JP3397619B2 - エレベータの安全装置 - Google Patents

エレベータの安全装置

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JP3397619B2 JP04085197A JP4085197A JP3397619B2 JP 3397619 B2 JP3397619 B2 JP 3397619B2 JP 04085197 A JP04085197 A JP 04085197A JP 4085197 A JP4085197 A JP 4085197A JP 3397619 B2 JP3397619 B2 JP 3397619B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータの安全
装置に関し、より詳しくは、主索が切断したときに乗り
かごの落下を制動する非常制動機構をより迅速に作動さ
せることができるエレベータの安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来使用されているエレベータの安全装
置の一例を図7を参照して説明すると、主索1によって
吊り下げられたエレベータの乗りかご2は、ガイドレー
ル3によって案内されて昇降する。合計4本の主索1の
下端にそれぞれ接続された合計4本のシャックルロッド
4は、乗りかご2の基枠5に貫設された挿通孔内に挿通
され、基枠5に対して上下方向に変位可能に支持される
とともに、その下端は水平に延びる矩形状のストッパプ
レート6にそれぞれ固着されている。そして、ストッパ
プレート6と基枠5との間にはそれぞれ動作ばね7が介
装され、乗りかご2の重量によって圧縮されている。
【0003】一方、前記乗りかご2には、主索1が万が
一切断した場合に、乗りかご2が落下することを防止す
る非常制動機構8が設けられている。そして、この非常
制動機構8を作動させるワイヤケーブル9の先端が、前
記ストッパプレート6に直接接続されている。これによ
り、主索1が万が一切断すると、動作ばね7が瞬時に伸
張してストッパプレート6を下方に変位させワイヤケー
ブル9を引っ張るので、非常制動機構8が作動して乗り
かご2の落下を防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した非
常制動機構8は、乗りかご2の昇降速度に応じて例えば
0.04秒未満といった非常に短い時間内に作動するこ
とが求められる。これにより、動作ばね7の伸張によっ
て変位する部分を軽量化してその慣性質量を低減させ、
ワイヤケーブル9を瞬時に引っ張ることができるように
する必要がある。
【0005】しかしながら、上述した従来のエレベータ
の安全装置においては、ワイヤケーブル9が接続されて
いるストッパプレート6にエレベータの乗りかご2の重
量が負荷されるため、ストッパプレート6は必然的に強
固で重量がかさむものとなってしまう。
【0006】また、上述した従来のエレベータの安全装
置においては、矩形板状のストッパプレート6の四隅に
合計4本のシャックルロッド4の下端がそれぞれ固着さ
れている。これにより、動作ばね7が伸張してストッパ
プレート6を下方に変位させる際にストッパプレート6
が傾斜することがないように、ストッパプレート6に固
着されたガイド部材10と基枠に固着されたガイド部材
11とが互いにスライド嵌合し、ストッパプレート6の
上下方向の変位を案内するようにされている。
【0007】すなわち、上述した従来のエレベータの安
全装置においては、ストッパプレート6とガイド部材1
0との重量がかさみ、動作ばね7の伸張によって変位す
る部分の慣性質量が大きい。したがって、所定の作動時
間内に非常制動機構8を作動させるためには、動作ばね
7のばね力を強くしなければならない。すると、動作ば
ね7上に支持されている乗りかご2の乗り心地が悪化す
る。また、乗りかご2に大きな強制変位が加えられる
と、動作ばね7の強い反力によってシャックルロッド4
が大きく上下動するので、ストッパプレート6が下方に
大きく変位して非常制動機構8を誤動作させるおそれが
