JP3392097B2 - 卵製品 - Google Patents

卵製品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、卵風味の良好な卵
製品に関する。
【0002】
【従来の技術】 卵は良質なタンパク質を持ち、プロテ
インスコア(タンパク価)も100であることからほぼ
完全な栄養食品と呼ばれるほど栄養価が高く手軽で美味
しい食品として親しまれている。しかし、卵にはコレス
テロールという健常者にとっては栄養となるが高脂血漿
の人にとっては控えなければならない成分も含まれてお
り、これはそのほとんどが卵黄中に存在している。そこ
で、卵黄中のコレステロールを除いた卵製品や、全卵擬
似製品が各所で研究されてきた。しかし、卵の美味しさ
の要因である遊離アミノ酸もその多くが卵黄中に存在し
ているためか、コレステロールを除くため等の理由で卵
黄を除いた卵製品は、卵本来の風味に欠けるものであっ
た。
【0003】そこで本発明は、卵製品に脱脂卵黄加水分
解物を加えることで、全卵からなる卵製品はもちろんの
こと、その他茶碗蒸し等のように全卵含有量の少ない卵
製品、あるいは卵黄と卵白の混合比率を変えた卵製品等
に、従来の卵製品では得ることができなかった卵のコク
と旨味を付与した、新たな卵風味の美味しい卵製品を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために種々検討した結果本発明に到達した。す
なわち、本発明は、(1)脱脂卵黄の酸加水分解物、あ
るいは酸及び酵素分解を併用した分解物を添加してなる
卵製品、(2)脱脂卵黄の酸加水分解物、あるいは酸及
び酵素分解を併用した分解物の添加率が、卵製品全重量
に対して、乾物換算で0.001〜0.5%である
(1)記載の卵製品、を提供することである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明において「%」はすべて「質量%」を意味する。
【0006】本発明において卵製品とは、卵液を用いて
加熱凝固した食品をいう。本発明の卵製品に用いる卵液
としては、成分そのままの全卵、卵黄と卵白の混合比率
を変えたもの、あるいはアルコール抽出法や超臨界二酸
化炭素抽出法等により、脂質やコレステロールを低減し
たものでもよい。また、未調整の全卵と比較して卵黄の
含有量を50%以下に調整した混合卵からなる卵製品
や、脂質やコレステロールを低減したものを用いた卵製
品であると、本来卵が有する風味が低下するので本発明
が有効となる。特に卵黄を含有しない全卵擬似製品はさ
らに本来卵が有する風味が劣り本発明が有効である。な
お、卵製品に用いる卵液としては、酵素処理したもの、
加圧や加熱等で変性させたもの、これらを噴霧乾燥(ス
プレードライ)や凍結乾燥(フリーズドライ)等により
乾物としたもの、あるいはこの乾物を水戻ししたもの等
を用いてもよい。また、本発明の卵製品の調理例として
は、例えば、オムレツ、厚焼き卵、スクランブルエッ
グ、茶碗蒸し、卵豆腐、茹で卵等がある。
【0007】次に、本発明における脱脂卵黄の加水分解
物についての説明をする。本発明において脱脂卵黄と
は、卵黄から卵黄脂質を除去したものをいい、通常鶏卵
を割卵分離して得られる卵黄液を、一旦乾燥して乾燥卵
黄としたものに、例えばアルコール(90〜99容量%
の含水アルコール)を作用させてアルコールに可溶な卵
黄脂質(主に、トリグリセリド、コレステロール及びリ
ン脂質)を抽出し、濾過により卵黄脂質を含有したアル
コール画分を除去後、濾過残渣を乾燥させて得られる。
