JP3385496B2 - 静電荷像現像剤及びそれに用いるキャリア - Google Patents
静電荷像現像剤及びそれに用いるキャリアInfo
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Description
有効なキャリアに関する。
キャリアとして、特開平2-187770号に記載される様な、
フェライト等の磁性体粒子の表面にポリオレフィンを重
合被覆せしめたものが提案されている。これはキャリア
へのトナースペントやキャリア被覆樹脂の摩耗がたいへ
ん改善された良好なキャリアではあるが、キャリア表面
の一部に磁性体粒子が露出している部分があったり、又
磁性体粒子表面の金属によっては重合が不安定になると
言う問題がある。このような磁性体粒子の露出部分には
特に高温高湿下でトナーがスペントしやすく、一方、重
合が不安定だとポリオレフィンと磁性体粒子の接着力が
弱く特に低温低湿下で膜剥がれが起こる。更に、フェラ
イトの比重は鉄粉のそれよりは小さいが、それでも重く
現像器内でのストレスで帯電性が変化する問題も未解決
であった。
に記載の様に、磁性体を分散したバインダー型コアの表
面にポリオレフィンを重合したキャリアが提案されてい
る。確かにバインダー型キャリアは比重が2.0〜3.0と小
さく現像器内でのストレス低減には有効であるが、バイ
ンダー型コアの表面が比較的平滑で触媒を担持しにくい
傾向にあり、ポリオレフィンの重合被覆が不均質で、コ
アと被覆樹脂との接着力が弱いと言う問題がある。
よりなされたものであり、その目的は、長期にわたって
使用しても、トナースペントや被覆樹脂の剥がれが発生
せず、又、帯電性の変化がなく画像品位を一定に保つこ
とができる静電荷像現像剤に用いるキャリアを提供する
ことにある。
2O3及び、{Li、Be、Na、Mg、K、Ca、Rb}から選ばれ
る元素の酸化物を5〜50モル%含有する、平均粒径が
磁性体粒子の平均粒径の1/100〜1/10の範囲に
あるグレインにより構成される、見かけ密度が1.60
〜2.60g/cm 3 の磁性体粒子の表面に、表面重合
被覆法により形成されたポリオレフィン樹脂の被覆層を
有するキャリア、及び、該キャリアと、着色剤及び樹脂
を含有するトナーとを含む静電荷像現像剤、によって達
成される。
よるポリオレフィン樹脂の被覆層を有するキャリアの有
する技術課題を、Fe2O3及び、{Li、Be、Na、Mg、K、C
a、Rb}から選ばれる元素の酸化物を有する磁性体粒子
を採用して解決したものである。磁性体粒子が、{Li、
Be、Na、Mg、K、Ca、Rb}から選ばれる元素の酸化物を
有することによる効果として、 1) 従来含有されていた銅、亜鉛等の重金属の酸化物
に比べて比重を小さくでき、従って現像器中でのストレ
スを低減できるので、キャリアの帯電性の変化を招かず
に安定した画像を得ることができる 2) 磁性体表面の焼結一次粒子径(以下、焼結一次粒
子を「グレイン」と言う。)を比較的均一に且つ微細に
コントロールすることが可能なため、表面上でのポリオ
レフィン樹脂の重合が均一に進み易く、磁性体粒子の露
出を避けることができるため、トナースペントの発生を
防止できる 3) 磁性体粒子表面でのポリオレフィン樹脂の重合の
阻害が少ないため、磁性体粒子とポリオレフィン樹脂と
の界面での接着が強固で、どのような現像プロセスに用
いてもポリオレフィン被覆層が剥がれないことが挙げら
れる。
a、Mg、K、Ca、Rb}から選ばれる元素の酸化物(以
下、「本発明の金属酸化物」とも言う。)は密度が2.0
g/cm2以下であり、Fe2O3と固溶体を形成することによ
って、適度な磁気特性及び低比重を得ることができる。
本発明の磁性体粒子の比重として好ましくは4.9g/cm3
以下、更には4.7g/cm3以下である。比重は、例えば気
相置換法による高精度自動体積計(例えば、エステック
社製VM-100等)を用いて測定することができる。
酸化物である必要はなく、焼結後に酸化物となってもよ
い。原料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸リチウム、硫酸リチウム等の酸素酸塩や、ハロ
