JP3396650B2 - シールド余掘り部先行充填置換機構 - Google Patents

シールド余掘り部先行充填置換機構

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば急曲線状の
トンネルや坑道をシールド工法にて作製しても、余掘り
部の緩みや肌落ちを起こさないシールド余掘り部先行充
填置換機構に関する。 【0002】 【従来の技術】トンネルや坑道を作製する方法の一つで
あるシールド工法は、トンネルの切羽面に当接するシー
ルド機を用いて穴を掘進し、さらに、筒型鋼殻であるセ
グメントリングをシールド機内において作製してトンネ
ルを作製する工法であり、安全かつ確実に作業を行える
という特徴がある。また、近年は、シールド工法の改良
版である遮蔽袋付きセグメントリングを用いたシールド
工法も実用されていた。 【0003】ここで、従来例である遮蔽袋付きセグメン
トリング122を用いたシールド余掘り部先行充填置換
機構100について、図5を用いて説明する。図5は、
シールド余掘り部先行充填置換機構100を用いて地盤
2に急曲線状のトンネルを形成する方法を説明する図で
ある。 【0004】図5に示すように、シールド余掘り部先行
充填置換機構100は、以下の工程に従ってトンネルを
作製するシールド余掘り部先行充填置換機構である。す
なわち、地盤2にシールド機110を用いて穴5を掘り
進む。次に、シールド機110内において、穴5の掘り
進んだ部分の内部に、急曲線用セグメントリング121
あるいは遮蔽袋付きセグメントリング122を、急曲線
用セグメントリング121と遮蔽袋付きセグメントリン
グ122とが交互に位置するように組み立てる。なお、
この段階では遮蔽袋付きセグメントリング122の遮蔽
袋122aは萎んだ状態である。次に、例えば周知の瞬
結性注入材を注入することにより遮蔽袋122aを膨ら
まして、遮蔽袋付きセグメントリング122を穴5の内
壁に圧着・安定保持させる。次に、例えば急曲線用セグ
メントリング121に設けられた注入孔から、遮蔽袋付
きセグメントリング122、急曲線用セグメントリング
121および穴5によって囲まれた空間に、周知の瞬結
性注入材を注入・充填して、急曲線用セグメントリング
121を穴5内に安定させるとともに、地山落ちや地盤
沈下を防ぐ。 【0005】このシールド余掘り部先行充填置換機構1
00によれば、急曲線部においても計画された曲線形状
に沿ってセグメントリングの敷設を行えた。また、シー
ルド工法の問題点の一つであった、急曲線部に生じるの
余掘り部5aに起因した、地山落ちや地盤沈下の可能性
を低下できた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、シールド余掘
り部先行充填置換機構100においても、シールド機1
10が穴5を掘り進んでから遮蔽袋付きセグメントリン
グ122、急曲線用セグメントリング121および穴5
によって囲まれた空間に瞬結性注入材を注入・充填する
までに時間を必要としたため、地山落ちや地盤沈下を起
こす可能性があった。また、地盤落ちや地盤沈下を防ぐ
ためには、薬液注入や高圧噴射工法などの補助工法によ
り地盤改良を行う必要があった。これらの補助工法は一
般に路上から施工していたため、道路交通に対する影響
や、騒音などの問題点があったほか、埋設物によって所
要の地盤改良を行えない場合もあった。 【0007】上記事情に鑑み、本発明は、地山落ちや地
盤沈下を起こす可能性を従来より低下させることによ
り、地盤改良の必要性を従来より低下させたシールド余
掘り部の先行充填置換工法、シールド機およびシールド
余掘り部先行充填置換機構を提供することを目的とす
る。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1記載の発明は、最前部に位置する掘削機構
と、この掘削機構の直後に設けられ、その外周部に貫通
していて粘動性注入材を注入する注入孔と、を有するシ
ールド機と、前記粘動性注入材を前記シールド機の注入
孔に圧入する第1の圧入機構と、前記シールド機により
