JP3385593B2 - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JP3385593B2
JP3385593B2 JP2000150449A JP2000150449A JP3385593B2 JP 3385593 B2 JP3385593 B2 JP 3385593B2 JP 2000150449 A JP2000150449 A JP 2000150449A JP 2000150449 A JP2000150449 A JP 2000150449A JP 3385593 B2 JP3385593 B2 JP 3385593B2
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ink
light
printing
cylinder
receiving sensor
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英明 井上
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Riso Kagaku Corp
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  • Ink Jet (AREA)
  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)
  • Measurement Of Levels Of Liquids Or Fluent Solid Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷装置に関するも
のであり、さらに詳しくは、インク容器内の印刷用イン
クの残量を検知するための構成が改良された印刷装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】印刷用のインクを内部に収容しているイ
ンク容器を交換可能に装着して印刷を行なう孔版印刷装
置のような印刷装置を使用する場合は、インク容器内の
インクをほぼ完全に使用し終えると、その空のインク容
器を取り出して処分し、新たにインクが満たされている
インク容器を装着して印刷を再開する。あるいは、イン
クを使い終えて一度空になったインク容器に再びインク
を充填し、それを印刷装置に再度装着して用いる場合も
ある。
【0003】このようなディスポーザル(使い切り)型
あるいは再利用型のインク容器のいずれを用いる場合で
も、インク残量の確認を行わなければ、予期せぬ時に不
意にインク切れを来してしまい、それに対するインク容
器の交換あるいはインクの補充などの準備や用意などの
対応がつかなくなって、その間は印刷装置の動作を停止
せざるを得なくなる。したがって、孔版印刷のような印
刷装置にあっては本来、印刷動作の時間的能率が高いこ
とが最も有効な長所の一つであるが、そのような長所が
上記のようなインク切れによって阻害されてしまうこと
になる。そこで、インク切れを来す直前あるいはインク
残量が少くなる前に、それを確認することが要求され
る。
【0004】そのために、まず考えられる最も簡単な対
策としては、ユーザが目視によってインク残量を確認す
るというものであるが、インク容器は一般に印刷装置内
の奥深い位置に装着されているので、ユーザがインク残
量を確認するためには、印刷装置の動作を一旦停止させ
た上でその印刷装置からインク容器を目に見える位置に
まで取り出し、さらにそのインク容器の蓋体を開けるな
どして内部のインクの液面の位置を目視にて確認するこ
とが必要となる。
【0005】あるいは、インク容器が半透明な材料など
で形成されている場合には、その半透明な側壁面を透か
して内部のインクの残量を目視にて確認することが必要
となる。このような一連の動作をインク残量を見るため
だけにわざわざ行うことは、ユーザにとって極めて煩雑
である。そこで、インク容器を印刷装置内に装着したま
まで、その内部のインク残量が少くなったことを確認す
るための手法が、従来から提案され、あるいは利用され
ている。
【0006】その代表的な手法の一つとしては、第1
に、インクポンプを用いてインクを容器から吸い出して
版胴などに供給する印刷装置において、そのインクポン
プが動作していてもインクが吸い出されてこない状態で
あれば、その場合にはインクの残量が殆ど無くなって来
ているものと判定するという手法で、例えば特開平7−
61739号公報によって提案されている。
【0007】また第2に、インク容器の端部などに光発
/受信器を設けておき、その容器内のインク掻き落とし
用の内蓋に向けて光を照射し、その内蓋で反射されて戻
って来た反射光の光量に基づいて内蓋の移動量を検知し
