JP3391416B2 - 光記録情報読み出し方法および光記録情報読み出し装置 - Google Patents

光記録情報読み出し方法および光記録情報読み出し装置

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JP3391416B2 JP03882594A JP3882594A JP3391416B2 JP 3391416 B2 JP3391416 B2 JP 3391416B2 JP 03882594 A JP03882594 A JP 03882594A JP 3882594 A JP3882594 A JP 3882594A JP 3391416 B2 JP3391416 B2 JP 3391416B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光メモリ用の読み出し
装置(以下光ピックアップと称する)を用いた光記録情
報読み出し方法に関し、特に高密度光記録システムに好
適な光記録情報読み出し方法およびその実施に使用する
光記録情報読み出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報の記録・再生に光を用いる光メモリ
・システムは、大容量性、ビット当りの低価格性、およ
び媒体の可搬性といった長所を有する。このため、現在
では、コンパクト・ディスクやビデオ・ディスク等の読
み出し専用光メモリや、光磁気ディスクに代表される書
換え型の光メモリとして実用化されている。この種の光
メモリは、今後の情報化社会の進展に伴い、より一層の
大容量化、小型化が望まれている。
【0003】図20は光磁気ディスク用の光ピックアッ
プの一従来例を示す。この光ピックアップは、光源とな
る半導体レーザ素子1901、コリメータ・レンズ1902、ビ
ーム整形プリズム1903、第1のビーム・スプリッタ190
4、対物レンズ1905、光磁気記録媒体1906、第2のビー
ム・スプリッタ1907、λ/2板1908、偏光ビーム・スプ
リッタ1909、信号光集光レンズ1910、1911、PIN受光素
子1912、1913、トラッキングエラー/フォーカスエラー
検出用の光集光レンズ1915、トラッキングエラー/フォ
ーカスエラー検出用の受光素子1916及び光磁気記録媒体
(以下ディスクと称する)1906に磁界を印加するための
磁石1917を備えている。以下にこの光ピックアップの動
作を説明する。
【0004】半導体レーザ素子1901から斜め上方に出射
されたレーザ光は、コリメータ・レンズ1902によって平
行光に変換され、ビーム整形プリズム1903に入射する。
ビーム整形プリズム1903に入射したレーザ光は円形のビ
ームに整形される。ここで、半導体レーザ素子1901より
の出射光〜ビーム整形プリズム1903よりの出力光は、い
ずれも直線偏光である。
【0005】続いて、この直線偏光のレーザ光は、対物
レンズ1905によって集光され、その上に位置するディス
ク1906に照射される。ディスク1906には、デジタル情報
が垂直方向磁化として記録されており、レーザ光が反射
される際に、記録情報に従ってレーザ光の偏波面がカー
効果によって回転される。この時の偏波面の回転方向
は、記録されたデジタル情報(デジタル信号)”
1”、”0”に対応して反対になる。従って、この偏波
面の回転方向を検出すれば、デジタル情報”1”、”
0”を読み出すことができる。
【0006】ディスク1906により反射された信号光は第
1のビーム・スプリッタ1904により光路を90゜変更さ
れ、続いて第2のビーム・スプリッタ1907に入射し、こ
こで水平方向と垂直方向の2つの光に分岐される。分岐
された光のうち、水平方向の光はトラッキングエラー/
フォーカスエラー検出用ビームとなり、集光レンズ1915
により集光された後、受光素子1916に導かれ、光電変換
される。これにより、電気信号であるトラッキングエラ
ー/フォーカスエラー信号が得られる。
【0007】一方、垂直方向に分岐された光は、記録信
号検出用の光となり、λ/2板1908により偏波面が45
゜回転される。図21はこの状態におけるディスク1906
からの反射光の偏光成分を示す。ここで、ディスク1906
からの反射光には、ディスク1906により偏波面を回転さ
れた光2001と、その経路中に存在する各種の光学部品の
表面等からの反射に起因する非回転成分2002が重なった
状態になっている。そして、この重なった状態の反射光
を、λ/2板1908の出射側に設けられた偏光ビーム・ス
プリッタ1909が直交する2成分、即ち図21に示すs波
成分の光とp波成分の光に分離する。
【0008】p波成分の光は偏光ビーム・スプリッタ19
09をそのまま直進する。即ち、垂直下方に直進する。一
方、s波成分の光は偏光ビーム・スプリッタ1909により
光路を90゜変更されて、水平方向に向かう。続いて、
p波成分の光は集光レンズ1911に集光された後、高速PI
N受光素子1913に導かれ、光電変換される。同様に、s
波成分の光は集光レンズ1912に集光された後、高速PIN
受光素子1912に導かれ、光電変換される。2つの高速PI
N受光素子1913、1912によりそれぞれ光電変換された電
気信号は、差動増幅器1914により所定レベルに増幅さ
れ、かつその差分が検出される。従って、図21に示す
非回転反射光2002がキャンセルされ、結局、記録磁化に
より回転した光の成分である信号光2001のみが電気信号
として検出される。そして、差動増幅器1914の検出出力
により記録情報が復元される。
【0009】なお、図21に示す信号光2001では、p波
成分の方がs波成分より大きいため、差動増幅器1914の
検出出力、即ちp波成分−s波成分は、正の値の電気信
号になる。これに対して、信号光2001とは逆方向に偏波
面が回転した場合、即ち情報がディスク1906に反対方向
の磁化として記録されている場合は、s波成分の方が大
きくなるので、検出出力は負の電気信号となる。
【0010】上記の光ピックアップでは、記録情報を検
出する手段として、光強度の直接検波方式の差動増幅器
1914を備えているが、他の直接検波方式の検出手段を備
えた光ピックアップも公知である。いずれにしても、従
来の光ピックアップでは、光磁気ディスクに限らず、全
ての光ピックアップにおいて、光強度の直接検波方式が
採用されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光ディスク
・メモリは今後増々、大容量化・高速読み出し化(高速
アクセス化)が要請される傾向にある。このような要請
に答えるためには、記録媒体のさらなる高密度化、及び
ディスクの高速回転化を実現する必要がある。しかる
に、高密度化、高速回転化を図ると、これに伴って、1
ビット当りの占有面積はさらに小さくなり、反射強度が
弱くなると共に、1ビット当りの信号パルス幅も小さく
なる。即ち、1ビット当りの信号光エネルギが減少する
ことになる。
【0012】このような現状では、上記のような光強度
検出機構を有する光ピックアップでは、信号光パワーレ
ベルが受光回路におけるショット雑音や熱雑音のレベル
に近づいてくる。このため、現状の波長780nmの光を
用いたシステムでは、1Mビット/mm2以上の高密度
ディスクからの情報読み出しではビット誤り率が10- 5
以上となり実用上不都合なものになる。その理由は、直
接検波方式では反射光強度の減衰の4乗に比例して、ま
た情報読み出しレートの増大の1乗に反比例してC/N
値が劣化するためである。
【0013】このような従来の光ピックアップが有する
問題点を解決する1つの方法として、光源としてより短
波長のレーザ光を利用することが盛んに研究されてい
る。しかしながら、短波長レーザ素子の実用化のタイミ
ングが光ディスク・メモリの大容量化のニーズと必ずし
も一致しないことや、短波長光を用いたとしてもその波
長を用いてより大きな容量を有する光ディスク・メモリ
が必要になること等を考慮すると、結局、高感度の検出
システムを開発することが必要になる。
【0014】また、記録情報の高密度化に関しては、記
録媒体を多層にして実質的な記録密度を向上させる方法
も検討されているが、従来の多層記録媒体からの情報読
み出し方式では、多層の記録媒体からある特定の記録媒
体層を選択する手段として、レーザ光を集光照射するた
めのレンズの焦点深度のみを利用するものを用いてい
た。このため、読み出し対象以外の層からの情報が反射
光に重畳するおそれがあり、これらが雑音となるため、
十分なビット誤り率での情報の読み出しを達成できない
のが現状である。
【0015】上記の理由により、従来の光ピックアップ
では、今後の光ディスク・メモリのより一層の大容量
化、高密度化、高速アクセス化に対処することができな
い。
【0016】本発明はこのような従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、その目的は、1ビッ
ト当りの記録面積が小さくなり、読み出し信号光強度が
微弱になった場合や、ビットの読み出しレートが1Mbps
以上に高速化された場合であっても、高精度に記録情報
を読み出すことができる光記録情報読み出し方法および
その実施に使用する光記録情報読み出し装置を提供する
ことにある。
【0017】また、本発明の他の目的は、多層記録媒体
を有する光システムにおいて、ある特定の記録媒体層の
みからの信号を他層の影響なしに精度よく読み出すこと
ができる光記録情報読み出し方法およびその実施に使用
する光記録情報読み出し装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の光記録情報読み
出し装置は、記録媒体に照射されたレーザ光の反射光を
光電変換することにより該記録媒体に記録されたデジタ
ル情報を再生する光記録情報読み出し装置において、光
周波数ν1の第1レーザ光を発生させる第1レーザ光発
生手段と、光周波数ν2の第2レーザ光を発生させる第
2レーザ光発生手段と、該第1レーザ光と該第2レーザ
光の周波数の差(ν1−ν2)を、該デジタル情報の読み
出しレートR以上の一定値になるように保持する周波数
保持手段と、前記第1レーザ光発生手段にて発生されて
前記記録媒体にて反射された反射レーザ光と、前記第2
レーザ光発生手段にて発生されて該第2レーザ光発生手
段から直接照射される第2レーザ光とを合波する合波手
段と、該合波手段によって合波された光を光電変換する
光電変換手段と、該光電変換手段の出力に含まれる前記
反射レーザ光および第2レーザ光のビート信号成分の振
幅または位相の時間的変化を検出する信号検出手段と、
該信号検出手段の検出出力により該記録媒体に記録され
たデジタル情報を再生する再生手段と、を備えることを
特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0019】好ましくは、前記信号検出手段は、反射レ
ーザ光の振幅を、前記第2レーザ光の光強度によって任
意に設定される第2レーザ光の振幅に基づいて増幅させ
て反射レーザ光の振幅を検出する。
【0020】好ましくは、前記周波数保持手段は、前記
光電変換手段から出力される前記反射レーザ光および前
記第2レーザ光のビート信号成分から検出されるビート
周波数の検出値が、設定値と一致するように制御する帰
還制御手段を備えている。
【0021】本発明の光記録情報読み出し方法は、記録
媒体に照射されたレーザ光の反射光を光電変換すること
により該記録媒体に記録されたデジタル情報を再生する
光記録情報読み出し方法において、光周波数ν1の第1