掘削された穴の内周を覆うセグメントリングに設けられ
た第1の注入孔と、前記セグメントリングに設けられ、
前記第1の注入孔の上に設けられた第2の注入孔と、前
記第1の注入孔に瞬結性注入材を圧入する第2の圧入機
構と、相互に離れた少なくとも二つの前記セグメントリ
ングの外周部に設けられ、膨らませることにより前記掘
削された穴を区切る遮蔽袋と、前記遮蔽袋の間で、前記
瞬結性注入材を前記第1の注入孔から注入することによ
り、前記粘動性注入材を前記第2の注入孔から前記セグ
メントリング内に排出して、前記粘動性注入材を前記瞬
結性注入材に置換する制御手段と、を備えることを特徴
とする。 【0009】この請求項1記載の発明によれば、前記シ
ールド機の掘削機構によって急曲線状に穴を掘削した時
に余掘り部が生じても、前記余掘り部には、粘動性注入
材が、前記掘削機構の直後から加圧した状態に充填され
る。また、前記粘動性注入材は、前記遮蔽袋付きセグメ
ントリングの遮蔽袋の間において瞬結性注入材に置換さ
れる。従って、前記余掘り部においても、地山落ちや地
盤沈下は従来より生じにくく、地盤変状を起こしにくく
なる。このため、従来よりも地盤改良を行う必要性は低
下するため、道路交通に対する影響や、騒音なども少な
くなるほか、従来工法と比べて経済的にも優れる。ま
た、遮蔽袋付きセグメントリングの間に位置するセグメ
ントリングは前記瞬結性充填材によって前記穴の内壁に
固定されるため、前記シールド機は、前記複数のセグメ
ントリングを支えとして駆動できる。 【0010】ここで、前記瞬結性注入材を前記セグメン
トリングに設けた第1の注入孔から注入することによ
り、前記粘動性注入材を前記第1の注入孔の上方に設け
た第2の注入孔から前記セグメントリング内に排出する
と、確実に前記粘動性注入材を前記瞬結性注入材に置換
できる。また、前記粘動性注入材に求められる特性とし
ては、前記穴と前記シールド機,前記セグメントリン
グ,前記遮蔽袋付きセグメントリングとの間に空隙を生
じず、さらに、前記シールド機の動作を妨げない程度の
流動性を有すること、また、礫等の落下を抑制する適正
な粘度と比重を有すること、また、裏込め材との置換が
容易であること、さらには、地下水などで材料分離を起
こさないこと、などがある。このような粘動性注入材と
しては、粘土鉱物、粘土鉱物と増粘材と水との混合物、
ベントナイトと粘土との混合物などを用いることが可能
である。また、前記粘動性注入材の注入圧を、前記掘削
機構のチャンバー内圧より高い値に維持すると、排土は
余掘り部に廻り込まず、切羽は安定する。 【0011】また、前記シールド機と前記遮蔽袋を有す
るセグメントリングの間であるテールボイド部において
も前記粘動性注入材を前記セグメントリングの外周部に
注入することによれば、さらに確実に、前記余掘り部に
前記粘動性注入材を加圧した状態で充填できる。 【0012】また、前記シールド機の位置および姿勢か
ら、前記穴と前記複数のセグメントリングとの間に生じ
るシールド余掘り部の体積を算出し、また、前記掘削機
構の駆動状況から、前記シールド余掘り部の体積の変化
量を算出して、前記算出したシールド余掘り部およびそ
の変化量を基に、前記テールボイド部における前記粘動
性注入材の注入量および注入速度を最適値に制御する。 【0013】ここで、前記掘削機構の駆動状況は、例え
ば前記シールド機がシールド機である場合には、シール
ドジャッキ速度やオーバーカッターストローク量、オー
バーカッター可動範囲などである。 【0014】このように、前記算出したシールド余掘り
部の体積およびその変化量を基に、前記テールボイド部
における前記粘動性注入材の注入量および注入速度を制
御すれば、施工は容易かつ確実に行える。 【0015】なお、前記粘動性注入材を、前記掘削機構
の直後においては周方向に均等に注入し、前記シールド
機と前記遮蔽袋を有するセグメントリングとの間におい
ては底部から先に充填すると、その作用を確実に得られ
る。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、図1、図2、図3および図
4を参照して、本発明の一実施例であるシールド余掘り
