場合(1);第1の液の成分はアクリル酸モノマ
ー、ピロリドンカルボン酸、N−N’メチレンビスアク
リルアミド、ベンジルジメチルケタル。それぞれの量は
第2の液との混合後の全体量に対し順に20〜50重量
%、1〜43重量%、0.01〜1重量%、0.01〜
1重量%、となる量。第2の液の成分は水、NaOH、
KOH。これらのうち水、NaOHそれぞれの量は第1
の液との混合後の全体量に対し順に7〜25重量%、
0.2〜13重量%となる量。KOHは、混合後の全体
液のPHが4.0〜8.0となるように添加する。
【0072】保湿剤のもとになる酸が乳酸の場合
(1);第1の液の成分はアクリル酸モノマー、乳酸、
N−N’メチレンビスアクリルアミド、ベンジルジメチ
ルケタル。それぞれの量は第2の液との混合後の全体量
に対し順に20〜50重量%、1〜32重量%、0.0
1〜1重量%、0.01〜1重量%、となる量。第2の
液の成分は水、NaOH、KOH。これらのうち水、N
aOHそれぞれの量は第1の液との混合後の全体量に対
し順に10〜25重量%、0.3〜32重量%となる
量。KOHは混合後の全体液のPHが4.0〜8.0と
なるように添加する。
【0073】保湿剤のもとになる酸がピロリドンカルボ
ン酸の場合(2);第1の液の成分はアクリル酸モノマ
ー、ピロリドンカルボン酸、N−N’メチレンビスアク
リルアミド、ベンジルジメチルケタル。それぞれの量は
第2の液との混合後の全体量に対し順に20〜50重量
%、1〜43重量%、0.01〜1重量%、0.01〜
1重量%、となる量。第2の液の成分は水、KOH。こ
のうち水の量は第1の液との混合後の全体量に対し8〜
25重量%となる量。KOHは、混合後の全体液のPH
が4.0〜8.0となるように添加する。
【0074】保湿剤のもとになる酸が乳酸の場合
(2);第1の液の成分はアクリル酸モノマー、乳酸、
N−N’メチレンビスアクリルアミド、ベンジルジメチ
ルケタル。それぞれの量は第2の液との混合後の全体量
に対し順に20〜50重量%、1〜35重量%、0.0
1〜1重量%、0.01〜1重量%、となる量。第2の
液の成分は水、KOH。このうち水の量は第1の液との
混合後の全体量に対し6〜25重量%なる量。KOH
は、混合後の全体液のPHが4.0〜8.0となるよう
に添加する。
【0075】尚、上記各実施の形態、上記各試作品では
保湿剤のもととなる酸は1種類としたが、これらの酸を
複数種組み合わせたものであっても同様の作用効果が得
られる。
【0076】図1に示した実施の形態1〜4および図2
〜図8に示した試作品S1〜S56では不飽和化合物
は、遊離基重合可能な不飽和化合物であるアクリル酸と
したが、これに代えて同じく遊離基重合可能な不飽和化
合物であるメタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、2−アクリルアミド
−2メチルプロパンスルホン酸、それらの塩などの単独
あるいは混合物、アクリル酸−ビニルピロリドン混合
物、酢酸ビニル−ピロリドン混合物、酢酸ビニル−エチ
レン混合物、酢酸ビニル−マレイン酸ジオクチル混合物
のいずれかであっても同様の作用効果が得られる。
【0077】また同様に重合開始剤は、光による重合を
開始させる光重合開始剤のベンジルジメチルケタルとし
たが、これに代えて1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−
フェニル−ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−
フェニル−ケトンとベンゾフェノンの共融混合物、2−
メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ンフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチ
ルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノ
ン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−
プロパン−1−オンと2.4.6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニル−フォスフィンオキサイドの混合物、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オンとビスアシルフォスフィンオキサイドの混合物、1
−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2
ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビ
ス(シクロペンタジエニル)−ビス(2.6−ジフルオ
ロ−3−(ピル−1−イル)チタニウムのいずれかであ
っても同様の作用効果が得られる。
【0078】また上記の例ではいずれも光による重合を
行わせて組成物を製造したが、熱による重合を行わせて
も組成物を製造できる。この場合の重合開始剤は、アゾ
ビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパ−オキシド、ラ
ウロイルパ−オキシド、メチルエチルケトンパ−オキシ
ド、シクロヘキサノンパ−オキシド、t−ブチルハイド
ロパ−オキシド、ジ−t−ブチルパ−オキシド、ジ−t
−アミルパ−オキシド、ジクミルパ−オキシド、t−ブ
チルパ−ベンゾエートのいずれであっても良い。このよ
うな重合により製造された組成物によっても光による重
合により製造された組成物と同様の作用効果が得られ
る。
【0079】また同様に架橋剤は遊離基重合可能な多感
応性不飽和材料であるN−N’メチレンビスアクリルア
ミドとしたが、これに代えて同じく遊離基重合可能な多
感応性不飽和材料であるエチレングリコールジメタアク
リレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、1.3−ブ
タンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペ
ンチルグリコールジアクリル、トルメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレートのいずれかで
あっても同様の作用効果が得られる。
【0080】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、第1の液のP
