JP3393101B2 - 光ファイバ配線板 - Google Patents

光ファイバ配線板

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JP3393101B2 JP2000027013A JP2000027013A JP3393101B2 JP 3393101 B2 JP3393101 B2 JP 3393101B2 JP 2000027013 A JP2000027013 A JP 2000027013A JP 2000027013 A JP2000027013 A JP 2000027013A JP 3393101 B2 JP3393101 B2 JP 3393101B2
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optical
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optical fibers
adhesive layer
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/36Mechanical coupling means
    • G02B6/3608Fibre wiring boards, i.e. where fibres are embedded or attached in a pattern on or to a substrate, e.g. flexible sheets

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光素子や光回路、
光学装置を相互に光学的に接続する光ファイバ配線板に
関する。
【0002】
【従来の技術】光素子や光回路、光学装置を相互に光学
的に接続するために、基板上に所定のパターンで布設さ
れた複数の光ファイバを有する光ファイバ配線板が用い
られている。このような光ファイバ基板の製造方法とし
て、基板上に形成した接着層(粘着層を含む)を用い
て、複数の光ファイバを接着、固定する方法がある(例
えば、特開平11−119033号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法で製造された、複数の光ファイバが互いに交差する
交差部を有する光ファイバ配線板においては、光ファイ
バが基板上の粘着層に接着されない領域が形成され、そ
の結果、交差部において光ファイバにたわみが発生する
という問題があった。
【0004】上述の製造方法によって得られた光ファイ
バ配線板においては、例えば、図7に示すような交差部
が形成されることがあった。図7(a)は、光ファイバ
配線板700の交差部を模式的に示す斜視図であり、図
7(b)は、(a)における1B−1B’線に沿った断
面を模式的に示す図である。
【0005】光ファイバ配線板700は、基板710と
基板710上に形成された接着層720と接着層720
上に布設された複数の光ファイバ730を有している。
それぞれの光ファイバ730は、接着層720によって
基板710上に固定されている。交差部X1において
は、光ファイバ(以下、「下側光ファイバ」と称す
る。)730aを乗り越えるように布設される光ファイ
バ(以下、「上側光ファイバ」と称する。)730b
が、接着層720に直接接することができない領域が形
成される。さらに、図7(b)に示したように、光ファ
イバ730bを光ファイバ730cが乗り越える交差部
X2が、光ファイバ730bが上側光ファイバとなる交
差部X1の近傍に形成されると、交差部X2において
は、下側光ファイバ720bすら接着層に接着されない
交差部が形成される。
【0006】上述したように、光ファイバが接着層に直
接接着されない領域が多くなると、光ファイバにたわみ
が生じ、外力によって光ファイバが変形あるいは移動
し、機械的安定性が低下する。また、光ファイバにたわ
みが生じると、その曲率の変化によって光ファイバの伝
送損失が変化したり、光ファイバの配線長を設計値と一
致させることが困難になる。
【0007】なお、上記特開平11−119033号公
報は、交差部を補強するために、基板上に布設された光
ファイバを充填剤で被覆することを開示している。この
方法によると、製造された光配線板の機械的安定性は増
