JP3387575B2 - ステップ流量制御弁 - Google Patents

ステップ流量制御弁

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JP3387575B2
JP3387575B2 JP24532793A JP24532793A JP3387575B2 JP 3387575 B2 JP3387575 B2 JP 3387575B2 JP 24532793 A JP24532793 A JP 24532793A JP 24532793 A JP24532793 A JP 24532793A JP 3387575 B2 JP3387575 B2 JP 3387575B2
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plunger
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靖雄 小宮
峰夫 木下
吐句児 谷井
一 中川
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Saginomiya Seisakusho Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍回路における絞り
流量制御や、蒸発圧力制御等の流量制御に使用される弁
に関し、特に、構造が簡単で安価にできる流量制御弁に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】弁の開度を電気的に制御する方法とし
て、ニードル弁体に同軸的に結合したロータを有するス
テッピングモータを用い、ロータの回転角に応じ、ねじ
部を有するガイド部材に沿ってニードル弁体を進退させ
る方式のモータバルブがある。また、リニアアクチュエ
ータを使用したものもある。これは、半径が無限大のロ
ータ、すなわち、直線状のロータに多数のリブを設け、
ステータとして3相以上のコイルを使用して駆動するも
のである。
【0003】しかし、ステッピングモータを使用するも
のにあっては、モータの回転をねじで直線運動に変えて
いるので、構成が複雑になり、低廉化に限度がある。ま
た、リニアアクチュエータを使用するものにあっては、
ステータの構造が大きく複雑になり、製造コストが高
く、小型化が困難であった。
【0004】このような問題を解決するものとして、特
開平3−113183号、特開平3−113184号、
および特開平4−340356号に記載の流量制御弁が
提案されている。これらは、いずれも安価で小型の流量
制御弁を可能にしたものであるが、弁の位置決めに、ニ
ードル弁体の軸方向にずれた磁石の吸引力を利用するた
めに、吸引力が弱いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
の解決を図ったもので、弁の位置決めをする際の吸引力
の強い流量制御弁を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、一次口、二次口及びこれらの間に形成さ
れた弁座を有する弁本体と、該弁本体に一端を結合し、
他端に吸引子を嵌装したプランジャチューブと、該プラ
ンジャチューブの外部に設けられた直流コイル及びヨー
クと、該プランジャチューブ内に進退自在に嵌装され、
前記直流コイルに通電されたときに磁化されるプランジ
ャと、前記プランジャチューブ内を進退し、先端が前記
弁座に接離して弁の開度を変え、進退方向にほぼ等間隔
に形成された複数の係合部からなる第1,第2の係合部
群を有した弁体と、前記直流コイルに通電されたときに
磁化されて前記プランジャに吸着するとともに、前記第
1の係合部群と係合し、通電が停止されると消磁され、
その吸着と係合とを解除する第1のラチェットと、前記
直流コイルに順方向の電流が通電されたとき前記第2の
係合部群と係合して弁体の吸引子側への移動は許容する
が弁体側の移動を阻止し、逆方向の電流が通電されたと
きその係合を解除し、通電が停止されると直前の状態を
保持する第2のラチェットと、前記ヨークの弁本体側に
設けられ、プランジャチューブ外側の前記第2ラチェッ
トとほぼ対向する位置に設けられ、磁極が一定の方向に
固定された磁石と、前記プランジャを弁座に向けて付勢
するプランジャばね及び、前記弁体を弁座に向けて付勢
する弁体ばねと、からなる構成を特徴としている。
【0007】また、前記プランジャが第1,第2のプラ
ンジャに分割され、第1プランジャが前記吸引子と第1