ゲン化物、リチアキ石等の軽金属(リチウム)を主成分
とする鉱物等が挙げられる。
率は、キャリア磁性体粒子組成物全量に対して5〜50モ
ル%程度、好ましくは10〜45モル%である。5モル%以
下では、低比重を得ることができなかったり、均一で安
定な樹脂の重合ができなかったりすることがある。50モ
ル%以上では、感光体上に形成した静電潜像を正確に現
像し得る磁気特性が得られないことがある。
観点よりLi2O、Na2O、MgO、K2O、CaO、Rb2Oが好まし
く、又低比重を得易いこと、グレイン径の制御がし易い
ことによりLi2Oが好ましい。
の結晶化の促進及び均一な成長のために黄燐、赤燐、白
燐、黒燐、紫燐、金属燐、燐酸化物等の燐化合物を添加
することが好ましい。これにより、均一で微細なグレイ
ンを容易に得ることができ、キャリア強度も向上せし
め、現像器内での破壊に強いキャリアとすることができ
る。燐化合物の添加量としてはキャリア組成物全量に対
して0.05〜2重量%程度、更には0.1〜1重量%が好ま
しい。添加量が多すぎるとポリオレフィン樹脂の重合を
阻害する場合がある。
O3、Sb2O3、PbO2、CuO、B2O3、SiO2、CaO、Cs、Nb等の
希土類化合物や、Li2CO3、CuSO4、CuCl2、CaCO3等の金
属化合物)、グレイン径制御剤、キャリアの電気抵抗及
び帯電量を制御する成分等を添加してもよいが、本発明
の効果を遺憾なく発揮せしめるために、これらの成分の
総含有量は3重量%以下とすることが好ましい。
結された構造を持ち、磁性体粒子表面及び内部に多数の
微細な細孔を均一に形成することが可能なので、優れた
性能を付与することができる。即ち、磁性体粒子表面及
び内部に多数の微細な細孔を均一に形成すると、樹脂の
表面被覆を重合により行う際に用いる高活性な触媒を、
磁性体粒子表面だけでなく内部にも担持固定化せしめる
ことにより、磁性体粒子の内部から被覆樹脂を重合成長
させることができるので、磁性体粒子と被覆樹脂の接着
面積を大きくするのみならず、磁性体粒子内部の深い位
置まで密に被覆樹脂が存在する状態にでき、被覆樹脂の
剥がれを防止する。又、ポリオレフィンの重合は触媒が
担持された“グレインとグレインとの境界部分の細孔”
から開始するため、グレイン径が微細であることは磁性
体粒子の露出を無くすことに効果的である。ポリオレフ
ィンに比べて表面エネルギーの高い磁性体粒子の露出が
少ないと、その部分へのトナースペントが少なく、長期
に渡って安定した帯電性を維持することができ、高品質
なトナー画像を提供できる。
形成するためには、磁性体粒子を構成するグレインの粒
径と焼結密度をコントロールすることが重要である。本
発明においては、具体的には、磁性体粒子を構成するグ
レインの平均粒径が、磁性体粒子の平均粒径の1/100
〜1/10の範囲にあるものであり、更には1/75〜1/
20の範囲にあるものである。グレインの平均粒径が磁性
体粒子の平均粒径の1/100より小さいと、磁性体粒子
の機械的強度が不足して、現像器内で使用中にキャリア
の破壊が生じ、画像不良の原因となることがある。1/
10を越えると、磁性体粒子の表面及び内部に十分な細孔
が存在せず、被覆樹脂との接着力が低下する。尚、これ
らの平均粒径は磁性体粒子を撮影したSEM写真を用い
て計測することができる。
ンの焼結密度を反映するので、グレインの焼結密度は、
磁性体粒子の見かけ密度をパラメータとして評価でき
る。本発明においては、磁性体粒子の見かけ密度が1.60
〜2.60g/cm3 であり、好ましくは1.80〜2.40gcm3のも
のを用いると、好ましい結果を得ることができる。見か
け密度が1.60g/cm3より小さい場合では、グレイン間
の焼結強度即ち磁性体粒子の機械的強度が不足するた
め、現像器内で使用中にキャリアの破壊が生じ、画像不
良の原因となることがある。2.60g/cm3を越えると、
磁性体粒子の内部に十分な細孔が存在せず、被覆樹脂と
の接着力が低下する。尚、ここでの磁性体粒子の見かけ
密度は、JIS Z-2504に記載の方法で測定したものとす
る。
の製造方法によって製造でき、必要に応じて2種以上の
微粉末を混合焼結する。
