JP3388797B2 - 有機磁性膜およびその製造方法 - Google Patents

有機磁性膜およびその製造方法

Info

Publication number
JP3388797B2
JP3388797B2 JP5436293A JP5436293A JP3388797B2 JP 3388797 B2 JP3388797 B2 JP 3388797B2 JP 5436293 A JP5436293 A JP 5436293A JP 5436293 A JP5436293 A JP 5436293A JP 3388797 B2 JP3388797 B2 JP 3388797B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
organic
chemical
formula
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5436293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0645142A (ja
Inventor
忠 大竹
規央 美濃
小川  一文
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP5436293A priority Critical patent/JP3388797B2/ja
Publication of JPH0645142A publication Critical patent/JPH0645142A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3388797B2 publication Critical patent/JP3388797B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/42Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of organic or organo-metallic materials, e.g. graphene
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/005Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure organic or organo-metallic films, e.g. monomolecular films obtained by Langmuir-Blodgett technique, graphene
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/002Antiferromagnetic thin films, i.e. films exhibiting a Néel transition temperature

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機磁性膜およびその
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、金属若
しくはラジカルに由来する不対電子を有する有機分子が
配列し、かつ磁性を示す有機磁性膜およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】厳密な意味での有機磁性単分子膜および
有機磁性累積膜は未だ存在例がない。そもそも有機磁性
体そのものの例が現在までにほとんどなく、有機磁性結
晶にいたっては全く例がないという状況である。
【0003】ただ、磁性の発現までは至っていないが、
電子スピン共鳴(ESR)測定検討がLB膜に関してさ
れている例がある。膜構成分子としては、ステアリン酸
銅(J.Messierand G.Marc,J.P
hys.(Paris),32,799(197
1).)や炭素数18の脂肪酸をつけたジチオカルバミ
ン酸銅(P.A.Chollot,J.Phys,C:
Solid State Phys.,7,4127
(1974).)を用いている。また薄膜という範疇で
いえば、特開平3−160708号公報にある通り、プ
ラズマ重合法により形成された有機磁性薄膜の例があ
る。
【0004】高分子化合物に磁性を付与する方法とし
て、主鎖からぶら下がったペンダント部にラジカルを有
する官能基をつけることで、スピンの向きを揃えるとい
う方法がある。また高分子の中にネオジウム、鉄、ボロ
ン系若しくはサマリウム、コバルト系の磁性体粉末を分
散させ作成する一般にプラスチック磁石と呼ばれるもの
は、原理的にその高分子を薄膜状にしさえすれば有機磁
性薄膜は実現可能で、実際に加工プロセスもかなり確立
している。しかし後者の場合、有機分子そのものの物性
が反映されているわけではなく、いわゆるコンポジット
タイプである。
【0005】ところで、有機磁性体を得るには次の2条
件を満足させることが必要となる。第一に、多数の不対
電子を安定に有機材料中に存在させることによりスピン
密度を高める。第二に、平行配列しているスピンの割合
を増やす。
【0006】ところが、有機分子そのものの物性が反映
されている公知の有機磁性体では、スピン密度、磁化率
共に未だ小さい。それは、スピン密度の向上およびスピ
ンの配列制御が充分に行われていないことによるものと
考えられる。そのようなことで現在のところ実用上充分
な磁性を有するものは報告例がない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】不対電子を有する有機
分子は厳密には個々には磁性を有するといってよい。し
かし、この分子が集合し結晶化すると相殺されて結晶全
体としては磁性を持たなくなってしまう場合がほとんど
である。よって、結晶若しくは分子集合体が全体として
磁性を持つためには、すなわち巨視的磁性を発現するた
めには、綿密な分子設計に基つ゛く分子の合成を行うこ
とにより、まずスピンがより安定に存在するようにして
やり、かつスピンの向きが揃うように分子を立体的にう
まく並べてやることが必要になってくる。実際、これま
での有機磁性体の例ではそのほとんどがこのスピンを揃
えてやる方法として、不活性ガス若しくは磁性を有する