レーザ光が記録媒体にて反射された反射レーザ光と、該
デジタル情報の読み出しレートをRとした場合に、ν1
−ν2≧Rの関係を満たすように光周波数ν2が設定され
レーザ光発生手段からコリメータレンズを介して直接
照射される第2レーザ光とを、波面が一致した状態で光
電変換して光コヒーレント検波を行って、光電変換され
た出力に含まれる該反射レーザ光および第2レーザ光の
ビート信号成分の振幅又は位相の時間的変化を検出し、
その検出結果に基づいて該記録媒体に記録されたデジタ
ル情報を読み出すことを特徴とし、そのことにより上記
目的が達成される。
【0022】好ましくは、前記ビート信号成分から検出
されるビート周波数に基づいて、前記第1レーザ光と第
2レーザ光の光周波数差を一定に保持するように帰還制
御する。
【0023】
【作用】上記の方法によれば、2つの異なる光周波数を
有する2つの光を光コヒーレント検波して記録媒体に記
録された記録情報を読み出すので、後述の実施例中に詳
細に示す理由により、電子回路による増幅では避けられ
ない余分な雑音成分の増加を発生することなく、疑似的
な信号増幅が可能になる。従って、この方法によれば、
1ビット当りの信号光の光パワーが微弱な場合であって
も、C/N比を劣化させることなく記録情報を読み出す
ことができる。
【0024】加えて、上記のように2つの光の光周波数
差が一定になるように制御すると、記録情報の再生を精
度よく行える。この理由についても、後述の実施例で詳
細に説明する。
【0025】更には、光周波数の異なる2つの光を共焦
点状態で記録媒体上に照射すれば、多層構造の記録媒体
からの読み出しを行う場合において、読み出し対象の層
以外の層からの雑音光の影響を排除できる。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0027】(実施例1)図1は本発明方法の実施に使
用される光記録情報読み出し装置のシステム構成を示
す。以下にその構成を動作と共に説明する。
【0028】第1の半導体レーザ素子101から斜め上方
に向けて出射された直線偏光である光周波数ν1の第1
レーザ光は、コリメータ・レンズ102により平行光にさ
れた後、ビーム整形用プリズム103およびビーム・スプ
リッタ104を経て、集光レンズ105に入射する。続いて、
集光レンズ105によって集光されて、その上方に位置す
るディスク106に照射される。より具体的には、ディス
ク106の上面側に設けられた光磁気効果を有する記録媒
体107に集光照射される。この記録媒体107には、上記従
来技術のところで説明したように、デジタル情報が垂直
方向磁化として記録されている。記録媒体107に照射さ
れたレーザ光は、記録媒体107におけるカー効果により
偏光面が一定の角度だけ回転した状態となって反射され
る。このときの偏光面の回転方向は記録媒体107に記録
された磁化の方向によって決定される。このため、反射
レーザ光の偏光面の回転方向を検出すれば記録情報が再
生されるようになっている。
【0029】記録媒体107からの反射光は、集光レンズ1
05によって平行光にされた後、再度ビーム・スプリッタ
104に入射し、ここで2つの光路に分岐される。分岐さ
れた一方の光は、元の経路を辿り、他方の分岐された光
は水平方向の光となってビーム・スプリッタ108に入射
し、ここで再度、水平方向の光と垂直方向の光に分岐さ
れる。
【0030】水平方向に分岐された反射レーザ光は、集
光レンズ109を経て多分割フォトダイオード110に導か
れ、ここで光電変換される。これにより、電気信号であ
るトラッキングエラー/フォーカスエラー信号が得られ
る。この電気信号は、図示しない光ピックアップ位置制
御回路に入力される。位置制御回路は入力信号に基づ
き、ディスク106に入射されるレーザ光が記録媒体107に
対して精度よくフォーカスされ、かつ、ディスク106に
刻設されたトラックから外れることなくトラッキングさ
れるようにレーザ光ピックアップ100全体を制御する。
即ち、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボを行
う。
【0031】なお、図1ではレーザ光のうち主ビームの
みを図示してあるが、実際にはディスク106への照射ビ
ームを主ビームと2つの副ビームとの3ビームとしてト
ラッキングを行っている。
【0032】一方、ビーム・スプリッタ108により分岐
された他方の反射レーザ光は、λ/2板111により偏光
面を45゜回転された後、偏光ビーム・スプリッタ112
により偏光方向の直交する2つの成分に分離される。ま
た、この偏光ビーム・スプリッタ112には反射レーザ光
が入射される面に対して直交する面から、第2の半導体
レーザ素子113より出射された光周波数ν2の第2レーザ
光がコリメータ・レンズ114によって平行光にされた後
入射されるようになっている。この第2レーザ光も上記
の反射レーザ光同様に偏光方向の直交する2成分に分離
される。
【0033】ここで、第2の半導体レーザ素子113とコ
リメータ・レンズ114は、この時の第2のレーザ光と反
射レーザ光との波面が一致するように、その配置位置が
設定されている。なお、両光の波面を一致させることの
必要性および必要とされる波面一致精度については後述
する。
【0034】加えて、第2レーザ光の光周波数ν2は反
射光の光周波数ν1との差、ν1−ν2が一定となるよう
に制御されている。但し、その詳細については後述す
る。
【0035】上記のようにして偏光ビーム・スプリッタ
112により分離された2つの偏光成分の光は、それぞれ
集光レンズ115、117を経てPINフォトダイオード116、11
8に導かれて光電変換される。
【0036】次に、図2に基づき偏光ビーム・スプリッ
タ112に入射される反射レーザ光と第2レーザ光の偏光
方向の関係と、偏光ビーム・スプリッタ112による偏光
分離の詳細を説明する。
【0037】ここで、図2において、横軸は偏光ビーム
・スプリッタ112をPINフォトダイオード116側(下方
向)に通過する偏光成分を示し、縦軸はPINフォトダイ
オード118側(左方向)に通過する偏光成分を示してい
る。また、ベクトルOR、OA、OBおよびOLはそれ
ぞれ以下のものを示している。
【0038】ベクトルOR:ディスク106に照射された
第1レーザ光の内記録媒体107との相互作用なしに、即
ち偏光方向の回転なしに反射された反射ビーム ベクトルOA:記録媒体107により偏光方向が右回りに
回転された反射レーザ光 ベクトルOB:記録情報が反転してベクトルOAとは反
対方向に偏光方向が回転された反射レーザ光 ベクトルOL:第2の半導体レーザ素子113より出射さ
れた第2レーザ光 但し、ベクトルOA成分とベクトルOB成分は記録媒体
107に記録されたデジタル情報の”1”、”0”により
切り替わるものであり、同時に両方の光が存在すること
はない。
【0039】図2からわかるように、偏光ビーム・スプ
リッタ112の2つの偏光分離方向に対して、反射レーザ
光および第2レーザ光の偏光方向と基本的に45゜をな
すように配置が調整されている。即ち、45゜からずれ
た偏光を有する光は記録媒体107とのカー効果により偏
光方向が回転された成分のみとなるように調整されてい
る。従って、PINフォトダイオード116により受光される
光は、図2の横軸のベクトル成分、即ちOA(1)(又は
OB(1))、OR(1)、OL(1)の3ベクトルとなる。こ
の内、OA(1)(又はOB(1))、OR(1)の2つのベク
トル成分を有するレーザ光は第1レーザ光の反射光であ
り、その光周波数はν1である。一方、ベクトルOL(1)
成分は第2レーザ光によるものであり、その光周波数は
ν2である。
【0040】ここで、一般にコヒーレント検波と称せら
れる、異なる光周波数を有する2つのレーザ光の波面を
一致させて受光素子により電気信号に変換する場合は、
2つの光が電界として加算された後に二乗検波されるこ
とになる。
【0041】従って、2つのレーザ光の光電界E1、E2
を、 E1=a1cos(2πν1t+φ1) …(1) E2=a2cos(2πν2t+φ2) …(2) とすると、PINフォトダイオード116により光電変換され
て出力される電流Iは、下記(3)式で表される。
【0042】 I=η(E1+E22 =η/2・@ a1 2+a2 2+2a12cos{ 2π(ν1−ν2)t+φ1−φ2} @ …(3) 但し、 η:PINフォトダイオード116の光電変換効率等を含む比
例定数 a1、a2:2つのレーザ光の電界振幅 φ1、φ2:2つのレーザ光の光位相 t:時間 である。
【0043】ここで、PINフォトダイオード116が実質的
に応答しない高周波成分は平均化した、2ν1成分、2
ν2成分、ν1+ν2成分である。また、上記(3)式中
の第1項と第2項は通常の直接検波と同様に2つのレー
ザ光の強度に比例した直流電気成分の和を表している
が、第3項はレーザ光の光周波数ν1−ν2の周波数を有
する交流電流成分が含まれることを表している。この交
流電流成分は光コヒーレント検波特有のものであり、2
つのレーザ光の進行方向が一致、即ち波面が一致し、か
つ両レーザ光の周波数差ν1−ν2がPINフォトダイオー
ド116の応答可能な周波数範囲にある場合にのみ検知さ
れる。
【0044】次に、光周波数は同一であるが、光位相の
みが異なる2つのレーザ光を光コヒーレント検波した場
合について説明する。2つのレーザ光の光電界を E1=a1cos(2πν1t+φ1) …(4) E2=a2cos(2πν1t+φ2) …(5) とすると、PINフォトダイオード116により光電変換され
て出力される電流Iは、下記(6)式で表される。
【0045】 I=η(E1+E22 =η/2・{ a1 2+a2 2+2a12cos(φ1−φ2)} …(6) 上記(6)式からわかるように、この場合は、通常の両
レーザ光の強度に比例する成分以外に、両レーザ光の位
相差に関連して電流成分が現れることになる。従って、
両レーザ光の位相差関係が一定であれば、この成分は直
流電流成分となり、交流成分は出力されない。
【0046】2つのレーザ光を上記のように光コヒーレ
ント検波するためには、両レーザ光の波面が一致してい
ることが重要である。以下にその理由を説明する。今、
図3(a)に示すように、波面が角度δだけ傾いた2つ
のレーザ光301、302を合波した場合を仮定すると、この
場合は図3(b)に示すように、合波面内にν1−ν2
分の信号位相が正弦波状に反転する部分が存在する。こ
のため、反転部分同士が互いに打ち消し合い、結果的に
ν1−ν2周波数成分の振幅が著しく低下する。
【0047】但し、実際の光コヒーレント検波では、合
波の後にレンズで集光してPINフォトダイオード116、11
8で検波しているが、合波直後の位相関係がそのままPIN
フォトダイオード116、118上でも相似関係で再現される
ため、平面波同士を合波した合波面で説明する場合と同
様の現象を生ずる。
【0048】図4は、直径5mmの2つの平面波レーザ
光同士をコヒーレント検波した場合の、両レーザ光の波
面のなす角度に対する周波数ν1−ν2の信号成分強度の
変化を示す。図4より、波面が約0.01゜傾くと、周
波数ν1−ν2の信号成分の強度は−10dBに減衰する
ことがわかる。この波面の一致精度は平面波状態での2
つのレーザ光の重なり合う部分の面積が大きい程厳しく
なる。
【0049】ここで、本実施例の記録情報読み出し装置
では、反射レーザ光および第2レーザ光共に平面波であ
り、かつビーム径を3mmとしたので、偏光ビーム・ス
プリッタ112において反射レーザ光の波面に対して0.
