JP3385862B2 - 換気扇 - Google Patents

換気扇

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JP3385862B2
JP3385862B2 JP18964496A JP18964496A JP3385862B2 JP 3385862 B2 JP3385862 B2 JP 3385862B2 JP 18964496 A JP18964496 A JP 18964496A JP 18964496 A JP18964496 A JP 18964496A JP 3385862 B2 JP3385862 B2 JP 3385862B2
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比出晴 小野
成人 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部屋の外から部屋
に空気を取り入れる給気、又は部屋の空気の外部への排
気により、部屋の換気を行なう換気扇及び換気扇用のフ
ィルタの分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】排気又は給気により部屋の換気を行なう
換気扇は、その多くが基本的には部屋の内外を隔てる隔
壁に形成された取付孔に対して装着する本体と、この本
体の室内側端を被覆する状態に装着するグリルとから構
成されている。本体には通風路が形成され、この通風路
に給気用又は排気用の送風機が組付けられている。ま
た、グリルは本体の部屋側に装着され、換気扇の実質的
な吹出し部又は吸込み部を構成している。
【0003】このような基本構造の換気扇に対して従来
から種々の工夫が払われてきている。例えば、実公昭6
2―16584号公報に示されているように、厨房用の
換気扇ではグリルの前面やグリルと本体との間に油煙に
含まれるミスト状の油滴を捕集するフィルタが設けられ
ているものが多い。このフィルタは、換気扇の内部が油
汚れしないようにするもので、排気する空気を清浄にし
ようとするものではない。
【0004】部屋に外(多くは屋外である)の空気を給
気する換気扇にもフィルタが備えられているものがあ
る。この場合のフィルタは部屋に供給する空気の清浄度
を上げようとするもので、塵埃を除去する機能を持って
いる。こうした給気用の換気扇に対するフィルタも、厨
房用の換気扇のフィルタと同様の仕方で装着されてい
る。即ち、本体の通風路の出口端か、グリルの内部にシ
ート状のフィルタが交換可能に装着されている。グリル
に吹出し方向の異る複数の吹出口を設けたものでは、本
体の開口端にフィルタを装着することにより、全ての吹
出口から吹出す空気の浄化ができ都合がよい。
【0005】また、周知のように外風の侵入を防ぐ開閉
シャッタを備えたものも多くある。その多くは、実開昭
56―21141号公報や実開昭62―22436号公
報に示されているような、回動により開閉する複数のシ
ャッタブレードが連動するように連結され、本体の通風
路の開口端に装着されている。こうした開閉シャッタと
は別に実開昭62―22436号公報に示されているよ
うにスライド式のシャッタをグリルにスライド可能に設
けたものもある。このようなシャッタは通風路を全開か
全閉にするもので、通風路の開口面積を調整するもので
はない。開口面積の調整は、特開昭62―297656
号公報に示されているような吹出し口に重なりスライド
により吹出し口の開口面積が変るようにしたスライドシ
ャッタが適用されている。
【0006】さらに、グリルの本体への着脱をし易くす
る工夫もなされている。例えば、実開昭60―1826
22号公報には、グリルに弾装された係合部材を設け、
係合部材の押圧と押圧の解除でグリルの脱着がワンタッ
チでできるようにした換気扇が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように換気扇に
は従来から種々の工夫が為されてきたが、そのなかで、
部屋に供給する空気の清浄化の要請は、従来より強くな
っている。即ち、外気は必ずしも新鮮であるわけではな
く、花粉の飛散時期や塵埃の多い時や場所ではそのまま
部屋に外気を給気しても部屋の空気は快適性を喪失して
しまう。こうした要請に高価な高性能フィルタの使用で
対応することは容易であるが、安価な通常のフィルタと
は厚みが異りグリルの厚みを変える必要がある。つま
り、安価な通常のフィルタの厚みを決定した場合は高性
能フィルタを採用することは困難であり、また高性能フ
ィルタの厚みに合わせてグリルの厚みを決定した場合は
部屋側への出っ張りが大きくなり部屋の美観を損なう。
【0008】そして、空気の吹出しや吸込みを一方向か
らできるようにしたものでは、吹出し方向や吸込み方向
についての選択性がなく、取付場所や使用者の都合に合
う吹出し方向や吸込み方向にすることができず、使い辛
いことがある。
【0009】また、天井の隔壁に下向きに取付ける場
合、グリルの着脱をワンタッチで可能にする従来の技術
を採用すると、係合部材の係合を外すと直ちにグリルが
本体から離脱することになるので、取外しに際し十分注
意しないとグリルが落下し、グリルの破損や怪我の原因
になる。
【0010】さらに、高気密で高断熱の住宅が普及して
きている中で、取付状態で部屋の内外に通じる隙間がで
きないようにしている換気扇もあるが、隔壁に開けた孔
を使って電源コードを送風機に繋ぐ場合、隔壁に開けた
