JP3388325B2 - 自動滴定分析装置 - Google Patents
自動滴定分析装置Info
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Description
り、特に濃度を測定すべき試料とこれに対応する測定試
薬との滴定反応の終点での液間電位差の変化に基いて試
料の濃度を検知する自動滴定分析装置に関する。
れるエッチング液のように溶液中の特定成分の濃度が処
理作業中に次第に変化する場合には、その濃度を随時検
知して液組成を常に一定に維持することが必要である。
このため従来技術において、たとえば硫酸・過酸化水素
系エッチング溶液中の過酸化水素濃度を求める際には、
まず所定容量の試料溶液をサンプリングし、これに対し
て滴定試薬としての過マンガン酸カリウム試薬を順次滴
定し、滴定反応が終点に達したことが確認された時点で
の滴下した試薬の容量に基いて試料中の過酸化水素の濃
度が算定されていた。
されている滴定分析法では、試薬の滴下容量を正確なも
のとするために複雑な切替え弁機構や駆動機構を備えた
サンプリングビュレット(プランジャポンプ)等を必要
とするため、装置の故障頻度が高くかつ設置コストが増
大する。また分析槽内の液の有無の判断や液量の検知に
は液面センサを必要とするが、電導度式センサではリー
クによる誤動作、光導電式センサでは汚れによる誤動作
があり、またフロート式センサでは引っ掛かりによる誤
動作の恐れがあった。
差センサの電極としては滴定反応の形式に応じてたとえ
ば酸/アルカリ試薬による中和滴定にはpH電極が、酸
化還元試薬による酸化還元滴定にはORP電極等が用い
られているが、これらはいずれも比較電極の内部液とし
て塩化カリウム溶液を充填した構造を有しており、その
補充のための保守作業を必要とする。
化水素濃度の他硫酸濃度および銅濃度を合わせて測定す
ることが多いので、夫々の測定のために異なった種類の
電極やその付帯設備を必要とする。エッチング装置等に
おける濃度検知部は装置全体からみてその一部の構成要
素であるため、極力小型化および低コスト化することが
望まれ、かつ取扱いの簡略なことが求められており、反
面濃度管理はエッチングの品質管理における重要な因子
であって長期間にわたって保守の必要がなく正確に動作
する装置が望まれている。
定試薬を収容する分析槽と、前記分析槽に対して基準重
量の測定試薬を供給するための試薬供給手段と、前記分
析槽に対して注入された測定試薬を被測定試料によって
滴定するための試料供給手段と、前記分析槽に付設さ
れ、前記測定試薬および被測定試料の分析槽内の重量を
検知して重量信号を発生する重量センサと、前記分析槽
内における前記測定試薬および被測定試料の間の滴定反
応による液間電位の変化を検知して電位差信号を発生す
る電位差センサと、前記電位差センサからの特定の電位
差信号に対応して前記重量信号を前記測定試薬および前
記被測定試料の容量値又は重量値に変換して前記被測定
試料の特定成分の濃度を演算する演算部および前記演算
部からの濃度指示値にしたがって濃度補正指示信号を発
生する出力部を含む制御CPU部とを備えている自動滴
定分析装置によって解決される。
ングした基準容量の試料に対して試薬を所定容量づつ滴
下し、反応終点に到ったときの液間電位差の特定の変化
が確認されたとき、これに対応する試薬の滴定量に基い
て試料の特定成分の濃度(以下単に試料濃度という)が
算定される。これに対して本発明では、基準重量の試薬
に対して試料をその重量の計測下にサンプリングして滴
下し、滴定反応が終点に到ったときの試料の滴下重量に
基いて試料濃度が算定される。
析に供される試薬および試料を全て重量基準で取扱い、
好ましい具体例では濃度演算の過程の一部に重量/容量
換算ステップを組込むことによって測定すべき試料濃度
を得る。
準重量の濃度既知の試薬溶液を注入した後、これに対し
て測定すべき試料が滴下される。分析槽内における前記
試薬と試料との間の滴定反応に伴って生じる液間の電位
差の変化を分析槽に付設した電位差センサによって検出
し、滴定反応の終点における電位差の変曲点が微分演算
によって検知された際の測定試料の滴下総量から試料濃
度をたとえば次式によって算定する。
量/容量換算に誤差を生じることがあるため、分析に供
される試薬(反応形式)等に応じて予め前記演算式に補
正係数を組み込んでおくことが好ましい。また制御部に
は滴下される試料重量とこれに対応する電位変化を順次
