JP3386825B2 - プリンタ制御装置 - Google Patents

プリンタ制御装置

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JP3386825B2 JP28119491A JP28119491A JP3386825B2 JP 3386825 B2 JP3386825 B2 JP 3386825B2 JP 28119491 A JP28119491 A JP 28119491A JP 28119491 A JP28119491 A JP 28119491A JP 3386825 B2 JP3386825 B2 JP 3386825B2
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啓友 田中
克彦 西澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直流モータを駆動して記
録媒体に印字を行なうプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】図9は本発明が適用されるシリアルプリ
ンタのキャリッジ機構を示す。直流モータ1の回転運動
はプーリ2を介してタイミングベルト3の直線運動に変
換される。タイミングベルト3で牽引することにより印
字ヘッド4を搭載したキャリッジ5を移動させ、印字ヘ
ッド4から紙等の印字媒体8に印字を行なう。なお直流
モータ1にはエンコーダ6が配設されており、エンコー
ダパルスの基準エッジ(例えば立ち上がりエッジ)が発
生するごとにその周期を計測して回転速度を検出する。
【0003】従来、直流モータ1の回転速度を制御する
方法として実開昭62−169811がある。これは図
10のブロック図で構成される一般的なP−I補償器を
用いた場合の制御方法であり、ゲインKp の比例要素2
0とゲインKi の積分要素21を並列に組み合わせたも
のを補償器22とし、エンコーダパルスの周期Tと目標
周期Tref (目標回転速度に相当)との偏差Errに応じ
て補償器22から演算出力される制御量により直流モー
タ1の回転速度を目標回転速度と一致させる方法であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来方法は処理手順の
プログラムをCPUで実行することにより比較的簡単に
実現できる。しかし、エンコーダの基準エッジが発生す
るたびに、目標周期に対する偏差Errを求め、偏差Err
と積分要素のゲインKi の積Igainとその累積値Iout
を求め、さらに偏差Errと比例要素のゲインKp の積P
out を求め、Pout とIout の和を求めて制御量を決定
する、という一連の演算を行なっており長い処理時間が
必要であった。このため直流モータの目標回転速度が速
くなりエンコーダ周期が短くなった場合には演算処理の
対応ができず制御精度を低下させるという問題点があっ
た。
【0005】
【0006】本発明は以上の点に鑑みこのような問題点
を解決するもので、その目的はP−I補償器から出力す
る制御量を演算する処理時間を短くすることによりプリ
ンタに最適な制御精度の高い直流モータの制御装置を提
供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】直流モータの回転速度に
対応して、偏差と積分要素の積である演算値を保持する
第1の記憶手段と、前記直流モータの回転速度に対応し
て、偏差と比例要素のゲインの積である演算値を保持す
る第2の記憶手段と、前記直流モータの回転速度を検出
する速度検出手段と、を有し、前記検出した回転速度に
応じて前記第1及び第2の記憶手段から各々読み出した
演算値を用いてP−I補償器の出力値を求め、該出力値
によりプリンタの直流モータを制御する印刷装置であ
り、さらには、直流モータの回転速度を検出する工程
と、前記直流モータの回転速度に対応して、偏差と積分
要素のゲインの積である演算値を保持する第1の記憶手
段から前記演算値を読み出す工程と、前記直流モータの
回転速度に対応して、偏差と比例要素のゲインの積であ
る演算値を保持する第2の記憶手段から前記演算値を読
み出す工程と、を有し、前記第1及び第2の記憶手段か
ら各々読み出した演算値を用いてP−I補償器の出力値
を求めることを特徴とする。
【0008】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0009】図1は本発明の一実施例であるシリアルプ
リンタのキャリッジ機構を制御するための制御ブロック
図である。なお、シリアルプリンタのキャリッジ制御装
置の構成は図9と同様である。図1において符号10は
キャリッジ制御装置の制御を行なうCPUであり、RO
M11に書き込まれている制御プログラムに従い後述す
る処理を行なう。ROM11には制御プログラムの他に
本実施例ではエンコーダ6から出力されるエンコーダパ