ラチェットとの間に設けられ、第2プランジャが前記第
1,第2ラチェットの間に設けられ、前記直流コイルに
順方向の電流を通電すると前記第1,第2プランジャと
第1ラチェットとが磁化される構成とすることが望まし
い。
【0008】また、前記磁極を一定の方向に固定した磁
石が、前記ヨークのコイル側と外側の両側に設けられた
構成としたり、
【0009】前記第1,第2ラチェットが、前記弁体を
挟んで二分割され、ラチェット保持ばねによって弾性的
に一体化された構成としたり、
【0010】前記第1プランジャが前記第1ラチェット
を弁座に向けて押圧したとき、該第1ラチェットを弁体
との係合から解除する方向に押動する斜面を第1プラン
ジャ及び/又は第1ラチェットに形成し、前記第1,第
2プランジャの第1ラチェットに当接する面相互間の間
隔が第1ラチェットと弁体との係合を解除しない限度に
制限する間隔保持部材を設けた構成としたり、
【0011】前記第2ラチェットが前記弁体の進退方向
と交差する方向に移動自在な一体構造をなし、該移動の
一端で前記第2係合部群と係合する係止部を有し、前記
直流コイルに順方向の電流が流れたとき該第2ラチェッ
トの係止部が第2係合部群と係合する方向に移動し、前
記直流コイルに逆方向の電流が流れたとき該第2ラチェ
ットの係止部が第2係合部群から離反する方向に移動す
る構成としたり、
【0012】前記吸引子、第1,第2プランジャ、及び
第1ラチェットのいずれか一以上について、吸着面に隈
取りコイルを設けた構成等とすることもできる。
【0013】
【作用】コイルに順方向の電流を流すと、プランジャと
第1ラチェットとが磁化され、お互いに吸着して一体と
なり吸引子に吸着する。このとき第1ラチェットは弁体
と係合しているので、弁体も一緒に吸引子側に移動す
る。この後、電流を停止すると、プランジャと第1ラチ
ェットとは元の位置に戻る。しかし、弁体は第2ラチェ
ットが弁体と係合しているので戻れず、結果的には1ス
テップ開く。こうして順方向の電流をオン・オフするこ
とにより、弁は1ステップづつ開く。所定の開度になっ
たら、電流を停止すれば、弁体はその開度の位置で停止
する。
【0014】コイルに逆向きの電流を流すと、プランジ
ャと第1ラチェットとは順方向の場合と同様に磁化さ
れ、一体となり吸引子に吸着する。このとき第1ラチェ
ットが弁体と係合しているので、弁体もさらに1ステッ
プ吸引子側に移動する。一方、第2ラチェットは弁体と
の係合を解除している。したがって、コイルへの通電を
停止すると、弁体は弁体ばねにより閉止位置まで押し戻
されて閉弁する。
【0015】弁体を移動する際、磁力線を作用面の法線
方向に作用させるので、強力な駆動力を得ることができ
る。また、モータ等の高価な部品を必要としないので、
安価に製造することができる。そして、所定の開度を得
た後は、電力を切っておけるので、省エネにもなる。さ
らに、コイルに電流を流す時間も短くて済むので、コイ
ルの小型化を図ることもできる。
【0016】
【実施例】以下に図面を用いて、本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明のステップ流量制御弁の構成を示
す縦断面図である。同図において、1は弁本体で、内部
空間としての弁室2と、これに連通する一次口3、二次
口4を有し、二次口4の弁室側端には弁座5が形成され
ている。弁本体1はその上方に、円筒状のプランジャチ
ューブ6を取り付け、このプランジャチューブ6の先端
には吸引子7を固定している。プランジャチューブ6の
内部には、磁性材から作られた中空の第1,第2プラン
ジャ8,9が進退自在に嵌装され、これらの中空部を貫
通して弁体10が設けられる。第1プランジャ8は、中
空厚肉の円筒の弁座側をテーパ状の斜面8aとしたもの
で、中空内部には段差があり、この段差と吸引子との間
に設けられたプランジャばね11により、弁座5に向け
て付勢されている。第2プランジャ9は、第1プランジ
ャと内外径が同一の厚肉円筒から形成されているが、図
の下半分は内径が拡大され薄肉円筒になっている。
【0017】弁体10は丸棒状の軸部10aの先端に細
いテーパ状のニードル弁10bを有し、軸部10aに
は、それぞれが等間隔に形成された複数の係合部(溝)
からなる第1,第2係合部群10c,10dが形成され
ている。これら二群の係合部群のうち、図の上方にある
第1係合部群10cの溝は、両側壁がほぼ同じ角度の斜
面からなり、図の下方の第2係合部群10dの溝は、一
方の側壁が図の横方向に平行な側面からなり、他方の側
