JP3389967B2 - 液体金属イオン源装置 - Google Patents

液体金属イオン源装置

Info

Publication number
JP3389967B2
JP3389967B2 JP22234897A JP22234897A JP3389967B2 JP 3389967 B2 JP3389967 B2 JP 3389967B2 JP 22234897 A JP22234897 A JP 22234897A JP 22234897 A JP22234897 A JP 22234897A JP 3389967 B2 JP3389967 B2 JP 3389967B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
needle
liquid metal
electrode
shaped electrode
ion source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP22234897A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1167116A (ja
Inventor
広靖 加賀
貴康 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP22234897A priority Critical patent/JP3389967B2/ja
Publication of JPH1167116A publication Critical patent/JPH1167116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3389967B2 publication Critical patent/JP3389967B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体金属イオン源装
置に係わり、特に半導体製造工程におけるマスクの製
作、修正、配線修正、マスクイオン注入、イオン露光、
イオンエッチング、デポジション、デバイス移植等、ま
た、分析分野における試料の断面切り出し、微小領域の
2次イオン質量分析等に用いられるのに適した液体金属
イオン源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒータによりイオン化すべき物質を溶融
状態に保持して、先端の曲率半径が数μm程度の針状電
極を濡らしておき、この状態で針状電極と対向電極の間
に通常数kVの高電圧を印加すると、この高電圧によっ
て生じる、針状電極先端を濡らしている溶融物質への静
電気力が、その表面張力に打ち勝つことによって、溶融
物質は針状電極先端よりイオンとなって放出する。これ
は、溶融状態の金属からイオンを引出すことから液体金
属イオン源(Liquid Metal Ion Source;以下、略してL
MISと記す)と呼ばれる。これは、高電界でイオンを
放出させることから、電界蒸発型イオン源の一種であ
る。液体金属イオン源は点状領域からイオンが放出され
るため高輝度であり、イオンを最終ターゲットである試
料面上で直径1μm以下のビームに集束(一般に集束イ
オンビーム又はFIBと呼ばれている。以下、FIBと
記す。)させることが可能なイオン源として知られてい
る。
【0003】この型のイオン源は、イオン注入等で用い
られている電子衝撃・振動型やPIG型イオン源と比べ
て小型で、単位消費電力当りの放出イオン電流が大き
く、105倍程度高輝度であり、金属、半導体のほとん
どをイオン化することができる等の特徴を有している。
このため、半導体等へのイオン注入のためのイオン源と
して使用することができるだけでなく、数A/cm2
高電流密度で1μm以下の直径にイオンビームを絞るこ
とが可能となり、マスクを使わないイオン注入技術や微
細加工技術へのイオンビームの適用が実現されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうした利点を有する
電界蒸発型のイオン源装置としては、現在のところ、イ
オン化すべき物質を保持する構造の違いにもとづく3つ
の型が試みられている。
【0005】1つはイオン化すべき物質をるつぼ等の容
器に入れ、この容器から針状電極を突き出させたもの
で、ヒータはこのるつぼ全体を熱することになる。この
構造のものでは、イオン化すべき物質の保持量を大きく
採ることができるため、寿命が長く、1000時間程度
のものも得られているが、るつぼ全体を加熱するために
極めて大きな熱量を要し、るつぼの材質やヒータの消費