02゜以下の波面一致精度とするべく、半導体レーザ11
3素子およびコリメータ・レンズ114を配置する必要があ
った。
【0050】本実施例におけるPINフォトダイオード116
では、上記のように3つのレーザ光をコヒーレント検波
することになるが、上記の考察から容易にわかるよう
に、交流電流成分として出力されるのは、ベクトルOL
(1)成分のレーザ光とベクトルOA(1)(又はOB(1)
成分のレーザ光の検波出力、およびベクトルOL(1)
分のレーザ光とベクトルOR(1)成分のレーザ光の検波
出力の2つとなる。
【0051】なお、以後添字(1)は偏光ビーム・スプリ
ッタ112の偏光分離の2方向の光ベクトル成分の内の一
方の方向のベクトル成分を示し、他方の方向のベクトル
成分を添字(2)で示す。
【0052】ここで、ベクトルOL(1)成分、ベクトル
OA(1)成分およびベクトルOR(1)成分のレーザ光の光
電界は、それぞれ下記(7)式、(8)式、(9)式で
表される。
【0053】 EL (1)=aL (1)cos(2πν2t)+φL (1) …(7) EA (1)=aA (1)cos(2πν1t)+φA (1) …(8) ER (1)=aR (1)cos(2πν1t)+φR (1) …(9) 従って、出力電流の交流成分は、 IAC (1)=ηaA (1)・aL (1)cos{ 2π(ν1−ν2)t+φA (1)−φL (1)} +ηaR (1)・aL (1)cos{ 2π(ν1−ν2)t+φR (1)−φL (1)} …(10) となる。
【0054】上記(10)式中の2つの成分は同一周波
数を有し、位相のみ異なる信号を表している。この位相
の異なりは、ベクトルOA成分のレーザ光とベクトルO
R成分のレーザ光の位相差に等しくなっている。これら
の反射レーザ光を発生させるのはディスク106の表面又
は記録媒体107の表面であるが、ディスク106で反射され
るレーザ光は集光レンズ105により平行光に変換されず
球面波発散光になるため、PINフォトダイオード116に到
達するまでにその感度が減衰する。また、半導体レーザ
113から出射され、平行光である第2レーザ光と波面が
一致しないため、光コヒーレント検波が不可能である。
たとえ、ディスク106からの反射光があったとしても、P
INフォトダイオード116出力の直流成分にしか寄与しな
いからである。従って、ベクトルOA成分のレーザ光と
ベクトルOR成分のレーザ光の両方とも記録媒体107か
らの反射であり、両反射レーザ光の位相は一致すること
になる。即ち、φA (1)=φR (1)となる。従って、この関
係を導入すれば、上記(10)式は下記(11)式で表
される。
【0055】 IAC (1)=η(aA (1)・aL (1)+aR (1)・aL (1)) ・cos{ 2π(ν1−ν2)t+φR (1)−φL (1)} …(11) 同様に、PINフォトダイオード118においても、交流成分
として出力されるのはベクトルOL(2)成分のレーザ光
とベクトルOA(2)(又はOB(2))成分のレーザ光の検
波出力およびベクトルOL(2)成分のレーザ光とベクト
ルOR(2)成分のレーザ光の検波出力である。
【0056】よって、この場合の出力電流の交流成分
は、下記(12)式で表される。
【0057】 IAC (2)=η(aA (2)・aL (2)+aR (2)・aL (2)) ・cos{ 2π(ν1−ν2)t+φR (2)−φL (2)} …(12) ここで、上記の(11)式と(12)式とを比較するこ
とにより、PINフォトダイオード116、118からの電流出
力の内の交流成分の振幅を比較する。図2に示すよう
に、ベクトルORとベクトルOLは偏光ビーム・スプリ
ッタ112の偏光分離方向に対して45゜の角度をなして
いる。
【0058】従って、 aR (1)=aR (2) …(13) aL (1)=aL (2) …(14) の関係が成立し、両式の振幅成分の差は、 △=η(aA (1)−aA (2))・aL (1) …(15) となる。ここで、ベクトルOAの45゜からの回転角度
をθとすると、振幅成分の差は下記(16)式で表され
る。
【0059】△=ηaALsinθ …(16) 一方、記録媒体107でのカー効果を受けた反射レーザ光
の回転角が反対方向の場合はベクトルOB成分のレーザ
光が信号光になるため、ベクトルOAの場合と同様にベ
クトルOBの45゜からの回転角をθとすると、振幅成
分の差は下記(17)式で表される。
【0060】△=−ηaALsinθ …(17) 以上の理由により、PINフォトダイオード116、118によ
り光コヒーレント検波された出力電流の交流成分の振幅
の差分の正負により記録情報の”1”、”0”を判定で
きることがわかる。
【0061】また、上記の説明より、従来の直接検波方
式による”1”、”0”信号に対応する信号成分は±η
A 2sinθであるのに対し、光コヒーレント検波を応用
した本実施例の場合の”1”、”0”に対応する信号成
分は±ηaALsinθとなることがわかる。
【0062】ここで、aLは、第1レーザ光の光強度に
は依存せず、第2の半導体レーザ素子113より発生させ
られたレーザ光の光強度で任意に設定可能な値である。
従って、ディスク106における高密度化や読み出しの高
速化によりビット当りのaAが小さくなった場合にも、
A・aLとして信号成分を大きく保つことができる。即
ち、第2レーザ光の振幅aLにより信号成分を含む反射
レーザ光の振幅aAが疑似的に増幅されることになる。
このような光の領域における増幅では、電子回路におけ
る増幅につきものの雑音成分の増幅はない。従って、純
粋に信号成分のみを増幅できるので、C/N値を大幅に
改善できる。
【0063】次に、実際の信号検出について図面に基づ
き詳細に説明する。上記のように、直交する2つの偏光
成分を別々に光コヒーレント検波した後、PINフォトダ
イオード116、118からの電気信号は高域通過フィルタ11
9、120により直流成分が除去される。続いて、直流成分
を除去された電気信号は前置増幅器121、122に入力さ
れ、ここで信号として重要な交流成分が増幅される。続
いて、中心通過周波数がν1−ν2に設定された狭帯域通
過フィルタ123、124が交流成分から雑音成分を除去し、
上記(11)、(12)式に示したν1−ν2成分(以下
ビート成分と称する)のみを抽出する。本実施例では両
レーザ光の光周波数差が1GHzとなるように設定したた
め、ビート信号周波数も1GHzである。
【0064】図5は前置増幅器121、122の出力波形を示
す。同図からわかるように、記録信号の”1”、”0”
に対応して、前置増幅器121、122の出力ビート信号の振
幅が相互に変化している。また、同図から、本実施例で
は、記録信号が”1”の場合に前置増幅器121からのビ
ート信号の振幅が大きくなり、記録信号”0”の場合に
前置増幅器122からのビート信号の振幅が大きくなって
いる。この信号形態は、ビート信号周波数をキャリアと
した振幅シフトキーイング(ASK)変調による信号伝送
方式を表している。但し、2チャンネルによる差動型AS
Kである。
【0065】従って、信号を復調するためには、ビート
信号周波数をデジタル情報情報読み出しレートR(本実
施例ではR=0.7Mbps)よりも十分に高い周波数とす
る必要がある。但し、実際には、デジタル情報読み出し
レートRの2倍以上に設定することが最低限必要であ
り、好ましくは、10倍以上に設定する。
【0066】また、このように電気信号においてASK変
調方式で変換することの利点としては、比較的キャリア
波(ここではビート信号)の周波数や位相が不安定でも
信号再生に問題を生じないという点が挙げられる。通常
の無線通信の場合とは異なり、本実施例の場合には半導
体レーザ自身のスペクトル線幅が1MHzであり、ν1−ν
2が揺らぐこと、およびデジタル情報をもつディスク106
が回転運動することにより発生するディスク振動により
φA (1)、φA (2)の値が変化することによりビート信号の
周波数や位相が不安定となるのが普通である。従って、
本実施例のようにASK変調方式に一旦変換された信号
からデジタル情報を再生する方式が適しているといえ
る。
【0067】上記のようにして、狭帯域通過フィルタ12
3、124を通過したビート成分の振幅値は、全波整流回路
等の非同期型の振幅検波回路125、126により直流電圧と
して検出される。続いて、直流電圧成分に変換されたビ
ート成分の振幅値を差動増幅回路127により差動増幅
し、最後に、差動増幅回路127の出力の正負を信号レベ
ル比較回路128により判定する。この判定結果により、
上記(16)式又は(17)式に示した記録情報”
1”、”0”に対応する信号成分の正負を判定でき、記
録情報を読み出すことができる。
【0068】ここで、信号読み出しに十分なC/N値を
確保するためには、光コヒーレント検波による信号成分
の増幅と共に、雑音レベルの抑制が必要である。このた
め、本実施例では、以下に示す2点に重点を置いて検出
システムを構成している。
【0069】前置増幅器121、122として低雑音指数特
性を有する増幅器、例えば、GaAs高電子移動トランジス
タを使用する。
【0070】狭帯域通過フィルタ123、124の通過帯域
幅をできるだけ狭く設定する。
【0071】なお、この通過帯域幅はビート信号周波数
の短期/長期の揺らぎ幅と情報読み出し速度の和に律速
される。本実施例では両方の半導体レーザ素子101、113
から発生されるレーザ光のスペクトル線幅によりビート
信号周波数の揺らぎ幅は決定されており、情報読み出し
速度は0.7Mbpsであったので、狭帯域通過フィルタ12
3、124の通過帯域幅としては3MHzとした。
【0072】次に、2つの半導体レーザ素子101、113か
らの第1レーザ光と第2レーザ光の光周波数差(ビート
信号周波数)ν1−ν2を一定に保つ手段(自動周波数制
御:AFC)について説明する。PINフォトダイオード118
で光コヒーレント検波し、その電気出力から高帯域フィ
ルタ120と前置増幅器122により抽出したビート信号成分
を狭帯域フィルタ124に入力すると共に、その周波数弁
別回路129入力し、交流成分の周波数を電圧値として検
出する。この周波数弁別回路129としては検波帯域が広
く同期に時間を要しない非同期検波が適しており、ここ
では遅延検波回路を用いた。
【0073】続いて、PID制御回路130により周波数弁別
回路129の出力を外部から入力する一定の設定電圧(図
示せず)と一致するように制御信号を発生させ、この制
御信号に従ってレーザ駆動回路131により第1の半導体
レーザ素子101と第2の半導体レーザ素子113の駆動条件
を変化、即ち制御する。レーザ駆動回路131は別途設け
た自動パワー制御回路系(図示せず)からの制御信号に
従い、両半導体レーザ101、113の光出力の制御(自動パ
ワー制御:APC)も同時に行っている。なお、本実施例
では、半導体レーザ素子として波長可変型レーザ素子を
使用しており、そのレーザ光の光強度と光周波数をそれ
ぞれ設けられた個別の制御端子により制御可能である。
このような、帰還回路系を設けたことにより、光周波数
差を一定に保ち、ビート信号周波数を一定に保つことが
できることが確認できた。
【0074】次に、初期状態における光周波数差の設定
手段について説明する。初期状態では、両方の半導体レ
ーザ素子101、113が無関係な光周波数を有するレーザ光
を発するので、初期状態で上記の帰還回路による制御を
実行することはできない。ディスク106をセットし、フ
ォーカスサーボがかかった状態で初めて第1レーザ光の
ディスク106からの反射光がPINフォトダイオード118に
到達し、光コヒーレント検波を行うことが可能になる。
この状態では、普通、両レーザ光の光周波数が大きく異
なっており、その差が高周波であるため、PINフォトダ
イオード118、高域通過フィルタ120、前置増幅器122、
周波数弁別回路129のいずれか(又は複数)の応答帯域
外となるため、周波数弁別回路129の出力電圧は0Vで
ある。
【0075】この状態で、まず、レーザ駆動回路131に
より第1の半導体レーザ素子101の駆動条件を一定に保
持したまま、周波数弁別回路129の出力電圧をモニタ
し、第2の半導体レーザ素子113の光周波数を徐々に一
定方向に走査する。この一連の動作は、周波数弁別回路
129の出力電圧を監視するプロセッサ回路132により制御
される。この時点では、PID制御回路130とレーザ駆動回
路131との間を入切りするスイッチ回路133はOFF状態に
あり、PID制御回路130はレーザ駆動回路131から切り離
されている。従って、この状態では帰還回路は動作しな
い。
【0076】更に、第2の半導体レーザ素子113から出