て、その移動量に対応したインク残量を算出するという
手法が、例えば特開平6−199371号公報によって
提案されている。
【0008】あるいはその他にも、半透明のインク容器
を用いる場合などでは、その側面の一方から光を照射し
て、その内部にインクが残っていなければそれとは反対
側の側面に配置された受光センサに光が到達し、それに
基づいてインク残量が少なくなったことを検知するとい
った手法なども提案されている。この手法では、例えば
容器内にインクが満杯か、それとも所定の残量以上残っ
ているか、あるいは所定の残量未満の状態かというよう
に、インク残量を段階的に検出できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
第1に述べた従来の手法では、容器内のインクの有無を
検出することはできるが、インク残量を連続量的に検知
することができないので、ユーザはインク切れが実質的
に生じるまではインクの残量についての情報を把握する
ことができない。またインク切れが実際に発生した後で
しかインク切れを知ることができないので、インク切れ
に対して余裕を持った対応ができない場合があった。
【0010】また、上記の第2に述べた従来の手法で
は、インク残量を連続量的に検知することは可能である
が、実際には、内蓋で反射される光のみを精確に検出で
きるというわけではない。すなわち、検知用に照射され
た光は内蓋の他にもインク容器内の側壁面などでも乱反
射されることが多く、また内蓋の水平性も必ずしも厳密
に保たれているわけではないので、これらに起因して反
射光にノイズが発生することが多い。このためインク残
量の検出精度が低いという問題がある。
【0011】また第3に、光軸がシリンダの直径を横断
するように光照射手段と受光センサとを対向して配置し
た場合には、照射光がシリンダ壁面を2度も透過した後
に受光センサに到達することになるので、受光センサに
て検出可能な光量あるいは光の強さが著しく悪化する。
このためインク残量の検出精度が低いという問題があ
る。
【0012】本発明は上記の点に鑑みて成されたもの
で、従来よりもさらに確実にインク残量を検知して、イ
ンク切れ状態が発生する前にインク残量を正確に把握で
きる印刷装置を提供することを目的とする。さらに本発
明は、そのようなインク残量の検知を、簡易な手法によ
って正確に実行可能とすることを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による一つの印刷
装置は、インク容器が印刷装置本体に固定的に設置され
ていてインクを外部から補給可能とした印刷装置を前提
とするものであって、印刷用媒体に対して印刷を行う印
刷手段、および、前記印刷に用いられるインクを吐出す
る吐出口が先端に設けられたシリンダと該シリンダの側
面内壁に沿って摺動可能なピストンとによって囲まれた
空間に前記インクを収容するインク容器であって、少な
くとも前記シリンダの側面が半透明または透明な材料で
形成されたインク容器を有する印刷装置において、受け
た光に対応して電気信号を出力する受光センサであっ
て、前記シリンダの後端近傍に配置された受光センサ
と、前記シリンダの側面を1度のみ透過させて前記受光
センサに光を照射するように、該側面の外側に配置され
た光照射手段と、前記受光センサから出力された電気信
号に基づいて、前記インク容器の内部のインク残量を検
知するインク残量検知手段とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0014】なお、上記の「半透明または透明な材料」
とは、光照射手段から照射されてシリンダ側面を透過し
た光が、受光センサで検出され得る程度の光透過性を有
する材料を指すものとする。これは換言すれば、シリン
ダ側面を透過した後に受光センサが検出できる程度の強
さの光を発する光照射手段を用いると共に、そのような
透過光を確実に検出できる感度の受光センサを用いる必
要があることを意味している。
【0015】本発明による別の印刷装置は、印刷装置本
体に着脱可能とされたインク容器すなわち、ディスポー
ザブルな(いわゆる使い捨て方式の)インク容器や、印
刷装置本体からインク容器を取り出して新たにインクを
詰め替えるように構成された印刷装置を前提とするもの
であって、印刷用媒体に対して印刷を行う印刷手段、お
よび、前記印刷に用いられるインクを吐出する吐出口が
先端に設けられたシリンダと該シリンダの側面内壁に沿
って摺動可能なピストンとによって囲まれた空間に前記
インクを収容するインク容器であって、少なくとも前記
シリンダの側面が半透明または透明な材料で形成されて
おり、前記印刷手段が配置された印刷装置本体に着脱可
能に装着されたインク容器を有する印刷装置において、