壁が弁座方向に向かって広がるテーパ面からなってい
る。そして、この弁体10は、弁体ばね12によりそれ
ぞれ弁座5に向けて付勢される。
【0018】第1,第2プランジャ8,9の中間には、
磁性材からなる第1ラチェット13が嵌装され、第2プ
ランジャ9と弁本体1との間には、第2プランジャの拡
大された中空部内にほぼ半分を没入した第2ラチェット
14が嵌装される。この第2ラチェット14は、やはり
磁性材から形成されている。符号15は、第2ラチェッ
トを保持するラチェットガイドを示す。なお、第1,第
2ラチェット及びラチェットガイド等の詳細については
図2,3によって後述する。
【0019】プランジャチューブ6の外側には、吸引子
7から第2プランジャ9の外側を覆うように直流コイル
16を設け、このコイルをU字形をしたヨーク17によ
って保持し、ヨーク17はボルト18によって吸引子7
に固定する。ヨーク17の弁本体1側はコイル16との
間に隙間があり、この隙間内とヨークの外側とには、ヨ
ーク17を挟むように磁石19,20が取り付けられ、
磁石の両側には磁極片21,22が取り付けられてい
る。磁石19,20は、図示のN,S極が反転すること
なく常に一定であり、この実施例では永久磁石を使用し
ている。磁石19,20はプランジャチューブ6から若
干離れて設けられており、一方磁極片21,22はプラ
ンジャチューブに当接するように配置される。
【0020】図2(a) ,(b) は、第1ラチェット13の
詳細を示す図である。第1ラチェット13は、弁体10
を包む厚肉円筒を二つに割った形状をしており、二つの
ブロック13a,13bは、中間に弁体10と、間隔保
持部材9aとなる第2プランジャ9の突起とを挟み、ラ
チェット保持ばね13cによって軽く内側に向けて付勢
された状態で弾性的な一体形状を保っている。第1ラチ
ェットの第1プランジャ8に対向する面は、第1プラン
ジャの斜面8aに重なりあう斜面13dになっており、
斜面13dの下端は内側に突出した係止部13eとなっ
て、コイル16に通電されない状態では、ばね13cに
よって弁体10に等間隔に形成された溝状の第1係合部
群10aの内の1つの係合部(溝)に進入した状態とな
る。しかし、弁体10との結合力は弱く、弁体との係合
は解除された状態である。コイル16に通電されると、
第1ラチェット13が磁化され、ブロック13a,13
bは相互に吸引し合い、係止部13eと第1係合部群1
0aの密着力により第1ラチェット13が弁体10と一
緒に移動する係合状態となる。
【0021】ところで、コイル16に通電すると、第1
ラチェット13のみでなく、第1,第2プランジャも磁
化され、これら三つが吸着して一体化する。その際、第
1プランジャ8の斜面8aが第1ラチェット13の斜面
13dを押して係止部13eを第1係合部群10cの外
に出してしまうことがないように、前述した間隔保持部
材9aの軸方向高さが決められている。
【0022】図3は、第2ラチェット14の詳細を示
す。第2ラチェット14は弁体10を挟んで対向する2
つのブロック14a,14bからなり、弁本体1の端面
に支持されるラチェットガイド15により両側面を支持
され、さらに、外側のほぼ中央あたりに形成された溝に
嵌装された環状のラチェット保持ばね14cにより一体
に保たれている。ブロック14a,14bの吸引子側の
ほぼ半分は、前述したが第2プランジャ9の拡大された
中空部内に収容されている。ブロック14a,14bの
内側には係止部14dとしての突起が形成され、コイル
16により磁化されない状態では、係止部14dはラチ
ェット保持ばね14cの付勢力によって弁体10の第2
係合部群10d内の1の溝内に進入して係合し、弁体1
0の弁座5方向への移動を阻止するが、吸引子7方向へ
の移動は阻止しない状態となる。第2ラチェット14が
コイル16によって磁化されると、ブロック14a,1
4bは、ラチェット保持ばね14cの付勢力に抗して外
側の第2プランジャに吸着され、係止部14dと係合部
10dとの係合を解除する。
【0023】次に、上記ステップ流量制御弁の作用を説
明する。図4は、コイル16に通電していない状態を示
す。磁石19,20により、磁極片21、第2プランジ
ャ9、第2ラチェット14、磁極片22を通る矢印で示
す磁気回路のみが形成され、第2ラチェット14は若干
磁化されるが、磁力は弱く、ラチェット保持ばね14c
の付勢力の方が強いのでブロック14a,14bは弁体
10に向けて押圧され、第2係合部群10dと係止部1
4dは係合する。弁体10には弁体ばね12の付勢力が
