JP3385111B2 - グルタミン酸受容体拮抗作用を有するアリールチオキノキサリン誘導体 - Google Patents

グルタミン酸受容体拮抗作用を有するアリールチオキノキサリン誘導体

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JP3385111B2 JP20058794A JP20058794A JP3385111B2 JP 3385111 B2 JP3385111 B2 JP 3385111B2 JP 20058794 A JP20058794 A JP 20058794A JP 20058794 A JP20058794 A JP 20058794A JP 3385111 B2 JP3385111 B2 JP 3385111B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中枢神経細胞のグルタ
メート受容体、特にNMDA受容体のグリシン結合部位
および/またはAMPA受容体に対して拮抗作用を示す
アリールチオキノキサリン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸など
のアミノ酸は、中枢神経系における神経伝達物質として
神経細胞活性化に重要である。しかし、これら興奮性ア
ミノ酸の細胞外での過剰な蓄積は、神経細胞の過度な刺
激を誘引し、パーキンソニスムス、老人性痴呆症、ハン
チントン舞踏病、てんかんなどの種々の脳神経学的疾
患、虚血症、ならびに、酸素欠乏時、低血糖状態時、頭
部または脊髄損傷時などに見られるような精神および運
動機能の欠失を引き起こすと考えられている(McGeer
ら、Nature、263、517-519(1976)、Simonら、Science、
226、850-852(1984)、Wieloch、Science、230、681-683
(1985)、Fadenら、Science、244、798-800(1989)、Turs
kiら、Nature、349、414-418(1991))。
【0003】上記興奮性アミノ酸の中枢神経細胞に対す
る活性は、神経細胞上に存在するグルタメート受容体を
介して作用することが知られている。従って、このよう
な受容体への上記興奮性アミノ酸の結合に拮抗する物質
は、上記疾患および症状の治療薬剤、例えば、抗てんか
ん薬、虚血性脳障害予防薬、抗パーキンソン病薬として
有用であると考えられている。
【0004】上記グルタメート受容体は、イオンチャン
ネル型と代謝型とに分類され、さらにイオンチャンネル
型は、アゴニストの選択性に基づいて、3種に分類され
る。これらは各々、NMDA(N-メチル-D-アスパラギ
ン酸)受容体、AMPA(2−アミノ−3−(3−ヒド
ロキシ−5−メチルイソキサゾール−4−イル)プロパ
ン酸)受容体およびカイネート受容体と呼ばれる。
【0005】NMDA受容体は、NMDA、イボテン酸
などのアゴニストで選択的に活性化される。このNMD
A受容体の強い刺激は、大量のカルシウムイオンの流入
を引き起こし、これが神経細胞死の原因の一つと考えら
れている。このNMDA受容体の選択的アンタゴニスト
として、これまでにD-AP5(D-2−アミノ−5−ホス
ホバレリン酸)、CPP(3−[2−カルボキシピペラ
ジン−4−イル]プロピル−1−リン酸)などが知られ
ている。
【0006】AMPA受容体は、AMPA、グルタミン
酸およびキスカル酸などのアゴニストで選択的に活性化
される。AMPA受容体のアンタゴニストとして、DN
QX(6,7−ジニトロキノキサリン−2,3−ジオ
ン)(Ferrosan)、CNQX(6−シアノ−7−ニトロ
キノキサリン−2,3−ジオン)、NBQX(2,3−
ジヒドロキシ−6−ニトロ−7−スルファモイルベンゾ
(f)キノキサリン)(Ferrosan)およびYM900(6
−イミダゾリル−7−ニトロキノキサリン−2,3−
(1H,4H)−ジオン)(山之内製薬)のようなキノ
キサリンを基本骨格とする誘導体の開発が進められてき
ている(Honoreら、Science、241、701-703(1988)、She
ardownら、Eur.J.Pharmacol.、174、197-204(1989)、国
際公開番号WO92/07847、1992年5月14日公開)。上記誘
導体のいくつかのタイプがこれまでに報告されている:
特開昭63-83074、特開昭63-258466、特開平1-153680、
特開平2-48578、特開平2-221263、および特開平2-22126
4。
【0007】動物実験においてAMPA受容体のアンタ
ゴニストの数例が虚血症状に対して神経細胞保護作用を
有することが報告(Sheardownら、Science、247、571-5
74(1990))されているが、脳への移行性が悪いことから
中枢神経薬として実用化されていない。
【0008】NMDA受容体は、上記アゴニスト認識部
位の他に、グリシンが結合するアロステリック部位を有
し、本部位へのグリシンの結合によって、NMDA受容
体機能が、著しく増強される特徴が知られている。最近
は、このアロステリックにNMDA受容体に作用する、
上記グリシン結合部位に対するアンタゴニストまたはモ
ジュレーターの開発にも関心が向けられている。本部位
へのアンタゴニストとして、5,7−ジクロロキヌレン
酸、HA966(Eur.J.Pharmacol.、151、161-163(198
8))などが知られている。
【0009】上記DNQXおよびCNQXが、本来のA
MPA受容体に加え、上記グリシン結合部位にも拮抗作
用を有することが確認されている(Birchら、Eur.J.Pha
rmacol.、156、177-180(1988)、Drejerら、Neurosci.Le
tt.、98、333-338(1989)、Sheardownら、Science、24
