JP3385077B2 - 動きベクトル検出装置 - Google Patents

動きベクトル検出装置

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JP3385077B2 JP27083693A JP27083693A JP3385077B2 JP 3385077 B2 JP3385077 B2 JP 3385077B2 JP 27083693 A JP27083693 A JP 27083693A JP 27083693 A JP27083693 A JP 27083693A JP 3385077 B2 JP3385077 B2 JP 3385077B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像の符号化、ノイズ
低減に使用する動きベクトル検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の動きベクトル検出の手法は、例え
ば吹抜敬彦:「画像のデジタル信号処理」、第10章、
日刊工業新聞社刊行(1985)に述べられている。こ
の中で、「連続する画像間の差を最小にする方法」は、
(数1)を最小化する偏位(a、b)として動きベクト
ルが求まる。ここでgt(x、y)はフレームt におけ
る画面位置(x、y)における輝度、Rは画面上のブロ
ック領域を表す。
【0003】
【数1】
【0004】この原理を図9に示す。動きベクトルは時
刻t−1のフレームの画像の中で、ブロックRと最も相
関の強いブロックR’への偏位(a、b)として求ま
る。式1では、相関の評価に絶対値の和が求められてい
るが2乗誤差の和も用いられる。このような、「連続す
る画像間の差を最小にする方法」をブロック相関法とよ
ぶことにする。
【0005】ここでブロックは、必ずしも矩形である必
要はない。ブロック相関法による動きベクトル検出に
は、以下の課題がある。 (A1)ブロック領域を小さくすると、雑音成分の擾乱
により検出された動きベクトルの信頼性が低くなる。逆
に領域を大きくすると検出精度は高くなるが動きベクト
ル検出の粒度が粗くなる。 (A2)ブロックで規定される領域の中に方向の違う輝
度変化成分が無いと異なるフレーム上の領域の対応が定
まらない。
【0006】以上の課題を解決すべく、ブロック相関法
の改良がいくつかなされている。例えば、上記(A1)
の課題に対する従来技術として、例えば特開昭62−2
30180記載の動きベクトル検出方式(従来例1)が
ある。これは、フレーム間領域対応の基本単位となるブ
ロックを画像を等分割して作るのではなく、お互いのブ
ロックが重なるように広く設定する方式である。この方
式によれば、動きベクトル検出の間隔を小さくしても、
相関を計算するブロックが動きベクトル検出の間隔より
も大きいので、動きベクトル検出の間隔で等分割したブ
ロック相関よりも安定に動きベクトル推定が行なえる。
【0007】又、上記(A2)の課題に対する従来技術
として、例えば特開昭62−105587記載の動きベ
クトル検出装置がある(従来例2)。この装置では、ブ
ロック内輝度値の分散を求めることにより、相関を計算
するブロックが動きベクトル検出に有効であるか否かを
評価する。ブロック内の輝度の分散が小さければ、異な
るフレーム上の領域の対応が定まらない無効ブロックと
して、信頼性の低い動きベクトルの利用を避けることが
できる。以上、動きベクトル検出方式または装置の2つ
の従来例を紹介した。
【0008】次に画像符号化装置の従来技術を紹介す
る。例えば、CCITT勧告H.261に記載されてい
る画像符号化装置(従来例3)がある。この符号化装置
のフレーム間符号化モードでは、現在のフレーム画像を
符号化する際に、ブロック相関法により前フレームの画
像から現フレームの予測画像を動き補償画像として作
り、この動き補償画像と現フレーム画像との差分画像を
符号化している。この符号化装置では、動き補償画像
が、前フレームと誤差なく一致している時、送る情報量
が、動きベクトルだけで済み、少ない符号化量で画像を
伝送することができる。
【0009】ところでH.261は、小さくとも縦横1
44×180画素程度の大きさの画像を毎秒64キロビ
ット以上の符号化量で伝送することを目的に勧告された
画像符号化装置の仕様である。同程度の画像の大きさで
符号化速度を毎秒20キロビット程度で符号化(以後、
超低ビットレート符号化とよぶ)しようとすると、以下
の課題が生じてくる。 (B1)動き補償画像は、検出された動きベクトルで定
まるブロック単位の並行移動を用いて生成される。この
ために、一般的に、動き補償画像はブロック境界で不連
続となる。伝送可能な符号化量が十分であれば、このブ
ロック境界は動き補償画像と現フレーム画像との差分情
報として伝送されることにより、知覚されない。しか
し、限られた符号化量では、視覚妨害として知覚され
る。 (B2)H.261に基づく画像符号化装置では、画像
をブロック毎に離散コサイン変換し、周波数の高域成分
を粗く量子化することにより、高能率符号化が行われ
る。しかし、限られた符号化量では、ブロック毎の直流
成分の量子化誤差が、ブロック境界として知覚され視覚
妨害となる。
【0010】上記(B1)の課題に対する従来技術とし
て、例えば川島正久ほか:”動画像の極低ビットレート
符号化”、電子情報通信学会技術報告IE92−117
(1993年2月)に開示されている画像符号化方式
(従来例4)がある。これは、伝送された動きベクトル
を内挿補間して各画素の動き量を求めて、動き補償画像
を生成する方式である。これによれば、少ない動きベク
トルで滑らかな動き補償画像を作ることができる。