すが、交差部における光ファイバのたわみの発生を抑制
・防止することはできない。従って、充填剤による被覆
工程が完了するまでの製造工程における機械的な安定性
が低い。また、光ファイバの伝送損失や光ファイバの配
線長の制御が困難である。
【0008】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、その主な目的は、交差部における光
ファイバのたわみの発生が抑制・防止された光ファイバ
配線板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバ配線
板は、主面を有する基板と、前記主面上に設けられた接
着層と、前記接着層上に配設された複数の光ファイバと
を備え、前記複数の光ファイバのうちの2本の光ファイ
バが互いに交差する複数の交差部を有し、前記複数の交
差部のそれぞれにおいて、前記互いに交差する2本の光
ファイバのうちの一方の光ファイバは前記接着層に接着
されており、且つ、他方の光ファイバは、前記一方の光
ファイバに接触して配置されており、そのことによって
上記目的が達成される。
【0010】前記複数の光ファイバの長さは互いに等し
い。
【0011】前記主面上に配設された前記複数の光ファ
イバを覆うラミネート層をさらに備えることが好まし
い。
【0012】前記複数の光ファイバのそれぞれは、前記
主面と平行な面内で屈曲した部分と、直線部分とを有
し、前記複数の光ファイバの前記屈曲部分の少なくとも
両端は、前記接着層に接着されており、且つ、前記複数
の交差部のそれぞれは、前記他方の光ファイバの直線部
分で形成されていることが好ましい。
【0013】前記屈曲部分の形状は、円弧状であること
が好ましい。また、円弧は円周の一部(典型的には四分
の一)であることがさらに好ましい。
【0014】前記複数の交差部のそれぞれにおいて、前
記互いに交差する2本の光ファイバのうちの前記他方の
光ファイバは、前記一方の光ファイバを予め決められた
曲率半径で乗り越えるように配設されていることが好ま
しい。
【0015】以下、本発明の作用を説明する。
【0016】本発明の光ファイバ配線板は、それぞれの
交差部において、下側光ファイバは接着層に接着されて
おり、上側光ファイバは下側光ファイバに接触されてい
る。すなわち、交差部においては、接着層と下側光ファ
イバとの間、および下側光ファイバと上側光ファイバと
の間に隙間がなく、交差部の高さが光ファイバ2本分の
高さを越えないように配設されている。従って、交差部
において光ファイバにたわみが発生することが抑制・防
止される。
【0017】交差部における光ファイバのたわみの発生
が抑制・防止されるので、複数の光ファイバの長さを高
い精度で互いに一致させることが可能となる。すなわ
ち、複数の光ファイバの長さを互いに等しくすることが
必要な構成において、2本のファイバを互いに交差させ
るために必要な光ファイバの長さを正確に見積もること
が可能となり、それぞれの光ファイバが設計通りの長さ
を有する光ファイバ配線板を得ることができる。
【0018】主面上に配設された複数の光ファイバを覆
うラミネート層をさらに備えることによって、光ファイ
バをさらに確実に固定することができ、且つ、光ファイ
バを保護することができる。
【0019】光ファイバが、屈曲部と直線部とからなる
パターンで配線されている場合、光ファイバの屈曲部は
接着層に接着されている。従って、屈曲部は布設された
ときの形状で固定される。また、交差部では、上側光フ
ァイバの直線部分が下側光ファイバと交差するように光
ファイバを配設すると、外力によって変形や移動しやす
い屈曲部が、交差部の上側に配置されることが無い。従
って、交差部においてたわみが発生されることがさらに
効果的に抑制・防止される。
【0020】屈曲部分の形状を円弧状とすることによっ
て、配線に必要な光ファイバの全長を容易に見積もるこ
とができる。特に、円弧が円周の一部(典型的には四分
の一)である場合、配線に必要な光ファイバの全長を見
積もることがさらに容易になる。また、四分の一円(9
0度円弧)で屈曲部を形成すると、光ファイバの延設方
向(ファイバ軸方向)が屈曲部ごとに90度ずつ変化す
るので、配線パターンを容易に設計できる。
【0021】複数の交差部のそれぞれにおいて、上側光
ファイバは、基板に垂直な面内において予め決められた