孔により住宅の高気密性が損なわれ、当該住宅の全体と
しての換気に悪影響を及ぼすこともある。
【0011】本発明は上記した従来の問題点を解消する
ためになされたもので、その課題とするところは、フィ
ルタを厚くすることも薄くすることもでき、低コストで
フィルタの性能を簡単に調節できる多方向に吹出口を持
つ換気扇を得ることであり、その換気扇に給排気方向に
ついての選択性と、換気風量の調節機能とを付与するこ
とであり、天井への取付けにおいてグリルの落下を防止
することであり、換気扇の構成の簡素化を図ることであ
り、スライドシャツタとグリルでの給気方向又は吸込み
方向を自由に選択でき、換気風量の調節もできる多方向
に通風口を持つ換気扇を得ることであり、高気密住宅の
適用に適した換気扇を得ることである。
【0012】また、本発明は通風方向に方向性を持つ低
コストで高性能の形状を自由に変えうる換気扇用のフィ
ルタを開発すること、その換気扇用のフィルタの取付け
間違いを防止し、使い易さや機能の向上を推進するこ
と、その換気扇用のフィルタを利用した多方向に吹出口
を持つ換気扇を得ることも課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に請求項1の発明は、部屋の内外を隔てる隔壁に形成さ
れた取付孔に対して装着する本体と、この本体の室内側
端を被覆する状態に装着するグリルとから構成し、本体
には部屋の外の空気を吸込み本体の室内側の開口端から
吹出す送風機を組み込み、グリルには本体の室内側の開
口端の外方にあるその周側部に吹出し方向が互いに異る
複数の吹出口を設け、このグリルの内側に、各吹出口を
一括して通気可能に被覆する一連の帯状に形成したフィ
ルタを本体の室内の開口端を囲むように着脱可能に装着
する手段を採用する。
【0014】前記課題を達成するために請求項2の発明
は、部屋の内外を隔てる隔壁に形成された取付孔に対し
て装着し、給気用又は排気用のいずれかの送風機を組み
込んだ本体と、この本体の室内側端を被覆する状態に装
着するグリルとから構成し、グリルには本体の室内側の
開口端の外方にあるその周側部に複数列のスリットで構
成した開口方向が互いに異る複数の通風口を設け、この
グリルの各通風口の内側には、外側からのスライド操作
により各通風口を全閉から全開までに調節できるスライ
ドシャッタを個別に設ける手段を採用する。
【0015】前記課題を達成するために請求項3の発明
は、部屋の内外を隔てる隔壁に形成された取付孔に対し
て装着する本体と、この本体の室内側端を被覆する状態
に装着するグリルとからなり、本体には部屋の外の空気
を吸込み本体の部屋側の開口端から吹出す送風機を組み
込み、グリルには本体の部屋側の開口端の外方にあるそ
の周側部に複数列のスリットで構成した開口方向が互い
に異る複数の吹出口を設け、このグリルの各吹出口の内
側には、外側からのスライド操作により各吹出口を全閉
から全開までに調節できるスライドシャッタを個別に設
け、このスライドシャッタの内側には、各吹出口を一括
して通気可能に被覆する一連の帯状に形成したフィルタ
を本体の室内の開口端を囲むように着脱可能に装着する
手段を採用する。
【0016】前記課題を達成するために請求項4の発明
は、請求項3にかかる前記手段における本体に、隔壁の
部屋側の面に当て沿うフランジ部を設け、このフランジ
部には、その一方の端縁に隔壁への当り面より後退した
位置に隔壁の部屋側の面に沿って突き出す掛止突起を設
け、この一方の端縁に対向する端縁には凸部を設け、そ
のグリルには、隔壁側の端縁の一部に上記掛止突起を差
し通すことができる係合孔を設け、この係合孔の反対側
に凸部に弾性変形により係脱させうる係止手段を設け、
係合孔に掛止突起を差し通して、凸部に係止手段を掛け
止めることによりグリルが本体に装着されるようにし、
掛止突起にはその隔壁側に凹部を設け、係合孔の隔壁側
の孔縁をこの凹部に係合する構造にする手段を採用す
る。
【0017】前記課題を達成するために請求項5の発明
は、請求項3にかかる前記手段におけるグリルの内部に
各スライドシャッタをそれぞれスライド可能に保持する
複数のリブを形成し、これらのリブの内側にこれらのリ
ブとの間にフィルタを保持させることができるリブを形
成する手段を採用する。
【0018】前記課題を達成するために請求項6の発明
は、請求項1〜3までのいずれかに記載の換気扇におい
て、上記本体には上記隔壁の部屋側の面に当る立上り部
を外周に持ち隔壁に沿うフランジ部を設け、このフラン
ジ部の一部には上記送風機に接続する電源コードを引き
出すコード引出孔を設け、このコード引出孔には上記電
源コードの挿通を許容する状態でコード引出孔を塞ぐブ
ッシュを設け、かつこのコード引出孔の隔壁側を、フラ
ンジ部に形成した上記立上り部と同じ高さのリブ構造に
より囲い込む手段を採用する。
【0019】前記課題を達成するために請求項7の発明
は、部屋の内外を隔てる隔壁に形成された取付孔に対し
て装着する本体と、この本体の部屋側端を被覆する状態
に装着するグリルとから構成し、本体に給気用の送風機
を組み込み、グリルには本体の部屋側の開口端の外方に
あるその周側部に開口方向が互いに異る複数の吹出口を
設け、このグリルの各吹出口の内側には、吹出口を一括
して通気可能に被覆する一連の帯状に形成した通風方向
に方向性を持ち可撓性のあるフィルタを本体の室内の開
口端を囲むように着脱可能に装着する手段を採用する。
【0020】前記課題を達成するために請求項8の発明
は、部屋の内外を隔てる隔壁に形成された取付孔に対し
て装着する本体と、この本体の部屋側端を被覆する状態
に装着するグリルとから構成し、本体には給気用の送風
機を組み込み、グリルには本体の部屋側の開口端の外方
にあるその周側部に開口方向が互いに異る複数の吹出口
を設け、このグリルの各吹出口の内側には、吹出口を一
括して通気可能に被覆する環状に形成した通風方向に方
向性を持ち可撓性のあるフィルタを本体の室内の開口端
を囲むように着脱可能に装着する手段を採用する。
【0021】前記課題を達成するために請求項9の発明
は、部屋の内外を隔てる隔壁に形成された取付孔に対し
て装着する本体と、この本体の部屋側端を被覆する状態
に装着する平面形状が方形の角型のグリルとから構成
し、本体には給気用の送風機を組み込み、グリルには本
体の部屋側の開口端の外方にあるその周側部に開口方向
が互いに異り、そのグリルの入隅部により互いに隔てら
れた複数の吹出口を設け、このグリルの各吹出口の内側
には、吹出口を一括して通気可能に被覆する環状に形成
した通風方向に方向性を持ち半径方向に伸縮できるベロ
ー状に瀘材を構成した可撓性のあるフィルタを本体の室
内の開口端を囲むようにグリルの内周側に沿って着脱可
能に装着する手段を採用する。
【0022】前記課題を達成するために請求項10の発
明は、請求項7〜請求項9までのいずれかに係る前記手
段におけるフィルタに通風方向を示す表示要素を設ける
手段を採用する。
【0023】前記課題を達成するために請求項11の発
明は、請求項7に係る前記手段におけるフィルタを、山
と谷が交互に幅方向に連続するベロー状の帯に形成した
瀘材と、この瀘材の長手方向の両端に固着した伸縮性と
気密性を持つ枠とにより形成する手段を採用する。
【0024】前記課題を達成するために請求項12の発
明は、請求項8又は請求項9のいずれかに係る前記手段
におけるフィルタを、山と谷が交互に中心線の方向に連
続するベロー状の環に形成した瀘材と、この瀘材の中心
線方向の両端に固着した伸縮性と気密性を持つ枠とによ
り形成する手段を採用する。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下に本発明の実施の形態を図面に基づ
いて具体的に説明する。図1は本発明を実施した換気扇
を取付け状態で示した側面図で、図2はそのグリルの背
面図、図3は同じくグリルの分解斜視図である。この換
気扇は、部屋1の内外を隔てる隔壁2(側壁や天井壁を
含むものである)に形成された取付孔3に対して装着さ
れる本体4と、この本体4の部屋1側端を被覆する状態
に部屋1側に装着されるグリル5とから構成されてい
る。図1では取付孔3は隔壁2に挿通したパイプ6によ
り構成されているが、枠体などにより構成されていても
構わない。
【0031】本体4は、通風路を構成するプラスチック
製の筒部7に部屋1の外の空気を吸込み、筒部7の部屋
1側の開口端から吹出す給気流を形成する送風機8を組
み込んだ構成で、筒部7の外周に設けたバネ9の弾性支
保機能によりパイプ6内に筒部7を差し込んだ状態に装
着される。本体4の取付け手段としては、この後述べる
フランジ部10を隔壁2にネジ締めするようにしても良
い。本体4の筒部7の一端(部屋1側の端)には、半径
方向に張り出し隔壁2に沿うフランジ部10が一体成形
されている。このフランジ部10は、図示のものは平面
形状が略正方形に形成され、その外周には隔壁2の部屋
1側の壁面に端面が当る立上り部11が全周に形成され
ている。このフランジ部10の背面の一隅部には図4に
示すように送風機8に接続する電源コード12を引き出
すコード引出孔13が開設されている。このコード引出
孔13には電源コード12の挿通を許容する状態でコー
ド引出孔13を塞ぐゴム製の菊割れ形状をしたブッシュ
14が装着されている。このコード引出孔13の背面側
は、フランジ部10の立上り部11と同じ高さのリブ構
造15と、立上り部11の一部とにより全周にわたり囲
い込まれている。
【0032】フランジ部10には、さらにその立上り部
11により形成される一側における隔壁2への当り面よ
り少し後退した位置に図5に示すように、隔壁2の部屋
側の壁面に沿って突き出す2個の掛止突起16が間隔を
おいて並んで形成され、これに対向する側面には図1に
示すように外方に突出す凸部17が形成されている。各
掛止突起16にはその基部から少し離れた隔壁側に凹部
18が形成されている。
【0033】グリル5は図3に示すように、本体4のフ
ランジ部10に外嵌めできる周側19と前面部20とか
らなる有底のほぼ正方形の角形容器としてプラスチック
で形成されている。周側19の高さはフランジ部10に
嵌め合わせた状態でフランジ部10の前面からその前面
部20が間隔をおいて離反する程度に形成されている。
実際には周側19をあまり高くすると、部屋1側への出
っ張りが大きくなり、部屋1の美観を損なうことにもな
るので、換気機能に支障のない限りで周側19は低く構
成される。グリル5の四面からなる周側19には、一面
を除く各面に周側19の立ち方向と直角の方向に長い複
数のスリット21により構成された吹出し方向が互いに
異る複数の吹出口22が形成されている。各吹出口22
はグリル5の入隅部により互いに隔てられている。各吹
出口22を構成するスリット21は、周側19の端面か
ら本体4のフランジ部10の立上り部11の高さほど後
退した位置から等間隔に前面側に向って配列されてい
る。図示のものは、三本の配列となっている。
【0034】これらの各吹出口22にはその背面側にス
ライドシャッタ23がそれぞれ一つずつ装着されてい
る。なお、図3では二つのスライドシャッタ23は省略
してある。各スライドシャッタ23は、吹出口22と同
様の配列のスリット24を有し、周側19の裏面に沿っ
てその立ち方向にスライドできるように図6に示すつま
み25により取付けられている。つまみ25は、その弾
性脚26の嵌め込みによりスライドシャッタ23の中央
に取付けられ、グリル5の周側19に形成された孔27
の外に操作部である摘み部28が臨んでいる。弾性脚2
6はグリル5の孔27に通され、スリット21の長手方
向と直角に動くことができるようになっている。各スラ
イドシャッタ23はこのつまみ25により適当な摺動抵
抗をもってグリル5の周側19に接してスライドでき、
つまみ25の操作により吹出口22の各スリット21を
全開から全閉までの範囲に調節することができる。
【0035】各スライドシャッタ23の両端近くに対応
するグリル5の前面部20の裏面には図3に示すように
一端がグリル5の周側19の裏面に結合したリブ29が
それぞれ形成されている。このリブ29にはグリル5の
前面側が閉止し、反対側が開放した凹部30が周側19
側に形成されている。この凹部30は、スライドシャッ
タ23の端縁が入り得る寸法に形成され、その反対側は
閉止端に向って狭くなる勾配31が付けられている。各
スライドシャッタ23の端縁がリブ29の凹部30の閉
止端に当る位置でグリル5の各吹出口22は全閉とな
り、スライドシャッタ23の端縁がリブ29の凹部30
の開放端近くの位置でグリル5の各吹出口22は全開と
なる(図7参照)。
【0036】グリル5の前面部20の裏面には、上記し
たリブ29の内寄りに複数のリブ32が形成されてい
る。これらのリブ32は前面部20の四箇所のコーナ部
とその中間に形成され、各リブ32の外側面を繋いだ線
は本体4の部屋1側の開口端の外周を囲む四角形となっ
ている(図2参照)。このリブ32とスライドシャッタ
23を保持するリブ29との間に、帯状に形成した一連
のフィルタ33が図2に示すように巻回した状態に嵌め
装着されて、一括して各吹出口22が通風可能に覆われ
ている。フィルタ33の幅は本体4にグリル5を装着し
た状態におけるフランジ部10とグリル5の前面の裏面
との間隔にほぼ一致する寸法になっているが、フィルタ
33がスポンジ構造の場合には伸縮できるので多少幅広
にしても問題はない。
【0037】グリル5の吹出口22を欠いた周側19の
一面の内側中央には、弾性変形するU字状部34の一方
を延長し先端にフック35を形成した図8に示す弾性係
止手段36が装着されている。この弾性係止手段36の
フック35の先端の内側は斜面に形成され、この斜面が
本体4のフランジ部10の凸部17に当るように取付け
られている。即ち、斜面に凸部17に当ることによりU
字状部34が弾性変形して間隔を狭め、凸部17が斜面
を越えることによりフック35に凸部17が係合する構
成である。この弾性係止手段36を設けた面とは反対側
の周側19の面には、その隔壁2側の端縁の一部に本体
4のフランジ部10に形成された二個の掛止突起16を
内側から差し通すことができる二個の係合孔37が開設
されている(図3参照)。これらの各係合孔37の隔壁
2側の孔縁は、掛止38として外方に少し出た縁として
形成され、掛止突起16の凹部18に係合することがで
きる。
【0038】上記構成の換気扇において、送風機8を部
屋1側から吸込み、部屋1外へ吹き出す排気用の送風機
に取り替えれば、排気用の換気扇を構成することができ
る。排気用の換気扇ではフィルタ33は不要であり、フ
ィルタ33の無い構成とする。この場合、吹出口22は
吸込口となるが、機能面からは両者を通風口としてとら
えることができる。
【0039】上記構成の換気扇は、まず、本体4を部屋
1の隔壁2に形成された取付孔3に対して、筒部7を押
し込み、フランジ部10の当り面が壁面に当る状態に装
着し、電気配線を完成させた後、本体4の部屋1側にグ
リル5を被せる状態に装着することにより換気機能を果
たし得る。グリル5は、各係合孔37に内側からフラン
ジ部10の各掛止突起16を通し、弾性係止手段36側
を本体4のフランジ部10に押し込むように嵌めれば、
フランジ部10に設けた凸部17にフック35の斜面が
当り、U字状部34が弾性変形して間隔を狭めながら、
凸部17が斜面を越えてフック35が凸部17に係合
し、本体4の部屋1側を被覆する状態に装着される。こ
の状態のフック35の手掛部39を引きU字状部34を
縮めてやれば、フック35の凸部17への係合が解け、
グリル5を本体4から外すことができる。
【0040】図1のように部屋1の側壁の比較的高所に
装着する場合には、吹出口22の無い面が下になるよう
にすれば、使用者に直接給気流が当らないようにでき
る。また、部屋1のコーナ部など直ぐ近くに壁面や換気
について障害となるものが存在するような取付け場所で
は、障害となるものの方向に吹出口22の無い面を向け
れば良い。もっとも、グリル5の各吹出口22は個別に
スライドシャッタ23の操作で全閉にすることができる
ので、こうしたグリル5の取付け向きの配慮は重要なこ
とではない。この意味から、グリル5には全ての面に吹
出口22を設けてもなんら問題はない。
【0041】高気密の住宅についても、図4のように電
源コード12を通すために隔壁2に開けた引出孔がコー
ド引出孔13周りに設けたリブ構造15と立上り部11
とにより囲まれ、さらに部屋1側についてはブッシュ1
4で閉止状態に置かれるので、電源コード12の配線に
伴う部屋1の内外に通じる隙間が閉止されるので、住宅
の高気密性が損なわれることがなく当該住宅全体として
の換気に悪影響を及ぼすことも少ない。
【0042】この換気扇は図9に示すように部屋1の天
井にグリル5を下向きにして取付けることもできる。こ
の場合も本体4及びグリル5の取付け方は上述した仕方
で行なうことになるが、天井側への取付けでは、本体4
のフランジ部10に設けた掛止突起16とグリル5の係
合孔37の掛止38が着脱時のグリル5の不用意な落下
を防ぐ機能を果たす。即ち、図10に示すように、弾性
係止手段36の凸部17への係合を解いた場合、グリル
5は手などで支えられていない限り、そのまま係合孔3
7に余裕があるため掛止突起16に対して回転する。こ
のグリル5の回転で掛止突起16から係合孔37が抜け
れば、グリル5はそのまま落下することになる。
【0043】しかし、この換気扇では、掛止突起16の
基部の外側に凹部18が形成され、この凹部18に係合
孔37の孔縁である掛止38がはまり、しかもグリル5
の前面部20が天井面に当りそれ以上のグリルの回転が
規制されるため、グリル5は落下することなく図10の
ように掛止突起16にぶら下がった状態に維持される。
この状態のグリル5は少し持ち上げ気味にして横方向に
移動させれば、掛止突起16から係合孔37を抜け出さ
せることができ、これにより本体4から取外すことがで
きる。従って、不用意なグリル5の落下が防止でき、グ
リル5の破損や人への怪我を未然に防ぐことができる。
【0044】送風機に電源を供給すれば、部屋1の外の
空気をグリル5の各吹出口22から三方向へ吹出させ給
気することができる。本体4の部屋1側の開口端から吹
出した空気は、開口端の全周を囲んでいるグリル5に装
着されたフィルタ33によって塵埃が除去され、吹出口
22から清浄な空気として部屋1に供給される。フィル
タ33はリブ29とリブ32との間に挟み込むようにし
て巻回するだけの簡単な操作で装着できる。そして、花
粉の多い時期や、粉塵の多い場所では帯状のフィルタ3
3の長さの調整だけで、二重巻など複層に装着してその
捕集機能を簡単に上げることができる。この場合でもフ
ィルタ33の幅寸法は変らないので、こうした使い方を
念頭に入れた換気扇としても、そのグリル5の周側19
の寸法を大きくする必要はなく、部屋1側への突出寸法
の小さいものとすることが可能である。一連の帯状のフ
ィルタ33は巻回した状態が維持し難い面もあるが、ス
ライドシャッタ23の保持のためのリブ29と案内用の
リブ32の間に保持されるため取付け状態は安定してい
る。
【0045】吹出し方向を変えたい場合、要望する方向
の吹出口22以外の吹出口22をスライドシャッタ23
の外側からのつまみ25によるスライド操作により全閉
にすれば、要望する方向の吹出口22のみから給気させ
ることができる。即ち、一方向、二方向、三方向の吹出
しが吹出口22の開閉の組み合わせにより簡単に実現で
きる。スライドシャッタ23は、外側からつまみ25を
動かすだけで、スライドさせることができ適当な摺動抵
抗が付けられているので、中間位置にも止めておくこと
ができ、各吹出口22の開口面積を調節することも可能
である。特定の吹出口22を全閉にするときや、非運転
時に外風の侵入を防ぐ時には、当該吹出口22のスライ
ドシャッタ23を閉止させ、或いは全スライドシャッタ
23を閉止させることになるが、各スライドシャッタ2
3の閉止状態の安定性は高く、閉止機能もしっかりして
いる。
【0046】即ち、各スライドシャッタ23は閉止側へ
のスライドに連れリブ29の凹部30の勾配31により
周側19の裏面へ密着する方向に案内され、リブ29の
凹部30の閉止端に端縁が当って周側19の裏面へ密着
して止まる。従って、閉止状態のスライドシャッタ23
のがたつきはなく、周側19の裏面との間に隙間もでき
ない。
【0047】上述したようにこの換気扇はリブ32の位
置の変更のみでフィルタ33の厚みに対応でき、グリル
5の厚みを変えることなく、また部屋1の美観を損なう
ことなくフィルタ33の選択ができる。また、給気する
方向についての選択性や風量の調節も可能であり、天井
への取付けではグリル5の落下を防止することもでき
る。さらに、フィルタ33の保持をスライドシャッタ2
3の保持のためのリブ29を利用しているため、簡素な
構成で済み、リブ29,32によりグリル5の強度も保
持できる。
【0048】なお、フランジ部10の形状を丸形にする
こともでき、これに応じてグリル5も丸形にすることも
できる。また、図示したものと直角の方向のスライドシ
ャッタ23のスライドにより吹出口の開閉をするように
構成することも可能である。そして送風機を排気用に変
え、フィルタ33を取り外すことにより排気用の換気扇
を構成することができる。この場合、吹出口は通風口と
して吸込み機能を果たし、フィルタ33に関する機能以
外は、前述の各機能は給気用のものと同様に働くことに
なる。
【0049】実施の形態2.この実施の形態2は、実施
の形態1で示した換気扇に使用する換気扇用のフィルタ
33に関するものであり、換気扇自体の構成は基本的に
は実施の形態1のものと同じである。従って、実施の形
態1のものと同一又は相当部分については実施の形態1
のものと同じ符号を用いそれらについての説明は省略す
る。
【0050】この換気扇用のフィルタ33は、図11に
示すように表裏で組織の密度が異る柔軟で薄手の多孔質
繊維性シート40を図12に示すように山と谷が交互に
連続するベロー状に形成した表面積の大きい瀘材41に
より形成されている。この瀘材41は、通風方向に方向
性を持ち組織が粗の方向から密の方向に空気を通すこと
により高性能な瀘過機能を果たすが、これとは逆の方向
に空気を通しても所期の機能は果たさない。図13に示
すフィルタ33は、この瀘材41を幅方向に山と谷が走
る帯状に成形し、その長手方向の両端に伸縮性と気密性
を持つポリエチレンからなる枠42を装着した簡単な構
造である。フィルタ33の幅は実施の形態1のフィルタ
33と同様に、本体4にグリル5を装着した状態におけ
るフランジ部10とグリル5の前面の裏面との間隔にほ
ぼ一致する寸法に形成され、一括して各吹出口22を通
風可能に覆い得る長さにして実施の形態1で示したフィ
ルタ33と同様にして巻回するようにして装着される
(図14参照)。
【0051】フィルタ33の枠42はグリル5の装着に
より本体4のフランジ部10とグリル5の裏面に密着
し、当該部の気密が保持される。従って、シール材等の
気密保持部材や気密保持構造は不要である。このフィル
タ33には通風の方向性があり、一見しただけでは表裏
の区別がし難いため、方向性を間違えて装着することの
ないように通風方向を示す表示43が施されている。こ
の方向性を示す表示43は図13に示すように枠42に
矢印を付けるか、瀘材41の表裏を色分けする等の仕方
で行なえば良い。図14に示すように換気扇に装着した
フィルタ33は、吹出口22間を隔てるグリル5の入隅
部分で曲がり込むことになり、曲げ部分の瀘材41の内
側は山同士が密接し、他の部分に比べ通気性が低くなる
が、この部分の通気性が低くても吹出口22に対応する
部分ではないので問題はなく、むしろこれを利用してグ
リル5の吹出口22間の補強構造とすれば好都合であ
る。
【0052】実施の形態3.この実施の形態3は、実施
の形態2と同様に実施の形態1で示した換気扇に使用す
る換気扇用のフィルタ33に関するものであり、換気扇
自体の構成は実施の形態1のものと基本的に同じであ
る。従って、実施の形態1のものと同一又は相当部分に
ついては実施の形態1のものと同じ符号を用いそれらに
ついての説明は省略する。
【0053】この換気扇用のフィルタ33も、実施の形
態2で示したものと同様、表裏で組織の密度が異る柔軟
で薄手の多孔質繊維性シート40を山と谷が交互に連続
するベロー状に形成した表面積の大きい瀘材41により
形成されている。図15に示すフィルタ33は、この瀘
材41を幅方向に山と谷が走る帯状に成形し、その長手
方向の両端に伸縮性と気密性を持つポリエチレンからな
る枠42を装着して、端辺同士を結合し環状にした簡単
な構造である。即ち、実施の形態2のフィルタ33を予
め閉ループにしたものである。フィルタ33全体は柔軟
で可撓性と半径方向への伸縮性もあるので、支持させる
構造に応じて角形にも丸形にも自由に形を変えることが
できる。換気扇に対しては既に環状の形態にあるので実
施の形態1や実施の形態2で示したフィルタ33より扱
い易く容易に装着することができる。
【0054】このフィルタ33にも通風の方向性があ
り、一見しただけでは通風の方向の区別がし難いが、環
状の形態をとっていることにより内側と外側が規定され
取付け方向を間違えることは殆どないので帯状のものよ
り使い易いものとなる。確認の意味で通風方向を示す表
示43が実施の形態2と同様に施されている。実施の形
態1で示した換気扇に使う場合は、内側が粗で外側が密
になる環とし、外から内側へ空気を流すものに使う場合
には、内側が密で外側が粗になる環とする。しかし、実
際には全体が柔軟で伸縮性もあるので、メビウスの帯の
ようにひっくり返して内外を反転させることができ、表
示43も対応することになるので、内側が粗で外側が密
になるフィルタ33はそのまま、ひっくり返して内側が
密で外側が粗になるフィルタ33として用いることがで
きる。これ以外の機能や利点は実施の形態2のものと同
じである。
【0055】
【発明の効果】以上、実施の形態での説明からも明らか
なように、請求項1の発明によれば、フィルタを厚くす
ることも薄くすることもでき、低コストでフィルタの性
能を簡単に調節できる多方向に吹出口を持つ換気扇が得
られる。
【0056】請求項2の発明によれば、給排気方向につ
いての選択性と、換気風量の調節機能とを換気扇に付与
することができる。
【0057】請求項3の発明によれば、フィルタを厚く
することも薄くすることもでき、低コストでフィルタの
性能を簡単に調節でき、給気方向についての選択性と、
換気風量の調節機能とを有する換気扇が得られる。
【0058】請求項4の発明によれば、請求項3に係る
前記効果とともに天井への取付けにおいてグリルの落下
を防止することができ使い易さが向上する。
【0059】請求項5の発明によれば、請求項3に係る
前記効果とともにスライドシャッタとフィルタの保持に
かかる構成が簡素になる。
【0060】請求項6の発明によれば、高気密住宅に適
した換気扇が得られる。
【0061】請求項7の発明によれば 通風方向に方向
性を持つ低コストで高性能のフィルタによる空気浄化機
能の優れた多方向に吹出口を持つ換気扇が得られる。
【0062】請求項8の発明によれば、通風方向に方向
性を持つ低コストで高性能のフィルタによる空気浄化機
能が優れ、しかもフィルタの取付け間違いを防止できる
使い易い多方向に吹出口を持つ換気扇が得られる。
【0063】請求項9の発明によれば、フィルタの通気
性の低下する部分に対応する部分が補強部分となるグリ
ルを構成でき、曲げ部分があってもフイルタの機能を保
持できる。
【0064】請求項10の発明によれば、請求項7〜請
求項9までのいずれかに係る前記効果とともに、フィル
タの取付け間違いをより確かに防止でき、使い易さが向
上する。
【0065】請求項11の発明によれば、請求項7に係
る前記効果とともに、フィルタと換気扇側との気密が別
部材なしに保持できコストが低減する。
【0066】請求項12の発明によれば、請求項8又は
請求項9に係る前記効果とともにフィルタと換気扇側と
の気密が別部材なしに保持できコストが低減する。
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の換気扇を取付け状態で示した
側面図である。
【図2】 図1の換気扇のグリルのみを示す背面図であ
る。
【図3】 図1の換気扇のグリルの分解斜視図である。
【図4】 図1の換気扇の本体のフランジの一部を示す
斜視図である。
【図5】 図1の換気扇の本体の一部を示す側面図であ
る。
【図6】 図1の換気扇のスライドシャッタのつまみを
示す側面図である。
【図7】 図1の換気扇のグリルの部分断面図である。
【図8】 図1の換気扇の弾性係止手段を拡大して示す
側面図である。
【図9】 実施の形態1の換気扇の他の取付け状態を示
す側面図である。
【図10】 図9の換気扇のグリルの落下防止機能を示
す説明図である。
【図11】 実施の形態2のフイルタの瀘材の組織を示
す拡大図である。
【図12】 実施の形態2のフイルタの瀘材を示す部分
拡大図である。
【図13】 実施の形態2のフイルタを示す斜視図であ
る。
【図14】 実施の形態2のフイルタを換気扇に装着し
た状態を示すグリルの背面図である。
【図15】 実施の形態3のフイルタを示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1 部屋 2 隔壁 3 取付孔 4 本体 5 グリル 8 送風機 10 フランジ部 11 立上り部 12 電源コード 13 コード引出孔 14 ブッシュ 15 リブ構造 16 掛止突起 17 凸部 18 凹部 19 周側 21 スリット 22 吹出口(通風口) 23 スライドシャッタ 24 スリット 25 つまみ 29 リブ 32 リブ 33 フィルタ 35 フック 36 弾性係止手段 37 係合孔 38 掛止 41 瀘材 42 枠 43 表示
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−151365(JP,A) 実開 平2−70141(JP,U) 実開 昭59−158928(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 7/00 - 7/06

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部屋の内外を隔てる隔壁に形成された取
    付孔に対して装着する本体と、この本体の部屋側端を被
    覆する状態に装着するグリルとからなり、上記本体には
    部屋の外の空気を吸込み本体の部屋側の開口端から吹出
    す送風機を組み込み、上記グリルには上記本体の部屋側
    の開口端の外方にあるその周側部に吹出し方向が互いに
    異る複数の吹出口を設け、このグリルの内側には、上記
    各吹出口を一括して通気可能に被覆する一連の帯状に形
    成したフィルタを上記本体の室内の開口端を囲むように
    着脱可能に装着したことを特徴とする換気扇。
  2. 【請求項2】 部屋の内外を隔てる隔壁に形成された取
    付孔に対して装着する本体と、この本体の部屋側端を被
    覆する状態に装着するグリルとからなり、上記本体には
    給気用又は排気用のいずれかの送風機を組み込み、上記
    グリルには上記本体の部屋側の開口端の外方にあるその
    周側部に複数列のスリットで構成した開口方向が互いに
    異る複数の通風口を設け、このグリルの各通風口の内側
    には、外側からのスライド操作により各通風口を全閉か
    ら全開までに調節できるスライドシャッタを個別に設け
    たことを特徴とする換気扇。
  3. 【請求項3】 部屋の内外を隔てる隔壁に形成された取
    付孔に対して装着する本体と、この本体の部屋側端を被
    覆する状態に装着するグリルとからなり、上記本体には
    部屋の外の空気を吸込み本体の部屋側の開口端から吹出
    す送風機を組み込み、上記グリルには上記本体の部屋側
    の開口端の外方にあるその周側部に複数列のスリットで
    構成した開口方向が互いに異る複数の吹出口を設け、こ
    のグリルの各吹出口の内側には、外側からのスライド操
    作により各吹出口を全閉から全開までに調節できるスラ
    イドシャッタを個別に設け、このスライドシャッタの内
    側には、上記各吹出口を一括して通気可能に被覆する一
    連の帯状に形成したフィルタを上記本体の部屋側の開口
    端を囲むように着脱可能に装着したことを特徴とする換