【0011】上記(B2)の課題に対する従来技術とし
て、例えば特開昭62−230180記載のサブバンド
符号化方式がある(従来例5)。サブバンド符号化方式
では、画像をフィルタ走査により異なる周波数帯域に分
割する。前記した従来例では、サブバンド化された画像
すなわち、異なる周波数帯域で構成される画像を同一空
間位置にあるサンプル点を低域から高域にかけて走査す
ることにより、画像を高能率に符号化することができ
る。このサブバンド符号化方式では、画像の周波数成分
が離散コサイン変換とは違いブロックに閉じないことか
ら、低域周波数成分の量子化誤差が、ブロック境界とし
て知覚されるような視覚妨害を生じない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術を用いても以下の課題が存在する。 (C1)従来例1および、従来例2では、隣接するブロ
ックの相関を利用して動きベクトルを求めていない。従
来例1では、隣接するブロックと大きく異なった動きベ
クトルを検出する可能性がある。また従来例2では、無
効となったブロックの動きベクトルを求めようとする
と、隣接ブロックで得られた動きベクトルの補間により
求めるより他に方法がない。 (C2)超低ビットレート符号化では、差分画像の符号
化量だけでなく動きベクトルの符号化量も少なくする必
要が生じてくる。前述の従来例3としたH.261に基
づく画像符号化装置では、隣接する動きベクトルとの差
分をハフマン符号化することにより、符号化量を低く抑
えている。しかし、符号化に利用する動きベクトル間の
相関は1次元1方向だけであり、超低ビットレート符号
化では、より効率のよい動きベクトル符号化が望まれ
る。 (C3)従来例4では、まず始めにブロック相関法によ
り、動きベクトルを求め、さらに輝度勾配により画素単
位の動きベクトル求めたのち、フレーム間差分電力が最
小になるように代表動きベクトルを修正して求めてい
る。この従来例では、少ない代表動きベクトルを補間し
画素単位の動きベクトルを求めることができるが、開示
されている手法は複雑である。 (C4)従来例5による符号化方式を採用しても、サブ
バンド分割を用いて超低ビットレート符号化を行うとす
ると、サブバンド分割された画像を粗く量子化する必要
がある。これを復号すると、粗く量子化された各周波数
成分を合成する結果として、リンギングが視覚妨害とし
て知覚される。
【0013】本発明は、従来の動きベクトル検出、画像
符号化におけるこのような課題を考慮し、ブロックの大
きさを小さくしても滑らかな動きベクトルを得ることが
でき、動き補償画像にブロック歪を生ずることがなく、
また、動きベクトル符号化量を低く抑えることができ、
リンギングの少ないサブバンド化が可能な動きベクトル
検出装置および画像符号化装置を提供することを目的と
するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、符号化された
画像を保持するメモリと、画像を分割して得られる複数
の部分領域について、前記メモリから時間的に前後する
フレーム画像を読みだし、それら異なるフレーム画像の
部分領域間の誤差を演算し、最小誤差となる前記部分領
域間の偏位及びその偏位近傍における誤差値を求める誤
差演算手段と、前記最小誤差となる偏位及び前記近傍に
おける誤差値から偏位を変数とする誤差関数を求める誤
差関数演算手段と、前記誤算関数と隣接する部分領域に
おける偏位の変化との和が最小となる偏位を求める最適
化手段とを、備えたことを特徴とする動きベクトル検出
装置である。
【0015】また、本発明は、符号化された画像を保持
するメモリと、画像を分割して得られる複数の部分領域
について、時間的に前後するフレーム画像において対応
する部分領域間の偏位を記憶する偏位記憶手段と、メモ
リから時間的に前後するフレーム画像を読みだし、偏位
記憶手段に記憶されている偏位近傍で、それら異なるフ
レーム画像の部分領域間の誤差及び、隣接する部分領域
の偏位との変化の和が最小となる方向を求める最小偏位
方向演算手段と、その最小偏位方向演算手段で得られた
最小偏位方向へ、偏位記憶手段に記憶されている偏位を
変化させる補正手段とを備え、偏位記憶手段は、最小偏
位方向演算手段と補正手段を複数回繰り返し動作させた
時に記憶された偏位を動きベクトルとして出力する動き
ベクトル検出装置である。
【0016】さらに、本発明は、上記の動きベクトル検
出装置と、その動きベクトル検出装置により得られた複
数の動きベクトルを補間して画素毎の動きベクトルを求
める動きベクトル補間手段とを備えた動きベクトル検出
装置である。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【作用】請求項1本発明は、誤差演算手段が、時間的に
前後するフレーム画像の部分領域間の誤差を演算し、最
小誤差となる部分領域間の偏位及びその偏位近傍の誤差
値を求め、この結果を受けて、誤差関数演算手段が、最
小誤差となる偏位及びその近傍の誤差値から偏位を変数
とする誤差関数を求め、最適化手段が、この誤算関数と
隣接する部分領域における偏位の変化の和が最小となる
ように動きベクトルを求める。結果として、動きベクト
ルは現フレームの部分領域と前フレームの部分領域と大
きな誤差なく対応するように、かつ、空間的に滑らかに
変化するように求められることになる。
【0021】請求項2の本発明は、最小偏位方向演算手
段が、偏位記憶手段に記憶されている偏位近傍で、異な
るフレーム画像の部分領域との誤差及び隣接する部分領
域の偏位との変化の和が最小となる方向を求め、この結
果を受けて、補正手段が、偏位記憶手段に記憶されてい
る偏位を修正する。以上の偏位の修正は反復して行わ