分子と立体構造が似ている他の反磁性安定物質の形成す
るマトリックス中に捕捉するという方法を採用し、そう
して磁化測定して磁性を確認している。
【0008】本発明は、この不対電子を有する分子が膜
状に配列することによりスピンの向きが揃い、巨視的な
磁性を有する有機単分子膜および有機単分子累積膜を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の有機磁性膜は、膜を構成する分子が基体と
直接または間接的に、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、
S、Cから選ばれる少なくとも1つの原子を介して共有
結合で固定されている有機膜であって、前記有機膜内に
金属及び/またはラジカルに由来する不対電子を有し、
かつ磁性を有することを特徴とする。
【0010】前記構成においては、有機膜が単分子膜で
あることが好ましい。また前記構成においては、有機膜
を構成する分子が、有機内層膜とSi、Ge、Sn、T
i、Zr、S、Cから選ばれる少なくとも1つの原子を
介して共有結合で固定されている累積膜であることが好
ましい。
【0011】また前記構成においては、磁性が、強磁
性、フェリ磁性、常磁性若しくは反強磁性であることが
好ましい。また前記構成においては、金属が、有機金属
若しくは有機金属錯体に含まれている金属であることが
好ましい。
【0012】また前記構成においては、有機金属に含ま
れてる金属が、Si,Ge,Sn,Zn及びAsから選
ばれる少なくとも一つの典型金属であることが好まし
い。また前記構成においては、有機金属錯体に含まれて
る金属が、Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Zn,Y,
Hg,Cd,Ru,Rh,Sc,Ti,V,Pd,P
t,Nb,Mo,Tc,Hf,T,W,Re,Os及び
Irから選ばれる少なくとも一つの遷移金属であること
が好ましい。
【0013】また前記構成においては、ラジカルが、カ
ルベン、前記一般式(化1)〜(化5)で示される官能
基から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
次に本発明の第1番目の有機磁性膜の製造方法は、ラジ
カル発生前駆体基または金属イオン捕捉基を分子内に有
し、かつ前記一般式(化6)で示される官能基、前記一
般式(化7)で示される官能基、前記一般式(化8)で
示されるハロゲン化スルフォニル基、前記一般式(化
9)で示されるハロゲン化スルフィニル基、前記一般式
(化10)、及びシアノ基から選ばれる少なくとも1つ
の官能基を有する分子を、活性な水素またはアルカリ金
属を有するかまたは付与した基体に接触させ、化学吸着
反応させて有機膜を形成し、しかる後、前記有機膜にラ
ジカルを発生させるかまたは金属イオンを捕捉させるこ
とを特徴とする。
【0014】次に本発明の第2番目の有機磁性膜の製造
方法は、ラジカルまたは金属を有する官能基を分子内に
有し、かつ前記一般式(化11)で示される官能基、前
記一般式(化12)で示される官能基、前記一般式(化
13)で示されるハロゲン化スルフォニル基、前記一般
式(化14)で示されるハロゲン化スルフィニル基、前
記一般式(化15)、及びシアノ基から選ばれる少なく
とも1つの官能基を有する分子を、活性な水素またはア
ルカリ金属を有するかまたは付与した基体に接触させ、
化学吸着反応させて有機膜を形成することを特徴とす
る。
【0015】前記構成においては、化学吸着分子を基体
と接触させた後、非水系溶媒で洗浄して化学吸着単分子
膜を形成することが好ましい。また前記構成において
は、化学吸着単分子膜を形成した後、さらに化学吸着分
子を接触させて累積膜を形成することが好ましい。
【0016】
【作用】前記した本発明の構成によれば、化学吸着膜内
に金属またはラジカルに由来する不対電子を有する有機
分子が配列し、かつ化学吸着膜が磁性を有することによ
り、スピンの向きが揃い、巨視的な磁性を有する化学吸
着された有機磁性膜とすることができる。
【0017】また、化学吸着膜が単分子膜であるという
本発明の好ましい構成によれば、分子配向が良好でオン
グストロームオーダーまたはナノメーターレベルの成膜
および膜厚制御が可能であり、これまでには存在しない
薄さの強固な磁性超薄膜とすることができる。
【0018】また、化学吸着膜を構成する分子が化学吸
着内層膜と直接もしくは間接的にSi、Ge、Sn、T
i、Zr、S、Cから選ばれる少なくとも1つの原子を
介して共有結合している累積膜であるという本発明の好
ましい構成によれば、膜構成分子の密度を向上させるこ
とができる。
【0019】また、磁性が強磁性、フェリ磁性、常磁性
若しくは反強磁性であるという本発明の好ましい構成に
よれば、優れた磁性特性を発現できる。また、金属が有
機金属及び/または有機金属錯体中の典型金属及び/ま
たは遷移金属であるという本発明の好ましい構成によれ
ば、優れた磁性磁性を発現できる。
【0020】また、ラジカルが一般式(化1)〜(化
5)で示される官能基であるという本発明の好ましい構
成によれば、優れた磁性特性を発現できる。次に、本発
明の製造方法の構成によれば、前記した有機磁性膜を効
率よく合理的に製造することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。本発明の有機磁性膜は、基体もしくは内層
膜に直接もしくは間接的に共有結合により強固に固定さ
れており、また原理的にオングストロームオーダーまた
はナノメーターレベルの成膜および膜厚制御が可能であ
り、これまでには存在しない薄く、かつ強固な磁性超薄
膜になる。
【0022】不対電子のスピンを揃える方法として、ト
ポロジー的対称性を利用することとし、これにより上記
課題を解決した。つまり、膜構成分子が基体上でほぼ均
一に分布し、かつ配向性が良好であると言われている化
学吸着膜を利用し、その膜構成分子に磁性をもたせスピ
ンの向きを揃えることにより有機磁性膜を形成した。
【0023】具体的には、この膜構成分子には、ラジカ
ル発生前駆体、金属イオン捕捉剤、ラジカルを有する分
子、そして金属を有する分子があたる。前記第一の分子
で構成された膜では、例えば紫外線照射により、また第
二の分子で構成された膜では、例えば金属イオン溶存溶