ある。さらに、ストッパプレート6にワイヤケーブル9
を接続する部分の周囲がガイド部材10,11によって
覆われているので、組み付け時の調整を容易に行うこと
ができない。また、上述した従来のエレベータの安全装
置においては、ストッパプレート6を案内するガイド部
材10,11がスムーズに摺動するように、加工精度お
よび組立精度を向上させなければならない。
【0008】そこで、本発明の目的は、上述した従来技
術が有する問題点を解消し、非常制動機構を作動させる
ワイヤケーブルを引っ張る部分の慣性質量を低減させる
ことができ、非常制動機構を瞬時に作動させることがで
きるエレベータの安全装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明のエレベータの安全装置は、エレベータの乗
りかごの基枠に上下方向に変位可能に支持されるととも
に、その上部が前記乗りかごを吊り下げる主索に接続さ
れたシャックルロッドと、このシャックルロッドの下端
に取り付けられたストッパ部材と前記基枠との間に介装
されて前記乗りかごの重量によって圧縮される動作ばね
と、前記基枠に揺動自在に支持されるとともに前記シャ
ックルロッドと係合し、前記シャックルロッドの下方向
への変位に連動して揺動するシーソー部材と、前記主索
が切断したときに前記乗りかごの落下を制動する非常制
動機構に一端が接続されるとともに他端が前記シーソー
部材に接続され、前記シーソー部材の揺動に連動して前
記非常制動機構を作動させるワイヤーケーブルと、を備
え、前記動作ばねのばね長さに対するばね力の特性グラ
フを非線形とするとともに、前記乗りかごの重量によっ
て圧縮されたときのばね長さにおけるばね定数を、前記
動作ばねが伸張したときのばね長さにおけるばね定数よ
りも小さく設定したことを特徴としている。
【0010】すなわち、本発明のエレベータの安全装置
においては、万が一主索が切断した場合には、シャック
ルロッドが動作ばねによって下方に変位させられ、シー
ソー部材が揺動させられる。そして、このシーソー部材
の揺動に連動するワイヤケーブルが引っ張られて非常制
動機構が作動する。このとき、本発明のエレベータの安
全装置においては、ワイヤケーブルを引っ張るシーソー
部材には乗りかごの重量が全く作用しないから、シーソ
ー部材を軽量化してその慣性質量を低減させることがで
きる。これにより、非常制動機構を極めて迅速に作動さ
せることができる。また、動作ばねによって変位させら
れる部分の慣性質量を低減できるから、非常制動機構の
作動に要する時間を所定の時間内に納めることができる
範囲で、動作ばねのばね力を従来のそれに比較して弱め
ることができる。これにより、動作ばねによって支持さ
れている乗りかごの乗り心地を向上させることができ
る。また、動作ばねのばね力を弱めることにより、乗り
かごに大きな強制変位が加えられて動作ばねが伸縮して
も、動作ばねがシャックルロッドに作用させる反力の大
きさを減少させることができる。これにより、シャック
ルロッドが乗りかごの基枠に対して大きく変位すること
を防止できるから、シーソー部材の揺動変位を小さく抑
えることができ、非常制動機構を誤動作させるおそれが
ない。さらに、動作ばねのばね特性を非線形とし、乗り
かごの重量によって圧縮されたときのばね定数を、伸張
したときのばね定数よりも小さく設定するので、乗りか
ごの乗り心地を向上させることができる。また、主索が
切断した非常時には、動作ばねが伸張するに連れてばね
常数が高まるため、非常制動機構を迅速に作動させるこ
とができる。
【0011】また、本発明のエレベータの安全装置にお
いては、シャックルロッドとシーソー部材とが係合する
部分に、シャックルロッドに遊嵌させたワッシャを介装
させているので、シャックルロッドがシーソー部材に噛
み付くことがなく、両者を滑らかに摺動させることがで
きる。これにより、非常制動機構の作動に要する時間を
より短縮させることができるばかりでなく、両者を容易
に分離することができるから、非常制動機構が作動した
後の復旧作業を容易に行うことができる。
【0012】また、前記ワッシャがシーソー部材と接触