曲率半径で下側光ファイバを乗り越えるように配設され
る構成とすることができる。上側光ファイバが下側光フ
ァイバに接触する点と、この接触点の両側で上側光ファ
イバが接着層に接着される2点とによって形成される屈
曲部のそれぞれの曲率半径を、例えば、長期信頼性に耐
えうる最小曲率半径よりも大きい所定の曲率半径とする
ことによって、長期信頼性に優れた光ファイバ配線板が
得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施
形態に限定されない。
【0023】図1に、本発明の実施形態による光ファイ
バ配線板の交差部の構造を模式的に示す。図1(a)
は、図1(b)または図1(c)のX−X’線に沿った
断面図に相当する。
【0024】光ファイバ配線板100は、主面111を
有する基板110と、主面111上に形成された接着層
120と、接着層120上に配設された複数の光ファイ
バ130とを有している。
【0025】光ファイバ130のそれぞれは、主面11
1と平行な面内で屈曲した部分と直線部分とを有するよ
うに配線されている。複数の光ファイバ130のうちの
2本の光ファイバ130aおよび130bは互いに交差
して、交差部が形成される。交差部における下側光ファ
イバ130aは、接着層120に接着されており、上側
光ファイバ130は、下側光ファイバ130に接触
(接触点133)するように配置されている。すなわ
ち、交差部においては、接着層120と下側光ファイバ
130aとの間、および下側光ファイバ130aと上側
光ファイバ130bとの間に隙間がなく、交差部の高さ
(基板110に垂直な方向の接着層120からの高さ)
は、互いに交差している2本の光ファイバ130aおよ
び130bの直径の合計となる。その結果、交差部にお
いて光ファイバにたわみが発生することが抑制・防止さ
れる。
【0026】光ファイバが直線部分と屈曲部分との組合
せからなるパターンで配線される光ファイバ配線板の交
差部は、図1(b)および(c)に示したように、上側
光ファイバ130aの直線部分が下側光ファイバ130
bを乗り越えるよう形成することが好ましい。すなわ
ち、外力によって変形や移動しやすい屈曲部が、交差部
の上側に配置されることが無いように布設することによ
って、交差部においてたわみが発生されることがさらに
効果的に抑制・防止される。光ファイバ130の屈曲部
分の少なくとも両端は接着層120に接着されているこ
とが好ましく、屈曲部分の全ての領域が接着層120に
接着されることがさらに好ましい。勿論、下層に位置す
る直線部分の全てが接着層120に接着されていること
が好ましい。
【0027】光ファイバ130の屈曲部は、接着層12
0上に接着されながら布設され、布設されたときの形状
を維持することができる。屈曲部の形状は、図1(c)
に示したように、円弧状であることが好ましい。特に、
四分の一円(90度円弧)とすると、配線に必要な光フ
ァイバの全長を見積もることが容易であり、また、光フ
ァイバの延設方向(ファイバ軸方向)が屈曲部ごとに9
0度ずつ変化するので、配線パターンの設計が容易にで
きる、という利点がある。
【0028】円弧状の屈曲部を形成する場合には、勿
論、図1(c)中の曲率Rbを長期信頼性に耐えうる最
小曲率半径よりも大きい所定の曲率半径とすることが好
ましい。光ファイバ130を接着層120上に接着させ
ながら布設すると、そのままの形状を維持することがで
きるので、製造工程における機械的安定性に優れる。
【0029】図1(a)を再び参照しながら、本実施形
態の光ファイバ配線板の交差部の断面構造(主面111
の法線方向の構造)を説明する。
【0030】交差部において、上側光ファイバ130b
は、下側光ファイバ130aを予め決められた曲率半径
Raで乗り越えるように配設されている。曲率半径Ra
は、例えば、光ファイバを使用する期間にわたって継続
的に応力に耐え得る最小曲率半径Rminより大きな曲
率半径となるように設定される。Raは交差する2本の
光ファイバ130の配置に依存するので、特に上限はな
い。ただし、曲率半径Raが大きくなると、上側光ファ
イバ130bが接着層120に接着されない部分が多く
なるので、曲率半径Raは最小曲率半径Rminよりあ
まり大きくならないことが好ましい。2本の光ファイバ
130を互いに直交するように配置すると、Raを小さ
