JP3391905B2 - 画像形成記録方法及びその装置 - Google Patents

画像形成記録方法及びその装置

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JP3391905B2 JP20164594A JP20164594A JP3391905B2 JP 3391905 B2 JP3391905 B2 JP 3391905B2 JP 20164594 A JP20164594 A JP 20164594A JP 20164594 A JP20164594 A JP 20164594A JP 3391905 B2 JP3391905 B2 JP 3391905B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
法を用いた画像形成記録方法および装置に関し、特に普
通紙に対するカラー耐水化記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方式を用いた
画像形成方法は、普通紙(PPC)を対象とする記録方
式において、インクの乾燥を早めかつ高い濃度を保つた
めに様々な手段を用いてきた。
【0003】すなわち、インクの乾燥を早める方法とし
て、第一には、インク自身の乾燥を早めるために、イン
クの成分を乾燥し易いものに変更して対応してきた。し
かしながら、インク自身が乾燥し易いためにヘッドの内
部でも乾燥が発生し、増粘・固着によるヨレや不吐出が
発生して著しい画像品質の低下を招き信頼性を低下させ
ていた。また、特にカラー画像を普通紙に記録する場合
などは、単位面積当たりのインク打ち込み量が単色カラ
ーも含むモノクロの2倍以上になるために、画像にじ
み、定着不良、紙のコックリングによるヘッドこすれな
どの弊害が発生し、問題があった。
【0004】第二には、インクの乾燥を早めるために画
像形成装置自身にヒーターなどのインク乾燥手段を設け
て対応してきた(特開昭62−130863号公報)
しかしながら、インクの乾燥を早めるために記録材を暖
めるときに、インクからの蒸発物質が記録ヘッドの吐出
面を濡らし、濡れによるヨレや不吐出が発生して著しい
画像品質の低下を招き、信頼性を低下させていた。ま
た、特にカラー画像の場合には、単位時間・単位面積当
りのインク打ち込み量が2倍以上となり、にじみや定着
不良が発生し問題があった。さらに、この傾向は、記録
速度の高速化にともなってますます顕著になってきた。
【0005】第三には、インクの乾燥を助けるために、
マルチパス印字方法を工夫し、複数回の繰り返し印字、
すなわち、多パスや千鳥印字などの組み合わせによっ
て、一度に打ち込まれるインクの量を制限したり定着時
間を稼いだりしていたが、記録速度の低下を招いたりカ
ラー画像によるインク打ち込み量の増加には対応しきれ
なかった。
【0006】また、高濃度を保つための方法として、第
一には、インク成分や染料濃度を変更することにより、
紙面上になるべく多くの染料を残すように工夫したが、
インク自身が乾燥し易いためにヘッドの内部でも乾燥が
発生し、増粘・固着によるヨレや不吐出が発生して著し
い画像品質の低下を招き信頼性を低下させた。
【0007】第二には、多パスや千鳥印字などの組み合
わせ等によって複数回の繰り返し印字を行い、単位面積
当たりの染料濃度を増して高濃度を発生させていたが、
逆に定着性を悪くしたり記録速度の低下をもたらしたり
していた。
【0008】このように、文字画像を記録したときに
は、通常の染料では耐水性がなく、唾や濡れた手で触る
と文字がにじむなどの弊害があった。これらの問題を解
決するために、顔料インクの使用や耐水染料の使用が試
みられているが、いずれも水溶液に対しては不溶化され
た物を使用しなければならず、記録ヘッド部を詰まらせ
るなどの問題を有していた。
【0009】一方、インクに耐水性を持たせるための工
夫として、顔料インクの採用においては、信頼性の低下
を避けるために高価な回復手段が必要となったり、また
カラー記録時の色味の低下やOHPの光透過性悪化にな
ったり、問題を生じていた。
【0010】耐水インクの採用においては、信頼性の低
下を避けるために顔料インクと同様の手段が必要であ
り、またカラー染料に耐水性を持たせると染料自身の光
の吸収スペクトルが広がりカラー記録時の色再現性の低
下などの問題があった。
【0011】特開昭64−63185号公報には、染料
を不溶化する無色のインクをインクジェット記録ヘッド
によって記録紙上に付着させる技術が開示されている。
また、特開平5−202328号公報には、カルボキシ
ル基を有する化学染料を含むインクと多価金属塩溶液と
を使用して、多価金属塩溶液を印字した後に、インクを
印字して耐水性とカラーブリードのない画像を得る技術
が開示されている。しかしながら、これらの方法では、
染料を不溶化する溶液が本体内で接触した場合、記録装
置の故障を引き起こし、一方、単位面積あたりのインク
打ち込み量が単色の場合は約2倍、カラーの場合も最低
約1.5倍にもなり、記録媒体のコックリングや定着不
良を発生するなどの問題を有していた。
【0012】本発明者らは、先に上記のような従来技術
における課題を解決するために、インクを吸収するため
の吸水性樹脂粒子を記録材に塗布し、この吸水性樹脂粒
子上にインクジェット記録ヘッドを用いてインクを吐出
し、次いで吸水性樹脂粒子を記録材に定着させて画像を
形成させる画像形成方法および装置を提供した(特開平
5−96720号公報参照)。しかし吸水性樹脂粒子
では、インクの染料との反応が不十分で、耐候性問題を
有していた。さらに、吸水性樹脂粒子の膨潤による凹凸
や画質劣化マイグレーションなどの問題も有していた。
【0013】また、従来のインクジェット記録方式は、
インクのミストなどの発生から浮遊インクが記録ヘッド
に再付着したり、着弾したインク滴が跳ね返る現象も観
察されており、印字下流側の記録ヘッドにそのインク滴