る。結果として、動きベクトルとして出力された偏位で
対応付けられる異なるフレームの部分領域間誤差が少な
く、かつ得られる動きベクトルが滑らかとなるよう動き
ベクトルが求められる。
【0022】以上の2つの発明によれば、ある部分領域
で安定に動きベクトルが得られていれば、その隣接領域
が輝度変化の小さな領域であっても動きベクトルをより
安定に推定することができ、(C1)の課題に対して効
果がある。
【0023】請求項3の本発明は、特許請求の範囲第3
項記載の発明では、請求項1あるいは2記載の動きベク
トル検出装置を用いるため、動きベクトルは部分領域間
で滑らかに得られる。この性質を利用して、動きベクト
ル補間手段は、複数の部分領域の動きベクトルを補間し
て画素毎の動きベクトルを求める(請求項1あるいは2
に記した動きベクトル検出装置を用いないブロック相関
法では、得られた動きベクトルは空間的に滑らかである
との保証がないため、画素毎の動きベクトルを補間によ
り求めることが難しい)。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0028】尚、本明細書に記す実施例では、実施例に
示す装置の動作を容易に理解するために、画像は縦横1
44×176画素で構成され、相関演算を行なうブロッ
クは縦8画素、横8画素で構成されているとする。
【0029】図1は、本発明にかかる第1の実施例の動
きベクトル検出装置の構成図である。又、図9、図10
はブロック相関処理を説明する図である。図1におい
て、100は映像入力端子、101は映像アナログ信号
を量子化するA/D変換回路、102、103は、映像
の前後するフレームを記憶しておくフレームメモリ、1
04はブロック相関演算を行なう相関演算回路、105
はブロック相関演算の結果から相関パラメータを演算す
る相関パラメータ演算回路、106は動きベクトル格納
メモリ、107は相関パラメータ格納メモリ、108は
相関パラメータによって動きベクトルを補正する動きベ
クトル補正回路、109は動きベクトル出力端子であ
る。ここで、本実施例は特許請求の範囲第1項に該当
し、フレームメモリ102,103がメモリを構成し、
相関演算回路104が誤差演算手段を構成し、相関パラ
メータ演算回路105が誤差関数演算手段を構成し、動
きベクトル補正回路108が最適化手段を構成してい
る。又、本実施例は縦横18×22個に分割されたブロ
ックについてその平行移動成分を動きベクトルとして検
出する動きベクトル検出装置である。
【0030】以上のように構成された上記第1の実施例
について以下にその処理手順を説明する。
【0031】まず、A/D変換回路101によりデジタ
ル化された前フレームの画像がフレームメモリ103に
格納され、現フレームの画像がフレームメモリ102に
格納される。相関演算回路104は、図9に示すように
現フレームメモリ102からブロック情報Rを読みだす
と同時に偏位(u,v)を1画素毎に変化させながら、
前フレームのブロック情報R’を読みだし、(数2)に
示す相関演算を行なう。(数2)において、gt(x,
y)はフレームt、画面位置(x,y) における輝度
値を表している。そして、(数3)に示すように最も値
の小さくなる偏位を探索して原推定(a,b)を得る。
この(a,b)は1画素精度で求められる。
【0032】
【数2】
【0033】
【数3】
【0034】以上の演算は、縦横18×22個に分割さ
れた各ブロックについて行われ、その結果は動きベクト
ル格納メモリ106に記憶される。各ブロックについて
最小偏位を求める過程で、(数4)に示す最小偏位近傍
の2乗誤差の並びSが計算されている。()t は行列の
転置を表している。これを相関演算回路104は、相関
パラメータ演算回路105へ出力する。
【0035】
【数4】
【0036】相関パラメータ演算回路105は、(数
5)、(数6)、(数7)(数8)、(数9)、(数1
0)に示す相関パラメータを計算する。
【0037】
【数5】
【0038】
【数6】
【0039】
【数7】
【0040】
【数8】
【0041】
【数9】
【0042】
【数10】
【0043】以上の相関パラメータの演算は、横18×
22個に分割された各ブロックについて行われ、その結
果は相関パラメータ格納メモリ107に格納される。こ
こで、相関パラメータは次の意味を持っている。(数
5)〜(数10)の係数が求まっていることにより、フ
レームtにおける各ブロックの2乗誤差を(数11)に
示す偏位(u,v)を変数とする2次関数として表現で
きる。(数11)に示すEext は、各ブロックの2乗誤
差の位置(a,b)でのテーラー展開として表現されて
いる。この関数により、相関を評価する。
【0044】
【数11】
【0045】一方、隣接するブロック間で動きベクトル
が滑らかに変化するとの制約は、(数12)で表現でき
る。(数12)において、(u ̄,v ̄)は隣接ブロッ
クの動きベクトルから求まる平均ベクトルである。動き
ベクトル補正回路108では、相関の良さを表現する
(数11)と、隣接ブロック間での動きベクトルの滑ら
かさを表現する(数12)との線形和を最小化すること
により、動きベクトルを補正する。最小化の対象となる
評価数を(数13)に示す。λは実験的に定まる非負定
数である。(数13)の最小化は(数14)に示すオイ
ラー条件を解くことにより行われる。
【0046】
【数12】
【0047】
【数13】
【0048】
【数14】
【0049】具体的には、動きベクトル補正回路108
では、以下の演算が行われる。 ステップ1:各ブロックについて、(数15)、(数1
6)により平均ベクトル(u ̄,v ̄)を求める。(数
15)、(数16)において、i、jは図10に例示す