射される第2レーザ光の光周波数を走査し続けると、あ
る時点で第2レーザ光の光周波数が第1レーザ光の光周
波数に接近する。この時、その光周波数差がPINフォト
ダイオード118、高域通過フィルタ120、前置増幅器122
および周波数弁別回路129の全ての応答速度帯域に入
り、周波数弁別回路129の出力端子に正の出力電圧が出
力される。なお、第2レーザ光の光周波数走査のステッ
プは上記の回路系118、120、122、129の総合応答帯域よ
り小さいことが必要であるため、本実施例では応答帯域
を1MHzとした。
【0077】そして、周波数弁別回路129からの出力電
圧がこの帰還回路を機能させるのに十分な範囲となる一
定の範囲になったとプロセッサ回路132が判定すると、
プロセッサ回路132はスイッチ回路133をONし、PID制御
回路130を動作させる。これにより、制御状態が帰還回
路制御に切り替えられる。
【0078】上記のような回路構成とすると、従来例の
問題点として指摘したディスクメモリの高密度化・高速
読み出し化に伴う記録媒体107からの信号情報を含む反
射レーザ光(本実施例のベクトルOA成分、ベクトルO
B成分に相当)のビット当りのパワーが小さくなり直接
検波方式での再生では実用的なビット誤り率を実現する
のに必要なC/N値を確保できない場合であっても、本
実施例の光コヒーレント検波によれば十分なC/N値を
確保できる。従って、ディスクメモリの高密度化・高速
アクセス化に十分に対処可能である。なお、実用的なビ
ット誤り率は記録データの重要度や冗長度により異なる
が、一般には10-4〜10-5とされる。
【0079】本実施例の装置を使用し、ビット読み出し
速度1Mビット/mm2の記録密度を有するディスクを
用いて記録情報を読み出したところ、ビット誤り率を1
-6とすることができた。これは、第2レーザ光の発生
手段を装置内部に有し、この第2レーザ光の電界振幅に
より雑音成分の増幅を含まない純粋な信号成分のみの増
幅を可能とする光コヒーレント検波を実施し、かつビー
ト信号周波数をサブキャリアとするASK変調信号として
記録情報を読み出し/再生した結果による。
【0080】(実施例2)本発明の他の実施例について
説明する。
【0081】図6に本実施例の光記録情報読み出し装置
の構成図を示す。第1の半導体レーザ素子601から出射
した第1のレーザ光は、ホログラム板602を通ってコリ
メータ・レンズ603により平面波に変換される。この第
1の半導体レーザ素子601からのレーザ光の光周波数は
ν1とした。平面波に変換された第1のレーザ光は、ビ
ーム・スプリッタ604を通過し、集光レンズ605により集
光され、光ディスク606に形成された記録媒体607に照射
される。照射された、第1のレーザ光は、前述の実施例
1と同様のカー効果により、反射レーザ光の偏光面が記
録デジタル情報の1、0に対応して、反対方向に回転さ
せられる。
【0082】記録媒体607で反射された反射レーザ光
は、集光レンズ605により再び平面波に変換され、ビー
ム・スプリッタ604で2分される。ビーム・スプリッタ6
04を直進した反射レーザ光は、コリメータ・レンズ603
により集光され、ホログラム板602に形成されたホロ
グラムにより回折される。この回折光は、第1の半導体
レーザ素子601の近傍に配置された多分割フォトダイ
オード608に照射され、光ディスク606における照射レー
ザ光のフォーカス状況およびトラッキング状況を検出す
るのに使用される。多分割フォトダイオード608からの
出力は、図示しないピックアップ位置制御回路系に入力
され、ピックアップ位置制御回路系は図示した光学系全
体から成る光ピックアップ609をアクチュエータにより
動かすことにより、フォーカスとトラッキング状態が一
定となるようにする。
【0083】ビーム・スプリッタ604で2分されたレー
ザ光のうち、光路を直角に曲げられた反射レーザ光は、
偏光ビーム・スプリッタ610により偏光方向の直交する
2つの成分に分離される。このときの状況を図7に示
す。前実施例と同様に、ベクトルOA(またはベクトル
OB)は、カー効果により偏光方向が回転された信号成
分を含む反射レーザ光であり、ベクトルORは、カー効
果なしに、つまり記録媒体607との相互作用なしに、反
射された反射レーザ光である。
【0084】偏光ビーム・スプリッタ610には、これら
の2つの反射レーザ光と共に、第2の半導体レーザ素子
611から発せられた光周波数ν2を有する第2のレーザ光
も同時に入射される。この第2のレーザ光は、コリメー
タ・レンズ612により平面波に変換された後に偏光ビー
ム・スプリッタ610に入射される。第2のレーザ光の偏
光面は、図7のベクトルOLで示すように、偏光ビーム
・スプリッタ610の偏光分離方向に対して45゜の角度
をなすようにした。このときの偏光面制御は、第2の半
導体レーザ素子611を、光軸を中心に45゜回転したよ
うに配置することにより対応した。また、反射レーザ光
と第2のレーザ光とは共に、平面波の状態で偏光ビーム
・スプリッタ610により合波される訳であるが、この時
の両平面波の光波面は図3〜5で説明したように0.0
3゜以下の精度で合波させる必要があるため(ビーム径
は2mm)、第2の半導体レーザ素子611およびコリメ
ータ・レンズ615は0.03゜の実装精度で固定した。
【0085】偏光ビーム・スプリッタ610により分離さ
れたそれぞれの偏光成分の光群は、集光レンズ613、615
によりフォトダイオード614、616に入射され、光コヒー
レント検波される。
【0086】図7において、横軸がフォトダイオード61
6の方向に進行する光群を表し、縦軸がフォトダイオー
ド614の方向に進行する光群を表す。フォトダイオード6
16では、光周波数ν1を有する第1のレーザ光の反射光
であるベクトルORとベクトルOA(1)(またはベクト
ルOB(1))で表される光、および光周波数ν2を有する
ベクトルOL(1)で表される第2のレーザ光が、光コヒ
ーレント検波されることとなる。交流成分(ビート信
号)を発生させるのは、ベクトルOA(1)(またはベク
トルOB(1)とベクトルOL、およびベクトルORとベ
クトルOLである。ここで、記録情報の1、0に拠っ
て、ベクトルOAの光が反射されるか、ベクトルOBの
光が反射されるかが決定されるわけであるが、図7の横
軸に対してはいずれの場合においても同一のベクトル成
分を有する光(ベクトルOA(1)=ベクトルOB(1))が
到来することとなる。言い換えれば、フォトダイオード
616からの出力電流に含まれるビート信号成分は、 IAC (1)=η(aA (1)+aR)aL (1)cos{2π(ν1−ν2)t+φA (1)−φ L (1) } …(18) と表され、その振幅は記録情報の1、0に依存せず一定
となる。ただし、前実施例と同様の理由によりベクトル
OA(またはOB)成分光とベクトルOR成分光との光
位相は一致しているとした。
【0087】一方、フォトダイオード614側では、第1
の光周波数ν1を有するベクトルOA(2)(またはOB
(2))成分光と、光周波数ν2を有するベクトルOL(2)
成分で表される第2のレーザ光との2つの光が光コヒー
レント検波されることとなる。この場合のフォトダイオ
ード614の出力電流のビート信号成分は、 IAC (2)=ηaA (2)L (2)cos{2π(ν1−ν2)t+φA (2)−φL (2)} …(19) となる。この場合、ベクトル−OA(2)=ベクトルOB
(2)なる関係があり、記録情報の1、0が切り替わるた
びに、フォトダイオード614から出力されるビート信号
の位相が180゜反転することとなる。これは、図8に
示したような、1、0情報を2つの位相状態に対応させ
て信号変調する2位相シフトキーイング(2PSK)に
相当する。
【0088】以上のようにフォトダイオード614からは
記録情報が1、0反転する対応して2SPKにより変調
されたビート信号が出力され、フォトダイオード616か
らは記録情報の1、0に依存せず一定の振幅を有するビ
ート信号が出力されることとなる。そのため、フォトダ
イオード614の出力は信号再生用として用い、フォトダ
イオード616の出力は第1のレーザ光と第2のレーザ光
との光周波数差を一定に保つための帰還制御に用いる。
以下にその詳細を述べる。
【0089】まず、光周波数差を一定に保つための帰還
制御について述べる。フォトダイオード616の出力は、
まず、高帯域通過フィルタ617により直流成分を除去し
た後、ビート信号成分のみをゲイン可変前置増幅器618
により増幅する。前置増幅器618の出力は2分され、そ
の片方が周波数弁別回路619に入力される。周波数弁別
回路619はビート信号周波数に対応した直流電圧を発生
させ、この弁別電圧を自動波長制御回路620により別途
入力される設定電圧と一致するように制御信号を出力す
る。この制御信号に従って、レーザ駆動回路621で2つ
のレーザの駆動条件を変化させることにより、2つのレ
ーザ光の光周波数差が一定に保持される。
【0090】また、初期状態における光周波数差の制御
は、実施例1と同様にプロセッサ回路622とスイッチ回
路623とにより実現した。ただし、本実施例では、第1
及び第2の半導体レーザ素子601、611として単一端子し
か有しない波長安定化レーザ素子(分布帰還型レーザ素
子)を適用したので、それぞれのレーザ光の光周波数を
変化させるために半導体レーザ素子601、611の温度を変
化させた。温度変化には半導体レーザ素子601、611近傍
に併設した抵抗体による加熱を利用した。本実施例では
2つの半導体レーザ素子601、611を制御する必要があ
り、片方の半導体レーザ素子の光周波数を一定にしたま
ま、他方の光周波数を一定の方向に走査することにより
所望の光周波数差を実現した。また、片方の半導体レー
ザ素子のみの光周波数走査で所望の光周波数差が実現さ
れない場合には、最初に光周波数走査を行った半導体レ
ーザ素子の駆動条件を走査終了状態に維持したまま、他
方の半導体レーザ素子の光周波数を最初に実行した光周
波数走査とは逆方向に走査し、所望の光周波数差(ビー
ト信号周波数)が得られるように制御した。このような
温度による光周波数の制御については類似技術が特開平
4−134937〜8に示されており、詳細はこれらを
参照されたい。
【0091】次に、記録情報の読み出し/再生について
説明する。フォトダイオード614からの出力を高帯域通
過フィルタ624に与えて、ここで直流成分を除去し、ゲ
イン可変前置増幅器625によりビート信号成分のみを増
幅する。増幅されたビート信号は、狭帯域通過フィルタ
626に与えられ、ビート信号周波数成分以外の雑音が除
去される。狭帯域通過フィルタ626の通過帯域の中心周
波数は、ビート信号周波数ν1−ν2に一致させてあり、
本実施例では2GHzとした。つまり、実施例1で説明
したように、情報読み出しレート、ここでは5Mbps
よりビート信号周波数が十分に高周波である必要がある
からである。
【0092】また、狭帯域通過フィルタ626の通過帯域
幅は、ビート信号の周波数揺らぎ幅と読み出し情報の転
送レートとの和と同等に選択する必要があり、8MHz
とした。この値は、半導体レーザ素子601、611における
出力レーザ光のスペクトル線幅が0.4MHzであるか
らである。なお、情報読み出しレートは5Mbpsとし
た。この狭帯域通過フィルタ626の出力信号波形は、図
8に示したようなビート信号をキャリアとした2PSK
変調波形となっている。
【0093】狭帯域通過フィルタ626を通過したビート
信号は、位相検波回路627により180゜ずつ反転する
位相状態を正負の電圧として出力される。この場合の位
相検波回路627としては、非同期検波方式である遅延検
波回路を適用した。この回路としては、通常、無線通信
用の回路として従来から適用されてきたものを利用する
ことが可能であり、その詳細については畔柳編の「ディ
ジタル通信回路」(産業図書、1990年)における第
5章“無線伝送回路”、等を参考にされたい。
【0094】ところで、実際の光ディスク606は高速で
回転運動をしており、記録媒体607の光照射面は振動す
るため、この振動に応じて(19)式のφA (2)は変化す
る。一般に、光ディスク面のピックアップとの相対振動
振幅は、数μmであり光の波長(785nm)より大き
いために、φA (2)は1000゜以上にわたって変化す
る。このディスク606の振動により、ビート信号位相が
180゜分変化する速度が情報読み出しレート(ここで
は5Mbps)と同等か、それ以上の場合には、信号の
再生は不可能となる。すなわち、ディスク606の振動に
よる位相変化と、記録情報の1、0反転による位相変化