くすることが可能となる。上側光ファイバ130bを確
実に固定するためには、2本の光ファイバ130をほぼ
直交させ、RaをRmin<Ra≦2×Rminの範囲
内とすることが好ましい。
【0031】上述のように配設された複数の光ファイバ
130を覆うようにラミネート層(不図示)を設けても
よい。ラミネート層を設けることによって、光ファイバ
130をさらに機械的に安定に固定することができると
ともに、光ファイバ130を外部環境から保護すること
ができる。ラミネート層は、公知の材料を用いて形成す
ることができる。例えば、上記特開平11−11903
3号公報に開示されている充填剤やフィルム材料を用い
ることができる。
【0032】上記の光ファイバ配線板は以下のようにし
て製造することができる。光ファイバの布設工程以外の
工程は、公知の方法で実行することが可能なので、説明
を省略し、光ファイバの布設方法を説明する。以下に説
明する布設工程に先立ち、配線のパターンは既に設計さ
れている。配線パターンの設計は、下側光ファイバと上
側光ファイバとの配置関係が上述の条件に矛盾しないよ
うに、且つ、一筆書きの要領で配線されるように考慮
し、公知の方法で実行できる。
【0033】複数の光ファイバ130は、一本ずつ所定
の大きさの力で接着層120に押し付けて、接着させな
がら、所定のパターン(直線と曲線の組み合わせ)に沿
って布設される。光ファイバ130bは、接着層120
に押し付けることによって、連続的に接着させながら図
1(a)中の接着点134まで布設される。接着点13
4を過ぎたときに押し付け力を弱め、接触点133を経
て、次の接着点135に到達したときに押し付け力を所
定の大きさに戻し、接着点135以降は先と同様に、接
着層120に接着させながら光ファイバ130bを布設
する。このようにして、上側光ファイバ130aの両端
を固定(接着点134および135)すると、接触点1
33において、上側光ファイバ130bはその弾性力に
よって、下側光ファイバ130aを押さえる力が作用す
るので、上側光ファイバ130aにたわみが発生するこ
となく、安定に固定される。
【0034】上述した光ファイバ配線板は、交差部にお
ける光ファイバのたわみの発生が抑制・防止されている
ので、実際に必要な配線長を正確に計算することが可能
で、且つ、設計通りの長さで光ファイバを布設すること
ができる。
【0035】本発明によると、実際に布設される個々の
光ファイバの長さを高い精度で設計値と一致させること
ができるので、例えば、光通信システム等に用いられる
光ファイバ配線板など、光信号の伝送遅延のバラツキを
少なくする必要がある用途に好適に用いられる。すなわ
ち、本発明によると、複数の光ファイバの長さを互いに
高精度に一致させた光ファイバ配線板を得ることができ
る。なお、より厳密には、光ファイバ間の屈折率差を考
慮して、個々の光ファイバの長さを決定することが好ま
しい。
【0036】次に、本発明による実施形態の光マトリク
ス変換配線板を図2〜図6を参照しながら説明する。
【0037】一般に、光マトリクス変換配線板とは、m
個のポート(port)、n個のチャネル(ch)の入
力(「(m,n)入力」と標記する。)をn個のポー
ト、m個のチャネルの出力(「(n,m)出力」と標記
する。)への変換を行う光ファイバ配線板を指し、m×
n光マトリクス変換配線板と標記する。
【0038】マトリクス配線のように、多数の光ファイ
バを光相互接続する場合、片端または両端を単心線とし
たケーブルを用いてコネクタ接続を行うと、接続が非常
に煩雑となって誤配線しやすく、且つ、光ファイバの余
長を収納するために大きな収容容積が必要である。しか
し、光配線板を用いることにより、多数の光ファイバは
ch毎に整理されて誤配線などが防止され、且つ、平面
上に配線するので、実装する際に収容容積が小さくな
る。
【0039】ここでは、16×16(256本)光マト
リクス変換配線板を作製する。交差部の数を減らすた
め、および基板面積を小さくするために、64本ずつB
4サイズの4枚の基板に配線することとし、全ての光フ
ァイバの長さが同じになるように配線する。光ファイバ
として、被覆直径250μmの1.55μm帯シングル
モード光ファイバを用いて、光ファイバの最小曲率半径
15mmで配線する。また、光コネクタにはMTコネク
タを用い、光コネクタ間隔8.5mmとする。