【0008】また、本発明において脱脂卵黄の加水分解
物は、上述の脱脂卵黄を酸(例えば、塩酸、硫酸、硝
酸、酢酸等)、酵素(例えば、蛋白質分解酵素(パパイ
ン、パンクレアチン等))、アルカリ(例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等)等の一種又は二種以上
の方法を組み合わせて加水分解することにより得られ
る。特に、後述の試験例で示すように、酸加水分解物、
あるいは酸及び酵素分解を併用した分解物は、まろやか
で、えぐみがなく、後味がよいので望ましい。
【0009】そして、卵製品全重量に対する脱脂卵黄の
加水分解物の添加率は乾物換算で0.001%以上、望
ましくは0.01%以上程度にするとよい。0.001%
以上であると卵のコクと旨味といった新たな卵の風味が
特に得られ望ましい。一方、添加率は多すぎても比例し
て効果が増大するわけではないので、0.5%以下、望
ましくは0.3%以下程度にするとよい。このときの卵
製品全重量に対する脱脂卵黄の加水分解物の添加率は、
通常用いる全卵、あるいは、卵黄と卵白の含有割合を調
整した卵液等、卵黄含有量によらず上記添加率でよい。
これは、本発明における脱脂卵黄の加水分解物が、卵そ
のものがもつ風味に似ているが、従来の卵製品では得る
ことができなかった新たな卵の風味をもつからである。
なお、ここでいう新たな卵の風味は今までにないもので
あるが、卵黄から得られる風味に近いコクと旨味をもつ
ものである。
【0010】本発明の卵製品の代表的な製造方法を以下
に説明するが、これらの方法に限定するものではない。
【0011】まず、原料に用いる脱脂卵黄の調製方法の
一例を説明する。鶏卵を割卵し、卵白液から分離して得
られる卵黄液を、例えば、噴霧乾燥(スプレードライ)
法あるいは凍結乾燥(フリーズドライ)法等の乾燥手段
により乾燥する(乾燥は必須ではないが、乾燥により次
工程の卵黄脂質の抽出除去が容易となる)。次に、乾燥
卵黄1部にアルコール(エタノール濃度約90〜99容
量%、水分濃度約10〜1容量%)5〜20部を作用さ
せてアルコールに可溶な卵黄脂質(主に、トリグリセリ
ド、コレステロール及びリン脂質)を抽出し、フィルタ
ープレス、圧搾濾過等の濾過方法により卵黄脂質を含有
したアルコール画分を除去し、必要に応じ濾過残渣に前
記アルコールをさらに作用させて抽出・濾過後、濾過残
渣を乾燥させて水分やアルコールを蒸発させる。
【0012】次に、加水分解の処理法の一例を説明す
る。 A.酸加水分解法 脱脂卵黄1部に対し、5〜40部の0.5〜6mol/
Lの塩酸、あるいは0.25〜7.5mol/Lの硫酸
を添加し、例えば常圧下では50〜100℃で30分〜
24時間程度加水分解処理し、中和後、濾過、必要に応
じ更に脱塩し、脱脂卵黄の分解物の水溶液を得る。
【0013】B.酵素分解法 脱脂卵黄1部に対し、10〜40部の清水を加え、蛋白
質分解酵素、例えばパパイン、パンクレアチン等を脱脂
卵黄に対し0.5〜20%となるように添加し、酵素の
至適pH及び温度にて5〜40時間程度加水分解処理
し、加熱により酵素を失活後、濾過し脱脂卵黄の分解物
の水溶液を得る。
【0014】C.アルカリ加水分解法 脱脂卵黄1部に対し、5〜40部の0.5〜3mol/
Lの水酸化ナトリウム、あるいは水酸化カリウムを添加
し、例えば常圧下では40〜100℃で30分〜8時間
程度加水分解処理し、中和後、濾過、必要に応じ更に脱
塩し、脱脂卵黄の分解物の水溶液を得る。
【0015】D.酸及び酵素分解を併用した方法 脱脂卵黄1部に対し、5〜40部の0.5〜6mol/