7、571-574(1990))。ジオキソテトラヒドロキノリン類
もまた、上記グリシン結合部位およびAMPA受容体の
いずれにも拮抗作用を示すことが知られている。
【0010】興奮性アミノ酸に起因する神経細胞死また
は変性から神経細胞を保護し、上記の疾患および症状に
効果的な治療剤であるためには、上記NMDA受容体お
よび/またはAMPA受容体にアンタゴニストとして効
果的に機能することが必要(Mosingerら、Exp.Neuro
l.、113、10-17(1991))とされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の課題を解決するものであり、その目的は中枢神経細胞
に存在する、NMDA受容体グリシン結合部位および/
またはAMPA受容体に対して優れた拮抗作用を示す化
合物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、キノキサ
リン骨格の7位にヘテロアリールチオ基が導入された化
合物が、NMDA受容体のグリシン結合部位および/ま
たはAMPA受容体に対して拮抗作用を有し、興奮性ア
ミノ酸に起因する神経細胞死または変性から神経細胞を
保護するため、上記の疾患および症状に効果的であるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】本発明の化合物は、次式(I)で表され
る、アリールチオキノキサリン誘導体である。
【0014】
【化3】
【0015】ここで、R1は、水素、ハロゲンまたはニ
トロであり、R2は水素、ハロゲン(F、Clなど)、
ニトロ、シアノまたはトリハロゲン化メチル(CF3
CCl3など)であり、R3は水素、ハロゲンまたはニト
ロであり、R4は、水素、置換されていてもよい低級ア
ルキル(例えば、直鎖または分枝状のC1〜C6アルキ
ル)または置換されていてもよい低級シクロアルキル
(例えば、C3〜C7シクロアルキル)であり、Arは、
置換されていてもよい、窒素原子を少なくとも1個含有
する芳香族複素環であり、例えば、5または6員の単環
化合物または縮合環化合物(例えば、9または10員の
双環化合物)である。該芳香族複素環には、さらにOま
たはSが含まれていてもよい。尚、R4の定義における
置換基としては、ハロゲン、ニトロなどが例示され、A
rにおける置換基としては、ハロゲン、ニトロ、低級ア
ルカノイル、低級アルカノイルオキシなどが例示され
る。
【0016】本発明の化合物(I)においては、キノキ
サリン骨格の7位にヘテロアリールチオ基が導入された
点が特に構造上新規な部分であり薬理活性上重要であ
る。
【0017】本発明は上記化合物(I)の製薬上許容さ
れる塩を包含する。これら塩類には、上記化合物と塩
酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸との塩、ま
たは酢酸、酒石酸、フマル酸、スルホン酸などの有機酸
との塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機
塩基との塩、あるいはジエチルアミンなどの有機塩基と
の塩を包含する。
【0018】上記化合物(I)は、とり得る置換基によ
って、立体異性体および互変体が存在し得るが本発明の
化合物は、これら異性体を包含する。
【0019】好適な実施態様においては、R1、R3はと
もに水素である。
【0020】好適な実施態様においては、Arは以下に
示す置換基のいずれかである。
【0021】
【化4】
【0022】ここで、XはNR5(R5は水素または低級
アルキル(例えば、直鎖または分枝状のC1〜C6アルキ
ル))、OまたはSであり、R6、R7、R8、R9、およ
びR10は、それぞれ、ハロゲン、ニトロ、シアノおよび
トリハロゲン化メチルからなる群より選択される、同一
または異なる置換基であり、nは0〜2の整数である。
本発明の、好ましいアリールチオキノキサリン誘導体の
上記置換基R1、R2、R3、R4、およびArの組み合せ
を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】そして、本発明のグルタミン酸受容体拮抗
剤は、上述の化合物を含有する。
【0025】本発明の化合物は、例えば以下の反応式で
示される合成法1または2によって製造され得る。
【0026】(1)合成法1
【0027】
【化5】
【0028】(式中のYはハロゲンを意味し、R1
2、R3、R4およびR5は式(I)で規定したものと同
様であり、Arは上記で規定したものと同様である。) この方法では、ハロゲン化キノキサリン化合物(II)
とメルカプト化合物(III)とを反応させる。この反
応は通常、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサ
イド、アセトニトリル、アセトン、およびテトラヒドロ
フランのような有機溶媒中で好ましくは約80〜180℃で
加温して行われる。上記反応を促進するために種々の塩
基類が添加され得る。好ましい塩基は、水酸化ナトリウ
ムおよび水酸化カリウムである。
【0029】(2)合成法2
【0030】
【化6】
【0031】(式中のR1、R2、およびR3は式(I)
で規定したものと同様であり、Arは、上記で規定した
ものと同様である。) 上記方法では、アリールチオ-o-フェニレンジアミン誘
導体(IV)と、等モルまたは過剰なモル量のシュウ酸
とを室温またはそれ以上の加温条件下で反応させる。シ
ュウ酸の代用としてシュウ酸の反応性誘導体が上記反応
に使用され得る。好ましい該誘導体は、塩類、エステル
類、水和物、無水物、酸クロリドなどである。上記反応
は、通常水性またはアルコール溶媒中で行われる。上記
反応を促進するために種々の酸が添加され得る。好まし
い酸は、塩酸である。
【0032】本発明の化合物は、上記の製造法で得られ