する部分に低摩擦性の樹脂材料からなる緩衝材を配置す
ることにより、シャックルロッドとシーソー部材との相
対変位をさらにスムーズなものとすることができ、非常
制動機構の作動に要する時間をさらに短縮させることが
できる。そして、乗りかごに上下振動が生じても、ワッ
シャとシーソー部材とが互いにぶつかり合って異音が発
生することがない。
【0013】また、ワイヤーケーブルのアウターチュー
ブを、乗りかごの基枠の下面に直接取り付けることとす
れば、ブラケットを介して前記アウターチューブを前記
基枠に取り付ける場合に比較して、ワイヤケーブルが基
枠の下面よりも下方に突出する寸法を減少させることが
できる。これにより、ワイヤケーブルと周囲の機器との
干渉を防止できるばかりでなく、乗りかごの上下方向寸
法を減少させて、ピットの深さを浅くすることもでき
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるエレベータの
安全装置の一実施形態を、図1乃至図6を参照して詳細
に説明する。ここで、図1は本発明に係る第1実施形態
のエレベータの安全装置の全体側面図、図2は図1中に
示したA−A矢視線に沿って破断した部分断面側面図、
図3は本発明に係る第2実施形態のエレベータの安全装
置の動作ばね部分の正面図、図4は図3中に示した動作
ばねのばね特性を表す線図、図5は図3中に示した動作
ばねの作動を表す説明図、図6は本発明に係る第3実施
形態のエレベータの安全装置を示す全体側面図である。
なお、図7に示した部分と同一の部分には同一の符号を
用いる。
【0015】まず最初に図1および図2を参照し、本発
明に係る1実施形態のエレベータの安全装置100につ
いて詳細に説明する。図1に示したように、エレベータ
の乗りかごの基枠5の図示左端部に貫設された挿通孔5
aには、乗りかごを吊り下げる合計4本の主索1の下端
にそれぞれ接続された合計4本のシャックルロッド4が
それぞれ挿通され、上下方向に変位可能に支持されてい
る。そして、シャックルロッド4の下端部にそれぞれ取
り付けられたストッパ21と基枠5の下面5bとの間に
は、合計4本の動作ばね22がそれぞれ介装されてい
る。これにより、動作ばね22は、乗りかごの重量によ
って圧縮され、その全長が短縮した状態となっている。
【0016】また、基枠5の上面5cには非常制動機構
8を作動させるワイヤケーブル40を引っ張るワイヤケ
ーブル引張り機構30が設けられている。すなわち、基
枠5の上面5cに固着されたブラケット31により支持
されて水平に延びる揺動軸32によって、矩形板状のシ
ーソー部材33が揺動自在に支持されている。そして、
このシーソー部材33の図示左端33a側に貫設された
合計4個の長孔34には、シャックルロッド4の小径部
4aがそれぞれ挿通されている。そして、シーソー部材
33の上面には、シャックルロッド4にそれぞれ遊嵌さ
れた鋼製のワッシャ35が載置されている。なお、ワッ
シャ35がシーソー部材33の上面に接触する部分に
は、例えばテトラフルオロエチレン等の低摩擦性の樹脂
材料が取り付けられている。これにより、シャックルロ
ッド4が下方に変位してシーソー部材33を押し下げる
際に、シャックルロッド4の大径部4bとシーソー部材
33との間の摺動が滑らかとなるばかりでなく、エレベ
ータが上下方向に振動してもワッシャ35とシーソー部
材33との間で異音が発生することがない。
【0017】一方、前記シーソー部材33の図示右端部
33bには、ワイヤケーブル40を構成するインナーケ
ーブル41の一端41aが係止金具42によって係止さ
れている。また、ワイヤケーブル40を構成するアウタ
ーチューブ43の一端43aが、係止金具44によって
基枠5の下面5bに直接係止されている。これにより、
アウターチューブ43の一端43aをブラケットを用い
て基枠5の下面5bに取り付ける場合に比較して、ワイ
ヤケーブル40の最下端部40aをより基枠5に近づけ
ることができ、周囲の機器との干渉を防止することがで
きる。また、前記インナーケーブル41の他端41b
は、非常制動機構8を構成するホルダ8aの上端部に接
続されている。また、前記アウターチューブ43の他端