が付着する等、記録ヘッド上でも問題を起こす可能性が
あり、更に高画質を得るためには、記録ヘッドと記録媒
体の距離を近づけたり、吐出スピードを高速化して着弾
位置の精度を増す必要があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、記録材
上に画像を形成する画像形成記録方法であって、下記工
程(i)及び、工程(ii−1)又は工程(ii−2)
を有していることを特徴とする画像形成記録方法が提供
される: (i)インク中のアニオン性染料と反応するカチオン性
さきがけ液がカプセルに封入されているカプセルさきが
け粒子を記録材に付与する工程; (ii−1)記録材に付与したカプセルさきがけ粒子上
にインクジェット記録ヘッドでアニオン性染料を含むイ
ンクを吐出してカプセルさきがけ粒子のカプセルを溶か
し、インクとカチオン性さきがけ液とを反応させる工
程; (ii―2)記録材に付与したカプセルさきがけ粒子の
カプセルを圧力又は熱で破壊し、カプセルさきがけ粒子
中のカチオン性さきがけ液を記録材に塗布、浸透させる
と共に、アニオン性染料を含むインクを記録材上のカチ
オン性さきがけ液と反応するように記録材に吐出する工
程。
【0015】本発明よれば、更に、上記画像形成記録方
法の実施に好適な、前記カプセルさきがけ粒子を記録材
に塗布する手段、インクを吐出させる手段(インクジェ
ット 記録ヘッド)およびインクとさきがけ液を反応させ
記録材に定着させる手段を有する画像形成装置を提供す
るものである。カプセルさきがけ粒子を記録材に塗布す
る手段においては、カプセルさきがけ粒子を帯電させる
手段と帯電粒子を転写させる手段となっていることが好
ましい。また、カプセルさきがけ粒子はインク吐出前に
あらかじめ記録材に破壊されるためにカプセルを熱溶解
させるための手段もしくはカプセルさきがけ粒子を圧力
により破壊するための手段を有することがある。
【0016】上記した本発明によれば、どのような記録
材にもインクジェット記録を行うことが可能であり、し
かもカラー画像を印字してもにじみや汚れなどの弊害の
ない画像を提供できる。
【0017】本発明の参考例の画像形成記録方法に採用
するカチオン性さきがけ樹脂粒子について以下に説明す
る。
【0018】カチオン性さきがけ樹脂粒子に求められる
条件は、インク中のアニオン性染料と反応し不溶化する
ことはもちろん、インクを吸収し、帯電性を必要とする
ので絶縁物質であることが望ましく、かつ導電性の粒子
に対しても塗布可能であることが望ましい。さらに、記
録材に定着させるために熱溶解性を有していること、ま
た、インクと反応し吸収した後や定着後の混色状態を良
好なものとしかつ色再現性に優れるためには透明物質で
あることが望ましい。
【0019】従って、これらの要件を満足するカチオン
性さきがけ樹脂粒子としては、インク中のアニオン性染
料と反応し吸水性を有する熱可塑性樹脂、荷電制御剤、
および例えばクリーニング剤、流動化剤、充填剤等の通
常用いられる添加剤から形成されることが望ましい。
【0020】アニオン性染料と反応する物質としては、
カチオン性モノマーがあり、下記モノマーの4級化され
た化合物であることが望ましい。
【0021】N、N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、CH2=C(CH3)−CONH−CH2CH2
(CH32 N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、CH2
CH−CONH−CH2CH2N(CH32 N、N−ジメチルアミノアクリルアミド、CH2=CH
−CON(CH32 N、N−ジメチルアミノメタアクリルアミド、CH2
C(CH3)−CON(CH32 N、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、CH
2 =CH−CONH−C 3 6 N(CH 3 2 N、N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、C
2=C(CH3)−CONH−C36N(CH32 などである。4級化するには、塩化メチル、ジメチル硫
酸、ベンジルクロライド、エピクロルヒドリンなどを用
いて常法で行えばよい。また、ポリアリルアミン塩酸
塩、トリブチルアミン塩酸塩などを含むものであること
が好ましく、これらの物質は通常5〜50重量%の範囲
で樹脂粒子中に含まれる。また、本発明で用いられるカ
チオン性のポリマーとしては、例えば、三井サイアナミ
ッド(株)社製のACCOSTAR/C124(コアシ
ェルタイプのカチオン性エマルション)エマルション形
態のポリマーを十分に乾燥して固化し、粉砕法などによ
って所望の粒度分布に粉砕し、これらのポリマー表面を
上記で述べたカチオン性基を有した表面改質剤などで処
理また反応させたものを用いることが望ましい。樹脂粒
子を構成する樹脂としては吸水性を有する熱可塑性樹脂
であることが好ましく、アクリル酸、メタアクリル酸、
ビニルピロリドン、アクリルアミド、メタアクリルアミ
ドなどの親水性モノマーの単独重合体および共重合体、
またスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テルなどのモノマーとの共重合体、水溶性ポリエステ
ル、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロー
スなどがあり、これらを単独で用いても良く、また従来
のトナーに用いられているバインダーと混合して用いて
も良い。前記した荷電制御剤としては、ニグロシン染
料、脂肪酸金属塩、アゾ系合金染料などがあり、添加剤
としてはコロイダルシリカ、アルミナ、金属石鹸、ポリ
弗化ビニリデンなどがあげられる。
【0022】本発明におけるカチオン性さきがけ樹脂粒
子は、これらの構成要素を適宜溶融混合し、粉砕して作