た化合物に新たな置換基を導入し、または置換すること
によっても製造され得る。例えば、上記化合物のR
2(5位)がニトロ基である化合物は、以下の反応式で
示される、R2が水素原子である化合物をニトロ化する
ことによっても得られる。
【0033】
【化7】
【0034】(式中のR1およびR3は式(I)で規定し
たものと同様であり、Arは、上記で規定したものと同
様である。) このニトロ化は、ニトロ基を有しない本発明のキノキサ
リン誘導体(I-1)を硫酸または無水酢酸−酢酸酸性条
件下、または硫酸−無水酢酸−酢酸酸性条件下で、硝酸
またはその塩を作用させる方法で行なわれ得、またはス
ルホランのような有機溶媒中で、ニトロニウムテトラフ
ルオロボレートとともに加熱する方法などによっても行
なわれ得る。
【0035】R2が、ハロゲン(F、Clなど)、シア
ノまたはトリハロゲン化メチルであるアリールチオキノ
キサリン誘導体は、例えば、以下の反応式で示されるよ
うに、これら置換基を有するo-フェニレンジアミンを、
上記の合成法2により、シュウ酸またはシュウ酸の反応
性誘導体と反応させることにより調製され得る。
【0036】
【化8】
【0037】(式中のR2は、ハロゲン、シアノまたは
トリハロゲン化メチルであり、R1およびR3は式(I)
で規定したものと同様であり、Arは、上記で規定した
ものと同様である。) 本発明の化合物は、中枢神経細胞に存在するNMDA受
容体のグリシン結合部位および/またはAMPA受容体
に対して強い親和性を有している。そのためこれら受容
体の拮抗剤として作用する。このような受容体との結合
能は3Hで標識した、グリシンまたはAMPAを用いた
結合競合試験により測定され得、上記化合物のインビト
ロで示される薬理性能の指標となる。
【0038】NMDA受容体のグリシン部位に対する本
化合物の結合能は、例えば、以下のような競合試験で測
定され得る。
【0039】ラット大脳皮質を緩衝液とともにホモジナ
イズし、遠沈そして再懸濁を繰り返し、膜標本を作成す
る。この膜標本を[3H]グリシンおよび目的とする化合物
を含む溶液と混合し、一定時間のインキュベーション
後、希釈と濾過(濾紙を用いる)によって反応を停止さ
せ、濾紙上の放射活性を液体シンチレーション・カウン
ターで測定する。非特異的結合は1mMの非放射性グリシ
ンを用いて行ない、IC50値を算出する。
【0040】AMPA受容体に対する本化合物の結合能
は、例えば、以下のような競合試験で測定され得る。
【0041】ラット大脳皮質を緩衝液とともにホモジナ
イズし、遠沈そして再懸濁繰り返し、膜標本を作成す
る。この膜標本を[3H]AMPAおよび目的とする化合物
を含む溶液と混合し、一定時間のインキュベーション
後、希釈と濾過(濾紙を用いる)によって反応を停止さ
せ、濾紙上の放射活性を液体シンチレーション・カウン
ターで測定する。非特異的結合は1mMの非放射性グルタ
メートを用いて行ない、IC50値を算出する。
【0042】本発明のアリールチオキノキサリン誘導体
は、中枢神経NMDA受容体のグリシン結合部位および
/またはAMPA受容体への興奮性アミノ酸の結合に起
因する中枢神経疾患に対する有用な治療剤である。本発
明のアリールチオキノキサリン誘導体を含有する治療剤
は、被験体に経口的にまたは非経口的に投与することが
できる。本治療剤の形状として、注射可能な溶液または
懸濁液、好ましくは水溶液が非経口的投与に適し、錠
剤、またはカプセルが経口的投与に適している。これら
治療剤には、種々の濃度で本発明のアリールチオキノキ
サリン誘導体を含有し得、薬学上許容し得る、生理食塩
水、アルコール類、ひまし油、ゼラチン、ラクトース、
デンプン、タルクなどの有機または無機の賦形剤が添加
され得る。本治療剤にはさらに、所望の場合に、潤滑
剤、安定化剤、乳化剤などの種々の補助剤が添加され得
る。
【0043】本発明の治療剤の投与量は、被験体の年
齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間などに
より変化し得るが、通常の成人の場合、経口投与では1
日当り、10〜1000mg、好ましくは50〜200 mgの範囲であ
り、静脈内投与では、10〜200mgの範囲で1日1回また
は数回投与される。
【0044】以下の実施例にて、本発明をさらに詳細に
説明するが、これらはなんら本発明を限定するものでは
ない。
【0045】
【実施例】
(実施例1)
【0046】
【化9】
【0047】7-(2-イミダゾリルチオ)-6-ニトロキノキ
サリン-2,3(1H,4H)-ジオン 6-フルオロ-7-ニトロキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン4
00mg、2-メルカプトイミダゾ-ル400mg、86%水酸化カリ
ウム260mg、およびジメチルスルホキシド9mlの混合物を
130℃の油浴上で6.5時間加温攪拌した。空冷後、反応液
を氷水中に注ぎ塩酸水で中和し、析出結晶を濾取した。
粗結晶を、水およびエーテルで充分洗浄し、7-(2-イミ
ダゾリルチオ)-6-ニトロキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオ
ンの結晶560mg(78.9%)を得た。この結晶をメタノール/
ジメチルホルムアルデヒドにより再結晶し、減圧乾燥す
ることによって融点310℃以上の黄色の結晶を得た。
【0048】融点:>310℃ 元素分析(C11H7N5O4S・0.5H2O)として 計算値:C,42.78; H,2.41; N,22.67; S,10.38(%) 実験値: C,42.82; H,2.61; N,22.58; S,10.23(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:6.45(1H,s), 7.27(1H,d,J=1.2), 7.
