JP3390246B2 - 離型性の改善されたゴム変性ポリスチレン樹脂組成物及び該組成物からなる射出成形体 - Google Patents

離型性の改善されたゴム変性ポリスチレン樹脂組成物及び該組成物からなる射出成形体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性,流動性,離
型性,印刷性,超音波融着特性,光沢等に優れており、
家電製品の外郭材、OA(オフィス・オートメーショ
ン)製品の外郭材等として有用な成形品を与え得るゴム
変性ポリスチレン樹脂組成物と、該組成物からなる射出
成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、家電製品、OA製品の外郭材(ハ
ウジング材)として、ポリスチレン系樹脂が多く使用さ
れている。この場合、外観は勿論のこと、輸送や使用時
の耐衝撃性,耐熱性,剛性等の厳しい要求に加え、製品
形状の多様化による成形加工のし易さ(離型性)も材料
の特性として必要となっている。
【0003】外観を良くするためには、ゴムの平均粒子
径を1.2μm以下にする必要があるが、そうすると耐
衝撃性が低下してしまう。そこで、これを改良するため
に、ポリジメチルシロキサンを添加することは良く知ら
れている(特公昭63−56895号公報等)。しかし
ながら、ポリジメチルシロキサンの添加量が多いと二次
加工性が劣り、一方、添加量が少ないと耐衝撃性の向上
効果が認められない。
【0004】一方、離型性を向上させるために、高級脂
肪酸,高級脂肪酸金属塩を添加することが一般に良く知
られているが、これらの添加は耐熱性,機械的強度(伸
び等)を低下させるため、これまで好ましい樹脂組成物
が得られていない。
【0005】さらに、耐衝撃性や離型性を向上させるた
め、ポリジメチルシロキサンと各種離型剤との組み合わ
せについても知られているが(特開昭61−18333
9号公報、特開昭61−183340号公報)、成形性
(流動性)の向上効果に乏しく、離型性も満足できるも
のではなかった。また、ポリジメチルシロキサンと一価
の高級脂肪族系アルコールとの組み合わせによる摺動材
料も良く知られているが(特開平2−145635号公
報)、印刷特性や塗装性,超音波融着性が劣っており、
家電製品,OA製品等の外郭材(ハウジング材)として
は好ましくなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の欠点を解消し、耐衝撃性,流動性,離型性,印刷
性,超音波融着特性,光沢等に優れており、家電製品の
外郭材、OA製品の外郭材等として有用な成形品を与え
得るゴム変性ポリスチレン樹脂組成物と、該組成物から
なる射出成形体を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は第一
に、ゴム質重合体が粒子状に分散しているゴム変性ポリ
スチレン樹脂組成物において、分散粒子の平均粒子径が
0.20〜1.20μmであり、かつ、該組成物中に2
5℃における動粘度が50cSt〜50000cStの
ポリジメチルシロキサンが0.005〜1.0重量%及
び一価の高級脂肪族系アルコールが0.05〜1.0重
量%含有されていることを特徴とする、離型性の改善さ
れたゴム変性ポリスチレン樹脂組成物を提供するもので
ある。
【0008】さらに本発明は第二に、上記本発明の第一
のゴム変性ポリスチレン樹脂組成物を射出成形してなる
射出成形体を提供するものである。
【0009】本発明は、ゴム質重合体が粒子状に分散し
ているゴム変性ポリスチレン樹脂組成物であって、上記
した3つの条件を具備したものであることが必要であ
る。本発明に用いるゴム変性ポリスチレン樹脂は、ポリ
ブタジエン等のゴム質重合体とスチレン系単量体を主成
分とするビニル単量体をグラフト重合して得られるもの
である。
【0010】ここでスチレン系単量体としては、スチレ
ンモノマーが最適であるが、その他にα−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン等を使用
することができる。また、ゴム質重合体としては、従来
公知のゴム変性ポリスチレン樹脂に用いられているゴム
質重合体の中から任意に選択して用いることができ、例
えばブタジエン重合体(PBN)、スチレン−ブタジエ
ン共重合体(SBR)、アクリロニトリル・ブタジエン
共重合体(ABR)、エチレン・プロピレン・ジエン三
元共重合体(EPDM)などを使用することができる。
これらゴム質重合体とスチレン系単量体とは、塊状重
合、塊状・懸濁重合、乳化重合によりグラフトすること
ができる。
【0011】本発明のゴム変性ポリスチレン樹脂組成物
は、ゴム質重合体が粒子状に分散しており、分散粒子の
平均粒子径が0.20〜1.20μm、好ましくは0.
