JP3395114B1 - 複合型交流電源装置 - Google Patents

複合型交流電源装置

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JP3395114B1 JP2002189596A JP2002189596A JP3395114B1 JP 3395114 B1 JP3395114 B1 JP 3395114B1 JP 2002189596 A JP2002189596 A JP 2002189596A JP 2002189596 A JP2002189596 A JP 2002189596A JP 3395114 B1 JP3395114 B1 JP 3395114B1
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Abstract

【要約】 【課題】高品質で高効率の交流電源装置を提供する。 【解決手段】共通の交流電圧生成用基準信号により制御
されるスイッチングインバータと電力増幅器により構成
される交流電源装置において、交流電圧発生手段である
スイッチングインバータの交流電圧出力に直流オフセッ
ト電圧を重畳させ、この重畳された直流オフセット電圧
を電源として動作する電力増幅器を介して負荷に出力
し、この電力増幅器における電力増幅段における電力損
失量の出力信号を負帰還制御信号としてスイッチングイ
ンバータに出力し、前述の交流電圧生成用基準信号との
和をもってスイッチングインバータに制御をかけること
により高品質で高効率の交流電源装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、様々な負荷条件に
対しても電圧波形歪みの少ない交流電力を供給する高品
質かつ高効率の交流電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種電子機器や交流直流変換装置などの
設計開発においては、抵抗負荷や電流負荷などの様々な
負荷条件下においても電圧波形歪みが少なくかつ高品質
の交流電力を供給する計測用途の交流電源装置が使用さ
れる。
【0003】この様々な負荷条件に対して電圧波形歪み
の少ない交流電力を発生させる装置としては、電力増幅
器やリニア増幅器などと称される方式と、PWMインバ
ータに代表されるスイッチングインバータ方式がある。
【0004】電力増幅器による交流電源装置では、装置
の内部電源電圧をトランジスタなどの電力制御素子によ
って電圧降下させて目的とする交流出力電圧を得る方式
であり高品質の交流電力出力が得られる特徴があるが交
流電源装置内での電力損失が大きいために電力変換効率
が低い欠点がある。
【0005】この電力変換効率の低下の原因としては、
最大出力電圧を得るために装置内部でそれ以上高い直流
電圧を発生させる電源を備える必要があることに加え、
瞬時出力電圧及び電流の変化に伴って出力電圧と電源電
圧との電位差がトランジスタなどの制御素子に加わり電
力損失が多く発生する結果として通常の抵抗負荷が出力
に接続されている状態においても高い電圧変換効率は得
られず、さらにリアクタンス負荷などの低力率負荷が出
力に接続されている状態では出力電流と出力電流の位相
差が大きくなることから電圧制御素子の電力損失が抵抗
負荷接続時に比較してさらに増大することから出力電流
を大幅に低減せざるを得ない。
【0006】この電力増幅器による交流電源の課題に対
して従来の技術では、交流電源装置内部の直流電源電圧
を出力として設定された交流出力電圧に応じて必要最低
限の直流電源電圧値に可変制御する方法、さらには内部
直流電源電圧値を交流出力電圧波形に追従して変化させ
る擬似的な交流電源を構成することにより電力変換効率
を改善させる方法などが知られているがいずれの方法も
計測用交流電源装置に要求される広い周波数帯域におい
て高品質で電圧波形歪みのない交流電圧出力特性を維持
することは困難であった。
【0007】一方、スイッチングインバータ方式の交流
電源装置では、装置内部の直流電源出力をパワーMOS
−FETやIGBTなどの電力制御素子によって、一旦
高周波スイッチングを行った後に平滑化フィルタにより
低周波の交流電圧に変換する方式であり、スイッチング
パルス幅の制御により目的とする交流出力電圧を得るた
めに電力損失が少なく極めて高い電力変換効率が得られ
る反面スイッチングされた矩形波電圧をインダクタ及び