52(1H,d,J=1.2), 8.00(1H,s), 12.10(1H,s), 12.25(1H,
s), 13.01(1H,s)。
【0049】(実施例2)
【0050】
【化10】
【0051】7-(2-イミダゾリルチオ)-6-ニトロ-1-プロ
ピルキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン 7-フルオロ-6-ニトロ-1-プロピルキノキサリン-2,3(1H,
4H)-ジオン543mg, 2-メルカプトイミダゾ-ル400mg、86
%水酸化カリウム260mg、およびジメチルスルホキシド1
0mlの混合物を実施例1と同様の手順で処理し、7-(2-イ
ミダゾリルチオ)-6-ニトロ-1-プロピルキノキサリン-2,
3(1,4)-ジオン 650mg(93.6%)を得た。
【0052】融点:>310℃(DMF-MeOH) 元素分析(C14H13N5O4S・0.6H2O)として 計算値:C,46.95; H,4.00; N,19.55; S,8.95(%) 実験値: C,47.00; H,4.13; N,19.62; S,8.66(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:0.802(3H,t,J=7.2), 1.32(2H,m),
3.57-3.62(2H), 6.31(1H,s), 7.33(1H,s), 7.57(1H,s),
8.05(1H,s), 12.25(1H,s), 13.17(1H,s)。
【0053】(実施例3)
【0054】
【化11】
【0055】7-(2-イミダゾリルチオ)-6-ニトロ-1-メチ
ルキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン 7-フルオロ-6-ニトロ-1-メチルキノキサリン-2,3(1H,4
H)-ジオン478mg、2-メルカプトイミダゾ-ル400mg、86%
水酸化カリウム260mg、およびジメチルスルホキシド9ml
の混合物を実施例1と同様の手順で処理し、7-(2-イミ
ダゾリルチオ)-6-ニトロ-1-メチルキノキサリン-2,3(1,
4)-ジオン 480mg(75.2%)を得た。
【0056】融点:>300℃(DMF-MeOH) 元素分析(C12H9N5O4S・0.5DMF)として 計算値:C,45.57; H,3.54; N,21.65(%) 実験値: C,45.29; H,3.77; N,21.39(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:3.11(3H,s), 6.38(1H,s), 7.31(1H,
s), 7.54(1H,s), 8.03(1H,s), 12.24(1H,br.s), 13.11
(1H,br.s)。
【0057】(実施例4)
【0058】
【化12】
【0059】7-(2-ベンズイミダゾリルチオ)-6-ニトロ
キノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン 6-フルオロ-7-ニトロキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン4
50mg、2-メルカプトベンズイミダゾ-ル780mg、86%水酸
化カリウム260mg、およびジメチルスルホキシド9mlの混
合物を130℃の油浴上で7時間加温攪拌した。実施例1と
同様の手順で処理し、7-(2-ベンズイミダゾリルチオ)-6
-ニトロキノキサリン-2,3(1,4)-ジオン 290mg(40.8%)を
得た。
【0060】融点:>300℃(CHCl−MeOH) 元素分析(C15S・0.3HO)とし
て 計算値:C,49.94; H,2.68; N,19.41; S,8.89(%) 実験値: C,49.73; H,2.81; N,19.41; S,8.70(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:6.73(1H,s), 7.30(2H,m), 7.54(1H,
m), 7.72(1H,m), 8.02(1H,s), 12.14(2H,br.s), 13.30
(1H,br.s)。
【0061】(実施例5)
【0062】
【化13】
【0063】7-(2-ベンズイミダゾリルチオ)-6-ニトロ-
1-プロピルキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン 7-フルオロ-6-ニトロ-1-プロピルキノキサリン-2,3(1H,
4H)-ジオン400mg、2-ベンズメルカプトイミダゾ-ル450m
g、86%水酸化カリウム195mg、およびジメチルスルホキ
シド8mlの混合物を実施例1と同様の手順で処理し、7-