液への浸漬等の処理により不対電子をつくることになる
が、不対電子ができた時点では分子は既に基体に固定さ
れているために分子間の磁気的相互作用の要請に基つ゛
く再配列はされず、できた不対電子のスピンは保存され
る。こうして、高スピン密度および高スピン配列制御が
果たせることにより、巨視的磁性の発現が可能となっ
た。
【0024】なお、ここでいう磁性とは、金属及び/ま
たはラジカル中の不対電子に由来されるものである。ま
た、オングストロームオーダーまたはナノメーターレベ
ルの膜厚、または膜厚制御可能な薄膜を得るには、現段
階の技術では単分子膜の作成法しかない。現在よく知ら
れている単分子膜作成方法としては、ラングミュア・ブ
ロジェット法と化学吸着法の2通りがあるが、成膜後の
加工に耐え得るという点で、本発明の化学吸着法は優れ
たものである。
【0025】本発明の有機磁性膜は、金属及び/または
ラジカルに由来する不対電子を有する有機分子が配列
し、かつ磁性を示すことを特徴としている。化学吸着剤
としては、ラジカル発生前駆体及び/または金属イオン
捕捉剤そのもの及び/または、反応処理後それらに成り
得る化合物、及び/またはラジカル及び/または金属を
初めから有する化合物で、かつそれらを基体上及び/ま
たは既設の膜上に固定可能な官能基を有する分子にな
る。基体上及び/またはあらかじめ形成した化学吸着膜
の上に固定可能な官能基としては、前記一般式(化6)
〜(化10)で示される官能基、またはシアノ基が挙げ
られるが、本発明はこれらに限定されるものではないこ
ともちろんである。ただし、ここでいうハロゲンはC
l、Br、若しくはIが挙げられるが、反応性の点では
Clが好ましい。BrやIであっても同様な化学吸着単
分子膜および化学吸着累積膜が得られる。
【0026】前記の化学吸着膜を固定する先の基体とし
ては、その表面に、水酸基、カルボキシル基、スルフィ
ン酸基、スルフォン酸基、リン酸基、亜リン酸基、第四
級アンモニウム基、第四級ホスフォニウム基、チオール
基、アミノ基から選ばれる少なくとも一つの官能基、及
び/または水酸基、、カルボキシル基、スルフィン酸
基、スルフォン酸基、リン酸基、亜リン酸基、第四級ア
ンモニウム基、第四級ホスフォニウム基、チオール基、
アミノ基から選ばれる少なくとも一つの官能基のHがア
ルカリ金属若しくはアルカリ土類金属で置換された官能
基から選ばれるもの、及び前記した官能基を有する基体
上にすでに固定され、かつ前記した官能基を膜上に有し
ている化学吸着膜等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0027】基体表面に前記した官能基がないか、若し
くは少ない場合にはUV/オゾン処理、酸素プラズマ処
理、過マンガン酸カリウム液等の化合物酸化剤処理など
を行って表面改質を施し、前記官能基を作り出すか若し
くは増やすと効果的である。
【0028】また、前記化学吸着膜を前記基体に固定さ
せる方法として、液体状及び/または気体状の前記化学
吸着剤若しくは前記化学吸着剤を溶解させた溶液に基体
を接触させる方法が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0029】ここで溶液として使用する場合、用いる溶
媒としては、活性な水素が含まれていない分子からなる
のが適当である。例えば、化学吸着剤が長鎖のアルキル
基を有する場合には、炭化水素類とハロゲン化炭素類な
どの混合溶媒を用い、カルボニル基を有する場合には、
ハロゲン化炭素類や芳香族類などを用いるのが適当であ
る。しかしこれらに限定されるものではない。
【0030】化学吸着膜を基体上に固定させた後には、
未反応の分子を除去する工程を採用するほうが、単分子
膜及び単分子累積膜を作成しやすいので好ましい。その
洗浄除去の際に用いる溶媒としては、非プロトン系溶媒
が好ましい。例えば、ハロゲン化炭素類、エーテル類、
ラクトン類、エステル類、ニトリル類、アミド類などが
挙げられる。しかしこれらに限定されるものではない。
【0031】ラジカル発生前駆体としては、例えばアジ
ド基、ジアゾ基、アゾ基、ニトロ基、過酸基等を有する
分子が挙げられるがこれらに限られないことは勿論であ
る。化学吸着膜内で、これらのうち1種類のみが存在し
ていても、またこれらが混在していても構わないことは
勿論である。
【0032】金属イオン捕捉剤としては、例えばキレー
ト形成分子となる、ピリジン、ビピリジン、フェナント
ロリン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、S
chiff塩基等あるいはやはりホスト化合物であるポ
リエーテル、ポリチオエーテル、トリアルキルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、フタロシアニン類、クロ
ロフィル類、ポルフィリン類等が挙げられるので、これ
らの誘導体が用いるには適しているが、これらに限られ
ないこと勿論である。用いる場合、これらのうち1種類
のみでもよいが、またこれらが混合していても構わない
ことは勿論である。
【0033】捕捉される金属としては、金属イオン捕捉
剤により変わってくるが、いずれにしろ錯体を形成した
後にs、p、d及び/またはf軌道に奇数個の電子を有
するような金属が好ましい。捕捉される金属は、1種類
のみでも、また混合されていても構わないことは勿論で
ある。
【0034】そうして形成されたラジカル発生前駆体若
しくは遷移金属捕捉剤が膜構成分子である化学吸着膜を
有する基体を、紫外線照射もしくは金属イオン溶存溶液
への浸漬等の処理をして不対電子を発生させる。不対電
子が発生した時点では分子は既に共有結合により基体に
固定されているために分子間の磁気的相互作用の要請に
基づく再配列はされず、発生した不対電子のスピンは保
存される。これにより巨視的磁性の発現が可能となる。
【0035】また、化学吸着剤としてラジカル分子を用
いる場合には、一般式(化1)〜(化5)で示される官
能基から選ばれる少なくとも1つを有する分子が良い
が、具体的には図1に示すような官能基を有する分子が
挙げられるが、これらに限られないことは勿論である。
用いる際、1種類のみでも、また複数種類混合して用い
てもよいことは勿論である。
【0036】より強い磁性を得るための1つの方法とし
て、不対電子を共役系の中に組み込んで共役安定化の寄