コンデンサで構成される平滑化回路により交流出力電圧
に変化させることから出力電圧歪みやリップル・ノイズ
の抑制にはおのずと限界がある。
【0008】また、出力に接続された負荷が急峻な電流
変化を伴う場合、非線形負荷応答特性がある場合などに
おいては、インダクタ及びコンデンサで構成される平滑
化回路から直接交流出力を取り出すことが原因で十分に
低い出力インピーダンスを実現することが困難であり、
交流出力電圧に電圧波形歪みが大きく発生することがあ
る。
【0009】さらに、前記平滑化回路を構成するインダ
クタ及びコンデンサの値がスイッチングインバータ回路
の過渡応答特性や制御系の安定条件に大きく影響するこ
とから、交流電圧出力に接続される様々な負荷インピー
ダンスが負荷端子すなわち平滑回路のコンデンサに並列
接続されることは負荷条件がスイッチングインバータの
特性に影響を与えることとなりスイッチングインバータ
制御回路への負帰還の周波数帯域が格段の低下をきたし
たりループ特性における振幅余裕度及び位相余裕度が低
下することなどが相まって過渡応答特性の悪化となるた
めに交流出力電圧波形への大きな歪み電圧の発生をまね
く場合もある。この欠点を補うためにはスイッチングイ
ンバータのスイッチング周波数を十分に高くして制御ル
ープの周波数帯域を広くし、かつ十分な負帰還量を確保
することが必要であるが、前述のインダクタ及びコンデ
ンサによる平滑化回路の共振周波数の影響からスイッチ
ング周波数の二分の一のナイキスト周波数よりもかなり
低めの閉ループ帯域とならざるを得ない。
【0010】特開平8−168267では、スイッチン
グ方式交流電源装置の出力平滑化回路部分の周波数応答
特性を改善させる目的でコイル及びコンデンサからなる
ローパスフィルタ手段をもうけ負荷変動時の瞬時応答周
波数を高くし、負荷急変時にも電圧波形歪みの少ない高
品位出力が得られるとしているが、スイッチング素子と
して使用するパワーMOS−FETやIGBTは、一般
的に動作速度が高速になるに伴い動作可能な電力容量が
低下するために、大電力を実現するためには複数のスイ
ッチングインバータ回路を複数個並列運転する必要があ
り、結果として装置の高価格化をまねく欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上にのべたように、
電力増幅器による交流電源装置では高品質の出力電圧が
得られる反面電力変換効率が低下する欠点に対して、ス
イッチングインバータによる交流電源装置では電力変換
効率は良いものの出力電圧への電圧波形歪みやリップル
・ノイズの問題がある。本発明では、双方の方式の長所
を生かしながら協調動作をさせることにより、高品質で
高効率な交流電源装置を安価に提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では基準信号発生器11が発生する信号電圧
12をスイッチングインバータ4のひとつの入力端子に
加えるとともに、電力増幅器10の入力端子にも加え
る。スイッチングインバータ4の交流出力電圧5に請求
項1又は2に記載した手段により直流オフセット電圧
8,9を重畳した交流電圧を電力増幅器10の電源とし
て与える。本発明ではスイッチングインバータ4が駆動
する負荷は電力増幅器10となるためスイッチングイン
バータ4に直接負荷を接続した場合における電圧波形歪
みの問題は発生せず、かつ複数段の増幅器で構成される
電力増幅器10の回路構成によりリップル・ノイズの大
幅な軽減が図れることからスイッチングインバータ4の
発振周波数を一般的なスイッチングインバータによる交
流電源より低下させることとが可能となる。また、電力
増幅器10の電力損失を電力損失検出器14により検出
しスイッチングインバータ4のもうひとつの制御入力信
号として帰還制御をかける手段をもうけることにより従
来装置より安価な費用で高品質かつ高効率の交流電源装
置を実現することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明による実施の形態を
図を参照しながら説明する。
【0014】
【実施例】図1は本発明の請求項1による1実施例での
概略ブロック図である。
【0015】スイッチングインバータ4は従来公知の回
路構成により直流電圧を交流電圧に変換するインバータ
回路であり、電源入力端子2・3には直流電源1からの
直流電圧が供給され、正弦波電圧などを発生する基準信
号発生器11の出力信号12と電力損失検出器14の出