(2-ベンズイミダゾリルチオ)-6-ニトロ-1-プロピルキノ
キサリン-2,3(1,4)-ジオン 190mg(31.9%)を得た。
【0064】融点:333〜336℃(dec) (CHCl3-MeOH) 元素分析(C18H15N5O4S)として 計算値:C,54.40; H,3.80; N,17.62; S,8.07(%) 実験値: C,44.28; H,3.86; N,17.57; S,8.01(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:0.303(3H,t,J=7.4), 1.12(2H,m),
3.51(2H,m), 6.76(1H,s),7.32(1H,m), 7.63(1H,m), 8.0
7(1H,s), 12.30(1H,br.s), 13.40(1H,br.s)。
【0065】(実施例6)
【0066】
【化14】
【0067】7-(2-ベンズイミダゾリルチオ)-6-ニトロ-
1-メチルキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン 7-フルオロ-6-ニトロ-1-メチルキノキサリン-2,3(1H,4
H)-ジオン478mg、2-ベンズメルカプトイミダゾ-ル600m
g、86%水酸化カリウム260mg、およびジメチルスルホキ
シド9mlの混合物を実施例1と同様の手順で処理し、7-
(2-ベンズイミダゾリルチオ)-6-ニトロ-1-メチルキノキ
サリン-2,3(1,4)-ジオン 250mg(33.9%)を得た。
【0068】融点:>300℃(DMF-MeOH) 元素分析(C16H11N5O4S・0.5DMF)として 計算値:C,51.78; H,3.60; N,18.98(%) 実験値: C,51.53; H,3.84; N,18.82(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:3.15(3H,s), 7.26(1H,s), 8.04(1H,
s), 12.31(1H,br.s), 13.22(1H,br.s)。
【0069】(実施例7)
【0070】
【化15】
【0071】6-ニトロ-7-(4-ピリジルチオ)-キノキサリ
ン-2,3(1H,4H)-ジオン 7-フルオロ-6-ニトロキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン5
00mg、4-メルカプトピリジン493mg、86%水酸化カリウ
ム289mg、およびジメチルスルホキシド10mlの混合物を1
30℃の油浴上で6時間加温攪拌した。空冷後、反応液を
氷水中に注ぎ塩酸水で弱酸性とし、析出結晶を濾取し
た。粗結晶を、水およびエーテルで充分洗浄し、6-ニト
ロ-7-(4-ピリジルチオ)-キノキサリン-2,3(1,4)-ジオン
の結晶 87mg(21.5%)を得た。この結晶をメタノール/ジ
メチルホルムアルデヒドにより再結晶し、減圧乾燥する
ことによって黄色の結晶を得た。
【0072】融点:>300℃ 元素分析(C13H8N4O4S・0.2H2O)として 計算値:C,48.81; H,2.65; N,17.51; S,10.02(%) 実験値: C,48.76; H,2.83; N,17.37; S, 9.87(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:6.92(1H,s), 7.46-7.49(2H), 7.97
(1H,s), 8.62-8.65(2H),12.16(2H,br.s)。
【0073】(実施例8)
【0074】
【化16】
【0075】6-ニトロ-7-(4-ピリジルチオ)-1-プロピル
キノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン 7-フルオロ-6-ニトロ-1-プロピルキノキサリン-2,3(1H,
4H)-ジオン400mg、2-メルカプトピリジン333mg、86%水
酸化カリウム195mg、およびジメチルスルホキシド 9ml
の混合物を実施例7と同様の手順で処理し、6-ニトロ-7
-(4-ピリジルチオ)-1-プロピルキノキサリン-2,3(1,4)-
ジオン330mg(61.5%)を得た。
【0076】融点:233〜239℃(CHCl3-MeOH) 元素分析(C16H14N4O4S・0.3H2O)として 計算値:C,52.83; H,4.05; N,15.40; S,8.81(%) 実験値: C,52.64; H,4.00; N,15.56; S,8.76(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:0.69(3H,t,J=7.4), 1.35(2H,m), 3.
