JP3397824B2 - 熱線反射膜及び熱線反射体 - Google Patents

熱線反射膜及び熱線反射体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニュートラルな色調を
有する熱線反射膜およびこの熱線反射膜を有する熱線反
射体に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜干渉により可視光を透過しかつ熱線
を反射する熱線反射膜として特開昭57−181503
号に示されるものが知られている。この熱線反射膜は、
λを熱線の波長としたとき、空気と接する第1層をλ/
8の光学膜厚を有する低屈折材料で形成し、第2層以下
を高屈折材料と低屈折材料とを交互にそれぞれλ/4の
光学膜厚で積層したものである。
【0003】例えば、透明基板上にλ/4の光学膜厚を
有するTiO2膜が形成され、このTiO2膜の上にλ/
4の光学膜厚を有するSiO2膜が形成され、このSi
2膜の上にλ/4の光学膜厚を有するTiO2膜が形成
され、このTiO2膜の上にλ/8の光学膜厚を有する
SiO2膜が形成されている熱線反射膜である。そし
て、これらのTiO2膜及びSiO2膜は、それぞれ周知
のスパッタリング法で形成されている。
【0004】このように高屈折率層と低屈折率層とを交
互に積層してなる熱線反射膜は、熱線波長域における両
者の屈折率差と、高屈折率層の屈折率の絶対値とが熱線
反射機能を決定するポイントとなる。すなわち、屈折率
差、屈折率の絶対値とも大きい方が熱線反射機能は大き
くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、屈折率差、屈
折率の絶対値とも大きくした場合には、熱線反射膜の透
過、および反射光の色調のコントロール、即ち膜厚依存
性や入射角依存性が悪化する要因にもなる。これは分光
特性上、可視域に現れる分光特性曲線のリップルの大き
さ、即ち極大と極小との差の大きさに色調が影響するか
らである。
【0006】このような従来の熱線反射膜を自動車用ガ
ラスに使用する場合、デザイン上の観点から基板ガラス
の色が熱線反射膜で変わらないように、熱線反射膜の色
調がニュートラルであることが望まれる。前記基板ガラ
スは、例えば、イオン着色成分としてNiO、CoO、
FeOをガラス中に含む熱線吸収ガラスからなり、グレ
ーまたはブロンズ色を呈している。
【0007】この基板ガラスの色が変わらないようにす
るためには、ハンター色度座標において、熱線反射膜の
成膜前と成膜後との基板ガラスの色調の変化量をΔa、
Δbで表すと、このΔaおよびΔbは、 透過色が、|Δa|≦2、かつ|Δb|≦2 反射色が、|Δa|≦5、かつ|Δb|≦5 であることが要求される。
【0008】ところで、従来のTiO2の屈折率は波長
依存性、即ち波長分散を有することはよく知られてい
る。例えば、図1に曲線aで示されるルチルの文献値に
示されるように、特に可視域に含まれる700nm以下
での屈折率の波長依存性が大きい(出展;Handbook of
Optics.1978,MCGRAW-HILL BOOK COMPANY)。
【0009】この性質は薄膜として成膜された場合も同
様である。例えば、Tiをターゲットとする通常の反応
性スパッタリングで得られるTiO2の屈折率を図1の
曲線bに示す。図から明らかなように可視域の屈折率の
上昇率が赤外域の屈折率の上昇率より急激に大きくなっ
ている。即ち、400〜700nmの波長範囲での屈折
率の最大値と最小値との差が0.3以上であり、可視域
で波長分散が増大している。これは色調のコントロール
をより困難にする要因となっている。
【0010】したがって、前記ΔaおよびΔbが前記条
件に入ることを実現するためには、前記従来の膜構成に
おいて、設計値に対する各層の膜厚のばらつきが少なく
とも±2%以内に収まるように膜厚をコントロールする
必要がある。このように色調が膜厚に敏感な理由は、屈
折率の高低差を利用した干渉膜であること、および上述
した如く、高屈折率材料として使用されるTiO2の波
長分散が特に可視域で大きいことのためである。
【0011】しかし、自動車用の大型ガラスに関して生
産ラインでこのような小さな公差内で膜厚のコントロー
ルを行うことは事実上、困難である。したがって、歩留
りが悪化し、高コストになるという問題があった。