成すれば良い。また、粒径に関しては、塗布工程を効率
よく行う必要から、現像用トナーとほぼ同等の粒子径で
あることが望ましく、5μm以上20μm以下であるこ
とが望ましい。
【0023】上記したカチオン性さきがけ樹脂粒子の大
きさに関して、粒子直径D(μm)は、インクの単位面
積当たりの打ち込み量V(μg/mm 2 ・インク滴の
大きさVd(ng/dot)・記録速度f(KHz)
深く関係し、f・V・Vdが大きいほどDは小さいこと
が望ましく、その理由は粒子径による比表面積割合(表
面積/体積)と関係し、比表面積が大きなものほど反応
が確実に起こり、反応速度が早くなって、単位体積当た
りの反応量も多くなるからである。
【0024】本発明におけるカチオン性さきがけ液は、
記録材に塗布することを可能とするために、透明なカプ
セルトナーの中にさきがけ液を含有させて一緒にバイン
ダーとして混合したものを塗布し、圧力によりカプセル
を破壊してさきがけ液を容易に塗布することができる。
このようなカプセルさきがけ粒子の構造を図8に簡単に
示す。カプセルの厚みは例えば約0.2μmで、粒子の
直径は約8μm程度である。圧力でカプセル状のさきが
け粒子が潰れるためには粒子の直径が5から20μmの
範囲であることが望ましい。粒子の直径が5μmより小
さいと、記録媒体の繊維の間に入り込んでしまい、圧力
のみによる方法では完全には潰れない。また、20μm
より大きいと、塗布性の低下や潰れたときにさきがけ液
の量が多くなりすぎ、逆にコックリングやにじみを発生
する傾向がある。なお、カプセルの厚みは、図8に示す
ように、インクとの接触によってカプセルが溶解し、さ
きがけ液と接触するタイプ(図8(1))と、圧力また
は熱によってカプセルが破壊されるタイプ(図8
(2))とによって相違する。
【0025】本発明の画像形成記録方法は、代表的には
記録材として普通紙(PPC)を用いる場合、画像記録
においてシリアル印字方式を用いる場合およびカラー画
像記録においてカプセルさきがけ粒子印字方式を用いる
場合において採用されるが、記録材として透明なPET
フィルムおよび綿から化学合成繊維等を材料とした布を
用いた場合も含めて、以下に実施例により詳細に説明す
る。
【0026】
【実施例】参考例1 図1は本参考例の特徴を最もよく表す図面である。記録
として普通紙(PPC)を用いたものである。
【0027】まず、図に示されていない紙搬送手段によ
って記録材1が搬送され、帯電部2で記録材の表面に正
(負)の電荷3を全面に帯電させる。次に、エマルショ
ンから乾燥・粉砕したACCOSTAR/C124(三
井サイアナミッド社製)にカチオン性モノマーの重合に
よって表面改質処理を行ったものからなるさきがけ樹脂
粒子7を塗布部4で十分に攪拌して塗布ローラ6とゴム
ブレード5との間で摩擦帯電させ負(正)の電荷を発
生させる。塗布ローラは図に示されていない駆動方法に
よって矢印aの方向に回転しながら負に帯電したさきが
け樹脂粒子7を搬送する。Iの領域でさきがけ樹脂粒子
7を記録材1に接触させることで塗布が行われる。次
に、除電部8で、記録材1とさきがけ樹脂粒子7の電荷
を取り除く。
【0028】そして、記録部9でインクジェット記録ヘ
ッド10によりインク滴11を図に示されていない電気
的駆動手段を用いて吐出させ、IIの領域でさきがけ樹
脂粒子7にインク(インク滴11)を吸わせ不溶化反応
させる。ここではじめて記録材上に所望の画像が形成さ
れる。最後に定着部12でインクと反応した状態で、さ
きがけ樹脂粒子7は、ヒートローラ13−aとローラ1
3−bとの間で熱と圧力をかけられて記録材1に定着さ
れる。以上の工程を経て本発明による画像形成が終了す
る。
【0029】ここで、本発明の各工程を各部を拡大した
図面を用いて更に詳しく説明する。本発明は大きく分け
て3つの工程、すなわち、塗布・記録・定着の工程から
構成されている。
【0030】塗布工程では図2に示すように帯電・塗布
・除電が行われる。帯電器2によって空気をイオン化さ
せて正(負)の電荷を記録材上に付着させて反対の電荷
を持った荷電粒子(さきがけ樹脂粒子)を電気的に容易
に吸着させるようにする下準備を行っている。帯電器の
方式は、本発明の方式に限らず、公知の方法でよく記録
1上に帯電させられればどのような方法でも良い。こ
参考例では、帯電器2にかける電圧は直流で約6KV
であった。
【0031】つぎに、さきがけ樹脂粒子7の帯電方法で
あるが、一般的には絶縁性粒子の帯電方法として広く知
られている電子写真方式の現像方法を応用すればよい。
従って、さきがけ樹脂粒子7は絶縁性の粒子であること
が望ましく、体積抵抗で1012Ω・cm以上であること
が望ましい。
【0032】絶縁性粒子の帯電は、金属ローラとゴムブ
レードとの周擦によって帯電するものであって、粒子を
構成する材料によって正または負の電荷が発生し、帯電
することになる。また、粒子の帯電性をコントロールす
るためには、材料の選別と2次的な介在粒子を混在させ
る方法を採用すれば良い。詳しいことは本発明の主旨を
はずれるのでここでは説明しないが、公知の方法を利用
すれば帯電性はコントロール可能である。
【0033】従って、負(正)に帯電した荷電粒子は、
ローラの回転と共に記録材面に近づいて正電荷と負電荷
のお互いの電荷同士が電気的引力によって引き合うため
に、さきがけ樹脂粒子7が記録材1上に塗布されるので
ある。この時、更に塗布効率をあげるために、バイアス
電源等を加えることにより塗布をより簡単に行うなどの
方法を採用しても良い。また、インクジェットのインク
打ち込み量に応じて、塗布量をコントロールすればよ
く、打ち込み量が多い場合は塗布量を多く、すなわち、
多層コートとし、逆にインク打ち込み量が少ない場合に
は塗布量を少なく、すなわち、1層コートに近くすれば
良い。ちなみに、さきがけ樹脂粒子7の帯電量は5μc
/g以上が望ましい。つぎに、記録材上に付着した粒子
は、電荷を持ったまま次の記録工程で記録する際、電界