79(2H,m), .6.99(1H,s),7.45-7.48(2H,), 8.00(1H,s),
8.60-8.63(2H,), 12.40(1H,br.s)。
【0077】(実施例9)
【0078】
【化17】
【0079】1) 7-(2-イミダゾリルチオ)-4-トリフルオ
ロメチル-2-ニトロ-アニリン 5-クロロ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロアニリン2.83
g、2-メルカプトイミダゾ-ル1.77g、86%水酸化カリウ
ム1.15g、およびジメチルスルホキシド50mlの混合物 を
120℃の油浴上で5時間加熱攪拌した。空冷後、反応液を
氷水中に注ぎ、析出結晶を濾取した。粗結晶を、水およ
びエーテルで充分洗浄し、5-(2-イミダゾリルチオ)-4-
トリフルオロメチル-2-ニトロ-アニリン2.93g(81.8%)を
得た。この結晶を塩化メチレン-イソプロパノール/イ
ソプロピルエ-テルの混合溶媒により再結晶することに
よって黄色の結晶を得た。
【0080】融点:234〜235℃ 元素分析(C10H7N4O2F3S)として 計算値:C,39.48; H,2.32; N,18.41(%) 実験値: C,39.61; H,2.52; N,18.14(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ: 6.35(2H.s), 7.27(1H,s), 7.53(1
H,s), 7.92(1H,s), 8.25(1H,s), 13.11(1H,br.s)。
【0081】2) 5-(2-イミダゾリルチオ)-4-トリフルオ
ロメチル-1,2-フェニレンジアミン 5-(2-イミダゾリルチオ)-4-トリフルオロメチル-2-ニト
ロ-アニリン2.7g、鉄粉2.98g、80%エタノ-ル30ml、およ
び濃塩酸0.13mlの混合物を油浴上で70分間加熱還流し
た。熱時反応液をハイフロスーパーセルで濾別し、熱80
%エタノ-ルで洗浄後溶媒を除去した。粗結晶をシリカゲ
ル45gを充填したカラムで精製し、次いでメタノール/
クロロホルム混合液(1:30)で溶出し、5-(2-イミダゾリ
ルチオ)-4-トリフルオロメチル-1,2-フェニレンジアミ
ンの結晶2.05g(84.4%)を得た。
【0082】融点:138-141℃(分解) 元素分析(C10H9N4F3S)として 計算値:C,43.79; H,3.31; N,20.43(%) 実験値: C,43.72; H,3.43; N,20.26(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ: 4.99(2H,s), 5.20(2H,s), 6.43(1
H,s), 6.84(1H,s), 6.99(1H,s), 7.21(1H,s), 12.31(1
H,br.s)。
【0083】3) 6-(2-イミダゾリルチオ)-7-トリフルオ
ロメチルキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン 5-(2-イミダゾリルチオ)-4-トリフルオロメチル-1,2-フ
ェニレンジアミン548mg、シュウ酸270mg、および2N塩酸
20mlの混合物を油浴上で5時間加熱還流した。冷却後析
出結晶を濾取して、塩酸塩の粗結晶410mg(56.7%)を得
た。粗結晶に水を加えアンモニア水で中和後析出結晶を
濾取した。メタノ-ル/クロロホルムにより再結晶し、6
-(2-イミダゾリルチオ)-7-トリフルオロメチル-キノキ
サリン-2,3(1H,4H)-ジオン250mgを得た。
【0084】融点:>300℃ 元素分析(C12H7N4O2F3S・0.2H2O)として 計算値:C,43.43; H,2.25; N,16.88(%) 実験値: C,43.51; H,2.54; N,16.83(%) H1-NMR(D2O-HNO3)δ: 6.84(1H,s), 7.18(1H,s), 7.42(1
H,s), 7.45(1H,s), 12.04(1H,br.s), 12.88(1H,br.s)。
【0085】(実施例10)
【0086】
【化18】
【0087】1) 7-(2-イミダゾリルチオ)-4-シアノ-2-
ニトロ-アニリン 5-クロロ-4-シアノ-2-ニトロアニリン2.5g、2-メルカプ
トイミダゾ-ル1.91g、86%水酸化カリウム1.24g、およ
びジメチルスルホキシド45mlの混合物を125℃の油浴上
で6時間加熱攪拌した。空冷後、反応液を氷水中に注
ぎ、析出結晶を濾取した。粗結晶を、水およびエーテル
で充分洗浄し、5-(2-イミダゾリルチオ)-4-シアノ-2-ニ
トロ-アニリン1.58g(47.9%)を得た。この結晶を塩化メ
チレン/イソプロパノールの混合溶媒により再結晶する
ことによって黄色の結晶を得た。
【0088】融点:158-162℃ 元素分析(C10H7N5O2S)として 計算値:C,45.97; H,2.70; N,26.81; S,12.27(%) 実験値: C,45.72; H,2.81; N,26.57 S,12.15(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ: 6.34(2H.s), 7.26(1H,s), 7.54(1
H,s), 8.07(1H,s), 8.49(1H,s),13.12(1H,br.s)。
【0089】2) 5-(2-イミダゾリルチオ)-4-シアノ-1,2
-フェニレンジアミン 5-(2-イミダゾリルチオ)-4-シアノ-2-ニトロ-アニリン
1.55g、鉄粉1.99g、80%エタノ-ル20ml、および濃塩酸0.