力信号13の和を入力信号とし、出力電圧波形がこの入
力信号に比例した大電力の電流を出力端子5・6に出力
する。
【0016】直流補助電源7は正電圧+Vdc及び負電
圧−Vdcを発生する二組の直流電源で構成され、スイ
ッチングインバータ4の出力端子5・6の交流出力電圧
Vacと直列に接続されている。直流補助電源7の出力
端子8にはVac+(+Vdc)の電圧が、又出力端子
9にはVac+(−Vdc)の電圧が出力され、スイッ
チングインバータ4の出力端子6をコモン線として電力
増幅器10の電源電圧として供給される。電力増幅器1
0は前記直流補助電源の出力端子8・9から供給される
電圧を電源とし、基準信号発生器11の出力信号12
制御入力端子に接続され、一定の電圧増幅度を持つリニ
ア電力増幅器として動作し出力端子16・17に接続さ
れた負荷に電力を出力する。
【0017】電力損失検出器14は電力増幅器10の内
部回路のうち電力増幅段に用いられる電力トランジスタ
やパワーMOS−FET等の電圧制御素子に発生する電
力損失を検出する回路である。
【0018】請求項1に記載のスイッチングインバータ
4の1実施回路例を図2に、またスイッチングインバー
タの動作を説明するための各部のシミュレーション波形
の例を図3に示す。説明を簡潔にするために図1におけ
る直流電源1の等価回路を電池V1として、直流補助電
源7の正極性オフセット付加電圧電源を+Vdc、負極
性オフセット付加負電圧電源を−Vdcとし、また基準
信号発生器11の出力電圧12をV2と簡略標記して動
作の説明をする。
【0019】直流電源V1を電力スイッチング素子であ
るX1・X2・X3・X4のIGBTで構成されるフル
ブリッジ回路に供給する。このIGBTフルブリッジ回
路はPWM制御回路4Aにて生成されたG1・G2・G
3・G4のゲート制御信号によって制御される。ブリッ
ジの対角にあるIGBTスイッチ(X1とX4、X2と
X3)を組にして相補的にオンオフを繰り返すと、電圧
振幅が±V1(V1は直流電源1の電圧V1)の矩形波
が発生されるので、この矩形波をインダクタL1・L2
とコンデンサC1で構成される平滑回路の積分効果によ
り電流が平均化され、矩形波のプラス成分とマイナス成
分の割合に応じて出力電圧が変化する。
【0020】図3の横軸は時間軸で各波形とも0〜2m
Sを表し、第1段目(図3a)の波形は基準信号発生器
V2の波形で振幅±10Vで500Hzの正弦波形の例
を、第2段目(図3b)はPWMのキャリア信号となる
振幅±10Vで繰り返し周波数20KHzの基準三角波
電圧を、第3段目(図3c)はIGBTブリッジを相補
的にオンオフするゲート信号の一方の波形を、第4段目
(図3d)は縦軸を±500Vとし、3本の波形のうち
中央の波形はスイッチングインバータの出力端子6(コ
モン端子)に対する出力端子5(出力端子)の電圧が±
400Vの例を、上下の波形は直流補助電源の正電圧+
Vdc及び負電圧−Vdcをそれぞれ50Vとした場合
の直流補助電源の出力端子及びの電圧波形を示す。
【0021】出力端子5・6の出力電圧に一定の係数を
乗じた信号(この例の場合0.025)が基準信号発生
器V2の電圧と比較され、その誤差電圧と基準三角波電
圧が電圧コンパレータによって比較され、その出力電圧
を図3第3段目(図3c)のIGBTゲート信号とする
ことによって、負帰還制御ループが形成され、基準信号
発生器の電圧と相似なスイッチングインバータ出力電圧
(図示の例では基準信号電圧±10Vに対しスイッチン
グ出力電圧が±400V)を得ることが出来る。この負
帰還ループ特性が安定な応答特性となるように、このル
ープ内に振幅位相補償回路を含む事は従来公知の回路で
あるので省略して説明した。
【0022】前記の説明では固定周波数の基準三角波電
圧を使用したフルブリッジ型スイッチングインバータの
場合で説明したが、ハーフブリッジ型スイッチングイン
バータや、ほかの手段でIGBTのゲート制御を行うこ
とによって同等のインバータ出力電圧を得る方法であっ
ても、また電圧制御素子としてIGBTの場合について
説明してきたが、パワーMOS−FETを使用しても本
発明の本質に影響があるものではない。
【0023】図4は本発明の請求項2による1実施例で
の概略ブロック図である。
【0024】スイッチングインバータ4は従来公知の回
路構成により直流電圧を交流電圧に変換するインバータ
回路であり、電源入力端子2・3には直流電源1からの
