JP3390122B2 - 車両の白線検出装置 - Google Patents

車両の白線検出装置

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JP3390122B2
JP3390122B2 JP35456096A JP35456096A JP3390122B2 JP 3390122 B2 JP3390122 B2 JP 3390122B2 JP 35456096 A JP35456096 A JP 35456096A JP 35456096 A JP35456096 A JP 35456096A JP 3390122 B2 JP3390122 B2 JP 3390122B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両の白線検出装
置に関し、より具体的には高速道路などにおいて精度良
く白線を検出するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、車両走行制御技術の一つとして、
CCDカメラなどのイメージセンサ(撮像手段)を車両
に搭載して高速道路などにおいて車両前方の走行路を撮
像し、白線を検出することが提案されている。そのよう
な技術においては、撮像した路面画像内の所定の領域
(ウインドウ)で作成したヒストグラムからしきい値を
決定し、二値化を行っている。例えば特開平5−205
93号公報記載の技術は、二値化する際のしきい値を、
輝度の最大値より一定値だけ減算した値としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように従来技術に
おいては、しきい値を画素の輝度に関するヒストグラム
から求めているが、一般に路面は滑らかではないため、
光の反射などによって路面の輝度が変化し、常に整った
形状のヒストグラムが得られるとは限らない。
【0004】また、画像のヒストグラムを得るには、画
像全体を8ビットに量子化してメモリに一旦格納するた
め、メモリ量が増大すると共に、メモリにアクセスする
時間が長くなり、処理時間が増加する不都合があった。
更に、ハードウェア化するにも回路規模が大きくなって
構成が複雑になる問題点もあった。
【0005】従って、この発明は従来技術の上記した欠
点を解消することを目的とし、画像を二値化するために
しきい値が、環境の明暗変化や道路構造パターン以外の
ものに影響されないと共に、メモリ量の低減および高速
演算を可能にし、ハードウェア化に際しても回路規模を
縮小することができる車両の白線検出装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】更に、画像認識による移動車からの道路構
造認識では一般に、白線を含む外部環境を撮像して得ら
れる2次元観測画像から濃淡値が暗から明に、明から暗
に変化する点を検出し、検出して点の集合により形成さ
れる領域が所定幅以下であるような領域を白線検出候補
部として検出し、前記領域の中心点の領域から白線パタ
ーンを分類し、分類されたパターンに対してハフ変換を
施して白線を抽出している。
【0007】しかしながら、このような手法において
は、白線と白線以外のエッジを切り分けるしきい値の設
定が難しく、そのため、誤った白線候補部をハフ変換し
てしまって実際の白線とずれた線分を抽出してしまう可
能性がある。また、白線候補部全てに対してハフ変換す
るために、計算処理が膨大になり、ハードウェア化する
際に回路規模が大きくなる可能性がある。
【0008】従って、この発明の第2の目的は上記した
不都合を解消し、ハフ変換を用いずに、二値化画像に限
定して処理を行うことで演算量を低減して高速処理を可
能とし、構成においても簡易にした車両の白線検出装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明に係る車両の白線検出装置は請求項1
項にあっては、車両の進行方向の走行路面を含む走行路
を撮像する撮像手段、前記撮像手段が撮像した撮像画像
内にウインドウを設定するウインドウ設定手段、前記ウ
インドウ内の輝度値の平均値を算出する平均輝度値算出
手段、前記ウインドウ内の輝度値の最大値を算出する最
大輝度値算出手段、前記算出された平均輝度値と最大輝
度値に基づいて値化しきい値を設定するしきい値設
定手段、前記設定された二値化用しきい値により二値化
した画像とテンプレートとを比較し、相関値を算出する
相関値算出手段、前記算出された相関値を、白線を認識
したか否かを判定するための白線認識判定用しきい値と
比較する比較手段、および前記比較結果に基づいて白線
を検出する白線検出手段を備えると共に、前記白線検出