【0012】そこで、本発明の目的は、熱線反射膜の透
過色および反射色の色調のコントロールが容易であり、
膜厚の許容範囲を広げることが出来、歩留りの向上およ
びコスト低減を達成することが出来る熱線反射膜および
熱線反射体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の熱線反射膜
は、屈折率が相対的に高い高屈折率層と屈折率が相対的
に低い低屈折率層とが交互に積層されている積層膜を有
する熱線反射膜において、前記高屈折率層は、400〜
700nmの波長範囲での屈折率の最大値と最小値との
差が0.2以下で、かつ波長700nmにおける屈折率
が2.3以上のTiO2膜である。
【0014】請求項の熱線反射膜は、熱線領域の波長
の4分の1の光学膜厚をそれぞれ有するTiO2膜と、
このTiO2膜より屈折率の低い低屈折率層とが交互に
積層され、少なくともその最上層のTiO2膜の上に前
記波長の8分の1の光学膜厚を有し、かつ前記TiO2
膜より屈折率の低い低屈折率層が積層されている熱線反
射膜において、前記TiO2膜は、400〜700nm
の波長範囲での屈折率の最大値と最小値との差が0.2
以下で、かつ波長700nmにおける屈折率が2.3以
上である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照しな
がら説明する。
【0016】本実施例の熱線反射膜は、ソーダライムシ
リカ組成のフロートガラスから成る透明なガラス基板上
に積層されている高屈折率層であるTiO2膜と、この
TiO2膜上に積層されている低屈折率層であるSiO2
膜と、このSiO2膜上に積層されているTiO2膜とを
備えている。λを熱線領域、即ちλ=1000〜130
0nmの波長としたとき、これらのTiO2膜およびS
iO2膜はいずれも4分のλの光学膜厚を有している。
そして、これらの積層された膜の上には、8分のλの光
学膜厚を有するSiO2膜が積層されて熱線反射膜が構
成されている。このSiO2膜の上は空気である。な
お、低屈折率材料としてSiO2以外にMgF2でもよい
が、大面積を有する基板への適用や耐久性を考慮すると
SiO2が好ましい。
【0017】本願の発明者らは、プラズマ中に1011
-3以上の電子の数密度を有し、アルゴンガスと酸素ガ
スとを含むアーク放電プラズマによりTi金属を蒸発、
酸化させてTiO2膜を形成し、得られた膜の可視域で
の屈折率の波長分散が低下していることを見い出した。
その様子を図1の曲線cに示す。
【0018】このようにして成膜されたTiO2の屈折
率の波長分散が小さい理由として次の2つが類推され
る。即ち、プロセスの特異性及び成膜速度である。
【0019】プロセスの特異性に関して、高密度のアー
ク放電プラズマのプロセスにおいては、熱陰極からの低
電圧かつ大電流のアーク放電によりプラズマが生成され
る。そのため、放電電圧は100V以下であるが、電流
は200Aでの放電も可能であり、プラズマ中の電子の
数密度は1011cm-3を超えている。
【0020】このプラズマ密度の値は、従来の直流スパ
ッタリングで用いられるようなグロー放電のプラズマ密
度に対して100倍以上高い値である。したがって、大
流量の反応ガスの処理が可能になり、これによってTi
2膜を高速に形成することが可能になるとともに、反
応活性度が極めて高いという特徴がある。なお、従来の
直流スパッタリングの放電電圧は300〜500Vであ
り、プラズマ密度は109cm-3である。
【0021】例えば、実施例で示すプロセスでは、高密
度のアーク放電プラズマ中において、金属Tiを蒸発さ
せてO2を導入しているが、導入した反応ガスだけでは
なく、蒸発した金属の原子も十分に活性化されていると
思われる。したがって、ガラス基板の表面において活性
な原子または分子の反応によってTiO2膜が生成され
ているはずである。これが本プロセスのTiO2膜の波
長分散が従来のスパッタリングプロセスなどで得られる
ものより小さいことの1つの推定理由である。
【0022】成膜速度に関して、上述の如く高速成膜が
可能であり、本実施例におけるTiO2の成膜速度は5
0〜100nm・m/min(1分に1mのスピードで
基板を送りながら蒸発させたときの成膜の速度、いわゆ
る動的成膜速度)であり、TiO2を従来のスパッタリ
ングで成膜した場合の成膜速度の約10〜20倍に相当