30〜1.00μmの範囲にあることが必要である。こ
こでゴム質重合体粒子(分散粒子)の平均粒子径が0.
20μm未満であると、耐衝撃性が低くなり過ぎてしま
い、好ましくない。一方、ゴム質重合体粒子(分散粒
子)の平均粒子径が1.20μmを超えると、光沢等が
低下し、好ましくない。なお、ゴム質重合体粒子(分散
粒子)の平均粒子径は、重合時の条件(例えば、攪拌の
強さなど)を変更することにより調節することができ
る。
【0012】ゴム質重合体粒子(分散粒子)の平均粒子
径は、得られた樹脂の超薄切片法に従って透過型電子顕
微鏡写真(拡大倍率:10000倍)を撮影し、写真中
の分散粒子800〜2000個の粒子について、粒子径
を測定することによって求められる。この際、電子顕微
鏡写真に写る分散粒子は、通常、完全な円形となってい
ないので、長手方向径aと、短幅方向径bとを測定し、
次式(1)に従って、まず粒子径を算出した後、次式
(2)に従って平均ゴム粒子径Ds(μm)を算出すれ
ばよい。なお、式(2)中において、niは粒子径Di
のゴム質重合体粒子(分散粒子)の個数である。
【0013】
【数1】
【0014】
【数2】
【0015】次に、本発明のゴム変性ポリスチレン樹脂
組成物は、該組成物中に25℃における動粘度が50c
St〜50000cStのポリジメチルシロキサンが
0.005〜1.0重量%含有されていることが必要で
ある。
【0016】本発明で用いるポリジメチルシロキサン
は、次の一般式〔I〕で示される化学構造を有するケイ
素化合物である。
【0017】
【化1】
【0018】このようなポリジメチルシロキサンとして
は、25℃における動粘度が50cSt〜50000c
Stの範囲にあることが必要であるが、25℃における
動粘度が100〜30000cStの範囲であるもの
(比較的低分子量のもの)が良好な物性のものが得られ
るため、より好ましい。25℃における動粘度が50c
St未満のポリジメチルシロキサンを用いた場合には、
成形時のガス発生量が多く、金型への付着物が多くな
り、好ましくない。一方、25℃における動粘度が50
000cStを超えるリジメチルシロキサンを用いた場
合には、樹脂中への分散が困難となり、良好な物性の樹
脂組成物が得られなくなる。
【0019】また、本発明においては、上記の如きポリ
ジメチルシロキサンが0.005〜1.0重量%含有さ
れていることが必要であり、特に0.01〜0.80重
量%含有されていることが好ましい。ここで樹脂組成物
中のポリジメチルシロキサンの含有量が0.005重量
%未満であると、耐衝撃性や離型性が充分でない。一
方、樹脂組成物中のポリジメチルシロキサンの含有量が
1.0重量%を超えると、二次加工時の印刷性(シルク
印刷、熱転写)、塗装性、超音波融着特性等が低下する
ため、好ましくない。
【0020】なお、本発明においては、上記の如きポリ
ジメチルシロキサンを用いることが必要不可欠であり、
これ以外の有機ポリシロキサン、例えばフェニルメチル
シロキサン等を用いたとしても、本発明の目的を達成す
ることはできない。
【0021】さらに、本発明のゴム変性ポリスチレン樹
脂組成物は、一価の高級脂肪族系アルコールが0.05
〜1.0重量%含有されていることが必要であり、特に
0.1〜0.8重量%含有されていることが好ましい。
本発明において用いる一価の高級脂肪族系アルコールと
しては特に制限はないが、代表的な例を挙げれば、n−
オクチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアル
コール、カプリンアルコール、ミリスチルアルコール、
ステアリルアルコール等がある。これらは、1種を単独
で、或いは2種以上を混合して用いることができる。
【0022】また、本発明において、樹脂組成物中の一
価の高級脂肪族系アルコールの含有量が0.05重量%
未満であると、充分な離型性を得ることができない。一
方、樹脂組成物中の一価の高級脂肪族系アルコールの含
有量が1.0重量%を超えると、荷重たわみ温度の低下
が見られ、耐熱性を要する成形品とするために好ましく