与を得るという方法がある。この場合、化学吸着剤の時
点から共役系を有するものを用いる方法もあるが、化学
吸着膜を形成してから膜上で重合させ共役系を作り出す
方法もある。後者の方法では例えば、アセチレン誘導体
やジアセチレン誘導体等を化学吸着剤として用いてまず
化学吸着膜を形成した後、電子線や触媒を用いて重合さ
せ共役系を作り出すという方法があるが、これに限られ
るわけではない。
【0037】なお、本発明の有機磁性単分子膜および有
機磁性累積膜の磁性は、次のようにして確認することが
できる。簡便な方法としては、磁化させた鉄の超微粉末
の上に薄い紙を乗せ、その上にこの有機磁性単分子膜若
しくは有機磁性累積膜を有する基体を置きその薄い紙ご
と基体を宙に浮かせ、磁化させた鉄の微粉末の紙へのく
っつき具合を見るという方法がある。基体を紙から離し
てみて、紙にくっついていた微粉末が落ちるのをみてや
れば、磁性の有無がわかる。また他の方法としては、E
SR(電子スピン共鳴)等の磁化特性測定機を用いて、
磁気特性を測定できる。
【0038】以下に、本発明の有機磁性単分子膜および
有機磁性累積膜について、製造方法も含めより詳細に説
明する。ただし、本発明は以下の具体的実施例に限定さ
れない。
【0039】(実施例1)はじめに、吸着溶液Aを調製
した。ヘキサデカンと四塩化炭素とクロロホルムを重量
比で80:12:8の割合で混合した混合溶媒に化学吸
着剤である8−オクチルトリクロロシランと14−
(3,5−ジシアノフェニル)テトラデシルトリクロロ
シランをそれぞれ0.5wt%の濃度で溶解して調製し、
これを吸着溶液Aとした。
【0040】図2に示す様に、親水性基板としてガラス
基板1を用い、有機溶剤で洗浄した後、吸着溶液Aに1
時間浸漬させた。この処理により、まず8−オクチルト
リクロロシランと14−(3,5−ジシアノフェニル)
テトラデシルトリクロロシランのSi−Cl基とガラス
基板1のOH基とで脱塩化水素反応を起こし、下記式
(化16)と(化17)という結合がほぼ均一にでき、
化学吸着膜がガラス基板1上に形成された。
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】次に15分間の非水系溶媒のクロロホルム
洗浄を行ない、その後15分間の水洗を行うと基板表面
全面の前記式(化16)と(化17)が下記式(化1
8)に変わり、図3に示したような化学吸着単分子膜2
が形成された。なお、吸着溶液Aの化学吸着剤の組成が
1:1であるために式(化16)と(化17)はほぼ均
一に交互に吸着していると考えることができ、そのため
に式(化18)で表される繰り返し単位で基体上を被覆
していると考えられる。この単分子膜は、強固に基板と
固定されており、かつ極めて撥水性に富んでいた。
【0044】
【化18】
【0045】なお、得られた化学吸着膜は、フーリエ変
換赤外吸収スペクトル(FTIR)測定で2925〜2
840(帰属:−CH2 −)、2240(帰属:CN3
重結合)、1620、1500、1450(以上3つ、
帰属:ベンゼン骨格)、1470(帰属:−CH
2 −)、1080(帰属:Si−O)cm-1にこの構造
に特徴的なシグナルを得たことで、膜形成を確認でき
た。
【0046】次に、乾燥テトラヒドロフラン中でm−ジ
ブロモベンゼンからつくったグリニア試薬を、化学吸着
単分子膜2を有する基板1をおいた容器に注ぎ込み30
分間反応させた。そして、5分間のエーテル洗浄と5分
間の水洗を行うと基板表面全面に図4に示したような化
学吸着単分子膜3が形成できた。この単分子膜は、強固
に基板と固定されており、かつ極めて撥水性に富んでい
た。
【0047】なお、得られた化学吸着膜は、フーリエ変
換赤外吸収スペクトル(FTIR)測定で2240cm
-1のシグナルが消失し、新たに1700(帰属:C=
O)cm-1のシグナルが現れ、また1620、150
0、1450cm-1のベンゼン環に帰属できるシグナル
の強度が約2倍になったことで膜形成を確認できた。
【0048】次に、n−プロパノールにヒドラジン一水
和物を混合した後そこへ化学吸着単分子膜3を有する基
板1を浸漬し、30分間加熱還流下反応させた。この反
応の後、5分間のエーテル洗浄と5分間の水洗を行うと
基板表面全面に図5に示したような化学吸着単分子膜4
が形成された。この単分子膜は、強固に基板と固定され
ており、かつ親水性に富んでいた。
【0049】なお、得られた化学吸着膜は、フーリエ変
換赤外吸収スペクトル(FTIR)測定で1700cm
-1のシグナルが消失し、新たに3500(帰属:N
2 )、1650(帰属:C=N)cm-1のシグナルが
現れたことで膜形成を確認できた。
【0050】つづいて、活性二酸化マンガンを乾燥エー
テル中に懸濁させ、そこへ化学吸着単分子膜4を有する
基板1を20分間浸漬した。その後、5分間のエーテル
洗浄と5分間の水洗を行うと基板表面全面に図6に示し
たような化学吸着単分子膜5が形成できた。この単分子
膜は、強固に基板と固定されており、かつ極めて撥水性
に富んでいた。
【0051】なお、得られた化学吸着膜は、フーリエ変
換赤外吸収スペクトル(FTIR)測定で1650cm
-1のシグナルが消失し、新たに2140,2120(帰
属:C=N2 )cm-1のシグナルが現れたことで膜形成
を確認できた。
【0052】こうして得られた化学吸着単分子膜5はラ
ジカル発生前駆体である。次に、化学吸着膜上にラジカ
ルを発生させその磁化確認を行った。化学吸着単分子膜
5を有する基板1を1.9Kにおいて、紫外線を照射し
ながら、ファラデー法を用いて磁化測定を行った。図6
中のジアゾ基は、紫外線照射によりN2 を放出し、対応
するカルベンを与え、図7に示すような化学吸着単分子
膜6を形成した。
【0053】その結果、磁化はS字型の初期磁化曲線に
従い、その後磁場の増減に伴い原点について点対称なヒ
ステリシス・ループを示した。また残留磁化も示した。
以上から、この化学吸着単分子膜6は強磁性体としての
特徴的な振る舞いをすることがわかった。さらに温度を
上昇させても同様であった。また、この化学吸着単分子
膜6を有する基板1を100Gの磁場の中に置くと、
0.50emuGの磁化が得られた。
【0054】なお、図7中の結合については基板表面全
面にわたって完全に重合しているとは考え難く、ある程
度の重合度をもつ分子の集合体であるというイメージの
