JP3389679B2 - 指定パターンデータブロック計数回路 - Google Patents

指定パターンデータブロック計数回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、指定パターンデータブ
ロック計数回路に係り、特にATM(非同期転送モー
ド)伝送システムにおいて導通試験等で使用される指定
パターンセル計数回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ATM伝送システムにおいて、あるシス
テムから他のシステムへ、あるいはシステム内のある部
所から他の部所へ伝送される情報は、固定長のブロック
に分割され、ヘッダと呼ばれる宛先を付加したセルとい
う伝送フォーマットにより伝送される。このセルデータ
の伝送中に、何らかの原因、例えばハードエラー、外来
ノイズ、セル棄却(セルの消失)、セルのヘッダ変換等
が起こり、セルが正しく伝送されない場合がある。
【0003】このため、上記エラーが実際にシステムで
発生しているか否か(システムが正しく接続されている
か)を確認するために、導通試験が行われる。この時、
セルデータが正しく伝送システム内を行き来しているか
否かを確認する方法として、ある部所で指定パターンを
発生させ、他の部所でそれを受けてそのパターンを比較
するものがある。
【0004】図4は従来例の指定パターンセル計数回路
の構成図である。図において、入力のセルデータ(I
D)が分岐して比較器(COMP)1-1〜1-n の一方の端
子に入力し、予め他方の端子に設定された信号ビット
(SD1 〜SDn )と比較され、両者が一致した時
“0”、不一致時には“1”を出力する。この比較はシ
リアルに入力するセルデータ(ID)の各ビットについ
て行われ、各比較器1-1〜1-nの出力はそれぞれ、フリッ
プフロップ(FF)2-1 〜2-n のD端子に加えられる。
【0005】一方、抽出用のタイミングパルス(TIM
1 〜TIMn ) がフリップフロップ3-1 〜3-n を介して
上記フリップフロップ2-1 〜2-n のクロック(CK)端
子に加えられ、1クロックずつずれたタイミングパルス
(TIM1 〜TIMn ) によりQ端子から一致時には
“0”、不一致時には“1”が出力され、順次オア(O
R)ゲート4に入力される。オアゲート4の出力は否定
論理和回路(ノアゲート)6に加えられる。ノアゲート
6には、後段に接続したカウンタ7の最上位ビットQm
の出力と、該カウンタ7のカウントアップを許可するカ
ウントアップ許可信号(PMS)の反転した信号も加え
られる。
【0006】カウンタ7の最上位ビットQm の出力は通
常は“0”であり、“1”になるとカウントを停止する
ように設定されている。またカウントアップ許可信号
(PMS)のパルス(“1”)は、n番目の抽出用のタ
イミングパルスTIMn の後に出力される。この結果、
フリップフロップ2-1 〜2-n の出力がすべて“0”のと
き、即ち、シリアルのnビットの入力セルデータ(I
D)のすべてがそれぞれ、設定信号ビットSD1 〜SD
n と一致した時のみ、ORゲート4は“0”を出力し、
ノアゲート6からは“1”を出力する。
【0007】このノアゲート6の出力の“1”がカウン
タ7のイネーブル(E)端子に加えられてカウンタ7は
1だけカウントアップする。指定パターンを挿入したセ
ル数を予め設定しておくことにより、カウント値が上記
セル数になって一定値になった時、このシステムにはエ
ラーが発生せず正しく接続されていると判定する。また
カウント値が上記セル数に達しないとき、または上記セ
ル数を越えたときには、セルの棄却、あるいは外来セル
の混入等のエラーが発生したと判定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来の回路構成においては、1つの入力セルについて指
定パターンビットの比較、カウントアップ等の動作終了
後、フリップフロップ2-1 〜2-n をリセットしないた
め、前のセルの不一致結果(“1”)がこのフリップフ
ロップのいずれかに残存している可能性があった。
【0009】このため、シリアルの入力セルの指定パタ
ーンの1〜nビットを順番に比較し、nビット全部揃う
まで保持しておき、すべて揃ってから初めて、入力セル
が指定パターンセルであるか否かを判断して、該パター
ンセルの数をカウントするようにしていた。
【0010】このため、比較対象となるビット数が多く
なればなるほど、その比較した結果を保持する回路が増
えることとなり(ATMにおけるセルのヘッダの場合、
1パターンセルにつき4〜5バイトであり、例えば1バ
イトを8ビットとすると、32〜40ビットとなる)、回路
規模が増大するという問題を生じていた。
【0011】本発明は上記従来の事情に鑑みて提案され
たものであって、回路規模が小さく、簡単な構成の指定
パターンデータブロック計数回路を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点は図1に示す
回路の構成によって解決される。即ち図1において、 (請求項1) ブロックに分割されたデータに付加して
該データと共に入力される指定パターンと、予め設定さ