電力の節約から、イオン化すべき物質は低融点のもに限
られるという欠点がある。
【0006】これに対して、このような物質に制約がな
い点では望ましいもう一つの構造のものとして、図2に
示すようなヘアピン型ヒータを用いたものがある。これ
について簡単に説明すると、針状電極1がタングステン
等の耐熱金属の丸型線材でできたヘアピン型ヒータ2の
屈曲部2aに単に固定された構造となっていて、イオン
化すべき物質3はこの針状電極1と屈曲部2aとの交叉
点を中心に溶融状態における表面張力によって付着す
る。
【0007】この構造のものは、構造が簡単である上に
ヒータ電力を有効に使うことができ、したがってイオン
化すべき物質に特に制限がないという大きな利点を有す
るが、短寿命である。
【0008】3つ目の構造は図3に示すようにリザーバ
3を設けたヘアピン型のLMISで、ヘアピン型の短寿
命を回避するためにヘアピン型ヒータ構造に改造を施
し、イオン化すべき物質を溜め込むリザーバ3を設けた
LMISである。このタイプのものは特公昭58−35
79号公報に開示されている。イオン化すべき物質4の
リザーバ付着量は、リザ−バのイオン化すべき物質4と
の濡れ具合や、表面張力の大きさ、線材の直径等により
変化するが、イオン化すべき物質4の量を増して短寿命
を防いでいる。しかし、針状電極1の取付け部が機械的
に弱く、点溶接5が外れ、リザーバ4が落ちやすい。ま
た、点溶接部で熱変形が生じ、針状電極1をその位置と
方向を精度よく保って取付けることが難しい問題が生じ
ている。
【0009】LMISは長時間安定してイオン放出がで
きることが理想である。LMISが理想的に動作してい
る場合の針状電極表面では、イオン放出として消費され
るイオン材料量とリザーバから供給されるイオン材料量
が釣り合って、液体金属はリザーバから針状電極先端へ
スムーズな流れを形成する。イオン放出部への液体金属
の供給よりイオン放出による消耗が多い場合、一定引出
電圧の下ではイオン電流の減少、一定電流制御の下では
引出電圧の上昇となる。逆に、イオン放出部への液体金
属の供給がイオン放出による消耗よりも多い場合、針状
電極先端での液体金属の曲率半径が大きくなり、引出電
圧の上昇や液体金属の落下などの問題を起こす。一般の
LMISに見られる問題は、イオン放出部への液体金属
の供給不足が直接の原因になるものが大半である。
【0010】このリザーバから針状電極先端への液体金
属の流れのスムーズさを示す指標としてV(引出電圧)
/I(イオン電流)がある。これが針状電極表面での液
体金属の流れの抵抗に対し時間変化がなく一定であれ
ば、針状電極表面の液体金属はイオン放出として消費さ
れる分とリザーバから供給される分が釣り合って、液体
金属はスムーズな流れをしているといえる。逆に、この
値が時間とともに増加すると、液体金属の流れ抵抗が何
らかの原因で増し、イオン放出による消耗にリザーバか
らの供給が追いつけない状態を示す。
【0011】液体金属の供給不足になる原因は、LMI
Sそのものの構造、つまり、LMISの構造において、
特に針状電極、リザーバやヒータの構造によっては、液
体金属がリザーバから針状電極先端へ到達するのにエミ
ッタ(針状電極)の表面抵抗により、液体金属の流れが
遅くなったり、時として流れが停止するためである。ま
た、針状電極表面での液体金属の不均一な濡れ、具体的
には、エミッタ表面に酸化物などの不純物層が形成され
ていると、液体金属とエミッタの濡れが悪くなり、液体
金属のスムーズな流れが阻害される。
【0012】一般にLMISの問題は、一定放射条件の
下で溶融イオン材料がリザーバから針状電極先端に連続
的に円滑に移動しないことである。つまり、一定条件の
下で連続的にイオン放出をさせると、ある時間毎にイオ
ン電流が低下し、再度元と同じ放出状態に戻すために、
一時的にLMIS動作温度を上昇させる操作をしなくて
はならない。これを通常フラッシング操作と呼ぶ。ま
た、イオン銃の構造やLMISの型によって多少の違い
が生じるが、イオン放射中に酸化やイオンでスパッタし
た物資がLMISに付着する汚染により、頻度の違いは
あるが、フラッシング操作を必要とする。そのため、ヒ
ータの電力効率がよく、低電力で針状電極を加熱でき、
かつ、リザーバや針状電極に温度勾配がないLMISが
理想的である。
【0013】また、引出電圧の変動は、FIBが形成さ
れた際にビーム径や照射位置の変動につながり、FIB
利用の立場からは大きな問題である。
【0014】このようなイオン電流が減少したり、引出
電圧が上昇したりすると、FIB装置のオペレータはL
MIS動作温度を上昇させたり、これまでの放出イオン