とが区別できなくなる。本実施例では、このような状況
にならないように、以下のように対処する。
【0095】集光レンズ605としてNAの大きな、つ
まり焦点深度の浅いレンズを用いて、第1のレーザ光の
波長の1/4程度のフォーカスエラーまでを検出可能と
すること、および、光ピックアップ609のフォーカス制
御のためのアクチュエータとして高速応答型アクチュエ
ータを適用すること等によりフォーカスサーボ系を充実
させ、ディスクとピックアップとの相対振動周波数の低
周波化(2MHz以下)を図るようにした。
【0096】位相検波回路627において、通常のPL
L検波回路の出力を通過帯域を情報読み出しレート相当
(5MHz)からその2倍(10MHz)の範囲とした
狭帯域通過フィルタ(図示せず)を通し、この帯域内に
存在する位相変化分に相当する電圧変換のみを検出の対
策を講じた。
【0097】このようにすることにより、位相検波回路
627の出力として、読み出し情報の1、0反転時に対応
して電圧が変化するような信号が出力される。最後に、
この信号に基づいて信号再生回路628は記録信号を再生
した。
【0098】本実施例では、位相検波回路627への入力
信号の振幅が一定となるように、第2の半導体レーザ素
子611のレーザ出力強度と前置増幅器618、625の増幅率
とを、帰還回路系により制御した。この場合、電子回路
(前置増幅器618、625)による増幅では、フォトダイオ
ード614、616の周辺回路や高域通過フィルタ617、624で
発生する各種雑音も増幅してしまう上、実際上必ず前置
増幅器618、625において過剰な雑音が発生する。一方、
光コヒーレント検波では疑似的に信号振幅を雑音の増加
なしに増幅することができる。従って、光コヒーレント
検波機能を最大限に発揮させることが望ましい。
【0099】具体的構成としては、本実施例では次のよ
うにした。前述した前置増幅器618の出力を周波数弁別
回路619に入力すると共に振幅検波回路629に与え、振幅
検波回路629によりビート信号振幅を直流電圧として検
出し、この電圧値を自動ゲイン制御回路630に入力す
る。自動ゲイン制御回路630は、入力した電圧値と、別
途外部より与えられる設定電圧とを比較し、これらが一
致するように制御信号を出力する。この制御信号は、レ
ーザ駆動回路621と前置増幅器618、625とに入力され、
これに従って半導体レーザ素子611の第2のレーザ光強
度と2つの前置増幅器618、625のゲインが変化させられ
る構成とした。
【0100】この帰還回路系により、前置増幅器618の
出力ビート信号振幅が一定となり、等価的に前置増幅器
625の出力ビート信号増幅も一定となる。この場合の制
御の指針としては、出来る限り半導体レーザ素子611の
出力レーザ光強度を大きくすることにより光コヒーレン
ト検波による疑似的ビート信号振幅の増幅を優先するこ
とが重要であり、半導体レーザ素子611の構造上の出力
限界やフォトダイオード614、616の光入力強度に対する
制限より、半導体レーザ素子611のレーザ光出力強度を
増加させられない場合に限り、前置増幅器618、625によ
る増幅を利用するようにした。
【0101】このように光コヒーレント検波を実行する
ことにより、(19)式に示したようにフォトダイオー
ド614からのビート信号振幅は、第2のレーザ光の電界
振幅により疑似的に増幅された形となっており、ビット
当たりの信号光パワーが低下した状態でも、高いC/N
値を得ることが可能となる。また、上記の光コヒーレン
ト検波による疑似的増幅に加えて、本実施例では、図8
に示すように、光コヒーレント検波にしたビート信号が
ビート信号周波数をキャリア周波数とする2PSK変調
信号となっているので、C/Nの値がかなり低い状態で
も相対的に高いビット誤り率で信号を再生することが可
能である利点も合わせ有している。例えば、10-4のビ
ット誤り率を実現するに必要なC/N値を、実施例1で
用いたASK方式と本実施例における2PSKとで比較
すると、 ASK(振幅検波)の場合 15dB 2PSK(遅延検波)の場合 9.4dB となる。より詳細には前述の「ディジタル通信回路」
p.235を参照して下さい。
【0102】このことからも分かるように、ASK方式
に対して5.6dB低いC/N値の信号でもビット誤り
率10-4での信号再生が可能である。ただし、ASK変
調方式と比較してキャリアとなるビート信号の周波数や
位相が安定していることが必要であり、本実施例では半
導体レーザ素子601、611に狭スペクトル線幅(0.4M
Hz)を有する素子を適用することや、上記のようなφ
A (2)の揺らぎ成分を抑制することなどの対策が必要であ
った。実際に、1M/mm2の記録密度のディスクから
本実施例装置により情報を読み出したところ、5Mbp
sと情報読み出し速度を高速化したにも拘らず、10-6
のビット誤り率を実現できた。
【0103】(実施例3)本発明の更に他の実施例につ
いて説明する。
【0104】上述した実施例1、2では記録媒体として
光磁気効果を用いたものを説明したが、本実施例3では
記録媒体として光の散乱効果を利用したもの(通常のコ
ンパクトディスクにおける光情報読み出し方法と同じ)
を使用する。
【0105】図9に本実施例3の光記録情報読み出し装
置の構成図を示す。半導体レーザ素子901から発せられ
た、光周波数:ν1を有する第1のレーザ光は、コリメ
ータ・レンズ902により平面波に変換され、ビーム・ス
プリッタ903を通過して集光レンズ904により光ディスク
905に照射される。光ディスク905にはピットの有無とし
て情報が記録された記録媒体906が配置されており、こ
の記録媒体906に第1のレーザ光が最小のスポットサイ
ズとなる点で照射されることとなる。記録媒体906で反
射された第1のレーザ光(以後、信号光と呼ぶ。)は、
再び集光レンズ904により平面波に変換され、ビーム・
スプリッタ903により光路を直角に変換された後、ビー
ム・スプリッタ907に入射される。
【0106】一方、第2の半導体レーザ素子910から発
せられた、光周波数ν2を有する第2のレーザ光は、コ
リメータ・レンズ911により平面波に変換された後、ビ
ーム・スプリッタ907に入射される信号光と合波され
る。ビーム・スプリッタ907で合波された信号光と第2
のレーザ光とは共に平面波であり、その波面は一致する
ように第2の半導体レーザ素子910およびコリメータ・
レンズ911の位置を調整した。なお、この場合、レーザ
ビーム径は1mmであったので、合波において要求され
る波面一致精度は約0.05°であった。
【0107】ビーム・スプリッタ907で合波された両レ
ーザ光は、集光レンズ908により集光され、フォトダイ
オード909に至る。フォトダイオード909の出力は、高域
通過フィルタ912により直流成分を除去された後、増幅
器913によりビート信号のみが増幅される。合波後の両
光の偏光方向の関係を図10に示す。第2のレーザ光を
ベクトルOLで、信号光をベクトルOR(またはO
R’)で示している。
【0108】情報は、記録媒体906上のピットの有無と
して記録されている。このため、第1のレーザ光が集光
されてディスク905に照射された場所にピットが無い場
合、つまり記録媒体906表面が鏡面の場合には、照射レ
ーザ光の大部分が同一の光路を戻りレンズ904により平
面波に変換され、フォトダイオード909まで到達する。
一方、ピットが有る場合には、照射レーザ光の半分以上
がレンズ904の有効NAより大きな角度をもって散乱さ
れるため、平面波としてフォトダイオード909まで達す
る成分が減少する。従って、図10において、ベクトル
ORはピットが無い場合の信号光を、ベクトルOR’は
ピットが有る場合の信号光を示している。
【0109】また、本実施例では第2のレーザ光と第1
のレーザ光の偏光面が一致するように配置してある。こ
のような条件下でフォトダイオード909で光コヒーレン
ト検波した場合に出力されるν1−ν2の周波数を有する
ビート信号成分は、 IAC=ηaRLcos{2π(ν1−ν2)t+φR−φL} …(20) となる。ここで、記録情報の1、0によって変化するパ
ラメータはaRであり、aRとaR'の間で変化する。
【0110】増幅器913の出力波形例を図11に示す。
この図から理解されるように、増幅器913の出力は、記
録情報の1、0に対応してビート信号の振幅が変化する
ASK変調方式となる。
【0111】このASK変調信号は、狭帯域通過フィル
タ914を通してビート信号周波数以外の不要な雑音成分
が除去された後、振幅検波回路915により振幅が検出さ
れる。ここでの振幅検波回路915としては、通常の包落
線検波回路を用いた。これにより、図11に示した信号
振幅に対応した電圧が出力される。最後に、この出力が
電圧比較回路916に入力され、信号が再生される。
【0112】本実施例においても、(20)式から分か
るように記録情報に関連した信号振幅は、第2のレーザ
光により疑似的に増幅された形となっているため、実施
例1、2と同様の理由により、通常の直接検波と比較し
て高いC/N値を得ることができる。
【0113】次に、本実施例3における2つの半導体レ
ーザ素子901、910相互の光周波数差保持の機構について
説明する。第1および第2の半導体レーザ素子901、910
の各々には、単一モードの光ファイバ917が結合されて
いる。第1の半導体レーザ素子901から裏面に出射され
た光は、光ファイバ917に入射され、分岐部918により2
分された後、片方は出力モニタ用のフォトダイオード92
0に入射される。これにより、第1の半導体レーザ素子9
01の出力レーザ強度が、フォトダイオード920により検
出される。一方、2分された他方の光は、方向性結合器
から構成される合波部922に導かれる。
【0114】第2の半導体レーザ素子910から裏面に出
射された光も同様に、光ファイバ917に入射され、分岐
部919により2分された後、片方はフォトダイオード921
へ、他方は合波部922に導波される。
【0115】上記合波部922において、第1のレーザ光
と第2のレーザ光とは、それぞれ1:1に混合されて、
2つのフォトダイオード等から成るバランス型受光回路
923に入射され、光コヒーレント検波される。バランス
型受光回路923からの出力は、高域通過フィルタ924によ
り直流成分を除去され、増幅器925で適宜増幅された
後、周波数弁別回路926にて周波数弁別される。この周
波数弁別出力は、比例(P)制御回路927に入力され
る。P制御回路927は、この周波数弁別出力と別途外部
より与えられる直流設定電圧とを比較し、この両者が一
致するように制御信号を出力する。この制御信号に従い
レーザ駆動回路928は第1および第2の半導体レーザ素
子901、910の駆動条件を制御する。これにより、両者の
悲哀周波数差ν1−ν2が一定に保持されることとなる。
これらの制御の方法や初期状態での設定等は、実施例1
で説明した内容と同等であるため、ここでの詳細説明は
省略する。
【0116】前述した実施例1、2においては2つのレ
ーザ光の光周波数差の制御にディスクでの第1のレーザ
光の反射が必須であったが、本実施例では、このような
構成としているので、光ディスク905が装置に装着され
ない状態でも光周波数差の制御を実行することが可能と
なる。従って、前述の実施例構成ではディスク交換後ご
とに実行が必要であった光周波数制御の初期動作を不要
とすることが可能となった。但し、電源投入時のみ必要
である。
【0117】また、半導体レーザ素子901、910の出力レ
ーザ光強度の自動制御は、フォトダイオード920、921か
らの出力と設定電圧とをP制御回路929、930により比較
制御することにより行った。
【0118】実際に図9に示した構成の光記録情報読み
出し装置を用いて、2M/mm2密度で記録されたディ
スクから情報読み出し速度3Mbpsで情報を読み出し
たところ、10-7のビット誤り率が達成され、本発明を
適用したことによる効果を確認できた。
【0119】(参考例1次に、参考例 について説明する。
【0120】上記の3つの実施例1〜3では、従来技術
の問題である記録情報の高密度化や高速読み出し化に伴
う情報読み出し時のビット誤り率の低下を防止するため
に、単層記録媒体の光ディスクおいて低ビット誤り率を
確保する方法を示した。
【0121】ところで、高密度化に伴う情報読み出し時
のビット誤り率低下の防止対策としては、上記方法の他
に、記録媒体を多層に形成したディスクから情報読み出
す方法も考えられる。即ち、ビット当りの情報記録面積
を一定とし、記録媒体を厚み方向に多重化する方法であ
る。このような、多重記録媒体ディスクからの情報読み
出し方法は、従来より検討されているが、多層記録媒体
