JP3395266B2 - 歯切り用フェースホブカッター - Google Patents

歯切り用フェースホブカッター

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JP3395266B2
JP3395266B2 JP19134593A JP19134593A JP3395266B2 JP 3395266 B2 JP3395266 B2 JP 3395266B2 JP 19134593 A JP19134593 A JP 19134593A JP 19134593 A JP19134593 A JP 19134593A JP 3395266 B2 JP3395266 B2 JP 3395266B2
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龍平 竹田
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23FMAKING GEARS OR TOOTHED RACKS
    • B23F21/00Tools specially adapted for use in machines for manufacturing gear teeth
    • B23F21/12Milling tools
    • B23F21/22Face-mills for longitudinally-curved gear teeth
    • B23F21/223Face-mills for longitudinally-curved gear teeth with inserted cutting elements
    • B23F21/226Face-mills for longitudinally-curved gear teeth with inserted cutting elements in exchangeable arrangement

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ワークと当該カッタ
ーとの各々の回転によって連続的に割り出しを行いなが
ら、ブレードホルダーで保持するブレードグループによ
り、前記ワークに、スパイラルベベルギヤまたはハイポ
イドギヤの歯溝を切削加工する、歯切り用フェースホブ
カッターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上述の如きカッターとしては従来、例え
ば図5に示すものがあり、図示のカッター1はグリーソ
ン社のカッターを示すが、エリコン社のカッターもこれ
と概略同様の構成を有している。このグリーソン社のカ
ッター1は、ブレードホルダー2に保持された複数のブ
レードグループ3を具え(図では単純化のため一つのブ
レードグループのみを示す)、各ブレードグループ3
は、内刃ブレード4と外刃ブレード5との一対のブレー
ドで構成されている。なお、エリコン社のカッターの場
合は、そのブレードグループに、底刃ブレードが加わっ
ている。かかるグリーソン社のカッター1は、図6に示
すように、そのカッター1とワーク6または仮想創成ギ
ヤとを一定回転比でそれぞれ矢印A,Bで示す如く回転
させることにより、連続的に割り出しを行いながら、そ
のカッター1の各ブレードグループ3で、延長エピサイ
クロイド曲線Eを描いて、ワーク6に、スパイラルベベ
ルギヤまたはハイポイドギヤの隣接する歯溝7を順次に
切削加工してゆく。
【0003】なお、カッター1とワーク6または仮想創
成ギヤとの間の回転比は、次式を満足させる必要があ
る。ここで、NC はカッターの回転数、NG はワークま
たは仮想創成ギヤの回転数、ZC はカッターのブレード
グループ数、ZG はワークまたは仮想創成ギヤの歯数を
それぞれ示す。
【数1】NC ・ZC =NG ・ZG
【0004】エリコン社のカッターの場合も、ブレード
グループに加わった底刃ブレードがワークにギヤの歯底
の部分を切削加工する点が異なるのみで、他の点は上記
グリーソン社のカッター1と同様である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の歯切り用フェースホブカッターにあっては、ブレ
ードホルダー2が一体構造となっているため、各ブレー