受けた光に対応して電気信号を出力する受光センサであ
って、前記インク容器が装着された状態で前記シリンダ
の後端近傍に位置するように配された受光センサと、前
記シリンダの側面を1度のみ透過させて前記受光センサ
に光を照射するように、該側面の外側に配置された光照
射手段と、前記受光センサから出力された電気信号に基
づいて、前記インク容器の内部のインク残量を検知する
インク残量検知手段とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0016】なお本発明の印刷装置において、上記光照
射手段は、前記ピストンの移動方向に沿って複数設置さ
れて、該方向における位置が異なるもの毎に点灯状態を
順次変化させて駆動するように構成され、インク残量検
知手段は、前記複数の光照射手段の点灯状態の変化に伴
う前記受光センサの出力変化に基づいて前記インク残量
を検知するように構成されるのが望ましい。
【0017】上述のように、複数設置された光照射手段
を、ピストン移動方向における位置が異なるもの毎に点
灯状態を順次変化させる方式としては、この位置が異な
るもの同士の間で点灯タイミングを変えてパルス状に駆
動する、点灯開始タイミングを変えて駆動する、消灯タ
イミングを変えて駆動する、等の方式を好適に採用する
ことができる。
【0018】また上記光照射手段は、前記ピストンの移
動方向に沿って複数設置されて、互いに同時に駆動する
ように構成され、インク残量検知手段は、前記受光セン
サの出力の大きさに基づいて前記インク残量を検知する
ように構成されてもよい。
【0019】また本発明において上記光照射手段は、前
記ピストンの移動方向の位置が略一定のところにおいて
複数設けられるのが望ましい。
【0020】
【発明の効果】本発明による印刷装置においては、イン
ク容器のシリンダ側面の外側に光照射手段が配置されて
おり、シリンダの後端近傍に配置された受光センサは、
インク容器の半透明または透明なシリンダ側面を1度の
み透過した光を受光する。このとき、一般にインクは不
透明なので、インクが残っているシリンダ部分に対向し
て配置されている光照射手段からの光は受光センサに全
く到達しないか、あるいは極めて微量しか到達せず、基
本的には、インクが残っていないシリンダ部分に対向し
て配置されている光照射手段からの光だけが受光センサ
に到達して検出されるので、シリンダのインク残量に応
じて受光センサの受光状態が明確に変化する。
【0021】すなわち、まず最も簡単な構成を例に挙げ
て説明すれば、シリンダのピストン移動方向所定位置に
1つの光照射手段を配置した構成では、その位置にまだ
インクが残っている場合は受光センサの受光量が比較的
少ないかあるいは皆無となり、それに対してその位置に
インクが残っていない場合は受光センサの受光量が比較
的多くなるので、この受光センサの2値的出力変化に基
づいてインク残量を(この場合より詳しくは、光照射手
段の設置位置にインクが残っているか否かを)検知する
ことができる。
【0022】上記の例では、シリンダのピストン移動方
向の1つの位置におけるインクの有無しか検出できない
が、光照射手段をピストンの移動方向に沿って複数設置
しておき、受光センサとして、インクによって遮られて
いない光照射手段の数に対応する光量変化を識別できる
ものを用いれば、受光センサの受光量に基づいて、シリ
ンダ内のインク残量を光照射手段の設置位置毎に段階的
に検知することができる。
【0023】また、上述のように光照射手段を複数設置
する場合、受光センサが受光の有無を判別する程度の性
能しか持たず、受光量の細かい変化は正確に検出できな
いものであっても、複数の光照射手段を点灯状態を順次
変化させて駆動させることにより、シリンダ内のインク
残量を正確に検知可能となる。
【0024】すなわち、例えば複数設置された光照射手
段を、設置位置が異なるもの同士の間で点灯タイミング
を変えてパルス状に駆動させ、それに伴う受光センサの
出力変化を前記インク残量検知手段が検知するようにし
ておけば、複数の光照射手段の各設置位置毎にインクが
残っているか否かを検知することができるから、結局、
インク残量を光照射手段の設置位置毎に段階的に検知す
ることができる。
【0025】なお、光照射手段として発光ダイオード
(LED)等を用いる場合は、それらをパルス状に駆動
することにより、連続駆動する場合と比べてより高い発
光強度を得ることができるので、インク残量の検知精度
を高めることができる。
【0026】また受光センサが、インクによって遮られ
ていない光照射手段の数に対応する光量変化を正確には
識別できなくても、複数の光照射手段のうちの1つ(イ
ンクによって遮られていないもの)が点灯開始した際、