作用し、ニードル弁10bは第2ラチェット14と弁体
10とが係合している位置を保持する。すなわち、図4
は弁が閉止している状態なので、弁体10は閉止状態を
保持する。
【0024】次に、図5の矢印に示す磁気回路が形成さ
れるようにコイル16に通電すると(この通電方向を
「順方向」又は「(+)方向」という)、第1,第2プ
ランジャ8,9及び第1ラチェット13が磁化される。
第1ラチェット13の磁化により第1係合部群10cと
係止部13eとが係合する。一方第1プランジャ8と吸
引子7も磁化され、これらの間の吸引力が、プランジャ
ばね11の付勢力に打ち勝って第1プランジャ8を吸引
子7に吸着する。第1ラチェット13は第1プランジャ
8に吸着しているので、第1プランジャの移動に合わせ
て弁体10を移動する。図4に示す通電していない状態
において、吸引子7と第1プランジャ8との間隔dは、
弁体10に形成された第1,第2係合部群10c,10
dのピッチとほぼ等しいので、弁体10は1ピッチ分開
弁し、第2ラチェット14の係止部14dは、第2係合
部群10dの1の係合部(溝)の斜面を滑って1つ下の
係合部(溝)と係合する。
【0025】図6は、この状態でコイル16への通電を
切った状態を示す。第1プランジャ8は消磁され、プラ
ンジャばね11の付勢力により第1,2プランジャ8,
9は元の位置に戻ろうとする。このとき、第1プランジ
ャ8の斜面8aが第1ラチェット13の斜面13dを押
し、第1ラチェットは消磁されているので外側に拡が
り、弁体との係合を解除する。一方、弁体10は、第2
ラチェット14の作用により、元の位置に戻ることはな
く、1ピッチ上昇した状態を維持する。
【0026】コイル16への順方向の通電のオン,オフ
を繰り返すごとに、弁体10は1ピッチづつ図の上方に
上がり、弁を少しずつ開く。所望の開度に達したら、コ
イル16への通電をオフにしても弁は同じ開度を保つこ
とができる。
【0027】コイル16への通電方向を図7に示すよう
に逆方向にすると、磁気回路が点線に示す方向に形成さ
れる。このとき、第2ラチェット14の磁力線の向き
は、第2プランジャ9の磁力線の向きと一致するので、
第2ラチェット14は外側の第2プランジャ9に吸着さ
れ、係止部14dが弁体10の係合部10dから離反す
る。一方、第1,第2プランジャ8,9及び第1ラチェ
ット13は吸引子7に吸着され、順方向の場合と同じよ
うに弁体10を1ステップだけ吸引子7側に移動する。
この状態でコイル16への通電を切ると、第1,第2プ
ランジャ8,9及び第1ラチェット13は、前述したの
と同様に吸引子7から離れて元の位置に戻る。一方、第
2ラチェット14は第2プランジャ9に吸着されている
ので、磁石19,20による磁力線も強くなり、吸着さ
れた状態を維持する。そのため、弁体10は第2ラチェ
ット14による支持が無くなり、ばね12の付勢力によ
り弁座の方に移動し、ニードル弁10bが弁座5に圧接
して閉弁する。
【0028】なお、この状態から、図7とは逆向きの順
方向の電流をコイル16に通電すると、図5に示す実線
方向の磁気回路を形成するので、第2プランジャ9と第
2ラチェット14の間には反発し合う磁力が発生し、第
2ラチェット14は図5の位置に復帰し、弁体10の戻
りを阻止できるようになる。
【0029】図8は、上記の実施例に示すステップ流量
制御弁における、コイル印加電圧とニードル弁の位置を
示す線図である。コイル16への順方向、すなわち
(+)方向の通電をオン,オフすることにより、弁が1
ステップづつ開いていき、コイル16への通電方向を逆
方向に変えると、一端1ステップ開き、通電が切られた
ときに全閉になる。
【0030】ところで、上記のようにしてニードル弁1
0bを1ステップづつ開いていく場合、図8に示すよう
に、(+)方向の電流をオン,オフするのであるが、こ
の間、第2ラチェット14は、第2係合部群10dに常
に係合しており、弁体10が1ステップ移動するとき、
係止部14dが係合部のテーパ状斜面に沿って滑り、つ
ぎの係合部に移動することになる。したがって、係止部
14dと第2係合部群10dの磨耗が生じる。
【0031】図9は、この解決を図った実施例で、吸引
子7,第1,第2プランジャの吸着面にくま取りコイル
7a,8b,9bを設けている。すなわち、図7で説明
したが、コイルに逆向きの電流を流すと、第2ラチェッ
ト14は外側の第2プランジャ9に吸着して係止部14
dが第2係合部群10dから離脱する。図9の実施例は
これを利用したものである。すなわち、図10に示すよ