部先行充填置換機構1について詳細に説明する。図1
は、シールド余掘り部先行充填置換機構1の全体を説明
する垂直方向の断面概略図であり、図2はシールド余掘
り部先行充填置換機構1の動作を説明するフローチャー
トである。また、図3は、シールド余掘り部先行充填置
換機構1の動作を説明する一部省略の水平方向の断面図
であり、図4はシールド余掘り部先行充填置換機構1の
動作の要点を説明する円周方向の断面概略図である。 【0017】まず、シールド余掘り部先行充填置換機構
1の構成について説明する。シールド余掘り部先行充填
置換機構1は、地盤2に地下空洞形成用の穴5を掘削す
るシールド機10と、穴5の内周を覆う曲線用セグメン
トリング21,21・・・,遮蔽袋付きセグメントリン
グ22,22・・・および直線用セグメントリング2
3,23・・・と、シールド機10と穴5の間に充填材
3(粘動性注入材)を充填する充填機構30(第1の圧
入機構)と、曲線用セグメントリング21,21・・・
と穴5との間に裏込め材4(瞬結性注入材)を注入する
注入機構40(第2の圧入機構)と、充填機構30を制
御する制御機構50(制御手段:図示省略)と、により
概略構成される。 【0018】充填材3は、例えば周知のシールド工法に
用いられる充填材であり、粘度と比重を調整した、粘土
鉱物と増粘材と水の混合物である。通常、充填材3は、
粘土鉱物と水から成る主材3aと、主に増粘材から成る
助材3bと、に分かれており、注入直前に主材3aと助
材3bとを混合して用いる。ここで、充填材3に求めら
れる性質としては、穴5とシールド機10,曲線用セグ
メントリング21,遮蔽袋付きセグメントリング22と
の間に空隙を生じず、また、シールド機10の動作を妨
げない程度の流動性を有すること、また、礫等の落下を
抑制する適正な粘度と比重を有すること、また、裏込め
材4との置換が容易であること、さらに、地下水などで
材料分離を起こさないこと、などである。また、裏込め
材4は周知の二液瞬結型の充填材である。 【0019】シールド機10は、トンネル切羽面と当接
するフード部11と、セグメントリングを組み立てる空
間を確保するテール部12と、フード部11とテール部
12とを屈曲可能に接続する接続部13と、により概略
構成される。フード部11は、最前部に、周知の掘削機
構11aと、掘削機構11aのチャンバー内圧を測定し
て制御機構50に出力する土圧計11b(チャンバー内
圧検出手段)と、を有しており、また、テール部12は
掘削機構11aの排土を排出する周知の排土機構12a
を有する。また、シールド機10は、シールド機10の
位置および姿勢を検出して制御機構50に出力する周知
の位置姿勢検出手段10a(図示省略)を有する。ま
た、掘削機構11aは、シールドジャッキ速度,オーバ
ーカッターストローク量,オーバーカッター可動範囲な
どの掘削条件を制御機構50に出力する。すなわち、シ
ールド機10は、従来のシールド機と概略同じ構造であ
るが、フード部11において、シールド機10と穴5の
間に充填材3を充填するための注入孔11c,11c・
・・を、掘削機構11aの直後に、円周方向に例えば9
0゜おきに設けた構造である。 【0020】曲線用セグメントリング21は、曲線状の
鋼製円筒であり、円弧状鋼板21a,21a・・・をシ
ールド機11のテール部12において組み立てることに
より作製される、トンネルの曲線部に用いられるセグメ
ントリングである。また、円弧部21aは、外部と内部
を導通する注入孔21bを有する。すなわち、曲線用セ
グメントリング21は、周知の曲線用セグメントリング
と概略同じ構造である。 【0021】遮蔽袋付きセグメントリング22は、通常
のセグメントリングの背面に遮蔽袋22aを、円弧部毎
に、外周全面に設けた構造である。ここで、遮蔽袋22
aは、施工前はしぼんでいるが、遮蔽袋付きセグメント
リング22内部と導通している注入孔(図示省略)を介
して注入材を注入されることにより膨らみ、遮蔽袋付き
セグメントリング22を穴5内に固定する。また、袋付
きセグメントリング22は曲線用セグメントリング2
1,21・・・の間に、例えば2つおきに設置される。