1mlの混合物を油浴上で70分間加熱還流した。実施例9
と同様の手順で処理して5-(2-イミダゾリルチオ)-4-シ
アノ-1,2-フェニレンジアミンの結晶1.02g(73.4%)を得
た。
【0090】融点:151-155℃(分解) H1-NMR(DMSO-d6)δ: 5.03(2H,s), 5.59(2H,s), 6.39(1
H,s), 6.76(1H,s), 7.01(1H,s), 7.25(1H,s), 12.51(1
H,br.s)。
【0091】3) 6-(2-イミダゾリルチオ)-7-シアノキノ
キサリン-2,3(1H,4H)-ジオン 5-(2-イミダゾリルチオ)-4-シアノ-1,2-フェニレンジア
ミン1.00g、シュウ酸585mg、および2N塩酸30mlの混合物
を油浴上で3時間加熱還流した。冷却後、析出結晶を濾
取して、塩酸塩の粗結晶620mgを得た。粗結晶に水を加
えアンモニア水で中和後析出結晶を濾取し、次いでメタ
ノ-ル/クロロホルムにより再結晶し、6-(2-イミダゾリ
ルチオ)-7-シアノキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン420m
g(34.1%)を得た。
【0092】融点:>300℃ 元素分析(C12H7N5O2S・H2O)として 計算値:C,47.52; H,2.99; N,23.09(%) 実験値: C,47.39; H,3.05; N,23.88(%) H1-NMR(D2O-HNO3)δ: 6.86(1H,s), 7.18(1H,s), 7.41(1
H,s), 7.88(1H,s), 12.20(1H,br.s), 12.98(1H,br.s)。
【0093】(実施例11)
【0094】
【化19】
【0095】6-ニトロ-7-(2-チアゾロチオ)キノキサリ
ン-2,3(1H,4H)-ジオン 6-フルオロ-7-ニトロキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン4
50mg、2-メルカプトチアゾ-ル351mg、86%水酸化カリウ
ム195mg、およびジメチルスルホキシド8mlの混合物を実
施例1と同様の手順で処理し、6-ニトロ-7-(2-チアゾロ
チオ)キノキサリン-2,3(1,4)-ジオン 500mg(77.6%)を得
た。
【0096】融点:>300℃(CHCl3-MeOH) 元素分析(C11H6N4O4S2)として 計算値:C,40.99; H,1.88; N,17.38(%) 実験値: C,40.74; H,2.08; N,17.39(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:6.74(1H,s), 8.01(1H,s), 8.17(1H,
d,J=5.4), 8.19(1H,d.J=5.4),12.17(2H,br.s)。
【0097】(実施例12)
【0098】
【化20】
【0099】6-ニトロ-7-(2-ベンズチアゾロチオ)-キノ
キサリン-2,3(1H,4H)-ジオン 7-フルオロ-6-ニトロキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン4
50mg、4-メルカプトベンズチアゾ-ル501mg、86%水酸化
カリウム195mg、およびジメチルスルホキシド8mlの混合
物を実施例1と同様の手順で処理し、6-ニトロ-7-(2-ベ
ンズチアゾロチオ)-キノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオンの
結晶 690mg(90.1%)を得た。この結晶をメタノール/塩
化メチレンにより再結晶し黄色の結晶を得た。
【0100】融点:>300℃ 元素分析(C15H8N4O4S2・0.5MeOH・0.5H2O) 計算値:C,46.85; H,2.79; N,14.10(%) 実験値: C,46.89; H,3.09; N,14.12(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:7.15(1H,s), 7.54-7.65(2H), 8.02
(1H,s), 8.08-8.19(2H),12.21(2H,br.s)。
【0101】(実施例13)
【0102】
【化21】
【0103】6-ニトロ-7-(2-ピリミジンチオ)-キノキサ
リン-2,3(1H,4H)-ジオン 7-フルオロ-6-ニトロキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン2
26mg、2-メルカプトピリミジン123mg、およびジメチル
ホルムアミド5mlの混合物に、金属ナトリウム28.1mgと
エタノール1mlよりなる溶液を加え110℃で90分間反応さ
せた。反応後溶媒を留去し、残渣に2N塩酸10mlを加え析
出結晶を濾取した。粗結晶を、水/エタノールにより再
結晶し、減圧乾燥することによって6-ニトロ-7-(2-ピリ
ミジンチオ)-キノキサリン-2,3(1H,4H)の橙色結晶 137m
g(43.2%)を得た。
【0104】融点:>300℃ 元素分析(C12H7N5O4S・H2O) 計算値:C,42.99; H,2.71; N,20.89; S,9.56(%) 実験値: C,42.80; H,2.79; N,20.82 S,9.17(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:7.32(1H,m), 7.47(1H,s), 7.90(1
H,s), 8.62(1H,s), 8.64(1H,s), 12.26(2H,br.s)。
【0105】(実施例14)
【0106】
【化22】
【0107】7-(4-エトキシカルボニル-2-イミダゾリル
チオ)-6-ニトロキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン 7-フルオロ-6-ニトロキノキサリン-2,3(1H,4H)-ジオン4
50mg、4-エトキシカルホ゛ニルイミタ゛ソ゛ール-2-チオール516mg、86%水
酸化カリウム192mg、およびジメチルスルホキシド8mlの
混合物を、120℃で2時間加熱反応させた。反応後、実
施例1と同様の手順で処理し、7-(4-エトキシカルボニ
ル-2-イミダゾリルチオ)-6-ニトロキノキサリン-2,3(1
H,4H)-ジオンの結晶330mg(43.8%)を得た。この結晶
を、ジメチルホルムアミド/メタノールにより再結晶
し、黄色の結晶を得た。
【0108】融点:>300℃ 元素分析(C14H11N5O6S・0.1H2O) 計算値:C,44.35; H,2.98; N,18.47(%) 実験値: C,44.23; H,3.19; N,18.65(%) H1-NMR(DMSO-d6)δ:1.31(3H,J=7.2), 4.28(2H,q,J=7.