【0040】本実施形態の光マトリクス変換配線板20
0を、図2に示す。光マトリクス変換配線板200は、
(I〜XVI,1〜16)入力を(1〜16,I〜XV
I)出力へ変換する16×16光マトリクス変換配線板
である。光マトリクス変換配線板200は、それぞれ6
4本の光ファイバを有するサブ配線板(光ファイバ配線
板)300、400、500および600を有してい
る。16個の入力端子と16個の出力端子とは、それぞ
れのサブ基板300〜600に配設された光コネクタ3
52または362を2個1組として引き出して、基板の
互いに対向する辺に沿って一定間隔をあけて一列に配設
する。それぞれの入力端子は、一端から順にch1〜1
6とし、それぞれの出力端子は、入力端子のそれぞれと
対応するように、一端から順にchI〜XVIとする。
【0041】サブ配線板300で(I〜VIII,1〜
8)入力と(1〜8,I〜VIII)出力とが接続さ
れ、サブ配線板400で(I〜VIII,9〜16)入
力と(9〜16,I〜VIII)出力とが接続され、サ
ブ配線板500で(IX〜XVI,1〜8)入力と(1
〜8,IX〜XVI)出力とが接続され、サブ配線板6
00で(IX〜XVI,9〜16)入力と(9〜16,
IX〜XVI)出力とが接続される。入力端子を介して
サブ配線板300、400、500および600の光コ
ネクタ352に(I〜XVI,1〜16)入力が与えら
れ、出力端子を介してサブ配線板300、400、50
0および600の光コネクタ362から(1〜16,I
〜XVI)出力が得られる。
【0042】サブ配線板400、500および600
は、光ファイバの引き回しパターンがそれぞれ異なる
が、サブ配線板300と同様の配線方法で作製されてい
る。以下に、図3Aおよび図3Bを参照しながら、サブ
配線板300の構造と配線方法を例に説明する。
【0043】サブ配線板300は、基板310と、基板
310の主面311上に形成された接着層320と、接
着層320配設された64本の光ファイバ330とを有
する。光ファイバ330は、接着層320介して基板3
10に固定されている。
【0044】64本の光ファイバ330は、入力側と出
力側でそれぞれ8本の光ファイバ束351および361
にまとめられている。光ファイバ束351および361
は、基板上の交差部付近で、1本ずつの光ファイバ33
0に分離される。
【0045】portI〜VIIIを有するch1〜8
に対応する入力側光ファイバ束351のそれぞれは、サ
ブ配線板300上で、port1〜8を有するchI〜
VIII出力側光ファイバ束361に組替えられる。例
えば、入力側のch1の8本(port1〜8)の光フ
ァイバ330は、出力側のchI〜VIIIのport
1にそれぞれ1本ずつ含まれる。
【0046】サブ配線板300は2本の光ファイバ33
0が互いに交差する多数の交差部を有する。交差部にお
ける下側光ファイバ330は、接着層320に接着され
ており、上側光ファイバ330は、下側光ファイバ33
0に接触するように配置されている。すなわち、交差部
の高さ(基板310に垂直な方向の接着層320からの
高さ)は、互いに交差している2本の光ファイバ330
の直径の合計となっている。その結果、交差部において
光ファイバにたわみが発生することが抑制・防止され
る。
【0047】光ファイバ330は、直線部と8カ所の円
弧部とを組み合わせて配線されている。直線部は、図3
Aに示したように、X、Y方向への平行線のみであり、
8カ所の円弧部(曲率半径R1、R2、R3、R4、R
5、R6、R7およびR8)は、それぞれ円周の四分の
一である。円弧部は光ファイバ330を等長化するため
および交差部の位置を制御するために設けられている。
それぞれの光ファイバの直線部の長さの合計は互いに等
しく、且つ、それぞれの光ファイバ330の円弧部の長
さの合計は互いに等しい。本実施形態では、図3Aに示
したように円弧部の曲率半径R1、R2、R7およびR
8を15mmとし、円弧部の曲率半径R3、R4、R5
およびR6を16.75mmとした。従って、円弧部R
1〜R8の合計の長さは、全ての光ファイバ330に対
して63.5πmm(=2×(15+16.75)×
π)となる。このように、円弧部を4分の1円とするこ
とによって、長さの合計を曲率半径から容易に算出でき
る。
【0048】配線方法を、図3Aを参照しながらch8