Lの塩酸、あるいは0.25〜7.5mol/Lの硫酸
を添加し、例えば常圧下では50〜100℃で30分〜
24時間程度加水分解処理し、次に、蛋白質分解酵素の
至適pHに調整後、蛋白質分解酵素を脱脂卵黄の乾物に
対し0.1〜20%となるように添加し、酵素の至適温
度にて5〜40時間程度加水分解処理し、加熱より酵素
を失活後、濾過、必要に応じ脱塩し、脱脂卵黄の分解物
の水溶液を得る。
【0016】各種加水分解法で得られた脱脂卵黄の加水
分解物の水溶液は、所望により凍結乾燥(フリーズドラ
イ)、噴霧乾燥(スプレードライ)又は静置乾燥(パン
ドライ)等の乾燥法で乾燥物としてもよい。
【0017】最後に、上述の方法等により得られた脱脂
卵黄の加水分解物を通常の卵製品に添加する。添加方法
としては、例えば、厚焼き卵の場合、全卵、卵白と卵黄
の含有量を調整した卵液、あるいは油脂や色素を添加し
た卵白等に対して、醤油、出し汁、砂糖等の調味液とと
もに脱脂卵黄の加水分解物を添加し均一に混ぜ合わせ、
鳥のささみ、椎茸、銀杏、人参等の具材を入れるなどし
て、常法に従い焼き上げたり、蒸し上げればよい。味付
け茹で卵の場合は清水、醤油、出し汁等でつくった調味
液に脱脂卵黄の加水分解物を添加し、その調味液に殻を
剥いた茹で卵を付け込み味を染み込ませればよい。
【0018】本発明の卵製品には、上述の食品原料以外
に各種食品原料を適宜選択し配合することができる。例
えば、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェラ
ンガム、タマリンド種子ガム、澱粉、化工澱粉等の増粘
剤、また、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、リン脂質、リ
ゾリン脂質等の界面活性剤、食塩等の調味料、サラダ
油、菜種油、オリーブ油等の食用油脂が挙げられる。
【0019】このようにして得られる卵製品が、より一
層、従来の卵製品にはなかった卵の風味がでてくるのか
詳しくはわからないが、脱脂卵黄の加水分解物が新たな
卵の風味を付与する、あるいは、脱脂卵黄の加水分解物
と卵にもともと含まれている何らかの成分の相乗効果に
よって、新たな卵のコクや旨味が強められるからではな
いかと推察される。なお、脱脂卵黄の加水分解物単独で
は、醤油風味を感じるものである。
【0020】次に、本発明を実施例及び試験例に基づ
き、さらに詳細に説明する。
【0021】
【実施例】[実施例1] A.脱脂卵黄の調製 鶏卵を割卵し、卵白液から分離して得られた卵黄液10
kgを、噴霧乾燥法により水分を除去し乾燥卵黄4.8
kgを得た。この乾燥卵黄4kgに95容量%エタノー
ル20Lを加え、30℃で30分間攪拌後、濾過により
卵黄脂質を含有したアルコール画分を除去した。さら
に、濾過残渣を95容量%エタノール2Lで洗浄後、濾
過し、残渣中の卵黄脂質を除去した。次に、この濾過残
渣を減圧下50℃でエタノールを除去して脱脂卵黄1.
7kgを得た。なお、この脱脂卵黄は、卵黄脂質を約1
5%含有していた。
【0022】B.脱脂卵黄の酸加水分解物の調製 前述の方法で得られた脱脂卵黄1kgに2mol/L塩
酸溶液を10L加え、90℃で3時間攪拌処理した。次
に、4mol/L水酸化ナトリウム水溶液で中和後、濾
過し、電気透析で脱塩し、得られた溶液を噴霧乾燥し脱
脂卵黄の酸加水分解物を得た。
【0023】C.厚焼き卵の調製 全卵500gに鰹だし30g、醤油30g、砂糖20g
及び前述の方法で得られた脱脂卵黄の酸加水分解物0.