手段は、前記比較結果に基づいてテンプレートを更新す
るテンプレート更新手段、および前記白線認識判定用し
きい値を、前記算出された相関値が増加するのと同じ方
向に更新するしきい値更新手段を含む如く構成した。
【0010】
【0011】
【0012】請求項項にあっては、前記テンプレート
更新手段は、前記比較結果に基づき、前記算出された相
関値が前記白線認識判定用しきい値以上ではないと判断
されるときは前記テンプレートを水平方向に移動させる
テンプレート水平方向移動手段、および前記比較結果に
基づき、前記算出された相関値が前記白線認識判定用
きい値以上と判断されるときは前記テンプレートを垂直
方向に移動させるテンプレート垂直方向移動手段を含む
如く構成した。
【0013】請求項項にあっては、前記テンプレート
更新手段は、サーチウインドウを設定するサーチウイン
ドウ設定手段を備えると共に、前記テンプレート水平方
向移動手段は、前記サーチウインドウ内で前記テンプレ
ートを水平方向に移動させる如く構成した。
【0014】
【作用】請求項1項においては、画像を二値化するため
しきい値が、環境の明暗変化や道路構造パターン以外
のものに影響されないと共に、メモリ量の低減および高
速演算を可能にし、ハードウェア化に際しても回路規模
を縮小することができる。
【0015】また、ハフ変換を用いずに二値画像に限定
して処理を実行しているため、演算量を低減して高速処
理を可能とし、構成においても簡易にすることができ
る。
【0016】また、テンプレートを最新データに基づい
て更新すると共に、白線認識判定用しきい値も更新して
いるので、処理速度および検出精度を向上させることが
でき、遠距離まで確実に白線を認識することができる。
【0017】請求項項にあっては、比較結果に基づい
てテンプレートを水平方向あるいは垂直方向に移動させ
ているため、一層確実に白線を認識することができる。
【0018】請求項項にあっては、サーチウインドウ
内でテンプレートを水平方向に移動させるようにしたの
で、一層処理速度を上げることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に即してこの発明
の実施の形態を説明する。
【0020】図1はこの発明に係る車両の白線検出装置
を全体的に示す車両の上面図、図2は該装置を機能的に
示すブロック図である。
【0021】図示の如く、この装置は、前記した撮像手
段たる1基のCCDカメラ(モノクロTVカメラ)1
0、画像処理部12、および表示部14からなる。CC
Dカメラ10は運転席上方のルームミラー取り付け位置
付近に固定され、車両進行方向の道路画像を単眼視で撮
像し、アナログ輝度信号に変換する。
【0022】CCDカメラ10のカメラパラメータは、
CCDサイズ:2/3インチ、レンズ:オートアイリス
機能付、レンズ焦点距離:16mm、レンズ画角:38
度、カメラ設置高:1200mm、カメラ俯角:約5度
である。尚、CCDカメラ10の映像面は図3に示す如
く、縦480画素×横640画素である。
【0023】図4に、レンズ画角、それに従って決定さ
れる白線検出範囲、およびこの装置が前提とする道路環
境を示す。この発明に係る装置は図示の如く、路面16
に白線(長線あるいは破線)18で走行路(レーン)が
表示される高速道路のような道路環境を前提とする。
尚、白線のうち長線あるいは破線の一方のみで走行路が
指定されるような道路環境であっても良い。
【0024】CCDカメラ10が出力する映像信号は、
画像処理部12に送られる。
【0025】画像処理部12はマイクロプロセッサ2
2、画像処理ボード24、DC/ACインバータ26、
およびVTR/SCANインバータ28を備える。マイ
クロプロセッサ22は、入力された映像信号を所定のサ
ンプリング周期で路面の明るさに応じたデジタル輝度信
号に変換してVTR/SCANコンバータ28に格納
し、後述のように画像処理を行って走行路(白線)を検
出する。
【0026】画像処理部12の検出結果は、図示しない
車両制御装置などの外部装置に送られ、自動走行制御な
どに用いられると共に、表示部14に送られる。表示部
14はディスプレイ(CRT表示装置)32およびキー
ボード34を備え、画像処理部12の検出結果を表示す
る。
【0027】続いて、図5フロー・チャートを参照して
この発明に係る車両の白線検出装置の動作の中の、二値
化しきい値決定作業を説明する。図示のプログラムは例
えば、33ms(1秒間に30フレーム)ごとに起動さ
れる。
【0028】図5フロー・チャートに示す動作は、前記
した画像処理部12においてマイクロプロセッサ22
が、具体的には図6に示すハードウェア回路からなる画