方が現実的である。しかしながら、これだけの強磁性を
示すのはやはり化学吸着膜を利用し、トポロジー的対称
性が生かされた成果であると考えられる。
【0055】(実施例2)はじめに、吸着溶液Bを調製
した。ヘキサデカンと四塩化炭素とクロロホルムを重量
比で80:12:8の割合で混合した混合溶媒に化学吸
着剤である10−((4−クロロメチル)フェニル)デ
シルトリクロロシランを約1wt%の濃度で溶解して調製
し、これを吸着溶液Bとした。
【0056】親水性基板として実施例1と同様のガラス
基板1を用い、有機溶剤で洗浄した後、吸着溶液Bに1
時間浸漬させた。この処理により、まず10−((4−
クロロメチル)フェニル)デシルトリクロロシランのS
i−Cl基とガラス基板1のOH基とで脱塩化水素反応
を起こし、(化19)という結合がほぼ均一にでき、化
学吸着膜がガラス基板1上に形成された。
【0057】
【化19】
【0058】次に15分間の非水系溶媒のクロロホルム
洗浄と15分間の水洗を行うと基板表面全面の(化1
9)が(化20)に変わり、図8に示したような化学吸
着単分子膜7が形成された。この単分子膜は、強固に基
板と固定されており、かつ極めて撥水性に富んでいた。
【0059】
【化20】
【0060】なお、これはフーリエ変換赤外吸収スペク
トル(FTIR)測定により3060(帰属:ベンゼン
C−H)、2920〜2840(帰属:−CH2 −)、
1890、1610、1500、1450(以上4つ、
帰属:ベンゼン骨格)、1470(帰属:−CH
2 −)、1080(帰属:Si−O)、850(帰属:
ベンゼンC−H)cm-1にこの構造に特徴的なシグナル
を得たことで、膜形成を確認できた。
【0061】つづいて、新たな化学吸着剤Cの合成を行
った。CとしてはShiff塩基を選んだ。室温で、ジ
エチレントリアミンとベンズアルデヒドを1.5時間反
応させ(化21)で示される化学吸着剤Cを合成した。
【0062】
【化21】
【0063】次に、化学吸着単分子膜7を有する基板1
を1,4−ジオキサンに浸漬させ、そこへ化学吸着剤C
の1,4−ジオキサン溶液を注ぎ込んだ。30分間反応
させた後、5分間のクロロホルム洗浄と5分間の水洗と
を経ると図9で示される化学吸着単分子累積膜8を作成
できた。この膜は極めて撥水性に富んでいた。
【0064】なお、これはフーリエ変換赤外吸収スペク
トル(FTIR)測定で新たに1650(帰属:C=
N)cm-1にこの構造に特徴的なシグナルを得、また1
890、1610、1450(以上3つ、帰属:ベンゼ
ン骨格)のシグナルが約3倍になったことで、膜形成を
確認できた。
【0065】この化学吸着単分子累積膜8を有する基板
1を希塩酸で洗ってやることにより、基板表面全面が図
10に示すような化学吸着単分子累積膜9を形成した。
なお、これはフーリエ変換赤外吸収スペクトル(FTI
R)測定で1650cm-1のシグナルの消失、また18
90、1610、1450(以上3つ、帰属:ベンゼン
骨格)のシグナルが約1/3倍になったことで、膜形成
を確認できた。
【0066】それからNiCl2 ・6H2 O水溶液にこ
の化学吸着単分子累積膜9を有する基板1を室温で1時
間浸漬させ、5分間の水洗を行った。この処理により化
学吸着単分子累積膜9は、Ni2+を取り込ませることが
できた。
【0067】なお、これはX線光電子分光(XPS)測
定でNiに由来するシグナルを得たことで、Ni2+の取
り込みを確認できた。そして、Ni2+化学吸着単分子累
積膜9を有する基板1を、磁化させた鉄の超微粉末の上
に置いた薄い紙の上に10秒放置してから、紙ごと基板
を持ち上げた。するとその鉄の微粉末は紙にくっついて
いるのが確認できた。続いて基板を紙から離してみる
と、鉄の微粉末は落ちてしまった。このことでこの化学
吸着単分子膜9の磁性を確認できた。
【0068】(実施例3)はじめに、吸着溶液Dを調製
した。ヘキサデカンと四塩化炭素とクロロホルムを重量
比で80:12:8の割合で混合した混合溶媒に、化学
吸着剤である10−デシルトリクロロシリル(1−オキ
ソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)エー
テルを約1wt%の濃度で溶解して調製し、これを吸着溶
液Dとした。
【0069】基板として石英を用い、これを有機溶剤で
洗浄した後、吸着溶液Dに1時間浸漬させた。その後、
15分間のクロロホルム洗浄を行うと、基板表面全面に
わたり、図11に示すような化学吸着単分子膜10が形
成された。この単分子膜は、強固に基板と固定されてい
た。
【0070】なお、これはフーリエ変換赤外吸収スペク
トル(FTIR)測定により、2920、2840(帰
属:−CH2 −)、1080(帰属:Si−O)、96
0(帰属:N−O)cm-1にこの構造に特徴的なシグナ
ルを得たことで、膜形成を確認できた。
【0071】次に、ESRスペクトル測定を行った。マ
イクロ波出力0.3mW、変調幅0.1G、応答時間
0.1秒、磁場3300±1000Gの測定条件で77
Kにおいて、g値2.0064のシングレットシグナル
が3本得られた。これらのシグナルは、徐々に昇温させ
ていくとブロード化してき、313Kになって消滅し
た。なお、g値決定のリファレンスにはMnOを用い
た。
【0072】また、電子分光分析装置(ESCA)によ
り、磁性不純物、つまりFe、Co、Mn等が混入して
いないかを確認したところ、これらは確認されなかっ
た。以上の測定結果から、この化学吸着単分子膜10は
室温においても強磁性であることが確認できた。
【0073】(実施例4)はじめに、吸着溶液Eを調製
した。ヘキサデカンと四塩化炭素とクロロホルムを重量
比で80:12:8の割合で混合した混合溶媒に化学吸
着剤である1,8−ビストリクロロシリルオクタンを約
1wt%の濃度で溶解して調製し、これを吸着溶液Eとし
た。
【0074】親水性基板として実施例1と同様のガラス
基板1を用い、有機溶剤で洗浄した後、吸着溶液Eに1
時間浸漬させた。その後、10分間のクロロホルム洗浄
を行うと、基板表面全面にわたり、(化22)に示すよ
うな化学吸着単分子膜が形成された。
【0075】
【化22】
【0076】次に、この単分子膜を有するガラス基板
を、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジノ−1−オキソ/クロロホルム溶液に1.5時間