する。成膜速度は、ガラス基板上での膜形成に大きな影
響を与えると思われ、これが波長分散が異なるもう一つ
の理由である。
【0023】以上のように、TiO2膜の波長分散が小
さくなっている理由は、プラズマの電子密度、および成
膜速度や基板上での膜成長に起因するものと推定され
る。
【0024】図1の曲線cから明らかな如く、本発明に
係るTiO2膜は、400〜700nmの波長範囲22
での屈折率の最大値23と最小値21との差が0.2以
下で、かつ波長700nmにおける屈折率21が2.3
以上である。
【0025】図2は成膜装置の概略断面図であり、
(A)はTiO2膜を成膜する側から見た装置の側面図
であり、(B)はSiO2膜を成膜する側から見た装置
の側面図であり、(C)は装置の上面図である。この成
膜装置は高真空高密度アーク放電プラズマを利用した化
学的気相成長装置である。
【0026】この化学的気相成長装置1は、減圧された
雰囲気を調製することが出来る真空槽2を備えている。
真空槽2内には成膜室(反応室)3が形成されている。
そして、成膜室3内には、ガラス基板4の移動方向に複
数のヒータ5がガラス基板4の表面に対向して配列され
て取り付けられている。そして、このヒータ5によりガ
ラス基板4が加熱される。
【0027】また、真空槽2には、ガラス基板4の表面
を含む平面についてヒータ5と反対側に放電陽極である
銅製のるつぼ(ハース)6が取り付けられている。さら
に、真空槽2には、放電陰極であるプラズマガン7、8
が2台並べて設けられている。これらのプラズマガン
7、8からは成膜室3内に放電ガスであるアルゴンガス
が導入される。
【0028】TiO2を成膜する第1プラズマガン7か
ら容器であるるつぼ6に向けて、空芯コイル9の磁場に
よりプラズマ12が導かれる。そして、このプラズマ1
2によりるつぼ6内のTi材料が溶融・蒸発される。ま
た、成膜室3内にはTiO2の膜厚をモニターする水晶
振動子モニター10が取り付けられている。プラズマ1
2の下方にはこのプラズマ12に向けてO2ガスを導入
するガスノズル11が取り付けられている。
【0029】また、SiO2を成膜する第2プラズマガ
ン8からは放電陽極13に向けてプラズマ14が導入さ
れる。このプラズマ14は、空芯コイル15の磁場によ
りシート状に形成される。このシート状のプラズマ14
の下方にはこのプラズマ14に向けてO2ガスおよびシ
ラン(SiH4)ガスを導入するガスノズル16が取り
付けられている。また、成膜室3内にはSiO2の膜厚
をモニターする水晶振動子モニター17が取り付けられ
ている。
【0030】また、成膜室3内には待避ゾーン18が設
けられており、この待避ゾーン18によりガラス基板4
を第1プラズマガン7側および第2プラズマガン8側の
間を移動させることが出来る。したがって、TiO2
およびSiO2膜を交互に積層して多層膜を形成するこ
とが出来る。
【0031】第1プラズマガン7でTiO2膜を形成す
るには、空芯コイル9による磁場によりプラズマ12を
容器であるるつぼ6内に導入し、るつぼ6内のTi材料
を溶融・蒸発させ、O2ガスと反応させることによって
TiO2膜を成膜する。
【0032】第2プラズマガン8でSiO2膜を形成す
るには、磁場にてプラズマ14をシート化し、SiH4
ガスを分解してO2ガスと反応させることによってSi
2膜を形成する。成膜速度は、水晶振動子モニター1
7にてモニター可能となっている。
【0033】次に成膜条件について説明する。TiO2
膜の成膜条件は、ソースがTi、放電電流が約120
A、Arガスの流量が30cm 3 /min(室温、大気
圧下)、O2ガスの流量が400cm 3 /min(室温、
大気圧下)、成膜時の圧力が133Paである。Si
2膜の成膜条件は、放電電流が約80A、Arガスの
流量が30cm 3 /min(室温、大気圧下)、O2ガス
の流量が1000cm 3 /min(室温、大気圧下)
SiH4ガスの流量が約500cm 3 /min(室温、大
気圧下)、成膜時の圧力が266Paである。
【0034】そして、TiO2膜およびSiO2膜の共通
の成膜条件としては、基板加熱温度が300℃、背圧
(ガス流入前の圧力)が133×10-5 Paである。
【0035】次に、実施例1の成膜方法について説明す
る。先ず、図1の曲線cから読み取った屈折率をもとに
して光学計算により、所望の光学特性が得られるように