電流に比べて10から100倍もの大電流を放出させ
て、元のイオン放出状態に戻すといういわゆるフラッシ
ングを経験的に行っている。
【0015】図3のリザーバ3を設けたフィラメント型
の場合、フイラメント2の屈曲部2aにリザ−バ3から
突き出た針状電極1をスポット溶接して取付けている。
このタイプの場合、フラッシングにおいて屈曲部2aが
最も温度が高くなり、リザ−バ3が屈曲部2aに取付け
られて、かつ、熱伝導による熱の逃げがないので、屈曲
部2aの温度がそのままリザ−バ3の温度になる。この
ため、大変熱効率がよく、針状電極1部の温度勾配も小
さい。しかし、針状電極1の方向性が悪く、また、衝撃
に弱いので軽い衝撃でリザ−バ3が落ちてしまう。この
ため、LMISの取扱いには慎重を要し、かつ取付け時に針
状電極1の方向が合わない場合が生じることがある。ま
た、当然このタイプのLMISでは再生が効かない。更
に、スポット溶接部5に変質層ができるため液体金属
(Ga)4の濡れが悪くなる。このため針状電極1の濡
れが偏ることがある。このことは、ビ−ム電流安定性を
悪くする原因になり、また、連続的にビ−ムを出すには
不利だと考えられる。
【0016】本発明の目的は通常のリザ−バ付ヘアピン
型の利点を実質的に保有しつつ、針状電極の外れをなく
し、かつ針状電極の位置と方向を高精度をもって維持す
るのに適した液体金属イオン源装置を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、針状電極と、
液体金属を保持する液体金属保持部と、その保持されて
いる液体金属を前記針状電極の先端に供給し得るように
前記針状電極と関連づけられたヒ−タと、かつ前記針状
電極及びヒ−タが固定されている電気絶縁体とを含んだ
液体金属イオン源装置において、前記液体金属保持部が
前記ヒータを介して前記電気絶縁体に支持され、前記針
状電極の針状線材には、前記液体金属保持部に対して前
記針状線材の先端とは反対の側であって、前記液体金属
保持部と前記針状線材の前記電気絶縁体に対する固定部
との間に形成したくびれからなる熱抵抗部が設けられる
液体金属イオン源装置に特徴がある。
【0018】本発明は、別の観点によれば、針状電極
と、液体金属を保持する液体金属保持部を有しかつその
保持されている液体金属を前記針状電極の先端に供給し
得るように前記針状電極と関連づけられたヒ−タと、前
記針状電極及びヒ−タが固定されている電気絶縁体とを
含み、前記針状電極はその先端とは反対の側において前
記針状電極よりも高い熱抵抗率を有する材料で形成され
た熱遮断部をもっている液体金属イオン源装置に特徴が
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施例は液体金属保持部
としてのリザーバを有するヘアピン型のLMISをベ−
スにしているもので、ヒ−タ及び針状電極は電気絶縁体
に固定されている。これによれば、構造が強固となるた
め、針状電極が外れる心配がなく、また、熱変形要因が
なくなるため、針状電極の位置と方向、したがってイオ
ン発生源の位置及び放出イオンの方向が一定に維持され
る。すなわち、イオンビ−ムの長時間に亘る安定した放
出が可能となる。
【0020】また、針状電極はその先端とは反対の側に
おいて熱抵抗部又は熱遮断部をもっている。これによっ
て、針状電極を電気絶縁体に固定した場合の問題点を解
決することができる。すなわち、針状電極から電気絶縁
体側への熱の逃げを実質的になくすか、又は減少させる
ことができるため、液体金属保持部と針状電極との間の
温度勾配及び針状電極に生じる温度勾配が小さくなっ
て、熱効率の改善及び低消費電力化が可能になると共
に、針状電極での液体金属の一様な蒸発化、したがって
針状電極表面の液体金属による濡れの一様化が図られ、
これによってイオンビ−ムの安定放出及び長寿命化が期
待できるようになる。
【0021】針状電極表面には縦溝が存在する。これは
その製造過程で必然的に発生するものである。この縦溝
は表面張力による液体金属の針状電極先端への移動を促
進させる効果をもっている。しかし、液体金属の縦溝を
通しての表面張力による電気絶縁体への移動はできるだ
け避けられるべきである。本発明の実施例では、熱抵抗
部又は熱遮断部がこの部分で縦溝を遮断する。このた
め、液体金属の縦溝を通しての表面張力による電気絶縁
体側への移動は避けられる。
【0022】図1は本発明にもとづく一実施例を示す。
フイラメントとも呼ばれるヒ−タ2は直径0.15mm
のW線材からなり、液体金属保持部としてのリザ−バ3
と該リザ−バを支える支柱6a、6bとにスポット溶接
により固定されている。リザ−バ3は直径1.2mm、