ない。
【0023】本発明のゴム変性ポリスチレン樹脂組成物
においては、以上の条件を具備する必要があり、いずれ
か一つの条件を欠いたとしても、本発明の目的を達成す
ることはできない。また、ポリジメチルシロキサンと一
価の高級脂肪族系アルコールを併用することが必要であ
り、いずれか一方のみを用いたとしても、本発明の目的
を達成することはできない。
【0024】このような本発明の樹脂組成物を製造する
方法は特に限定されず、例えばポリブタジエン等のゴム
質重合体とスチレン系単量体を主成分とするビニル単量
体に、ポリジメチルシロキサンと一価の高級脂肪族系ア
ルコールとを所定割合で配合し、重合して得られるもの
でもよいし、或いは予めポリブタジエン等のゴム質重合
体とスチレン系単量体を主成分とするビニル単量体をグ
ラフト重合して得られるゴム変性ポリスチレン樹脂に、
ポリジメチルシロキサンと一価の高級脂肪族系アルコー
ルとを所定割合で配合し、押出機等により溶融混練した
ものであってもよい。その他、ポリジメチルシロキサン
とポリスチレンとからポリジメチルシロキサン濃度の高
いマスターペレットを製造し、そのマスターペレットと
ゴム変性ポリスチレンとを混合し、組成物を得てもよい
し、同様に一価の高級脂肪族系アルコールとポリスチレ
ンとから一価の高級脂肪族系アルコール濃度の高いマス
ターペレットを製造し、そのマスターペレットとゴム変
性ポリスチレンとを混合し、組成物を得てもよい。
【0025】本発明のゴム変性ポリスチレン樹脂組成物
には、必要に応じてさらに着色料,滑剤,充填剤,離型
剤,可塑剤,帯電防止剤等の慣用の添加剤を添加するこ
とができる。
【0026】このようにして得られるゴム変性ポリスチ
レン樹脂組成物を、常法により射出成形することによ
り、本発明の第2の射出成形体が得られる。このように
して得られる射出成形体は、印刷性や超音波融着特性等
に優れたものとなっている。なお、このようにして得ら
れるゴム変性ポリスチレン樹脂組成物に対して、加熱,
加圧,注型,積層成型,プレス,連続成型,注入,塗布
等の成形加工を施すことにより、種々の樹脂成形品を得
ることもできる。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。なお、本発明の
実施に先立ち、下記の参考例1の如くしてゴム変性ポリ
スチレン樹脂を製造した。
【0028】参考例1(ゴム変性ポリスチレン樹脂の製
造) 毎時10リットルの供給速度で、ポリブタジエンゴム
(MI:2.0g/10分)7.5重量部、スチレン8
7.5重量部及びエチルベンゼン5.0重量部からなる
混合物100重量部に、1.1−ビス(第三ブチルパー
オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.0
40重量部と、n−ドデシルメルカプタン0.013重
量部と、酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名:イル
ガノックス1076)0.070重量部とを加え、温度
93℃に維持した容量13リットルの第一重合槽に連続
的に供給し、重合させた。次いで、得られた部分重合物
を、温度112℃に維持した容量13リットルの第二重
合槽に送り、ここで回転速度100〜450rpmの範
囲で攪拌しながら重合を続け、分散ゴム粒子径の調節を
行なった。この重合物をさらに容量19リットルの第三
重合槽、続いて容量20リットルの第四重合槽に送り、
温度120〜180℃で重合を続行した後、脱揮装置で
揮発成分を除去し、ペレット状のゴム変性ポリスチレン
樹脂を得た。このようにして、ポリブタジエン含量が
8.2重量%であって、分散ゴム粒子の平均粒子径がそ
れぞれ0.15μm、0.34μm、0.50μm、
0.80μm、0.96μm、1.15μm及び1.8
0μmである7種のゴム変性ポリスチレン樹脂を得た。
【0029】実施例1〜10 参考例1で得たゴム変性ポリスチレン樹脂(0.34μ
m、0.50μm、0.80μm、0.96μm、1.