法によりポリオレフィン樹脂を被覆して本発明のキャリ
アを得る。
レフィンモノマーの重合物、具体的には、エチレン、プ
ロピレン、ブテン、ブタジエン等のオレフィンモノマー
の重合物を言う。
リオレフィン樹脂を被覆する方法としては、例えば特開
昭60-106808号に記載の方法、具体的には、触媒を溶解
した溶液に予め本発明の磁性体粒子を分散含浸せしめ、
これにオレフィンモノマーを連続的に供給しつつ重合を
行う、等の方法が挙げられる。
電制御剤、抵抗調整剤を添加することができる。これら
の添加剤は重合を阻害しないように、具体的には、反応
槽内に微粒子の状態で存在させておけば、重合時にキャ
リア被覆層中に取り込ませることができ、最終的には、
被覆層中に添加剤を分散させてキャリアを得ることがで
きる。
アルミナ、酸化錫、炭化ケイ素、硫酸バリウム、硫酸マ
グネシウム等を用いることができる。又、抵抗調整剤と
しては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラッ
ク、マグネタイト微粒子、フェライト微粒子、アルミニ
ウム,銅,ニッケル,鉄等の金属微粒子等を用いること
ができる。
被覆量は、2.0〜12.0重量%程度、好ましくは3.0〜8.0
重量%である。2.0重量%より少ないと、磁性体粒子の
表面が露出しやすく、又、十分なストレス吸収の効果が
得られないことがある。12.0重量%を越えると、キャリ
アの流動性が低下するため、搬送不良による画像不良の
原因となることがある。
には、1000エルステッドにおけるキャリアの磁化の強さ
(σlk)は35〜100emu/g程度、好ましくは45〜80emu
/gである。35emu/gより小さいと、現像スリーブへ
の磁気束縛力が小さいためキャリア付着が発生したり、
磁気ブラシが小さくなるため、高濃度で良好な画像が得
られないことがある。100emu/gより大きいと、磁気ブ
ラシが堅くなり、潜像を現像したトナーを掃き取る、所
謂スカベージョン現象を起こして、現像方向に対して垂
直な線を消失しやすくなることがある。
が好ましく、より好ましくは50エルステッド以下であ
る。100エルステッドを越えると、キャリア自身の凝集
が強くなり、トナーとの混合性が低下したり、固定磁石
を備えてなる現像スリーブ上ではキャリアが強く密着
し、現像剤の搬送性が大きく低下して画像ムラが発生す
ることがある。磁気特性の測定は、例えば市販の直流磁
化特性自動記録装置(横河電機社製;3257-35型、等)
により測定することができる。
013Ωcmが好ましい。1×107Ωcmより小さいと、キャリ
ア粒子への感光体表面からの電荷の注入によるキャリア
付着が発生しやすく、1×1013Ωcmより大きい場合は、
高濃度の画像を得にくくなることがある。ここでは、電
気抵抗は体積固有抵抗のことを言い、次の様にして測定
したものとする。
円筒容器に充填し、100回タッピングを行って500gの荷
重下で試料高さを求めた後、DC100Vの電場を印加し
て電流値を測定する。(100〔V〕・断面積〔cm2〕)/
(電流値〔A〕・試料高さ〔cm〕)を体積固有抵抗値
〔Ωcm〕とする。
ましく、より好ましくは30〜150μmである。20μmより
小さい場合は、感光体へのキャリア付着が発生しやす
く、300μmより大きい場合は、表面重合被覆時に反応槽
内で均一な撹拌ができず、被覆膜を均一に形成すること
が困難となる場合がある。ここでのキャリアの平均粒径
は、湿式分散機を備えてなるレーザー回折式粒度分布測
定装置(例えばシンパテック社製;HELOS)により
測定される体積基準の平均粒径とする。
ーには制限はなく、常法により作製された、結着樹脂、
着色剤を主成分とし、必要に応じて離型剤、荷電制御
剤、磁性体、流動化剤等を添加したものを使用できる。
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
(モル比)とした各組成物を、それぞれボールミルで混
合し、得られた混合物を仮焼、粉砕して、結着剤として
ポリビニルアルコールを加え、スプレードライヤーによ
り造粒した。その後焼成し磁性体粒子C1〜C9を得