による偏向が発生し好ましくないので、両者を除電する
ことが望ましい。除電方法としては公知の方法を容易に
利用できる。
【0034】本参考例では、絶縁性粒子を用いて塗布す
る方式について説明したが、導電性を有する粒子に対し
ても導電性トナーの現像方式と同様にして塗布すること
が可能である。
【0035】記録工程は、図3に示すようにインクジェ
ット記録ヘッドによって実際にカラー画像記録を行う工
程である。
【0036】図面には記録材1上に1層コートされ付着
し搬送されてきたさきがけ樹脂粒子7にそれぞれの記録
ヘッド(ブラック用 10−a・シアン用 10−b・
マゼンタ用 10−c・イエロー用 10−d)から画
像に応じた印字信号をもらって順次インク滴(ブラック
11−a・シアン 11−b・マゼンタ 11−c・
イエロー 11−d)が吐出され記録されていく様子
を示した。この場合には、印字信号が同一画素上には重
ならないように印字信号を制御してあり、並置混色によ
ってカラー画像を形成している。従って1つの画素には
1色以上のインクが打ち込まれないようにしてある。
【0037】本参考例で用いられるさきがけ樹脂粒子の
組成は、例えば以下のようなものである。 〈さきがけ樹脂粒子の成分組成A〉 メタアクリルアミド 52部 カチオン性ポリマー(商品名;ACCOSTAR/C124、三井サイアナミ ッド(株)製) 45部 ニグロシン染料 2部 コロイダルシリカ 1部 〈さきがけ樹脂粒子の成分組成B〉 アクリル酸 60部 カチオン性ポリマー(商品名;ACCOSTAR/C124、三井サイアナミ ッド(株)製) 38部 ニグロシン染料 1.5部 ポリフッ化ビニリデン 0.5部 その他(インク組成)
【0038】ここで用いられるインク組成は例えば、以
下のような物である。 イエローインク(Y) C.I.ダイレクトイエロー−86 2部 (染料) チオジグリコール 10部 (水溶性有機溶剤) アセチレノール 0.05部 (添加剤) 水 残部 マゼンタインク(M) C.I.アシッドレッド−289 2.5部 チオジグリコール 10部 アセチレノール 0.05部 水 残部 シアンインク(C) C.I.アシッドブルー−9 2.5部 チオジグリコール 10部 アセチレノール 0.05部 水 残部 ブラックインク(K) C.I.フードブラック−2 3部 チオジグリコール 10部 アセチレノール 0.05部 水 残部 インクは、通常、染料と水と水溶性有機溶剤と添加剤か
ら構成される。染料は、0.1から10%(好ましく
は、0.1から4%)、水溶性有機溶剤は、5から60
%(好ましくは、5から40%)、添加剤は、0.01
から10%(好ましくは、0.01から5%)で水はそ
の残りでよい。
【0039】図4は、記録材1上に4層コートされ付着
し搬送されてきたさきがけ樹脂粒子7にそれぞれの記録
ヘッド(ブラック用 10−a・シアン用 10−b・
マゼンタ用 10−c・イエロー用 10−d)から画
像に応じた印字信号をもらって順次インク滴(ブラック
11−a・シアン 11−b・マゼンタ 11−c・
イエロー 11−d)が吐出され記録されていく様子を
示した。この場合には、印字信号が同一画素上でも重な
ってよいように印字信号を制御してあり、完全混色によ
ってカラー画像を形成している。従って1つの画素には
最大4色のインクが打ち込まれる場合もある。この時の
特徴としては、4層コートの粒子層において最初に打ち
込まれたインクが一番上層の粒子に吸収され、2番目に
打ち込まれたインクが一番上層から2番目の層、3番目
に打ち込まれたインクが一番上層から3番目の層、4番
目に打ち込まれたインクが一番上層から4番目の層と打
ち込み順序に応じて吸収される層が定まっていることで
ある。従って、4色同時に同一画素に打ち込まれた場合
のみ4層を全て使用して反応することになるわけであ
る。他の場合は同様にして反応する層が打ち込みインク
の順序と前の履歴によって決定されるのである。さら
に、インク滴1滴を受けとめるために1粒の粒子のみで
反応する必要はないのでインクの量に応じて複数の粒子
でインクと反応しても良い。
【0040】本参考例では、記録ヘッドのノズル数は3
200のフルマルチタイプで記録速度が4KHz、記録
ヘッドの解像度は400DPI(Vd=30ng/do
t)で、最大インク打ち込み量Vは22μg/mm 2
あり、この時に使用したさきがけ樹脂粒子径Dは20μ
mであった
【0041】この様に多量のインクを使用してもさきが
け樹脂粒子7がしっかりとインクと反応してくれるので
記録材1の材質に関係なくインクあふれによるにじみの
発生がないので、切れの良いカラー画像が得られる。
【0042】定着工程は、図5に示すように画像の形成
が終わり、インクを含んださきがけ樹脂粒子7を記録材
1にしっかりと付着させると共にカラー画像の命でもあ
る色再現性を出す工程である。
【0043】記録材上に付着して搬送されてきたさきが
け樹脂粒子7’は定着部12においてヒートローラ13
−aとローラ13−bとの間にはさまれ、瞬時に熱と圧
力が加えられることによって熱溶解され変形されて記録
に接着すると同時に、更にローラ面による圧力変形で
平面性が保たれて光沢のある透き通ったカラー画像に
仕上げられる。ちなみに、この参考例ではローラ部での
ニップ幅は約5mmであり、ヒートローラの温度を約1
20℃に制御して定着させている。定着温度などの条件
は材料やインクの吸収量によって決定されるのでそれぞ
れ最適化させれば良い。
【0044】従って、さきがけ樹脂粒子7には帯電性の
ほかに熱溶解性が必要となり、そのような材料が選択さ
れることが望ましい。
【0045】上記の構成は、画像形成装置としてカラー
複写機にも好適に応用することができる。また、この例
では、インクでの印字に関係しない部分にまで塗布を行
っているが、例えば、LBPに用いられている画像デー
タの形成方法のような電子写真技術を応用してインクの