膜厚を決定する第1の工程を行う。次に、100mm×
100mmのガラス基板4を成膜室3内にセットする第
2の工程を行う。次に、この成膜室3内を所定の真空度
にする第3の工程を行う。その後、TiO2の放電を開
始して成膜室3内を定常状態にする第4の工程を行う。
【0036】次に、水晶振動子をモニターしながら、成
膜しようとする膜厚が得られるように放電電流と基板送
り速度を決定する第5の工程を行う。次に、最初のTi
2膜を成膜する第6の工程を行う。次に、SiO2の放
電を開始して成膜室3内を定常状態にする第7の工程を
行う。次に、水晶振動子をモニターしながら、成膜しよ
うとする膜厚が得られるようにSiH4の流量とガラス
基板4の送り速度を調節する第8の工程を行う。次に、
SiO2膜を成膜する第9の工程を行う。
【0037】次に、第5の工程から第9の工程を所望の
層数になるまで繰り返す。本実施例では4層であるので
1回繰り返す。
【0038】実施例2および3は、実施例1の膜厚を故
意に5%増減した点のみが異なり、他の点は実施例1と
同様の成膜方法である。
【0039】参考例1および2は、実施例1の膜厚を故
意に10%程度増減した点のみが異なり、他の点は実施
例1と同様の成膜方法である。
【0040】
【表1】
【0041】実施例1〜3と、参考例1および2とで得
られた熱線反射膜の光学特性を表1にまとめて示す。ま
た、実施例1の分光特性を図3に示す。図中、実線は透
過率を示し、破線は反射率を示している。図から可視域
の反射率の極大と極小との差は、約4%である。これは
後述する比較例2より小さく、したがって可視域の分光
反射率曲線がより平坦になっているため、分光特性が向
上している。
【0042】表1から明らかな如く、膜厚偏差が5%ま
では透過色、反射色ともガラス基板からの色調の差がそ
れぞれ、 透過色については、|Δa|≦2、|Δb|≦2 反射色については、|Δa|≦5、|Δb|≦5 に入っている。さらに太陽エネルギーの透過率である日
射透過率で表される熱線反射機能についても、比較例に
遜色ないものが得られていることがわかる。
【0043】次に、周知のスパッタリング法にて作成し
た4層膜の比較例を説明する。なお、実施例に示したプ
ラズマガンを用いる方法と、後述するスパッタリング法
とでその生成されるSiO2膜の屈折率に差はなく、ど
ちらの方法によっても400〜700nmでほぼ1.4
6であった。
【0044】比較例1のTiO2膜の成膜条件は、Ti
ターゲットによる直流マグネトロン反応性スパッタリン
グにおいて、カソード電流を約8A、O2ガスの流量を
100cm 3 /min(室温、大気圧下)としたもので
ある。また、SiO2膜の成膜条件は、SiO2ターゲッ
トによる高周波スパッタリングにおいて、高周波パワー
を2kW、O2ガスの流量を50cm 3 /min(室温、
大気圧下)、Arガスの流量を50cm 3 /min(室
温、大気圧下)としたものである。
【0045】この比較例1の成膜方法は、上述した実施
例1の成膜方法における第5の工程で放電電流の代わり
にカソード電流とした点および第8の工程でSiH4
流量の代わりに高周波パワーとした点を除けば実施例1
と同様である。
【0046】また比較例2〜7の成膜方法は、膜厚を故
意に変化させたことを除けば比較例1と同じである。
【0047】
【表2】
【0048】比較例1〜7で得られた熱線反射膜の光学
特性を表2にまとめて示す。また比較例2の分光特性を
図4に示す。図中、実線は透過率を示し、破線は反射率
を示している。図から可視域の反射率の極大と極小との
差は、約6%である。
【0049】表2より明らかなように膜厚偏差が2%程
度まで(比較例1、5、6)は透過色、反射色とも基板
からの色調の差がそれぞれ、 透過色については、|Δa|≦2、|Δb|≦2 反射色については、|Δa|≦5、|Δb|≦5 の範囲内にほとんど入っている。しかし、膜厚偏差が2
%を超えると透過色、反射色の基板からのaおよびbの
変化量が前記範囲を逸脱していることがわかる。
【0050】以上の実施例1〜3においては4層構成と
したが、4層を超えた構成であっても同様の効果を得る
ことが出来る。例えば、λを熱線の波長としたときに、
透明基板上に8分のλの光学膜厚を有するSiO2膜を
形成し、このSiO2膜の上に4分のλの光学膜厚を有