5gを均一に混ぜ合わせ、卵汁を調製する。卵焼き鍋を
加熱して油を塗り卵汁の半分を流し入れて8分通り焼け
たら向こう側へ手前に巻き込み向こう側へずらしてお
く。空いているところにあぶらを塗り、残りの卵汁を流
し入れて同様に繰り返し、強火のまま焦げ目をつけて焼
き上げ、厚焼き卵を調製した。
【0024】[実施例2]実施例1の脱脂卵黄1kgに
2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を10L加え、7
0℃で3時間攪拌処理した。次に、3mol/L塩酸溶
液で中和した後、濾過し、電気透析で脱塩し、得られた
溶液を噴霧乾燥し脱脂卵黄のアルカリ加水分解物を得
た。脱脂卵黄の酸加水分解物を、アルカリ加水分解物に
変えた以外は実施例1と同様の方法で厚焼き卵を調製し
た。
【0025】[実施例3] A.脱脂卵黄の調製 鶏卵を割卵し、卵白液から分離して得られた卵黄液10
kgを、噴霧乾燥法により水分を除去し乾燥卵黄4.8
kgを得た。この乾燥卵黄4kgに98容量%エタノー
ル20Lを加え、30℃で30分間攪拌後、濾過により
卵黄脂質を含有したアルコール画分を除去した。さら
に、濾過残渣を98容量%エタノール2Lで2回洗浄・
濾過し残渣中の卵黄脂質を除去した。次に、この濾過残
渣を減圧下50℃でエタノールを除去して脱脂卵黄1.
5kgを得た。なお、この脱脂卵黄は、卵黄脂質を約4
%含有していた。
【0026】B.脱脂卵黄の酸及び酵素を併用した加水
分解物の調製 前述の方法で得られた脱脂卵黄1kgに1.5mol/
L塩酸溶液を15L加え、90℃で2時間攪拌処理し
た。次に、4mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH
6.0に調整後、蛋白分解酵素(ナガセ生化学工業株式
会社製、商品名「食品用精製パパイン」)20gを添加
し50℃で6時間攪拌処理した。次に、この酵素処理液
を90℃で30分間加熱処理を行い酵素を失活させ、活
性炭2kgで脱色後、濾過し、得られた水溶液を電気透
析で脱塩し凍結乾燥して、脱脂卵黄の酸及び酵素を併用
した加水分解物を得た。
【0027】C.厚焼き卵の調製 脱脂卵黄の酸加水分解物を、脱脂卵黄の酸及び酵素を併
用した加水分解物に変えた以外は実施例1と同様の方法
で厚焼き卵を調製した。
【0028】[実施例4]まず、鶏卵を割り、卵黄を除
き、卵白液を用意する。この卵白液1kgに対しサラダ
油50gを加え、攪拌し、更にカロテノイド色素を少量
加え、着色し、全体が均一な全卵色になるようさらに攪
拌し、擬似全卵を調製した。擬似全卵に対して食塩0.
2%、胡椒0.03%及び実施例3の方法で得られた脱
脂卵黄の加水分解物を乾物換算で0.1%加えて均一に
溶き、オムレツ原液とした。フライパンにバターを入れ
て溶けたところに溶いたオムレツ原液を流し入れ、フォ
ークで手早く大きくかき混ぜ外側が焦げ付かないように
絶えずフライパンをゆすりながら焼き上げ、全卵擬似オ
ムレツを調製した。
【0029】[実施例5]清水930gに、実施例3で
得られた脱脂卵黄の加水分解物1g、薄口醤油10g、
出し汁60gを均一に溶解して、茹で卵の調味液を調製
した。上記調味液と殻をむいた茹で卵500gを同じ容
器に入れて3日程漬け込み茹で卵に味を染み込ませ、味
付け茹で卵を調製した。
【0030】
【試験例】[試験例1]上述の実施例1乃至3で得られ
た厚焼き卵の10名の訓練されたパネラーによる風味試
験を行った。なお、評価方法は、脱脂卵黄の加水分解物
を添加せず、それ以外は実施例1と同様の方法で調製し
た対照品の厚焼き卵との比較によるものである。
【0031】
【表1】
【0032】〈パネラーの評価基準〉 −1 :対照品よりわずかに劣っている。 0 :対照品と同程度である。 +1 :対照品よりも優れている。 +2:対照品より非常に優れている。 表中の数字は10名のパネラーの平均点である。