あるいは消灯した際の受光量変化を大まかに検出できる
ものであれば、その場合もインク残量を段階的に検知す
ることができる。すなわち、複数設置された光照射手段
を、設置位置が異なるもの同士の間で点灯開始タイミン
グ、あるいは消灯タイミングを変えて駆動し、それに伴
う受光センサの出力変化をインク残量検知手段が検知す
るようにしておけば、複数の光照射手段の各設置位置毎
にインクが残っているか否かを検知することができるか
ら、結局、インク残量を光照射手段の設置位置毎に段階
的に検知することができる。
【0027】なお上記光照射手段を、ピストンの移動方
向の位置が略一定のところにおいて複数設けておけば、
インクの残渣が残る等してインクの減り方がシリンダの
周方向内で不均一になっていても、さらにはシリンダの
側面内壁に汚れが付着する等していても、正確にインク
残量を検知することができる。そのようにする場合、ピ
ストンの移動方向の位置が略一定のところにおける光照
射手段の設置数は、インクの有無の検出をより正確に行
いたい部分(一般には、シリンダ内のインク残量が皆無
に近い検出箇所)ほどより多くしておくのが好ましい。
【0028】また、本発明の印刷装置は上述の通りの構
成を有するものであるから、インク容器のシリンダ側面
が半透明あるいは透明であれば、そのようなインク容器
およびその中に収容されるインクの構造や材料などには
何らの変更を施さなくとも、実質的に一般的な既存の設
定のままで、受光センサやインク残量検知手段によって
インク残量を確実に検知することができる。
【0029】そこで、インク残量の情報を正確にユーザ
が把握できるようになり、インク切れに対する余裕を持
った対応が可能となる。その結果、孔版印刷装置などに
おける突然のインク切れなどに起因した印刷動作の時間
的能率の低下を防ぐことが可能となる。
【0030】しかも、本発明の印刷装置においては、イ
ンク容器の半透明または透明なシリンダ側面を1度のみ
透過した光を受光センサが受光する構造を有するので、
受光センサに到達する光量の減衰を少なくすることがで
き、その結果、インク残量を確実に検知可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形
態による印刷装置の概略構成を示すものである。本実施
形態の印刷装置は一例として孔版印刷装置であって、図
示のように、印刷用紙やOHP用透明シート等の印刷用
媒体(図示省略)に対して孔版印刷を行うための版胴や
印刷用紙搬送機構等を備えた印刷機構部10と、印刷用の
インク11を内部に収容したインク容器12と、インク残量
検知に関わる制御基板13と、全体制御用の本体制御基板
14とを備えている。
【0032】上記印刷機構部10については、従来公知の
一般的なものを用いることができるので、その構成や動
作についての詳細な説明および図示は省略する。
【0033】一方インク容器12は、インク11を吐出する
吐出口15が先端に設けられた略円筒状のシリンダ16と、
該シリンダ16の側面16aの内壁に沿って摺動可能なピス
トン17とからなるものであり、シリンダ16とピストン17
とによって囲まれた空間にインク11を収容する。
【0034】インク容器12を構成するシリンダ16および
ピストン17は、インク11やそれに含まれる溶剤に対して
材質的に(化学的に)侵されるおそれのない、例えばポ
リエチレンやポリエステルのような材料を用いて形成さ
れており、乳白色の半透明なものとなっている。ピスト
ン17は、シリンダ16の吐出口15からインク11が吐出され
てインク残量が少なくなるにつれて、大気圧に押されて
シリンダ側面16aの内壁に沿って吐出口15側に摺動す
る。またシリンダ16の後端面には開口18が設けられて、
そこには受光基板19に固定された受光センサ20が配され
ている。
【0035】上述のようなインク容器12の形状および構
造、並びにインク11の原料等については、一般に用いら
れているものを採用することができる。むしろ、一般的
なインク容器12およびインク11をそのまま用いても、簡
易な手法によって正確にインク残量を検知可能であると
いうことが本発明の効果の一つであるから、そのように
することが望ましい。
【0036】またインク容器12は、印刷装置本体に固定
的に設置されていてそこにインク11が外部から補給され
るものであってもよいし、あるいは、印刷装置本体に着
脱可能とされたいわゆるディスポーザブルな(いわゆる
使い捨て方式の)もの、さらには印刷装置本体から取り
出して新たにインク11を詰め替えるように構成されたも
のであってもよい。
【0037】シリンダ16の移動方向に沿った3つの位置
P1、P2およびP3には、それぞれシリンダ側面16a
に近接して対面する状態にして、光照射手段としてのL