うに、(+)方向の電流をオンする前に、(−)方向の
電流を流し、係止部14dを第2係合部群10dから離
脱させた状態で第1,第2プランジャ8,9及び第1ラ
チェット13を吸引子側に移動させ、弁体10を1ステ
ップ開放方向に移動させる。その後、(+)方向の電流
をオンすれば、係止部14dが第2係合部群10dに係
合し、弁体10位置を保持できることになる。その結
果、係合部の磨耗を減少させることができる。ただし、
この場合、電流が反転するとき、電流が流れず磁力が0
になる瞬間が生じる。そこで、くま取りコイル7a,8
b,9bを設けて、吸着した状態を保ちながら電流を反
転できるようにしている。
【0032】以上の実施例において、第1ラチェット1
3と、第2プランジャ9とを一体構成にし、第2プラン
ジャ9を省略することが可能である。また、磁石19,
20は永久磁石に限らず、磁極が一定であれば電磁石で
もよい。
【0033】図11は、本発明の他の実施例で、磁石1
9,20を単一の磁石にしたステップ流量制御弁の構成
を示す。ここでは、ヨーク17とコイル16の弁本体1
側の隙間を大きくして、そこに一つの磁石23を設けて
いる。作用は、図1の実施例と同様である。
【0034】図12は、本発明のまた別の実施例であ
る。大部分が図1の実施例と同じ構成なので、相違する
点を中心に説明する。この実施例では、ヨーク17の外
側に単一の磁石24を設け、ヨーク17から分岐したヨ
ーク25をこの磁石24に架設している。また、この実
施例では、第2ラチェット26が二つ割りではなく、一
体構造になっている。
【0035】図13,14は、この第2ラチェットとそ
の周辺の部品との関係を示す詳細図である。第2ラチェ
ット26は、円柱を平行に対向する側面26a,26a
で切断して断面を小判型にし、中心部に弁体10が貫通
する長穴26bを穿設し、長穴26bの一方の側壁に係
止部26cとしての突起を形成している。
【0036】この第2ラチェット26は、ラチェットガ
イド27に収容されるが、このラチェットガイド27
は、中空の厚肉円筒の下半分にコ字型溝27aを貫通形
成しており、このコ字型溝27a内に第2ラチェット2
6を収容している。ラチェットガイド27の中空孔27
bには、第2プランジャ28の下端に形成された突起部
28aが挿入される。前述した磁石24は、ラチェット
ガイド27の外側にあり、コ字型溝27a内の第2ラチ
ェット26と対向するように配置されている。
【0037】図12のステップ流量制御弁の作用を図1
5から図18により説明する。図15はコイルに通電が
されない状態を示す。第1,第2プランジャ8,28及
び第1ラチェット13は磁化されないので、変化のない
状態である。第2ラチェット26は、磁石24のみによ
る一点鎖線に示す磁力線の影響を受けるが、移動せず、
直前の状態を保っている。この図では、第2ラチェット
26は、図の左側に寄っており、係止部26cは第2係
合部群10dから離反し、係合を解除した状態となって
いる。
【0038】図16はコイルに順方向(又は(+)方
向)の電流が流れ、実線の矢印に示す磁力線が生じる。
これによって、第1,2プランジャ8,28及び第1ラ
チェット13は磁化されて図1の実施例の場合と同様に
して弁体10を1ステップ図の上方に移動する。一方、
第2ラチェット26には図示のような磁力線が通り、図
の右方に吸引され、係止部26cは第2係合部群10d
に係合する。
【0039】図17はコイルの電流を切った状態であ
る。図1の実施例の場合と同様に、第1,2プランジャ
8,28及び第1ラチェット13は消磁されて、ばねに
より元の位置に戻される。しかし弁体10は、第2ラチ
ェット26が弁体に係合しているので、1ステップ吸引
子側に移動した状態を保つ。以下、順方向の通電をオン
・オフすることにより、弁体は1ステップづつ吸引子7
側に移動し、徐々に開弁していく。所望の弁の開度に達
したとき、コイル16の電流を切れば、図17の状態
(ただし弁体10の位置は相違する)になって弁体を所
望の開度を保持する。
【0040】弁を閉止するときは、図1の実施例と同様
に逆向きの電流をコイル16に流すと、図18の点線に
示す方向の磁力線が生じ、今度は第2ラチェット26は
図18の左側に吸引され、係止部26cと第2係合部群
10dとの係合は解除される。この状態でコイル16へ
の電流を切れば、図15の状態に戻り、弁体10は弁座
5に圧接するまで戻され、弁は閉止する。
【0041】図19は、図12の実施例に若干の変更を
加えた実施例である。この実施例では、第2ラチェット