直流電圧が供給され、正弦波電圧などを発生する基準信
号発生器11の出力信号12と電力損失検出器14の出
力信号13の和を入力信号とし、出力電圧波形がこの入
力信号に比例した交流電圧に直流オフセット電圧が重畳
され、出力端子6をコモンとした交流電圧を8・9に出
力する。
【0025】電力損失検出器14は電力増幅器10の内
部回路のうち電力増幅段に使用される電力トランジスタ
やパワーMOS−FET等の電圧制御素子に発生する損
失電力を検出する回路である。
【0026】請求項2に記載のスイッチングインバータ
4の1実施回路例を図5に、またスイッチングインバー
タの動作を説明するための各部のシミュレーション波形
の例を図6に示す。説明を簡潔にするために図4におけ
る直流電源1の等価回路を電池V3、V4として、PW
Mインバータ4−1の正極性オフセット付加電源をV
5、PWMインバータ4B−2の負極性オフセット付加
負電源をV6とし、また基準信号発生器11の出力電圧
12をV2と簡略標記して動作の説明をする。
【0027】直流電源V3、V4を電力スイッチング素
子であるX5・X6及びX7・X8のIGBTで構成さ
れるハーフブリッジ回路に供給する。このIGBTハー
フブリッジ回路はPWM制御回路4−1にて生成され
たG5・G6のゲート制御信号により正極性オフセット
電圧が付加された出力となりインダクタL3とコンデン
サC2により平滑化されて出力端子8へVacにPWM
制御回路4−1により増幅された正極性オフセット付
加電源V5の電圧が重畳されて出力される。同様にPW
M制御回路4−2にて生成されたG7・G8のゲート
制御信号により負極性オフセット電圧が付加された出力
となりインダクタL4とコンデンサC3により平滑化さ
れて出力端子9へVacにPWM制御回路4−2によ
り増幅された負極性オフセット電源V6の電圧が重畳さ
れて出力される。
【0028】この方式では2系統のPWMインバータが
PWM制御回路4−1及びPWM制御回路4−2に
よって別々の制御ループとして同時に動作する。このと
きPWM位相比較用の三角波電圧は通常では同一の電圧
波形として同期運転することが多い。また、PWM出力
電圧に含まれるリップル電圧を最適にするために、PW
M位相比較用の三角波電圧を2系統逆位相で動作させる
こともできる。
【0029】図6の波形の第1段目(図6a)から第3
段目(図6c)までは図の説明と同様であるがPWM
制御回路の一方の波形を表示しており、第4段目(図6
d)上段波形は出力端子8には±400Vの交流出力
電圧に+50Vの直流オフセット電圧が、下段波形は
力端子9には−50Vの直流オフセット電圧が発生する
ように制御した場合の電圧波形である。
【0030】次に、電力増幅器10の動作について、図
7の詳細な回路図例で説明する。図7には、本発明の全
体の動作として説明するために、前記スイッチングイン
バータの出力電圧をV5として、直流補助電源の正電圧
電源を+Vdc、負電圧電源を−Vdc、基準信号発生
器の出力電圧をV6に代表して表してある。
【0031】電力増幅器の一方の出力端子17を基準電
位(グランド電位)として説明する。この電力増幅器の
例では、差動増幅部X1・X2及びQ1〜Q6で表した
電力増幅部と、誤差増幅部X3から構成されている。一
般的なリニア増幅器の場合には、その電源電圧は最大出
力電圧振幅よりも大きな直流電圧を供給するのに対し
て、出力電圧波形に近似して追従する交流電源電圧であ
るスイッチングインバータ出力電圧V5に直列接続され
た正負極性をもつ直流補助電源+Vdc及び−Vdcが
供給される。
【0032】一例として、電力増幅器出力端子16・1
7の電圧が±400Vの場合、直流補助電源+Vdcお
よび−Vdcの電圧は50V以下として使用する。この
場合の電力増幅器の電源電圧としては、電源端子8・9
には補助電源+Vdcおよび−Vdcの和の電圧すなわ
ち100V以下で動作しながら、出力端子16・17に
は±400Vを出力するという広い電圧動作範囲を持っ
ている。
【0033】この電力増幅器はR9及びR10を帰還抵
抗とする負帰還増幅器を形成しており、例えば電圧増幅
度を40倍にするには前記抵抗比R10/R9を40に
選定する。誤差増幅器X3の出力信号は、次段であるX
1の差動増幅器に送られるが、X1の信号電位は出力端
子16に近似したスイッチングインバータV5の出力電
圧(±400V等)が重畳しているために、差動帰還増