浸漬させた。続いて15分間のクロロホルム洗浄を行っ
た。以上の処理により図12に示すような単分子膜11
が形成された。
【0077】なお、これはフーリエ変換赤外吸収スペク
トル(FTIR)測定により、2920、2840(帰
属:−CH2 −)、1080(帰属:Si−O)、96
0(帰属:N−O)cm-1にこの構造に特徴的なシグナ
ルを得たことで、膜形成を確認できた。
【0078】次に、ESRスペクトル測定を行った。マ
イクロ波出力0.3mW、変調幅0.1G、応答時間
0.1秒、磁場3300±1000Gの測定条件で77
Kにおいて、g値2.0070のシングレットシグナル
が3本得られた。これらのシグナルは、徐々に昇温させ
ていくとブロード化してき、303Kになって消滅し
た。なお、g値決定のリファレンスにはMnOを用い
た。
【0079】また、ESCAにより、磁性不純物、つま
りFe、Co、Mn等が混入していないかを確認したと
ころ、これらは確認されなかった。以上の測定結果か
ら、この化学吸着単分子膜11は室温においても強磁性
であることが確認できた。
【0080】なお、ESRにおける測定可能の限界は通
常スピン個数が常磁性体の場合、少なくとも約1010
と言われている。しかし、例えば実施例4で作成した化
学吸着単分子膜11では、スピン密度が1コ/25平方
オングストロームであるので約1mm2 の試料上では約
1011個程度であるが、これは理論上の数字でありこれ
よりは幾分小さくなっていることは明かであり、十分測
定可能であるとは本来ならば言えないところである。し
かし、これだけの少量のスピンで、このようにはっきり
とスペクトルが得られたことは、この膜内での交換相互
作用の大きさを示唆している。
【0081】以上説明した通り本実施例によれば、優れ
た有機磁性膜を実現できることができた。即ち、膜構成
分子の配向性の良好な薄膜を利用することにより実現が
可能となったことで、有機磁性薄膜という新しい研究分
野が開けるきっかけになる。また、実用の面を考えると
先端技術でその利用価値たるもの図り知れない。従来の
無機の磁性薄膜材料に置き代わり、優れた特性を発揮で
きる用途に叶う磁性薄膜材料を提供することも可能であ
る。
【0082】本発明の有機磁性膜の用途としては、生体
適合性を考慮すると、従来の無機磁性体よりはるかに優
位であるバイオメディカル分野がある。例えばマイクロ
波吸収体としての有機磁性膜は、温熱型ガン治療補助材
に利用できる。また、磁気パルス媒体として、埋蔵型筋
力促進素子、血流促進素子などに利用できる。また本発
明の有機磁性膜は充分薄いので、下地の色をそのまま外
観に出すことが可能となる。すなわち、従来の磁性体は
黒一色であったが、これを解消し様々な色彩をもつこと
が可能となる。さらに累積により膜の厚さを厚くすれ
ば、逆に下地の色に影響を与えることも可能である。ま
たさらに、従来以上の大容量の磁気記録媒体や光記録媒
体にすることも可能で、高精度の磁器記録ヘッドを作る
ことも可能である。なお、磁化の程度の制御は、分子の
密度、累積回数を制御する等により可能である。
【0083】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、化学
吸着膜内に金属またはラジカルに由来する不対電子を有
する有機分子が配列し、スピンの向きが揃い、巨視的な
磁性を有する化学吸着された有機磁性膜を形成すること
ができる。また本発明の製造方法の構成によれば、前記
した有機磁性膜を効率よく合理的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(g)は、本発明で使用することが
できるラジカル分子の具体例である。
【図2】 本発明の一実施例の基板の要部を分子レベル
まで拡大した拡大図である。
【図3】 本発明の一実施例の化学吸着単分子膜の要部
を分子レベルまで拡大した拡大図である。
【図4】 本発明の一実施例の化学吸着単分子膜の要部
を分子レベルまで拡大した拡大図である。
【図5】 本発明の一実施例の化学吸着単分子膜の要部
を分子レベルまで拡大した拡大図である。
【図6】 本発明の一実施例の化学吸着単分子膜の要部
を分子レベルまで拡大した拡大図である。
【図7】 本発明の一実施例の化学吸着単分子膜の要部
を分子レベルまで拡大した拡大図である。
【図8】 本発明の別の実施例の化学吸着単分子累積膜
の要部を分子レベルまで拡大した拡大図である。
【図9】 本発明の別の実施例の化学吸着単分子累積膜
の要部を分子レベルまで拡大した拡大図である。
【図10】 本発明の別の実施例の化学吸着単分子膜の
要部を分子レベルまで拡大した拡大図である。
【図11】 本発明のまた別の実施例の化学吸着単分子
膜の要部を分子レベルまで拡大した拡大図である。
【図12】 本発明のさらに別の実施例の化学吸着単分
子膜の要部を分子レベルまで拡大した拡大図である。
【符号の説明】
1: ガラス基板 2、3、4、5、6、7、8、9、10、11: 化学
吸着単分子膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−216515(JP,A) 特開 平3−241704(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 10/00 - 10/32 H01F 41/14 H01F 1

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜を構成する分子が基体と直接または間
    接的に、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、S、Cから選
    ばれる少なくとも1つの原子を介して共有結合で固定さ
    れている有機膜であって、前記有機膜内に金属及び/ま
    たはラジカルに由来する不対電子を有し、かつ磁性を有
    することを特徴とする有機磁性膜。
  2. 【請求項2】 有機膜が単分子膜である請求項1に記載
    の有機磁性膜。
  3. 【請求項3】 有機膜を構成する分子が、有機内層膜と
    Si、Ge、Sn、Ti、Zr、S、Cから選ばれる少
    なくとも1つの原子を介して共有結合で固定されている
    累積膜である請求項1に記載の有機磁性膜。