ルスの周期Tに対応した2種類のデータテーブルを記憶
している。符号12は各種データを一時的に記憶するR
AMである。コンピュータ等のホスト装置13からの印
字データはI/F部(インターフェイス部)14を介し
てCPU10に送られる。印字指令はI/O部15を介
してヘッド駆動部16に送られ、これに応じてヘッド駆
動部16が印字ヘッド4を駆動して印字を行なう。直流
モータ1の制御信号はI/O部15を介して直流モータ
駆動部17に送られ、直流モータ1を駆動する。なお直
流モータ1にはエンコーダ6が配設されており、エンコ
ーダパルスの基準エッジ(本実施例では立ち上がりエッ
ジ)が発生するごとにその周期を計測して回転速度を検
出する。
【0010】なお、制御方式はPWM方式とする。これ
は、図2に示すように、ある一定の周期Tpwm に対する
デューティTdutyを変え、これを制御信号として直流モ
ータ1を駆動する方式である。後述する処理手順から決
定される制御量はこのデューティTdutyに相当する。す
なわち、制御信号は一定周期毎にあるデューティTduty
を持ったパルス列である。これを図3に詳細を示した直
流モータ駆動部17のトランジスタのベース信号として
直流モータ1を駆動する。図3においてトランジスタ
Tr1とトランジスタ Tr4のベースにONの制御信号
を与えることにより回転方向がCWとなり、トランジス
タTr2 とトランジスタTr3 のベースにONの制御信
号を与えることにより回転方向がCCWとなる。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】表1および表2に示したデータテーブルに
ついてさらに詳しく説明する。表1に示したデータテー
ブルにおいて、周期Tと積分要素演算値Igainには図4
に示す関係がありこれは式(1)で表される。
【0014】 Igain=Ki ×(T−Tref ) T1 >T>T11 ・・・(1) ここで、Ki は図10に示した積分要素21のゲイン、
Tref は目標回転速度に対応する目標周期である。また
右辺第2項(T−Tref )は目標周期Tref に対する偏
差Errである。つまり、それぞれのエンコーダ周期Tに
対応して目標周期Tref に対する偏差Errと積分要素の
ゲインKp を乗した値を予め記憶してある。なおT>T
1、およびT<T11の範囲ではIgainは一定値である。
【0015】表2に示したデータテーブルにおいて、周
期Tと比例要素演算値Pout には図5に示す関係があり
これは式(2)で表される。
【0016】 Pout =Kp ×(T−Tref ) T1 >T>T11 ・・・(2) ここで、Kp は図10に示した比例要素20のゲインで
ある。つまり、それぞれのエンコーダ周期Tに対応して
目標周期Tref に対する偏差Errと比例要素のゲインK
p を乗した値を予め記憶してある。なおT>T1 、およ
びT<T11の範囲ではPout は一定値である。
【0017】以上のように構成された本発明の一実施例
の動作について図6を参照しながら説明する。図6は周
期Tに応じた制御量Tdutyを決定するまでのフローチャ
ートである。
【0018】CPU10がI/O部15を介してエンコ
ーダ信号の基準エッジを認識すると周期Tを計測する。
〔ステップ〕 次に、P−I制御を開始してからn番目(n=1、2、
・・・)に発生したエンコーダパルスの周期Tに対応す
る積分要素演算値Igainを表1のデータテーブルから引
き出し、式(3)によりその累積値Iout を演算してC
PU内のレジスタに格納する。〔ステップ〕
【0019】
【数1】
【0020】さらに、周期Tに対応する比例要素演算値
Pout を表2のデータテーブルから引き出し、〔ステッ
プ〕 制御量Tdutyを式(4)により演算する。〔ステップ
〕 Tduty=Pout +Iout ・・・(4) エンコーダの基準エッジが発生するたびにステップか
らステップの手順で制御量Tdutyを決定する。
【0021】以上のように、本実施例によればエンコー
ダ周期Tに対応して目標周期Trefに対する偏差Errと
積分要素、比例要素のそれぞれのゲインを乗した値を予
め記憶してあるため、目標周期Tref に対する偏差Er
r、偏差Errと積分要素のゲインKi との積、さらに偏
差Errと比例要素のゲインKp との積を求めるという演
算が不用になる。このため、制御量Tdutyを決定するま
での処理時間を短縮することができる。
【0022】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。本実施例では周期Tと積分要素演算値Igainには図
7に示す関係がありこれは式(5)で表される。
【0023】
【数2】
【0024】また、周期Tと比例要素演算値Pout には
図8に示す関係がありこれは式6で表される。
【0025】
【数3】
【0026】この他の構成、および処理手順は第1の実