像処理ボード24を介して行う。以下、図5および図6
を参照して説明する。
【0029】先ず、S10においてCCDカメラ10か
らのアナログ映像信号を入力する。続いてS12に進
み、入力信号をサンプリングして路面の明るさに応じた
デジタル輝度値に変換してVTR/SCANコンバータ
26に格納する。
【0030】続いてS14に進み、処理ウインドウ40
を設定する。即ち、図7に示すように、画像の左右で白
線が存在する推定される位置付近に左右の処理ウインド
ウ40a,40bを設定する。処理ウインドウ40は左
右とも、縦120×横160画素とする。
【0031】続いてS16に進んでウインドウ内の輝度
値を入力し、S18に進んで水平ラインn、最初のプロ
グラムループのときは第1行の輝度値を、図6に示すよ
うに加算器44を用いて加算する。続いてS20に進
み、図6に示す除算器46を介して加算値を水平ライン
nの画素数(160画素)で除算して水平ラインnの平
均輝度値Anを算出する。
【0032】算出値Anは、水平ラインごとに設けられ
たバッファ48の1oから1nの該当番地に記憶する。
続いてS22に進んで水平ラインnが処理ウインドウ4
0の最終行(120行)か否か判断し、否定されるとき
はS24に進んで検索すべき水平ライン数を1つインク
リメントし、S18に戻って上記した動作を繰り返す。
【0033】他方、S22で肯定されるときはS26に
進み、図6に示す加算器50および除算器52を介して
各水平ラインの平均輝度値Anを加算し、水平ライン数
nで除算して処理ウインドウ内の平均輝度値Aを算出す
る。
【0034】続いてS28に進んで水平ラインn、最初
のプログラムループのときは第1行の最大輝度値Mnを
検出する。即ち、図6に示すように処理ウインドウの水
平ラインnの輝度値は比較器54にも順次入力され、そ
こで縦方向の第1列の値と第2の列の値と比較して大き
い方の値を選択し、選択値と第3列の値を比較して大き
い方の値を選択し、以下同様に処理することで水平ライ
ンnの最大輝度値Mnを検出し、バッファ56の2oか
ら2nまでの該当番地に記憶する。
【0035】続いてS30に進み、比較器58を介して
水平ラインnの最大輝度値Mnが水平ラインn−1(前
行)の最大輝度値Mn−1を超えるか否か判断し、肯定
されるときはS32に進んで水平ラインnの最大輝度値
Mnを最大輝度値Mnとすると共に、否定されるときは
S34に進んでMn−1をMnとする。
【0036】続いてS36に進んで水平ラインnが12
0を超えるか否か判断し、否定されるときはS38に進
んで水平ライン数を1つインクリメントし、S26〜S
36の動作を繰り返すと共に、肯定されるときはS40
に進んでMnを処理ウインドウ内の最大輝度値Mとす
る。
【0037】続いてS42に進み、平均輝度値Aと最大
輝度値Mとからしきい値TH(二値化用)を決定する。
具体的にはAとMの間のいずれかの値、より具体的には
平均輝度値Aと最大輝度値Mを加算器60で加算し、除
算器62を介して2で除算して得た平均値をしきい値T
Hとする。尚、S16からS42までの処理は左右の処
理ウインドウ40a,40bで別々に行ない、別々にし
きい値THを決定する。
【0038】図8は、このようにして決定するしきい値
THを示す。この実施の形態ではしきい値THはヒスト
グラムから求めていないが、理解の便宜のため、ヒスト
グラム化して示した。
【0039】上記の如くして求めた平均輝度値Aはヒス
トグラムを求めた路面16の明るさの上限付近に相当
し、最大輝度値Mは白線18の明るさの上限付近に相当
すると考えられる。即ち、白線18は当然路面16より
輝度が大きいことから、処理ウインドウ40を適宜設
定、より詳しくは処理ウインドウに対する白線の占める
割合が比較的小さくなるように処理ウインドウを設定す
ることによって、平均輝度値Aが道路面の輝度、最大輝
度値Mが白線の輝度値とみなすことができる。
【0040】従って、平均輝度値Aと最大輝度値Mとの
間にしきい値THを求めて二値化を行うことで、しきい
値THを簡便に決定することができると共に、確実に白
線を路面から切り分けることができて白線認識率を向上
させることができる。図9にしきい値THで入力画像の
処理ウインドウ40a,40bを二値化した場合を示
す。
【0041】更に、画像を取込みながら演算するように
構成したので、処理を高速に実行することができる。ま
た、しきい値THを簡便なアルゴリズムで決定するよう
にしたので、ハードウェア化が簡単であると共に、小規
模な回路で実現することができる。
【0042】更に、水平ラインごとに平均輝度値を求め
て記憶し、記憶値を加算してライン本数で除算してウイ
ンドウの平均輝度値Aを演算すると共に、前ラインの値