ED(発光ダイオード)が配設されている。
【0038】位置P1はインク残量が10%となる位置で
あり、ここには一例として3個のLED1-1、LED1-2
およびLED1-3が配設されている。位置P2はインク
残量が30%となる位置であり、ここには一例として1個
のLED2が配設されている。また位置P3はインク残
量が50%となる位置であり、ここには一例として2個の
LED3-1およびLED3-2が配設されている。
【0039】上記3個のLED1-1、LED1-2およびL
ED1-3は、シリンダ16の周方向に亘って略等角度間隔
で、つまり略120°間隔で配設されている。なお以下で
は、これら3個のLED1-1、LED1-2およびLED1-
3をまとめてLED1と称することがある。また上記2個
のLED3-1およびLED3-2も、シリンダ16の周方向に
亘って略等角度間隔で、つまり略180°間隔で配設され
ている。なお以下では、これら2個のLED3-1および
LED3-2をまとめてLED3と称することがある。
【0040】上記LED1、2あるいは3から発せられた
光は、その設置位置に対応するシリンダ部分にインク11
が存在しなければ、受光センサ20によって受光される。
そのとき、それらの光はシリンダ側面16aを1度だけ透
過して、受光センサ20に到達する。LED1、2あるいは
3の設置位置に対応する部分にインク11が存在する場
合、それらから発せられた光はインク11によって遮られ
るので、受光センサ20の受光量は皆無かあるいは極めて
微少となる。
【0041】なおシリンダ16の側面16aにおいては、イ
ンク11の残渣がピストン17によって掻き取られずにスジ
状等に残ることがある。そのようなことが生じても、位
置P1および位置P3では複数のLEDが配設されてい
るので、あるLEDから発せられた光がインク11の残渣
で遮断されたとしても、他のLEDから発せられた光が
受光センサ20に受光され得る。
【0042】図2は、上記の各LEDを駆動する回路を
示すものである。図示されるようにLED1-1は発光基
板30(図1では省略)に取り付けられ、コネクタ31、リ
ード線32およびコネクタ33を介して制御基板13(図1参
照)中の発光部基板13aに接続されている。他のLED
も、発光部基板13aとの接続は同様にしてなされている
ので、それらについての説明は省略する。
【0043】位置P1に配された3個のLED1-1、L
ED1-2およびLED1-3は互いに並列に接続され、駆動
制御用のトランジスタ41を介してCPU(中央処理装
置)40に接続されている。このCPU40からトランジス
タ41のベースにHighレベル信号からなる駆動信号が入力
されると、これらのLED1-1、LED1-2およびLED
1-3が互いに同時に点灯する。
【0044】また位置P2に配されたLED2は、駆動
制御用のトランジスタ42を介してCPU40に接続されて
いる。このCPU40からトランジスタ42のベースにHigh
レベル信号からなる駆動信号が入力されると、LED2
が点灯する。
【0045】また位置P3に配された2個のLED3-1
およびLED3-2も互いに並列に接続され、駆動制御用
のトランジスタ43を介してCPU40に接続されている。
このCPU40からトランジスタ43のベースにHighレベル
信号からなる駆動信号が入力されると、これらのLED
3-1およびLED3-2が互いに同時に点灯する。
【0046】一方受光センサ20としては、例えばフォト
トランジスタやフォトダイオードのように光を受けると
電気信号を出力する光電変換素子を用いることが望まし
く、本実施形態ではフォトトランジスタが用いられてい
る。
【0047】図3は、受光センサとしてのフォトトラン
ジスタ20の出力信号を処理する回路を示すものである。
図示されるようにフォトトランジスタ20は、ゲイン調整
用の固定抵抗21および可変抵抗22や、発振防止用のコン
デンサ23等とともに受光基板19に取り付けられている。
この受光基板19側の素子は、図2に示したものと同様の
コネクタ31、リード線32およびコネクタ33を介して制御
基板13(図1参照)中の受光部基板13bに接続されてい
る。
【0048】この受光部基板13bにおいて、上記フォト
トランジスタ20のエミッタ出力はRC回路からなるロー
パスフィルタ51、増幅用オペアンプ52を介してコンパレ
ータ53に入力され、このコンパレータ53の出力が前述の
CPU40(図2参照)に入力される。すなわち、フォト
トランジスタ20が受光した際にはコンパレータ53からC
PU40にHighレベル信号が入力され、受光しない場合は
コンパレータ53からCPU40にLowレベル信号が入力さ
れるようになっている。
【0049】なおCPU40、ローパスフィルタ51、増幅