ドグループ3の内刃ブレード4と外刃ブレード5との間
の、ブレードホルダー2の回転軸線C周りの位相角(周
方向相対位置)を変更できず、それゆえ、歯車のバック
ラッシュの調整や強度上の問題等から歯厚の調整が必要
な場合には、歯溝7の切り込み深さの変更や、所定高さ
hにおけるブレード4,5の切刃上の切削基準点SI ,
O の、上記回転軸線Cに対する半径方向距離rI , r
O の変更によりその調整を行っていたが、かかる変更
は、全歯丈や歯筋のクラウニング量の変化を伴ってしま
い、歯丈の変化は強度変化や干渉の発生を引き起こし、
クラウニング量の変化は歯当たりや噛合特性の変化を引
き起こす。従って、上記従来の歯切り用フェースホブカ
ッターでは、歯厚の大幅な変更はできず、事実上そのカ
ッターによってギヤの設計諸元まで固定されてしまうと
いう問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記従来の
カッターの課題を有利に解決したカッターを提供するこ
とを目的とするものであり、この発明の歯切り用フェー
スホブカッターは、ワークと当該カッターとの各々の回
転によって、連続的に割り出しを行いながら、ブレード
ホルダーで保持する、内刃ブレードと外刃ブレードとを
具えるブレードグループにより、前記ワークに、スパイ
ラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの歯溝を切削加工
するものであって、前記ブレードホルダーが、前記内刃
ブレードと前記外刃ブレードとの一方を保持するホルダ
ー本体と、それら内刃ブレードと外刃ブレードとの他方
を保持する可動ホルダーとを具え、前記可動ホルダー
が、前記ホルダー本体に、前記ブレードホルダーの回転
軸線周りに角度調節可能に固定され、前記内刃ブレード
および前記外刃ブレードの各々の切削基準点が、前記回
転軸線を中心とした同一円周上に配置されることを特徴
とするものである。
【0007】なお、好ましくは、前記ブレードグループ
は、底刃ブレードをも具え、前記ホルダー本体は、前記
底刃ブレードを、前記内刃ブレードと前記外刃ブレード
との間に位置させて保持するものとする。
【0008】また、好ましくは、前記ブレードホルダー
は、少なくとも前記内刃ブレードと前記外刃ブレードと
を、前記回転軸線を中心とした同一円周上に配置された
複数のブレード保持部でそれぞれ保持するものとする。
【0009】そして、好ましくは、前記ホルダー本体と
前記可動ホルダーとの間には、それらの間の前記回転軸
線回りの相対角度を調節可能に特定する、セレーション
もしくはシムが設けられるものとする。
【0010】
【作用】かかるこの発明のカッターにあっては、ホルダ
ー本体が内刃ブレードと外刃ブレードとの一方を保持す
るとともに、可動ホルダーがそれら内刃ブレードと外刃
ブレードとの他方を保持し、その可動ホルダーがホルダ
ー本体に、ブレードホルダーの回転軸線周りに角度調節
可能に固定されているので、ホルダー本体に対する可動
ホルダーの上記回転軸線周りの角度を変更すると、ブレ
ードグループの内刃ブレードと外刃ブレードとの間の上
記回転軸線周りの相対角度(位相角)が変更され、その
位相角が小さくなると、内刃ブレードの内刃と外刃ブレ
ードの外刃とがそれぞれ辿る延長エピサイクロイド経路
間の幅が狭まるため、ワークに加工される歯厚が厚くな
り、一方その位相角が大きくなると、内刃ブレードの内
刃と外刃ブレードの外刃とがそれぞれ辿る延長エピサイ
クロイド経路間の幅が広がるため、ワークに加工される
歯厚が薄くなる。
【0011】この一方、この発明のカッターにあって
は、内刃ブレードと外刃ブレードとの各々の切削基準点
が、上記回転軸線を中心とした同一円周上に配置されて
いるので、上記のように内刃ブレードと外刃ブレードと
の間の位相角を変更して歯厚を変更した後も、その新た
な歯筋曲線は、元の歯筋曲線(延長エピサイクロイド)
を、加工するギヤの回転軸線を中心に回転移動させたも
のとなり、それゆえ歯厚調整の際に、歯形は一切変更さ
れないのでクラウニング量の変化も生じない。
【0012】さらに、この発明のカッターにあっては、
歯厚を変更する際に、ホルダー本体に対する可動ホルダ
ーの角度の変更のみを行い、カッターの軸線方向位置の