印字に必要な部分のみに塗布を行うように工夫しても良
い。
【0046】従って本参考例を用いれば、塗布が可能な
もののみであれば、どの様な記録材にもインクジェット
記録を行うことが可能であり、しかも、カラー画像を印
字してもにじみや汚れなどの弊害のない画像を提供する
ことができる。さらに、画像形成時にインクの染料と反
応して染料が不溶化するため完全な耐水性が得られる。
また、さきがけ樹脂粒子により染料を保護できるために
耐候性(耐水性:万一未反応部分が存在してもそれをカ
バーできる耐オゾン性および耐光性)の向上も可能とな
った。
【0047】参考例2 シリアル印字方式(カラー画像記録) 本発明の第2の参考例について述べる。図6にこの参考
に用いたシリアル印字方式のカラープリンターの装置
図を示した。図7はこの参考例の特徴を最もよく表す図
面である。
【0048】帯電部2の帯電方式には小型化した低圧の
帯電方式である接触帯電方式を用いており、塗布部4で
は、これも小型化するために塗布をシリアル方式で行っ
ており、さらに記録材全面に均一に塗布を行えるように
現像バイアス方式、すなわち電界を加えながら塗布を行
う方式を用いた。従って、塗布量の制御もバイアス電圧
を変えることで容易となり、インク打ち込み量に応じて
変えることも可能となっている。記録部9のインクジェ
ット記録ヘッド10は吐出ノズル数が128と少ないた
めにシリアル印字によって記録・画像形成を行うもので
ある。この参考例ではシリアル記録方式を採用している
ので、単位時間に打ち込まれるインク量が少なくできる
と共に、定着は行わないでインクとさきがけ樹脂粒子と
の反応のみで記録媒体染料を不溶化して付着するように
工夫されている。そのため、さきがけ樹脂粒子は、イン
クの水分で短時間に溶解し、さきがけ樹脂粒子のさきが
け成分とインクの染料が反応して、溶媒の形態で記録材
に浸透することができる。従って、通常のさきがけイン
クを用いたのと同様な状態になって反応・浸透・記録を
行うことができる。
【0049】このようにして、この方式においても同様
に画像形成が可能であり、記録材によらず安定してイン
クジェット記録を行うことができた。
【0050】実施例1 カプセルさきがけ粒子印字方式(カラー画像記録) 本発明の第1の実施例について述べる。この実施例は印
字に用いたシリアル印字記録方式のインクジェットカラ
ー複写機に応用した例である
【0051】帯電部の帯電方式には小型化した低圧の帯
電方式である接触帯電方式を用いており、塗布部では、
これも小型化するために塗布をシリアル方式で行ってお
り、さらに記録材全面に均一塗布を行えるように現像バ
イアス方式(電界を加えながら塗布を行う方式)を用い
た。従って、塗布量の制御もバイアス電圧を変えること
で容易となり、インク打ち込み量に応じて変えることも
可能となっている。記録部インクジェット記録ヘッド
は吐出ノズル数が128と少ないためにシリアル印字に
よって記録・画像形成を行うものである。カプセルさき
がけ粒子としては、インクの印字前に圧力により記録媒
体に塗布したものを潰し、さきがけ液を記録媒体に浸透
塗布し、直後にインクを印字して反応するように工夫し
てある。この実験では、カプセルの厚みは約0.2μm
とし、粒子の直径は約8μmで実施した。
【0052】本発明で用いられるカプセル状のさきがけ
粒子は、カプセルの中にさきがけ液を封入したものが用
いられる。カプセルさきがけ粒子には、インクでカプセ
ルが溶けるタイプのものと圧力または熱でカプセルが
壊するタイプのものとがあり、これらは図8で示されて
いる。
【0053】さきがけ液とは、少なくともインク中に含
まれるアニオン性基を含む水溶性染料が低分子カチオン
性物質とイオン的相互作用によって会合体を形成するこ
とで所望の特性が得られる。この会合体形成反応速度は
極めて速い必要がある。
【0054】(1)低分子量カチオン性物質は、分子量
1000以下、好ましくは、100から700の低分子
カチオン性物質であり、その具体例としては、1級、2
級乃至は3級アミン塩型の化合物で、具体的にはラウリ
ルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、ロジンアミ
ン等の塩酸塩、酢酸塩等、第4級アンモニウム型の化合
物、具体的にはラウリルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化
ベンザルコニウム等、ピリジニウム塩型化合物、具体的
にはセチルピリジニウムクロライド、チエニルピリジニ
ウムブロマイド等、イミダゾリン型カチオン性化合物、
具体的には2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミ
ダゾリン等、高級アルキルアミンのエチレンオキシド付
加物、具体的にはジヒドロキシエチルステアリルアミン
等、が好ましい例としてあげられる。
【0055】さらに、本発明では、あるpH領域におい
てカチオン性を示す両性界面活性剤も使用可能である。
具体的には、アミノ酸型両性界面活性剤の化合物;R−
NH−CH 2 −CH 2 −COOH型の化合物;ベタイン型
の化合物、具体的にはステアリルジメチルベタイン、ラ
ウリルジヒドロキシエチルベタイン等のカルボン酸塩型
両性界面活性剤の他、硫酸エステル型、スルホン酸型、
燐酸エステル型等の両性界面活性剤等が挙げられる。も
ちろんこれらの両性界面活性剤を使用する場合にはそれ
らの等電点以下のpHになるように無色又は淡色の液体
を調整するか、記録媒体上でインクと混合した場合に該
等電点以下のpHになるように調整するかのいずれかの
方法をとる必要がある。
【0056】以上低分子カチオン性化合物の例を挙げた
が、本発明で使用することのできる化合物は必ずしもこ
れらに限定されないことは言うまでもない。
【0057】次に(2)ノニオン性高分子物質は、分子
量2000以上のノニオン性高分子物質が適当であり、
本発明における作用及び効果についてはやはり上述した