と比較して大きい方の値だけを記憶して最大輝度値Mを
演算するようにしたので、演算を高速化できるのみなら
ず、メモリ容量を低減することができる。
【0043】即ち、ヒストグラムを求めることがないの
で、8ビットに量子化して一旦記憶する必要がないの
で、それだけメモリ量を低減でき、メモリにアクセスす
る時間を短縮できて演算を高速に行うことができる。
【0044】続いて、よって得た二値化画像に基づいて
行われる白線検出(認識)処理について説明する。
【0045】図10はその動作を説明するフロー・チャ
ート(マイクロプロセッサ22の動作)であり、図11
はそれを実現するハードウェア回路(画像処理ボード2
4)を示すブロック図である。
【0046】以下説明すると、先ずS100において図
5フロー・チャートの処理で決定されたしきい値THを
読み出し、S102に進んで入力画像のうち処理ウイン
ドウ部分を二値化し、図9に示す画像を得る。続いてS
104に進んでテンプレート66を設定する。即ち、こ
の装置においては二値化処理領域とテンプレートのマッ
チングを判定して白線を検出する。
【0047】テンプレート66は図12に示す如く、3
2画素×32画素からなり、路面相当部分(黒色)を示
す0と、白線相当部分(白色)を示す1との二値からな
る。尚、図示のテンプレートは左側の処理用である。
【0048】続いてS106に進んで図9に示す如く、
テンプレート66を二値化処理領域(処理ウインドウ4
0a,40b)の中央寄り最下端位置におき、テンプレ
ート内の画像データの水平ラインn(最初のプログラム
ループのときは最下端から32行上)についてテンプレ
ートと比較し、S108に進んで相関値を演算し、記憶
する。尚、理解の便宜のため、二値処理領域のテンプレ
ート66付近は白く示す。
【0049】即ち、図11に示すように、テンプレート
66の最上位水平ラインの各画素(32画素)と二値化
処理領域の対応位置の画素の色を1つづつ比較器68で
比較する。そして、一致(ともに黒色あるいは白色)で
あれば+1、相違していれば0とし、その値を加算器7
0で加算し、加算値をバッファ72の3oから3nの中
の該当番地に記憶する。この加算値を相関値といい、水
平ラインnについての相関値をVnとする。
【0050】続いてS110に進んで水平ラインnがテ
ンプレート最終行(32行)を超えるか否か判断し、否
定されるときはS112に進んでnをインクリメント
し、S106に戻って同様の処理を繰り返す。
【0051】他方、S110で肯定されるときはS11
4に進み、図11に示すように加算器74を介して相関
値Vnを加算し、テンプレート内の相関値の総和Vを演
算する。相関値(総和)は例の場合、全て一致する満点
であれば1024となる。
【0052】続いてS116に進み、比較器76を介し
て求めた相関値(総和)Vが認識率しきい値VTH以上
か否か判断する。認識率しきい値は図13に示す如く、
満点の70%から80%、例えば750)を初期値とす
る。S116で肯定されるときはS120に進み、テン
プレート66の位置にテンプレートと似たもの、つまり
白線の存在を認識したと判断する。
【0053】他方、S116で否定されるときは、S1
18に進んでテンプレート66を、縦方向の位置は変え
ずに、初期位置から左右方向に1画素だけ移動させ、S
106に戻って同様の処理を行なう。
【0054】そしてS116で再び否定されるときはS
118に戻り、同方向に更に1画素移動させて同様の処
理を行ない、以後最左(右)端に到達するまで繰り返
す。
【0055】S116で肯定され、S120に進んで白
線が検出されたと判断されたときはS122に進み、サ
ーチウインドウ80を設定する。このサーチウインドウ
80の大きさは、縦がテンプレート66と同一(32画
素)で、横はそのm倍(m:3ないし4倍程度、具体的
には96画素から128画素)とする。
【0056】続いてS124に進み、認識率しきい値V
THに係数k(例えば1.02)乗じてアップさせ、満
点の72%〜82%に増加する。
【0057】次いでS126に進み、水平ラインnが二
値化処理領域の水平ライン数120を超えるか否か判断
し、否定されるときはS128に進んで水平ラインnに
テンプレート縦方向画素分を加算した水平ラインにテン
プレート66の最上行が一致するように、図14に示す
如く、テンプレート66を垂直方向に移動させ、S10
6に戻って以上の処理を繰り返す。図15によって得た
相関値を示す。
【0058】尚、同図に示す如く、テンプレート66は
左側のサーチウインドウにあっては、認識された白線1
8に沿い、直上ではなく、斜め左上に移動させる。ま
た、S118においては、テンプレート66はサーチウ