るように演算対象ブロックの水平、垂直位置を表してお
り、(u,v)の初期値にはそのブロックにおける原推
定a、bを用いる。
【0050】
【数15】
【0051】
【数16】
【0052】ステップ2:各ブロックについて(数1
7)、(数18)、(数19)、(数20)、(数2
1)により、(u^,v^)を計算する。
【0053】
【数17】
【0054】
【数18】
【0055】
【数19】
【0056】
【数20】
【0057】
【数21】
【0058】最後に動きベクトル補正回路108は、動
きベクトル出力端子109に上記(u^,v^)を出力
する。本実施例では、動きベクトルの原推定(a,b)
を隣接ブロックの動きベクトル平均に近付けるように修
正することにより、空間的に滑らかな動きベクトルを得
ることができる。ただし、単純な動きベクトルの平滑化
とは異なり、(数13)の最小化をはかることから、
(数19)に示したt3の値が大きな、すなわち動きベ
クトル推定に必要な水平垂直に安定した輝度変化がある
ブロックでは、そのブロックについての修正量は小さく
なる。
【0059】なお、本実施例では、(数15)から(数
21)までの処理を1回のみ行っているが、これに限ら
ず、修正された動きベクトルを使って再度動きベクトル
平均を計算し、(数21)までの処理を行っても良い。
この場合、動きベクトル補正回路108を複数個用意
し、相関パラメータ格納メモリ107と接続しかつ、動
きベクトルの補正値を新たな原推定値として読めるよう
に従続に接続することにより実現することができる。
【0060】図2は、本発明にかかる第2の実施例の動
きベクトル検出装置の構成図である。図2において、2
00は映像入力端子、201は映像アナログ信号を量子
化するA/D変換回路、202、203は、映像の前後
するフレームを記憶しておくフレームメモリ、204は
動きベクトル格納メモリ、205、206、207、2
08、209は差分絶対値和演算回路(1)〜(5)、
210は最小値判定回路、211は動きベクトル補正値
格納メモリ、212は動きベクトル補正回路、213は
動きベクトル出力端子である。ここで、本実施例は特許
請求の範囲第2項に該当し、動きベクトル格納メモリ2
04が偏位記憶手段を構成し、差分絶対値和演算回路
(1)205〜(5)209及び最小値判定回路210
が最小偏位方向演算手段を構成し、動きベクトル補正回
路212が補正手段を構成している。又、第1の実施例
と同じく縦横18×22個に分割されたブロックについ
てその平行移動成分を動きベクトルとして検出する動き
ベクトル検出装置である。
【0061】次に、上記第2の実施例の動きベクトル検
出装置の処理手順について、図2、図9、図10を参照
しながら説明する。
【0062】第1の実施例と異なり、第2の実施例では
零ベクトルを動きベクトルの初期推定値として局所相関
演算の反復により各ブロックの動きベクトルを修正して
求める。
【0063】本実施例では、この演算の反復ステップを
s、その時点の推定動きベクトルを(u(s),v
(s))と表わすことにする。動きベクトル格納メモリ
204にはステップs=0の時点で、各ブロックについ
て(u(s),v(s))=(0,0)とされた動きベ
クトルが格納されている。差分絶対値和演算回路(1)
205は(数22)、差分絶対値和演算回路(2)20
6は(数23)、差分絶対値和演算回路(3)207は
(数24)、差分絶対値和演算回路(4)208は(数
25)、差分絶対値和演算回路(5)209は(数2
6)の演算を各々独立に行う。
【0064】
【数22】
【0065】
【数23】
【0066】
【数24】
【0067】
【数25】
【0068】
【数26】
【0069】(数22)〜(数26)において、(u
(s) ̄,v(s) ̄)は(数15)、(数16)と同
様の手順で求める動きベクトル平均である。r(s)は
(数27)で表される。(数27)のα、βは実験的に
定める非負定数である。d()は(数28)に示すよう
に当該ブロックの動きベクトルと隣接ベクトル平均との
差分絶対値を評価する関数であり、Thは実験的に定め
る非負定数である。
【0070】
【数27】
【0071】
【数28】
【0072】
【表1】
【0073】最小値判定回路210は(表1)に示す動
作により、動きベクトルの補正値を各ブロックについて
動きベクトル補正値格納メモリ211に書き込む。動き
ベクトル補正回路212は(表1)から明らかなよう
に、各ブロックの動きベクトルについて、(数22)〜
(数26)のなかで、最小値を出したEg の引数に動き
ベクトルが変更されるよう動作する。この動作を(数2
9)に示す。
【0074】
【数29】
【0075】新しく得られた(u(s+1),v(s+
1))は動きベクトル格納メモリ204に書き込まれ
る。差分絶対値和演算回路(1)205〜(5)209
では、sの値を1増やして、(数22)から(数29)
に至る処理が反復される。本実施例ではこの反復回数は
30回行うとする。(数27)に示すr(s)は、演算
ステップが増えるに従い増加する。これは、動きベクト
ル推定の初期段階では領域間の輝度差分絶対値和の減少
を重視して動きベクトルを推定し、その後、隣接領域と
の動きベクトル差分絶対値項の影響を大きくして空間的
に滑らかな動きベクトルを得ようとする戦略をとるため
である。
【0076】本実施例では、第1の実施例に比べて、動
きベクトルの推定値が1画素単位であったり(第1の実
施例ではサブ画素単位で可能)、反復演算が必須である
などの不利があるが、逆に簡単な構成で滑らかな動きベ
クトルを得ることができる。また、本実施例では(数2
8)に示されている動きベクトル差分絶対値の評価関数