幅器X1のコモンモード入力電圧を正常動作範囲に維持
するために増幅度を1よりも十分小さくなるように減衰
させる必要がある。
【0034】例えば差動増幅器X1のコモンモード入力
電圧範囲が最大±40Vの時、出力端子16の電圧が最
大±400Vの時には約0.1程度の電圧増幅度になる
ように定数を選定する。このことはグランド電位に対し
て±10V程度である誤差増幅器X3の出力信号をスイ
ッチングインバータV5の出力電位の重畳している差動
増幅器X1に電位を移動させるためのレベルシフト回路
の役目をはたす。
【0035】差動増幅器X2は、前段X1の信号の減衰
を補うための電圧増幅器であって、終段の電力増幅部に
必要な最大出力電圧スイングを確保できる増幅器とす
る。ここで、本発明の特徴を十分に発揮させるために、
差動増幅器X1は高いコモンモード除去比の特性が得ら
れるように増幅度を決定する抵抗比R2/R1とR4/
R3を正確に合わせた上、R1・R3に並列に補償コン
デンサを接続するなど、広い周波数帯域にわたって差動
バランスを十分に配慮する。このことによりスイッチン
グインバータの交流電圧出力V5に含まれるリップル電
圧やスパイクノイズは差動増幅器X1の効果によってコ
モンモード電圧として十分減衰させることができる。
【0036】さらに、基準信号発生器の信号を入力とし
た負帰還増幅器を構成するため、帰還ループ増幅度を広
い周波数帯域にわたって確保することによって、外来雑
音に相当するスイッチングインバータのリップル電圧や
ノイズ電圧はさらに抑圧することができる。スイッチン
グインバータの出力リップルの大きさは、従来方式のス
イッチングインバータの場合においては出力電圧品質そ
のものになるためスイッチング周波数を大幅に上げるな
ど消極的な対策しか無かったのに比べ、本発明において
は直流補助電源電圧に近いリップル電圧があっても積極
的に除去できるアクティブフィルタと見なすこともでき
る特徴を持つ。
【0037】次に、もう一つの本発明の特徴である負荷
インピーダンスに対する影響について述べる。スイッチ
ングインバータV5の出力に接続される負荷インピーダ
ンスに着目すると、出力電圧に含まれる交流電圧成分は
差動増幅器X1のコモンモード除去比による極めて小さ
い交流電圧以外は差動増幅器X1の入力信号とならず電
力増幅器の出力端子16に与える影響はほとんどない。
このことは交流電圧が含まれていても定電流の負荷であ
り、非常に高い交流インピーダンスの負荷を意味する。
これは、電力増幅器の負荷端子16に非常に大きなコン
デンサが接続されていても、スイッチングインバータの
交流負荷としてはほとんど無負荷であることになり、従
来技術のスイッチングインバータに直接負荷が接続され
る場合の負荷による応答特性の劣化を除去することが可
能になる。
【0038】なお、本図に示した差動増幅器X1の電源
電圧は直流補助電源V1及びV2を電源電圧としたが、
入力差動電圧範囲と増幅度を考慮することで、もっと低
い電源電圧で動作する一般的なオペアンプを使用するこ
ともできるうえ、X1〜X3の増幅段数に限らず段数を
増減することや、各段毎の入出力の極性(同相又は逆
相)を変えた構成でも同じ効果が得られることは言うま
でもない。
【0039】また、図7に示した電力増幅部は、説明の
ために単純化して表現したが、一般的にはNPN型及び
PNP型トランジスタによる数段のダーリントン接続、
相補型ダーリントン接続やNチャンネル及びPチャンネ
ルのパワーMOS−FETなどを、最大出力電流や最大
電力損失に応じて複数回路を並列接続するなど、従来公
知の電力増幅器にて同様の動作が実現できる。
【0040】次に、電力損失検出器について図8及び図
9の例について詳細に説明する。前記図7の電力増幅器
のうち終段電力増幅部をNPN及びPNPPトランジス
タのエミッタフォロアで構成した場合の並列接続される
うちの一対のトランジスタをQ1及びQ2で表した。ス
イッチングインバータ出力を簡易的にV1で、直流補助
電源の正電圧電源を+Vdc、負電圧電源を−Vdcで
表した。スイッチングインバータ及び電力増幅器の入力
には、基準信号発生器の出力信号が与えられ、それぞれ
同等の電圧増幅度で増幅された電圧の電力を出力する。
【0041】電力増幅器の出力E(図ではB)に負荷
が接続されると負荷の大小や性質によって決まる負荷電
流が流れる。流出する負荷電流はトランジスタQ1を経
由し、流入する負荷電流はトランジスタQ2を通して流
れる。いずれのトタンジスタにも電流の流れている瞬間