施例と同様である。本実施例によればエンコーダ周期T
によって比例要素、積分要素のそれぞれのゲインの大き
さを変えているため応答性と安定性が共に高い制御系を
設計することができる。
【0027】なおプリンタでは印字モードに応じて目標
回転速度が複数存在するのが一般的である。この場合に
は目標速度の各々に対し表3および表4に示すようにデ
ータテーブルを設定する。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】目標回転速度によりエンコーダ周期Tが異
なるため、目標回転速度に対する相対的な制御精度を確
保する場合にはデータテーブル上の周期Tの区間幅を変
えてデータを設定している。また、目標回転速度が低く
エンコーダによる回転速度のサンプリング周期が低下す
る場合にはデータテーブルのデータ設定領域を大きくし
て制御精度を確保する。このようにして印字モードごと
に最適な制御系を設計することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればエ
ンコーダ周期に対応して目標周期に対する偏差と比例要
素、積分要素のそれぞれのゲインを乗した値を予め制御
データテーブルとして記憶してあり、制御量を決定する
までの処理時間を短縮することができる。従って目標回
転速度が速い場合にも処理時間の対応が可能となり、印
字速度の速いプリンタにおいても高い制御精度を確保で
きるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例の制御信号の説明図。
【図3】本発明の実施例の直流モータ駆動回路図。
【図4】本発明の実施例の周期と積分要素演算値の関係
についての説明図。
【図5】本発明の実施例の周期と比例要素演算値の関係
についての説明図。
【図6】本発明の実施例の制御手順を説明するフローチ
ャート。
【図7】本発明の別の実施例の周期と積分要素演算値の
関係についての説明図。
【図8】本発明の別の実施例の周期と比例要素演算値の
関係についての説明図。
【図9】本発明のプリンタの構成図。
【図10】P−I補償器に関する説明図。
【符号の説明】
1 直流モータ 2 プーリ 3 タイミングベルト 4 印字ヘッド 5 キャリッジ 6 エンコーダ 8 印字媒体 10 CPU 11 ROM 12 RAM 13 ホスト装置 14 I/F部 15 I/O部 16 ヘッド駆動部 17 直流モータ駆動部 20 比例要素 21 積分要素 22 P−I補償器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東條 博明 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−36978(JP,A) 特開 平3−103089(JP,A) 特開 昭61−244286(JP,A) 特開 昭62−285681(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流モータの回転速度に対応して、偏差
    と積分要素のゲインの積である第1の演算値を保持する
    第1の記憶手段と、 前記直流モータの回転速度に対応して、偏差と比例要素
    のゲインの積である第2の演算値を保持する第2の記憶
    手段と、 前記直流モータの回転速度を検出する速度検出手段と、 を有し、 前記検出した回転速度に応じて前記第1及び第2の記憶
    手段から各々読み出した第1、及び第2の演算値を用い
    てP−I補償器の出力値を求め、該出力値によりプリン
    タの直流モータを制御するプリンタ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の演算値と前記第2の演算値の
    和を前記P−I補償器の出力値とする請求項1記載のプ
    リンタ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記直流モータの回転速度の増加に伴
    い、第1の演算値、若しくは第2の演算値の少なくとも
    一方が、一種類以上の傾きをもって増加した後に一定と
    なることを特徴とする請求項1記載のプリンタ制御装
    置。
  4. 【請求項4】 直流モータの回転速度を検出する工程
    と、 前記直流モータの回転速度に対応して、偏差と積分要素
    のゲインの積である演算値を保持する第1の記憶手段か
    ら前記演算値を読み出す工程と、 前記直流モータの回転速度に対応して、偏差と比例要素
    のゲインの積である演算値を保持する第2の記憶手段か
    ら前記演算値を読み出す工程と、 を有し、 前記第1及び第2の記憶手段から各々読み出した演算値
    を用いてP−I補償器の出力値を求めることを特徴とす
    るプリンタ用モータ制御方法。
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