部43bは、乗りかごの縦枠12に螺着されたブラケッ
ト45に取り付けられている。さらに、インナーケーブ
ル41の他端41bとブラケット45との間にはコイル
バネ46が介装され、インナーケーブル41を非常制動
機構8側に引っ張っている。
【0018】次に、上述のように構成された本実施形態
エレベータの安全装置100の作動について説明す
る。
【0019】通常時にはエレベータの乗りかごは、合計
4本の主索1によって吊り下げられている。これによ
り、動作ばね22は乗りかごの重量によって圧縮され、
シャックルロッド4は乗りかごの基枠5に対して上方に
変位している。また、シーソー部材33は、コイルばね
46によって引っ張られたインナーケーブル41によっ
て揺動軸32の回りに図示時計方向に一杯に揺動させら
れ、その図示右端部33bが基枠5の上面5cに当接し
ている。この状態においては、シーソー部材33の図示
左端部33aとシャックルロッド4の大径部4bとの間
にはわずかな隙間が存在している。これにより、乗りか
ごの上下振動によってシャックルロッド4が短いストロ
ークで基枠5に対して上下動しても、シャックルロッド
4の大径部4bがシーソー部材33に容易に接触するこ
とはない。また、ワッシャ35を持ち上げてシャックル
ロッド4の大径部4bに当接させた状態で、ワッシャ3
5とシーソー部材33の上面との間の隙間寸法を測定す
ることにより、シーソー部材33に対するシャックルロ
ッド4の上下方向の位置決めを容易に行うことができ
る。なお、シャックルロッド4の上下方向の位置調整
は、シャックルロッド4の下端部に螺合しているダブル
ナット23の調整によって行うことができる。
【0020】一方、乗りかごを吊り下げている合計4本
の主索1のいずれか一本でも、万が一切断した場合に
は、切断した主索接続されていたシャックルロッド4が
動作ばね22の伸張力によって下方に変位させられる。
そして、下方に変位するシャックルロッド4の大径部4
bがワッシャ35を介してシーソー部材33の上面に当
接し、シーソー部材33の図示左端部33aを押し下げ
る。すると、シーソー部材33は揺動軸32の回りに図
示反時計方向に揺動し、その図示右端部33bが上方に
変位する。これにより、インナーケーブル41の一端4
1aが上方に引っ張られるので、非常制動機構8のホル
ダ8aは、縦枠12に固着されたブロック8bに貫設さ
れているガイド孔8cに案内されながら上方に持ち上げ
られる。すると、ホルダ8aに保持されたローラ8dが
前記ブロック8bのテーパ面8eによってガイドレール
3に押しつけられる。そして、ローラ8dによって押圧
されたガイドレール3が、もう一つの縦枠13に固着さ
れたブロック8fと摩擦接触し、乗りかごの落下を制動
する。
【0021】このとき、本実施形態のエレベータの安全
装置100においては、シャックルロッド4の下端に
は、それぞれ円環状のストッパ21とダブルナット23
とが取り付けられているのみであり、図7に示したよう
なストッパプレート6やガイド部材10等の重量のかさ
む他の部材が全く取り付けられていない。これにより、
シャックルロッド4の慣性質量を従来のそれに比較して
大幅に低減することができる。さらに、インナーケーブ
ル41を引っ張るシーソー部材33には乗りかごの重量
が全く作用しないから、シーソー部材33を軽量化して
その慣性質量を低減させることができる。したがって、
本第1実施形態のエレベータの安全装置100によれ
ば、動作ばね22のばね力によって非常制動機構8を極
めて迅速に作動させることができる。
【0022】また、動作ばね22によって変位させられ
る部材の慣性質量を低減させたことにより、非常制動機
構8の作動に要する時間を所定の時間内に納めることが
できる範囲内で、動作ばね22のばね力を従来のそれに
比較して弱めることができる。これにより、動作ばね2
2によって支持されている乗りかごの乗り心地を向上さ
せることができる。また、動作ばね22のばね力を弱め
ることにより、乗りかごに大きな強制変位が加えられて
動作ばね22が伸縮しても、動作ばね22がシャックル
ロッド4に作用させる反力の大きさを減少させることが