15μmの5種)に、第1表に示した配合量で、ポリジ
メチルシロキサン(東レダウコーニング社製SH20
0)と、一価の高級脂肪族系アルコールとしてステアリ
ルアルコール或いはオクチルアルコールを添加し、押出
機で混練して、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組
成物の流れ値(メルトインデックス=MI)を測定し
た。また、この樹脂組成物を射出成形して、成形品の荷
重たわみ温度とアイゾッド衝撃強さを測定した。さら
に、離型性の評価として離型油圧の測定、印刷特性の評
価、及び超音波融着特性の評価をそれぞれ行なった。結
果を第1表に示す。なお、以下に離型性の評価方法と、
物性の試験方法を示す。
【0030】〔離型性の評価方法〕 ・射出成形機:東芝機械製、IS−150E ・金型:円筒形状、直径100mm×50mm×2mm ・評価方法:成形品突出し時の突出し油圧を測定
【0031】〔物性の試験方法〕 MI(g/10分):JIS K 6871に準拠 荷重たわみ温度(℃):JIS K 6871に準拠 アイゾッド衝撃強さ(kJ/m2 ):JIS K 6
871に準拠 光沢(%):JIS K 7105に準拠 印刷特性(ホットスタンプ後、碁盤目剥離にて評価) (判定)=○:剥離無し、△:10%未満剥離、×:1
0%以上剥離 (印刷条件:大平工業製、GT−300Lを使用) ・温度 220℃ ・圧力 100kg ・速度10cm/sec. ・箔(品名)N−07−54SE(W−1668) 超音波融着特性(融着可能の最小ウェルド時間で評
価) (判定)=○:0.05秒以内、△:0.1秒以内、
×:0.1秒を超える時間必要 (融着条件:ブランソン製910Mを使用) ・周波数 20kHz ・加圧力 241kPa
【0032】比較例1〜14 第1表に示す条件としたこと以外は、実施例1〜8と同
様にして組成物を得、射出成形品を得た。結果を第1表
に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】〔第1表の脚注〕 *1:フェニルメチルシロキサン=東レダウコーニング
社製SH710 *2:St=ステアリルアルコール Oc=オクチルアルコール *3:比較例3では、光沢不良発生 *4:比較例7では、二次加工性(印刷性、超音波融着
性)低下
【0036】第1表の結果から、次のことが明らかであ
る。すなわち、比較例1のようにポリジメチルシロキサ
ンを使用しない場合には、アイゾッド衝撃強さが低下
し、離型性が充分でない。比較例2のように、ゴム質重
合体の平均粒子径が0.2μm未満の場合には、アイゾ
ッド衝撃強さが低下してしまう。比較例3のように、ゴ
ム質重合体の平均粒子径が1.20μmを超える場合に
は、光沢が不良となる。比較例4のように、ポリジメチ
ルシロキサンの動粘度が50cSt未満であると、離型
性が充分でない。比較例5のように、ポリジメチルシロ
キサンの動粘度が50000cStを超える場合には、
アイゾッド衝撃強さが低下してしまう。比較例6のよう
に、ポリジメチルシロキサンの添加量が少な過ぎる場合
には、アイゾッド衝撃強さが低下し、離型性が充分でな
い。比較例7のように、ポリジメチルシロキサンの添加
量が多過ぎる場合には、二次加工性(印刷性、超音波融
着性)が低下してしまう。
【0037】また、比較例8のように、一価の高級脂肪
族系アルコールではなく、エチレングリコールを用いた
場合には、荷重たわみ温度が低下し、離型性も充分でな
い。比較例9のように、一価の高級脂肪族系アルコール
ではなく、エタノールを用いた場合にも、荷重たわみ温
度が低下し、離型性も充分でない。比較例10のよう
に、一価の高級脂肪族系アルコールの添加量が少な過ぎ
る場合には、離型性が充分でない。比較例11のよう
に、一価の高級脂肪族系アルコールの添加量が多過ぎる
場合には、荷重たわみ温度が低下し、二次加工性(特に
超音波融着性)も充分でない。比較例12のように、一
価の高級脂肪族系アルコールではなく、ステアリン酸を
用いた場合には、離型性が充分でない。比較例13のよ
うに、一価の高級脂肪族系アルコールではなく、ステア
リン酸亜鉛を用いた場合にも、離型性が充分でない。比
較例14のように、ポリジメチルシロキサンではなく、
フェニルメチルシロキサンを用いた場合には、アイゾッ
ド衝撃強さが低下し、離型性が充分でない。
【0038】
【発明の効果】本発明のゴム変性ポリスチレン樹脂組成
物は、アイゾッド衝撃強さが高く、耐衝撃性に優れたも
のである。次に、本発明のゴム変性ポリスチレン樹脂組
成物は、離型性に優れており、成形加工がしやすい。ま
た、本発明のゴム変性ポリスチレン樹脂組成物は、印刷
性,超音波融着特性等の二次加工性に優れたものであ
る。さらに、本発明のゴム変性ポリスチレン樹脂組成物
は、流動性,光沢にも優れたものである。従って、本発
明のゴム変性ポリスチレン樹脂組成物は、家電製品の外
郭材、OA(オフィス・オートメーション)製品の外郭
材等として有用な成形品を与え得るものである。
【0039】なお、本発明の各種態様を示すと、以下の
通りである。 (1).ゴム質重合体が粒子状に分散しているゴム変性
ポリスチレン樹脂組成物において、分散粒子の平均粒子
径が0.20〜1.20μmであり、かつ、該組成物中
に25℃における動粘度が50cSt〜50000cS
tのポリジメチルシロキサンが0.005〜1.0重量
%及び一価の高級脂肪族系アルコールが0.05〜1.