インドウの範囲内でのみ水平方向に移動させる。
【0059】このように、一旦白線18が認識された後
は、その上にサーチウインドウ80を設定すると共に、
その中でのみテンプレート66を移動させるようにした
ので、白線を迅速に検出・認識させることができると共
に、演算量が低減して高速処理が可能となる。更に、認
識率しきい値VTHを徐々に増加させるようにしたの
で、検出精度も向上させることができる。
【0060】尚、図14においてテンプレート66は縦
方向に連続的に移動させているが、飛び飛びに移動させ
ても良い。
【0061】このように、図10および図11に関して
説明した白線検出においては、ハフ変換を用いずに、二
値画像に限定して処理を実行しているため、演算量を低
減して高速処理を可能とし、構成においても簡易にする
ことができる。
【0062】また、テンプレートを最新データに基づい
て更新すると共に、しきい値も更新しているので、処理
速度および検出精度を向上させることができ、遠距離ま
で確実に白線を認識することができる。
【0063】更に、比較結果に基づいてテンプレートを
水平方向あるいは垂直方向に移動させているため、一層
確実に白線を認識することができると共に、サーチウイ
ンドウ内でテンプレートを水平方向に移動させるように
したので、一層処理速度を上げることができる。
【0064】この実施の形態においては上記の如く、車
両の進行方向の走行路面を含む走行路を撮像する撮像手
段(CCDカメラ10)、前記撮像手段が撮像した撮像
画像内にウインドウ(処理ウインドウ40)を設定する
ウインドウ設定手段(S14)、前記ウインドウ内の輝
度値の平均値Aを算出する平均輝度値算出手段(S16
からS28)、前記ウインドウ内の輝度値の最大値Mを
算出する最大輝度値算出手段(S16,S26からS4
0)、および前記算出された平均輝度値と最大輝度値に
基づいて2値化のしきい値THを設定するしきい値設定
手段(S42)を備える如く構成した。
【0065】また、前記設定されたしきい値により二値
化した画像とテンプレート66とを比較し、相関値Vを
算出する相関値算出手段(S100からS114)、前
記算出された相関値Vをしきい値(認識率しきい値)V
THと比較する比較手段(S116)、および前記比較
結果に基づいて白線18を検出する白線検出手段(S1
20)を備える如く構成した。
【0066】また、前記白線検出手段は、前記比較結果
に基づいてテンプレート66を更新するテンプレート更
新手段(S118,128)、および前記しきい値VT
Hを増加するしきい値増加手段(S124)を含む如く
構成した。
【0067】また、前記テンプレート更新手段は、前記
比較結果に基づき、前記算出された相関値が前記しきい
値以上ではないと判断されるときは前記テンプレートを
水平方向に移動させるテンプレート水平方向移動手段
(S118)、および前記比較結果に基づき、前記算出
された相関値が前記しきい値以上と判断されるときは前
記テンプレートを垂直方向に移動させるテンプレート垂
直方向移動手段(S128)を含む如く構成した。
【0068】また、前記テンプレート更新手段は、サー
チウインドウ80を設定するサーチウインドウ設定手段
(S122)を備えると共に、前記テンプレート水平方
向移動手段は、前記サーチウインドウ内で前記テンプレ
ートを水平方向に移動させる如く構成した。
【0069】
【発明の効果】請求項1項においては、画像を二値化す
るための二値化用しきい値が、環境の明暗変化や道路構
造パターン以外のものに影響されないと共に、メモリ量
の低減および高速演算を可能にし、ハードウェア化に際
しても回路規模を縮小することができる。
【0070】また、ハフ変換を用いずに二値画像に限定
して処理を実行しているため、演算量を低減して高速処
理を可能とし、構成においても簡易にすることができ
る。
【0071】また、テンプレートを最新データに基づい
て更新すると共に、白線認識判定用しきい値も更新して
いるので、処理速度および検出精度を向上させることが
でき、遠距離まで確実に白線を認識することができる。
【0072】請求項項にあっては、比較結果に基づい
てテンプレートを水平方向あるいは垂直方向に移動させ
ているため、一層確実に白線を認識することができる。
【0073】請求項項にあっては、サーチウインドウ
内でテンプレートを水平方向に移動させるようにしたの
で、一層処理速度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車両の白線検出装置を全体的に
示す説明透視図である。
【図2】図1装置を機能的に示す説明ブロック図であ
る。
【図3】図1装置のCCDカメラで得られる全画像を示
す説明図である。