すなわち、周知の遮蔽袋付きセグメントリングと概略同
じ構成であり、また使い方をされる。 【0022】直線用セグメントリング23は、穴5の直
線部に用いられる周知のセグメントリングである。 【0023】充填機構30は、充填材3の主材3aを作
製する主材作製部31と、主材作製部31と配管32を
介して接続する圧送ポンプ33と、配管34を介して圧
送ポンプ33と接続していて、主材作製部31から送り
込まれた主材3aに助材3bを混合して充填材3とする
助材混合部35と、充填材3を助材混合部35から所定
箇所に送る複数の配管36,36・・・と、により概略
構成される。ここで、主材作製部31と圧送ポンプ33
とは例えば地上に配置され、その他の構成部は穴5内の
セグメントリング内に配置される。 【0024】主材作製部31は、水と粘土鉱物を混合し
て主材3aを作製するミキサー31aと、ミキサー31
aにより作製された主材3aを攪拌保持するアジテータ
31bと、により概略構成される。 【0025】圧送ポンプ33は通常の圧送ポンプであ
る。 【0026】助材混合部35は、主材3aに助材3bを
混合して充填材3を作製する混合装置35a,35a
と、混合装置35a,35aから配管36に充填材3を
圧送する圧送ポンプ35b,35bと、制御機構50か
らの指示に従って圧送ポンプ35b,35bの駆動条件
を変更する制御盤35cと、により概略構成される。こ
こで、混合装置35aと圧送ポンプ35bは、それぞれ
周知の混合機構と圧送ポンプである。 【0027】配管36は、途中に、充填材3の注入圧力
を測定する圧力計36a(注入圧検出手段)と、充填材
3の注入速度を検出する注入速度計36b(注入速度検
出手段)と、充填材3の充填量を検出する注入量積算計
36c(注入量検出手段)と、を有するほか、可変弁な
どの注入量制御手段36dを有する。また、配管36,
36・・・のうち、一部はフード部11の注入孔11
c,11c・・・に接続しており、残りはテール部12
直後であるテールボイド部に位置する曲線用セグメント
リング21xの注入孔21b,21b・・・に接続す
る。 【0028】注入機構40は、裏込め材4を構成する2
液を別個に蓄積・圧送する圧送装置41と、裏込めを行
う曲線用セグメントリング21の注入孔21bまで裏込
め材4を構成する2液を別個に送る配管42,42と、
により概略構成される。すなわち、裏込め材4を圧送・
注入する周知の注入機構とほぼ同じ構成である。 【0029】制御機構50は、CPUと、ROMと、R
AMと、記憶媒体を有する記憶装置と、キーボードなど
の入力部と、CRTやLCDなどの表示装置と、により
概略構成される。すなわち、周知のコンピューターと概
略同じ構成をとる。ここで、前記記憶媒体は、磁気的、
光学的記録媒体、もしくは半導体メモリで構成されてお
り、前記記憶装置に固定的に設けたもの、若しくは脱着
自在に装着するものである。また、制御機構50は、位
置姿勢検出手段10aからはシールド機10の位置およ
び姿勢を、掘削機構11aから掘削条件を、土圧計11
bからは掘削機構11aのチャンバー内圧を、圧力計3
6aからは充填材3の充填圧力を、注入速度計36bか
らは充填材3の注入速度を、注入量積算計36cからは
充填材3の充填量を、それぞれ入力される。すなわち、
前記CPUは、上記した各測定値を認識した後、前記R
OMに予め記憶されている演算プログラムに従って、制
御盤35cを介して圧送ポンプ35b,35bを制御し
て充填材3の注入圧力を掘削機構11aのチャンバー内
圧より高い状態に維持すると共に、シールド機10の位
置および姿勢,掘削機構11aの掘削条件から、余掘り
量および充填材3の最適注入量を算出して、注入量制御
手段36dを制御してこの最適注入量を実現する。 【0030】次に、シールド余掘り部先行充填置換機構
1の動作について説明する。ここで、穴5の直線部にお
けるシールド余掘り部先行充填置換機構1の動作は、従
来のシールド工法と同様であるので説明を省略し、穴5
の急曲線部における動作のみを、図2のフローチャート
に従って、図3および図4を参照しつつ説明する。ここ