出力に所定のしきい値Thで定まる上限を設けている。
これにより、動き推定に必要なブロック内の輝度変化が
十分ある領域では、動きの大きく異なる領域の境界で
も、より安定に動きベクトルを推定することが期待でき
る。
【0077】図3は、本発明に関連する第1の例の画像
符号化装置の構成図である。又、図4は、その画像符号
化装置に対応する画像復号化装置の構成図である。図3
と図4のおいて、300は映像入力端子、301は映像
アナログ信号を量子化するA/D変換回路、302、3
08、407は、映像の前後するフレームを記憶してお
くフレームメモリ、303は差分回路、304は画像変
換回路、305は可変長符号化回路、306、402は
画像逆変換回路、307、403は加算回路、309は
相関演算回路、310は動きベクトル格納メモリ、31
1は相関パラメータ演算回路、312は相関パラメータ
格納メモリ、313は動きベクトル補正回路、314、
405は動きベクトル補間回路、315、406は画素
単位動きベクトル格納メモリ、316、408は読みだ
し制御回路、317は画像符号出力端子、400は画像
符号入力端子、404は復号されたデジタル画像をアナ
ログ映像信号に変換するD/A変換回路、409は映像
信号出力端子である。
【0078】ここで、本例は特許請求の範囲第3項に該
当する動きベクトル検出装置を含む特許請求の範囲第4
項に該当する画像符号化装置であり、動きベクトル補間
回路314が動きベクトル補間手段である。又、画像変
換回路304、画像逆変換回路306,402の構成
を、図5及び図6にそれぞれ示す。図5の水平フィルタ
501,502及び垂直フィルタ505〜508等が帯
域分割手段を構成し、局所窓設定回路513が変化領域
検出手段を構成し、窓係数乗算回路514が窓係数乗算
手段を構成している。
【0079】次に、上記第1の例について、図3、図
4、図5、図6、図9、図10、図11、図12を用い
て説明する。尚、図11はサブバンド符号化帯域分割の
説明図、図12はサブバンド係数伝送の説明図である。
【0080】第1の例は、動き補償画像を用いたフレー
ム間符号化を行う動きベクトル検出装置と画像符号化装
置である。第1、第2の例と同じく入力画像は縦横14
4×176画素で構成され、第1の例に示された縦横1
8×22個に分割されたブロックについてその平行移動
成分を動きベクトルとして検出する動きベクトル検出装
置を動き検出部として用いている。図3における破線内
の309から313に至るブロックの動作は第1の例に
示したブロックと同じであるので、その動作の説明を省
略する。この結果として、動きベクトル補正回路313
は空間的に滑らかな動きベクトルを生成する。本例で
は、この動きベクトルが滑らかに得られることを利用し
て、動きベクトル補間回路314(405)(復号化す
る場合については図4参照、以下同様)において双1次
補間により画素単位の動きベクトルを生成する。この動
作を図10を例に用いて説明する。フレームt上のA、
B、C、Dはブロックの中心位置を表している。これに
対して、第1の例で示した動き検出によりフレームt−
1の対応点がA'、B'、C'、D'として得られており、
動きベクトルを各々(uA,vA)、(uB,vB)、(u
C,vC)、(uD,vD)とする。この時、動きベクトル
補間回路314(405)では、(数30)、(数3
1)、(数32)、(数33)、(数34)に示されて
いる演算を、A、B、C、Dで囲まれる矩形領域の各画
素位置について演算を行う。
【0081】
【数30】
【0082】
【数31】
【0083】
【数32】
【0084】
【数33】
【0085】
【数34】
【0086】(数30)におけるx、yはAを原点とす
る水平垂直位置であり、Nはブロック中心の間隔であ
る。本例の場合、N=8である。動きベクトル補間回路
314(405)は隣接する4ブロックの中心位置で囲
まれる全ての矩形領域の各画素について上記した動作を
行い、結果を画素単位動きベクトル格納メモリ315
(406)に書き込む。以上が特許請求の範囲第3項に
該当する動きベクトル検出装置の動作である。
【0087】読みだし制御回路316(408)では画
素の動きベクトルに応じて当該画素をシフトして読み出
すことにより動き補償画像を生成する。本例では、前述
した構成により動き補償画像にブロック境界が生じない
滑らかな動き補償画像を生成することができる。図3に
示す符号化器では読みだし制御回路316の出力は差分
回路303に送られて、符号化対象となる現フレームと
の差分画像が生成される。これにより動き補償フレーム
間符号化が行わる。差分画像は画像変換回路304にお
いて、高能率符号化に適したデータに変換され、動きベ
クトルとともに可変長符号化回路305により符号化さ
れる。
【0088】ここで、画像変換回路304と画像逆変換
回路306(402)の構成を図5、図6を用いて説明
する。図5において、500は入力端子、501は水平
フィルタH0、502は水平フィルタH1、503、5
04は水平画素数を1画素おきに間引く2:1ダウンサ
ンプリング回路、505、506は垂直フィルタH0、
507、508は垂直フィルタH1、509、510、
511、512は垂直画素数を1画素おきに間引く2:
1ダウンサンプリング回路、513は局所窓設定回路、
514は窓係数乗算回路、515は量子化回路、516
は走査回路、517は出力端子である。また図6におい
て、600は入力端子、601は逆走査回路、602は
逆量子化回路、603、604、605、606は零の
輝度値を持つ画素を垂直方向一画素おきに挿入する1:
2アップサンプリング回路、607、608は垂直フィ