長さ3.5mmの線材を針状電極1の周りに螺旋状に巻
いたものである。リザ−バ3は、液体金属4がGaの場
合、1.2mm3の液体金属保持可能容量をもち、これ
はGa重量6mg、寿命2000μA・hに相当する。
【0023】支柱6a、6bはコバ−ル製で、直径12
mm、厚さ2mmの円盤状のアルミナ製の電気絶縁体
(絶縁碍子)7に固定されている。針状電極1は直径
0.2mmのブラックW線材からなり、電気絶縁体7に
固定されている。針状電極1の表面にはその製造過程で
必然的に生じる縦溝があり、これは液体金属4の表面張
力による針状電極1の先端への移動を促進する効果をも
つ。針状電極1の先端は70度の円錐状に加工され、更
にその表面は電界研摩で荒され、これによって液体金属
4の付着表面積が大きくされる。したがって、針状電極
1表面は液体金属4でよく濡らされると共に液体金属保
持量の増大化が図られる。
【0024】液体金属4はリザ−バ3から針状電極1に
表面張力で繋がった状態を作り、その表面を流れる。リ
ザ−バ3内の液体金属4が少なくなっても途切れること
なくスムーズに針状電極1先端に流れるためには、リザ
−バ3と針状電極1の距離は0.3mm以下にすること
が望ましい。理想的にはリザ−バ3と針状電極1は接触
しているのがよい。
【0025】針状電極1の対向位置には引出電極10が
配置され、両電極間に高電圧を印加して針状電極1の先
端に電界を集中させると、その先端の液体金属がイオン
化され、生じたイオンは引出電極10のイオン通過孔を
通してイオンビ−ムとして取り出される。
【0026】針状電極1はその先端とは反対の側に熱抵
抗部9を有する。これは、具体的には、針状電極1の針
状線材に直径0.13mm、長さ1.5mmのくびれ
放電加工によって形成することによって構成される。放
電加工の場合は、その加工過程で針状電極1には不要な
応力が発生しない。熱抵抗部9の役目は針状電極1の熱
が電気絶縁体7側に逃げるのを効果的に防止することで
ある。
【0027】フラッシングのときは、ヒ−タ2に電流が
流され、これによってヒ−タ2自身が発熱する。この熱
はリザ−バ3に伝導され、したがって針状電極1はその
伝導熱により、リザ−バ3の自己加熱と相俟って、加熱
される。
【0028】図1の実施例によれば、ヒ−タ2及び針状
電極1は電気絶縁体7に固定されている。これによれ
ば、構造が強固となるため、針状電極1が外れる心配が
なく、また、熱変形要因がなくなるため、針状電極1の
位置と方向、したがってイオン発生源の位置及び放出イ
オンの方向が一定に維持される。すなわち、イオンビ−
ムの長時間に亘る安定した放出が可能となる。
【0029】フラッシング処理は、液体金属4がGaの
場合、針状電極1を750℃に加熱するように行われ
る。実験によれば、針状電極1に熱抵抗部9がない場合
は、針状電極1を750℃に加熱するのに必要な電力は
12Wであるのに対して、熱抵抗部9がある場合はその
消費電力は7Wでよいことがわかった。また、熱抵抗部
9があることによって、針状電極1の温度勾配を100
℃/mmから25℃/mmに抑え得ることがわかった。
【0030】フラッシングは理想的には針状電極1の温
度が均一でかつ最も高くなるように行われるべきであ
る。しかし、フラッシング時に温度が最も上昇するのは
リザ−バ3とヒ−タ22との接続部分で、熱抵抗部9が
ない場合は、針状電極1に伝わった熱は電気絶縁体7側
に熱伝導で逃げてしまう。この場合、電気絶縁体7の熱
容量が大きいために、針状電極1に大きな温度勾配が生
じる。このため、針状電極1を750℃に加熱した場合
はリザ−バ3の温度の高い部分は900℃にもなり、そ
の部分での液体金属4(Ga)の蒸発が早くなり、その
消耗が激しくなる。また、温度勾配があると、どうして
も蒸発の激しい部分とそうでない部分が生じてしまう。
この状態では、温度の上昇に伴い液体金属4の表面張力
が小さくなり、針状電極1表面上を拡散するが、温度の
高い部分では直ちに蒸発してしまい、結果として温度の
低い部分に液体金属が残る。
【0031】しかし、熱抵抗部9がある場合は、その熱
抵抗が断面積に反比例し、その長さに比例して増大する
ため、リザ−バ3と針状電極1との間の温度勾配が小さ
くなり、針状電極1の温度勾配も小さくなる。また、熱
抵抗部9の故に針状電極1の熱伝導による熱の逃げが低
下するので、針状電極1の、フラッシング終了後の保温
効果が大きくなり、したがって、フラッシング終了後に
最後に冷えるのは針状電極1であることがわかった。ま
た、このとき、温度の低い方に偏った液体金属4(G
a)は自重でリザ−バ3に戻るので、たとえフラッシン