た。尚、焼成条件は所望のグレイン径と比重が得られる
最適条件に設定した。又、磁性体粒子及びグレインの平
均粒径はSEM写真を用いて100個の磁性体粒子及びグ
レインについて計測して求めたものである。
1の表面を、特開昭60-106808号に記載の表面重合被覆
法を参考にしてポリエチレン樹脂で被覆した。この際
に、カーボンブラック〔ライオンアクゾ社製;ケッチェ
ンブラックEC〕をポリエチレン樹脂に対して2.5重量
%添加分散したものを用いた。その後、目開き106μmの
篩によりスクリーニングして、通過して得られたキャリ
アをCC1とした。このキャリアの被覆量を熱天秤によ
り測定したところ、3.8重量%であった。
ポリオレフィン樹脂とその被覆量を表2に示すように変
えた以外は同様の方法でキャリアCC2〜CC8及び比
較キャリア1を作製した。
リル共重合体樹脂100重量部に対し、離型剤として低分
子量ポリプロピレン〔三洋化成社製;ビスコール660
P〕4重量部、着色剤としてカーボンブラック〔キャボ
ット社製;ブラックパールL〕12重量部、4級アンモニ
ウム塩〔オリエント化学工業社製;P-51〕1重量部を
混合し、2軸混練機にて溶融混練を行った。
風力分級を行い、平均粒径が7.5μmの着色粒子を得た。
更に、流動化剤として正帯電性疎水性シリカ微粒子〔ワ
ッカーケミカル社製;HDK-H2050E〕を着色粒子に
対して1.0重量部外添混合し、ここで用いるトナーとし
た。
とトナー26gをV型混合器に投入し、20分間混合して2
成分現像剤を調製する作業を、キャリアCC1〜CC5
及び比較キャリア1のそれぞれについて行い、現像剤1
〜8及び比較現像剤1を得た。
gを市販の複写機〔コニカ(株)製;U-Bix4155〕に搭載
し、20℃,50%RHの条件下で1万枚、続いて10℃、20%
RHで4万枚、更に33℃、80%RHで1万枚の計10万枚複写
して実写評価を行った。評価項目は以下の通り。
写し、複写1枚目と最終複写のものの出力画像の白紙に
対する相対反射濃度をマクベス濃度計(マクベス社製)
を用いて測定した。画像濃度1.30以上を良好であると判
断した。
写し、その出力画像の白紙に対する相対反射濃度をマク
ベス濃度計(マクベス社製)を用いて測定した。画像濃
度0.005以下は良好であると判断した。
℃、50%RHにおいて、ブローオフ粉体帯電量測定装置T
B-200(東芝ケミカル社製)により測定した。尚、測定
は複写1枚目と終了時の2度行い、両者の帯電量の差が
少ない程良好であると判断した。
終了後、現像器内からキャリアをサンプリングし、SE
Mにより任意の100個のキャリアについて表面観察を行
った。キャリア表面に樹脂被覆層の破損や剥離が観察さ
れたキャリア粒子の個数による評価を行い、異常の見ら
れるキャリア粒子の個数が100個当たり5個以下のもの
は良好と判断した。
を用いてキャリアのみを分離し、分離したキャリア3.0
gを100mlのメチルエチルケトン中に浸してスペント物
を溶かし、その溶液の500nmにおける透過率を分光光度
計(330型日立自記分光光度計)により測定し、その値
をスペント量(キャリア汚染度)とした。スペント物が
ない場合は100%であり、スペントの増加により値は小
さくなる。
リアでは、実写終了後もキャリア表面のポリオレフィン
被覆層の剥がれやトナースペントが起こらず、高品質な
出力画像を終始得ることができる。
の含有率が小さいので、使用後廃棄しても、環境を著し
く汚染することが無い。
Claims (2)
- 【請求項1】 Fe2O3及び、{Li、Be、Na、Mg、K、C
a、Rb}から選ばれる元素の酸化物を5〜50モル%含
有する、平均粒径が磁性体粒子の平均粒径の1/100
〜1/10の範囲にあるグレインにより構成される、見
かけ密度が1.60〜2.60g/cm 3 の磁性体粒子
の表面に、表面重合被覆法により形成されたポリオレフ
ィン樹脂の被覆層を有することを特徴とするキャリア。 - 【請求項2】 請求項1に記載のキャリアと、着色剤及
び樹脂を含有するトナーとを含むことを特徴とする静電
荷像現像剤。
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