用オペアンプ52およびコンパレータ53は、インク残量検
知手段として作用するものである。またCPU40とし
て、A−Dコンバータ入力端子を持つものを用いれば、
受光センサ20のアナログ出力をそのまま該CPU40に入
力させることも可能である。
【0050】図4は、上述したCPU40によるインク残
量検知の制御の流れを示すものであり、また図5はこの
インク残量を検知する際のLED1、2および3の駆動波
形並びにコンパレータ53の出力波形を示すものである。
以下、これらの図を参照して、インク残量検知のための
制御について説明する。
【0051】まずCPU40は図4のステップS1におい
て、インク容器12が所定位置にセットされているか否か
を判別する。この判別は、インク容器12の存在を検知す
る例えば光電センサや近接スイッチ等からの出力に基づ
いてなされる。ここでインク容器12が所定位置にセット
されていると判別されなかった場合、処理はその時点で
終了する(ステップS2)。
【0052】インク容器12が所定位置にセットされてい
ると判別された場合、CPU40は次にステップS3にお
いて、LED1すなわちLED1-1、LED1-2およびL
ED1-3の3個を全てON(点灯)させる。このときのL
ED1の駆動波形は図5の(1)となる。CPU40はステッ
プS4において、LED1のON後に10ms(ミリ・秒)
が経過したことを判別したならば、次にステップS5に
おいて受光読み込み、つまりコンパレータ53の出力取り
込みを行う。このステップS5の受光読み込みは、前述
の位置P1に配されたLED1からの光についてのもの
であるから、インク残量が10%以下であるか否かを判別
するためのものとなる。
【0053】次にCPU40はステップS6においてLE
D1をOFF(消灯)させた後、ステップS7においてLE
D2をONさせる。このときのLED2の駆動波形は図5の
(2)となる。CPU40はステップS8において、LED2
のON後に10ms(ミリ・秒)が経過したことを判別した
ならば、次にステップS9において受光読み込み、つま
りコンパレータ53の出力取り込みを行う。このステップ
S9の受光読み込みは、前述の位置P2に配されたLE
D2からの光についてのものであるから、インク残量が3
0%以下であるか否かを判別するためのものとなる。
【0054】次にCPU40はステップS10においてLE
D2をOFFさせた後、ステップS11においてLED3すな
わち2個のLED3-1およびLED3-2を全てONさせる。
このときのLED3の駆動波形は図5の(3)となる。CP
U40はステップS12において、LED3のON後に10ms
(ミリ・秒)が経過したことを判別したならば、次にス
テップS13において受光読み込み、つまりコンパレータ
53の出力取り込みを行う。このステップS13の受光読み
込みは、前述の位置P3に配されたLED3からの光に
ついてのものであるから、インク残量が50%以下である
か否かを判別するためのものとなる。その後CPU40は
ステップS14においてLED3をOFFさせる。
【0055】次にCPU40はステップS15において、上
記3回の受光読み込みの結果に基づいて、論理判別によ
りインク残量を求める。すなわち、3回の受光読み込み
でコンパレータ53の出力が全てHighレベルとなった場合
(図5の(4))、つまりLED1、2および3からの光が全
てフォトトランジスタ20に受光された場合は、インク残
量が10%以下であると判定される。
【0056】また3回の受光読み込みのうち、2回目お
よび3回目のコンパレータ53の出力がHighレベルとなっ
た場合(図5の(5))、つまりLED2および3からの光
がフォトトランジスタ20に受光された場合は、インク残
量が10%を超えて30%以下であると判定される。
【0057】また3回の受光読み込みのうち、3回目の
コンパレータ53の出力のみがHighレベルとなった場合
(図5の(6))、つまりLED3からの光のみがフォトト
ランジスタ20に受光された場合は、インク残量が30%を
超えて50%以下であると判定される。
【0058】また3回の受光読み込みで、コンパレータ
53の出力が全てLowレベルとなった場合(図5の(7))、
つまりLED1、2および3からの光がフォトトランジス
タ20に受光されなかった場合は、インク残量が50%を超
えていると判定される。
【0059】以上のようにして求められたインク残量
は、図示しない記憶手段の所定の場所に一時的に格納さ
れる。
【0060】CPU40は、図4の流れにおいてAからB
までの処理を3回繰り返し、それぞれの回に求められた
インク残量を上記記憶手段の互いに異なる場所に一時的
に格納する(ステップS16)。次にCPU40はステップ