グで液体金属4が温度の低い方に偏るとしても、それを
元のリザ−バ3に戻し得ることがわかった。
【0032】要するに、針状電極1から電気絶縁体7側
への熱の逃げを減少させることができるため、液体金属
保持部3と針状電極1との間の温度勾配及び針状電極1
に生じる温度勾配が小さくなって、熱効率の改善及び低
消費電力化が可能になると共に、針状電極1での液体金
属の一様な蒸発化、したがって針状電極1表面の液体金
属による濡れの一様化が図られ、これによってイオンビ
−ムの安定放出及び長寿命化が期待できるようになる。
【0033】また、針状電極1表面に存在する縦溝は熱
抵抗部9で遮断される。このため、液体金属の縦溝を通
しての表面張力による電気絶縁体側への移動は避けられ
る。
【0034】熱抵抗部9は熱遮断部として形成されても
よい。これは、針状電極1をその部分を境にして2つに
分離し、その間にガラスのような、針状電極1よりも熱
抵抗の大きな材料でできた部材を入れて全体を一体化す
ることによって形成可能である。これによれば、いわゆ
る熱遮断効果の故に、熱の逃げ防止効果が高められると
共に、針状電極1に生じる温度勾配を更に少なくするこ
とができる。
【0035】なお、液体金属はGaに限られるものでな
いことは当然である。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、通常のリザ−バ付ヘア
ピン型の利点を実質的に保有しつつ、針状電極の外れを
なくし、かつ針状電極の位置と方向を高精度をもって維
持するのに適した液体金属イオン源装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく一実施例を示す液体金属イオ
ン源装置の構造図。
【図2】知られている通常のヘアピン型ヒ−タを用いた
液体イオン源装置の主要部の構造図。
【図3】知られている通常のリザ−バ付ヘアピン型液体
イオン源装置の主要部の構造図。
【符号の説明】
1:針状電極、2:ヒ−タ(フィラメント)、3:リザ
ーバ、4:液体金属保持部であるリザ−バ、6a、6
b:支柱、7:電気絶縁体(絶縁碍子)、9:熱抵抗部
(くびれ)、10:引出電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 27/26 H01J 37/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】針状電極と、液体金属を保持する液体金属
    保持部と、その保持されている液体金属を前記針状電極
    の先端に供給し得るように前記針状電極と関連づけられ
    たヒ−タと、かつ前記針状電極及びヒ−タが固定されて
    いる電気絶縁体とを含んだ液体金属イオン源装置におい
    て、前記液体金属保持部が前記ヒータを介して前記電気
    絶縁体に支持され、前記針状電極の針状線材には、前記
    液体金属保持部に対して前記針状線材の先端とは反対の
    側であって、前記液体金属保持部と前記針状線材の前記
    電気絶縁体に対する固定部との間に形成したくびれから
    なる熱抵抗部が設けられることを特徴とする液体金属イ
    オン源装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記液体金属保持部と
    前記針状電極とは接触していることを特徴とする液体金
    属イオン源装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記液体金属保持部は
    前記針状電極に螺旋状に巻かれた液体金属保持ワイヤを
    含むことを特徴とする液体金属イオン源装置。
JP22234897A 1997-08-19 1997-08-19 液体金属イオン源装置 Expired - Lifetime JP3389967B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22234897A JP3389967B2 (ja) 1997-08-19 1997-08-19 液体金属イオン源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22234897A JP3389967B2 (ja) 1997-08-19 1997-08-19 液体金属イオン源装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1167116A JPH1167116A (ja) 1999-03-09
JP3389967B2 true JP3389967B2 (ja) 2003-03-24