記憶させた滴定重量/電位テーブルを設けておくことが
好ましい。
槽中に注入されるが、その重量は重量センサ、たとえば
ロードセルによって正確に検出されるので試薬の供給手
段自体にはそれほど高い計量精度を必要とせず通常の電
磁ポンプ等任意の手段を用いることができる。また分析
槽中の液の有無および液量はいずれもロードセルによっ
て重量値で示されるため、従来のように特別な液面セン
サを必要とせずに残液の検知やオーバフローの防止等が
確実かつ容易になる。
よって滴定する際に、試料の重量がロードセルによって
常に正確に検知されるので、試料供給手段自体には従来
の試薬滴定の場合に用いられるような試薬を正確にサン
プリングおよび滴定するための構造が複雑で高価なサン
プリングビュレット等を必要とせず、たとえば間欠的な
送液作動が可能なチューブポンプ程度の供液手段を用い
ても高精度の滴定が可能となる。
進行すると、液間電位差がそれに伴って変化し、たとえ
ばその電位曲線の微分によって極大値を求めることによ
り反応終点が確認され、前記のようにこの時点迄の試料
の滴定量によって試料濃度が算出される、予め注入され
ていた試薬の基準重量および試料の合計滴下量が夫々ロ
ードセルによって検知され、これらの重量情報が演算部
に取り込まれて夫々の容量値又は重量値に換算され試料
濃度が演算される。
ば制御部内で基準濃度値と比較されその結果が適宜な形
態の濃度補正指令信号として出力部から対応する外部の
薬液タンク等に出力され濃度の補正が行われる。
として本発明者がすでに実開平6−72051号(実願
平5−18452号)で提案したPt−Ptセンサを用
いることが好ましい。従来のこの種の滴定装置では反応
形式に応じてpH電極および酸化還元電極等を用いる場
合、各電極装置に夫々比較電極が必要であり、内部液で
ある塩化カリウム溶液の補充が必要であったが、Pt−
Ptセンサでは分析槽の試薬溶液側および試料滴定ノズ
ルの分析槽における試薬接液側に夫々Pt電極を設ける
だけでよい。たとえば硫酸・過酸化水素系エッチング液
における過酸化水素および硫酸・銅濃度分析の場合のよ
うに中和滴定と酸化還元滴定の双方が必要なときにも、
分析槽の試薬側のPt電極と試料滴定ノズル側のPt電
極とを設けるだけでよく、電極の構成および切り換え機
構等の付帯設備が極めて簡略化される。
水素系エッチング溶液中における過酸化水素濃度ならび
に硫酸および銅濃度の電位差滴定反応のために、過マン
ガン酸カリウム(KMnO4 )又は水酸化ナトリウム
(NaOH)試薬Sを入れた分析槽Aの試薬中および試
料ノズルBの接液部にそれぞれPt電極を設置すると、
過マンガン酸カリウム試薬を硫酸・過酸化水素試料で滴
定する場合のPt/Ptセンサーの示す電位Eは測定前
および滴定反応の終了時において次のようになる。
Pt電極の間の電位差の変化はたとえば0.5mol濃
度の過マンガン酸カリウムを滴定する場合、図2に示す
曲線となり、その微分によって曲線の変曲点を検出する
ことにより過酸化水素の濃度が求められる。
水素試料で滴定すると、水酸化ナトリウムと硫酸・過酸
化水素試料との反応は、腐食した銅を含むため、次のよ
うに2段に反応する。
SO4 +H2 O (2):2NaOH+CuSO4 →Na2 SO4 +Cu
(OH)2 ↓
々次のようになる。 Pt|NaOH溶液|CuSO4 +Na2SO4 溶液|Pt (分析セル側) (試料ノズル側) Pt|NaOH溶液|Cu(OH)2 ↓+Na2SO4 溶液|Pt (分析セル側) (試料ノズル側)
曲点に対応する2N・NaOHの滴定量から硫酸濃度
が、また第一段目と第二段目の終了電位の変曲点の差に
対応するNaOHの滴定量から銅濃度が夫々求められ
る。
析のためにPt−Pt電極センサを用いる際、一方のP
t電極を分析セルAの試薬溶液中に、他方のPt電極を
試料供給ノズルBの試薬への接液部分に設けるだけで中
和滴定、酸化還元滴定等形式の異なった電位差滴定反応
に対応することができ、電極の構造やケーブルおよび切
換機構等の付帯設備が著しく簡略化される。
る。図4(a),(b) は本発明の実施例としての自動滴定分
析装置の概要図である。
よび3を介して過マンガン酸カリウム試薬タンク4およ
び水酸化ナトリウム試薬タンク5が設けられており、さ
らに排液ポンプ6が接続されている。一方エッチング槽
(図示せず)からチューブポンプ7を介し送液される試
料を滴下する滴定ノズル8が臨まされている。Pt−P
t電位差センサの一方の電極9が試料滴定ノズル8の先
端の接液部に組込まれており、また他方の電極10が分