S17において、3回求められたインク残量のデータのう
ち同じデータが2つ以上あるか否かを判定する。もし同
じデータが2つ以上あれば、CPU40は次にステップS
18においてそのデータをインク残量として確定し、確定
したインク残量を図示外の表示手段に表示させ、ステッ
プS19で処理を終了する。同じデータが2つ以上ない場
合、CPU40は次にステップS20においてインク残量検
知不良とみなし、インク残量の表示は行わずにステップ
S21で処理を終了する。
【0061】以上説明した通り本実施形態の印刷装置に
おいては、LED1、2あるいは3から発せられた光はシ
リンダ側面16aを1度だけ透過してフォトトランジスタ
20に到達するので、フォトトランジスタ20に到達する光
量の減衰を少なくすることができ、その結果、インク残
量を確実に検知することが可能となる。
【0062】また本実施形態では、ピストン17の移動方
向に沿って複数箇所に配設されたLED1、2および3
を、設置位置が異なるもの同士の間で点灯タイミングを
変えてパルス状に駆動させ、それに伴うフォトトランジ
スタ20の2値的出力変化に基づいてインク残量を検知す
るようにしているので、インク残量を極めて精度良く検
知可能となっている。さらに、LED1、2および3をパ
ルス状に駆動させていることにより、連続駆動する場合
と比べてより高い発光強度を得ることができるので、こ
の点からもインク残量の検知精度を高めることができ
る。
【0063】以上のようにしてインク残量を検知できれ
ば、それに基づいて、例えば未だインク容器12を取り替
えたり、スペアを用意したりする必要はないなどと判断
することができる。あるいは、次回の印刷が1ロットで
も多数部の印刷となることが予想される場合などには、
現在はインク11が半分以上残っていたとしても、その次
回の多量な印刷に備えて予備のインク容器12を数本用意
しておくことが必要である、などというように、そのと
きのユーザの都合にも対応した適切な判断を下すことが
可能となる。
【0064】以上、ピストン17の移動方向に沿って複数
箇所に配設されたLED1、2および3を、設置位置が異
なるもの同士の間で点灯タイミングを変えてパルス状に
駆動させるようにした実施形態について説明したが、前
述したように本発明においては、ピストンの移動方向に
沿って複数設置された光照射手段を設置位置が異なるも
の同士の間で点灯開始タイミング、あるいは消灯タイミ
ングを変えて駆動するようにしても、インク残量を光照
射手段の設置位置毎に段階的に検知することができる。
【0065】また上述した実施形態では、ピストン17の
移動方向に沿った3箇所に光照射手段を配設している
が、光照射手段の設置箇所をそれ以上に増やしてインク
残量検知の分解能をさらに高めることも可能である。あ
るいは、光照射手段をピストンの移動方向内の特に重要
度の高い1つの箇所に設置して、その箇所にインクが残
っているか否かを検知するようにしてもよい。
【0066】さらに、光照射手段をただ1つの箇所に設
置する場合でも、光量検出の分解能が高い受光センサ等
を用いることにより、その光検出信号の値に基づいてイ
ンク残量を連続的に検知することもできる。
【0067】他方、ピストン17の移動方向同一位置に配
置する光照射手段の数も、上記実施形態における3、
1、2に限られるものではなく、必要に応じて適宜の数
を選択すればよい。
【0068】なお本発明の印刷装置においては、使用す
るインクの色や、光照射手段が発する光の波長を特に制
限することなく、インク残量を正確に検出可能である。
また、受光センサの前側に集光レンズ等の集光手段を設
けたり、受光面積の大きい受光センサを選択使用するこ
とにより、集光効率を高めて、インク残量の検知精度を
より向上させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による印刷装置を示す概略
構成図
【図2】図1の印刷装置における電気回路の一部を示す
回路図
【図3】図1の印刷装置における電気回路の一部を示す
回路図
【図4】図1の印刷装置におけるインク残量検知のため
の処理の流れを示すフローチャート
【図5】図1の印刷装置における光照射手段の駆動波形
および受光出力波形を示す波形図
【符号の説明】
1-1、1-2、1-3、2、3-1、3-2 LED 10 印刷機構部 11 インク 12 インク容器 13 制御基板 14 本体制御基板 15 吐出口 16 シリンダ 16a シリンダ側面 17 ピストン 19 受光基板 20 受光センサ(フォトトランジスタ) 40 CPU 51 ローパスフィルタ 52 増幅用オペアンプ 53 コンパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−216371(JP,A) 特開 平10−24556(JP,A) 特開 平6−23310(JP,A) 特開 平10−217430(JP,A) 特開 平5−31881(JP,A) 特開 平10−318819(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 31/02 B41L 13/18 G01F 23/28