で、図3および図4においては、配管36,36・・・
および注入孔21b,21b・・・を省略する。 【0031】まず、シールド機10を用いて、穴5を急
曲線状に掘削する。ここで、図3に示すように、穴5は
設計上の大きさより大きく掘られ、余掘り部5aを形成
する。ここで、充填機構30を用いて、注入孔11c,
11c・・・からは余掘り部5aに、テール部12の直
後に位置する曲線用セグメントリング21xの注入孔2
1b,21b・・・からはテールボイド部に、それぞれ
充填材3を充填する。(ステップS1)。この際、すべ
ての注入孔11c,11c・・・からは、図4(A)に
示すように、同時に充填材3を充填し、また、曲線用セ
グメントリング21xにおいては、底部側に位置する注
入孔21b,21b・・・から順次充填する。これによ
り、穴5内部は掘削直後から充填材3を加圧充填するこ
ととなるため、地山落ちや地盤沈下は従来より生じにく
い。また、制御機構50の働きにより、充填材3の注入
圧は、掘削機構11aのチャンバー内圧より高い状態に
維持されるため、排土は余掘り部5aに廻り込まず、切
羽は安定する。 【0032】次に、掘削した穴5に、シールド機10の
テール部12内部において、曲線用セグメントリング2
1あるいは遮蔽袋付きセグメントリング22を組み立て
る(ステップS2)。 【0033】次に、曲線用セグメントリング21xの直
後に位置する遮蔽袋付きセグメントリング22xの遮蔽
袋22a,22a・・・を膨らませ、遮蔽袋付きセグメ
ントリング22xを穴5の内壁に固定するとともに、穴
5を区切る(ステップS3)。この際、遮蔽袋22a,
22a・・は、底部側から順次膨らませる。これによ
り、シールド機10は、遮蔽袋付きセグメントリング2
2xや、後方に位置するその他の遮蔽袋付きセグメント
リング22,22・・・あるいは裏込め材4を支えとし
て推進できる。 【0034】次に、遮蔽袋付きセグメントリング22x
の遮蔽袋22a,22a・・・と、曲線用セグメントリ
ング21y,21zを介して遮蔽袋付きセグメントリン
グ22xの後方に位置する遮蔽袋付きセグメントリング
22yの遮蔽袋22a,22a・・との間において、以
下の工法に従って充填材3を裏込め材4に置換する(ス
テップS4)。すなわち、図3および図4(B)に示す
ように、曲線用セグメントリング21y,21zの底部
側に位置する注入孔21b1(第1の注入孔)から順
次、裏込め材4を圧入する。ここで、注入孔21b1の
上方に隣接する注入孔21b2(第2の注入孔)を解放
するため、充填材3は注入孔21b2から曲線用セグメ
ントリング21y,21z内部に出てくる。ここで、注
入孔21b2から裏込め材4が出てきたときに裏込め材
4の圧入を修了し、注入孔21b2を新たに注入孔21
b1として同様の作業を行う。 【0035】また、ステップS4にて置換された裏込め
材4は瞬結性であるため、すぐに固まって曲線用セグメ
ントリング21y,21zを穴5の内壁に固定する。そ
の後、ステップS1に戻って同様の作業を繰り返す(ス
テップS5)。 【0036】以上より、本発明の一実施例であるシール
ド余掘り部先行充填置換機構1によれば、シールド機1
0の掘削機構11aによって急曲線状に穴5を掘削して
余掘り部5aが生じても、余掘り部5aは、粘動性の充
填材3を、掘削機構11aの直後に位置する注入孔11
c,11c・・・およびシールド機10の直後に位置す
る曲線用セグメントリング21xの注入孔21b,21
b・・・から、加圧した状態に充填される。また、充填
材3は、遮蔽袋付きセグメントリング22x,22yの
間において瞬結性の充填材である裏込め材4に置換され
るので、遮蔽袋付きセグメントリング22x,22yの
間に位置する曲線用セグメントリング21y,21zは
穴5の内壁に固定される。従って、余掘り部5aにおい
ても、地山落ちや地盤沈下は従来より生じにくく、地盤
変状を起こしにくくなる。このため、従来よりも地盤改
良を行う必要性は低下するため、道路交通に対する影響
や、騒音なども少なくなるほか、従来工法と比べて経済
的にも優れる。 【0037】また、制御機構50の働きにより、充填材