【0033】表1より、脱脂卵黄の加水分解物を含有さ
せたものは、全てにおいて対照品と比較して卵のコクが
向上していることが理解できる。特に、実施例1の脱脂
卵黄の酸加水分解物、あるいは実施例3の酸及び酵素分
解を併用した分解物を用いたものは、卵のコクが向上し
ている上に、えぐみがなく、後味のよい、より一層の卵
の風味が向上し総合的に美味しい卵製品ができたことが
理解できる。
【0034】[試験例2]実施例4において、全卵擬似
オムレツに対する脱脂卵黄の加水分解物の添加率(乾物
換算)を表2に示す通りに変えた以外は同様な方法で全
卵擬似オムレツを調製し、10名の訓練されたパネラー
による風味試験を行なった。
【0035】
【表2】
【0036】〈表中の記号はパネラーに下記の通り評価
してもらった中で一番多い評価を記入したものであ
る。〉 □:卵の風味が物足りない。 ○:卵のコクがあり、美味しい。 ◎:卵のコク及び旨味があり、非常に美味しい。 △:卵の旨味は充分であり、わずかに卵のコクが強いと
感じる。
【0037】表2より、卵製品の風味を向上させるに
は、卵製品に対して脱脂卵黄の加水分解物を0.001
%以上添加すると卵のコクがあり、美味しく感じられ、
0.01%以上であると卵のコクと旨味があり非常に美
味しく感じられることがわかる。また、脱脂卵黄の加水
分解物の添加率は0.5%以下で、充分に卵のコクが付
与され、0.3%以下の添加率で、卵のコクと旨味があ
り、非常に美味しく感じられる卵製品が出来たことがわ
かる。なお、全卵で脱脂卵黄の加水分解物の添加率を変
えて実施例4と同様の方法でオムレツを作成し、試験例
2と同じ試験をしたところ、同様の結果が得られた。
【0038】[試験例3]上述の実施例5で得られた味付
け茹で卵の風味試験を試験例2と同様の方法で評価を行
った。なお、表中の対照品は、脱脂卵黄の加水分解物を
添加しないで実施例5と同様の方法で調製したものであ
る。また、評価基準は試験例2と同じである。
【0039】
【表3】
【0040】表3より、脱脂卵黄に加水分解物を味付け
茹で卵の調味液に添加すると、対照品と比較して、味付
け茹で卵の、特に卵白部に調味液が染み込み、卵のコク
と旨味が強まり、卵風味のしっかりしたより美味しい味
付け茹で卵が得られたことがわかる。
【0041】
【効果】以上述べたように、本発明では、脱脂卵黄の加
水分解物を添加することによって、全卵からなる卵製
品、茶碗蒸し等のように全卵含有量の少ない卵製品、あ
るいは卵黄と卵白の混合比率を変えた卵製品等に、従来
の卵製品では得ることができなかった新たな卵のコクと
旨味が付与された卵製品を得ることができる。また、脱
脂卵黄の加水分解物は、卵黄から調製された加水分解物
であることから、味付けとして化学調味料にたよらなく
ても、卵にコクや旨味をつけることができる。そして、
脂質やコレステロールを低減した卵製品や、全卵擬似製
品でも美味しいものを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀池 俊介 東京都府中市住吉町5丁目13番地の1キ ユーピー株式会社研究所内 (56)参考文献 特開 平7−67580(JP,A) 特開2001−78720(JP,A) 特開 平11−113533(JP,A) 特開 平6−189713(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱脂卵黄の酸加水分解物、あるいは酸及び
    酵素分解を併用した分解物を添加してなる卵製品。
  2. 【請求項2】脱脂卵黄の酸加水分解物、あるいは酸及び
    酵素分解を併用した分解物の添加率が、卵製品全重量に
    対して、乾物換算で0.001〜0.5%である請求項
    1記載の卵製品。
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