ルタG0、609、610は垂直フィルタG1、61
1、612、617は加算回路、613、614は零の
輝度値を持つ画素を水平方向一画素おきに挿入する1:
2アップサンプリング回路、615は水平フィルタG
0、616は水平フィルタG1、618は出力端子であ
る。
【0089】以上のように構成された画像変換回路30
4と画像逆変換回路306(402)の動作を以下に説
明する。各フィルタの構成をZ変換の形式で、(数3
5)〜(数42)に示す。Zh -1とZv -1は各々、水平1
画素、垂直1画素の遅延演算子である。
【0090】
【数35】
【0091】
【数36】
【0092】
【数37】
【0093】
【数38】
【0094】
【数39】
【0095】
【数40】
【0096】
【数41】
【0097】
【数42】
【0098】フィルタの中で名称の末尾にH0と記した
ものは低帯域通過フィルタ、H1と記したものは高帯域
通過フィルタに相当する。本例の画像変換回路304で
は、前述したフィルタの構成により、局所窓設定回路5
13にはLL、LH、HL、HHの4つの画像が入力さ
れることになる。2次元空間周波数上での各画像の帯域
を図11に示す。図12に示すサブバンド分割画像のよ
うに、サブバンド分割とダウンサンプリング回路の動作
により、画像の大きさは水平1/2、垂直1/2にな
る。従来のサブバンド符号化では、局所窓設定回路51
3、窓係数乗算回路514がない構成になっている。
今、これが無いものとして説明する。従来のサブバンド
符号化では、多くの情報がLL成分に集中する。加えて
量子化回路515においてLL画像の量子化を細かくL
H、HL、HHには粗くすることにより、高能率符号化
が行われる。なお、本例に示すフィルタ係数はD.Le Gal
l,A.Tabatani:"Sub-band Coding of Digital Images Us
ing Symmetric Short Kernel Filters and Arithmetic
Coding Techniques",Proc.IEEE IntConf.Acoustic Spee
ch Signal Processing, pp.761-764,April,1988記載の
フィルタに基いおり、量子化誤差が無ければ、画像はサ
ブバンド分割、サブバンド合成を経て完全に再構成され
る。ところが、超低ビットレートでは、符号化量を押え
るために、量子化回路515ではLL画像においても相
当粗くする必要がある。このために、発明が解決しよう
とする課題の(C4)項に記した問題が生じてくる。そ
こで、動き補償画像とのフレーム間差分を全て量子化す
るのではなく、まとまった局所領域だけを送ることを考
える。
【0099】図12に例示した画像では3箇所に動き変
化領域が生じている。本例では、このような画像を符号
化するとき、全ての差分画像成分を粗い量子化で伝送す
るのではなく、差分画像の中でエネルギーの高い領域の
みをリンギングが生じないような量子化で伝送する戦略
をとる。これを、図5において説明する。図5では、局
所窓設定回路513が(数43)、(数44)に示す演
算により、各周波数成分のエネルギーの和が最大になる
一辺が2T−1の大きさの矩形領域の中心位置(l,
m)を探索する。
【0100】
【数43】
【0101】
【数44】
【0102】(数43)において、fLL、fLH、fHL
HHは各周波数成分画像の輝度を表しており、サブバン
ド係数とよぶ。本例ではT=18とする。窓の一辺の大
きさは35となり、サブバンド分割された各画像の垂直
画素数は72であるから、窓の一辺は垂直画素数の半分
程度の大きさをに相当する。
【0103】窓係数乗算回路514は局所窓設定回路5
13から探索結果(l,m)を読み込む。そして、(数
45)、(数46)記載の演算により、サブバンド係数
LL、fLH、fHL、fHHをf’LL、f’LH、f’HL
f’HHに変換する。これは、結局図12に示すように差
分画像のエネルギー和の大きな領域以外のサブバンド係
数を零としていることになる。なお、(数46)に示す
関数はハミング窓を実現しているが、これはサブバンド
係数を矩形窓により打ち切ると窓の境界付近にリンギン
グが生じる恐れがあるからである。
【0104】
【数45】
【0105】
【数46】
【0106】なお、(数46)は応用によってはガウス
窓、ブラックマン窓などに変更しても良い。
【0107】量子化回路515では窓の領域外のサブバ
ンド係数を量子化して走査回路516に出力する。走査
回路516ではサブバンド係数をf’LL、f’LH、f’
HL、f’HHの順に並べて出力端子517に出力する。
【0108】図6における逆走査回路601、逆量子化
回路602は以上の量子化と走査の逆処理を行なう。量
子化、逆量子化の過程を経るために、アップサンプリン
グ回路603〜606の入力となるサブバンド係数は量
子化誤差を含んだものとなる。本例では窓領域以外のサ
ブバンド係数が全て零であるので、窓領域内の量子化誤
差は、全画面のサブバンド係数を送る場合に比べて、小
さく抑えることができる。
【0109】全画面の差分情報を符号化していないが、
本例は動き補償画像にブロック境界を生じない画素単位
の動き補償方式を用いているために、大きな視覚劣化は
生じない。特に応用をテレビ電話と想定すると、背景画
像は動き補償で、顔の表情変化は窓領域のサブバンド係
数で伝送され、従来に比べて画質の良い超低ビットレー
ト符号化が期待できる。
【0110】また、本例の改良として、窓係数乗算回路
514に代えて、局所窓設定回路513により出力され
る窓位置データを符号化して伝送する領域情報符号化手
段と、その窓位置データにより示される窓領域における
各周波数帯域成分のみを伝送する帯域成分符号化手段と