Hが成分2の酸によって低く保たれるのでこの第1の液
中の成分1の不飽和化合物に自然重合が生じることがな
い。また第2の液には長時間保存しても変化する成分は
含まれない。このため2つの液はそれぞれ流動性を維持
した状態で長時間保存可能である。また、第1の液と第
2の液を混合しても、酸性度の高い成分2の酸がNaO
HまたはKOHと選択的に中和反応に関与するので、こ
のNaOHまたはKOHにより不飽和化合物の自然重合
が生じることを抑制することができる。
【0081】このように、原液調製後も流動性が保たれ
ることで、注型やインジェクションによるソリッドゲル
状の導電性組成物の成型が可能となる。またこの原液を
網目状等の形状の補強材に染み込ませてから架橋重合開
始処理を行う場合も、流動性が保たれている結果、補強
材への染み込みが良くなり、目的とするゲル状組成物を
得ることができる。
【0082】さらに、原液全体が均一に重合するので、
架橋重合処理後のゲル状組成物は架橋重合むらがなく、
品質も安定している。またこのゲル状組成物は残留モノ
マーもなく、皮膚障害が生じ難い。
【0083】また、フィルム状の電極素子にこの原液を
塗工すれば、連続的に効率良くシート状の電極を製造す
ることも可能となる。
【0084】以上のように、本発明によれば、保湿剤を
導電性組成物に性能上必要な量まで添加したソリッドゲ
ル状の導電性組成物を安定して製造することができる。
【0085】請求項2の発明によれば、容易にソリッド
ゲル状の導電性組成物が得られる。
【0086】請求項3の発明によれば、製造が容易であ
り、かつこの方法による製造物は対皮膚インピーダンス
が極めて低い。
【0087】請求項4の発明によれば、製造時において
光による重合反応が効率良く行なわれるという効果を有
する。
【0088】請求項5の発明によれば、製造時において
熱による重合反応が効率良く行なわれるという効果を有
する。
【0089】請求項6の発明によれば、製造時において
架橋反応が効率良く行なわれるという効果を有する。
【0090】請求項7〜10の発明によれば、最適な導
電性組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1〜4、比較例1、2それぞれの製
法における原液の組成とその原液の評価を示す図。
【図2】原液の組成を変えて作成した試作品それぞれの
評価を示す図。
【図3】原液の組成を変えて作成した試作品それぞれの
評価を示す図。
【図4】原液の組成を変えて作成した試作品それぞれの
評価を示す図。
【図5】原液の組成を変えて作成した試作品それぞれの
評価を示す図。
【図6】原液の組成を変えて作成した試作品それぞれの
評価を示す図。
【図7】原液の組成を変えて作成した試作品それぞれの
評価を示す図。
【図8】原液の組成を変えて作成した試作品それぞれの
評価を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 賢一郎 東京都新宿区西落合1丁目31番4号 日 本光電工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−181897(JP,A) 特開 昭62−11432(JP,A) 特開 昭61−179165(JP,A) 特開 平9−25383(JP,A) 特開 平4−193260(JP,A) 特開 平5−207984(JP,A) 特開 平4−293951(JP,A) 特開 平3−258239(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/04 A61N 1/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体と電極素子とを電気的および物理的に
    結ぶ機能を持ち、少なくとも下記の成分から組成される
    ゲル状の生体電極用導電性組成物の製法において、下記
    の成分のうち成分1および成分2を含む第1の液と、下
    記の成分のうち成分3および成分4を含む第2の液とを
    それぞれ製造した後、第1の液と第2の液とを混合し、
    その混合物に対し光の照射または加熱を行う生体電極用
    導電性組成物の製法。 1.遊離基重合可能な不飽和化合物 2.NaOHまたはKOHと反応し、その結果物は可塑
    剤としての機能および皮膚の角質層の生理的保湿機能を
    補助、増進させる機能を持つ保湿剤となる酸 3.水 4.NaOHおよび/またはKOH 5.光または熱による重合の開始剤 6.架橋剤
  2. 【請求項2】成分1の不飽和化合物は、アクリル酸、メ
    タクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、アクリルアミ
    ド、メタクリルアミド、2−アクリルアミド−2メチル
    プロパンスルホン酸、それらの塩などの単独あるいは混
    合物、アクリル酸−ビニルピロリドン混合物、酢酸ビニ
    ル−エチレン混合物、酢酸ビニル−マレイン酸ジオクチ
    ル混合物のうちのいずれかであることを特徴とする請求
    項1記載の生体電極用導電性組成物の製法。
  3. 【請求項3】成分2の酸は、ピロリドンカルボン酸、乳
    酸のいずれかまたはこれらの組み合わせであることを特
    徴とする請求項1または2記載の生体電極用導電性組成
    物の製法。
  4. 【請求項4】光による重合の開始剤は、ベンジルジメチ
    ルケタル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル
    −ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル
    −ケトンとベンゾフェノンの共融混合物、2−メチル−
    1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリ
    ノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ
    −1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、
    2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン
    −1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
    ル−プロパン−1−オンと2.4.6−トリメチルベン
    ゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイドの混合物、
    2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
    1−オンとビスアシルフォスフィンオキサイドの混合
    物、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニ
    ル]−2ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−
    オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2.6−
    ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウムのいず
    れかであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに
    記載の生体電極用導電性組成物の製法。
  5. 【請求項5】熱による重合の開始剤は、アゾビスイソブ
    チロニトリル、ベンゾイルパ−オキシド、ラウロイルパ
    −オキシド、メチルエチルケトンパ−オキシド、シクロ
    ヘキサノンパ−オキシド、t−ブチルハイドロパ−オキ
    シド、ジ−t−ブチルパ−オキシド、ジ−t−アミルパ
    −オキシド、ジクミルパ−オキシド、t−ブチルパ−ベ
    ンゾエートのいずれかであることを特徴とする請求項1
    乃至3いずれかに記載の生体電極用導電性組成物の製
    法。
  6. 【請求項6】成分6の架橋剤はN−N’メチレンビスア
    クリルアミド、エチレングリコールジメタアクリレー
    ト、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、ジ
    エチレングリコールジアクリレート、1.3−ブタンジ
    オールジアクリレート、1.4−ブタンジオールジアク
    リレート、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート、
    ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピ
    バリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリル、
    トルメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
    スリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトール
    ヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
    クリレートのいずれかであることを特徴とする請求項1
    乃至5いずれかに記載の生体電極用導電性組成物の製
    法。
  7. 【請求項7】 第1の液には、不飽和化合物としてアク
    リル酸モノマー、保湿剤となる酸としてピロリドンカル
    ボン酸、架橋剤としてN−N’メチレンビスアクリルア
    ミド、光による重合の開始剤としてベンジルジメチルケ
    タルが含まれており、それぞれの量は第2の液との混合
    後の全体量に対し順に20〜50重量%、1〜43重量
    %、0.01〜1重量%、0.01〜1重量%、となる
    量であり、第2の液には水、NaOH、KOHが含まれ
    ており、このうち水、NaOHそれぞれの量は第1の液
    との混合後の全体量に対し順に7〜25重量%、0.2
    〜13重量%となる量であり、KOHは混合後の全体液
    のPHを4.0〜8.0とする量であることを特徴とす
    る請求項1記載の生体電極用導電性組成物の製法。
  8. 【請求項8】 第1の液には不飽和化合物としてアクリ
    ル酸モノマー、保湿剤となる酸として乳酸、架橋剤とし
    てN−N’メチレンビスアクリルアミド、光による重合
    の開始剤としてベンジルジメチルケタルが含まれてお
    り、それぞれの量は第2の液との混合後の全体量に対し
    順に20〜50重量%、1〜32重量%、0.01〜1
    重量%、0.01〜1重量%、となる量であり、第2の
    液には水、NaOH、KOHが含まれており、このうち
    水、NaOHそれぞれの量は第1の液との混合後の全体
    量に対し順に10〜25重量%、0.3〜32重量%と
    なる量であり、KOHは混合後の全体液のPHを4.0
    〜8.0とする量であることを特徴とする請求項1記載
    の生体電極用導電性組成物の製法。
  9. 【請求項9】 第1の液には不飽和化合物としてアクリ
    ル酸モノマー、保湿剤となる酸としてピロリドンカルボ
    ン酸、架橋剤としてN−N’メチレンビスアクリルアミ
    ド、光による重合の開始剤としてベンジルジメチルケタ
    ルが含まれており、それぞれの量は第2の液との混合後
    の全体量に対し順に20〜50重量%、1〜43重量
    %、0.01〜1重量%、0.01〜1重量%、となる
    量であり、第2の液には水、KOHが含まれており、こ
    のうち水の量は第1の液との混合後の全体量に対し8〜
    25重量%となる量であり、KOHは混合後の全体液の
    PHを4.0〜8.0とする量であることを特徴とする
    請求項1記載の生体電極用導電性組成物の製法。
  10. 【請求項10】 第1の液には不飽和化合物としてアク
    リル酸モノマー、保湿剤となる酸として乳酸、架橋剤と
    してN−N’メチレンビスアクリルアミド、光による重
    合の開始剤としてベンジルジメチルケタルが含まれてお
    り、それぞれの量は第2の液との混合後の全体量に対し
    順に20〜50重量%、1〜35重量%、0.01〜1
    重量%、0.01〜1重量%、となる量であり、第2の
    液には水、KOHが含まれており、このうち水の量は第
    1の液との混合後の全体量に対し6〜25重量%となる
    量であり、KOHは混合後の全体液のPHを4.0〜
    8.0とする量であることを特徴とする請求項1記載の
    生体電極用導電性組成物の製法。
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