析槽1の内部に設けられている。分析槽1の底部はバラ
ンスビーム11の一方の端部に支持されており、ビーム
の他方の端部はロードセル12に作用して試薬および試
料の重量を検知するようになされている。
タ13によって試料槽からチューブ14の内部に供給さ
れる薬液を圧搾しながら定量づつ供給するようになされ
た周知の構造を有している。その他図4(a) 中、15は
分析槽1内部の撹拌機、16はチューブモータ7からの
排液管、17は分析槽1内部への洗浄水の供給バルブで
ある。
および試料重量を正確に計量できるように分析槽1に付
設される滴定ノズル8、Pt電極9.10、攪拌機15
等はそれらの重量が直接分析槽1に及ばぬようになされ
ている。
Ptセンサ電極9.10からの電位差信号およびロード
セル12からの重量信号(試薬重量、試料重量)に基づ
いて試料濃度を演算する演算部、演算された濃度値に基
く過酸化水素および硫酸の補給指令信号IおよびIIおよ
び警報信号III を発生する出力部を内蔵し、かつ操作ボ
ード19および過酸化水素濃度、硫酸濃度、電位値およ
び滴定重量の各表示域A、B、C、Dを有する表示部2
0を備えている。図4(a) の分析装置本体の各部と図4
(b) の制御部18とは図示しないケーブルで接続されて
いる。
作を硫酸−過酸化水素系エッチング溶液の分析に用いた
例について説明する。装置の始動に際してはまず試料滴
定ノズル8に試料を供給するチューブポンプ7のロータ
13をモータにより回転させてエッチング槽からの試料
を押出し、チューブ14内に残存する前記の測定試料を
分析槽1中に排出させる。こゝで分析槽1の重量をロー
ドセル12によって監視し、所定の重量に達したらチュ
ーブポンプ7の回転を停止し排液ポンプ6によって槽内
から排液する。
水を注水し、所定の重量に達したら電磁弁17を閉じて
攪拌機15を作動させ分析槽1の内部を洗浄する。所定
時間の攪拌後、排液ポンプ6を作動させて排水する。こ
の洗浄動作は数回反復させる。
度を測定する際には、過マンガン酸カリウム試薬を試薬
タンク4からポンプ2によって分析槽1に注入する。所
定の基準重量に達したことがロードセル12からの重量
信号により確認されるとポンプ4が停止される。
内部を撹拌しながらチューブポンプ7を間欠的に(1秒
ON、2秒OFF)に作動させて試料滴定ノズル8から
エッチンブ液(試料)を分析槽1中に注入する。試料の
滴下にともなってその過酸化水素と試薬の過マンガン酸
カリとの反応が進行しPt−Ptセンサの電極9、10
からの液間電位が変化する。たとえば電位曲線の変曲点
の検知で試料の滴下を終了させ、次いで排液ポンプ6を
作動させて分析槽1内の液を完全に排水する。この後す
でに述べた洗浄動作を所定の回数反復して分析槽1の内
部を充分に水で洗浄する。
項目である硫酸濃度および銅濃度を測定する際には、前
回の分析に用いた過マンガン酸カリウムに代えて中和滴
定試薬としての水酸化ナトリウム試薬を試薬タンク5か
らポンプ3によって分析槽1に注入し、前回と同様にそ
の重量を計測し、次いで攪拌下に試料を滴定ノズル8か
らチューブポンプ7によって滴下する。
水酸化ナトリウムとの中和反応では硫酸と銅に関し前記
図3に示すように二つの変曲点が存在するので、たとえ
ば二つ目の変曲点が検知されたときチューブモータ7を
停止して滴下を終了する。こゝで最初の電位の変曲点に
おける試料重量に基づいて硫酸濃度が演算され、また最
初の変曲点に対応する試料重量と二番目の変曲点に対応
する試料重量との差から銅濃度が演算される。これらの
濃度を確認した後、前回と同様にして分析槽1からの排
水および水による洗浄を行って分析が終了する。
量ベースで計量した試薬と試料との間の滴定反応によっ
て生じる液間電位の変化を電位差センサで追跡し、その
変曲点等に対応する試料重量を容量値又は重量値に換算
したデータに基づいて試料濃度が演算される。したがっ
て、試料の滴下量はロードセンサの検知信号によって重
量のベースで正確に計測され、滴定に際して従来の自動
滴定分析装置のように高精度の試薬滴定ビュレット等を
用いる必要がなく、滴定機構の構造が著しく簡略化かつ
小型化されて取扱いが容易になると共に故障頻度が低下
し、またコストが低下する。
ンサを用いると、pH電極センサまたはORP電極セン
サの場合のように比較電極を用いる必要がなくなり、内
部液補充等の保守が不要となる。また基準重量の試薬を
試料によって滴定する方式の場合では、一方のPt電極
10を分析槽1の試薬中に設け他方のPt電極を試料滴