通り、無色の液体とインクの反応の第2段階として、上
述した染料と低分子カチオン性物質の会合体を分子中に
吸着せしめ、会合で生じた染料の凝集体のサイズをさら
に大きくして記録紙の繊維間の隙間に入り込みにくくす
ることにより、固液分離した液体部分のみを記録紙中に
しみこませることで印字品位と定着性の両立を達成する
ことにある。
【0058】(2)の具体例としては、ノニオン性の水
溶性高分子であるポリアクリルアマイド、ポリビニルピ
ロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水
溶性セルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルアルコール等が挙げられる
が、これらに限定されないことは言うまでもない。これ
らの高分子物質の分子量が2000以上であれば本発明
を実施する際にその効果は十分であるが、一層好ましく
は分子量が2000以上、10000以下の高分子物質
である。
【0059】また、本発明の効果を更に向上させるため
に、上記高分子物質の他にカチオン性高分子物質を併用
させても良い。これらのカチオン性高分子物質は、例え
ばポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミンスルホン塩酸
塩、ポリビニルアミン塩酸塩、キト酸酢酸塩等を挙げる
ことができるが、もちろんこれらに限定されるわけでは
ない。また上記の塩酸塩型、酢酸塩型に限定させるわけ
ではない。
【0060】このカチオン性高分子物質として、ノニオ
ン性高分子物質の一部をカチオン化した化合物を用いて
も良い。
【0061】具体的には、ビニルピロリドンとアミノア
ルキルアルキレート4級塩との共重合体、アクリルアマ
イドとアミノメチルアクリルアマイド4級塩との共重合
体等を挙げることができるが、もちろんこれらの化合物
に限定されないことは言うまでもない。
【0062】更に、上述した高分子物質及びカチオン性
の高分子物質は水溶性であれば申し分ないが、ラテック
スやエマルションの様な分散体であってもかまわない。
【0063】無色又は淡色の液体組成物中に含有される
これらの成分の量としては、重量基準で0.05〜20
重量%が好適な範囲であり、より好ましくは0.5〜5
重量%の範囲であるが、各々使用する物質の組み合わせ
により、最適な範囲を決定する必要がある。また、液体
組成物中の、(1)の低分子カチオン性物質と(2)の
高分子物質の混合割合は、重量基準で10:1〜1:1
0、好ましくは5:1〜1:5の範囲である。この割合
が10:1を越えると、印字物の耐水性が低下しやす
く、逆に1:10以下ではブリーディングの制御が不十
分で、画像のエッジシャープネスが低下しやすい。
【0064】つぎに前記無色又は淡色の液体組成物を構
成するその他の成分について具体的に述べる。
【0065】前記無色又は淡色の液体組成物は前述した
(1)、(2)の成分の他に通常、水、水溶性有機溶剤
及びその他の添加剤からなる。水溶性有機溶剤として
は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリ
コール類、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、
1、2、6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、
ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアル
キレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコー
ルの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール等の1価アルコール類の他、グリセリン、N−メ
チル−2−ピロリドン、1、3−ジメチルイミダゾリジ
ノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサ
ルホキサイド等が用いられる。
【0066】上記水溶性有機溶剤の含有量について特に
制限はないが、液体全重量の5〜60重量%、さらに好
ましくは、5〜40重量%が好適な範囲である。
【0067】この他、必要に応じて、粘度調整剤、pH
調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤、蒸発促進剤
等の添加剤を配合してもかまわない。界面活性剤の選択
は、液体の浸透性を調整する上で特に重要である。
【0068】本発明で述べる無色又は淡色の液体組成物
とは、記録インクの色調を変えない範囲の色調を有する
ものである。この無色又は淡色の液体組成物の物性とし
て好適な範囲は25℃付近で、pHは3〜12、好まし
くは3〜8、より好ましくは3〜5であり、表面張力は
10〜60dyn/cm、好ましくは10〜40dyn
/cmであり、粘度は1〜30cps.である。
【0069】つぎに、本発明で使用する記録インクにつ
いて説明する。
【0070】本発明で使用する記録インクは、上述した
アニオン性基を含有する水溶性染料と水、水溶性有機溶
剤及びその他の成分、例えば粘度調整剤、pH調整剤、
防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等を必要に応じて含
む。
【0071】本発明で使用するアニオン性基を含有する
水溶性染料としては、カラーインデックス(COLOU
R INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、
直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。また、
カラーインデックスに記載の下記の成分を混合溶解した
後、さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィ
ルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)
にて加圧瀘過し、無色の液体A1を得た。
【0072】 (さきがけ液の具体例) [A1の成分] カチオン化合物 ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド 1.5部 (商品名;BTBAC、三洋化成製) 高分子物質 アクリルアミド 0.05部 (商品名;サンフロックN−500P、三洋化成製) チオジグリコール 10部 界面活性剤 アセチレングリコール−EO付加物 0.5部 (商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカル製) 水 残部 この方式においても同様に画像形成が可能であり、記録
によらず安定してインクジェット記録が行えた。
【0073】実施例2 本発明の第2の実施例について述べる。この場合は、
録材として透明なPETフィルムを用いたTP(OHP
専用シート)に応用した。この実施例においては、通常
OHPで発生するビーディングや乾燥時間の増加を防止
する効果があり、また、1パス記録も可能になり、高速
記録を実現可能とした。
【0074】このように、この方式においても他の実施
例と同様に画像形成が可能である。
【0075】実施例3 本発明の第3の実施例について述べる。この場合は、
録材として布に応用した例を示す。通常、布の場合は、
印字後に染料の不溶化処理を行うが、この方式を用いれ
ば印字後の不溶化処理が省け、布記録を容易にできる。
【0076】このように、この方式においても同様に画
像形成が可能である。
【0077】参考例3 LBP&BJ形態の2色現像方式を応用した黒トナー&
さきがけ粒子とカラーインクジェット記録: 本発明の第3参考例について述べる。この参考例は公
知の電子写真方式の1回転(同時)2色現像方式を応用
したもので、1色は黒トナーの現像に2色目はさきがけ
粒子の現像に使用し、さきがけ粒子は、後に記録材に転
写されインクジェット記録によってCMY記録が行わ
れ、黒はLBP方式で文字品位を向上し、カラーはイン
クジェット記録+さきがけ液による反応を利用したカラ
ー記録方式である。
【0078】図9本参考例の特徴を表わした記録装置
の概念図を示す。20は感光体ドラムに帯電を施す帯電
器、21−aは不図示の記録信号部から送られてきた黒
画像データにもとづいて発光するレーザーダイオード
L.D(露光1)、21−bは不図示の記録信号部から
送られてきたCMY画像データのOR処理によって作成
された色信号にもとづいて発光するレーザーダイオード
L.D(露光2)、22−aは黒トナーを現像するため
の現像器1、22−bはさきがけ粒子を現像するための
現像器2、23は感光体ドラム25上の帯電粒子を記録
媒体に転写させるための転写ローラ、24は転写されな
かった残留の黒トナー、さきがけ粒子などをブレードに
よってクリーニングするためのクリーニングユニット、
10−a、b、cはインクジェット記録ヘッド(それぞ
れC、M、Y用)、13−a、bは定着ローラ対であ
る。
【0079】図10は上記装置の記録部の拡大図であ
り、これを用いて記録原理を示す。
【0080】まず、公知の方法によって記録材上に転写
された黒トナーとさきがけ粒子は、画像データ信号に基
づいて記録媒体上に黒トナーとさきがけ粒子が配置され
ている。この時、さきがけ粒子は画像信号から作成され
たCMYのOR処理を施したもので記録されている。次
に、カラー記録を行う場合にはインクジェット記録ヘッ
ドからCMYを順次記録する。このヘッドは3色一体型
の記録ヘッドで、CMYが順に各色32ノズルずつ縦方
向に並べられている(色間は8ノズル相当)。従って、
さきがけ粒子部に画像信号に基づいてCMYの1次色
(単色)、2次色R(MY)G(CY)B(CM)また
は3次色(CMY)を記録して行く。図10には、簡単
のため1層のモデルで説明しているが、図4で説明した
ように黒トナーとさきがけ粒子部分は複数の層で構成さ
れてもよい。続いて、カラー記録が終了した記録媒体
は、定着部に搬送されて定着される。この時、さきがけ
粒子は前記参考例で説明したように定着され、ここで
は、同時に黒トナーも定着される。
【0081】この方式で記録すると、従来のインクジェ
ットのみによるインクジェット記録の問題点であった黒
文字品位(ライン濃度、フェザリングなど)はLBPの
品位が得られつつ、低コストなカラー記録が行え、ま
た、CMYのみによるインクの打ち込みですむため、従
来よりもインク打ち込み量を増やすことが可能となり、
色再現範囲が広がる。さらに、さきがけ粒子を用いてい
るので、コックリングの発生を低減し、合わせて、ブリ
ード、発色、(耐水性、耐光性などの)耐候性が改善さ
れる。本参考例では、縦並びヘッド構成としたが、横並
び構成としても何ら問題はない。インクは前記参考例
同様にさきがけ粒子と反応するアニオン性染料を用いれ
ばよく、さらに、アニオン性顔料を用いても同様の効果
が得られる。
【0082】上記した参考例の他の効果としては、さき
がけ粒子の塗布により、ブリードや定着性が改善され、
1パス記録が可能となり、高速印字ができることであ
る。また、さきがけ粒子により、ヘッドの吐出量分布に
より発生する1パス記録時のヘッドの濃度ムラも浸透を
均一化するので低減される。
【0083】なお、参考例1および2においては、乾式
のさきがけ樹脂粒子を用いているので記録媒体の水分の
吸収による収縮や歪が発生しないし、記録媒体の形状変
化:コックリングが発生せず、マルチパス印字時の着弾
位置ずれなどによる影響が低減でき、高画質の達成が可
能となる。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、インクジェット記録ヘ
ッドを用いて画像を形成する方法および装置において、