【図4】図1装置のCCDカメラの画角および白線検出
範囲を、図1装置が前提とする走行環境において示す、
道路上面図である。
【図5】図1装置の動作の中の二値化しきい値THの決
定作業を示すフロー・チャートである。
【図6】図5フロー・チャートに示す動作を実現する、
図1装置の中の画像処理ボードの具体的なハードウェア
回路を示すブロック図である。
【図7】図5フロー・チャートの処理で入力画像に設定
される処理ウインドウを示す説明図である。
【図8】図5フロー・チャートの処理で得られる二値化
しきい値THを、仮定的に求めたヒストグラムに対して
示す説明グラフ図である。
【図9】図7の入力画像に対して二値化を行ったときの
画像を示す説明図である。
【図10】図1装置の動作の中の白線検出・認識を示す
フロー・チャートである。
【図11】図10フロー・チャートに示す動作を実現す
る、図1装置の中の画像処理ボードの具体的なハードウ
ェア回路を示すブロック図である。
【図12】図10フロー・チャートの処理で用いるテン
プレートを示す説明図である。
【図13】図10フロー・チャートの処理で得られる相
関値と認識率しきい値VTHを説明する説明グラフ図で
ある。
【図14】図10フロー・チャートの処理で行われるテ
ンプレート移動を示す説明図である。
【図15】図10フロー・チャートの処理で得られる相
関値を示す説明グラフ図である。
【符号の説明】
10 CCDカメラ(撮像手段) 12 画像処理部 14 表示部 16 路面 18 白線 22 マイクロプロセッサ 24 画像処理ボード 26 DC/ACインバータ 28 VTR/SCANインバータ 40 処理ウインドウ 44,50,60,70,74 加算器 46,52,62 除算器 48,56,72 バッファ 54,58,68,76 比較器 66 テンプレート 80 サーチウインドウ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−152406(JP,A) 特開 平4−158412(JP,A) 特開 平6−119593(JP,A) 特開 平7−152892(JP,A) 特開 平8−167023(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/16 H04N 7/18 G01T 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.車両の進行方向の走行路面を含む走行
    路を撮像する撮像手段、 b.前記撮像手段が撮像した撮像画像内にウインドウを
    設定するウインドウ設定手段、 c.前記ウインドウ内の輝度値の平均値を算出する平均
    輝度値算出手段、 d.前記ウインドウ内の輝度値の最大値を算出する最大
    輝度値算出手段、 e.前記算出された平均輝度値と最大輝度値に基づいて
    値化しきい値を設定するしきい値設定手段、前記設定された二値化用しきい値により二値化した
    画像とテンプレートとを 比較し、相関値を算出する相関
    値算出手段、 前記算出された相関値を、白線を認識したか否かを
    判定するための白線認識 判定用しきい値と比較する比較
    手段、 および 前記比較結果に基づいて白線を検出する白線検出手
    段、 を備えると共に、前記白線検出手段は、 前記比較結果に基づいてテンプレートを更新するテ
    ンプレート更新手段、 および 前記白線認識判定用しきい値を、前記算出された相
    関値が増加するのと同じ 方向に更新するしきい値更新手
    段、含むことを特徴とする車両の白線検出装置。
  2. 【請求項2】 前記テンプレート更新手段は、 k.前記比較結果に基づき、前記算出された相関値が前
    白線認識判定用しきい値以上ではないと判断されると
    きは前記テンプレートを水平方向に移動させるテンプレ
    ート水平方向移動手段、 および 1.前記比較結果に基づき、前記算出された相関値が前
    白線認識判定用しきい値以上と判断されるときは前記
    テンプレートを垂直方向に移動させるテンプレート垂直
    方向移動手段、 を含むことを特徴とする請求項項記載の車両の白線検
    出装置。
  3. 【請求項3】 前記テンプレート更新手段は、 m.サーチウインドウを設定するサーチウインドウ設定
    手段、 を備えると共に、前記テンプレート水平方向移動手段
    は、前記サーチウインドウ内で前記テンプレートを水平
    方向に移動させることを特徴とする請求項項記載の車
    両の白線検出装置。
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