の内のどの層の情報を読み出すかの選択には、レンズに
より集光されたレーザビームの焦点深度を利用している
ため、他層の状態が読み出すべき層からの情報を有する
反射レーザ光に雑音を重畳することとなり、実用上十分
なビット誤り率を得ることが困難となっていた。
【0122】参考例1は、上記のような多層記録媒体光
ディスクの情報読み出しにも適用でき、その効果を発揮
することが可能である。
【0123】以下に、参考例1の光記録情報読み出し装
置を図12に基づいて説明する。図12は、記録媒体を
2層にした多層光ディスク装置に適用させた場合におけ
る、本参考例の光記録情報読み出し装置の構成図を示
す。光ディスク1200は、第1記録媒体層1201と第2記録
媒体層1202とが透明な分離層1203を挟み平行に配置され
た状態とした。この記録媒体1201、1202には、デジタル
情報が散乱/非散乱の2状態として記録されている。
【0124】2波長半導体レーザ素子1204の第1レーザ
ストライプ1205および第2レーザストライプ1206から発
せられた第1および第2のレーザ光は、レンズアレイ12
07によりそれぞれ平面波に変換される。2波長半導体レ
ーザ素子1204における2つのレーザストライプ1205、12
06の間隔と、レンズアレイ1207の2つの光学軸との間隔
は一致させる。ここでは2000μmとした。また、図示し
たような平面波に変換された両レーザ光ビームが空間的
に重ならないように、半導体レーザ素子1204のビーム放
射角度およびレンズアレイ1207のレンズの焦点距離を設
計した。
【0125】ここで、第1のレーザ光と第2のレーザ光
の光周波数はそれぞれν1、ν2であり、その差ν1−ν2
は一定に保たれている。また、第1レーザ光と第2レー
ザ光はそれぞれ直線偏光状態を有しており、両者の偏光
方向は一致している。
【0126】このような条件下において、平面波に変換
された2つのレーザ光は、ビーム・スプリッタ1208によ
りそれぞれ2分される。ビーム・スプリッタ1208を直進
通過した両レーザ光は、レンズ1209により同一焦点位置
Fに集光される。焦点位置Fに集光された2つのレーザ
光は、この焦点位置F付近のみで同一空間を共有するこ
ととなる。より詳細には、光ディスク1200の記録媒体付
近の拡大図である図13に示すように、2つの平面波レ
ーザ光1301、1302がレンズ1209により同一焦点位置Fに
集光されている。
【0127】焦点位置Fに光散乱体が存在する場合(記
録情報が“1”の場合に相当)には、第1レーザ光およ
び第2光レーザ光ともこの光散乱体により散乱され、焦
点位置Fを中心とする同一の波面を有する球面波となっ
て反射される。この同一波面を有する第1および第2の
球面波レーザ光は、レンズ1209により同一波面の平面波
1303(以後、信号レーザ光とも呼ぶ。)に変換され、ビ
ーム・スプリッタ1208へと入射することとなる。ビーム
・スプリッタ1208により直角に進行方向を変換された信
号レーザ光1303は、ビーム・スプリッタ1219により2分
され、片方は光ピックアップ1229の位置制御のための多
分割フォトダイオード1220へレンズ1221を介して入射さ
れる。一方、ビーム・スプリッタ1219により分岐された
他方の信号レーザ光1303は、レンズ1222を透過してフォ
トダイオード1223に入射される。レンズ1209の焦点位置
Fにて散乱反射された第1及び第2のレーザ光は、上述
のようにレンズ1209により同一波面を有す平面波1303に
変換されているため、フォトダイオード1223の受光面上
での両レーザ光の波面はおのずと一致しており、光コヒ
ーレント検波することが可能となる。従って、両レーザ
光の光周波数差に相当する周波数を有するビート信号が
発生させられることとなる。
【0128】一方、焦点位置Fに光散乱体が存在しない
場合には、両レーザ光は第1記録媒体層1201を透過また
は境面反射することとなる。第1記録媒体層1201を透過
したレーザ光1304、1305は分離層1203を通過して第2記
録媒体層1202へ達する。第2記録媒体層1202にも情報の
1、0に対して、光散乱体が分布配置されているので、
それぞれのレーザ光は散乱を受けることとなる。
【0129】例えば、第1のレーザ光は点Qで、第2の
レーザ光は点Pで散乱されたとする。すると、点Pで散
乱された第1のレーザ光と点Qで散乱された第2のレー
ザ光は、それぞれ散乱点P、Qを中心とする球面波130
6、1307として反射されることとなる。点P、Qはレン
ズ1209の焦点位置Fとは異なっているため、散乱球面波
1306、1307はレンズ1209で平面波には変換されない。こ
の場合、第2記録媒体層1202がレンズ1209の焦点位置F
より遠方に存在するため、収束球面波1306′、1307′へ
と変換されることとなる。更には、第1と第2のレーザ
光は、レンズ1209の焦点位置Fでのみ同一空間を共有す
るように光学系を配置しているので、点Pと点Qは同一
点となることはあり得ない。
【0130】従って、点P、点Qで散乱反射された球面
波1306、1307の波面は必ず異なることとなり、フォトダ
イオード1223で光コヒーレント検波することは不可能で
ある。この場合は、波面の異なる2つのレーザ光の合波
検波になるが、図3および図4を用いて説明した平面波
の光コヒーレント検波の場合と同様の議論が可能であ
り、波面の傾き角度が大きい場合にはビート信号成分を
出力することは不可能となる。以下に、その理由につい
て詳細に説明する。ここで、レンズ1209の焦点距離を
f、透明分離層1203の厚さをd(簡単化のために記録媒
体層1201、1202の厚さは0とする)、レンズ1209の光軸
を中心として点Pと点Qが距離aだけ隔てた位置に存在
すると仮定する。ただし、 f+d》a …(21) である。
【0131】レンズ1209の中心位置を原点とする図13
に示したようなx−z座標を取ると、点Pと点Qとで散
乱されたレーザ光がレンズ1209を通過して再び集光され
る位置P′(xp′,zp′)、(xQ′,zQ′)は一般
のレンズの結像関係の式より、 xp′=−af/d …(22) xQ′=af/d …(23) zp′=zQ′=f(d+f)/d≒f2/d …(24) と算出される。本参考例ではf=5mm、d=50μm
としたので、(24)式よりzp´=zQ´=500mm
となる。このzp´の値は、レンズ1209とレンズ1222と
の間隔(本参考例では50mm)より大きいために、実
際にはこれら2つの散乱レーザ光は集光されることな
く、レンズ1222とフォトダイオード1223によって光コヒ
ーレント検波されることとなる。
【0132】この関係を図14に示す。ここで、2枚の
レンズ1209と1222との間隔をA、レンズ1209の有効開口
径を2Dとした。レンズ1222の位置での有効面積内での
両レーザ光1306´、1307´の波面の傾きに起因する光の
波面遅れξは、近似的に、 ξ≒afD/d(zp´−A) …(25) と表せる。このため、この値がレーザ光波長λ0以上と
なると、光コヒーレント検波時のビート信号の強度は顕
著に減衰することとなる。従って、点Pと点Qからの散
乱レーザ光が光コヒーレント検波され相当の強度を有す
るビート信号を発生せない状態における両点の最小間隔
2aminは、 2amin≒2dλ0(zp′−A)/fD …(26) となる。
【0133】本参考例におけるレーザ波長は、第1レー
ザ光及び第2レーザ光ともほぼ785nmであり、レンズ1
209の有効径は10nmとしたので、(26)式より点
Pと点Qからの2つの散乱反射光がフォトダイオード12
23でビート信号を誘起させないためには、2a≧2a
min=1μmなる条件が必要となることが分かる。実際
の装置では、レンズ1209に入射する前の第1のレーザ光
と第2の光レーザ光の平面波同士の間隔2Sを200μ
mとしたため、第2記録媒体層1202位置での両光の透過
光の隔たり2σは約20μmとなり、本参考例で上記の
条件(26)式が満たされることはあり得ない。つま
り、第2記録媒体層1202の位置において1μmしか離れ
ていない2点に、第1レーザ光と第2光レーザ光とのそ
れぞれが照射される状況はない。この条件を式に表す
と、下記(27)式となる。
【0134】2σ≧2amin …(27) 従って、第1記録媒体層1201を透過し、第2記録媒体層
1202に存在する光散乱体により散乱された光は、フォト
ダイオード1223に入射した場合にも、第1レーザ光と第
2レーザ光の光周波数差ν1−ν2に相当する周波数を有
する強度の大きなビート信号を発生させることはない。
【0135】このようにして、第1記録媒体層1201にお
ける焦点位置Fに光散乱体が存在する場合にのみ、光コ
ヒーレント検波された第1及び第2レーザ光からなる信
号レーザ光はフォトダイオード1223の出力電流に両光の
光周波数差ν1−ν2を周波数とするビート信号成分が含
まれることとなる。
【0136】したがって、フォトダイオード1223の出力
を高帯域通過フィルタ1224を通し、このビート信号成分
を抽出し、前置増幅器1225により増幅した。前置増幅器
1225の出力波形例を図15に示す。その波形は、第1と
第2のレーザ光の光周波数差ν1−ν2を有するビート信
号が第1記録媒体に記録されたデジタル信号の1、0に
従ってその振幅が変調された形、すなわちASK変調さ
れた形となっている。次に、このような信号を狭帯域通
過フィルタ1226に与えて、ビート周波数成分以外の周波
数成分を有する雑音を除去した後、振幅検波回路1227に
より包落線検波した。振幅検波回路1227の出力電圧を電
圧比較器1228により比較し、記録情報を再生した。
【0137】以上のように、第1記録媒体層1201に光散
乱体の有無として記録された情報を読み出すことが可能
となった。
【0138】上記のように本参考例を実施し、ビート信
号より情報を再生することにより、レンズ1209の焦点位
置Fに存在する記録媒体層(この場合は1201)からの情
報のみを選択的に読み出すことが可能となり、従来困難
であった多層からの反射情報と確実に分離することがで
きるようになった。
【0139】以上の説明では、第1記録媒体層1201を情
報読み出し対象として説明したが、逆に第2記録媒体層
1202から情報を読み出す場合にも、同様の方法により第
1記録媒体層1201での光散乱の影響なしに信号再生を実
行することが可能であった。ただし、この場合には、レ
ンズ1209の焦点位置Fを第2記録媒体層1202位置に一致
させるように光ピックアップ1229の位置を制御する必要
がある。この光ピックアップ1229の位置制御には、多分
割フォトダイオード1220からの出力を第1記録媒体層12
01に焦点位置Fが一致する状態からわざとずらすことに
より実行した。なお、トラッキングは第1記録媒体層と
第2記録媒体層は同じであるため、記録媒体を多層にし
たことによる新たな機構は必要なかった。
【0140】また、より精度の良いフォーカスサーボを
かけることを目的として多分割フォトダイオード1220で
の受光に光コヒーレント検波を導入し、ビート信号振幅
としてそれぞれのフォトダイオードからの出力を検出す
る方法も実施した。このようにビート信号を光ピックア
ップ1229位置制御に応用することにより、フォーカスサ
ーボがかかった状態での制御の安定性は非常に高いこと
が分かった。ただし、本方法の場合、多分割フォトダイ
オード1220の各エレメントビート信号周波数より高い応
答周波数を有するものを選択すること、および各フォト
ダイオード個々に高域通過フィルタ、前置増幅器、狭帯
域通過フィルタ、振幅検波の各回路(信号検出系におけ
る1224〜1227と同等の回路)を併設する必要がある。
【0141】次に、2波長半導体レーザ素子1204に含ま
れる2つのレーザ1205、1206の光周波数差を一定に保つ
ための機構について説明する。ビーム・スプリッタ1208
により2分された他方の2つの平面波レーザ光はミラー
1210、ビーム・スプリッタ1211により波面が一致する様
に合波され、レンズ1212によりフォトダイオード1213の
受光面上に集光される。フォトダイオード1213ではこれ
ら2つのレーザ光が光コヒーレント検波させることとな
り、実施例1〜3で説明したのと同様に、高域通過フィ
ルタ1214、前置増幅器1215、周波数弁別回路1216、比例
積分(PI)制御回路1217、レーザ駆動回路1218により
構成される帰還制御系により2つのレーザ光の光周波数
差ν1−ν2を一定に保持した。詳細な回路構成や動作に
関しては、実施例1〜3で詳細に説明したのでここでは
省略する。
【0142】本参考例装置を用いて実際に記録密度0.