れた参照用パターンとをビット毎に比較して、両者の一
致/不一致に対応してそれぞれ所定の信号を出力する比
較手段900 と、該比較手段の出力を入力して、該指定パ
ターンのビットがすべて一致した時には後述する計数手
段180 に対してカウントアップのための信号を送出し、
不一致の時には該不一致ビットを検出した時点からカウ
ントアップを阻止する信号を一定のリセットがかけられ
るまで送出し続けるカウントアップ制御手段150 と、該
カウントアップ制御手段の出力を入力して、該1ブロッ
クの指定パターンのビットがすべて一致した時にカウン
トアップ動作を行い、該カウント値が一定値を越えた時
オーバーフロー信号を送出する計数手段180 とを有する
構成にする。
【0013】(請求項2) 前記請求項1に記載のブロ
ックに分割されたデータと該データに付加して該データ
と共に入力される指定パターンは、ATM伝送システム
におけるセルであることを特徴とする。
【0014】
【作用】図1において、(請求項1)カウントアップ制
御手段150 において、不一致の時には該不一致ビットを
検出した時点からカウントアップを阻止する信号を一定
のリセットがかけられるまで送出し続ける構成としたの
で、比較手段900 として、例えば指定パターンと予め設
定された参照用パターンとを比較し、該比較結果と該指
定パターンの各ビットのタイミングパルスとの論理積を
求めて出力する構成とすることが可能となる。この結
果、従来フリップフロップを用いていたのが論理積回路
の使用ですむため、回路規模が小さく、簡単な構成の指
定パターンデータブロック計数回路を実現することがで
きる。
【0015】(請求項2)前記請求項1に記載のブロッ
クに分割されたデータと該データに付加して該データと
共に入力される指定パターンを、ATM伝送システムに
おけるセルに適用した場合も、上記請求項1の場合と同
様にして説明できる。
【0016】
【実施例】図2は本発明の実施例の指定パターンセル計
数回路の構成図である。図3は実施例の動作を説明する
ためのタイムチャートである。
【0017】図2において、シリアルの入力セルデータ
(ID)は、各ビットごとに分岐して比較器(COM
P) 8-1〜8-5 に順次入力される。本実施例では、説明
の便宜のため、1パターンセルの比較対象ビットを5ビ
ットとする。比較器8-1〜8-5でそれぞれ、設定信号(S
1 〜SD5)と入力セルデータが比較され、一致または
不一致が随時判定され、アンド(AND)ゲート9-1 〜
9-5 に入力される。比較器8-1 〜8-5 は一致した時
“0”、不一致の時“1”を出力する。
【0018】一方、パルスジェネレータ10では、セルの
先頭を示すフレームパルス(FP)が入力され、入力セ
ルデータ(ID)の比較対象位置を示す抽出用のタイミ
ングパルス(TM1 〜TM5 )とリセット信号、カウン
トアップ許可信号が生成される。タイミングパルス(T
1 〜TM5 )はアンドゲート9-1 〜9-5 に入力されて
おり、比較対象位置では“1”、それ以外では“0”と
なっている。
【0019】比較器(COMP) 8-1〜8-5 からは、比
較対象でないビット位置の比較結果も出力するが、この
ときタイミングパルスは“0”となっているので、アン
ドゲート9-1 〜9-5 からは“0”が出力され、比較対象
でないビット位置の比較結果をマスクしている。即ち、
それぞれのアンドゲート9-1 〜9-5 からは、比較対象ビ
ットの比較結果か、もしくは“0”しか出力しない。
【0020】これらアンドゲート9-1 〜9-5 の出力はオ
アゲート11を介して累積論理和手段15のオアゲート12に
入力される。オアゲート12には、フリップフロップ(F
F)14で保持されている前ビットの比較結果も入力され
ており、オアゲート12の出力がアンドゲート13を介して
フリップフロップ14のD端子に入力されるので、この累
積論理和手段15において、1つの入力セルにおける1〜
nビット目(今の場合5ビット目)までの比較結果の累
積論理和がとられることになる。
【0021】例えば、フリップフロップ14に初期状態
“0”か、その入力結果の一致を表す“0”しか入力し
ていない時に、不一致結果“1”が入力されると、フリ
ップフロップ14に保持され、それがまたオアゲート12に
入力されて不一致結果“1”がリセットがかかるまで保
持され続ける。上記構成とすることで、1〜nビットま
での全ての比較結果を保持することなく、その時々の比
較結果を保持するだけで、入力セルに不一致結果が存在
するか否かが分かり、指定パターンセルか否かを判定す
る信号を生成することができる。
【0022】パルスジェネレータ10は、1つの入力セル
が指定パターンか否かの判定を終えた後、再び初期状態
“0”に戻すリセット信号(“0”)を出力し、アンド
ゲート13に入力する。これによりフリップフロップ14は
リセットされる。フリップフロップ14の反転出力(X
Q)は、計数手段19のイネーブル信号を生成するアンド
ゲート17に入力される。アンドゲート17には、1〜nビ
ット(今の場合5ビット)までの全ての比較結果が出力
してから1クロック分だけ“1”になるカウントアップ
許可信号と、計数手段19内のカウンタ18のオーバーフロ