できる。これにより、シャックルロッド4が乗りかごの
基枠5に対して大きく変位してシーソー部材33を揺動
させ、非常制動機構8を誤動作させるおそれがない。
【0023】また、本実施形態のエレベータの安全装置
100においては、シャックルロッド4の大径部4bと
シーソー部材33とが係合する部分に、シャックルロッ
ド4に遊嵌させたワッシャ35を介装させているので、
シャックルロッド4の大径部4bがシーソー部材33に
噛み付くことがなく、両者を滑らかに摺動させることが
できる。また、ワッシャ35がシーソー部材33の上面
に接触する部分に低摩擦性の樹脂材料を緩衝材として取
り付けているので、シャックルロッド4の大径部4bと
シーソー部材33との摺動が滑らかとなってシーソー部
材33を迅速に揺動させることができるばかりでなく、
エレベータが上下方向に振動してもワッシャ35とシー
ソー部材33との間で異音が発生することがない。
【0024】次に、図3乃至図5を参照し、上述した実
施形態のエレベータの安全装置100における動作ばね
の構成を変更した変形例について説明する。図3に示し
変形例のエレベータの安全装置200においては、乗
りかごの基枠5の下面に動作ばねハウジング50が固着
されている。そして、この動作ばねハウジング50内に
シャックルロッド4の下端部が挿入されている。また、
シャックルロッド4の下端部に取り付けられたストッパ
51と基枠5の下面との間には、上側動作ばね52が介
装されている。さらに、前記ストッパ51と動作ばねハ
ウジング50の底板53との間には、下側ほど外径が小
さくなる下側動作ばね54が介装されている。
【0025】本変形例のエレベータの安全装置200の
特徴部分は、前記上側および下側動作ばね52,54
が、全体として非線形特性を有した動作ばねとして動作
することにある。すなわち、図4に示したように、上側
動作ばね52は、シャックルロッド4が下方に変位する
に連れて次第に伸張し、ばね反力が弱まるようにそのば
ね特性が設定されている。これに対して、第2の動作ば
ね54は、シャックルロッド4が下方に変位するに連れ
て次第に圧縮され、ばね反力が非線形的に強まるように
そのばね特性が設定されている。したがって、第1およ
び第2の動作ばね52,54は、図2に示したように、
シャックルロッド4が下方に変位するほどそのばね定数
が次第に大きくなる、非線形のばね特性を有した動作ば
ねとして動作する。
【0026】さらに、第1および第2の動作ばね52,
54による非線形ばね特性は、従来用いられている動作
ばねの線形ばね特性に対して図5に示したような関係に
設定される。すなわち、シャックルロッド4が乗りかご
に対して相対的に最も上方に位置する定常位置から、乗
りかごの上下振動によってシャックルロッド4が乗りか
ごに対して下方に移動する範囲においては、第1および
第2の動作ばね52,54によるばね力は、従来の動作
ばねのばね力を下回るように設定されている。これに対
して、非常時にシャックルロッドが下方に変位するに連
れて、第1および第2の動作ばね52,54によるばね
力が、従来の動作ばねのばね力を上回るように設定され
ている。
【0027】したがって、本変形例のエレベータの安全
装置200によれば、乗りかごが上下振動したときに第
1および第2の動作ばね52,54が乗りかごに及ぼす
ばね反力のエネルギーを、従来使用している線形特性の
動作ばねに比較して、図5中にハッチングを付して示し
たように低減させることができ、乗りかごの乗り心地を
大幅に向上させることができる。一方、シャックルロッ
ドが下方に変位するにつれて、第1および第2の動作ば
ね52,54がシャックルロッド4を下方に変位させる
ばね力は、従来使用している線形ばね特性の動作ばねの
ばね力を上回るので、従来と同様にシャックルロッド4
を高速に変位させることができ、非常制動機構を迅速に
作動させることができる。
【0028】次に、図6を参照して、他の変形例のエレ
ベータの安全装置300について説明する。図6に示し
た変形例のエレベータの安全装置300においては、非
常制動機構8を作動させるワイヤケーブル70を引っ張
