JP3395763B2 - 断熱サッシ用のジョイント部材,その組付方法及びその製造方法並びに断熱サッシ - Google Patents

断熱サッシ用のジョイント部材,その組付方法及びその製造方法並びに断熱サッシ

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JP3395763B2
JP3395763B2 JP2000178816A JP2000178816A JP3395763B2 JP 3395763 B2 JP3395763 B2 JP 3395763B2 JP 2000178816 A JP2000178816 A JP 2000178816A JP 2000178816 A JP2000178816 A JP 2000178816A JP 3395763 B2 JP3395763 B2 JP 3395763B2
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Tokai Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,一対の枠材の間に配設され,該
枠材に設けたかしめ部によってかしめ固定されることで
両枠材を互いに結合するための長尺状の断熱サッシ用の
ジョイント部材,その組付方法及びその製造方法並びに
断熱サッシに関する。
【0002】
【従来技術】図18(a)に示すごとく,従来より,建
築物等の窓部におけるサッシ9において,室内外の温度
差による伝熱を小さくするために,上記サッシ9を室内
側枠材915と室外側枠材916に分割し,その一対の
枠材91をジョイント部材92で繋ぎ合わせることが知
られている(従来技術1)。
【0003】同図に示すごとく,この従来技術1では,
上記枠材91には,ジョイント部材92に嵌合すること
ができるかしめ部911が設けてあり,一方,ジョイン
ト部材92には,かしめ部911に固定される固定部9
21と,一対の枠材91の間に架け渡すようにして形成
した中間部922とが設けてある。そして,かしめ部9
11を折り曲げて,ジョイント部材92の固定部921
に密着させることにより,ジョイント部材92と一対の
枠材91とを連結している。これにより,室内側と室外
側とにおいて,サッシ9を伝わる伝熱を減少させること
ができる。そのため,室内の温度を快適に保つことがで
きる。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のジ
ョイント部材92及びそれを組み付けたサッシ9におい
ては,以下のような問題点がある。即ち,上記従来技術
1においては,上記かしめ部911をジョイント部材9
2に密着しているだけである。つまり,一般にほとんど
のものは表面粗さを有しているため,上記ジョイント部
材92の表面粗さによる凹凸により,かしめ部911と
ジョイント部材92との間には,小さな隙間925がで
きてしまう。そのため,この隙間925から,例えば雨
水等の水分が浸入してしまう可能性がある。
【0005】そして,この浸入した水分はサッシ9の内
部に蓄積し,サッシ9の耐久性を低下させるだけでな
く,例えば冬の気温が低いときには凍結をしてジョイン
ト部材92及びサッシ9を破壊してしまうおそれもあ
る。そのため,ジョイント部材92を成形する際に,押
出し成形の成形速度を小さくして表面粗さを小さくする
ようにしている。そのため,ジョイント部材92を製作
する際の高い生産性を望むことが困難になっている。
【0006】それを改善するために,図18(b)に示
すごとく,上記枠材91のかしめ部911において,ジ
ョイント部材92と当接する部分に突起部912を設
け,該突起部912をジョイント部材92に食い込ませ
るようにしてかしめ固定を行うことが考えられる。しか
しながら,ジョイント部材92に用いる適切な材料が少
ないために,上記かしめ部911をジョイント部材92
に食い込ませる際に,ジョイント部材92のかしめ固定
を行われる部分に割れ926を発生させてしまうおそれ
がある。そのため,この割れ926の問題を解決できる
材料として,様々な特性を備えた塩化ビニル樹脂が考え
られる。しかしながら,塩化ビニル樹脂を用いると,ジ
ョイント部材92を組み付けたサッシ9として使用した
後,古くなって焼却しようとしたとき,有毒ガスが発生
する危険性がある。
【0007】このような問題点を踏まえて,現実的には
上記押出し成形を行う成形速度を小さくすることによ
り,ジョイント部材92の表面粗さを小さくして,上記
隙間925からの水分等の浸入を防止している。
【0008】一方,図18(c)に示すごとく,良好な
かしめ固定を行うために,ジョイント部材92に2色成
形を行った例として,例えば,特開平9−184364
号公報(従来技術2)に開示されたものがある。この従
来技術2においては,ジョイント部材92は,本体部分
923を硬質又は半硬質の合成樹脂で成形し,上記かし
め部911にかしめ固定されるジョイント部材92にお
ける溝部924を軟質合成樹脂で成形して,かしめ固定
を行う。これによれば,上記かしめ固定を行う際には,
上記軟質合成樹脂で成形された溝部924が押し潰され
る。そのため,上記隙間925を塞ぐことができ,水分
等の浸入を防止することができる。
【0009】しかしながら,上記従来技術2において
は,上記ジョイント部材92は2色成形により成形され
ており,該2色成形を行うためには,その製造過程にお
いて材料の管理が複雑になり,製造を行うためのダイス
の構造も複雑になりやすい。
【0010】また,上記本体部分923である硬質又は
半硬質の合成樹脂と溝部924である上記軟質合成樹脂
とを2色成形する際には,それらの樹脂の適切な成形温
度は略同一あるいはかなり近似していなければならない
が,そのような性質を持つ樹脂材料の組合せには限りが
ある。また,上記ジョイント部材92と枠材91とは,
上記軟質合成樹脂層を介してかしめ固定されるので,軟
質合成樹脂層の変形により,かしめ固定を行った部分の
強度が不足する可能性がある。
【0011】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,生産性,シール性及び耐久性に優れると
共に,枠材との組付強度を向上させることができるジョ
イント部材,その組付方法及びその製造方法並びに断熱
サッシを提供しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,一対の枠
材の間に配設され,該枠材に設けたかしめ部によってか
しめ固定されることで両枠材を互いに結合するための長
尺状の断熱サッシ用のジョイント部材において, 該ジョ
イント部材は,上記枠材の内側面にそれぞれ当接すると
共に上記かしめ固定される左右両側の固定部を有してお
り, また,上記ジョイント部材は,左右両側の上記固定
部と,該固定部の間において上下両側に形成した中間壁
部と,長手方向に貫通形成した中空部とを有すると共
に,長手方向に上記固定部と上記中間壁部との間に上記
ジョイント部材の外側面に形成した凹状溝とを有してお
り, 上記中空部の横断面形状は,一対の上記固定部に沿
った一対の直線状のAラインと,四方の上記凹状溝に沿
った四辺の直線状のBラインとによって形成される六角
形状を有し,かつ該六角形状の頂点は連続した曲線部分
によって形成されており, かつ,上記ジョイント部材の
少なくとも上記固定部は,変性ポリオレフィン系樹脂又
は変性エチレンビニルアセテート樹脂のいずれか一方又
は双方よりなる樹脂材料1.5〜35wt%と,充填剤
5〜50wt%と,残部ポリアミド樹脂とを混練した混
練材料よりなることを特徴とするジョイント部材にあ
る。
【0013】本発明において注目すべきことは,上記ジ
ョイント部材が上記固定部,上記中間壁部及び上記凹状
溝を有していること,並びに上記中空部の横断面形状
が,上記Aラインと上記Bラインとによって形成される
六角形状を有し,かつ該六角形状の頂点は連続した曲線
部分によって形成されていること(図3(a)参照),
並びに上記ジョイント部材の少なくとも上記固定部は,
変性ポリオレフィン系樹脂又は変性エチレンビニルアセ
テート樹脂のいずれか又は双方よりなる樹脂材料1.5
〜35wt%と,充填剤5〜50wt%と,残部ポリア
ミド樹脂とを混練した混練材料よりなることである。
こで,上記変性ポリオレフィン系樹脂とは,上記ポリア
ミド樹脂との相溶性を向上させるために,ポリオレフィ
ン系樹脂の特性を変化させたものをいう。また,上記変
性エチレンビニルアセテート樹脂についても同様であ
る。
【0014】本発明においては,変性ポリオレフィン系
樹脂又は変性エチレンビニルアセテート樹脂のいずれか
又は双方よりなる樹脂材料1.5〜35wt%と,充填
剤5〜50wt%と,残部ポリアミド樹脂とを混練して
上記ジョイント部材の混練材料を作る。この混練材料
は,流動性等の成形性が良好である。つまり,例えば,
押出し成形を行う際には,その成形速度を大きくして
も,成形後のジョイント部材の表面粗さを小さく保つこ
とができる。そのため,ジョイント部材を製作する際の
生産性を向上させることができる。
【0015】上記混練材料により成形されたジョイント
部材は,弾性変形を行う適切な範囲と,塑性変形を行う
適切な範囲とを有している。即ち,弾性変形を行う適切
な範囲を有していることにより,ジョイント部材と枠材
とにかしめ固定を行う際に,ジョイント部材がその際に
発生する内部応力に耐えられなくなって,ジョイント部
材に割れ等を生じたりすることがほとんどない。また,
塑性変形を行う適切な範囲を有していることにより,上
記かしめ固定を行う際に,枠材のかしめ部がジョイント
部材の固定部に充分に食い込むことができる。そのた
め,上記かしめ部をジョイント部材にかしめ固定して,
密接させることができるため,良好なシール性を保つこ
とができる。
【0016】なお,上記かしめ固定を行う際に,枠材の
かしめ部はジョイント部材の固定部に食い込むことが好
ましいが,圧接しているだけでもよい。この場合,例え
ばジョイント部材を成形する際の成形速度を小さくする
か,充填剤の量を少なくして,ジョイント部材の表面粗
さをできるだけ小さくすることが好ましい。
【0017】また,上記混練材料により製作したジョイ
ント部材は,それ自体の強度を保持したまま,その固定
部がかしめ部により容易にかしめ固定されることができ
る。そのため,ジョイント部材と枠材とは強固に密着さ
れる。そのため,かしめ固定を行った部分から水分等が
浸入することがほとんどない。それ故,ジョイント部材
のシール性を向上させることができると共に,ジョイン
ト部材と枠材とを組み付けて断熱サッシとして使用した
場合,該断熱サッシの耐久性を向上させることができ
る。
【0018】また,上記混練材料は,例えば,ジョイン
ト部材の全体に用いることができる。そして,その際に
は2色成形を行う必要がないため,混練材料の管理が容
易であり,製造を行うためのダイスの構造も簡単にする
ことができる。また,その際には,ジョイント部材と枠
材との組付強度も向上する。また,ジョイント部材に塩
化ビニル樹脂等を用いてないため,該ジョイント部材が
不要になったとき,それを焼却する際に有毒ガス等が発
生することがない。
【0019】なお,上記充填剤が,5wt%未満の場
合,上記混練材料に例えば押出し成形を行ったとき,成
形時の形状を保つ能力を示す保形性が低下し,正確な形
状に安定して押出すことが困難になる。また,この場
合,上記ジョイント部材と枠材とを組み付けて断熱サッ
シとして使用したとき,ジョイント部材は使用環境の温
度変化に伴って熱変形を起こす可能性がある。一方,上
記充填剤が,50wt%を超える場合,成形後のジョイ
ント部材はその硬度が大きくなり,脆くなる。そのた
め,ジョイント部材は,該ジョイント部材と枠材とにか
しめ固定を行う際に発生する内部応力に耐えられなくな
って割れ等を生じたりするおそれがある。
【0020】なお,上記混練材料には以下の様々な副資
材を添加して,ジョイント部材を成形することができ
る。例えば,柔軟性,弾性等を付与するための可塑剤,
酸化劣化等を防止又は抑制するための酸化防止剤,紫外
線から保護するための光安定剤,成形品を着色するため
の着色剤,成形時の摩擦を低減させ,加工性を向上させ
る滑剤,成形品への帯電を防止する帯電防止剤,成形品
が燃焼して火災になることを防止する難燃剤,成形品を
多孔質にするための発泡剤,抗菌,防カビを行うための
抗菌,防カビ剤等の副資材を混練材料に添加することが
できる。
【0021】なお,上記変性ポリオレフィン系樹脂又は
変性エチレンビニルアセテート樹脂が,1.5wt%未
満の場合,ジョイント部材に成形したときに縦弾性係数
が高くなりすぎる。そのため,ジョイント部材は,撓み
性が乏しくなり,運搬等の取り扱い時に折れてしまった
り,上記枠材とかしめ固定を行う際に発生する内部応力
に耐えられなくなって割れ等を生じたりするおそれがあ
る。
【0022】一方,上記変性ポリオレフィン系樹脂又は
変性エチレンビニルアセテート樹脂が,35wt%を超
える場合,ジョイント部材に成形したときに縦弾性係数
が低くなりすぎる。そのため,ジョイント部材は,撓み
性が大きくなり,枠材にかしめ固定を行う際に枠材のか
しめ部がジョイント部材の固定部に充分に食い込むこと
ができず,上記かしめ固定による組付強度が充分に得ら
れないおそれがある。
【0023】上記凹状溝が形成されていることにより,
上記かしめ部は上記固定部をかしめ固定した後,この凹
状溝に収まることができる。そのため,かしめ部の付近
にゴミや水分等が堆積してしまうことを防止することが
できる。 また,上記中間壁部は,一対の枠材の間に架け
渡された強度保持用のフレームとしての機能を果たす。
そのため,この中間壁部を有するジョイント部材と枠材
とは強固に連結されることができる。
【0024】また,上記中空部が形成されていることに
より,ジョイント部材を軽量化できると共に,上記かし
め固定を行う際に,ジョイント部材の全体,即ち上記固
定部,中間壁部及び凹状溝は弾性変形を行うことができ
る。そのため,かしめ部は,固定部の一部を塑性変形さ
せると共に,上記ジョイント部材の全体を弾性変形させ
ることができる。そして,この弾性変形が元の位置に戻
ろうとする力は,かしめ部が一層深くかしめ固定される
ように働く。そのため,ジョイント部材と枠材とは一層
強固に連結されることができる。
【0025】上記のごとく,ジョイント部材は,かしめ
部によりかしめ固定される際に,弾性変形及び塑性変形
をすることで強固に枠材と連結することができる。その
際,上記固定部,中間壁部及び凹状溝には変形応力が働
いている。このとき,それらの部位における肉厚の違
い,または中空部に急激な形状の変化があると,その部
分で割れ等が発生してしまうおそれがある。
【0026】これに対し,上記六角形状及び曲線部分に
より,上記固定部,中間壁部及び凹状溝の肉厚をほぼ均
等に,また中空部の形状を滑らかにすることができる。
そのため,かしめ固定を行う際に応力集中がほとんど形
成されず,ジョイント部材に割れ等を生じることがほと
んどない。それ故,ジョイント部材を一層軽量化するこ
とができると共に,一層強度を持って枠材に組み付ける
ことができる。
【0027】以上,本発明によれば,生産性,シール性
及び耐久性に優れると共に,枠材との組付強度を向上さ
せることができるジョイント部材を提供することができ
る。
【0028】次に,請求項2に記載の発明は,一対の枠
材の間に配設され,該枠材に設けたかしめ部によってか
しめ固定されることで両枠材を互いに結合するための長
尺状の断熱サッシ用のジョイント部材において, 該ジョ
イント部材は,上記枠材の内側面にそれぞれ当接すると
共に上記かしめ固定される左右両側の固定部を有してお
り, また,上記ジョイント部材は,左右両側の上記固定
部と,該固定部の間において上下両側に形成した中間壁
部と,長手方向に貫通形成した中空部とを有すると共
に,長手方向に上記固定部と上記中間壁部との間に上記
ジョイント部材の外側面に形成した凹状溝とを有してお
り, 上記中空部の横断面形状は,大体六角形状であり,
六角形のうち上記固定部において平行な辺はあるが,上
記中間壁部においては二辺が交差しており, かつ,上記
ジョイント部材の少なくとも上記固定部は,変性ポリオ
レフィン系樹脂又は変性エチレンビニルアセテート樹脂
のいずれか一方又は双方よりなる樹脂材料1.5〜35
wt%と,充填剤5〜50wt%と,残部ポリアミド樹
脂とを混練した混練材料よりなることを特徴とするジョ
イント部材にある。
【0029】本発明によれば,上記中間壁部の肉厚を上
記凹状溝及び固定部に比べて容易に厚くすることができ
ると共に,中空部を局所的な形状の変化を伴うことなく
形成することができる。そのため,一層強度を持ったジ
ョイント部材を形成することができる。
【0030】本発明によっても,上記請求項1の発明と
同様に,生産性,シール性及び耐久性に優れると共に,
枠材との組付強度を向上させることができるジョイント
部材を提供することができる。
【0031】次に,請求項3に記載の発明は,一対の枠
材の間に配設され,該枠材に設けたかしめ部によってか
しめ固定されることで両枠材を互いに結合するための長
尺状の断熱サッシ用のジョイント部材において, 該ジョ
イント部材は,上記枠材の内側面にそれぞれ当接すると
共に上記かしめ固定される左右両側の固定部を有してお
り, また,上記ジョイント部材は,左右両側の上記固定
部と,該固定部の間において上下両側に形成した中間壁
部と,長手方向に貫通形成した中空部とを有すると共
に,長手方向に上記固定部と上記中間壁部との間に上記
ジョイント部材の外側面に形成した凹状溝とを有してお
り, また,上記中間壁部は,その両端部に上記かしめ固
定される中間側部を有しており, かつ,上記ジョイント
部材の少なくとも上記固定部は,変性ポリオレフィン系
樹脂又は変性エチレンビニルアセテート樹脂のいずれか
一方又は双方よりなる樹脂材料1.5〜35wt%と,
充填剤5〜50wt%と,残部ポリアミド樹脂とを混練
した混練材料よりなることを特徴とするジョイント部材
にある。
【0032】本発明によっても,上記請求項1の発明と
同様に,生産性,シール性及び耐久性に優れると共に,
枠材との組付強度を向上させることができるジョイント
部材を提供することができる。
【0033】次に,請求項4に記載の発明は,一対の枠
材の間に配設され,該枠材に設けたかしめ部によってか
しめ固定されることで両枠材を互いに結合するための長
尺状の断熱サッシ用のジョイント部材において, 該ジョ
イント部材は,上記枠材の内側面にそれぞれ当接すると
共に上記かしめ固定される左右両側の固定部を有してお
り, また,上記ジョイント部材は,左右両側の上記固定
部と,該固定部の間において上下両側に形成した中間壁
部と,長手方向に貫通形成した中空部とを有すると共
に,長手方向に上記固定部と上記中間壁部との間に上記
ジョイント部材の外側面に形成した凹状溝とを有してお
り, 上記中間壁部は,その外側表面から上記中空部の内
壁面までの厚み(T1)が,上記凹状溝の表面から上記
内壁面までの最小厚み(T2)及び上記固定部における
凹状の逃げ部から上記内壁面までの厚み(T3)に比べ
て厚くなっており, かつ,上記ジョイント部材の少なく
とも上記固定部は,変性ポリオレフィン系樹脂又は変性
エチレンビニルアセテート樹脂のいずれか一方又は双方
よりなる樹脂材料1.5〜35wt%と,充填剤5〜5
0wt%と,残部ポリアミド樹脂とを混練した混練材料
よりなることを特徴とするジョイント部材にある。
【0034】本発明によれば,上記かしめ固定を行う際
に,上記固定部及び凹状溝が容易に弾性変形を行うこと
ができる。また,上記中間壁部は,一対の枠材の間に配
置された強度保持用のフレームとして働いているため,
ジョイント部材は一層強度を持って,上記一対の枠材の
間に配置されることができる。
【0035】本発明によっても,上記請求項1の発明と
同様に,生産性,シール性及び耐久性に優れると共に,
枠材との組付強度を向上させることができるジョイント
部材を提供することができる。
【0036】次に,請求項5に記載の発明は,一対の枠
材の間に配設され,該枠材に設けたかしめ部によってか
しめ固定されることで両枠材を互いに結合するための長
尺状の断熱サッシ用のジョイント部材において, 該ジョ
イント部材は,上記枠材の内側面にそれぞれ当接すると
共に上記かしめ固定される左右両側の固定部を有してお
り, また,上記ジョイント部材は,左右両側の上記固定
部と,該固定部の間において上下両側に形成した中間壁
部と,長手方向に貫通形成した中空部とを有すると共
に,長手方向に上記固定部と上記中間壁部との間に上記
ジョイント部材の外側面に形成した凹状溝とを有してお
り, 上記ジョイント部材は押出し成形により成形されて
おり,そのウェルド部は上記固定部あるいは上記中間壁
部に形成されており, かつ,上記ジョイント部材の少な
くとも上記固定部は,変性ポリオレフィン系樹脂又は変
性エチレンビニルアセテート樹脂のいずれか一方又は双
方よりなる樹脂材料1.5〜35wt%と,充填剤5〜
50wt%と,残部ポリアミド樹脂とを混練した混練材
料よりなることを特徴とするジョイント部材にある。
【0037】ここで,上記ウェルド部とは,例えば押出
し成形を行う際に,分流状態にあるダイス内の材料が合
流して形成される材料の融合部分のことをいう。このウ
ェルド部は,成形後の製品の表面に直線あるいは曲線の
細いラインとして残り,その部分の強度が他の部分に比
べて低下することがある。
【0038】つまり,例えば,上記ウェルド部が引張応
力が加わる部分に形成されていると,その部分でジョイ
ント部材が割れてしまうおそれがある。そのため,ウェ
ルド部は,できるだけ変形応力が加わらない箇所,ある
いは圧縮応力が加わる箇所に配置することが好ましい。
つまり,上記ジョイント部材においては,そのような箇
所は上記固定部と中間壁部である。 そのため,これらの
箇所に上記ウェルド部を形成することで,上記かしめ固
定を行う際に,ジョイント部材が割れてしまうようなこ
とがほとんどない。そのため,ジョイント部材と上記枠
材とを一層強固に連結させることができる。
【0039】本発明によっても,上記請求項1の発明と
同様に,生産性,シール性及び耐久性に優れると共に,
枠材との組付強度を向上させることができるジョイント
部材を提供することができる。
【0040】次に,請求項6に記載の発明のように,上
記変性ポリオレフィン系樹脂は,変性ポリプロピレン樹
脂又は変性ポリエチレン樹脂であることが好ましい。
れにより,ジョイント部材の生産性,シール性,耐久性
及び組付強度を一層向上させることができる。 また,特
に,変性ポリプロピレン樹脂を使用したときには,例え
ば混練材料に押出し成形を行う際,成形型の混練材料の
投入口であるオリフィスの周縁に混練材料の一部が付着
することがほとんどなくなる。そのため,ジョイント部
材にその付着物が混入することがほとんどないので,良
好なジョイント部材を成形することができる。
【0041】次に,請求項7に記載の発明のように,上
記変性ポリオレフィン系樹脂は,5〜25wt%である
ことが好ましい。 これにより,弾性変形を行う一層適切
な範囲と,塑性変形を行う一層適切な範囲とを有するジ
ョイント部材を得ることができる。
【0042】次に,請求項8に記載の発明のように,上
記充填剤は,20〜40wt%であることが好ましい。
これにより,上記混練材料に例えば押出し成形を行った
とき,成形時の形状を安定して保持する能力を示す保形
性が良く,正確な形状に安定して押出すことができる。
また,上記ジョイント部材と枠材とを組み付けて断熱サ
ッシとして使用したとき,ジョイント部材は使用環境の
温度変化に伴って熱変形を起こすようなことがほとんど
ない。また,ジョイント部材と枠材とにかしめ固定を行
う際に,ジョイント部材に割れ等を生じることがほとん
どない。
【0043】なお,これにより,上記請求項1〜6にお
ける上記混練材料は,上記変性ポリオレフィン系樹脂又
は変性エチレンビニルアセテート樹脂のいずれか一方又
は双方よりなる樹脂材料1.5〜35wt%と,充填剤
20〜40wt%と,残部ポリアミド樹脂からなり,上
記請求項7における上記混練材料は,変性ポリオレフィ
ン系樹脂5〜25wt%と,充填剤20〜40wt%
と,残部ポリアミド樹脂からなる。
【0044】次に,請求項9に記載の発明のように,上
記変性ポリオレフィン系樹脂は1.5〜3.5wt%で
あり,上記充填剤は25〜35wt%であることが好ま
しい。 なお,これによる上記混練材料の残部は上記ポリ
アミド樹脂である。 これにより,上記混練材料を成形し
てできたジョイント部材の表面粗さを小さくすることが
できる。そのため,ジョイント部材の表面平滑度を高く
することができる。そのため,ジョイント部材の固定部
に枠材のかしめ部をかしめ固定する際,該かしめ部を固
定部に食い込ませる量を少なくしても,それらを密着さ
せることができる。
【0045】また,この混練材料は,流動性等の成形性
が極めて良好であり,例えば,押出し成形を行う際に
は,その成形速度を大きくしても,成形後のジョイント
部材の表面粗さを小さく保つことができる。そのため,
ジョイント部材を製作する際の生産性を一層向上させる
ことができる。
【0046】また,上記固定部とかしめ部とを密着させ
ることができるため,かしめ固定を行った部分から水分
等が浸入することがほとんどない。それ故,ジョイント
部材のシール性を向上させることができると共に,ジョ
イント部材と枠材とを組み付けて断熱サッシとして使用
したとき,該断熱サッシの耐久性を向上させることがで
きる。 また,そのため,ジョイント部材の表面粗さが大
きな箇所に働く局所的な集中応力が小さくなる。そのた
め,ジョイント部材と枠材とを組み付けて断熱サッシと
して使用したとき,ジョイント部材に応力割れ等を生じ
ることがほとんどない。
【0047】次に,請求項10に記載の発明のように,
上記充填剤は,粉状のタルクからなることが好ましい。
これにより,上記混練材料に例えば押出し成形を行った
場合,正確な形状に安定して押出すことができる。ま
た,成形後のジョイント部材は,その固定部が上記枠材
のかしめ部に充分にかしめ固定されることができ,使用
環境の温度変化に伴って熱変形を起こすことがほとんど
ない。
【0048】次に,請求項11に記載の発明のように,
上記固定部は,上記枠材の内壁面に対面する側に凹状の
逃げ部を有していることが好ましい。 これにより,ジョ
イント部材と枠材とをかしめ固定する際に,ジョイント
部材の固定部は容易に弾性変形を行うことができると共
に,該弾性変形が元の位置に戻ろうとする力を,かしめ
部が一層深くかしめ固定されるように容易に働かせるこ
とができる。そのため,一層強固にジョイント部材と枠
材とを連結させることができる。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】次に,請求項12に記載の発明は,上記ジ
ョイント部材を用いて,該ジョイント部材を上記枠材に
組み付けた断熱サッシであって,上記ジョイント部材の
固定部に対して上記枠材のかしめ部がかしめ固定されて
いることを特徴とする断熱サッシにある。
【0060】上記混練材料により成形されたジョイント
部材は,弾性変形を行う適切な範囲と,塑性変形を行う
適切な範囲とを有している。そのため,上記かしめ固定
によって,ジョイント部材と枠材とは強固に連結される
ことができる。また,上記ジョイント部材は,それ自体
の強度を保持したまま,その固定部がかしめ部により容
易にかしめ固定されることができる。その他上記請求項
1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0061】それ故,本発明によれば,生産性,シール
性及び耐久性に優れると共に,枠材の組付強度を向上さ
せることができるジョイント部材を使用した断熱サッシ
を提供することができる。
【0062】次に,請求項13に記載の発明のように,
上記中空部を有するジョイント部材を用いて,該ジョイ
ント部材を上記枠材に組み付けた断熱サッシであって,
上記枠材のかしめ部は,枠材本体に連結形成されると共
に狭い幅にくびれた基部と,上記ジョイント部材におけ
る上記中間壁部に向かって設けられた先端部と,該先端
部と上記基部との間に設けられたかしめ突起部とを有し
ており,上記枠材は,上記かしめ突起部により上記ジョ
イント部材の固定部をかしめ固定すると共に該固定部に
圧縮応力を加え,また,上記先端部により上記ジョイン
ト部材の中間壁部をかしめ固定すると共に該中間壁部に
圧縮応力を加えることによって,上記ジョイント部材の
凹状溝に引張応力を加えて,上記ジョイント部材をかし
め固定していることが好ましい。
【0063】上述のごとく,上記ジョイント部材は,弾
性変形を行う適切な範囲と,塑性変形を行う適切な範囲
とを有している。そのため,上記かしめ部のかしめ突起
部は,固定部の一部を塑性変形させ,かしめ部の先端部
は,中間壁部の一部を塑性変形させることができる。ま
た,ジョイント部材の全体,即ち上記固定部,中間壁部
及び凹状溝の各部位は,弾性変形を行うことができる。
【0064】つまり,上記固定部は,上記かしめ突起部
によって押し潰されることにより圧縮による弾性変形を
する。そして,この弾性変形はジョイント部材と枠材と
を組み付けた後においても継続されているため,固定部
の弾性変形が元に戻ろうとする力により,固定部は,か
しめ突起部が一層深く固定部の一部に食い込もうとする
ように作用している。そのため,上記かしめ固定が一層
強固に行われる。
【0065】また,上記中間壁部は,上記先端部によっ
て押し潰されることにより圧縮による弾性変形をする。
そして,この弾性変形はジョイント部材と枠材とを組み
付けた後においても継続されているため,中間壁部の弾
性変形が元に戻ろうとする力により,中間壁部は,先端
部が一層深く中間壁部の一部に食い込もうとするように
作用している。そのため,かしめ部によるかしめ固定が
外れてしまうことを防止することができる。
【0066】そして,上記固定部の圧縮による弾性変形
と,上記中間壁部の圧縮による弾性変形とは,上記凹状
溝に対してそれぞれ反対の方向に作用する。そのため,
上記凹状溝には,それが引き伸ばされようとするように
引張応力が加わる。そのため,凹状溝がピンと真っ直ぐ
に張られた状態になり,該凹状溝の強度が向上する。そ
のため,ジョイント部材は一層強度を有して枠材に組み
付けられることができる。
【0067】次に,請求項14に記載の発明は,上記ジ
ョイント部材を用いて,該ジョイント部材の上記枠材へ
の組付を行うジョイント部材の組付方法において,上記
かしめ部は,該かしめ部が上記ジョイント部材に食い込
んだ食込み深さが,上記ジョイント部材の最大表面粗度
よりも大きくなるようにかしめ固定することを特徴とす
るジョイント部材の組付方法にある。
【0068】これにより,例えば,ジョイント部材がそ
の表面粗度が粗く成形されていても,かしめ部をジョイ
ント部材の表面粗度による凹凸の深さよりも深くジョイ
ント部材に食い込ませることにより,かしめ固定を確実
に行うことができる。そのため,例えば,このかしめ固
定を行った部分から水分等が浸入するおそれがほとんど
なくなる。
【0069】次に,請求項15に記載の発明は,上記中
空部を有するジョイント部材を押出成形で製造するに当
たり,押出し成形時には,上記混練材料は,ダイス内の
少なくとも途中では分流されて,ダイスの出口近く
合流されて溶融状態で上記ダイス内において上記中空部
が形成され,次いで上記ダイスを出た後に冷却されてジ
ョイント部材となることを特徴とするジョイント部材の
製造方法にある。
【0070】上記混練材料は,ダイスの出口近くの工程
で合流されて,溶融状態でダイス内において上記中空部
を形成するため,意図的に混練材料の融合部分である上
記ウェルド部を形成することができる。また,混練材料
がダイスを通過した後で上記冷却を行うため,混練材料
がダイス内に付着することがほとんどない。そのため,
混練材料を安定して滑らかに流動させることができると
共に,付着した混練材料がジョイント部材に混入するこ
とがほとんどない。そのため,均質な成分を有するジョ
イント部材を成形することができる。
【0071】次に,請求項16に記載の発明は,上記中
空部を有するジョイント部材を押出成形で製造するに当
たり,上記中空部を形成するためのマンドレルと,該マ
ンドレルよりも大きな外周形状を持ったダイス内壁とを
有するダイスを用い,押出し成形時には,上記マンドレ
ルと上記ダイ内壁との間に介設したスパイダーにより上
記混練材料を分流した後,再び上記混練材料を合流する
ことを特徴とするジョイント部材の製造方法にある。
【0072】これにより,上記分流と合流とを容易に行
うことができる。また,そのため,意図的に上記ウェル
ド部を形成することが容易になる。
【0073】次に,請求項17に記載の発明のように,
合流部位に形成されるウェルド部は,上記ジョイント部
材における固定部又は中間壁部に形成させることが好ま
しい。
【0074】上記ジョイント部材と枠材とをかしめ固定
した際には,上記固定部及び中間壁部においては圧縮応
力が加わるため,これらの位置に上記ウェルド部を形成
することが好ましい。これにより,かしめ固定を行った
際にジョイント部材が割れてしまうようなことがほとん
どない。そのため,ジョイント部材と枠材とを一層強固
に連結させることができる。
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるジョイント部材2及びそれ
を組み付けた断熱サッシ1につき,図1〜図13を用い
て説明する。図1に示すごとく,本例におけるジョイン
ト部材2は,長尺状に形成され,建築物の窓部100に
おいて断熱サッシ1を形成するために使用される(図1
1(a),(b)参照)。また,ジョイント部材2は,
一対の枠材3の間に配設され,該枠材3に設けたかしめ
部32によってかしめ固定されることで両枠材3を互い
に結合する。このようにして,ジョイント部材2を枠材
3に組み付けて,断熱サッシ1を形成する。
【0085】上記ジョイント部材2は,上記枠材3の内
側面311にそれぞれ当接すると共に上記かしめ固定さ
れる両側の固定部21を有している。そして,このジョ
イント部材2は,ポリオレフィン系樹脂であるポリプロ
ピレン樹脂70wt%と,充填剤30wt%とを混練し
た混練材料よりなる。
【0086】以下に,これを詳説する。まずは,ジョイ
ント部材2の形状について説明する。図1に示すごと
く,ジョイント部材2は,左右両側の上記固定部21
と,該固定部21の間において上下両側に形成した中間
壁部22と,長手方向に貫通形成した中空部23とを有
すると共に,長手方向に固定部21と中間壁部22との
間にジョイント部材2の外側面に形成した凹状溝24と
を有している。
【0087】上記固定部21は,中空部23を介して互
いに離れ,かつ互いに平行になるように対向して形成さ
れている。そして,ジョイント部材2は,その固定部2
1がそれぞれ上記枠材3の内側面311に対面するよう
にして配置される。また,この固定部21は,上記枠材
3の内側面311に対面する側に凹状の逃げ部212を
有している。また,この逃げ部212の形成により,固
定部21の残された部分には,真ん中の部分である撓み
部213と,その両脇に固定側部214が形成されてい
る。撓み部213は,かしめ固定をされるときに枠材3
の内側面311の方向に凸状になるようにして大きくた
わむことができる。また,固定側部214は,かしめ固
定されるときに内側面311に対して押さえ付けられる
ことができる。
【0088】上記中間壁部22は,固定部21及び枠材
3とほぼ直交するジョイント部材2の辺において,中空
部23を介して互いに離れ,かつ互いに平行になるよう
に対向して形成されている。この中間壁部22は,その
外側表面221から中空部23の内壁面231までの厚
1が,凹状溝24の表面から内壁面231までの最
小厚み2及び固定部21における上記逃げ部212か
ら上記内壁面231までの厚み3に比べて厚くなって
いる(図3(a)参照)。
【0089】また,本例においては,上記最小厚みt2
と上記厚みt3とは略同一になっている。また,上記ジ
ョイント部材2は押出し成形により成形されており,そ
の成形時に形成される材料の融合部分であるウェルド部
25が上記中間壁部22に形成されている。また,上記
中間壁部22は,その両端部には,かしめ部32の後述
する先端部322によってかしめ固定される中間側部2
22を有している。
【0090】上記中空部23は,ジョイント部材2の内
部に中空状の穴を有するようにして形成されている。こ
の中空部23により,ジョイント部材2を軽量化できる
と共に,ジョイント部材2の全体が弾性変形することが
できるようになっている。また,中空部23の横断面形
状は,一対の固定部21に沿った一対の直線状のAライ
ン232と,四方の凹状溝24に沿った四辺の直線状の
Bライン233とによって形成される六角形状を有し,
かつ該六角形状の頂点は連続した曲線部分234によっ
て形成されている。そして,六角形状の各頂点部におけ
る曲線部分234の曲率半径は,略同一とした(図3
(a)参照)。
【0091】上記凹状溝24は,固定部21と中間壁部
22とを結ぶようにしてジョイント部材2の外側面にお
いて形成されている。つまり,この凹状溝24は,固定
部21と中間壁部22とによって形成されるコーナー部
分の4箇所において形成されており,上記かしめ部32
を収納することができるように凹状に陥没して形成され
ている。
【0092】なお,本例においては,ジョイント部材2
は,押出し成形により成形しているため,その各部位,
即ち固定部21,中間壁部22,凹状溝24及び中空部
23は,長手方向に連続して形成されている。なお,成
形方法等の違いにより,それら各部位は必ずしも連続し
て形成されている必要はない。
【0093】また,本例においては,上記ウェルド部2
5は一対の中間壁部22に形成している。このウェルド
部25は,1箇所のみの中間壁部22に形成してもよ
い。また,ウェルド部25は,固定部21に1箇所のみ
形成してもよいし,また一対の固定部21に形成しても
よい。また,ウェルド部25は,中間壁部22及び固定
部21に混在して形成しても勿論よい。
【0094】また,上記中空部23は六角形状を有する
ように形成している。一方,この中空部23は,横断面
形状における中間壁部22の長さが長くなった場合に
は,固定部21に沿った一対の辺と凹状溝24に沿った
4つの辺と中間壁部22に沿った一対の辺との八角形状
を有するように形成してあってもよい。この場合でも,
その八角形状における各頂点部は連続した曲線部分23
4によって形成してあることが好ましい。
【0095】また,本例においては,上記中間壁部22
における中間側部222は直線状に形成しているが,こ
れは外側に向けて中間壁部22の幅が広くなるようにし
て形成し,枠材3における後述するかしめ部32の先端
部322が容易にかしめ固定できるようにしてあっても
よい。また,上記中間壁部22の幅が先端で広くなるよ
うにして段差を設け,枠材3におけるかしめ部32の先
端部322がその段差によって掛止されるようになって
いてもよい。この場合,先端部322は,かしめ固定を
行わず,圧接するだけであってもよい。
【0096】次に,ジョイント部材2の材料について説
明する。本例においては,上記充填剤には粉状のタルク
を用いた上記充填剤の大きさはできるだけ小さくした
方が好ましい。具体的には,その最大粒径が0.5mm
以下であることが好ましい。これにより,上記混練材料
の中に容易に相溶させることができ,押出し成形を行っ
た後のジョイント部材2の表面粗度を小さくすることが
できる。
【0097】上記ジョイント部材2の機械的性質は,全
体の長さに対して,弾性変形を行う範囲が5%前後,破
断に至るまでの塑性変形を行う範囲が10〜15%前後
であることが好ましい。また,ジョイント部材2の硬度
は,ロックウェル・R・スケールで95〜115度の範
囲にあれば使用が可能であるが,100〜110度の範
囲にあることが好ましい。これらにより,適切な上記弾
性変形及び塑性変形を行うジョイント部材2を形成する
ことができる。
【0098】なお,充填剤の量が50wt%を超える
と,ロックウェル・R・スケールで115度を越えるよ
うになり,ジョイント部材2に成形したときそのジョイ
ント部材2は脆くなる。つまり,ジョイント部材2の塑
性変形を行う範囲が狭くなってしまう。また,上記ポリ
プロピレン樹脂は,高価であるためできるだけ少量にし
た方が好ましく,充填剤の量はできるだけ少なくした方
が成形後のジョイント部材2の表面粗さを小さくでき
る。そのため,実際には,これらの量に折り合いがつく
ところがジョイント部材2に適しており,本例のごと
く,ポリプロピレン樹脂が70wt%,充填剤が30w
t%ぐらいの割合にすることが好ましい。
【0099】次に,上記枠材3について説明する。図2
に示すごとく,上記枠材3は,室内側枠材35と室外側
枠材36とからなる。それらの枠材35,36は,それ
ぞれ本体部33とかしめ部32とを有している。また,
かしめ部32は,本体部33のジョイント部材2と対面
する内側面311において形成されている。上記かしめ
部32は,枠材3の本体部33に連結形成されると共に
狭い幅にくびれた基部321と,ジョイント部材2にお
ける中間壁部22に向かって設けられた先端部322
と,該先端部322と基部321との間に設けられたか
しめ突起部323とを有している。このようにして,か
しめ部32は,基部321,先端部322及びかしめ突
起部323を頂点とする略三角形状に形成されている。
【0100】また,上記基部321の固定部21に対向
する側における枠材3の内側面311には,該内側面3
11を凹状に陥没させて形成した逃し溝324を有して
いる。この逃し溝324により,かしめ部32を基部3
21において容易に折り曲げてかしめ固定を行うことが
できるようになっている。
【0101】上記基部321は,上記かしめ固定を行う
際の折り曲げの中心点となる。そのため,容易に塑性変
形ができ,かつその塑性変形に耐えられる強度を有した
厚さに形成されている。上記先端部322は,中間壁部
22をかしめ固定するときには,中間壁部22の両端部
に形成された上記中間側部222の表面を滑ることがで
き,かつかしめ固定後には中間側部222に食い込むこ
とができるように,その先端の突出半径を決定してい
る。この突出半径の大きさとしては,後述するかしめ突
起部323の突出半径と同様の理由で0.1〜0.5m
mであることが好ましい。
【0102】図3(b)に示すごとく,上記かしめ突起
部323は,曲面状に突起しており,その突出半径R1
を0.3mm,その突出高さR2を0.2mmとした。
ここで,突出高さR2とは,基部321とかしめ突起部
323との間に形成された辺326から突出した量とす
る。このかしめ突起部323は,その突出半径が0.1
〜0.5mmであり,その突出高さが0.1〜0.5m
mであることが好ましい。この場合,かしめ固定を過不
足なく行い,かしめ突起部323を充分に上記固定部2
1に食い込ませることができる。
【0103】なお,突出半径R1が0.1mm未満の場
合には,かしめ突起部323が小さくなり過ぎて,固定
部21へ充分に食い込むことができず,充分にかしめ固
定を行うことができなくなるおそれがある。また,突出
半径R1が0.5mmを超える場合には,かしめ突起部
323が大きくなり過ぎて,かしめ突起部323が固定
部21の表面で滑ってしまって食い込むことができない
おそれがある。
【0104】また,突出高さR2が0.1mm未満の場
合には,かしめ突起部323が小さくなり過ぎると共
に,その固定部21への食い込み深さが浅くなり,充分
にかしめ固定を行うことができなくなるおそれがある。
また,突出高さR2が0.5mmを超える場合,上記突
出半径R1が小さいときには,かしめ突起部323の強
度が不足し,該かしめ突起部323がかしめ固定を行う
際に折れ曲がって変形してしまうおそれがある。また,
上記突出半径R1が大きいときには,固定部21へ充分
に食い込むことができず,充分にかしめ固定を行うこと
ができなくなるおそれがある。
【0105】なお,本例においては,上記かしめ突起部
323は曲面を持った突起状に形成してある。一方,こ
れは,突起状になっておらず,基部321から形成され
た面と先端部322から形成された面とが重なる部分に
形成される縁部であってもよい。この場合でも同様にか
しめ固定を行うことができる。また,上記枠材3は,ア
ルミ合金を押出し成形して,アルマイト処理を行って製
作している。この場合,枠材3の表面硬さはビッカース
硬さで約400を有する。これにより,良好なかしめ固
定を行うことができる。
【0106】次に,ジョイント部材2と枠材3とをかし
め固定して形成した断熱サッシ1について説明する。図
7に示すごとく,本例においては,上記かしめ固定はそ
れぞれのかしめ部32において二重に行われている。即
ち,かしめ突起部323は固定部21をかしめ固定し,
先端部322は中間壁部22をかしめ固定している。そ
して,かしめ突起部323は固定部21の一部に,先端
部322は中間壁部22の一部に食い込んでおり,それ
ぞれ長手方向に沿って線状に接触している。また,上記
先端部322とかしめ突起部323との間に形成された
辺327と,凹状溝24との間には隙間241が形成さ
れている。この隙間241によって容易に食い込みによ
るかしめ固定ができるようになっている。
【0107】そして,上記かしめ固定を行った断熱サッ
シ1におけるジョイント部材2は,雨水等の水分の浸入
に対して,先端部322にかしめ固定された部分が第1
シール部となり,かしめ突起部323にかしめ固定され
た部分が第2シール部となって,二重のシール効果を生
む。
【0108】なお,上記かしめ部32におけるかしめ突
起部323を有していない側である外側表面325は,
かしめ固定がされた後,中間壁部22の外側表面221
と略平行になるように形成されていることが好ましい。
この場合,かしめ固定を行った後で,中間壁部22とか
しめ部32とによる面が小さな段差を有する同一面とな
り,断熱サッシ1の強度を向上させることができると共
に,優れた外観性を呈することができる。
【0109】なお,本例においては,室内側枠材35及
び室外側枠材36の内側面311において,それぞれ一
対のかしめ部32を形成して,該一対のかしめ部32を
固定部21の両側より該固定部21を挟み込むようにし
て,ジョイント部材2と枠材3とにかしめ固定を行っ
た。一方,かしめ部32は,室内側枠材35及び室外側
枠材36のそれぞれ向い合う片側にのみ設け,それと反
対側には,それぞれそのかしめ部32による荷重を受け
るようにして設けたかしめ受け部を形成してもよい。そ
して,かしめ固定を行う際には,そのかしめ部32を塑
性変形させてかしめ固定を行う。この場合,かしめ固定
を行う際に,かしめ部32に加える荷重を約半分にする
ことができる。
【0110】次に,かしめ固定を行う前のジョイント部
材2と枠材3について説明する。図3(a)に示すごと
く,本例においては,ジョイント部材2における固定部
21の最大幅L1は,かしめ固定を行う前の室内側枠材
35又は室外側枠材36における一対のかしめ部32の
間の最小幅L2に比べて若干大きくして成形してある。
これにより,ジョイント部材2を枠材3に合わせる際
に,一対のかしめ部32の間の幅を弾性変形させて広げ
て,該一対のかしめ部32の間に固定部21を押し込ん
で,かしめ固定を行う前の仮組みの状態を形成すること
ができる。この仮組みの状態は,固定部21を一対のか
しめ部32の間に挿入した状態である。
【0111】上記かしめ固定を行う前には,ひとまずこ
の仮組みの状態の断熱サッシ1を準備する。そして,こ
の仮組みの状態の断熱サッシ1をある程度まとめて準備
し,まとめて上記かしめ固定を行うことが好ましい。こ
れにより,ジョイント部材2と枠材3とを組み付けるた
めの作業効率を向上させることができる。
【0112】次に,上記かしめ固定を行う際,例えば,
仮組みの状態の断熱サッシ1をかしめ固定を行う場所ま
で運搬するとき,ジョイント部材2と枠材3とは繋がっ
ており,ジョイント部材2と枠材3とが外れることがな
い。そのため,この仮組みの状態においても,断熱サッ
シ1の運搬等を容易に行うことができる。なお,本例に
おいては,上記最大幅L1は,上記最小幅L2比べて約
0.5mm大きくした。
【0113】また,本例のごとく,中空部23を有する
ジョイント部材2においては,上記仮組みを行う際に
は,ジョイント部材2の左右両側から室内側枠材35及
び室外側枠材36をジョイント部材2にそれぞれ合わせ
ることができる。そのため,ジョイント部材2と枠材3
との組付を行う際,ジョイント部材2と枠材3との長さ
を足し合わせた長尺状の長いスペースを確保しておく必
要がない。そのため,工場内のスペースを有効に移用す
ることができる。
【0114】次に,ジョイント部材2と枠材3とをかし
め固定する方法について説明する。まずは,かしめ固定
を行うかしめ装置4について説明する。図4に示すごと
く,かしめ装置4は,ジョイント部材2と枠材3とを仮
組みしたものにかしめ固定を行う。このかしめ装置4
は,一対のかしめローラ41と一対の位置決めローラ4
2とを有している。上記かしめローラ41は,その中心
軸411を中心にして回転ができるようになっている。
この中心軸411はかしめ装置4に支持されているが,
かしめ部32を塑性変形させてかしめ固定を行う際に発
生する反力に充分に耐えられる強度を有している。ま
た,中心軸411の部分に加圧スプリング等を設けて,
該加圧スプリングの荷重によってかしめ固定を行っても
よい。
【0115】上記かしめローラ41は,その外周形状が
凹凸に形成されており,両側にそれぞれ各枠材3のかし
め部32の位置に対応した一対の凸周部412と,該凸
周部412の間に形成した凹周部413とを有してい
る。上記凸周部412は,かしめ部32の上記基部32
1を避けてかしめ部32の外側表面325に接触するよ
うに作られている。そして,凸周部412の表面には,
かしめ部32をかしめ固定する際にかしめ部32の外側
表面325からかしめローラ41が滑らないように,ロ
ーレット等の凹凸が設けてあることが好ましい。また,
かしめローラ41は,上記凹周部413によりジョイン
ト部材2の中間壁部22に干渉しないようになってい
る。
【0116】なお,上記かしめ固定は,ジョイント部材
2は固定しておき,かしめローラ41を駆動してかしめ
装置4をジョイント部材2に対して移動しながら行うこ
とができる。一方,かしめ固定は,かしめ装置4を固定
して,ジョイント部材2をそのかしめローラ41に対し
て引き抜くようにして通過させて行ってもよい。この場
合には,かしめローラ41は,その引き抜きの速度に合
わせて従属して回転をする。
【0117】上記位置決めローラ42は,中心軸421
を有しており,この中心軸421を中心として空転がで
きるようになっている。そして,この位置決めローラ4
2の間にジョイント部材2と一対の枠材3とを仮組みし
たものを配置する。位置決めローラ42は,かしめ固定
を行う際に,枠材3がジョイント部材2から離れてしま
わないように,外周表面422により室内側枠材35の
外側面33と室外側枠材36の外側面33との間を一定
に保つことができる。
【0118】図5(a)に示すごとく,上記かしめロー
ラ41は,一対の第1かしめローラ415と一対の第2
かしめローラ416とからなり,上記仮組みを行ったジ
ョイント部材2及び枠材3に対して,段階を追ってかし
め部32の折り曲げをし,かしめ固定を行うようになっ
ている。即ち,第1かしめローラ415の上記凸周部4
12同士の間の隙間は,第2かしめローラ416の上記
凸周部412同士の間の最小幅に比べて大きくしてあ
る。一方,第2かしめローラ416の上記凸周部412
同士の間の隙間は,かしめ部32がかしめ固定を行った
後にスプリングバックすることを見込んでおり,かしめ
固定を行った後に最終的に落ち着くかしめ部32の外側
表面325同士の間の幅に比べて小さくしてある。
【0119】そして,上記かしめローラ41によるかし
め部32の折り曲げは,初回目は一対の第1かしめロー
ラ415により行い,最終の折り曲げ及びかしめ固定は
一対の第2かしめローラ416によって行う。そして,
ジョイント部材2と枠材3とのかしめ固定を行う。その
ため,かしめローラ41を配置することによって,滑ら
かにかしめ固定を行うことができると共に,かしめ固定
を行う際にかしめ装置4に加わる反力を分散させること
ができる。
【0120】図5(b)に示すごとく,上記位置決めロ
ーラ42は,一対の第1位置決めローラ425と一対の
第2位置決めローラ426とからなり,それらは互いに
同じ隙間をもって配置されている。これにより,かしめ
固定を行う際に,ジョイント部材2及び枠材3を直線的
に支持することができる。そのため,ジョイント部材2
及び枠材3に直線的にかしめ固定を行うことが容易にな
る。
【0121】次に,上記かしめ装置4を用いてかしめ固
定を行っているときのジョイント部材2及び枠材3の状
態について説明する。図6に示すごとく,上記かしめ部
32を上記一対のかしめローラ41の間に通過させると
きには,かしめ部32は,その上記基部321を中心に
して回転して,折り曲がるようにして塑性変形をする。
また,一対のかしめローラ41によりかしめ固定をされ
ているときには,上記固定部21における撓み部213
は,それぞれ対面する枠材3の内側面311に向かって
凸状になるようにして弾性変形する。このとき,ジョイ
ント部材2の全体も,一対の中間壁部22における外側
表面221の間の距離が縮まるようにして弾性変形をす
る。
【0122】このようにして,枠材3のかしめ部32
を,かしめ固定を行った後に最終的に落ち着く位置より
もより大きく塑性変形をさせている。これにより,かし
め部32の上記先端部322を上記中間壁部22に,か
しめ部32の上記かしめ突起部323を固定部21に,
確実にかしめ固定を行うことができる。また,かしめロ
ーラ41が通過した後には,ジョイント部材2における
かしめ固定を行った部分は上記弾性変形が元に戻ろうと
する。そのため,かしめ部32における先端部322と
かしめ突起部323とは一層深くジョイント部材2に食
い込むことができる。このようにして,図7に示すごと
く,ジョイント部材2と,室内側枠材35及び室外側枠
材36とは結合されて,断熱サッシ1に形成される。
【0123】なお,本例においては,上記かしめローラ
41を有するかしめ装置4でかしめ固定を行ったが,こ
れに代えて,かしめ型を用いて,ジョイント部材2の両
側に配置したかしめ部32を挟み込むようにプレス加圧
して,かしめ固定を行うこともできる。この場合,かし
め固定を行うのに大きな力を必要とするが,かしめ固定
を短時間で行うことができる。
【0124】次に,かしめ固定を行う際のかしめ部32
の先端部322及びかしめ突起部323の食い込み状態
について説明する。図8(a)に示すごとく,かしめ部
32における先端部322及びかしめ突起部323の先
端半径Raは,ジョイント部材2における最大表面粗度
Rmaxに比べて大きくしてある。この最大表面粗度R
maxの最大許容値は,良好なかしめ固定を行うために
は100μm未満にすることが好ましい。そのため,上
述のごとく,先端部322及びかしめ突起部323の具
体的な大きさは,突出半径が0.1〜0.5mmである
ことが好ましい。また,かしめ突起部323の突出高さ
は,0.1〜0.5mmであることが好ましい。
【0125】次に,図8(b),(c)に示すごとく,
上記先端部322及びかしめ突起部323をジョント部
材2に食い込ませてかしめ固定を行う。このとき,先端
部322及びかしめ突起部323は,ジョイント部材2
のかしめ固定を行う部分の表面における材料を左右に押
しのける。そのため,ジョイント部材2のかしめ固定を
行う部分には,先端部322及びかしめ突起部323の
左右両側に突出した左右突出部328が形成される。そ
して,図8(d)に示すごとく,かしめ固定後にはジョ
イント部材2の弾性変形が元の位置に若干戻ることによ
り,かしめ部32はジョイント部材2によって,かしめ
固定を行う前の位置に若干押し戻される。このようにし
てかしめ固定が行われる。
【0126】以下に,更に詳説する。図8(a)に示す
ごとく,以下に,かしめ固定を行う前の表面粗度の十点
平均による平均値に当たるところに仮想の基準ラインx
0を設け,この基準ラインx0からどれだけ弾性変形及
び塑性変形を行っているかを説明する。また,弾性変形
を行った際の表面粗度の上記平均値に当たるところに仮
想の平均ラインxcを設けて,弾性変形及び塑性変形
を,上記基準ラインx0から平均ラインxcがどれだけ
の位置に移動したかを示すことによって説明する。
【0127】図8(b)に示すごとく,かしめ部32の
折り曲げが途中の位置においては,ジョイント部材2
は,弾性変形量ED1と塑性変形量PD1を持って変形
している。この弾性変形量ED1は,ジョイント部材2
がかしめ部32により押し潰されることにより弾性変形
する量を示し,塑性変形量PD1は,かしめ部32の先
端部322又はかしめ突起部323がジョイント部材2
に食い込んでジョイント部材2を塑性変形させる量を示
す。
【0128】図8(c)に示すごとく,上記かしめロー
ラ41における第2かしめローラ416により,かしめ
部32が最終的に落ち着く位置よりも大きく折り曲げら
れているときは,ジョイント部材2は,弾性変形量ED
2と塑性変形量PD2を持って変形している。
【0129】そして,図8(d)に示すごとく,かしめ
ローラ41による折り曲げが終了し,かしめ固定が行わ
れた状態においては,ジョイント部材2は,弾性変形量
ED3と塑性変形量PD3を持って変形している。即
ち,かしめ固定が行われた後においては,かしめ部32
は,そのスプリングバックにより,折り曲げが行われる
前の状態である元の位置に若干復帰する。
【0130】そのため,弾性変形量ED3は,上記弾性
変形ED2から,かしめ部32のスプリングバックと,
ジョイント部材2の全体の弾性変形が元の位置に戻ろう
とする力により生じるスプリングバック量SBの分だけ
差し引いた量となる。また,一方,塑性変形量PD3
は,ほぼ塑性変形量PD2と同一であるが,上記弾性変
形が元に位置に戻ろうとする力が働いていることによ
り,塑性変形量PD2よりも小さくなってしまうことが
ない。また,このようにして,かしめ固定を行った後の
塑性変形量PD3は,ジョイント部材2の最大表面粗度
Rmaxよりも大きくしている。
【0131】次に,ジョイント部材2の製造方法につい
て説明する。本例においては,中空部23を有するジョ
イント部材2を成形するに当たり,押出し成形を行う。
この押出し成形時には,上記混練材料は,ダイス5内の
少なくともある途中の工程では分流されて,ダイス5の
出口近くの工程では合流されて,溶融状態で上記ダイス
5内において上記中空部23が形成される。次いで,混
練材料は,ダイス5を通過した後に冷却されてジョイン
ト部材2に形成される。
【0132】以下に,これを詳説する。図9に示すごと
く,上記ダイス5は,中空部23を形成するためにダイ
ス5の内部に配置されたマンドレル52と,該マンドレ
ル52よりも大きな外周形状を持ったダイス内壁51と
を有する。また,マンドレル52とダイス内壁51との
間には,混練材料を分流させるためのスパイダー53を
有している。そして,このスパイダー53は,マンドレ
ル52の外周に一対に形成されている。なお,スパイダ
ー53は,一対の中間壁部22にウェルド部25を形成
するために,中間壁部22を形成する位置に設けてい
る。
【0133】ダイス5には,片側のスパイダー53が配
置されている方向において,エアー吹込口56が設けら
れている。このエアー吹込口56は,上記スパイダー5
3の片側とマンドレル52とを経由して配管してあり,
成形中のジョイント部材2の中空部23にエアーを吹き
込む(図10(a)参照)。そして,このエアーの吹込
みにより,混練材料が吹出口55から押し出されてジョ
イント部材2に成形される際に,その中空部23の貫通
形状が維持されるようにしている(図10(b)参
照)。
【0134】上記ダイス内壁51は,入口側505から
出口側506に向けて円柱状に形成してあり,また,入
口側505から出口側506に向けてその直径が小さく
絞られている。ダイス5内の第1工程501において
は,混練材料は投入口54から供給され,充填部57に
充填される。次に,ダイス5内の第2工程502におい
ては,第1工程501の充填部57において充填された
混練材料がスパイダー53によって分流される。
【0135】次に,ダイス5内の第3工程503におい
ては,第2工程502において分流された混練材料を再
び合流させる。この合流はスパイダー53が配置されて
いるマンドレル52の外周部分において行われる。ま
た,この合流により混練材料が融合して,ウェルド部2
5が上記中間壁部22が形成される部分に長手方向に連
続して形成される。次に,ダイス5の吹出口55から押
し出された混練材料は,ジョイント部材2の最終の横断
面形状を有しており,対流放熱あるいはガスの吹きかけ
等により冷却される。その後,ジョイント部材2は,使
用する建築物等の窓部100のサイズに合わせて適切な
長さに切断される(図11(a),(b)参照)。
【0136】なお,本例においては,上記ダイス5内の
スパイダー53によって混練材料を分流した。一方,こ
の分流は,ダイス5に混練材料を投入する時点で行われ
ていてもよい。つまり,分流は,混練材料の投入口54
を2箇所設け,それらの投入口54から混練材料をそれ
ぞれ投入することによって行っても良い。また,この場
合,スパイダー53を使用しなくても適切なウェルド部
25を形成することができれば,スパイダー53は省略
してもよい。
【0137】また,本例においては,上記混練材料は,
アロイ化した状態でペレットとし,それを充分乾燥した
上で,上記ダイス5内に供給した。また,上記押出し成
形を行うときの成形速度は,5m/min以下にするこ
とが好ましい。これにより,成形後のジョイント部材2
の最大表面粗度Rmaxを容易に100μm未満とする
ことができる。
【0138】また,本例においては,例えば,ジョイン
ト部材2の最大表面粗度Rmaxが100μm以上にな
った場合であっても,上記かしめ部32によりジョイン
ト部材2を塑性変形させて,その最大表面粗度Rmax
を超えるだけの量をジョイント部材2に食い込ませるこ
とができる。つまり,この食い込みにより,ジョイント
部材2の表面をかしめ部32によって押し潰し,実質上
最大表面粗度Rmaxが細かいときと同様のシール効果
を発揮することができる。また,実質上,水分等が通過
することができるだけの隙間を,かしめ部32が食い込
んだ箇所に形成しなくて済む。
【0139】次に,上記断熱サッシ1を建築物の窓部1
00に施工した状態について説明する。図11(a)に
示すごとく,本例におけるジョイント部材2は,建築物
等の窓部100に用いられる。窓部100においては,
スライドする部分であるスライド部61と,そのスライ
ドを支える部分である枠部62とがある。ジョイント部
材2は,スライド部61及び枠部62のいずれにおいて
も使用することができる。なお,スライド部61と枠部
62とでは使用する枠材3は異なるが,図11(b)に
示すごとく,長尺状のジョイント部材2を,上記スライ
ド部61及び枠部62に共通して使用することができ
る。
【0140】本例のジョイント部材2は,スライド部6
1及び枠部62の両方に用いられ,室内側枠材35と室
外側枠材36とを連結する。また,ジョイント部材2及
び枠材3は,窓部100の上下左右の全辺において使用
される。そして,こうすることで,室内外の温度の伝熱
を最小限に食い止めることができる。
【0141】次に,上記スライド部61の下辺部を形成
する方法について説明する。図12(b)に示すごと
く,上記かしめ固定を行った断熱サッシ1は,枠材3の
内側面311及びかしめ部32の外側表面325と,ジ
ョイント部材2の中間壁部22とによって囲まれた一対
の空間部33を有する。そして,一方の空間部331に
は窓ガラス部63を,他方の空間部332にはキャスタ
ー部64を組み付ける。
【0142】図12(a)に示すごとく,上記窓ガラス
部63は,一対のガラス631と,該一対のガラス63
1の間に配置して断熱を行う接着剤632と,重ね合わ
せた一対のガラス631の端部を覆って,上記一方の空
間部331との間に形成される隙間をシールすることが
できる樹脂チャンネル材633とを有している。そし
て,それらを組み付けた窓ガラス部63を一方の空間部
331に嵌合する。
【0143】図12(c)に示すごとく,一方,上記キ
ャスター部64は,上記枠部62に沿ってスライドする
ためのキャスター641を樹脂チャンネル材633の内
部に配置して,上記他方の空間部332に嵌合する。ま
た,キャスター641は,室内側と室外側とにおける断
熱を行うために,室内側と室外側を仕切るように配置し
た断熱シール642を介して繋がれている。このように
して,スライド部61の下辺部が形成される。
【0144】また,スライド部61の上辺部についても
同様にして形成する。また,スライド部61の左辺部及
び右辺部についても,上記キャスター部64の組付がな
いことを除いて,同様にして形成される。上記のごと
く,上記スライド部61を形成して,上記枠部62と合
わせて窓部100を形成する。
【0145】図13に示すごとく,上記窓部100の下
部においては,枠部62における断熱サッシ1は,上記
かしめ装置4によりスライド部61の断熱サッシ1と同
様にしてかしめ固定されている。また,枠部62におけ
る室内側枠材35は,建築物の柱37等に固定されてお
り,枠部62における室外側枠材36は水切り部361
を有しており,雨水等の水切りを行うことができる。
【0146】なお,ジョイント部材2は,その横断面形
状における大きい方の辺の長さが,一般の住宅用断熱サ
ッシ1に使用するものとしては5〜30mm程度に,窓
開口面積が大きいビル用としては5〜50mm程度の大
きさに作られる。また,一般の住宅用及びビル用等の窓
部100の各辺の長さに合わせて,成形後のジョイント
部材2は切断され,一般には,1〜6mの長さに切断さ
れて使用される。
【0147】本例においては,ポリオレフィン系樹脂で
あるポリプロピレン樹脂70wt%と,充填剤30wt
%とを混練して上記ジョイント部材2の混練材料を作
る。この混練材料は,流動性等の成形性が良好である。
つまり,上記押出し成形を行う際には,その成形速度を
大きくしても,成形後のジョイント部材2の表面粗さを
小さく保つことができる。例えば,上記のごとく,最大
表面粗度Rmaxが約100μm未満のジョイント部材
を成形するには,成形速度を約5m/minまで上げる
ことができる。そのため,ジョイント部材2を製作する
際の生産性を向上させることができる。なお,本例にお
いては,最大表面粗度Rmaxを約10μmとするため
に,上記押出し成形の成形速度は約1m/minとし
た。
【0148】上記混練材料により成形されたジョイント
部材2は,弾性変形を行う適切な範囲と,塑性変形を行
う適切な範囲とを有している。即ち,弾性変形を行う適
切な範囲を有していることにより,ジョイント部材2と
枠材3とにかしめ固定を行う際に,ジョイント部材2が
その際に発生する内部応力に耐えられなくなって,ジョ
イント部材2に割れ等を生じたりすることがほとんどな
い。また,塑性変形を行う適切な範囲を有していること
により,上記かしめ固定を行う際に,枠材3のかしめ部
32がジョイント部材2の固定部21に充分に食い込む
ことができる。
【0149】なお,上記かしめ固定を行う際に,枠材3
のかしめ部32はジョイント部材2の固定部21に食い
込むことが好ましいが,圧接しているだけでもよい。こ
の場合は,ジョイント部材2の表面粗さはできるだけ細
かくしてあることが好ましい。
【0150】また,上記混練材料により製作したジョイ
ント部材2は,それ自体の強度を保持したまま,その固
定部21がかしめ部32により容易にかしめ固定される
ことができる。そのため,ジョイント部材2と枠材3と
は強固に密着される。そのため,かしめ固定を行った部
分から水分等が浸入することがほとんどない。それ故,
ジョイント部材2のシール性を向上させることができる
と共に,ジョイント部材2と枠材3とを組み付けて断熱
サッシ1として使用した場合,該断熱サッシ1の耐久性
を向上させることができる。
【0151】また,上記混練材料は,本例のように,ジ
ョイント部材2の全体に用いることができる。そのた
め,ジョイント部材2に2色成形を行う必要がないた
め,混練材料の管理が容易であり,製造を行うための上
記ダイス5の構造も簡単にすることができる。また,そ
の際には,ジョイント部材2と枠材3との組付強度も向
上する。また,ジョイント部材2に塩化ビニル樹脂等を
用いてないため,該ジョイント部材2が不要になったと
き,それを焼却する際に有毒ガス等が発生することがな
い。
【0152】また,上記混練材料における充填剤の量は
30wt%とした。そのため,混練材料に上記押出し成
形を行ったとき,成形時の形状を安定して保持する能力
を示す保形性が良く,正確な形状に安定して押出すこと
ができる。また,上記ジョイント部材2と枠材3とを組
み付けて断熱サッシ1として使用したとき,ジョイント
部材2は使用環境の温度変化に伴って熱変形を起こすよ
うなことがほとんどない。また,ジョイント部材2と枠
材3とにかしめ固定を行う際に,ジョイント部材2に割
れ等を生じることがほとんどない。
【0153】また,充填剤には,粉状のタルクを使用し
た。そのため,上記混練材料に押出し成形を行った場
合,正確な形状に安定して押出すことができる。また,
成形後のジョイント部材2は,その固定部21が上記枠
材3のかしめ部32に充分にかしめ固定されることがで
き,使用環境の温度変化に伴って熱変形を起こすことが
ほとんどない。
【0154】また,上記凹状溝24が形成されているこ
とにより,かしめ部32の先端部322はジョイント部
材2の中間壁部22を,かしめ部32のかしめ突起部3
23はジョイント部材2の固定部21をかしめ固定した
後,この凹状溝24に収まることができる。そのため,
かしめ部32の付近にゴミや水分等が堆積してしまうこ
とを防止することができる。また,ジョイント部材2の
中間壁部22は,一対の枠材3の間に架け渡された強度
保持用のフレームとしての機能を果たす。そのため,ジ
ョイント部材2と枠材3とは強固に連結されることがで
きる。
【0155】また,上記中空部23が形成されているこ
とにより,ジョイント部材2を軽量化できると共に,上
記かしめ固定を行う際に,ジョイント部材2の全体,即
ち上記固定部21,中間壁部22及び凹状溝24は弾性
変形を行うことができる。そのため,かしめ部32は,
その上記かしめ突起部323により固定部21の一部
を,また,その上記先端部322により中間壁部22の
一部を塑性変形させると共に,上記ジョイント部材2の
全体を弾性変形させることができる。そして,この弾性
変形が元の位置に戻ろうとする力は,かしめ部32が一
層深くかしめ固定されるように働く。そのため,ジョイ
ント部材2と枠材3とは一層強固に連結されることがで
きる。
【0156】また,上記中間壁部22は,その外側表面
221から上記中空部23の上記内壁面231までの厚
1が,凹状溝24の表面から内壁面231までの最
小厚み2及び固定部21における上記逃げ部212か
ら内壁面231までの厚み3に比べて厚く形成されて
いる。そのため,上記かしめ固定を行う際に,固定部2
1及び凹状溝24が容易に弾性変形を行うことができ
る。また,中間壁部22は,一対の枠材3の間に配置さ
れた強度保持用のフレームとして働いているため,ジョ
イント部材2は一層強度を持って,一対の枠材3の間に
配置されることができる。
【0157】また,ジョイント部材2の上記ウェルド部
25は,中間壁部22に形成されている。つまり,上記
かしめ固定により,かしめ部32の先端部322が,中
間壁部22を押し潰すようにして該中間壁部22に圧縮
応力を加えているため,ウェルド部25が形成されてい
る部分には引張応力が働かない。そのため,かしめ固定
を行う際に,ジョイント部材2がウェルド部25が形成
されている部分で割れてしまうようなことがほとんどな
い。そのため,ジョイント部材2と上記枠材3とを一層
強固に連結させることができる。
【0158】また,ジョイント部材2の固定部21は,
上記枠材3の内壁面311に対面する側に凹状の逃げ部
212を有している。そのため,ジョイント部材2と枠
材3とをかしめ固定する際に,上記固定部21の上記撓
み部213は容易に弾性変形を行うことができると共
に,該弾性変形が元の位置に戻ろうとする力を,かしめ
部32が一層深くかしめ固定されるように働かせること
ができる。そのため,一層強固にジョイント部材2と枠
材3とを連結させることができる。
【0159】また,上記中空部23は,上記六角形状に
形成されており,その頂点は連続した曲線部分234に
よって形成されている。そのため,上記六角形状及び曲
線部分234により,固定部21,中間壁部22及び凹
状溝24の肉厚をほぼ均等に,また中空部23の形状を
滑らかにすることができる。そのため,かしめ固定を行
う際に応力集中がほとんど形成されず,ジョイント部材
2に割れ等を生じることがほとんどない。それ故,ジョ
イント部材2を一層軽量化することができると共に,一
層強度を持って枠材3に組み付けることができる。
【0160】また,ジョイント部材2は中空部23を有
しており,枠材3のかしめ部32は上記基部321,先
端部322及びかしめ突起部323を有している。上述
のごとく,ジョイント部材2は,弾性変形を行う適切な
範囲と,塑性変形を行う適切な範囲とを有している。そ
して,ジョイント部材2の全体,即ち上記固定部21,
中間壁部22及び凹状溝24の各部位は,弾性変形を行
うことができる。また,上記かしめ部32のかしめ突起
部323は,固定部21の一部を塑性変形させ,かしめ
部32の先端部322は,中間壁部22の一部を塑性変
形させることができる。
【0161】つまり,上記固定部21は,上記かしめ突
起部323によって押し潰されることにより圧縮による
弾性変形をする。そして,この弾性変形はジョイント部
材2と枠材3とを組み付けた後においても継続されてい
るため,固定部21の弾性変形が元に戻ろうとする力に
より,固定部21は,かしめ突起部323が一層深く固
定部21の一部に食い込もうとするように作用してい
る。そのため,上記かしめ固定が一層強固に行われる。
【0162】また,上記中間壁部22は,上記先端部3
22によって押し潰されることにより圧縮による弾性変
形をする。そして,この弾性変形はジョイント部材2と
枠材3とを組み付けた後においても継続されているた
め,中間壁部22の弾性変形が元に戻ろうとする力によ
り,中間壁部22は,先端部322が一層深く中間壁部
22の一部に食い込もうとするように作用している。そ
のため,かしめ部32によるかしめ固定が外れてしまう
ことを防止することができる。
【0163】また,本例においては,上記かしめ部32
のかしめ突起部323によってジョイント部材2の固定
部21に圧縮応力を加え,かしめ部32の先端部322
によってジョイント部材2の中間壁部22に圧縮応力を
加えてかしめ固定を行っている。つまり,固定部21の
圧縮による弾性変形と,中間壁部22の圧縮による弾性
変形とは,凹状溝24に対してそれぞれ反対の方向に作
用する。そのため,凹状溝24には,それが引き伸ばさ
れようとするように引張応力が加わる。そのため,凹状
溝24がピンと真っ直ぐに張られた状態になり,凹状溝
24の強度が向上する。そのため,ジョイント部材2は
一層強度を有して枠材3に組み付けられることができ
る。
【0164】また,上記かしめ部32は,その先端部3
22及びかしめ突起部323がジョイント部材2に食い
込んだ食込み深さ,即ち上記塑性変形量PD3がジョイ
ント部材2の最大表面粗度Rmaxよりも大きくなるよ
うにして,ジョイント部材2をかしめ固定している(図
8(d)参照)。
【0165】そのため,例えば,ジョイント部材2がそ
の表面粗度が粗く成形されていても,先端部322及び
かしめ突起部323をジョイント部材2の表面粗度によ
る凹凸の深さよりも深くジョイント部材2に食い込ませ
ることにより,かしめ固定を確実に行うことができる。
そのため,例えば,このかしめ固定を行った部分から水
分等が浸入するおそれがなくなる。なお,上記のように
かしめ部32がジョイント部材2に深く食い込むことが
できるのは,上記混練材料により成形したジョイント部
材2が,弾性変形を行う適切な範囲と,塑性変形を行う
適切な範囲とを有しているからである。
【0166】また,上記押出し成形時には,上記混練材
料は,ダイス内の第2工程502では分流しておき,第
3工程503では合流して溶融状態で上記ダイス5内に
おいて上記中空部23を形成し,次いでダイス5を通過
した後に冷却されてジョイント部材2となる。
【0167】つまり,第3工程503では,溶融状態で
混練材料を合流させてダイス5内において上記中空部2
3を形成するため,混練材料の融合部分である上記ウェ
ルド部25を意図的に形成することができる。また,混
練材料がダイス5を通過した後で上記冷却を行うため,
混練材料がダイス5内に付着することがほとんどない。
そのため,混練材料を安定して滑らかに流動させること
ができると共に,付着した混練材料がジョイント部材2
に混入することがほとんどない。そのため,均質な成分
を有するジョイント部材2を成形することができる。
【0168】また,上記ダイス5は,上記マンドレル5
2と上記ダイ内壁51との間に介設したスパイダー53
により混練材料を分流した後,再び混練材料を合流して
いる。そのため,上記分流と合流とを容易に行うことが
できる。また,そのため,上記ウェルド部25を意図的
に形成することが容易である。
【0169】実施形態例2 本例においては,ジョイント部材2は,変性ポリオレフ
ィン系樹脂である変性ポリプロピレン樹脂よりなる樹脂
材料2.5wt%と,充填剤30wt%と,残部ポリア
ミド樹脂とを混練した混練材料よりなる。その他は上記
実施形態例1と同様である。
【0170】本例においては,上記混練材料を成形して
できたジョイント部材2の表面粗さを一層小さくするこ
とができる。即ち,具体的には,上記押出し成形の成形
速度を約5m/minと大きくした場合でも,成形後の
ジョイント部材2の最大表面粗度Rmaxを10μm未
満とすることができた。
【0171】そのため,ジョイント部材2の表面平滑度
を一層高くすることができる。そのため,上記かしめ部
32の先端部322をジョイント部材2の中間壁部22
に,かしめ部32のかしめ突起部323をジョイント部
材2の固定部21に食い込ませる際,この食い込ませる
量を小さくしても,それらを容易に密着させることがで
きる。
【0172】そのため,それらのかしめ固定を行った部
分から水分等が浸入することがほとんどない。それ故,
ジョイント部材2のシール性を向上させることができる
と共に,ジョイント部材2と枠材3とを組み付けて断熱
サッシ1として使用したとき,該断熱サッシ1の耐久性
を向上させることができる。なお,本例の混練材料によ
れば,更に上記成形速度を約10m/minと大きくし
た場合でも,上記最大表面粗度Rmaxが100μm未
満のジョイント部材2を得ることができる。
【0173】また,本例においては,変性ポリプロピレ
ン樹脂を使用している。そのため,混練材料に上記押出
し成形を行う際,混練材料を投入するダイス5の投入口
54におけるオリフィスの周縁に混練材料の一部が付着
することがほとんどなくなる。そのため,その付着物が
ジョイント部材2に混入することがほとんどないので,
良好なジョイント部材2を成形することができる。その
他,上記実施形態例1と同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0174】実施形態例3 図14に示すごとく,本例におけるジョイント部材2
は,その全体の横断面形状が,平板状の中間部26と,
該中間部26の両側において端部に向けて厚さが徐々に
拡大する略三角形状の固定部21とを一体的に有する。
また,ジョイント部材2は,上記一対の枠材3の間に一
対に配設されている。
【0175】以下に,これを詳説する。図15に示すご
とく,本例におけるジョイント部材2は,中間部26と
固定部21とを有する板状体に形成されている。一方,
上記枠材3は,上記一対のジョイント部材2が配置され
る内側部分において,上記かしめ部32をかしめ固定す
る際にジョイント部材2の固定部21を押し当てること
ができるかしめ受け部312を有している。このかしめ
受け部312は,端部に向けて徐々に拡大する略三角形
状に形成された固定部21に沿うようにして形成されて
いる。
【0176】また,かしめ部32は,一対のジョイント
部材2の外側よりかしめ固定ができるように,上記室内
側枠材35及び室外側枠材36においてそれぞれ一対に
形成されている。その他は上記実施形態例1と同様であ
る。
【0177】本例においては,ジョイント部材2は,板
状体に形成されている。そのため,ジョイント部材2の
製作が容易である。また,上記かしめ部32によってジ
ョイント部材2の固定部21をかしめ固定する際に,か
しめ受け部312によって固定部21が枠材3の内側面
311に,引き寄せられる。そのため,ジョイント部材
2が枠材3から離れてしまうことがなく,ジョイント部
材2と枠材3とが強固に連結される。
【0178】また,板状体のジョイント部材2を複数個
配置することによって,枠材3に組み付けたときの組付
強度を向上させることができる。そのため,ジョイント
部材2の肉厚を減少させることができ,ジョイント部材
2を軽量化することができる。また,上記枠材3はかし
め受け部312を有しているため,かしめ固定を上記中
空部23を有するジョイント部材2と同じようにジョイ
ント部材2の外側から行うことができる。その他,上記
実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0179】実施形態例4 図16に示すごとく,本例におけるジョイント部材2
は,その全体の横断面形状が,平板状の中間部26と,
該中間部26から台形状に突出した中間壁部22と,中
間部26の両側において端部に向けて厚さが徐々に拡大
する略三角形状の上記固定部21とを一体的に有する。
また,ジョイント部材2は,上記枠材3の間に一対に配
設されている。
【0180】図17に示すごとく,上記ジョイント部材
2は,中間部26と中間壁部22と固定部21とを有す
る板状体に形成されている。また,中間壁部22の両端
部には,中間側部222を有しており,上記かしめ部3
2の先端部322をかしめ固定することができるように
なっている。その他は上記実施形態例3と同様である。
【0181】本例においては,上記中間壁部22は,か
しめ部32によって押し潰されることにより圧縮による
弾性変形をする。そして,この弾性変形はジョイント部
材2と枠材3とを組み付けた後においても継続されてい
るため,中間壁部22の弾性変形が元に戻ろうとする力
により,中間壁部22は,かしめ部32における先端部
322が一層深く中間壁部22の一部に食い込もうとす
るように作用する。そのため,かしめ部32によるかし
め固定が外れてしまうことを防止することができる。そ
の他,上記実施形態例3と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0182】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,生産
性,シール性及び耐久性に優れると共に,枠材との組付
強度を向上させることができるジョイント部材,その組
付方法及びその製造方法並びに断熱サッシを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,かしめ固定を行った後
のジョイント部材を示す説明図。
【図2】実施形態例1における,かしめ固定を行う前の
ジョイント部材及び一対の枠材を示す説明図。
【図3】実施形態例1における,(a)かしめ固定を行
う前のジョイント部材を示す説明図,(b)かしめ部の
かしめ突起部を示す説明図。
【図4】実施形態例1における,かしめ装置を示す説明
図。
【図5】実施形態例1における,かしめ装置を示す図
で,(a)図4におけるA−A矢視断面図,(b)平面
図。
【図6】実施形態例1における,かしめ固定を行ってい
る状態を示すジョイント部材の説明図。
【図7】実施形態例1における,断熱サッシを示す説明
図。
【図8】実施形態例1における,かしめ固定による食い
込みの状態を示す図で,(a)かしめ固定前の状態,
(b)かしめ固定が途中の状態,(c)かしめ固定を行
っている状態,(d)かしめ固定が終わった状態を示す
説明図。
【図9】実施形態例1における,ダイスによる製造方法
を示す説明図。
【図10】実施形態例1における,ダイスによる製造方
法を示す図で,(a)図9におけるA−A矢視断面図,
(b)図9におけるB−B矢視断面図。
【図11】実施形態例1における,(a)建築物の窓部
を示す斜視図,(b)ジョイント部材を示す斜視図。
【図12】実施形態例1における,窓部のスライド部の
組付方法を示す図で,(a)窓ガラス部,(b)断熱サ
ッシ,(c)キャスター部を示す斜視図。
【図13】実施形態例1における,窓部の下部を示す説
明図。
【図14】実施形態例3における,断熱サッシを示す説
明図。
【図15】実施形態例3における,かしめ固定を行う前
のジョイント部材及び一対の枠材を示す説明図。
【図16】実施形態例4における,断熱サッシを示す説
明図。
【図17】実施形態例4における,かしめ固定を行う前
のジョイント部材及び一対の枠材を示す説明図。
【図18】従来例における,かしめ固定を行った後のジ
ョイント部材を示す図で,(a)通常のかしめ部を有す
るもの,(b)かしめ部に突起部を設けたもの,(c)
2色成形を行ったものを示す説明図。
【符号の説明】