ー信号の出力端子(Qm)の出力をインバータ16で反転し
た信号が入力される。
【0023】カウントアップ許可信号が“1”、かつQ
m 端子出力が“0”のとき、即ちオーバーフローでない
時で比較結果が“0”の時アンドゲート17の出力は
“1”となって、このセルは指定パターンであると判断
して、カウンタ18は1だけカウントアップする。
【0024】一方、比較結果が“1”のときには、アン
ドゲート17の出力は"0" となり、このセルは指定パター
ンでないと判断して、カウンタ18はカウントアップしな
い。カウンタ18がオーバーフローした時、即ちQm 端子
が“1”を出力した時には、インバータ16により反転さ
れて、カウンタ18のE端子入力は“0”となってカウン
トアップすることなく、オーバーフロー信号“1”が出
力保持される。
【0025】図3に、1パターンセルの比較対象ビット
が5ビットでパターン“10011”の場合の、実施例
の動作をタイムチャートで示す。入力セルデータ(I
D)が図の(イ)のときは、指定パターンの全ビットに
ついて設定信号(SD1 〜SD 5 )と一致するためアン
ドゲート9-1〜9-5 の出力は“0”となり、累積論理和
手段15の反転出力(XQ)は“1”を保持して、カウン
トアップ許可信号により計数手段19は2m −2から2m
−1にカウントアップする。
【0026】次に、入力セルデータ(ID)が図の
(ロ)のときは、タイミングパルスTIM2 の時設定信
号SD2 と一致せず、アンドゲート9-2 は“1”を出力
する。すると、累積論理和手段15の反転出力(XQ)は
“0”となって、この値をリセット信号によりリセット
されるまで保持する。この結果、カウントアップ許可信
号が計数手段19に入力されてもカウントアップせず、2
m −1のカウント値を持続する。
【0027】そして、指定パターンを挿入したセル数を
予め一定値に設定しておくことにより、カウント値が上
記セル数になって一定値になった時、このシステムには
エラーが発生せず正しく接続されていると判定する。ま
たカウント値が上記セル数に達しないとき、または上記
セル数を越えたときには、セルの棄却、あるいは外来セ
ルの混入等のエラーが発生したと判定する。
【0028】この結果、累積論理和手段15を用いること
により、比較対象ビットが増大しても、不一致の比較結
果を一定のリセットがかけられるまで送出し続ける機能
を基本的に1ビットで行わせることができるため、回路
規模が小さく(図4のフリップフロップ2-1 〜2-n を使
用しなくてすむ)、簡単な構成の指定パターンセル計数
回路を実現することができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、カ
ウントアップ制御手段150 を設けることにより、比較対
象ビットが増大しても、不一致の比較結果を一定のリセ
ットがかけられるまで送出し続ける機能を基本的に1ビ
ットで行わせることができるため、回路規模が小さく、
簡単な構成の指定パターンデータブロック計数回路を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の原理図、
【図2】は本発明の実施例の指定パターンセル計数回路
の構成図、
【図3】は実施例の動作を説明するためのタイムチャー
ト、
【図4】は従来例の指定パターンセル計数回路の構成図
である。
【符号の説明】
150 はカウントアップ制御手段、 180 は計数手段、 900 は比較手段 を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−344145(JP,A) 特開 平5−75639(JP,A) 特開 平4−242346(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロックに分割されたデータに付加して
    該データと共に入力される指定パターンと、予め設定さ
    れた参照用パターンとをビット毎に比較して、該比較結
    果と該指定パターンの各ビットのタイミングパルスとの
    論理積を求めて出力する比較手段と、 該比較手段の出力を入力して、該指定パターンのビット
    がすべて一致した時にはカウントアップのための信号を
    送出し、不一致の時には該不一致ビットを検出した時点
    からカウントアップを阻止する信号をリセットがかけら
    れるまで送出し続けるカウントアップ制御手段と、 該カウントアップ制御手段の出力を入力して、該1ブロ
    ックの指定パターンのビットがすべて一致した時にカウ
    ントアップ動作を行い、該カウント値が一定値を超えた
    時オーバーフロー信号を送出する計数手段とを有するこ
    とを特徴とする指定パターンデータブロック計数回路。
  2. 【請求項2】 前記ブロックに分割されたデータと該デ
    ータに付加して該データと共に入力される指定パターン
    は、ATM伝送システムにおけるセルであることを特徴
    とする請求項1記載の指定パターンデータブロック計数
    回路。
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