3の注入圧は、掘削機構11aのチャンバー内圧より高
い状態に維持されるため、排土は余掘り部5aに廻り込
まず、切羽は安定する。また、充填材3を裏込め材4に
置換する際に、裏込め材4を曲線用セグメントリング2
1y,21zの底部から注入するとともに充填材3をそ
の上部から抜くので、確実に充填材3を裏込め材4に置
換できる。さらに、制御機構50を設け、自動で充填材
3の注入圧力を掘削機構11aのチャンバー内圧より高
い状態に維持すると共に、シールド機10の位置および
姿勢,掘削機構11aの掘削条件から、余掘り量および
充填材3の最適注入量を算出して、注入量制御手段36
dを制御して前記最適注入量を実現するので、施工は容
易かつ確実に行える。 【0038】なお、本発明は本実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意の変形
が可能である。たとえば、制御機構50を設けずに手動
で制御してもよい。この場合は、圧送ポンプ制御盤35
c付近に、位置姿勢検出手段10a,掘削機構11a,
土圧計11b,圧力計36a,注入速度計36b,注入
量積算計36cの検出結果をそれぞれ表示すると、操作
者は、これらの表示結果を見ながら圧送ポンプ35b,
35bを操作できる。また、充填材3として粘土鉱物と
増粘材と水の混合物を用いたが、その他に粘土鉱物その
ものや、ベントナイトと粘土の混合物を用いることもで
きる。さらに、主材作製部31と圧送ポンプ33とは例
えば地上に配置される必要はなく、大規模な工事の場合
は穴5内のセグメントリング内に配置される場合もあ
る。また、助材混合部35も穴5内のセグメントリング
内に配置される必要はなく、小規模な工事の場合は地上
に配置される場合もある。 【0039】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、前記シー
ルド機の掘削機構によって急曲線状に穴を掘削して余掘
り部が生じても、この余掘り部は、粘動性注入材によっ
て加圧した状態に充填される。また、前記粘動性注入材
は、瞬結性注入材に置換されるので、遮蔽袋付きセグメ
ントリングの間に位置するセグメントリングは前記穴の
内壁に固定される。従って、前記余掘り部においても、
地山落ちや地盤沈下は従来より生じにくく、地盤変状を
起こしにくくなる。このため、従来よりも地盤改良を行
う必要性は低下するため、道路交通に対する影響や、騒
音なども少なくなるほか、従来工法と比べて経済的にも
優れる。 【0040】また、前記瞬結性注入材を下方から注入す
ることにより、前記粘動性注入材を前記セグメントリン
グの上方に設けた孔から前記セグメントリング内に排出
するので、確実に前記粘動性注入材を前記瞬結性注入材
に置換できる。 【0041】また、前記粘動性注入材の注入圧を、前記
掘削機構のチャンバー内圧より高い値に維持すれば、排
土は余掘り部に廻り込まず、切羽は安定する。 【0042】また、前記穴と前記複数のセグメントリン
グとの隙間である余掘り部の体積を算出し、前記余掘り
部の体積の変化量を算出して、前記テールボイド部にお
ける前記粘動性注入材の注入量および注入速度を制御す
れば、施工は容易かつ確実に行える。 【0043】また、前記粘動性注入材を、前記シールド
機の掘削機構の直後においては周方向に均等に注入し、
前記シールド機と前記遮蔽袋を有するセグメントリング
との間においては底部から先に充填すればよい。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施の形態であるシールド余掘り部
先行充填置換機構1の全体を説明する垂直方向の断面概
略図である。 【図2】シールド余掘り部先行充填置換機構1の動作を
説明するフローチャートである。 【図3】シールド余掘り部先行充填置換機構1の動作を
説明する一部省略の水平方向の断面図である。 【図4】シールド余掘り部先行充填置換機構1の動作の
要点を説明する円周方向の断面概略図である。 【図5】シールド余掘り部先行充填置換機構100を用
いて地盤2に急曲線状のトンネルを形成する方法を説明
する図である。 【符号の説明】 1,100 シールド余掘り部先