  4. 【請求項4】 磁性が、強磁性、フェリ磁性、常磁性若
    しくは反強磁性である請求項1、2または3に記載の有
    機磁性膜。
  5. 【請求項5】 金属が、有機金属若しくは有機金属錯体
    に含まれている金属である請求項1に記載の有機磁性
    膜。
  6. 【請求項6】 有機金属に含まれる金属が、Si,G
    e,Sn,Zn及びAsから選ばれる少なくとも一つの
    典型金属である請求項5に記載の有機磁性膜。
  7. 【請求項7】 有機金属錯体に含まれる金属が、Cr,
    Mn,Fe,Co,Ni,Zn,Y,Hg,Cd,R
    u,Rh,Sc,Ti,V,Pd,Pt,Nb,Mo,
    Tc,Hf,T,W,Re,Os及びIrから選ばれる
    少なくとも一つの遷移金属である請求項5に記載の有機
    磁性膜。
  8. 【請求項8】 ラジカルが、カルベン、一般式(化1)
    で示される官能基、一般式(化2)で示される官能基、
    一般式(化3)で示される官能基、一般式(化4)で示
    される官能基、一般式(化5)で示される官能基から選
    ばれる少なくとも1つである請求項1に記載の有機磁性
    膜。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】
  9. 【請求項9】 ラジカル発生前駆体基または金属イオン
    捕捉基を分子内に有し、かつ一般式(化6)で示される
    官能基、一般式(化7)で示される官能基、一般式(化
    8)で示されるハロゲン化スルフォニル基、一般式(化
    9)で示されるハロゲン化スルフィニル基、一般式(化
    10)、及びシアノ基から選ばれる少なくとも1つの官
    能基を有する分子を、活性な水素またはアルカリ金属を
    有するかまたは付与した基体に接触させ、化学吸着反応
    させて有機膜を形成し、しかる後、前記有機膜にラジカ
    ルを発生させるかまたは金属イオンを捕捉させることを
    特徴とする有機磁性膜の製造方法。 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】
  10. 【請求項10】 ラジカルまたは金属を有する官能基を
    分子内に有し、かつ一般式(化11)で示される官能
    基、一般式(化12)で示される官能基、一般式(化1
    3)で示されるハロゲン化スルフォニル基、一般式(化
    14)で示されるハロゲン化スルフィニル基、一般式
    (化15)、及びシアノ基から選ばれる少なくとも1つ
    の官能基を有する分子を、活性な水素またはアルカリ金
    属を有するかまたは付与した基体に接触させ、化学吸着
    反応させて有機膜を形成することを特徴とする有機磁性
    膜の製造方法。 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】
  11. 【請求項11】 化学吸着分子を基体と接触させた後、
    非水系溶媒で洗浄して化学吸着単分子膜を形成する請求
    項9または10の有機磁性膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 化学吸着単分子膜を形成した後、さら
    に化学吸着分子を接触させて累積膜を形成する請求項1
    1の有機磁性膜の製造方法。
JP5436293A 1992-03-16 1993-03-15 有機磁性膜およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3388797B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5436293A JP3388797B2 (ja) 1992-03-16 1993-03-15 有機磁性膜およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5594492 1992-03-16
JP4-55944 1992-03-16
JP5436293A JP3388797B2 (ja) 1992-03-16 1993-03-15 有機磁性膜およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0645142A JPH0645142A (ja) 1994-02-18
JP3388797B2 true JP3388797B2 (ja) 2003-03-24

Family

ID=26395117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5436293A Expired - Fee Related JP3388797B2 (ja) 1992-03-16 1993-03-15 有機磁性膜およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3388797B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8353977B2 (en) 2008-07-14 2013-01-15 Ngk Insulators, Ltd. Hydrogen separator and method of operating hydrogen separator

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4361168B2 (ja) * 1999-06-18 2009-11-11 独立行政法人科学技術振興機構 有機・無機複合磁性材料とその製造方法
EP1406249B1 (en) 2001-05-08 2007-03-14 Fujitsu Limited Method for manufacturing magnetic recording medium
DE602004018470D1 (de) * 2003-02-25 2009-01-29 Yeda Res & Dev Nanoskopische struktur und diese verwendende vorrichtung
JP5413710B2 (ja) * 2008-06-11 2014-02-12 日本電気株式会社 電極活物質と、その製造方法及びそれを用いた電池
