JP3384741B2 - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

Info

Publication number
JP3384741B2
JP3384741B2 JP05227898A JP5227898A JP3384741B2 JP 3384741 B2 JP3384741 B2 JP 3384741B2 JP 05227898 A JP05227898 A JP 05227898A JP 5227898 A JP5227898 A JP 5227898A JP 3384741 B2 JP3384741 B2 JP 3384741B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
magnetic
core
insulating layer
core layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05227898A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10326405A (ja
Inventor
勝美 楳田
良昭 清水
史生 立園
直人 的野
隆 小倉
裕之 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP05227898A priority Critical patent/JP3384741B2/ja
Publication of JPH10326405A publication Critical patent/JPH10326405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3384741B2 publication Critical patent/JP3384741B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導型ヘッド素子
を具えた薄膜磁気ヘッド、或いは誘導型ヘッド素子及び
磁気抵抗効果型(MR)ヘッド素子を一体に具えた複合型
薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの外部記憶装置とし
てのハードディスクドライブ装置等においては、信号記
録用の誘導型ヘッド素子と、信号再生用の磁気抵抗効果
型ヘッド素子(以下、MRヘッド素子という)とを一体に
具えた複合型薄膜磁気ヘッドが注目されている。
【0003】図67、図68(図67A−A線に沿う断
面)、図69(図67B−B線に沿う断面)及び図70(図
67C−C線に沿う断面)は、米国特許第5,438,7
47号(日本国公開特許公報平7−262519号)の複
合型薄膜磁気ヘッドの構造を表わしている。尚、図67
においては、便宜上、上部絶縁層(72)及び保護層(12)の
図示を省略する。該複合型薄膜磁気ヘッドにおいては、
基板(1)上に、MRヘッド素子として、下部シールド層
(2)、下部絶縁層(31)、MR素子層(4)、電極層(図示
省略)及び上部絶縁層(32)が順次積層されている。
【0004】MRヘッド素子上には、誘導型ヘッド素子
として、下部コア層(5)、ギャップスペーサ層(6)、下
部絶縁層(71)、コイル層(8)、上部絶縁層(72)及び上部
コア層(90)が順次積層されている。下部コア層(5)は、
基板(1)側に形成された幅広のシールド部(51)と、その
反対側に形成されて、記録媒体と対向すべき媒体対向面
の近傍にてトラック幅と同一幅を有する細幅のコア部(5
2)とから構成され、誘導型ヘッド素子の磁気コアとして
の機能を発揮すると同時に、誘導型ヘッド素子とMRヘ
ッド素子の間の磁気シールドとしての機能を兼ね具えて
いる。又、上部コア層(90)は、基板(1)側に形成された
薄膜の第1コア層(901)と、その反対側に形成された厚
膜の第2コア層(902)とから構成されている。これらの
第1及び第2コア層(901)(902)は共に、媒体対向面の近
傍にてトラック幅と同一幅を有し、図68に示す如く、
下部コア層(5)のコア部(52)、ギャップスペーサ層
(6)、第1コア層(901)及び第2コア層(902)のトラック
幅方向の両側面が夫々、互いに同一の垂直面に揃ってい
る。そして、MRヘッド素子及び誘導型ヘッド素子を覆
って、保護層(12)が形成されている。
【0005】上記複合型薄膜磁気ヘッドの製造工程にお