るワイヤケーブル引張り機構60の構成が、図1に示し
た第1実施形態のエレベータの安全装置100と異なっ
ている。すなわち、乗りかごの基枠5の下面5bに固着
されて下方に延びるブラケット61の下端には、水平に
延びる揺動軸62が取り付けられている。そして、この
揺動軸62によって揺動自在に支持された矩形板状のシ
ーソー部材63には挿通孔が貫設され、シャックルロッ
ド4の下端部が挿通されている。これにより、主索1が
万が一切断してシャックルロッド4が下方に変位する
と、シャックルロッド4の下端部に取り付けられたダブ
ルナット23がシーソー部材63を押圧し、シーソー部
材63を図示反時計回りに揺動させる。
【0029】一方、非常制動機構8に接続されたワイヤ
ケーブル70は、基枠5の上面5cに沿ってほぼ平行に
延びた後、基枠5の図示左端部分の上方において湾曲し
て下方に延びる。そして、ワイヤケーブル70を構成す
るインナーケーブル71の一端71aは、シーソー部材
63の揺動端63aに係止金具72によって係止されて
いる。さらに、前記ワイヤケーブル70を構成するアウ
ターチューブ73の一端73aは、係止金具74によっ
て基枠5の上面5cに係止されている。これにより、シ
ーソー部材63がシャックルロッド4によって押圧さ
れ、揺動軸62の回りに図示反時計方向に揺動すると、
インナーケーブル71の端部71aが下方に変位し、非
常制動機構8を引っ張って作動させる。
【0030】すなわち、本変形例のエレベータの安全装
置300においては、ワイヤケーブル引張り機構60が
乗りかごの基枠5の下方に設けられているので、基枠5
の上方に機器等が設けられて取り付けスペースを確保で
きない場合に適している。また、ワイヤケーブル70を
緩やかに湾曲させて配置することができるので、ワイヤ
ケーブル70を構成するインナーケーブル71とアウタ
ーチューブ73との間に生じる摩擦抵抗を低減し、非常
制動機構8をより迅速に作動させることができる。
【0031】以上、本発明に係るエレベータの安全装置
1実施形態およびその変形例について詳しく説明した
が、本発明は上述した実施形態およびその変形例によっ
て限定されるものではなく、種々の変更が可能であるこ
とは言うまでもない。例えば、上述した実施形態におい
ては、シャックルロッド4の上部に形成された大径部4
b、若しくはシャックルロッドの下端部に取り付けられ
たダブルナット23を用いてシーソー部材を揺動させる
ように構成されているが、シャックルロッド4の長手方
向の中間部に設けた何らかの係合部材によってシーソー
部材を揺動させることもできる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のエレベータの安全装置は、エレベータの乗りかごを吊
り下げる主索が万が一切断し、シャックルロッドが動作
ばねによって下方に変位させられると、シーソー部材が
揺動してワイヤケーブルを引張り、非常制動機構が作動
するように構成したものである。したがって、ワイヤケ
ーブルを引っ張るシーソー部材には乗りかごの重量が全
く作用しないから、シーソー部材を軽量化してその慣性
質量を低減させることができ、非常制動機構を極めて迅
速に作動させることができる。また、動作ばねによって
変位させられる部材の慣性質量を低減させることができ
るので、非常制動機構の作動に要する時間を所定の時間
内に納めることができる範囲で、動作ばねのばね力を従
来のそれに比較して弱めることができる、動作ばねによ
って支持されている乗りかごの乗り心地を向上させるこ
とができる。また、動作ばねのばね力を弱めることによ
り、乗りかごに大きな強制変位が加えられて動作ばねが
伸縮しても動作ばねがシャックルロッドに作用させる反
力の大きさを減少させることができるから、シャックル
ロッドが大きく変位することはなく、シーソー部材の揺
動変位を小さく抑えて非常制動機構の誤動作を確実に防
止することができる。さらに、動作ばねのばね特性を非
線形とし、乗りかごの重量によって圧縮されたときのば
ね定数を、伸張したときのばね定数よりも小さく設定す
るので、乗りかごの乗り心地を向上させることができ