7M/mm2の光ディスクより情報を読み出したとこ
ろ、情報読み出しレート1Mbpsにおいて10-6のビ
ット誤り率を達成することができ、さらに多層に記録さ
れた情報を互いに影響なしに読み出すことが可能となっ
た。
【0143】(参考例2) 次に、参考例2について説明する。
【0144】図16に本参考例の光記録情報読み出し装
置の構成図を示す。本参考例における光メモリディスク
1600は、第1記録媒体層1601と第2記録媒体層1602とを
有しており、それらが厚さdの透明分離層により分離さ
れた構造となっている。情報は、記録媒体層1601、1602
における光散乱体の有無により記録されている。実際の
記録媒体層1601、1602には液晶材料を溶媒中に分散させ
たものを適用している。この場合、記録情報の書き込み
は、レーザ光により液晶分子または液晶層1601、1602の
上下に位置する光吸収膜で光吸収させることにより液晶
層1601、1602を過熱し、その後、自然急冷することによ
り、液晶分子の配列がランダム化される現象を利用し
た。ただし、前参考例共、記録媒体層1601、1602は液晶
材料に限られる訳ではなく、情報を光の散乱状態として
記録できるものであればよく、本参考例の効果には何ら
支障はない。例えば、書き換え不可能なピットをスタン
プ方式でプラスチック材料に印刻したディスク等が考え
られる。
【0145】半導体レーザ素子1603から出射されたレー
ザ光は、レンズ1604によりビーム・スプリッタ1605に集
光される。ビーム・スプリッタ1605でレーザ光は2分さ
れた後、それぞれのレーザ光は、同一のレンズ1606によ
り2つの平面波に変換される。この2つの平面波は、集
光レンズ1607により光メモリディスク1600に集光照射さ
れる。この状態を図17に拡大して表す。この図から分
かるように、まったく同一の光周波数を有する2つのレ
ーザ光1701、1702が角度:2αをなして、第2記録媒体
層1602上の共焦点位置Fに集光照射されている。
【0146】第2記録媒体層1602の光照射(共焦点)位
置Fに光散乱体が存在する場合には、両レーザ光1701、1
702の散乱反射光は、レンズ1607により再び平面波(以
下レーザ光ともいう)1703に変換されることとなる。す
なわち、2つのレーザ光1701、1702の反射光の波面は一
致することとなる。
【0147】このとき、光メモリディスク1600はモータ
(図示せず)により回転運動しているため、光照射位置
Fにおける第2記録媒体層1602は、速度vで(図中では
左方向へ)移動していることとなる。このように、2つ
の同一光周波数のレーザ光が移動物体に移動方向と平行
にある角度をなして照射された場合、その移動物体で反
射されるレーザ光1703はドップラーシフトを受けること
となる(レーザドップラー効果の詳細は、例えば「O
plus E」No.150(5月)p.109を参照
されたい)。
【0148】ここで、レーザ光1701が第2記録媒体層16
02により散乱反射されたレーザ光(第1のレーザ光)の
光周波数ν1 と、レーザ光1702が同様にして散乱反射さ
れたレーザ光(第2のレーザ光)の光周波数ν2 とは、
それぞれ(28)、(29)式となる。
【0149】 ν1=ν0(1+2vsinα/c) …(28) ν2=ν0(1−2vsinα/c) …(29) ただし、ν0 は記録媒体1702照射前のレーザ光1701、17
02の光周波数を表している。
【0150】上記(28)式、(29)式より、両レー
ザ光の光周波数差:ν1−ν2は、 ν1−ν2=4ν0vsinα/c …(30) となり、照射するレーザ光の周波数ν0と速度vはほぼ
一定であるので一定の値となる。ここでは、光メモリデ
ィスク1600の上下方向の移動運動は無視した。実際に
は、光メモリディスク1600は回転運動しながら上下に振
動し、その移動速度成分により第1の第2のレーザ光17
03の光周波数差は(30)式よりずれることとなるが、
実際の装置では光メモリディスク1600の回転による記録
媒体1601、1602の移動速度vは20m/s以上と上下方
向の振動に起因する光メモリディスク1600の移動速度よ
り充分に大きいので、この影響は無視できるからであ
る。
【0151】このようにして、第2記録媒体層1602の光
散乱体により反射された2つの異なる光周波数ν1、ν2
を有するレーザ光1703が波面が一致した状態でミラー16
08に入射することとなる(以後、この波面が一致した第
1および第2レーザ光1703を信号光と呼ぶ)。
【0152】その後、ミラー1608により光路を90゜ 変
換された信号光1703は、ビーム・スプリッタ1609により
2分され、ビーム・スプリッタ1609を直進する信号光17
03はレンズ1610により集光され多分割フォトダイオード
1611に入射される。この多分割フォトダイオード1611か
らの出力に従って、ピックアップ1622の位置を制御し、
集光照射位置Fが第2記録媒体層1602表面になるように
した。
【0153】一方、ビーム・スプリッタ1609で2分され
た他方の信号光1703は、レンズ1612で集光されてフォト
ダイオード1613に入射される。信号光1703は、上述のよ
うに共焦点Fからの散乱反射光として同一の波面を有し
ているため、フォトダイオード1613で両レーザ光1703は
光コヒーレント検波されることとなる。第1のレーザ光
と第2のレーザ光の光周波数差は、(30)式で表され
るようにほぼ一定であるため、フォトダイオード1613の
出力にはこの光周波数差に一致した周波数を有するビー
ト信号が含まれることとなる。
【0154】以上のように、第2記録媒体層1602の光照
射位置Fに光散乱体が存在する場合には、フォトダイオ
ード1613からの出力にビート信号成分が含まれることと
なる。一方、光照射位置Fに光散乱媒体がなく反射がほ
とんど無い場合には、信号光1703の強度は極度に小さく
なり、このためフォトダイオード1611の出力に含まれる
ビート信号成分の振幅も減衰する。
【0155】次に、第2記録媒体層1602に焦点位置Fを
設定した状態における第1記録媒体層1601からの散乱反
射光の影響について説明する。この場合、図17におけ
る点P、Qからレーザ光が散乱反射されることとなる
が、レーザ光照射光学系の性質上これら2つの点が一致
することは有り得ない。また、第2記録媒体層1602に照
射される2つの平面波レーザ光1701、1702の間隔2Sは
2mmとし、使用したレンズ1607の焦点距離fは5.5
mm、透明分離層1603の厚さは10μmとしたため、第
1記録媒体層1601における点PとQとの間の距離2σが
取り得る最小の値は28μmとなる。
【0156】ここで、参考例1での(21)式〜(2
7)式における議論と同様の考察により、第1記録媒体
層1601における異なる2点から散乱反射される光がフォ
トダイオード1613においてビート信号を生成するために
は、実際的な光学構成においてはその点間の距離が10
μm未満となる必要があることが分かる。従って、上記
の点PとQとの間隔2σ(最低でも28μm)では、フ
ォトダイオード1613上での波面がずれ、ビート信号は生
成されない。
【0157】以上のことより、フォトダイオード1613の
出力にビート信号が含まれるのは、第2記録媒体層1602
のレーザ照射位置Fに光散乱体が存在する場合のみであ
ることが分かる。この場合において、フォトダイオード
1613の出力は高域通過フィルタ1614により直流成分を除
去した後、前置増幅器1615によりビート信号成分を増幅
した。
【0158】この前置増幅器1615の出力波形例を図18
に示す。この出力波形は、第2記録媒体層1602における
記録情報の1、0に対応して、ビート信号振幅が変化す
るASK変調信号となっている。このASK変調信号か
らの信号再生には、前述の実施例と同様に、狭帯域通過
フィルタ1616、包落線検波回路1617、電圧比較回路1618
を用いた。また、本参考例ではv=20m/s、2α=
40# としたため、ビート信号周波数ν1−ν2は66M
Hzであった。このビート信号周波数ν1−ν2は記録媒
体からの情報の読み出しレートR=1.5Mbpsより
も充分に高くなっており、ASK信号からのビット信号
再生が可能であった。
【0159】また、光メモリディスク1600を回転させる
方式としては、角速度一定方式と速度一定方式がある
が、ここでは狭帯域通過フィルタ1616の通過帯域幅をで
きるだけ狭くするために、速度一定方式を選択した。こ
の速度一定方式を制御は以下のように行った。
【0160】まず、前置増幅器1615からのビート信号の
周波数を周波数弁別回路1619により検出した。(30)
式に示すように、ビート信号周波数ν1−ν2には速度v
の情報が含まれているため、この検出値と別途外部より
与えられる設定電圧値とを比例(P)制御回路1620によ
り比較し、これらが一致するようにモータ駆動回路1621
によりモータの回転速度を変化させることにより、速度
を一定に保つことができた。
【0161】また、(30)式から分かるようにビート
信号周波数は速度vと照射レーザ光の光周波数ν0とに
より決定されるため、速度を制御するためにはレーザ光
周波数ν0を一定にする必要がある。このため、本参考
例では、半導体レーザ素子として波長変動の少ない分布
帰還型レーザ素子を適用した。なお、速度を一定に保つ
他の方法として、再生されたビット情報のレートを検出
し、その値が一定となるようにモータの回転数を制御す
る方法も可能あり、同様の効果が得られた。
【0162】以上のような構成とすることにより、2つ
の半導体レーザ素子からのレーザ出力の光周波数差を一
定にする為の複雑な帰還回路系を必要とせずに、光コヒ
ーレント検波により生成されるビート信号の振幅変化を
介して記録情報を読み出すことが可能となり、多層記録
媒体ディスク1600からも読み出し対象層以外の層での光
の散乱の影響を全く受けることなく、記録情報を読み出
すことが可能となった。このため、本参考例装置におい
て、記録密度1M/mm2の2層ディスクより情報を読
み出したところ、ビット誤り率10-7が達成された。
【0163】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明においては
以下のような効果を有する。
【0164】(1)光記録情報読み出しにおいて、情報
読み出しレートより大きな周波数差を有する2つのレー
ザ光を用いて光コヒーレント検波することにより、1ビ
ット当たりの光パワーが微弱となった場合にでも記録情
報再生に十分なC/N値を確保できる。
【0165】(2)光周波数が異なる2つの光を共焦点
状態で光記録媒体上に照射することにより、多層光記録
媒体の特定の媒体からの記録情報再生において十分なC
/N値を確保できる。
【0166】(3)光コヒーレント検波出力のビート信
号成分の周波数を検知し、その値を一定に保つ制御を実
行して2つの光の周波数差を一定に保つことにより、情
報再生時のキャリア周波数が安定化され、記録情報再生
におけるビット誤り率を小さく抑制することができる。
【0167】(4)共焦点状態で記録媒体上に照射する
2つの光を同一光源からの同一周波数を有する光とする
と共に、記録媒体の移動によりそれらの反射光の光周波
数にドップラーシフトを与えることにより、単一のレー
ザ光源でかつ光周波数シフトのための余分な素子を必要
とすることなく、光周波数差が一定の値を有する2つの
レーザ光を得ることが可能となり、光コヒーレント検波