0重量%含有されていることを特徴とする、離型性の改
善されたゴム変性ポリスチレン樹脂組成物。 (2).ゴム質重合体の分散粒子の平均粒子径が0.3
0〜1.00μmである前記(1)記載のゴム変性ポリ
スチレン樹脂組成物。 (3).ポリジメチルシロキサンの25℃における動粘
度が100cSt〜30000cStである前記(1)
記載のゴム変性ポリスチレン樹脂組成物。 (4).ポリジメチルシロキサンの含有量が0.01〜
0.80重量%である前記(1)記載のゴム変性ポリス
チレン樹脂組成物。 (5).ポリジメチルシロキサンの25℃における動粘
度が100cSt〜30000cStであり、かつ、そ
の含有量が0.01〜0.80重量%である前記(1)
記載のゴム変性ポリスチレン樹脂組成物。 (6).一価の高級脂肪族系アルコールが、n−オクチ
ルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコー
ル、カプリンアルコール、ミリスチルアルコール及びス
テアリルアルコールよりなる群から選ばれた少なくとも
1種のものである前記(1)記載のゴム変性ポリスチレ
ン樹脂組成物。
【0040】(7).一価の高級脂肪族系アルコール
が、n−オクチルアルコール又はステアリルアルコール
である前記(1)記載のゴム変性ポリスチレン樹脂組成
物。 (8).一価の高級脂肪族系アルコールの含有量が0.
1〜0.8重量%である前記(1)記載のゴム変性ポリ
スチレン樹脂組成物。 (9).一価の高級脂肪族系アルコールが、n−オクチ
ルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコー
ル、カプリンアルコール、ミリスチルアルコール及びス
テアリルアルコールよりなる群から選ばれた少なくとも
1種のものであり、かつ、その含有量が0.1〜0.8
重量%である前記(1)記載のゴム変性ポリスチレン樹
脂組成物。 (10).一価の高級脂肪族系アルコールが、n−オク
チルアルコール又はステアリルアルコールであり、か
つ、その含有量が0.1〜0.8重量%である前記
(1)記載のゴム変性ポリスチレン樹脂組成物。 (11).前記(1)記載のゴム変性ポリスチレン樹脂
組成物を射出成形してなる射出成形体。 (12).前記(1)記載のゴム変性ポリスチレン樹脂
組成物を射出成形してなる、印刷性に優れた射出成形
体。 (13).前記(1)記載のゴム変性ポリスチレン樹脂
組成物を射出成形してなる、超音波融着特性に優れた射
出成形体。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/04 C08K 5/05

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム質重合体が粒子状に分散しているゴ
    ム変性ポリスチレン樹脂組成物において、分散粒子の平
    均粒子径が0.20〜1.20μmであり、かつ、該組
    成物中に25℃における動粘度が50cSt〜5000
    0cStのポリジメチルシロキサンが0.005〜1.
    0重量%及び一価の高級脂肪族系アルコールが0.05
    〜1.0重量%含有されていることを特徴とする、離型
    性の改善されたゴム変性ポリスチレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のゴム変性ポリスチレン樹
    脂組成物を射出成形してなる射出成形体。
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