る。また、主索が切断した非常時には、動作ばねが伸張
するに連れてばね常数が高まるため、非常制動機構を迅
速に作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のエレベータの安全
装置の全体側面図。
【図2】図1中にA−A矢視線に沿って破断した部分断
面側面図。
【図3】本発明に係る第2実施形態のエレベータの安全
装置の動作ばね部分の正面図。
【図4】図3中に示した動作ばねのばね特性を表す線
図。
【図5】図3中に示した動作ばねの作動を表す説明図。
【図6】本発明に係る第3実施形態のエレベータの安全
装置を示す全体側面図。
【図7】従来のエレベータの安全装置を示す全体側面
図。
【符号の説明】
1 主索 2 乗りかご 3 ガイドレール 4 シャックルロッド 5 乗りかごの基枠 6 ストッパプレート 7 動作ばね 8 非常制動機構 8a ホルダ 8b ブロック 8c ガイド孔 8d ローラ 8e テーパ面 8f ブロック 9 ワイヤケーブル 10,11 ガイド部材 12,13 縦枠 21 ストッパ 22 動作ばね 30 ワイヤケーブル引張り機構 31 ブラケット 32 揺動軸 33 シーソー部材 34 長孔 35 ワッシャ 40 ワイヤケーブル 41 インナケーブル 42 係止金具 43 アウターチューブ 44 係止金具 50 動作ばねハウジング 51 ストッパ 52 上側動作ばね 53 底板 54 下側動作ばね 60 ワイヤケーブル引張り機構 61 ブラケット 62 揺動軸 63 シーソー部材 64 挿通孔 70 ワイヤケーブル 71 インナーケーブル 72 係止金具 73 アウターチューブ 74 係止金具 100 本発明による第1実施形態のエレベータの安全
装置 200 本発明による第2実施形態のエレベータの安全
装置 300 本発明による第3実施形態のエレベータの安全
装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エレベータの乗りかごの基枠に上下方向に
    変位可能に支持されるとともに、その上部が前記乗りか
    ごを吊り下げる主索に接続されたシャックルロッドと、 このシャックルロッドの下端に取り付けられたストッパ
    部材と前記基枠との間に介装されて前記乗りかごの重量
    によって圧縮される動作ばねと、 前記基枠に揺動自在に支持されるとともに前記シャック
    ルロッドと係合し、前記シャックルロッドの下方への変
    位に連動して揺動させられるシーソー部材と、 前記主索が切断したときに前記乗りかごの落下を制動す
    る非常制動機構に一端が接続されるとともに他端が前記
    シーソー部材に接続され、前記シーソー部材の揺動に連
    動して前記非常制動機構を作動させるワイヤーケーブル
    と、を備え、 前記動作ばねのばね長さに対するばね力の特性グラフを
    非線形とするとともに、前記乗りかごの重量によって圧
    縮されたときのばね長さにおけるばね定数を、前記動作
    ばねが伸張したときのばね長さにおけるばね定数よりも
    小さく設定したことを特徴とするエレベータの安全装
    置。
  2. 【請求項2】前記シャックルロッドと前記シーソー部材
    とが係合する部分に、前記シャックルロッドに遊嵌させ
    たワッシャを介装したことを特徴とする請求項1に記載
    のエレベータの安全装置。
  3. 【請求項3】前記ワッシャの前記シーソー部材と接触す
    る部分に、低摩擦性の樹脂材料からなる緩衝材を配置し
    たことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベー
    タの安全装置。
  4. 【請求項4】前記ワイヤーケーブルのアウターチューブ
    を、前記基枠の下面に直接係止したことを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載のエレベータの安全装
    置。
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