調整は一切行わないので、歯溝の切り込み深さの変更が
なく、それゆえ歯厚調整の際に、歯丈も一切変化しな
い。
【0013】従って、この発明のカッターによれば、切
削加工するギヤの歯当たりや噛合特性に全く影響を与え
ず、しかも強度変化や干渉を生じさせずに、ギヤの歯厚
を調整することができる。
【0014】なお、ブレードグループに底刃ブレードを
加え、その底刃ブレードをホルダー本体に、内刃ブレー
ドと外刃ブレードとの間に位置させて保持させるように
すれば、内刃ブレードと外刃ブレードとの間の位相角を
相当に大きくした場合でも、その底刃ブレードでワーク
にギヤの歯底の部分を十分切削加工することができ、し
かもその底刃ブレードをホルダー本体によって、高い剛
性で保持することができる。
【0015】また、内刃ブレードと外刃ブレードとを、
ブレードホルダーの、その回転軸線を中心とした同一円
周上に配置された複数のブレード保持部にそれぞれ保持
させるようにすれば、内刃ブレードと外刃ブレードとの
配置を容易に入れ換え得るようになるので、互いに捩じ
れ方向の異なる二種類のギヤを容易に切換え切削するこ
とができるとともに噛合相手のギヤの加工も容易に行う
ことができ、さらに底刃ブレードも、上記と同一円周上
に配置されたブレード保持部に保持させるようにすれ
ば、全てのブレード保持部を容易に加工することができ
る。
【0016】そして、ホルダー本体と可動ホルダーとの
間に、それらの間の上記回転軸線回りの相対角度を調節
可能に特定するセレーションを設ければ、内刃ブレード
と外刃ブレードとの間の位相角の変更を容易かつ確実な
らしめることができ、またそのセレーションに代えてシ
ムを設ければ、カッターが小径の場合や、微小なバック
ラッシュの調整が必要な場合でも、それらを行い得るよ
う、ホルダー本体と可動ホルダーとの間の相対角度を、
調節可能に特定することができる。
【0017】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1(a)はこの発明の歯切り用フェー
スホブカッターの一実施例を示す平面図、同図(b)は
その実施例のカッターの一部を示す側面図、図2はその
実施例のカッターのブレードホルダーを組み立てた状態
で示す斜視図、図3はその実施例のカッターの構成を示
す分解斜視図、そして図4(a),(b)はその実施例
のカッターによる右捩じれギヤと左捩じれギヤとの切削
動作をそれぞれ示す説明図であり、図中符号11はその実
施例の歯切り用フェースホブカッターを示す。
【0018】この実施例の歯切り用フェースホブカッタ
ー11は、ブレードホルダー12によって保持された五つの
ブレードグループ13を具え(図では単純化のため二つの
ブレードグループのみを示す)、ここにおける各ブレー
ドグループ13は、内刃ブレード14と外刃ブレード15との
他に底刃ブレード16を加えた、三本一組のブレードで構
成されている。またここにおけるブレードホルダー12
は、歯切盤の主軸に装着され得るホルダー本体17と、そ
のホルダー本体17にブレードホルダー12の回転軸線C周
りに角度調節可能に固定される可動ホルダー18とに二分
割されて構成されている。
【0019】ホルダー本体17は、そのホルダー本体17ひ
いてはカッター11をカッター締付けボルト19で上記歯切
盤の主軸に締着固定し得るように中央部に形成された座
付き孔17a と、可動ホルダー18を角度調節可能に支持す
るためにその座付き孔17a の周囲に形成された円形の中
央突部17b と、可動ホルダー18を可動ホルダー締付けボ
ルト20でそのホルダー本体17に締着固定し得るように前
面に形成された複数のネジ孔17c と、各ブレードグルー
プ13の三本のブレードのうちの二本を保持するために外
周部に周方向に等間隔に形成された、各々半径方向外方
および前方(図2および図3では上方)へ突出する五つ
の突出台17d と、を有しており、それらの突出台17d の
前面には二つづつ、ブレード保持部としての角溝21が形
成されている。そしてホルダー本体17の前面には、その
ホルダー本体17と可動ホルダー18との間の上記回転軸線
C回りの相対角度を調節可能に特定するために、セレー
ションとしてのカービックカップリング(多数の細かい
歯を周方向に等間隔に放射状に有する、周方向の位置決
め用の嵌合形状の一種)22が設けられている。