WO2013082685A1 (pt) * 2011-12-05 2013-06-13 Universidade Federal De Pernambuco Material orgânico magnético
CN104395327B (zh) * 2012-07-05 2017-06-23 日本曹达株式会社 有机硅化合物、使用其的薄膜形成用组合物以及有机薄膜

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0669006B2 (ja) * 1984-04-12 1994-08-31 松下電器産業株式会社 有機磁性薄膜およびその製造方法
US5135673A (en) * 1989-08-23 1992-08-04 Director General Of Agency Of Industrial Science And Technology Organic ferromagnetic substance

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8353977B2 (en) 2008-07-14 2013-01-15 Ngk Insulators, Ltd. Hydrogen separator and method of operating hydrogen separator

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0645142A (ja) 1994-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6805904B2 (en) Process of forming a multilayer nanoparticle-containing thin film self-assembly
US5552236A (en) Organic magnetic film and method of manufacturing the same
Ariga et al. Two-dimensional nanoarchitectonics based on self-assembly
Benelli et al. Structure and magnetic properties of linear-chain complexes of rare-earth ions (gadolinium, europium) with nitronyl nitroxides
Cornia et al. Preparation of novel materials using SMMs
KR100379248B1 (ko) 덴드리머를 이용한 나노 입자가 표면에 부착된무기-고분자 복합 소재 및 그 제조 방법
JP3388797B2 (ja) 有機磁性膜およびその製造方法
US6991741B2 (en) Controlled room temperature synthesis of magnetic metal oxide nanoclusters within a diblock copolymer matrix
Coffer Semiconducting silicon nanowires for biomedical applications
EP4095097A1 (en) Metal-adsorbing composite material based on magnetic graphene oxide and method for obtaining same
KR101683059B1 (ko) 형광 및 자성을 갖는 코어-쉘 나노체인 구조체 및 그의 제조방법
Jiang et al. Photochromic inorganic–organic multilayer films based on polyoxometalates and poly (ethylenimine)
Sergeev et al. Encapsulation of small metal particles in solid organic matrices
Kim et al. Block copolymer enabled synthesis and assembly of chiral metal oxide nanoparticle
Shpaisman et al. Synthesis and characterization of air-stable iron nanocrystalline particles based on a single-step swelling process of uniform polystyrene template microspheres
JP4361168B2 (ja) 有機・無機複合磁性材料とその製造方法
Lloveras et al. Multifunctional Switch Based on Spin-Labeled Gold Nanoparticles
JP2007128605A (ja) 磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた磁気記録読取装置
CN104209106B (zh) 5-磺基水杨酸功能化的Fe3O4磁性纳米粒子及其合成方法和应用
JPH05138020A (ja) 親水性化学吸着単分子膜およびその製造方法
JP2004087055A (ja) 磁気記録媒体
JPH05117624A (ja) 機能性化学吸着膜およびその製造方法
Zeng et al. Preparation and characterization of amino-coated maghemite nanoparticles
Kay et al. 3 Core–Shell Magnetic Nanostructures
JPS60216515A (ja) 有機磁性薄膜およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080117

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100117

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees