JP3386919B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物Info
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Description
ィド(以下ではPASと略すことがある)樹脂組成物に
関する。
にはポリフェニレンスルフィド(以下ではPPSと略す
ことがある)は、その優れた機械的性質、耐熱性、耐化
学薬品性、難燃性、および良好な加工生産性の故に、自
動車機器部品、電気・電子機器部品、化学機器部品等の
材料として使用されている。近年になり、PASの重合
法の進歩により、白色度の高い樹脂が得られるようにな
ってきた、しかし、充填剤等との混練、押出加工の際に
熱および酸素の影響で樹脂が変色し、得られた成形品の
白色度の低下あるいは色相の悪化が問題となっている。
そこで、変色を低減するために、有機リン系またはフェ
ノール系安定剤を添加する試みが成された(特開平3-22
9760号公報)が、変色抑制効果が十分でなく、しかも有
機リン系安定剤を用いると樹脂の溶融粘度を変化させる
という別の問題が生じる。同様に、特開平3-28267 号公
報および特開平3-28268 号公報においても、有機リン化
合物(有機ビスホスファイト系化合物、有機ビスホスフ
ォナイト化合物)を使用して、変色を抑制しようと試み
ている。
度が低い)ため、射出成形時にバリが発生し易いという
問題があった。溶融粘度を大きくするために、PPS樹
脂とシラン化合物とを加熱混練する方法が知られている
(特開昭63-251430 号公報)。あるいは、PPS樹脂を
酸または強酸‐弱塩基型塩の水溶液で処理し、これとシ
ラン化合物とを加熱混練することによって、成形品にお
けるバリの発生が少なく、またウェルド強度および耐衝
撃性に優れた樹脂組成物が得られることが知られている
(特開平1-146955号公報)。しかし、これらの方法によ
り得られたPPS樹脂組成物はやはり、成形加工の際に
変色するという問題がある。
時の変色が著しく抑制され、かつバリ発生の少ない成形
品を与えることのできるポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物を提供することを目的とする。
リ金属硫化物、ジハロ芳香族化合物及び仕込アルカリ金
属硫化物に対して0.40〜0.80モル%のポリハロ
芳香族化合物を共重合することにより得られた、分岐さ
れているポリアリーレンスルフィドであって、溶融粘度
V6 が500〜4800ポイズであり、かつ非ニュート
ン指数Nが1.35以上であるポリアリーレンスルフィ
ド100重量部、(B)有機シラン化合物0.01〜1
0重量部、(C)有機リン化合物0.01〜10重量
部、および(D)無機充填剤0〜200重量部を含む樹
脂組成物である。
PASを用いること、ならびに、これに有機シラン化合
物および有機リン化合物を組み合せることに特徴を有す
るものである。上記した特性を持たないPASを用いて
も、また上記した特性を有するPASだけを用いても、
あるいは(B)および(C)成分のいずれかが欠如して
も、変色防止およびバリ発生抑制を共に満足することは
できない。
Sは、アリーレンスルフィド繰り返し単位を有する公知
のポリマーであり、特に好ましくはPPSである。本発
明においては、成分(A)PASの溶融粘度V6 が、50
0 〜4800ポイズであることが必要である。溶融粘度V6
は、好ましくは800 ポイズ以上、特に好ましくは1500ポ
イズ以上、かつ好ましくは4000ポイズ以下、特に好まし
くは3000ポイズ以下である。溶融粘度が上記範囲未満で
はウェルド部における靭性等の機械的強度の低下を招く
と共に、成形時にバリの発生が著しい。上記範囲を超え
ては成形加工性が低下するため好ましくない。ここで、
溶融粘度V6 は、フローテスターを用いて300 ℃、荷重
20 kgf/cm2 、L/D=10で6分間保持した後に測定し
た粘度(ポイズ)である。
ートン指数Nが1.35以上であることが必要であり、好ま
しくは1.50以上、特に好ましくは1.55以上である。上記
値未満では、ウェルド部における靭性等の機械的強度の
低下を招くと共に、成形時にバリの発生が著しいため好
ましくない。なお上限値は特に限定されない。ここで、
上記非ニュートン指数Nは、キャピログラフを用いて30
0 ℃、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を
測定し、下記式(I)を用いて算出した値である。N値
が1であればニュートン流体であり、N値が1を超えれ
ば非ニュートン流体であることを示す。
(ダイン/cm2 )、そしてKは定数を示す。) 上記のPASは、好ましくは下記の製造法により製造す
ることができる。
硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPASを製
造する方法において、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香
族化合物とのモル比を0.940 〜1.000とし、
更に仕込アルカリ金属硫化物に対して0.40〜0.8
0 モル%のポリハロ芳香族化合物を重合反応系内に添
加し、かつ反応中に反応缶の気相部分を冷却することに
より反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還
流せしめる。
物とジハロ芳香族化合物とのモル比は0.940 〜1.000 、
好ましくは0.950 〜0.980 である。上記範囲未満では、
成形時に発生するバリが大きくなる。上記範囲を超えて
は、成形時の加工性が低下するため好ましくない。
内に添加するポリハロ芳香族化合物は、仕込アルカリ金
属硫化物に対して0.40〜0.80モル%である。上
記範囲未満では、生成したPASにおいて、上記非ニュ
ートン指数Nが低下し、成形時に発生するバリが大きく
なる。上記範囲を超えては、成形時の加工性が低下する
ため好ましくない。
添加方法は、特に限定されるものではない。例えばアル
カリ金属硫化物及びジハロ芳香族化合物と同時に添加し
てもよいし、あるいは反応途中の任意の時点で、ポリハ
ロ芳香族化合物を有機溶媒例えばN‐メチルピロリドン
に溶解させて、高圧ポンプで反応缶内に圧入してもよ
い。
より反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還
流せしめてPASを製造する方法としては、特開平5-22
2196号公報に記載の方法を使用することができる。
気圧差の故に、液相バルクに比較して水含有率が高い。
この水含有率の高い還流液は、反応溶液上部に水含有率
の高い層を形成する。その結果、残存のアルカリ金属硫
化物(例えばNa2 S)、ハロゲン化アルカリ金属(例
えばNaCl)、オリゴマー等が、その層に多く含有さ
れるようになる。従来法においては230 ℃以上の高温下
で、生成したPASとNa2 S等の原料及び副生成物と
が均一に混じりあった状態では、高分子量のPASが得
られないばかりでなく、せっかく生成したPASの解重
合も生じ、チオフェノールの副生成が認められる。しか
し、本発明では、反応缶の気相部分を積極的に冷却し
て、水分に富む還流液を多量に液相上部に戻してやるこ
とによって上記の不都合な現象が回避でき、反応を阻害
するような因子を真に効率良く除外でき、高分子量PA
Sを得ることができるものと思われる。但し、本発明は
上記現象による効果のみにより限定されるものではな
く、気相部分を冷却することによって生じる種々の影響
によって、高分子量のPASが得られるのである。
加することを要しない。しかし、水を添加することを全
く排除するものではない。但し、水を添加する操作を行
えば、この方法の利点のいくつかは失われる。従って、
好ましくは、重合反応系内の全水分量は反応の間中一定
である。
内部冷却でも可能であり、自体公知の冷却手段により行
える。たとえば、反応缶内の上部に設置した内部コイル
に冷媒体を流す方法、反応缶外部の上部に巻きつけた外
部コイルまたはジャケットに冷媒体を流す方法、反応缶
上部に設置したリフラックスコンデンサーを用いる方
法、反応缶外部の上部に水をかける又は気体(空気、窒
素等)を吹き付ける等の方法が考えられるが、結果的に
缶内の還流量を増大させる効果があるものならば、いず
れの方法を用いても良い。外気温度が比較的低いなら
(たとえば常温)、反応缶上部に従来備えられている保
温材を取外すことによって、適切な冷却を行うことも可
能である。外部冷却の場合、反応缶壁面で凝縮した水/
アミド系溶媒混合物は反応缶壁を伝わって液相中に入
る。従って、該水分に富む混合物は、液相上部に溜り、
そこの水分量を比較的高く保つ。内部冷却の場合には、
冷却面で凝縮した混合物が同様に冷却装置表面又は反応
缶壁を伝わって液相中に入る。
度に保たれ、あるいは所定の温度プロフィールに従って
コントロールされる。一定温度とする場合、 230〜275
℃の温度で 0.1〜20時間反応を行うことが好ましい。よ
り好ましくは、 240〜265 ℃の温度で1〜6時間であ
る。より高い分子量のPASを得るには、2段階以上の
反応温度プロフィールを用いることが好ましい。この2
段階操作を行う場合、第1段階は 195〜240 ℃の温度で
行うことが好ましい。温度が低いと反応速度が小さす
ぎ、実用的ではない。 240℃より高いと反応速度が速す
ぎて、十分に高分子量なPASが得られないのみなら
ず、副反応速度が著しく増大する。第1段階の終了は、
重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が1モル%〜40
モル%、且つ分子量が 3,000〜20,000の範囲内の時点で
行うことが好ましい。より好ましくは、重合反応系内ジ
ハロ芳香族化合物残存率が2モル%〜15モル%、且つ分
子量が 5,000〜15,000の範囲である。残存率が40モル%
を越えると、第2段階の反応で解重合など副反応が生じ
やすく、一方、1モル%未満では、最終的に高分子量P
ASを得難い。その後昇温して、最終段階の反応は、反
応温度 240〜270 ℃の範囲で、1時間〜10時間行うこと
が好ましい。温度が低いと十分に高分子量化したPAS
を得ることができず、また 270℃より高い温度では解重
合等の副反応が生じやすくなり、安定的に高分子量物を
得難くなる。
気下で、アミド系溶媒中のアルカリ金属硫化物中の水分
量が所定の量となるよう、必要に応じて脱水または水添
加する。水分量は、好ましくは、アルカリ金属硫化物1
モル当り0.5 〜2.5 モル、特に0.8 〜1.2 モルとする。
2.5 モルを超えては、反応速度が小さくなり、しかも反
応終了後の濾液中にフェノール等の副生成物量が増大
し、重合度も上がらない。0.5 モル未満では、反応速度
が速すぎ、十分な高分子量の物を得ることができない。
1段反応の場合では、反応開始時から行うことが望まし
いが、少なくとも 250℃以下の昇温途中から行わなけれ
ばならない。多段階反応では、第1段階の反応から冷却
を行うことが望ましいが、遅くとも第1段階反応の終了
後の昇温途中から行うことが好ましい。冷却効果の度合
いは、通常反応缶内圧力が最も適した指標である。圧力
の絶対値については、反応缶の特性、攪拌状態、系内水
分量、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とのモ
ル比等によって異なる。しかし、同一反応条件下で冷却
しない場合に比べて、反応缶圧力が低下すれば、還流液
量が増加して、反応溶液気液界面における温度が低下し
ていることを意味しており、その相対的な低下の度合い
が水分含有量の多い層と、そうでない層との分離の度合
いを示していると考えられる。そこで、冷却は反応缶内
圧が、冷却をしない場合と比較して低くなる程度に行う
のが好ましい。冷却の程度は、都度の使用する装置、運
転条件などに応じて、当業者が適宜設定できる。
S重合のために知られており、たとえばN-メチルピロリ
ドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセト
アミド、N-メチルカプロラクタム等、及びこれらの混合
物を使用でき、N-メチルピロリドンが好ましい。これら
は全て、水よりも低い蒸気圧を持つ。
ば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫
化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物であ
る。これらの水和物及び水溶液であっても良い。又、こ
れらにそれぞれ対応する水硫化物及び水和物を、それぞ
れに対応する水酸化物で中和して用いることができる。
安価な硫化ナトリウムが好ましい。
-3368 号公報記載のものから選ぶことができるが、好ま
しくはp-ジクロロベンゼンである。又、少量(20モル%
以下)のジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン又は
ビフェニルのパラ、メタ又はオルトジハロ物を1種類以
上用いて共重合体を得ることができる。例えば、m-ジク
ロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p,p'- ジクロロジ
フェニルエーテル、m,p'- ジクロロジフェニルエーテ
ル、m,m'- ジクロロジフェニルエーテル、p,p'-ジクロ
ロジフェニルスルホン、m,p'- ジクロロジフェニルスル
ホン、m,m'- ジクロロジフェニルスルホン、p,p'- ジク
ロロビフェニル、m,p'‐ジクロロビフェニル、m,m'- ジ
クロロビフェニルである。
上のハロゲン置換基を有する化合物であり、例えば1,2,
3-トリクロロベンゼン、1,2,4-トリクロロベンゼン、1,
3,5-トリクロロベンゼン、1,3-ジクロロ-5- ブロモベン
ゼン、2,4,6-トリクロロトルエン、1,2,3,5-テトラブロ
モベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、1,3,5-トリクロロ
‐2,4,6-トリメチルベンゼン、2,2',4,4'-テトラクロロ
ビフェニル、2,2',6,6' ‐テトラブロモ‐3,3',5,5'-テ
トラメチルビフェニル、1,2,3,4-テトラクロロナフタレ
ン、1,2,4-トリブロモ-6- メチルナフタレン等及びそれ
らの混合物が挙げられ、1,2,4-トリクロロベンゼン、1,
3,5-トリクロロベンゼンが好ましい。
剤、修飾剤としてのモノハロ化物を併用することもでき
る。
者にとって公知の後処理法によって副生物から分離され
る。
て得られたPASに、好ましくは更に酸処理を施すこと
もできる。該酸処理は、100 ℃以下の温度、好ましくは
40〜80℃の温度で実施される。該温度が上記上限を超え
ると、酸処理後のPAS分子量が低下するため好ましく
ない。また、40℃未満では、残存している無機塩が析出
してスラリーの流動性を低下させ、連続処理のプロセス
を阻害するため好ましくない。該酸処理に使用する酸溶
液の濃度は、好ましくは0.01〜5.0 重量%である。ま
た、該酸溶液のpHは、酸処理後において、好ましくは
4.0 〜5.0 である。上記の濃度及びpHを採用すること
により、被処理物であるPAS中の−SNa及び‐CO
ONa末端の大部分を−SH及び‐COOH末端に転化
することができると共に、プラント設備等の腐食を防止
し得るため好ましい。該酸処理に要する時間は、上記酸
処理温度及び酸溶液の濃度に依存するが、好ましくは5
分間以上、特に好ましくは10分間以上である。上記未満
では、PAS中の−SNa及び‐COONa末端を−S
H及び‐COOH末端に十分に転化できず好ましくな
い。上記酸処理には、例えば酢酸、ギ酸、シュウ酸、フ
タル酸、塩酸、リン酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、ホウ酸、
炭酸等が使用され、酢酸が特に好ましい。該処理を施す
ことにより、PAS中の不純物であるナトリウムを低減
できる。従って、製品の使用中にナトリウム溶出及び電
気絶縁性の劣化を抑制することができる。上記したPA
Sに、上記の特性を有していないPAS、例えば溶融粘
度V6 が500 ポイズ以下のPASをブレンドすることも
できる。その際は、成分(A)が全体として上記の特
性、すなわち溶融粘度V6 が500 〜4800ポイズであり、
かつ非ニュートン指数Nが1.35以上を満たしていればよ
い。
化合物としては、シランカップリング剤として使用され
ている化合物が挙げられる。例えばアルコキシシラン類
が好ましく、さらに好ましくは、アミノアルコキシシラ
ン、エポキシアルコキシシランおよびメルカプトアルコ
キシシランから選択される。アミノアルコキシシランと
しては、例えばγ‐アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、γ‐アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐アミノプロピ
ルメチルジエトキシシラン、N-β(アミノエチル)‐γ
‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエ
チル)‐γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β
(アミノエチル)‐γ‐アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N-β(アミノエチル)‐γ‐アミノプロピル
メチルジエトキシシラン、N-フェニル‐γ‐アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N-フェニル‐γ‐アミノプロ
ピルトリエトキシシラン等が挙げられる。エポキシアル
コキシシランとしては、例えばγ‐グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、β‐(3,4-エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。メルカプト
アルコキシシランとしては、例えばγ‐メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン等が挙げられる。また、この他に、ハロ
アルコキシシラン、例えばγ‐クロロプロピルトリメト
キシシラン、γ‐クロロプロピルトリエトキシシラン
等;イソシアネートアルコキシシラン、例えばγ‐イソ
シアネートプロピルトリメトキシシラン、γ‐イソシア
ネートプロピルトリエトキシシラン等;ビニルアルコキ
シシラン、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(β‐メトキシエトキ
シ)シラン等を使用することもできる。上記した有機シ
ラン化合物は、1種単独でまたは2種以上組合せて使用
することができる。
量部に対して、0.01重量部以上、好ましくは0.1 重量部
以上、かつ10重量部以下、好ましくは5重量部以下の量
で使用する。有機シラン化合物の配合量が多すぎると粘
度変化が大きく、成形しにくくなり、また配合量が少な
すぎるとバリの低減効果が小さい。
物は、特に限定されず、有機基を有する亜リン酸エステ
ル(ホスファイト)化合物、ビスホスファイト化合物、
ビスホスフォナイト化合物などいずれを使用してもよ
い。具体的には(i) トリアリールホスファイト、(ii)次
式(I):
もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のア
リール基およびアシル基から選択される)で示されるビ
スホスファイト化合物、(iii) 次式:
立して、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしく
は非置換のアリール基およびアシル基から選択され、X
は置換もしくは非置換のアルキレン基、または置換もし
くは非置換のアリーレン基である)で示されるビスホス
ファイト化合物またはビスホスフォナイト化合物が挙げ
られる。 (i) トリアリールホスファイトの好ましい例としては、
例えばトリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(2,4- ジ-t- ブチルフェニ
ル)ホスファイト等が挙げられる。なかでも、トリス
(2,4- ジ-t- ブチルフェニル)ホスファイトが好まし
い。(ii)ビスホスファイト化合物の好ましい例として
は、R1 およびR2 がアリール基の場合は、次の基群:
も同様。)から選択され、またアルキル基の場合は、−
Cn H2n+1 (ここで、nは10〜20の整数であり、好ま
しくはn=13およびn=18である)で示される。アシル
基の場合、アルキルカルボニル基(例えばアセチル基、
プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基)、アリール
カルボニル基(例えばベンゾイル基)等が挙げられる。
特に好ましくは、R1 およびR2 が次の基群から選択さ
れるアリール基の場合である。
フォナイト化合物としては、例えば次式:
重量部に対して、0.01重量部以上、好ましくは0.1 重量
部以上、かつ10重量部以下、好ましくは5重量部以下の
量配合される。(C)の量が多すぎるとバリが発生しや
すくなり、また少なすぎると変色抑制効果が少ない。
として(C)無機充填剤を配合することができる。無機
充填剤としては特に限定されないが、例えば粉末状/リ
ン片状の充填剤、繊維状充填剤などが使用できる。粉末
状/リン片状の充填剤としては、例えばシリカ、アルミ
ナ、タルク、マイカ、カオリン、クレー、シリカアルミ
ナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、
リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウ
ム、リン酸マグネシウム、窒化ケイ素、ガラス、ハイド
ロタルサイト、酸化ジルコニウム、ガラスビーズ、カー
ボンブラック等が挙げられる。また、繊維状充填剤とし
ては、例えばガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、
シリカ繊維、シリカ/アルミナ繊維、チタン酸カリ繊
維、ポリアラミド繊維等が挙げられる。また、この他に
ZnOテトラポット、金属塩(例えば塩化亜鉛、硫酸鉛
など)、酸化物(例えば酸化鉄、二酸化モリブデンな
ど)、金属(例えばアルミニウム、ステンレスなど)等
の充填剤を使用することもできる。これらを1種単独で
または2種以上組合せて使用できる。また、無機充填剤
は、その表面が、シランカップリング剤やチタネートカ
ップリング剤で処理してあってもよい。
対して200 重量部以下の量で、好ましくは100 重量部以
下の量で使用する。無機充填剤の量が多すぎると粘度変
化が大きくなって成形不能となることがある。また機械
的強度を高めるためには、10重量部以上配合するのが好
ましい。
に、必要に応じて公知の添加剤、例えば酸化防止剤、紫
外線吸収剤、離型剤、熱安定剤、滑剤、着色剤、帯電防
止剤等を配合することができる。
されず、例えば各成分を機械的に混合し、押出機等の慣
用の装置にて溶融混練し(例えば320 ℃程度)、押出
し、ペレット化することができる。また、マスターバッ
チとして混合/成形することもできる。また、組成物各
成分を別々に押出機に投入して溶融混合してもよい。
電気・電子機器部品、化学機器部品等の材料として有利
に使用できる。
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
フローテスターは、島津製作所製フローテスターCFT
‐500Cである。また非ニュートン指数Nを求めるた
めに用いたキャピログラフは、東洋精機製作所製キャピ
ログラフ1B P‐Cである。
−4(溶融粘度V6 =3000ポイズ、非ニュートン指数N
=1.45のPPS、(株)トープレン製)を使用し、また
比較のためにLN−2(溶融粘度V6 =1100ポイズ、非
ニュートン指数N=1.20のPPS、(株)トープレン
製)を使用した。成分(B)有機シラン化合物として
は、γ‐アミノプロピルトリエトキシシランを使用し
た。成分(C)有機リン化合物としては、下記式(a) で
示される環状ネオペンタンテトライルビス(2,6-ジ-t-
ブチル-4- メチルホスファイト)(旭電化工業(株)
製、以下PEP-36と称する)、下記式(b) で示される環状
ネオペンタンテトライルビス(2,4-ジ-t- ブチルホスフ
ァイト)(旭電化工業(株)製、以下PEP-24G と称す
る)および下記式(c) で示されるトリス(2,4-ジ-t- ブ
チルフェニル)ホスファイト(旭電化工業(株)製、以
下2112と称する)を使用した。
化合物、有機リン化合物および任意的にガラス繊維を表
1に示した割合で配合し、ヘンシェルミキサーで5分間
予備混合した後、25mmφ一軸押出機を使用して、シリン
ダー温度330 ℃、回転数300rpmで溶融押出し、ペレット
を作成した。これを、以下に示した成形品の変色の評価
およびバリ特性評価試験に供した。 (1) 変色の評価 射出成形機(シリンダー温度320 ℃、金型温度150 ℃)
にて、80×80×2mmの平板を成形し、色差計を用いてL
値を測定した。L値が大きい方が、変色の度合いが少な
い。 (2) バリ特性 幅20 mm 、長さ100 mm、厚さ3 mm で、ピン穴20個、ピ
ン穴寸法2×2 mm のコネクターを成形し、ピン穴部
(隙間20μm)に発生したバリ長さを測定して評価し
た。
較例1は、実施例1に比べて、L値が低く(変色の程度
が大きく)、またバリ長さも長い。よって、本発明にお
いては、特定のPASを使用することが必要であること
がわかる。比較例2と実施例2とを比較しても同様のこ
とがいえる。比較例3および比較例4はそれぞれ、成分
(B)または(C)のいずれかが欠如しているが、実施
例1に比べて、比較例3ではL値が低く、比較例4では
バリ長さが長い。よって、本発明においては成分(B)
および(C)の両方が必要であることがわかる。比較例
5と実施例2〜4とを比べても同様のことがいえる。ま
た比較例6は、無機充填剤が過剰に配合された例であ
り、無機充填剤が過剰であると溶融粘度が高くなり、成
形困難となることがわかる。成分(B)が過剰に配合さ
れた比較例7では、実施例2と比べて溶融粘度が高くな
り、バリ用金型にて成形できなかった。一方、成分
(C)が過剰に配合された比較例8では、実施例2と比
べてL値は変わりないものの、溶融粘度がかなり低くな
り、バリ長さが非常に長くなっている。
変色が著しく抑制され、かつバリ発生の少ない成形品を
与えることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)アルカリ金属硫化物、ジハロ芳香
族化合物及び仕込アルカリ金属硫化物に対して0.40
〜0.80モル%のポリハロ芳香族化合物を共重合する
ことにより得られた、分岐されているポリアリーレンス
ルフィドであって、溶融粘度V6 が500〜4800ポ
イズであり、かつ非ニュートン指数Nが1.35以上で
あるポリアリーレンスルフィド 100重量部、 (B)有機シラン化合物 0.01〜10重量部、 (C)有機リン化合物 0.01〜10重量部、および (D)無機充填剤 0〜200重量部 を含む樹脂組成物。 - 【請求項2】 (A)ポリアリーレンスルフィドにおい
て、非ニュートン指数Nが1.50以上である請求項1記載
の樹脂組成物。 - 【請求項3】 (A)ポリアリーレンスルフィドにおい
て、溶融粘度V6 が800〜4000ポイズである請求項1又
は2記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】 (A)ポリアリーレンスルフィドが、反
応中に反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内
の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめるこ
とにより製造したものである請求項1〜3のいずれか一
つに記載の樹脂組成物。 - 【請求項5】 (B)有機シラン化合物が、アミノアル
コキシシラン、エポキシアルコキシシランおよびメルカ
プトアルコキシシランから選択されるシラン化合物であ
る請求項1〜4のいずれか一に記載の樹脂組成物。 - 【請求項6】 (C)有機リン化合物が、次式(I): 【化1】 (上記式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して、置
換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の
アリール基およびアシル基から選択される) で示されるビスホスファイト化合物およびトリ(2,4- ジ
-t- ブチルフェニル)ホスファイトから選択される請求
項1〜5のいずれか一に記載の樹脂組成物。
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JP11361195A JP3386919B2 (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
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JPH08283577A JPH08283577A (ja) | 1996-10-29 |
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JP6038236B2 (ja) * | 2015-06-17 | 2016-12-07 | 積水化学工業株式会社 | 光半導体装置用白色硬化性材料、及び光半導体装置用白色硬化性材料の製造方法 |
-
1995
- 1995-04-14 JP JP11361195A patent/JP3386919B2/ja not_active Expired - Lifetime
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