するTiO2膜を形成し、このTiO2膜の上に4分のλ
の光学膜厚を有するSiO2膜を形成し、このSiO2
の上に4分のλの光学膜厚を有するTiO2膜を形成
し、このTiO2膜の上に8分のλの光学膜厚を有する
SiO2膜を形成してなる膜構成であっても良い。この
ように最上層および基板の直上に8分のλのSiO2
を形成することにより、可視域のリップルをさらに抑え
ることが出来る。
【0051】また、同様にλを熱線の波長としたとき
に、透明基板上に4分のλの光学膜厚を有するTiO2
膜を形成し、このTiO2膜の上に4分のλの光学膜厚
を有するSiO2膜を形成し、このSiO2膜の上に4分
のλの光学膜厚を有するTiO2膜を形成し、このTi
2膜の上に4分のλの光学膜厚を有するSiO2膜を形
成し、このSiO2膜の上に4分のλの光学膜厚を有す
るTiO2膜を形成し、このTiO2膜の上に8分のλの
光学膜厚を有するSiO2膜を形成してなる膜構成であ
っても良い。
【0052】
【発明の効果】本発明による熱線反射膜および熱線反射
体では、可視域での波長分散が小さくかつ近赤外でもあ
るレベル以上の屈折率を有しているTiO2膜を高屈折
率層として有するので、積層する膜の厚みが設計膜厚か
らずれても、透過色調と反射角度が大きいときの反射色
調とを目立たなくすることが出来る。すなわち、ハンタ
ー色度座標のaおよびbの絶対値の大きさを小さくする
ことが出来、色調をニュートラルにすることが出来る。
したがって、膜厚の許容範囲を広げることが出来、量産
プロセスにおいて歩留りの向上およびコスト低減を達成
することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明と従来例とのそれぞれの波長と屈折率と
の関係を示す図である。
【図2】本発明で用いる成膜装置を示す概略断面図であ
る。
【図3】本発明による実施例1の分光特性を示す図であ
る。
【図4】比較例2の分光特性を示す図である。
【符号の説明】
4 透明基板 6 るつぼ 12 プラズマ 21 屈折率(最小値) 22 波長範囲 23 最大値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 14/32 C23C 14/32 B G02B 5/28 G02B 5/28 // E06B 9/24 E06B 9/24 A (56)参考文献 特開 平2−34775(JP,A) 特開 平2−15162(JP,A) 特開 平2−14851(JP,A) 特開 平1−188446(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 15/00 - 23/00 B32B 1/00 - 35/00 C01G 23/04 C23C 14/00 - 14/58

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率が相対的に高い高屈折率層と屈折
    率が相対的に低い低屈折率層とが交互に積層されている
    積層膜を有する熱線反射膜において、 前記高屈折率層は、400〜700nmの波長範囲での
    屈折率の最大値と最小値との差が0.2以下で、かつ波
    長700nmにおける屈折率が2.3以上のTiO2
    である熱線反射膜。
  2. 【請求項2】 前記低屈折率層がSiO2膜である請求
    記載の熱線反射膜。
  3. 【請求項3】 熱線領域の波長の4分の1の光学膜厚を
    それぞれ有するTiO2膜と、このTiO2膜より屈折率
    の低い低屈折率層とが交互に積層され、少なくともその
    最上層のTiO2膜の上に前記波長の8分の1の光学膜
    厚を有し、かつ前記TiO2膜より屈折率の低い低屈折
    率層が積層されている熱線反射膜において、 前記TiO2膜は、400〜700nmの波長範囲での
    屈折率の最大値と最小値との差が0.2以下で、かつ波
    長700nmにおける屈折率が2.3以上である熱線反
    射膜。
  4. 【請求項4】 請求項に記載の熱線反射膜を透明基板
    の表面に備え、その熱線反射膜は、前記波長の8分の1
    の光学膜厚を有する低屈折率層が少なくとも前記透明基
    板と反対側に位置している熱線反射体。
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