26とラチェットガイド27との間に、環状のばね29
を設けている。このような構成によって、第2ラチェッ
ト26が図の左に移動するのは、磁界によって行い、図
の右への移動はばね29の付勢力によることとすること
ができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、コ
イルへの順方向の電流をオン・オフすることにより、1
ステップづつ弁の開度を上げることができ、マイコン等
を利用した操作も可能である。また、弁体を移動する
際、磁力線を作用面の法線方向に作用させることがで
き、強力な駆動力を得ることができる。また、本発明の
ステップ流量制御弁は、モータ等の高価な部品を必要と
しないので、安価に製造することができる。そして、所
定の開度を得た後は、電力を切っておけるので、省エネ
にもなる。さらに、コイルに電流を流す時間も短くて済
むので、コイルの小型化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステップ流量制御弁の一実施例を示す
縦断面図である。
【図2】図1の実施例に使用される第1ラチェットの構
成を示す図で、(a) は平面図、(b) は(a) のI−I断面
図である。
【図3】図1の実施例に使用される第2ラチェットの構
成を示す図で、(a) は平面図、(b) は(a) のII−II断面
図、(c) は(a) のIII −III 断面図である。
【図4】図1の実施例の作用を説明する図で、コイルに
通電されない初期状態を示す縦断面図である。
【図5】コイルに順方向の電流を通電した状態を示す縦
断面図である。
【図6】順方向の電流を切った状態を示す縦断面図であ
る。
【図7】コイルに逆方向の電流を通電した状態を示す縦
断面図である。
【図8】コイルに加える電圧と、ニードル弁の位置との
関係を示す線図である。
【図9】本発明の他の実施例で、くま取りコイルを設け
た実施例を示す縦断面図である。
【図10】図9の実施例におけるコイルへの印加電圧
と、ニードル弁の位置との関係を示す線図である。
【図11】本発明の他の実施例で、磁石を1つにした実
施例を示す縦断面図である。
【図12】本発明の他の実施例で、第2ラチェットを一
体化した実施例を示す縦断面図である。
【図13】図12の第2ラチェットの詳細を示す図で、
(a) は平面図、(b) は(a) のIV−IV断面図である。
【図14】図12の第2ラチェット、ラチェットガイド
及び第2プランジャを示す分解斜視図である。
【図15】図12の実施例の作用を説明する図で、コイ
ルに通電されない初期状態を示す縦断面図である。
【図16】コイルに順方向の電流を通電した状態を示す
縦断面図である。
【図17】順方向の電流を切った状態を示す縦断面図で
ある。
【図18】コイルに逆方向の電流を通電した状態を示す
縦断面図である。
【図19】図12の実施例を若干変更した実施例の要部
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 弁本体 2 弁室 3 一次口 4 二次口 5 弁座 6 プランジャチューブ 7 吸引子 7a,8b,9b くま取りコイル 8 第1プランジャ 8a,13d 斜面 9,28 第2プランジャ 10 弁体 10c 第1係合部群 10d 第2係合部群 11 プランジャばね 12 弁体ばね 13 第1ラチェット 13c,14c ラチェット保持ばね 13d 斜面 13e,14d 係止部 14,26 第2ラチェット 16 コイル 17 ヨーク 19,20,23,24 磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 一 埼玉県狭山市笹井535 株式会社鷺宮製 作所内 (56)参考文献 特開 平4−340356(JP,A) 特開 平3−113183(JP,A) 特開 平3−113184(JP,A) 特開 平4−48604(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 7/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次口(3)、二次口(4)及びこれら
    の間に形成された弁座(5)を有する弁本体(1)と、 該弁本体(1)に一端を結合し、他端に吸引子(7)を
    嵌装したプランジャチューブ(6)と、 該プランジャチューブ(6)の外部に設けられた直流コ
    イル(16)及びヨーク(17)と、 該プランジャチューブ内に進退自在に嵌装され、前記直