2), 6.39(1H,m), 8.02(1H,s), 8.21(1H,m), 12.14(2H,
br.s), 13.60(1H,br.s)。
【0109】(試験例1:AMPA受容体に対する結合
競合試験)上記の実施例で得られた化合物について、A
MPA受容体に対する結合競合試験を以下の要領で行っ
た。
【0110】Slc-Wistar系ラット(体重250〜300g)の
大脳皮質を、10倍量の30mMトリス酢酸緩衝液(2.5mM Ca
Cl2を含む、pH7.1)でホモジナイズし、30,000g、15分
間の遠沈そして再懸濁を3回繰り返した。最終懸濁液
を、-80℃で実験時まで保存した。この懸濁液の凍結物
を室温条件下で融解し、30mMトリス酢酸緩衝液(2.5mMC
aCl2および100mM KSCNを含む、pH7.1)に懸濁して膜標
本とした。この膜標本を30nM[3H]AMPAおよび上記化
合物の種々の濃度の溶液と混合し、0℃で30分間インキ
ュベーションを行った。これを希釈、濾過(Whatman GF
/C濾紙を用いる)することによって反応を停止させ、濾
紙上の3Hの放射活性を液体シンチレーション・カウンタ
ーで測定した。非特異的結合は1mMの非放射性グルタメ
ートを用いて試験し、IC50値を算出した。試験結果を
表2に示す。
【0111】(試験例2:NMDA受容体グリシン結合
部位に対する結合競合試験)上記実施例で得られた化合
物について、NMDA受容体グリシン結合部位に対する
結合競合試験を以下の要領で行った。
【0112】Slc-Wistar系ラット(体重250〜300g)の
大脳皮質を、20倍量の5mMトリス酢酸緩衝液(1mM EGT
A、0.1mM PMSFおよび0.01%バシトラシンを含む、pH7.
4)でホモジナイズし、50,000g、30分間の遠沈そして再
懸濁を4回繰り返した。最終懸濁液を、-80℃で実験時
まで保存した。この懸濁液の凍結物を室温条件下で融解
し、0.08%トリトンX-100液で2℃、10分間のインキュ
ベーションを行った後、2回洗浄し、50mMトリス酢酸緩
衝液(pH7.4)に懸濁して膜標本とした。この膜標本を1
00nM[3H]グリシンおよび上記化合物の種々の濃度の溶液
と混合し、0℃で10分間インキュベーションを行った。
これを希釈、濾過(Whatman GF/C濾紙を用いる)するこ
とによって反応を停止させ、濾紙上の3Hの放射活性を液
体シンチレーション・カウンターで測定した。非特異的
結合は1mMの非放射性グリシンを用いて試験し、IC50
値を算出した。試験結果を表2に示す。
【0113】
【表2】
【0114】
【発明の効果】本発明により、NMDA受容体のグリシ
ン結合部位および/またはAMPA受容体に対して優れ
た拮抗作用を示す新規化合物である、アリールチオキノ
キサリン誘導体が提供される。この化合物を含有するグ
ルタミン酸受容体拮抗剤は、興奮性アミノ酸がNMDA
受容体またはAMPA受容体に結合するのを阻害し、ま
た、ラットのVIVO試験においてAMPA痙攣を有意に抑制す
るので、該興奮性アミノ酸に起因する中枢神経疾患の治
療剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 401/12 C07D 401/12 413/12 413/12 417/12 417/12 (72)発明者 川崎 和夫 奈良県奈良市佐保台3−902−106 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 403/12 C07D 401/12 C07D 413/12 C07D 417/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I)で表される化合物または製薬
    上許容されるその塩類: 【化1】 ここで、R1は、水素、ハロゲンまたはニトロであり、
    2は水素、ハロゲン、ニトロ、シアノまたはトリハロ
    ゲン化メチルであり、R3は水素、ハロゲンまたはニト
    ロであり、R4は、水素、置換されていてもよい 1 〜C
    6 アルキルまたは置換されていてもよい 3 〜C 7 シクロ
    アルキルであり、Arは、置換されていてもよい、窒素
    原子を少なくとも1個含有する芳香族複素環である。
  2. 【請求項2】 R1、R3がともに水素である、請求項1
    に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Arが以下に示す置換基のいずれかであ
    る、請求項1または2に記載の化合物: 【化2】 ここで、XはNR5(R5は水素または 1 〜C 6 アルキ
    ル)、OまたはSであり、R6、R7、R8、R9、および
    10は、それぞれ、ハロゲン、ニトロ、シアノおよびト
    リハロゲン化メチルからなる群より選択される、同一ま
    たは異なる置換基であり、nは0〜2の整数である。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の化合物を含有するグル
    タミン酸受容体拮抗剤。
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