    気扇。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の換気扇であって、その
    本体には隔壁の部屋側の面に当て沿うフランジ部を設
    け、このフランジ部には、その一方の端縁に隔壁への当
    り面より後退した位置に上記隔壁の部屋側の面に沿って
    突き出す掛止突起を設け、この一方の端縁に対向する端
    縁には凸部を設け、そのグリルには、隔壁側の端縁の一
    部に上記掛止突起を差し通すことができる係合孔を設
    け、この係合孔の反対側に上記凸部に弾性変形により係
    脱させうる係止手段を設け、上記係合孔に掛止突起を差
    し通して、上記凸部に係止手段を掛け止めることにより
    上記グリルが上記本体に装着されるようにするととも
    に、上記掛止突起にはその隔壁側に凹部を設け、上記係
    合孔の隔壁側の孔縁をこの凹部に係合する構造にしたこ
    とを特徴とする換気扇。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の換気扇であって、その
    グリルの内部に各スライドシャッタをそれぞれスライド
    可能に保持する複数のリブを形成し、これらのリブの内
    側にこれらのリブとの間にフィルタを保持させることが
    できるリブを形成したことを特徴とする換気扇。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3までのいずれかに記載の換
    気扇であって、上記本体には上記隔壁の部屋側の面に当
    る立上り部を外周に持ち隔壁に沿うフランジ部を設け、
    このフランジ部の一部には上記送風機に接続する電源コ
    ードを引き出すコード引出孔を設け、このコード引出孔
    には上記電源コードの挿通を許容する状態でコード引出
    孔を塞ぐブッシュを設け、かつこのコード引出孔の隔壁
    側を、フランジ部に形成した上記立上り部と同じ高さの
    リブ構造により囲い込んだことを特徴とする換気扇。
  7. 【請求項7】 部屋の内外を隔てる隔壁に形成された取
    付孔に対して装着する本体と、この本体の部屋側端を被
    覆する状態に装着するグリルとからなり、上記本体に
    は、部屋の外の空気を吸込み本体の部屋側の開口端から
    吹出す送風機を組み込み、上記グリルには上記本体の部
    屋側の開口端の外方にあるその周側部に開口方向が互い
    に異る複数の吹出口を設け、このグリルの各吹出口の内
    側には、上記吹出口を一括して通気可能に被覆する一連
    の帯状に形成した通風方向に方向性を持ち可撓性のある
    フィルタを上記本体の室内の開口端を囲むように着脱可
    能に装着したことを特徴とする換気扇。
  8. 【請求項8】 部屋の内外を隔てる隔壁に形成された取
    付孔に対して装着する本体と、この本体の部屋側端を被
    覆する状態に装着するグリルとからなり、上記本体に
    は、部屋の外の空気を吸込み本体の部屋側の開口端から
    吹出す送風機を組み込み、上記グリルには上記本体の部
    屋側の開口端の外方にあるその周側部に開口方向が互い
    に異る複数の吹出口を設け、このグリルの各吹出口の内
    側には、上記吹出口を一括して通気可能に被覆する環状
    に形成した通風方向に方向性を持ち可撓性のあるフィル
    タを上記本体の室内の開口端を囲むように着脱可能に装
    着したことを特徴とする換気扇。
  9. 【請求項9】 部屋の内外を隔てる隔壁に形成された取
    付孔に対して装着する本体と、この本体の部屋側端を被
    覆する状態に装着する平面形状が方形の角型のグリルと
    からなり、上記本体には、部屋の外の空気を吸込み本体
    の部屋側の開口端から吹出す送風機を組み込み、上記グ
    リルには上記本体の部屋側の開口端の外方にあるその周
    側部に開口方向が互いに異り、そのグリルの入隅部によ
    り互いに隔てられた複数の吹出口を設け、このグリルの
    各吹出口の内側には、上記吹出口を一括して通気可能に
    被覆する環状に形成した通風方向に方向性を持ち半径方
    向に伸縮できるベロー状に瀘材を構成した可撓性のある
    フィルタを上記本体の室内の開口端を囲むように上記グ
    リルの内周側に沿って着脱可能に装着したことを特徴と
    する換気扇。
  10. 【請求項10】 請求項7〜請求項9までのいずれかに
    記載の換気扇であって、フィルタに通風方向を示す表示
    要素を設けたことを特徴とする換気扇。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載の換気扇であって、フ
    ィルタを山と谷が交互に幅方向に連続するベロー状の帯
    に形成した瀘材と、この瀘材の長手方向の両端に固着し
    た伸縮性と気密性を持つ枠とにより形成したことを特徴
    とする換気扇。
  12. 【請求項12】 請求項8又は請求項9に記載の換気扇
    であって、フィルタを山と谷が交互に中心線の方向に連
    続するベロー状の環に形成した瀘材と、この瀘材の中心
    線方向の両端に固着した伸縮性と気密性を持つ枠とによ
    り形成したことを特徴とする換気扇。
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