    流コイルに通電されたときに磁化されるプランジャ
    (8)と、 前記プランジャチューブ内を進退し、先端が前記弁座に
    接離して弁の開度を変え、進退方向にほぼ等間隔に形成
    された複数の係合部からなる第1,第2の係合部群(1
    0c,10d)を有した弁体(10)と、 前記直流コイル(16)に通電されたときに磁化されて
    前記プランジャ(8)に吸着するとともに、前記第1の
    係合部群(10c)と係合し、通電が停止されると消磁
    され、その吸着と係合とを解除する第1のラチェット
    (13)と、 前記直流コイル(16)に順方向の電流が通電されたと
    き前記第2の係合部群(10d)と係合して弁体の吸引
    子側への移動は許容するが弁体側の移動を阻止し、逆方
    向の電流が通電されたときその係合を解除し、通電が停
    止されると直前の状態を保持する第2のラチェット(1
    4,26)と、 前記ヨーク(17)の弁本体(1)側に設けられ、プラ
    ンジャチューブ(6)外側の前記第2ラチェット(1
    4,26)とほぼ対向する位置に設けられ、磁極が一定
    の方向に固定された磁石(19,20,23,24)
    と、 前記プランジャ(8)を弁座(5)に向けて付勢するプ
    ランジャばね(11)及び、前記弁体を弁座に向けて付
    勢する弁体ばね(12)と、 からなることを特徴とするステップ流量制御弁。
  2. 【請求項2】 前記プランジャが第1,第2のプランジ
    ャ(8,9,28)に分割され、第1プランジャ(8)
    が前記吸引子(7)と第1ラチェット(13)との間に
    設けられ、第2プランジャ(9,28)が前記第1,第
    2ラチェット(13,14,26)の間に設けられ、前
    記直流コイル(16)に順方向の電流を通電すると前記
    第1,第2プランジャ(8,9,28)と第1ラチェッ
    ト(13)とが磁化されることを特徴とする請求項1記
    載のステップ流量制御弁。
  3. 【請求項3】 前記磁極を一定の方向に固定した磁石
    (19,20)が、前記ヨークのコイル側と外側の両側
    に設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載のス
    テップ流量制御弁。
  4. 【請求項4】 前記第1,第2ラチェット(13,1
    4)が、前記弁体を挟んで二分割され、ラチェット保持
    ばね(13c,14c)によって弾性的に一体化された
    ことを特徴とする請求項2又は3記載のステップ流量制
    御弁。
  5. 【請求項5】 前記第1プランジャ(8)が前記第1ラ
    チェット(13)を弁座に向けて押圧したとき、該第1
    ラチェット(13)を弁体(10)との係合から解除す
    る方向に押動する斜面(8a,13d)を第1プランジ
    ャ(8)及び/又は第1ラチェット(13)に形成し、
    前記第1,第2プランジャ(8)(9)の第1ラチェッ
    トに当接する面相互間の間隔が第1ラチェットと弁体と
    の係合を解除しない限度に制限する間隔保持部材(9
    a)を設けたことを特徴とする請求項4記載のステップ
    流量制御弁。
  6. 【請求項6】 前記第2ラチェット(26)が前記弁体
    (10)の進退方向と交差する方向に移動自在な一体構
    造をなし、該移動の一端で前記第2係合部群(10d)
    と係合する係止部(26c)を有し、前記直流コイル
    (16)に順方向の電流が流れたとき該第2ラチェット
    (26)の係止部(26c)が第2係合部群(10d)
    と係合する方向に移動し、前記直流コイル(16)に逆
    方向の電流が流れたとき該第2ラチェット(26)の係
    止部が第2係合部群(10d)から離反する方向に移動
    することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載
    のステップ流量制御弁。
  7. 【請求項7】 前記吸引子(7)、第1,第2プランジ
    ャ(8,9,28)、及び第1ラチェット(13)のい
    ずれか一以上について、吸着面にくま取りコイル(7
    a,8b,9b)を設けたことを特徴とする請求項1か
    ら6のいずれかに記載のステップ流量制御弁。
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