【0020】また可動ホルダー18は、実質的にリング状
をなし、上記ホルダー本体17の中央突部17b の外径に対
応する内径の円形の中央孔18a と、上記可動ホルダー締
付けボルト20を挿通された状態でもホルダー本体17に対
する可動ホルダー18のある程度の角度の回動を許容し得
るように形成された複数の座付き長孔18b と、各ブレー
ドグループ13の三本のブレードのうちの残る一本を保持
するために外周部に周方向に等間隔に形成された、半径
方向外方へ突出する五つの突出台18c と、を有してお
り、それらの突出台18c にもそれぞれ一つづつ、ブレー
ド保持部としての角溝21が形成されている。そして可動
ホルダー18の後面にも、上記ホルダー本体17の側のカー
ビックカップリング22と密に噛合し得る図示しないカー
ビックカップリングが設けられている。なお、可動ホル
ダー18の各突出台18c およびホルダー本体17の各突出台
17d にそれぞれ形成された角溝21は全て、互いに同一の
寸法および形状を有している。
【0021】ブレードホルダー12は、かかる可動ホルダ
ー18が、その中央孔18a でホルダー本体17の中央突部17
b と摺動自在に嵌合されてホルダー本体17に対しブレー
ドホルダー12の回転軸線C周りに角度調節可能とされる
とともに、その後面のカービックカップリングとホルダ
ー本体17の前面のカービックカップリング22との噛合に
よってホルダー本体17に対する相対角度を調節可能に特
定され、さらに可動ホルダー締付けボルト20によってホ
ルダー本体17に固定されることにより、図2に示すよう
に組み立てられており、この組み立てられたブレードホ
ルダー12の、ホルダー本体17および可動ホルダー18の上
記角溝21は全て、回転軸線Cを中心とした同一円周上に
配置されるとともに、回転軸線Cに対し互いに同一の向
きとされている。
【0022】ホルダー本体17の各突出台17d の二つの角
溝21内には、図1および図3に示す例では、各ブレード
グループ13の三本のブレードのうちの底刃ブレード16お
よび内刃ブレード14が、時計回りにその順で挿入され、
それらのブレード16,14は各々、回転軸線Cに対する半
径方向距離を調節し得るようにシム23を介し、ブレード
固定ネジ24で突出台17d に固定されており、また可動ホ
ルダー18の突出台18cの角溝21内には、図1および図3
に示す例では、各ブレードグループ13の三本のブレード
のうちの残る外刃ブレード15が挿入され、その外刃ブレ
ード15も、回転軸線Cに対する半径方向距離を調節し得
るようにシム23を介し、ブレード固定ネジ24で突出台18
c に固定されている。
【0023】各シム23の厚さは、図1に示す如く、所定
高さhにおける各内刃ブレード14および外刃ブレード15
の切刃上の切削基準点SI , SO および各底刃ブレード
16の中心が上記回転軸線Cを中心とする所定切削基準径
φDの同一円周上に位置するように調整されている。ま
た各ブレード14,15,16の切刃は、図1に示す如く、回
転軸線Cから引いた直線上に位置し、回転軸線Cを中心
とする円錐の母線と一致するように成形されている。従
って、回転軸線Cに直交する平面であるその円錐の底面
と、内刃ブレード14および外刃ブレード15の切刃とのな
す角αI , αOは、それぞれカッター圧力角となる。
【0024】また、各ブレードグループ13の内刃ブレー
ド14と外刃ブレード15との間の上記回転軸線C回りの位
相角φ1 と、隣り合うブレードグループ13の内刃ブレー
ド14と外刃ブレード15との間の上記回転軸線C回りの位
相角φ2 (図1(a)参照)とは、ブレードグループ13
の数をnとすると(この実施例ではn=5)、次式の関
係にある。
【数2】φ1 +φ2 =2π/n
【0025】ここで、各ブレードグループ13の内刃ブレ
ード14と外刃ブレード15との間の位相角φ1 は、互いに
噛合するギヤとピニオンの歯厚バランスや、歯車対に与
えられるバックラッシュ量によって決定され、従っても
う一つの位相角φ2 は、その位相角φ1 と上記式から定
まる。ホルダー本体17と可動ホルダー18との間の、上記
回転軸線C回りの相対角度は、上記各ブレードグループ
13の内刃ブレード14と外刃ブレード15との間の位相角φ
1 が適当な角度となるように、可動ホルダー締付けボル
ト20が緩められて調節される。
【0026】なお、カッター11を小径のものとする場合
や、微小なバックラッシュの調整が必要な場合には、ホ
ルダー本体17と可動ホルダー18との間のカービックカッ
プリング22を廃し、それに代えて、図1(a)中仮想線
で示すように、可動ホルダー18の突出台18c にホルダー
本体17の突出台17d に向けて凹部を設け、その凹部内に
シム25を介挿して、そのシム25で、各ブレードグループ
13の内刃ブレード14と外刃ブレード15との間の位相角φ
1 を調節可能に特定するようにしても良い。
【0027】この一方、底刃ブレード16はワークにギヤ
の歯底の部分を切削加工するために設けられていること
から、各ブレードグループ13の内刃ブレード14と底刃ブ
レード16との間の位相角φ3 の大きさはそれほど重要で
なく、それゆえ、その位相角φ3 は、例えばこの実施例
では、φ3 =π/2nに固定される(nはブレードグル
ープ13の数であり、この実施例ではn=5である)。
【0028】かかるこの実施例のカッター11は、各ブレ
ードグループ13のブレード14,15,16の配置を上述した
図1および図3に示す順にして、図4(a)にカッター
11の後面側から見た切削動作を示すように、そのカッタ
ー11を矢印Fで示す如く時計方向へ回転させるとともに
ワーク6または仮想創成ギヤを矢印Gで示す如く反時計
方向へカッター11の回転に対し一定回転比で回転させな
がら、カッター11をワーク6の内側から切り込ませるよ
うにすれば、外刃ブレード15が先行する右勝手(RH)
カッターとして、その五つのブレードグループ13で、連
続的に割り出しを行いながらそれぞれ延長エピサイクロ
イド曲線を描いて、ワーク6に右捩じれのスパイラルベ
ベルギヤまたはハイポイドギヤの隣接する歯溝7を順次
に切削加工することができる。
【0029】また上記カッター11は、各ブレードグルー
プ13の内刃ブレード14と外刃ブレード15とをシム23とと
もに図1および図3に示す順に対し入れ換えて配置し
て、図4(b)にカッター11の後面側から見た切削動作
を示すように、そのカッター11を矢印Fで示す如く時計
方向へ回転させるとともにワーク6または仮想創成ギヤ
を矢印Gで示す如く反時計方向へ回転させながら、カッ
ター11をワーク6の外側から切り込ませるようにすれ
ば、内刃ブレード14が先行する右勝手カッターとして、
その五つのブレードグループ13で、連続的に割り出しを
行いながらそれぞれ延長エピサイクロイド曲線を描い
て、ワーク6に左捩じれのスパイラルベベルギヤまたは
ハイポイドギヤの隣接する歯溝7を逐次切削することが
できる。
【0030】さらに上記カッター11は、各内刃ブレード
14と外刃ブレード15の切刃上の切削基準点SI , SO
同一円周上に位置しているので、内刃ブレード14と外刃
ブレード15との間の位相角φ1 を適当に調節することに
より、同じカッターで、図4(a),(b)に示すギヤ
と共役な噛合相手のギヤの歯切り加工も行うことがで
き、また各ブレードグループ13のブレード14,15,16の
向きを図1および図3に示す向きに対し逆向きに変える
ことにより、左勝手(LH)カッターとしても機能する
ことができる。
【0031】そして、この実施例の歯切り用フェースホ
ブカッター11にあっては、ホルダー本体17に対する可動
ホルダー18の上記回転軸線C周りの角度を変更すると、
各ブレードグループ13の内刃ブレード14と外刃ブレード
15との間の位相角φ1 が変更され、その位相角φ1 が小
さくなると、内刃ブレード14の内刃と外刃ブレード15の
外刃とがそれぞれ辿る延長エピサイクロイド経路間の幅
が狭まるため、ワーク6に加工される歯厚が厚くなり、
一方その位相角φ1 が大きくなると、内刃ブレード14の
内刃と外刃ブレード15の外刃とがそれぞれ辿る延長エピ
サイクロイド経路間の幅が広がるため、ワーク6に加工
される歯厚が薄くなる。
【0032】この一方、この実施例のカッター11にあっ
ては、内刃ブレード14と外刃ブレード15との各々の切削
基準点SI , SO が、上記回転軸線Cを中心とした同一
円周上に配置されているので、上記のように内刃ブレー
ド14と外刃ブレード15との間の位相角φ1 を変更して歯
厚を変更した後も、その新たな歯筋曲線は、元の歯筋曲
線(延長エピサイクロイド)を、加工するギヤの回転軸
線を中心に回転移動させたものとなり、それゆえ歯厚調
整の際に、歯形は一切変更されないのでクラウニング量
の変化も生じない。
【0033】さらにこの実施例のカッター11にあって
は、歯厚を変更する際に、ホルダー本体17に対する可動
ホルダー18の角度の変更のみを行い、カッター11の軸線
C方向位置の調整は一切行わないので、歯溝7の切り込
み深さの変更がなく、それゆえ歯厚調整の際に、歯丈も
一切変化しない。
【0034】従ってこの実施例のカッター11によれば、
切削加工するギヤの歯当たりや噛合特性に全く影響を与
えず、しかも強度変化や干渉を生じさせずに、ギヤの歯
厚を調整することができる。また、この実施例のフェー
スホブカッターでクラウニングを変更する場合、シム23
の厚さを変更することによりブレードの切削基準点S I
又はSO を基準径φDよりずらすことによっても可能で
あり、この場合も歯厚調整は同様に行える。
【0035】しかもこの実施例のカッター11によれば、
ブレードグループ13に底刃ブレード16を加え、その底刃
ブレード16をホルダー本体17に、内刃ブレード14と外刃
ブレード15との間に位置させて保持させているので、内
刃ブレード14と外刃ブレード15との間の位相角φ1 を相
当に大きくした場合でも、その底刃ブレード16でワーク
6にギヤの歯底の部分を十分切削加工することができ、
しかもその底刃ブレード16をホルダー本体17によって、
高い剛性で保持することができる。
【0036】またこの実施例のカッター11によれば、内
刃ブレード14と外刃ブレード15とをブレードホルダー12
の、その回転軸線Cを中心とした同一円周上に配置され
た複数の角溝21にそれぞれ保持させているので、内刃ブ
レード14と外刃ブレード15との配置を容易に入れ換える
ことができ、それゆえ上記にように互いに捩じれ方向の
異なる二種類のギヤを切換え切削する作業を容易に行う
ことができるとともに噛合相手のギヤの加工も容易に行
うことができ、さらに底刃ブレード16も、上記と同一円
周上に配置された角溝21に保持させているので、全ての
角溝21を共通の工具配置で容易に加工することができ
る。
【0037】加えてこの実施例のカッター11によれば、
ホルダー本体17と可動ホルダー18との間に、それらの間
の上記回転軸線C回りの相対角度を調節可能に特定する
セレーションとして、カービックカップリング22を設け
ているので、内刃ブレード14と外刃ブレード15との間の
位相角φ1 の変更を、容易かつ確実に行うことができ
る。
【0038】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、請求項に記載の
範囲内で適宜変更することができ、例えば、ブレードグ
ループの数は、歯切りするギヤの歯数と互いに素であれ
ば上記実施例の場合の五つに限定されず、他の数として
も良い。
【0039】
【発明の効果】かくしてこの発明の歯切り用フェースホ
ブカッターによれば、切削加工するギヤの歯当たりや噛
合特性に全く影響を与えず、しかも強度変化や干渉を生
じさせずに、ギヤの歯厚を調整することができるので、
歯厚調整作業の容易化および歯車品質の安定化を図るこ
とができる。
【0040】なお、ブレードグループに底刃ブレードを
加え、その底刃ブレードをホルダー本体に、内刃ブレー
ドと外刃ブレードとの間に位置させて保持させるように
すれば、内刃ブレードと外刃ブレードとの間の位相角を
相当に大きくした場合でも、その底刃ブレードでワーク
にギヤの歯底の部分を十分切削加工することができ、し
かもその底刃ブレードをホルダー本体によって、高い剛
性で保持することができる。
【0041】また、内刃ブレードと外刃ブレードとを、
ブレードホルダーの、その回転軸線を中心とした同一円
周上に配置された複数のブレード保持部にそれぞれ保持
させるようにすれば、内刃ブレードと外刃ブレードとの
配置を容易に入れ換え得るようになるので、互いに捩じ
れ方向の異なる二種類のギヤを容易に切換え切削するこ
とができるとともに噛合相手のギヤの加工も容易に行う
ことができ、さらに底刃ブレードも、上記と同一円周上
に配置されたブレード保持部に保持させるようにすれ
ば、全てのブレード保持部を容易に加工することができ