インクの染料と反応するためのカプセルさきがけ粒子
記録材に塗布し、このカプセルさきがけ粒子にインクで
画像を形成する記録方法を採用するものであって、カプ
セルさきがけ粒子を記録材に塗布する手段と、インクを
カプセルさきがけ粒子上に吐出させる手段と、インクと
さきがけ液記録材に定着させる手段を有することを特
徴としている。本発明の好ましいカプセルさきがけ粒子
は帯電性と熱崩壊性あるいは圧力崩壊性を有するので
カプセルさきがけ粒子記録材に塗布する手段におい
て、カプセルさきがけ粒子を帯電させて、電子写真方式
の電界転写によって塗布を行い、記録材に付着させるこ
とができるので、どのような記録材料にもインクジェッ
ト記録を行うことが可能であり、しかも、カラー画像を
印字しても発色性を低下させる事無く完全耐水が実現可
能で、にじみや汚れなどの弊害のない画像を提供でき
る。従って、現在問題となっている普通紙に対するイン
クジェット記録方式によるカラー画像の形成を容易に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例1の構成を示した図面である。
【図2】参考例1の塗布部の拡大図である。
【図3】参考例1の記録部の拡大図である。
【図4】別の参考例1の記録部の拡大図である。
【図5】参考例1の定着部の拡大図である。
【図6】参考例1をカラー複写装置に応用した装置の斜
視図である。
【図7】本発明の第2の参考例を示した装置図である。
【図8】本発明の第1の実施例に用いられるカプセルさ
きがけ粒子断面の2つの例である。
【図9】本発明の第3の参考例を示した装置図である。
【図10】第3の参考例の記録形成部の拡大図である。
【符号の説明】
記録材 2 帯電部 3 電荷 4 塗布部 5 ゴムブレード 6 塗布ローラ 7 さきがけ樹脂粒子 8 除電部 9 記録部 10 インクジェット記録ヘッド 11 インク滴 12 定着部 13−a ヒートローラ 13−b ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−96720(JP,A) 特開 平5−246130(JP,A) 特開 平1−146786(JP,A) 特開 昭62−221592(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 B41J 2/01 B41J 29/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録材上に画像を形成する画像形成記録
    方法であって、下記工程(i)及び、工程(ii−1)
    又は工程(ii−2)を有していることを特徴とする画
    像形成記録方法: (i)インク中のアニオン性染料と反応するカチオン性
    さきがけ液がカプセルに封入されているカプセルさきが
    け粒子を記録材に付与する工程; (ii−1)記録材に付与したカプセルさきがけ粒子上
    にインクジェット記録ヘッドでアニオン性染料を含むイ
    ンクを吐出してカプセルさきがけ粒子のカプセルを溶か
    し、インクとカチオン性さきがけ液とを反応させる工
    程; (ii―2)記録材に付与したカプセルさきがけ粒子の
    カプセルを圧力又は熱で破壊し、カプセルさきがけ粒子
    中のカチオン性さきがけ液を記録材に塗布、浸透させる
    と共に、アニオン性染料を含むインクを記録材上のカチ
    オン性さきがけ液と反応するように記録材に吐出する工
    程。
  2. 【請求項2】 工程(i)が、カプセルさきがけ粒子を
    帯電させて、電界転写によって記録材に付与する工程を
    含んでいる請求項1に記載の画像形成記録方法。
  3. 【請求項3】 記録材に対してアニオン性染料を含んで
    いるインクを吐出するインクジェット記録ヘッド、 インクジェット記録ヘッドによる記録材へのインクの吐
    出に先立って、記録材に対して、インク中のアニオン性
    染料と反応するカチオン性さきがけ液を、インクによっ
    て溶けるカプセル内に封入してなるカプセルさきがけ粒
    子を記録材に付与する手段、および、 インクを、記録材上のカプセルさきがけ粒子に向けて、
    インクジェット記録ヘッドから吐出させ、該カプセルを
    溶かすと共に、インクとカチオン性さきがけ液を反応せ
    しめる手段、 を有していることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 記録材に対してアニオン性染料を含んで
    いるインクを吐出す るインクジェット記録ヘッド、 インクジェット記録ヘッドによる記録材へのインクの吐
    出に先立って、記録材に対して、インク中のアニオン性
    染料と反応するカチオン性さきがけ液をカプセル内に封
    入してなるカプセルさきがけ粒子を付与する手段、 記録材に付与されてなるカプセルさきがけ粒子のカプセ
    ルを圧力又は熱で破壊してカチオン性さきがけ液を記録
    材に浸透塗布する手段、および、 インクを、記録材上に付与された該カプセルの破壊によ
    り、記録材上に浸透塗布されてなるカチオン性さきがけ
    液と反応するようにインクジェット記録ヘッドから吐出
    させる手段、 を有していることを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 記録材に対して、インク中のアニオン性
    染料と反応するカチオン性さきがけ液をカプセル内に封
    入してなるカプセルさきがけ粒子を記録材に塗布する手
    段として、カプセルさきがけ粒子を帯電させる手段およ
    び帯電させたカプセルさきがけ粒子を記録材に電界転写
    させる手段を有している請求項3または4に記載の画像
    形成装置。
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