を設けることにより、局所窓以外で零となるサブバンド
係数を伝送しない画像符号化装置を考えることができ
る。これは特許請求の範囲第5項に記載している画像符
号化装置に相当する。この場合画像復号化装置と画像復
号化装置間に窓位置情報の伝送形式を新たに決める必要
があるが、符号化量がさらに減ることが期待できる。
【0111】図7は、本発明に関連する第2の例の画像
符号化装置の構成図である。又、図8は、その画像符号
化装置に対応する画像復号化装置の構成図である。
【0112】図7と図8のおいて、700は映像入力端
子、701は映像アナログ信号を量子化するA/D変換
回路、702、708、807は、映像の前後するフレ
ームを記憶しておくフレームメモリ、703は差分回
路、704は画像変換回路、705は可変長符号化回
路、706、802は画像逆変換回路、707、803
は加算回路、709は相関演算回路、710は動きベク
トル格納メモリ、711は相関パラメータ演算回路、7
12は相関パラメータ格納メモリ、713は動きベクト
ル補正回路、714はアダマール変換演算回路、715
はアダマール変換係数しきい値処理回路、716、80
5はアダマール変換逆演算回路、717、806は動き
ベクトル格納メモリ、718、808は読みだし制御回
路、719は画像符号出力端子、800は画像符号入力
端子、801は復号化回路、804は復号されたデジタ
ル画像をアナログ映像信号に変換するD/A変換回路、
809は映像信号出力端子である。
【0113】ここで、本例は特許請求の範囲第6項に該
当する画像符号化装置であり、アダマール変換演算回路
714等が動きベクトル変換手段を構成し、可変長符号
化回路705が動きベクトル符号化手段を構成してい
る。
【0114】次に、上記第2の例について、図7、図
8、図13、図14を用いて説明する。尚、図13は動
きベクトル階層符号化の説明図、図14は動きベクトル
の直交変換処理の説明図である。
【0115】第2の例は第1の例と同じく動き補償画
像を用いたフレーム間符号化を行う画像符号化装置であ
る。第1の例と第2の例の異なるところは、動き補償画
像生成と動きベクトル符号化の構成が異なるだけであ
り、具体的には符号化装置において、動きベクトル補間
回路314をアダマール変換演算回路714、アダマー
ル変換係数しきい値処理回路715、アダマール変換逆
演算回路716に置き換えたことが異なる。これに対応
して画像復号化装置においても、動きベクトル補間回路
405をアダマール変換逆演算回路805に置き換えて
いる。この置換に対して、動きベクトル格納メモリ71
7、806、読みだし制御回路718、808、可変長
符号化回路705、復号化回路801の仕様が若干こと
なるが、置換部分を除く各ブロックの処理は基本的に
1の例と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0116】置換部分の処理に付いて以下に説明する。
本例では、動きベクトル補正回路713により滑らかに
得られた動きベクトルについて、アダマール変換演算回
路714では、図13に示すように動きベクトル検出を
行なった4つのブロックを一つのブロックとして扱い直
交変換を施す。これを(数47)、(数48)、(数4
9)、(数50)、(数51)に示す。
【0117】
【数47】
【0118】
【数48】
【0119】
【数49】
【0120】
【数50】
【0121】
【数51】
【0122】これにより、縦横18×22ブロックにお
ける動きベクトル水平成分は図14に示すように、9×
11のh0、h1、h2、h3の4成分に分解される。
(数47)〜(数51)では、動きベクトルの水平成分
uのみを示したが、vも同様の処理でアダマール変換が行
なわれる。
【0123】アダマール変換される4つのブロックの動
きが全て等しいとき、h0係数以外のh1、h2、h3
は全て零になる。特に本例では動きベクトルが滑らかに
求められるために動き情報はh0係数に集中する。アダ
マール変換を施した後の、変換係数をh0、h1、h
2、h3の順に並べた系列に対してハフマン符号化を用
いた可変長符号化を行い高能率に符号化を行なう。これ
は可変長符号化回路705で行なわれる。本例ではこの
符号化を行なう前に、アダマール変換係数しきい値回路
715により絶対値が1未満のh1、h2、h3の係数
を0に変換し、1以上ではそのまま出力する。しきい値
処理された変換係数を(数52)で表現すると、アダマ
ール変換逆演算回路716は(数53)、(数54)、
(数55)、(数56)で表現される処理を行なう。
【0124】
【数52】
【0125】
【数53】
【0126】
【数54】
【0127】
【数55】
【0128】
【数56】
【0129】以上のアダマール変換としきい値処理の効
果を(数47)がUi,j =(1,3,2,3)tの場合
を例に説明する。この場合、アダマール変換の結果は
(h0i,j=9/2,h0i,j=−3/2,h0i,j=−
1/2,h0i,j=−1/2 )となる。この値をしきい
値処理することなく逆変換するとUi,j は完全に復元さ
れる。本例では、しきい値処理により変換係数をHi,j
(9/2,−3/2,0,0)に変更する。この逆変換
により得られる動きベクトル水平成分は(3/2,3,
3/2,3)となる。ui,jとui+1,jがちょうど両者の
平均をとる値に変更されることになる。
【0130】本例ではアダマール変換によりh0係数に
情報を集中させ、さらにしきい値処理を設けることによ
り、アダマール変換係数の零成分を増やし、より少ない
符号化量で動きベクトルの符号を行なことができる。特
に動きベクトルが滑らかに得られていることからその効