を利用する光記録情報読み出しシステムの簡素化・装置
の小型化ができるようになる。
【0168】また、本発明は、上記実施例に限られるも
のではなく、具体的な光学構成や電気回路構成が異なる
場合、信号再生における信号処理方法が異なる場合、ビ
ート信号周波数や情報読み出しレート、情報記録密度、
使用した半導体レーザ素子のスペクトル線幅、等の各種
数値が異なる場合、あるいは、多層記録媒体の層数が2
層以上の場合にも、効果を発揮することは言うまでもな
い。更には、受光素子に光コヒーレント検波するための
2つの異なる波長を生成する手段が実施例(自動周波数
制御回路の利用、ディスクの移動を利用したドップラー
シフト効果の利用)と異なる場合にも効果を発揮するこ
とは言うまでもない。その場合としては、例えば、図1
9に示すように、1つの半導体レーザ素子からの光をビ
ーム・スプリッタ2101にて2分し、片方を音響光学素子
2103にて光周波数をシフトさせる方法を適用した場合等
が考えられる。
【0169】この場合、ビーム・スプリッタ2101にて2
分された他方のレーザ光はビーム・スプリッタ2102を介
して光ディスクに照射される。光ディスクにより反射さ
れた光はビーム・スプリッタ2102により方向を変換され
た後に、ビーム・スプリッタ2105に入射され、音響光学
素子2103により光周波数を変換された光はミラー2104に
て方向を変換された後ビーム・スプリッタ2105に入射さ
れる。ビーム・スプリッタ2105ではこの2つの異なる光
周波数を有するレーザ光は波面が一致した状態で合波さ
れ、受光素子へと導かれることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る光記録情報読み出し装
置の構成図である。
【図2】実施例1の光記録情報読み出し装置における、
偏光ビーム・スプリッタで合波される第1のレーザ光と
第2のレーザ光との偏光関係を示す図である。
【図3】実施例1の説明図であり、(a)は2つの平面
波が微小に傾いて合波された場合の波面の模式図であ
り、(b)はその場合の合波面上でのν1−ν2信号成分
の位相関係を示す図である。
【図4】実施例1の説明図であり、2つの平面波を光コ
ヒーレント検波した場合の波面のずれとビート信号強度
の関係を示す図である。
【図5】実施例1の光記録情報読み出し装置における前
置増幅器の出力信号波形例を示す図である。
【図6】本発明の実施例2に係る光記録情報読み出し装
置の構成図である。
【図7】実施例2の光記録情報読み出し装置において偏
光ビーム・スプリッタで合波される第1のレーザ光と第
2のレーザ光の偏光関係を示す図である。
【図8】実施例2の光記録情報読み出し装置における前
置増幅器の出力波形例を示す図である。
【図9】本発明の実施例3に係る光記録情報読み出し装
置の構成図である。
【図10】実施例3の光記録情報読み出し装置において
ビーム・スプリッタで合波される第1のレーザ光と第2
のレーザ光の偏光関係を示す図である。
【図11】実施例3の光記録情報読み出し装置における
増幅器の出力波形例を示す図である。
【図12】参考例1に係る光記録情報読み出し装置の構
成図である。
【図13】参考例1の光記録情報読み出し装置における
2つの記録媒体層からの散乱反射光の状態を示す図であ
る。
【図14】参考例1の光記録情報読み出し装置における
読み出し対象でない記録媒体層において散乱反射された
レーザ光の信号受光用レンズ開口における波面状態の説
明図である。
【図15】参考例1の光記録情報読み出し装置における
前置増幅器の出力電圧波形例を示す図である。
【図16】参考例2に係る光記録情報読み出し装置の構
成図である。
【図17】参考例2の光記録情報読み出し装置における
2つの記録媒体層からの散乱反射光の状態を示す図であ
る。
【図18】参考例2の光記録情報読み出し装置における
前置増幅器の出力電圧波形例を示す図である。
【図19】本発明の適用が可能であり、異なる2つの光
周波数を得るために音響光学素子を用いた光学系の構成
を示す図である。
【図20】従来の光記録情報読み出し装置の構成図であ
る。
【図21】従来の光記録情報読み出し装置において偏光
ビーム・スプリッタで分波される信号光の偏光状態を示
す図である。
【符号の説明】
101 半導体レーザ素子 102 コリメータ・レンズ 103 ビーム整形用プリズム 104 ビーム・スプリッタ 105 集光レンズ 106 ディスク 107 記録媒体 108 ビーム・スプリッタ 109 集光レンズ 110 多分割フォトダイオード 111 λ/2板 112 偏光ビーム・スプリッタ 113 半導体レーザ素子 114 コリメータ・レンズ 115、117 集光レンズ 116、118 PINフォトダイオード 119、120 高域通過フィルタ 121、122 前置増幅器 123、124 狭帯域通過フィルタ 125、126 振幅検波回路 127 差動増幅回路 128 比較回路 129 周波数弁別回路 130 PID制御回路 131 レーザ駆動回路 132 プロセッサ回路 133 スイッチ回路 601 半導体レーザ素子 602 ホログラム板 603 コリメータ・レンズ 604 ビーム・スプリッタ 605 集光レンズ 606 光ディスク 607 記録媒体 608 多分割フォトダイオード 609 光ピックアップ 610 偏光ビーム・スプリッタ 611 半導体レーザ素子 612 コリメータ・レンズ 615 コリメータ・レンズ 614、616 フォトダイオード 617 高帯域通過フィルタ 618 前置増幅器 619 周波数弁別回路 620 自動波長制御回路 621 レーザ駆動回路 622 プロセッサ回路 623 スイッチ回路 624 高帯域通過フィルタ 625 前置増幅器 626 狭帯域通過フィルタ 627 位相検波回路 628 信号再生回路 629 振幅検波回路 630 自動ゲイン制御回路 901 半導体レーザ素子 902 コリメータ・レンズ 903 ビーム・スプリッタ 904 集光レンズ 905 光ディスク 906 記録媒体 907 ビーム・スプリッタ 908 集光レンズ 909 フォトダイオード 910 半導体レーザ素子 911 コリメータ・レンズ 912 高域通過フィルタ 913 増幅器 914 狭帯域通過フィルタ 915 振幅検波回路 916 電圧比較回路 917 光ファイバ 918、919 分岐部 920、921 フォトダイオード 922 合波部 923 受光回路 924 高域通過フィルタ 925 増幅器 926 周波数弁別回路 927、929、930 比例制御回路 928 レーザ駆動回路 1200 光ディスク 1201 第1記録媒体層 1202 第2記録媒体層 1203 分離層 1204 2波長半導体レーザ素子 1205 第1レーザストライプ 1206 第2レーザストライプ 1207 レンズアレイ 1208 ビーム・スプリッタ 1209 レンズ 1210 ミラー 1211 ビーム・スプリッタ 1212 レンズ 1213 フォトダイオード 1219 ビーム・スプリッタ 1220 多分割フォトダイオード 1221、1222 レンズ 1223 フォトダイオード 1224 高帯域通過フィルタ 1225 前置増幅器 1226 狭帯域通過フィルタ 1227 振幅検波回路 1228 電圧比較器 1229 光ピックアップ 1301、1302 平面波レーザ光 1303 信号レーザ光 1304、1305 レーザ光 1306、1307 (散乱)球面波 1306′、1307′ 収束球面波 1600 光メモリディスク 1601 第1記録媒体層 1602 第2記録媒体層 1603 半導体レーザ素子 1604 レンズ 1605 ビーム・スプリッタ 1606 レンズ 1607 集光レンズ 1701、1702 レーザ光 1703 平面波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下中 淳 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−184717(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/00 - 7/013 G11B 7/12 - 7/135

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に照射されたレーザ光の反射光
    を光電変換することにより該記録媒体に記録されたデジ
    タル情報を再生する光記録情報読み出し装置において、 光周波数ν1の第1レーザ光を発生させる第1レーザ光
    発生手段と、 光周波数ν2の第2レーザ光を発生させる第2レーザ光
    発生手段と、 該第1レーザ光と該第2レーザ光の周波数の差(ν1
    ν2)を、該デジタル情報の読み出しレートR以上の一
    定値になるように保持する周波数保持手段と、 前記第1レーザ光発生手段にて発生されて前記記録媒体
    にて反射された反射レーザ光と、前記第2レーザ光発生
    手段にて発生されて該第2レーザ光発生手段からコリメ
    ータレンズを介して直接照射される第2レーザ光とを合
    波する合波手段と、 該合波手段によって合波された光を光電変換する光電変
    換手段と、 該光電変換手段の出力に含まれる前記反射レーザ光およ
    び第2レーザ光のビート信号成分の振幅または位相の時
    間的変化を検出する信号検出手段と、 該信号検出手段の検出出力により該記録媒体に記録され
    たデジタル情報を再生する再生手段と、 を備えることを特徴とする光記録情報読み出し装置。
  2. 【請求項2】 前記信号検出手段は、反射レーザ光の振
    幅を、前記第2レーザ光の光強度によって任意に設定さ
    れる第2レーザ光の振幅に基づいて増幅させて反射レー
    ザ光の振幅を検出する請求項1に記載の光記録情報読み
    出し装置。
  3. 【請求項3】 前記周波数保持手段は、前記光電変換手
    段から出力される前記反射レーザ光および前記第2レー
    ザ光のビート信号成分から検出されるビート周波数の検
    出値が、設定値と一致するように制御する帰還制御手段
    を備えている請求項1に記載の光記録情報読み出し装
    置。
  4. 【請求項4】 記録媒体に照射されたレーザ光の反射光
    を光電変換することにより該記録媒体に記録されたデジ
    タル情報を再生する光記録情報読み出し方法において、 光周波数ν1の第1レーザ光が記録媒体にて反射された
    反射レーザ光と、該デジタル情報の読み出しレートをR
    とした場合に、ν1−ν2≧Rの関係を満たすように光周
    波数ν2が設定されてレーザ光発生手段からコリメータ
    レンズを介して直接照射される第2レーザ光とを、波面
    が一致した状態で光電変換して光コヒーレント検波を行
    って、光電変換された出力に含まれる該反射レーザ光お
    よび第2レーザ光のビート信号成分の振幅又は位相の時
    間的変化を検出し、その検出結果に基づいて該記録媒体
    に記録されたデジタル情報を読み出すことを特徴とする
    光記録情報読み出し方法。
  5. 【請求項5】 前記ビート信号成分から検出されるビー
    ト周波数に基づいて、前記第1レーザ光と第2レーザ光
    の光周波数差を一定に保持するように帰還制御する請求
    項4記載の光記録情報読み出し方法。
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