定ノズルの試薬接液部に設けてこれらを中和滴定および
酸化還元滴定のいすれにも共用することができるので、
電極センサおよびその付帯設備の構成が著しく簡略化さ
れる。
の有無および液量の確認はロードセルによる重量検知で
行われるので、従来方式のように誤動作の恐れのある液
面センサを用いる必要がなく排液の完了やオーバフロー
の防止等を確実に行うことができる。
ッチング液の過酸化水素および硫酸、銅濃度の分析に限
定されず、自動滴定分析一般に広く適用することができ
る。
態様を示す説明図である。
に用いるPt−Pt電極センサによる電位曲線を示す図
である。
析に用いるPt−Pt電極センサによる電位曲線を示す
図である。
説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 測定試薬を収容する分析槽と、 前記分析槽に対して基準重量の測定試薬を供給するため
の試薬供給手段と、 前記分析槽に対して注入された測定試薬を被測定試料に
よって滴定するための試料供給手段と、 前記分析槽に付設され、前記測定試薬および被測定試料
の分析槽内の重量を検知して重量信号を発生する重量セ
ンサと、 前記分析槽内における前記測定試薬および被測定試料の
間の滴定反応による液間電位の変化を検知して電位差信
号を発生する電位差センサと、 前記電位差センサからの特定の電位差信号に対応して前
記重量信号を前記測定試薬および前記被測定試料の容量
値又は重量値に変換して前記被測定試料の特定成分の濃
度を演算する演算部および前記演算部からの濃度指示値
にしたがって濃度補正指示信号を発生する出力部を含む
制御CPU部とを備えている自動滴定分析装置。 - 【請求項2】 前記制御CPU部が前記試薬供給手段お
よび試料供給手段の動作を制御する制御部を備えている
請求項1記載の自動滴定分析装置。 - 【請求項3】 前記電位差センサが一対の白金電極から
なり、一方の電極が前記試料供給手段の滴定ノズルの分
析槽中における接液部に組込まれており他方の電極が分
析槽の試料液中に前記一方の電極と対向するように設け
られている前記請求項1記載の自動滴定分析装置。 - 【請求項4】 前記試料供給手段が可撓性の通液チュー
ブとこのチューブ内の通液路を順次通液方向に圧搾して
所定量の液を吐出させる回動ロータとからなるチューブ
モータである前記請求項1記載の自動滴定分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30220193A JP3388325B2 (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 自動滴定分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30220193A JP3388325B2 (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 自動滴定分析装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07134112A JPH07134112A (ja) | 1995-05-23 |
JP3388325B2 true JP3388325B2 (ja) | 2003-03-17 |
Family
ID=17906163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30220193A Expired - Fee Related JP3388325B2 (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 自動滴定分析装置 |
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JP4526905B2 (ja) * | 2004-08-31 | 2010-08-18 | 京都電子工業株式会社 | 自動滴定装置 |
JP5641646B2 (ja) * | 2010-11-22 | 2014-12-17 | 株式会社堀場製作所 | 滴定装置 |
-
1993
- 1993-11-09 JP JP30220193A patent/JP3388325B2/ja not_active Expired - Fee Related
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