る。
【0042】そして、ホルダー本体と可動ホルダーとの
間に、それらの間の上記回転軸線回りの相対角度を調節
可能に特定するセレーションを設ければ、内刃ブレード
と外刃ブレードとの間の位相角の変更を容易かつ確実な
らしめることができ、またそのセレーションに代えてシ
ムを設ければ、カッターが小径の場合や、微小なバック
ラッシュの調整が必要な場合でも、それらを行い得るよ
う、ホルダー本体と可動ホルダーとの間の相対角度を、
調節可能に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の歯切り用フェースホブカッ
ターの一実施例を示す平面図であり、(b)はその実施
例のカッターの一部を示す側面図である。
【図2】上記実施例のカッターのブレードホルダーを組
み立てた状態で示す斜視図である。
【図3】上記実施例のカッターの構成を示す分解斜視図
である。
【図4】(a),(b)は上記実施例のカッターによる
右捩じれギヤと左捩じれギヤとの切削動作をそれぞれ示
す説明図である。
【図5】(a),(b)は従来の歯切り用フェースホブ
カッターを示す側面図および平面図である。
【図6】上記従来のカッターによるギヤの切削動作を示
す説明図である。
【符号の説明】
6 ワーク 11 歯切り用フェースホブカッター 12 ブレードホルダー 13 ブレードグループ 14 内刃ブレード 15 外刃ブレード 16 底刃ブレード 17 ホルダー本体 18 可動ホルダー 21 角溝 22 カービックカップリング 25 シム C ブレードホルダーの回転軸線 SI ,SO 切削基準点

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワーク(6)と当該カッターとの各々の
    回転によって、連続的に割り出しを行いながら、ブレー
    ドホルダー(12)で保持する、内刃ブレード(14)と外
    刃ブレード(15)とを具えるブレードグループ(13)に
    より、前記ワークに、スパイラルベベルギヤまたはハイ
    ポイドギヤの歯溝(7)を切削加工する、歯切り用フェ
    ースホブカッター(11)において、 前記ブレードホルダーが、前記内刃ブレードと前記外刃
    ブレードとの一方を保持するホルダー本体(17)と、そ
    れら内刃ブレードと外刃ブレードとの他方を保持する可
    動ホルダー(18)とを具え、 前記可動ホルダーが、前記ホルダー本体に、前記ブレー
    ドホルダーの回転軸線(C)周りに角度調節可能に固定
    され、 前記内刃ブレードおよび前記外刃ブレードの各々の切削
    基準点(SI ,SO )が、前記回転軸線を中心とした同
    一円周上に配置されることを特徴とする、歯切り用フェ
    ースホブカッター。
  2. 【請求項2】 前記ブレードグループは、底刃ブレード
    (16)をも具え、 前記ホルダー本体は、前記底刃ブレードを、前記内刃ブ
    レードと前記外刃ブレードとの間に位置させて保持する
    ことを特徴とする、請求項1記載の歯切り用フェースホ
    ブカッター。
  3. 【請求項3】 前記ブレードホルダーは、少なくとも前
    記内刃ブレードと前記外刃ブレードとを、前記回転軸線
    を中心とした同一円周上に配置された複数のブレード保
    持部(21)でそれぞれ保持することを特徴とする、請求
    項1もしくは2記載の歯切り用フェースホブカッター。
  4. 【請求項4】 前記ホルダー本体と前記可動ホルダーと
    の間には、それらの間の前記回転軸線回りの相対角度を
    調節可能に特定するセレーション(22)が設けられるこ
    とを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか記載の歯切
    り用フェースホブカッター。
  5. 【請求項5】 前記ホルダー本体と前記可動ホルダーと
    の間には、それらの間の前記回転軸線回りの相対角度を
    調節可能に特定するシム(25)が設けられていることを
    特徴とする、請求項1乃至3のいずれか記載の歯切り用
    フェースホブカッター。
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