1...断熱サッシ, 2...ジョイント部材, 21...固定部, 22...中間壁部, 23...中空部, 24...凹状溝, 25...ウェルド部, 3...枠材, 311...内側面, 32...かしめ部, 321...基部, 322...先端部, 323...かしめ突起部,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−196228(JP,A) 特開 平11−125064(JP,A) 特開 平7−305566(JP,A) 特開 平11−294016(JP,A) 特開 平9−4334(JP,A) 特公 平3−46636(JP,B2) 特公 平3−78476(JP,B2) 特公 平1−25873(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 1/18 E06B 3/26

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の枠材の間に配設され,該枠材に設
    けたかしめ部によってかしめ固定されることで両枠材を
    互いに結合するための長尺状の断熱サッシ用のジョイン
    ト部材において, 該ジョイント部材は,上記枠材の内側面にそれぞれ当接
    すると共に上記かしめ固定される左右両側の固定部を有
    しており, また,上記ジョイント部材は,左右両側の上記固定部
    と,該固定部の間において上下両側に形成した中間壁部
    と,長手方向に貫通形成した中空部とを有すると共に,
    長手方向に上記固定部と上記中間壁部との間に上記ジョ
    イント部材の外側面に形成した凹状溝とを有しており, 上記中空部の横断面形状は,一対の上記固定部に沿った
    一対の直線状のAラインと,四方の上記凹状溝に沿った
    四辺の直線状のBラインとによって形成される六角形状
    を有し,かつ該六角形状の頂点は連続した曲線部分によ
    って形成されており, かつ,上記ジョイント部材の少なくとも上記固定部は,
    変性ポリオレフィン系樹脂又は変性エチレンビニルアセ
    テート樹脂のいずれか一方又は双方よりなる樹脂材料
    1.5〜35wt%と,充填剤5〜50wt%と,残部
    ポリアミド樹脂とを混練した混練材料よりなることを特
    徴とするジョイント部材。
  2. 【請求項2】 一対の枠材の間に配設され,該枠材に設
    けたかしめ部によってかしめ固定されることで両枠材を
    互いに結合するための長尺状の断熱サッシ用のジョイン
    ト部材において, 該ジョイント部材は,上記枠材の内側面にそれぞれ当接
    すると共に上記かしめ固定される左右両側の固定部を有
    しており, また,上記ジョイント部材は,左右両側の上記固定部
    と,該固定部の間において上下両側に形成した中間壁部
    と,長手方向に貫通形成した中空部とを有すると共に,
    長手方向に上記固定部と上記中間壁部との間に上記ジョ
    イント部材の外側面に形成した凹状溝とを有しており, 上記中空部の横断面形状は,大体六角形状であり,六角
    形のうち上記固定部において平行な辺はあるが,上記中
    間壁部においては二辺が交差しており, かつ,上記ジョイント部材の少なくとも上記固定部は,
    変性ポリオレフィン系樹脂又は変性エチレンビニルアセ
    テート樹脂のいずれか一方又は双方よりなる樹脂材料
    1.5〜35wt%と,充填剤5〜50wt%と,残部
    ポリアミド樹脂とを混練した混練材料よりなることを特
    徴とするジョイント部材。
  3. 【請求項3】 一対の枠材の間に配設され,該枠材に設
    けたかしめ部によってかしめ固定されることで両枠材を
    互いに結合するための長尺状の断熱サッシ用のジョイン
    ト部材において, 該ジョイント部材は,上記枠材の内側面にそれぞれ当接
    すると共に上記かしめ固定される左右両側の固定部を有
    しており, また,上記ジョイント部材は,左右両側の上記固定部
    と,該固定部の間において上下両側に形成した中間壁部
    と,長手方向に貫通形成した中空部とを有すると共に,
    長手方向に上記固定部と上記中間壁部との間に上記ジョ
    イント部材の外側面に形成した凹状溝とを有しており, また,上記中間壁部は,その両端部に上記かしめ固定さ
    れる中間側部を有しており, かつ,上記ジョイント部材の少なくとも上記固定部は,
    変性ポリオレフィン系樹脂又は変性エチレンビニルアセ
    テート樹脂のいずれか一方又は双方よりなる樹脂材料
    1.5〜35wt%と,充填剤5〜50wt%と,残部
    ポリアミド樹脂とを混練した混練材料よりなることを特
    徴とするジョイント部材。
  4. 【請求項4】 一対の枠材の間に配設され,該枠材に設
    けたかしめ部によってかしめ固定されることで両枠材を
    互いに結合するための長尺状の断熱サッシ用のジョイン
    ト部材において, 該ジョイント部材は,上記枠材の内側面にそれぞれ当接
    すると共に上記かしめ固定される左右両側の固定部を有
    しており, また,上記ジョイント部材は,左右両側の上記固定部
    と,該固定部の間において上下両側に形成した中間壁部
    と,長手方向に貫通形成した中空部とを有すると共に,
    長手方向に上記固定部と上記中間壁部との間に上記ジョ
    イント部材の外側面に形成した凹状溝とを有しており, 上記中間壁部は,その外側表面から上記中空部の内壁面
    までの厚み(T1)が ,上記凹状溝の表面から上記内壁
    面までの最小厚み(T2)及び上記固定部における凹状
    の逃げ部から上記内壁面までの厚み(T3)に比べて厚
    くなっており, かつ,上記ジョイント部材の少なくとも上記固定部は,
    変性ポリオレフィン系樹脂又は変性エチレンビニルアセ
    テート樹脂のいずれか一方又は双方よりなる樹脂材料
    1.5〜35wt%と,充填剤5〜50wt%と,残部
    ポリアミド樹脂とを混練した混練材料よりなることを特
    徴とするジョイント部材。
  5. 【請求項5】 一対の枠材の間に配設され,該枠材に設
    けたかしめ部によってかしめ固定されることで両枠材を
    互いに結合するための長尺状の断熱サッシ用のジョイン
    ト部材において, 該ジョイント部材は,上記枠材の内側面にそれぞれ当接
    すると共に上記かしめ固定される左右両側の固定部を有
    しており, また,上記ジョイント部材は,左右両側の上記固定部
    と,該固定部の間において上下両側に形成した中間壁部
    と,長手方向に貫通形成した中空部とを有すると共に,
    長手方向に上記固定部と上記中間壁部との間に上記ジョ
    イント部材の外側面に形成した凹状溝とを有しており, 上記ジョイント部材は押出し成形により成形されてお
    り,そのウェルド部は上記固定部あるいは上記中間壁部
    に形成されており, かつ,上記ジョイント部材の少なくとも上記固定部は,
    変性ポリオレフィン系樹脂又は変性エチレンビニルアセ
    テート樹脂のいずれか一方又は双方よりなる樹脂材料
    1.5〜35wt%と,充填剤5〜50wt%と,残部
    ポリアミド樹脂とを混練した混練材料よりなることを特
    徴とするジョイント部材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記変性ポリオレフィン系樹脂は,変性ポリプロピレン
    樹脂又は変性ポリエチレン樹脂であることを特徴とする
    ジョイント部材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項において,
    上記変性ポリオレフィン系樹脂は,5〜25wt%であ
    ることを特徴とするジョイント部材。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項において,
    上記充填剤は,20〜40wt%であることを特徴とす
    るジョイント部材。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項において,
    上記変性ポリオレフィン系樹脂は1.5〜3.5wt%
    であり,上記充填剤は25〜35wt%であることを特
    徴とするジョイント部材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項におい
    て,上記充填剤は,粉状タルクからなることを特徴と
    するジョイント部材。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか一項におい
    て,上記固定部は,上記枠材の内壁面に対面する側に凹
    状の逃げ部を有していることを特徴とするジョイント部
    材。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    のジョイント部材を用いて,該ジョイント部材を上記枠
    材に組み付けた断熱サッシであって, 上記ジョイント部材の固定部に対して上記枠材のかしめ
    部がかしめ固定されていることを特徴とする断熱サッ
    シ。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の中空部を有するジョイント部材を用いて,該ジョイン
    ト部材を上記枠材に組み付けた断熱サッシであって, 上記枠材のかしめ部は,枠材本体に連結形成されると共
    に狭い幅にくびれた基部と,上記ジョイント部材におけ
    る上記中間壁部に向かって設けられた先端部と,該先端
    部と上記基部との間に設けられたかしめ突起部とを有し
    ており, 上記枠材は,上記かしめ突起部により上記ジョイント部
    材の固定部をかしめ固定すると共に該固定部に圧縮応力
    を加え,また,上記先端部により上記ジョイント部材の
    中間壁部をかしめ固定すると共に該中間壁部に圧縮応力
    を加えることによって,上記ジョイント部材の凹状溝に
    引張応力を加えて,上記ジョイント部材をかしめ固定し
    ていることを特徴とする断熱サッシ。
  14. 【請求項14】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    のジョイント部材を用いて,該ジョイント部材の上記枠
    材への組付を行うジョイント部材の組付方法において, 上記かしめ部は,該かしめ部が上記ジョイント部材に食
    い込んだ食込み深さが,上記ジョイント部材の最大表面
    粗度よりも大きくなるようにかしめ固定することを特徴
    とするジョイント部材の組付方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の中空部を有するジョイント部材を押出成形で製造する
    に当たり, 押出し成形時には,上記混練材料は,ダイス内の少なく
    とも途中では分流されて,ダイスの出口近くは合流さ
    れて溶融状態で上記ダイス内において上記中空部が形成
    され,次いで上記ダイスを出た後に冷却されてジョイン
    ト部材となることを特徴とするジョイント部材の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の中空部を有するジョイント部材を押出成形で製造する
    に当たり, 上記中空部を形成するためのマンドレルと,該マンドレ
    ルよりも大きな外周形状を持ったダイス内壁とを有する
    ダイスを用い, 押出し成形時には,上記マンドレルと上記ダイ内壁との
    間に介設したスパイダーにより上記混練材料を分流した
    後,再び上記混練材料を合流することを特徴とするジョ
    イント部材の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項15又は16において,合流部
    位に形成されるウェルド部は,上記ジョイント部材にお
    ける固定部又は中間壁部に形成させることを特徴とする
    ジョイント部材の製造方法。
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