にはその電流とコレクタ−エミッタ間にかかっている電
圧の積の瞬時電力が電力損失となり、時にはトランジス
タの絶対最大許容電力を越える可能性もある。オペアン
プX1はトランジスタQ1のコレクタエミッタ間電圧
を検出するための差動増幅器、同様にX2はトランジス
Q2のコレクタエミッタ間電圧を検出するための差
動増幅器、電流検出用のシャント抵抗R1と差動増幅器
X3にてトランジスタQ1の電流を検出し、同様にシャ
ント抵抗R2と差動増幅器X4にてトランジスタQ2の
電流を検出する。
【0042】乗算器X5又はX6には、X1及びX3又
はX2及びX4の出力信号を入力することによりトラン
ジスタQ1又はQ2の瞬時電力に比例した信号を出力す
る。このとき電圧検出用差動増幅器及び電流検出用差動
増幅器の増幅係数とシャント抵抗の値によって、乗算器
出力電圧はトランジスタQ1及びQ2の電力損失に換算
できる。トランジスタQ1及びQ2に許容する電力損失
に応じた電圧を分圧抵抗R19・R21又はR20・R
22を勘案して電力損失設定電圧V14又はV15に設
定することにより、トランジスタQ1又はQ2の瞬時電
力が超過した時、ダイオードD1又はD2が流通し演算
増幅器X7の入力信号となる。演算増幅器X7は一般的
には積分要素と比例要素をもたせてトランジスタQ1又
はQ2のある時定数をもった平均電力を出力するもので
図1におけるスイッチングインバータのもう一つの入力
信号として加算される。
【0043】これは、トランジスタQ1又はQ2の電力
損失が増大するとスイッチングインバータの出力電圧を
制御することによってトランジスタQ1又はQ2のコレ
クタ−エミッタ間電圧の絶対値を下げて電力損失が一定
以上に増大しないように働く負帰還ループを形成する。
この帰還ループは前述のスイッチングインバータの出力
電圧を基準信号発生器の電圧に従って制御するループと
は別に多重ループの帰還になるため、総合特性としての
系の安定余裕度や系の過渡応答特性が最適となるよう
に、各ループの位相振幅補償を考慮する必要がある。こ
の電力損失制御ループを機能させることによって、トラ
ンジスタQ1及びQ2の電力損失を大幅に減少させる事
ができる。特に低い力率の負荷の場合、最大電流近傍に
て電圧も最大になるため大きな電力損失となりがちであ
るが、電力損失制御ループの働きによって最大電流時に
おいても必要最小限のコレクタ−エミッタ間電圧に制御
することができる効果は絶大である。
【0044】図9にはもう一つの電力損失検出器の例を
示す。電流検出用のシャント抵抗R1をトランジスタ
1及びQ2の共用にし、負荷端子のグランド電位側に設
けた例である。電圧検出用差動増幅器の働きは図と同
じであるが、検出した電流のシャント電圧は電流の方向
に応じて演算増幅器X3の出力からダイオードD3及び
D4を経由した抵抗R12又はR13の端子に別々に分
離して得られる。その他の動作は前述の動作と同様であ
る。この他、アイソレーションアンプを用いて検出する
など、従来公知のさまざまな方法を用いても本発明の効
果は同様に得られる。
【0045】また、電力損失検出手段として乗算器を用
いてトランジスタQ1及びQ2の電力損失を検出した
が、トランジスタの電力損失による破壊から保護するた
めの保安機能であって、正確に電力に変換する必要性も
薄い。したがって簡易的に誤差の多い変換器であっても
機能的に問題がない場合もありために電力ではなくコレ
クタ−エミッタ間電圧のみを検出して帰還する方法でも
ある程度の効果が得られる。さらには、電力増幅器の電
力損失に余裕がある場合には、これらの検出と帰還ルー
プを省略することも可能である。
【0046】以上、本発明での実施の形態について述べ
てきたが、本発明は上述した実施の形態のみに限定され
るものではなく、交流電圧に重畳する直流オフセット電
圧を正負極性のいずれかのみとした構成や、スイッチン
グインバータで生成する交流電圧自体に一定の直流オフ
セット電圧を重畳させる回路構成としたうえで、直流補
助電源では交流電圧に重畳された直流オフセット電圧と
異なる極性の直流オフセット電圧を発生させるなどの回
路構成としてもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明の効果は、スイッチングインバー
タ方式と電力増幅器方式を組み合わせた事により、以下
に述べる新たな効果を生み出した上で両者の長所を保ち
ながら欠点を補うことができる。