Family

ID=16780940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22234897A Expired - Lifetime JP3389967B2 (ja) 1997-08-19 1997-08-19 液体金属イオン源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3389967B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010046818A (ko) * 1999-11-15 2001-06-15 강승언 액체금속공급로가 형성된 코일형 액체금속이온원 제작기술
KR20030082030A (ko) * 2002-04-16 2003-10-22 한국과학기술연구원 액체금속 공급로가 형성된 코일형 액체금속 이온원의 제조방법
KR100603622B1 (ko) * 2004-06-28 2006-07-24 한국산업기술대학교산학협력단 액체금속저장수단을 이용한 액체금속이온원 및 그 제조방법
EP1622182B1 (en) 2004-07-28 2007-03-21 ICT Integrated Circuit Testing Gesellschaft für Halbleiterprüftechnik mbH Emitter for an ion source and method of producing same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1167116A (ja) 1999-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5399865A (en) Liquid metal ion source with high temperature cleaning apparatus for cleaning the emitter and reservoir
US20060097186A1 (en) Liquid metal ion gun
JP3389967B2 (ja) 液体金属イオン源装置
EP2188826B1 (en) X-ray tube with enhanced small spot cathode and methods for manufacture thereof
US8022609B2 (en) Thermal field emission cathode
US6531811B1 (en) Liquid metal ion source and method for producing the same
JP2003507872A (ja) 寿命が延長されたショットキーエミッター
US5936251A (en) Liquid metal ion source
US4551650A (en) Field-emission ion source with spiral shaped filament heater
JP3190395B2 (ja) イオンビーム部材および集束イオンビーム装置
JPH10144245A (ja) 熱電界放射型電子銃
JP2006331853A (ja) フィラメントアセンブリ及び電子銃並びに電子ビーム装置
JPH1064438A (ja) 液体金属イオン源
JPH10321120A (ja) 電子銃
JP2004014309A (ja) アパーチャおよび集束イオンビーム装置
JPH10223166A (ja) 電子銃
JP2804713B2 (ja) X線発生装置用フィラメント
JPH05128963A (ja) 電子銃
JP4943641B2 (ja) フィラメントアセンブリ及び電子銃並びに電子ビーム装置
JPH0542094B2 (ja)
JPH02291650A (ja) 電界電離型ガスイオン源
JPS5887742A (ja) 高輝度イオン源
JPH0369137B2 (ja)
JPH0160891B2 (ja)
JPH0143976B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080117

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100117

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130117

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term