行充填置換機構 2 地盤 3 充填材(粘動性注入
材) 4 裏込め材(瞬結性充
填材) 5 穴 10 シールド機 10a 位置姿勢検出手段 11 フード部 11a 掘削機構 11b 土圧計(チャンバー
内圧検出手段) 11c 注入孔 21 曲線用セグメントリ
ング 22 遮蔽袋付きセグメン
トリング 23 直線用セグメントリ
ング 30 充填機構(第1の圧
入機構) 31 主材作製部 32,34,36 配管 33 圧送ポンプ 35 助材混合部 36a 圧力計(注入圧検出
手段) 36b 注入速度計(注入速
度検出手段) 36c 注入量積算計(注入
量検出手段) 40 注入機構(第2の圧
入機構) 50 制御機構(制御手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大川 隆司 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (72)発明者 渡辺 徹 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (72)発明者 片野 彦一 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (72)発明者 小林 正典 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (72)発明者 伊藤 謙一郎 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (72)発明者 中山 努 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (72)発明者 高木 清 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (72)発明者 大江 郁夫 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (72)発明者 磯 陽夫 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (72)発明者 町田 能章 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−164600(JP,A) 特開 昭53−111628(JP,A) 特開 平8−177388(JP,A) 特開 昭59−199999(JP,A) 特開 昭57−66299(JP,A) 特公 平6−63434(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F21D 11/00 F21D 9/08 F21D 9/06 301

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】最前部に位置する掘削機構と、この掘削機
    構の直後に設けられ、その外周部に貫通していて粘動性
    注入材を注入する注入孔と、を有するシールド機と、 前記粘動性注入材を前記シールド機の注入孔に圧入する
    第1の圧入機構と、 前記シールド機により掘削された穴の内周を覆うセグメ
    ントリングに設けられた第1の注入孔と、 前記セグメントリングに設けられ、前記第1の注入孔の
    上に設けられた第2の注入孔と、 前記第1の注入孔に瞬結性注入材を圧入する第2の圧入
    機構と、 相互に離れた少なくとも二つの前記セグメントリングの
    外周部に設けられ、膨らませることにより前記掘削され
    た穴を区切る遮蔽袋と、 前記遮蔽袋の間で、前記瞬結性注入材を前記第1の注入
    孔から注入することにより、前記粘動性注入材を前記第
    2の注入孔から前記セグメントリング内に排出して、前
    記粘動性注入材を前記瞬結性注入材に置換する制御手段
    と、 を備えることを特徴とするシールド余掘り部先行充填置
    換機構。
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