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷用媒体に対して印刷を行う印刷手
    段、および、 前記印刷に用いられるインクを吐出する吐出口が先端に
    設けられたシリンダと該シリンダの側面内壁に沿って摺
    動可能なピストンとによって囲まれた空間に前記インク
    を収容するインク容器であって、少なくとも前記シリン
    ダの側面が半透明または透明な材料で形成されたインク
    容器を有する印刷装置において、 受けた光に対応して電気信号を出力する受光センサであ
    って、前記シリンダの後端近傍に配置された受光センサ
    と、 前記シリンダの側面を1度のみ透過させて前記受光セン
    サに光を照射するように、該側面の外側に配置された光
    照射手段と、 前記受光センサから出力された電気信号に基づいて、前
    記インク容器の内部のインク残量を検知するインク残量
    検知手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 印刷用媒体に対して印刷を行う印刷手
    段、および、 前記印刷に用いられるインクを吐出する吐出口が先端に
    設けられたシリンダと該シリンダの側面内壁に沿って摺
    動可能なピストンとによって囲まれた空間に前記インク
    を収容するインク容器であって、少なくとも前記シリン
    ダの側面が半透明または透明な材料で形成されており、
    前記印刷手段が配置された印刷装置本体に着脱可能に装
    着されたインク容器を有する印刷装置において、 受けた光に対応して電気信号を出力する受光センサであ
    って、前記インク容器が装着された状態で前記シリンダ
    の後端近傍に位置するように配された受光センサと、 前記シリンダの側面を1度のみ透過させて前記受光セン
    サに光を照射するように、該側面の外側に配置された光
    照射手段と、 前記受光センサから出力された電気信号に基づいて、前
    記インク容器の内部のインク残量を検知するインク残量
    検知手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
  3. 【請求項3】 前記光照射手段が前記ピストンの移動方
    向に沿って複数設置されて、該方向における位置が異な
    るもの毎に点灯状態を順次変化させて駆動するように構
    成され、 前記インク残量検知手段が、前記複数の光照射手段の点
    灯状態の変化に伴う前記受光センサの出力変化に基づい
    て前記インク残量を検知するように構成されていること
    を特徴とする請求項1または2記載の印刷装置。
  4. 【請求項4】 複数設置された前記光照射手段が、前記
    ピストンの移動方向における位置が異なるもの同士の間
    で点灯タイミングを変えてパルス状に駆動することを特
    徴とする請求項3記載の印刷装置。
  5. 【請求項5】 複数設置された前記光照射手段が、前記
    ピストンの移動方向における位置が異なるもの同士の間
    で点灯開始タイミングを変えて駆動することを特徴とす
    る請求項3記載の印刷装置。
  6. 【請求項6】 複数設置された前記光照射手段が、前記
    ピストンの移動方向における位置が異なるもの同士の間
    で消灯タイミングを変えて駆動することを特徴とする請
    求項3記載の印刷装置。
  7. 【請求項7】 前記光照射手段が前記ピストンの移動方
    向に沿って複数設置されて、互いに同時に駆動するよう
    に構成され、 前記インク残量検知手段が、前記受光センサの出力の大
    きさに基づいて前記インク残量を検知するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1または2記載の印刷
    装置。
  8. 【請求項8】 前記光照射手段が、前記ピストンの移動
    方向の位置が略一定のところにおいて複数設けられてい
    ることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の
    印刷装置。
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