果は大きい。また、しきい値処理により動きベクトルは
完全に再構成されないが、上記の例に見られるように、
しきい値処理がh1、h2、h3の係数であるため、動
きベクトルの再構成結果は平滑化された値となり、大き
な視覚劣化となることがない。またしきい値よりも大き
な差分情報は保存されることから、動きが大きく異なる
ブロック境界はアダマール変換と、その逆変換を経ても
完全に再構成される。
【0131】本例にアダマール変換を用いた理由は、簡
単な回路構成による固定小数点演算で元の動きベクトル
が完全に再構成される点にあるが、傾斜変換などのアダ
マール変換に代わる他の直交変換の利用も考えられる。
【0132】なお、本例で扱う画像が小さいためアダマ
ール変換により9×11の係数を求めたが、さらに大き
な画像では得られたh0係数をさらにアダマール変換し
て、動きベクトルを階層符号化することが考えられる。
【0133】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、請求項1、又は2記載の動きベクトル検出装置
を用いれば隣接するブロック間の相関を利用した滑らか
な動きベクトルが得られる。これにより、ブロック相関
に用いる領域の大きさを小さくしても、比較的安定に動
きベクトルを求めることができる。
【0134】また、請求項3記載の動きベクトル検出装
置では、請求項1又は2記載の動きベクトル検出装置を
利用して画素単位の動きベクトルを生成することができ
る。これは動き補償画像にブロック境界を生じない効果
を持つ。
【0135】
【0136】
【0137】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施例の動きベクトル検
出装置の構成図である。
【図2】本発明にかかる第2の実施例の動きベクトル検
出装置の構成図である。
【図3】本発明にかかる第1の例の画像符号化装置の構
成図である。
【図4】同第1の例の画像符号化装置に対応する画像復
号化装置の構成図である。
【図5】同第1の例における画像変換回路の構成図であ
る。
【図6】同第1の例における画像逆変換回路お構成図で
ある。
【図7】本発明にかかる第2の例の画像符号化装置の構
成図である。
【図8】同第2の例の画像符号化装置に対応する画像復
号化装置の構成図である。
【図9】ブロック相関法の原理を説明する図である。
【図10】ブロック相関処理の動作を説明する図であ
る。
【図11】サブバンド符号化帯域分割を説明する図であ
る。
【図12】サブバンド係数伝送を説明する図である。
【図13】動きベクトル階層符号化を説明する図であ
る。
【図14】動きベクトル直交変換処理を説明する図であ
る。
【符号の説明】
104、309、709 相関演算回路 105、311、711 相関パラメータ演算回路 108、212、313、713 動きベクトル補正回
路 205〜209 差分絶対値和演算回路 210 最小値判定回路 304、704 画像変換回路 305、705 可変長符号化回路 306、402、706、802 画像逆変換回路 314、405 動きベクトル補間回路 401、801 復号化回路 501、502、615、616 水平フィルタ 505〜508、607〜610 垂直フィルタ 513 局所窓設定回路 514 窓係数乗算回路 714 アダマール(H)変換演算回路 715 アダマール(H)変換係数しきい値回路 716、805 アダマール(H)変換逆演算回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 符号化された画像を保持するメモリと、 画像を分割して得られる複数の部分領域について、前記
    メモリから時間的に前後するフレーム画像を読みだし、
    それら異なるフレーム画像の部分領域間の誤差を演算
    し、最小誤差となる前記部分領域間の偏位及びその偏位
    近傍における誤差値を求める誤差演算手段と、 前記最小誤差となる偏位及び前記近傍における誤差値か
    ら偏位を変数とする誤差関数を求める誤差関数演算手段
    と、 前記誤算関数と隣接する部分領域における偏位の変化と
    の和が最小となる偏位を求める最適化手段とを、 備えたことを特徴とする動きベクトル検出装置。
  2. 【請求項2】 符号化された画像を保持するメモリと、 画像を分割して得られる複数の部分領域について、時間
    的に前後するフレーム画像において対応する部分領域間
    の偏位を記憶する偏位記憶手段と、 前記メモリから時間的に前後するフレーム画像を読みだ
    し、前記偏位記憶手段に記憶されている偏位近傍で、そ
    れら異なるフレーム画像の部分領域間の誤差及び、隣接
    する部分領域の偏位との変化の和が最小となる方向を求
    める最小偏位方向演算手段と、 その最小偏位方向演算手段で得られた最小偏位方向へ、
    前記偏位記憶手段に記憶されている偏位を変化させる補
    正手段とを備え、 前記偏位記憶手段は、前記最小偏位方向演算手段と前記
    補正手段を複数回繰り返し動作させた時に記憶された偏
    位を動きベクトルとして出力することを特徴とする動き
    ベクトル検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、又は2記載の前記動きベクト
    ル検出装置と、 その動きベクトル検出装置により得られた複数の動きベ
    クトルを補間して画素毎の動きベクトルを求める動きベ
    クトル補間手段とを、 備えたことを特徴とする動きベクトル検出装置。
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