【0048】スイッチングインバータの交流出力電力は
電力増幅器を介して負荷に供給する構成をとっているた
め、スイッチングインバータ部の負荷インピーダンスと
しては定電流特性をもつ電力増幅器が直接の負荷であっ
て、負荷時においてもきわめて高いインピーダンスすな
わち無負荷に近いインピーダンスとなる。この事によ
り、スイッチングインバータ部としては本装置の出力端
子に接続される様々な実負荷のインピーダンスの影響を
ほとんど受けないという特徴が生まれ、スイッチングイ
ンバータ単独の交流電源装置のような様々な負荷インピ
ーダンスによる特性の劣化を防ぐことが出来る。
【0049】次の効果として、スイッチングインバータ
の平滑フィルタで除去できなかったリップル電圧も電力
増幅器の電源電圧除去比(Power Supply
Rejection Resio : PSRR)の特
性と電力増幅器の負帰還の効果によって大幅に取り除か
れ、電力増幅器方式と同等のSN比や歪み率および低い
出力インピーダンスが得られる。
【0050】さらに、スイッチングインバータの出力リ
ップル電圧の存在を大きく許容できることから、本装置
の出力リップル電圧を犠牲にすることなくスイッチング
インバータの動作周波数を下げることが可能になり、ス
イッチングインバータの電力制御素子として大電力用の
IGBTの使用や、素子数の増加なしに大きな電力を扱
うことができるようになり、経済的な交流電源装置が実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に記載する本発明の交流電源装置の
概略ブロック図
【図2】 請求項1に記載するスイッチングインバータ
部の回路構成例
【図3】 図2の回路構成でのシミュレーション動作波
【図4】 請求項2に記載する本発明の交流電源装置の
概略ブロック図
【図5】 請求項2に記載するスイッチングインバータ
部の回路構成例
【図6】 図5の回路構成でのシミュレーション動作波
【図7】 電力増幅器の回路構成例
【図8】 電力損出検出器の第一の回路構成例
【図9】 電力損出検出器の第二の回路構成例
【符号の説明】
L1,L2 インダクタ G1〜G8 IGBT素子のゲート C1〜C3 コンデンサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の交流電圧を生成するための基準信号
    が交流電圧発生用スイッチングインバータのひとつの制
    御信号入力端子に接続され、かつ負荷に接続された電力
    増幅器の制御信号入力端子にも接続されている複合型交
    流電源装置において、該スイッチングインバータにより
    生成された交流出力電圧に直列に接続された直流補助電
    源生成手段により直流オフセット電圧が重畳された交流
    電圧とし該直流補助電源生成手段による直流オフセット
    電圧を電源として動作する該電力増幅器の電力増幅手段
    における電力損失を検出する電力損失検出器の出力信号
    が該スイッチングインバータの負帰還制御信号入力端子
    に接続され、該スイッチングインバータは交流電圧生成
    用の基準信号と電力損失検出器の出力信号の和により帰
    還制御されることを特徴とする複合型交流電源装置。
  2. 【請求項2】所定の交流電圧を生成するための基準信号
    が交流電圧発生用スイッチングインバータのひとつの制
    御信号入力端子に接続され、かつ負荷に接続された電力
    増幅器の制御信号端子にも接続されている複合型交流電
    源装置において、該スイッチングインバータが複数の交
    流出力電圧を生成する手段を有し、かつ個々の交流出力
    電圧生成手段が直流オフセット電圧を交流出力電圧に重
    畳させる手段を有した回路構成となっていることを特徴
    とし、該スイッチングインバータにより直流オフセット
    電圧が重畳された交流電圧の直流オフセット電圧を電源
    として動作する該電力増幅器の電力増幅手段における電
    力損失を検出する電力損失検出器の出力信号が該スイッ
    チングインバータの負帰還制御信号入力端子に接続さ
    れ、該スイッチングインバータは交流電圧生成用の基準
    信号と電力損失検出器の出力信号の和により帰還制御さ
    れることを特徴とする複合型交流電源装置。
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