の8本の光ファイバ330を例に説明する。入力側のc
h8の8本の光ファイバ330を一本ずつ所定の大きさ
の力で接着層に押し付けて、接着させながら、直線部と
曲率半径R1〜R8の円弧部とを形成するように布設す
る。なお、交差部313を形成する領域においては、光
ファイバ束351から8本の光ファイバ330が一定間
隔で1本ずつ分離するように曲率半径R5の円弧部を形
成する。これらの円弧部は、全て同じ曲率半径R5で形
成されている。その他の領域では、8本の光ファイバ3
30が束(光ファイバ束351または361)となるよ
うに、互いに隣接させて配置する。光コネクタ352お
よび362のそれぞれが間隔Sで配置されるように、c
h7からch1の光ファイバ330も同様に布設する。
交差部312および313を含む全ての交差部におい
て、円弧部が他の円弧部と重ならないように、交差部の
X方向の間隔は、円弧部の曲率半径より大きく設定され
る。この光ファイバ330の布線工程は、例えばX−Y
プロッタを用いて実行することができる。
【0049】交差部312および313を含む全ての交
差部においては、下側に円弧部を布設し、直線部が円弧
部を乗り越える配置とする。形状を保持することが直線
部に比べて困難な円弧部が全て接着層に接着され、確実
に固定される。交差部313における下側光ファイバ3
30aは、図3Bに示したように、上側光ファイバ33
0aが互いに平行な隣接する複数(5本)の下側ファイ
バを乗り越える交差部を含む。また、その近傍では、上
側光ファイバ330aが他の2本の下側光ファイバ33
0bを乗り越える交差部が形成されている。これらの交
差部と交差部との間(下側光ファイバ330の間)で
は、上側光ファイバ330aは、一旦接着層320に接
着されている。すなわち、交差部の両側において、上側
光ファイバ330aは接着層320に接着されている。
このことによって、交差部において上側光ファイバ33
0aにたわみが発生することが防止される。上側光ファ
イバ330aが同時に乗り越える下側光ファイバ330
bの本数は少ないほうが好ましいが、十分安定に、たわ
みなく光ファイバを固定できる範囲内であればよい。
【0050】上述のようにch8から8本の光ファイバ
を順次配線するとき、配線公差が生じる。配線公差と
は、例えば、2本の光ファイバを隣接するように平面に
並べたときの、設計と実際とのずれのことである。光フ
ァイバの直線部に64本の光ファイバを隙間なく配線す
る設計を行うと、すでに56本の光ファイバが布設され
た後、最後に配線されるch1の8本の光ファイバを配
線する間隔が不足することがある。このような問題を回
避するために、平行に布設され、隣接する64本の光フ
ァイバの直線部365で、光ファイバ束361毎(8
本)に間隔を設けている。本実施形態で用いられる光フ
ァイバ330は、64本平面に並べたときの配線公差の
合計は0.5mmである。この配線公差と光ファイバの
直径とを考慮して、光ファイバの直線部の光ファイバ束
361の間隔を適宜調節する。このことによって、64
本の光ファイバ330全てを基板310上に配線するこ
とができる。
【0051】サブ配線板400、500および600
は、光ファイバの引き回し以外、上述のサブ配線板30
0と同様に作製される。このようにして得られたサブ配
線板300、400、500および600を、図2に示
すように互いに重ねることによって、光マトリクス変換
配線板200が得られる。4枚のサブ配線板300〜6
00は、接着剤を用いて貼り合わせて積層一体化しても
よく、あるいは重ねて固定する部材を別途設けて積層一
体化してもよい。4枚のサブ配線板のそれぞれは、光フ
ァイバ2本分の均一な高さを有しており、互いに安定に
接着される。
【0052】なお、本実施形態のサブ配線板300にお
いて使用される基板310、接着層320、光ファイバ
330は、以下のものが用いられる。
【0053】基板310は、64本の光ファイバ330
を配線した後にそれぞれの光ファイバ330にたわみが
生じにくいように、振動に対して強い、剛直な基板が用
いられる。基板310を形成する材料は、ポリイミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナ
フタレート樹脂等を用いることができる。あるいは、基
板310として、フィルムと剛直な基板とを貼り合わせ
たものを用いてもよい。このとき、光ファイバ330は
フィルム上に配線され、このフィルムを剛直な基板の上
に固定することによって作製される。フィルムを形成す
る材料としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等を用い
ることができる。
【0054】接着層320は、粘着性または接着性を有
する層であり、公知の粘着剤または接着剤(例えば、シ
リコーン接着剤)を用いて形成できる。光ファイバを確
実に固定できるものであればよい。
【0055】さらに、接着層320を介して基板310
上に配線された光ファイバ330を、さらに機械的安定
性を向上させるために、ラミネート層(不図示)で補強
してもよい。このようにすれば、外部からの応力及び外
界の湿度に対して保護することができ、配線の安定性が
高くなり、信頼性が向上する。ラミネート層としては、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を利用する
ことができる。
【0056】光ファイバ330には、公知の単心光ファ
イバが用いられ、ガラス心線が被覆されたものでも、被
覆されていないものでもよい。特に、被覆された光ファ
イバはガラス心線に傷が入りにくく、配線時の取り扱い
が容易であり、機械を用いた配線での機械による送り出
しの際に生じる摩擦に対する強度が高いので好ましい。
また、被覆された光ファイバを用いれば、ラミネート層
を省略しても、あるいは薄いラミネート層を設けるだけ
で、十分な信頼性が得られる。光ファイバ束351およ
び361には、公知の多心光ファイバ(例えば、ファイ
バリボン)が用いられる。
【0057】光コネクタ352および362は、本実施
形態では8心MTコネクタを用いたが、公知の多心光コ
ネクタであれば、特に限定されない。また、本実施形態
では、図3Aに示した光コネクタ352および362の
それぞれの間隔(S)を8.5mmとしたが、基板の面
積や、光ファイバ束351および361の幅に応じて自
由に設定される。
【0058】本実施形態では、同一光ファイバ配線板内
での交差部の数を減らすため、および基板の面積を小さ
くするために、B4サイズの複数のサブ配線板を使用し
て多層構造の光ファイバ配線板を構成した。基板の大き
さは用途に応じて適宜設定され、1枚の基板に形成可能
な交差部の数(密度)は、基板の面積と、光ファイバの
長さおよび太さとを考慮して設定される。光ファイバ束
として直径250μm8心ファイバリボンを用いて本実
施形態のサブ配線板300を構成する場合(図3Aを参
照)、基板310の大きさは、(基板310の長辺)≧
(中心交差部の長さ(Rmin(15mm)×光ファイ
バ束数(8束)+光ファイバ束幅(0.25mm×8)
×光ファイバ束数(8束))+(折り返し部の長さ(コ
ネクタ間隔S(8.5mm)×光ファイバ束数(8束)
÷往復(2)+光ファイバ束幅(0.25mm×8)×
光ファイバ束数(8束)+Rmin(15mm))=2
01mmであり、且つ、(基板310の短辺)≧(Rm
in(15mm)×1本の光ファイバが形成する円周の
四分の一の円弧部の数(8カ所)+光ファイバ束幅
(0.25mm×8)×光ファイバ束数(8束)×X方
向に平行な直線部の数(4カ所))=184mm、とな
るように設定される。
【0059】本実施形態の光マトリクス変換配線板20
0は、交差部における光ファイバのたわみの発生が抑制
・防止されるので、複数の光ファイバ330の長さは高
い精度で互いに一致している。すなわち、2本のファイ
バを互いに交差させるために必要な光ファイバの長さを
正確に見積もることが可能となり、それぞれの光ファイ
バが設計通りの長さを有する光ファイバ配線板200が
得られた。光マトリクス変換配線板200は、光信号の
伝送遅延のバラツキを少なくする必要がある用途に好適
に用いることができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、光ファイバが外力によ
って変形や移動することが抑制、防止された光ファイバ
配線板を提供することができる。
【0061】また、本発明によれば、光信号の伝送遅延
のバラツキを少なくする必要がある等、複数の光ファイ
バの長さを互いに等しくすることが必要な構成では、複
数の交差部において、複数の光ファイバのうちの2本の
ファイバを交差させるために必要な光ファイバの長さを
正確に見積もることが可能となる。従って、それぞれの
光ファイバが設計通りの長さを有する光ファイバ配線板
を得ることができる。その結果、複数の光ファイバの長
さが高い精度で互いに一致している光ファイバ配線板を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による光ファイバ配線板の交
差部の構造の模式図である。図1(a)は、図1(b)
または図1(c)のX−X’線に沿った断面図である。
【図2】本発明の実施形態による光ファイバ配線板の模
式的な構造の斜視図である。
【図3A】本実施形態の光ファイバ配線板の模式的な上
面図である。
【図3B】本実施形態による光ファイバ配線板の交差部
の構造の模式図である。
【図4】本実施形態の光ファイバ配線板のサブ配線板の
模式的な上面図である。
【図5】本実施形態の光ファイバ配線板のサブ配線板の
模式的な上面図である。
【図6】本実施形態の光ファイバ配線板のサブ配線板の
模式的な上面図である。
【図7】従来の光ファイバ配線板の交差部の構造を示す
図である。
【符号の説明】
110、310、710 基板 111、311 主面 112、312、313、712 交差部 120、320、720 接着層 130、330、730、730c 光ファイバ 130a、330a、730a 下側光ファイバ 130b、330b、730b 上側光ファイバ 133 接触点 134、135 接着点 200、700 光マトリクス変換配線板 300、400、500、600 サブ配線板 351、361 光ファイバ束 352、362 光コネクタ 365 光ファイバの直線部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−366802(JP,A) 特開 平10−126018(JP,A) 特開 平11−202149(JP,A) 特開 昭57−49288(JP,A) 特開 昭58−207006(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主面を有する基板と、前記主面上に設け
    られた接着層と、前記接着層上に配設された複数の光フ
    ァイバとを備え、 前記複数の光ファイバのうちの2本の光ファイバが互い
    に交差する複数の交差部を有し、 前記複数の交差部のそれぞれにおいて、前記互いに交差
    する2本の光ファイバのうちの一方の光ファイバは前記
    接着層に接着されており、且つ、他方の光ファイバは、
    前記一方の光ファイバに接触して配置されている、光フ
    ァイバ配線板であって、 前記複数の光ファイバのそれぞれは、前記複数の交差部
    における下側に位置する下側光ファイバと、上側に位置
    する上側光ファイバとからなり、 前記下側光ファイバは、前記主面と平行な面内で屈曲し
    た部分と、直線部分とを有しており、 前記上側光ファイバは、直線部分から構成され、屈曲し
    た部分を有しておらず、 前記下側光ファイバにおける前記屈曲した部分の少なく
    とも両端は、前記接着層に接着されており、 各光ファイバにおける全体の直線部分の長さの合計は、
    前記複数の光ファイバのそれぞれについて、互いに等し
    く、且つ、 各光ファイバにおける全体の屈曲した部分の長さの合計
    は、前記複数の光ファイバのそれぞれについて、互いに
    等しい、光ファイバ配線板。
  2. 【請求項2】 前記複数の光ファイバの長さは互いに等
    しい請求項1に記載の光ファイバ配線板。
  3. 【請求項3】 前記主面上に配設された前記複数の光フ
    ァイバを覆うラミネート層をさらに備える請求項1に記
    載の光ファイバ配線板。
  4. 【請求項4】 前記屈曲部分の形状は、円弧状である請
    求項1に記載の光ファイバ配線板。
  5. 【請求項5】 前記複数の交差部のそれぞれにおいて、
    前記互いに交差する2本の光ファイバのうちの前記他方
    の光ファイバは、前記一方の光ファイバを予め決められ
    た曲率半径で乗り越えるように配設されている請求項1
    から4の何れか一つに記載の光ファイバ配線板。
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