いては、レジストフレームを用いたメッキ法によって上
部コア層(90)を形成した後、該上部コア層(90)をマスク
とするイオンビームエッチング法によって、下部コア層
(5)のコア部(52)を形成する。尚、レジスト層を用いた
イオンビームエッチング法によって、下部コア層(5)の
コア部(52)及び上部コア層(90)を同時に形成することも
可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記複合型薄膜磁気ヘ
ッドにおいては、図69に示す如く、ギャップスペーサ
層(6)の表面から上部絶縁層(72)の表面にかけて大きな
段差部C3が形成され、該複合型薄膜磁気ヘッドの製造
方法においては、段差部C3上に、上部コア層(90)を形
成するためのレジストフレーム或いはレジスト層が形成
される。しかしながら、この様に大きな段差部C3上
に、レジストフレーム或いはレジスト層を精度良く形成
することは困難であり、所定形状のレジストフレーム或
いはレジスト層が得られない。特に、高記録密度化に対
応するべく3μm以下のトラック幅の狭い複合型薄膜磁
気ヘッドを製造する場合、レジストフレーム或いはレジ
スト層の形成の精度は、更に低下する。この結果、所期
の幅を有する上部コア層を得ることが出来ず、正確なト
ラック幅が得られないこととなって、製造工程の歩留り
が低下する問題がある。
【0007】尚、本願出願人は、日本国公開特許公報平
9−161222号に、2層レジストを用いたイオンビ
ームエッチング法によって上部コア層を形成する技術を
開示しているが、この場合においても上記複合型薄膜磁
気ヘッドと同様に大きな段差部が形成されるため、2層
レジスト形成の精度が低く、所定形状の2層レジストが
得られない。本発明の目的は、正確なトラック幅が得ら
れ、歩留りの高い製造が可能な薄膜磁気ヘッド及びその
製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】そこで、本発明者らは、正
確なトラック幅を得て製造工程の歩留りを向上させるべ
く、鋭意研究を重ねた結果、記録媒体上に形成されるト
ラック幅は、上部コア層の下層部によって規定され、上
部コア層の上層部はトラック幅に殆ど影響を与えないこ
とを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、基板上に
少なくとも1つの誘導型ヘッド素子を具え、該誘導型ヘ
ッド素子は、下部コア層と上部コア層の間に、記録媒体
と対向すべき媒体対向面から所定のギャップ深さだけ後
退した位置に形成されて、該位置にデプスエンド規制面
を有する下部非磁性絶縁層と、下部非磁性絶縁層上にコ
イル層を介して形成された上部絶縁層とを具えている。
又、誘導型ヘッド素子は、下部コア層と上部コア層の間
に、媒体対向面から少なくとも下部非磁性絶縁層のデプ
スエンド規制面と同一深さまで拡がるギャップスペーサ
層を具えている。 上部コア層は、ギャップスペーサ層
上に形成され、少なくとも媒体対向面の近傍にて記録媒
体上のトラック幅と同一幅を有する第1コア層と、媒体
対向面から第1コア層の上面を経て上部絶縁層の上面に
拡がる第2コア層とから構成され、該上部コア層は、媒
体対向面から下部非磁性絶縁層のデプスエンド規制面ま
で拡がる領域にて上部絶縁層の上面に拡がる領域よりも
大きい膜厚を有している。そして、第1コア層の上面
は、下部非磁性絶縁層の上面と同一平面に揃えて、或い
は下部非磁性絶縁層の上面よりも高く形成されている。
具体的には、前記誘導型ヘッド素子の下方にMRヘッド
素子を具え、誘導型ヘッド素子の下部コア層は、上部コ
ア層側に形成された細幅のコア部と、基板側に形成され
てコア部よりも大きな幅を有するシールド部とから構成
され、ギャップスペーサ層と下部コア層のコア部のトラ
ック幅方向の両側面は、第1コア層のトラック幅方向の
両側面と同一の垂直面に揃えて形成されている。
【0010】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの第1の製造
方法は、基板(1)上にMRヘッド素子を形成する工程
と、該ヘッド素子上に誘導型ヘッド素子を形成する工程
とから構成される。誘導型ヘッド素子形成工程は、MR
ヘッド素子上に下部磁性層(500)を形成する下部磁性層
形成工程と、下部磁性層(500)の表面にギャップスペー
サ層(6)を形成するギャップスペーサ層形成工程と、ギ
ャップスペーサ層(6)の表面に、記録媒体と対向すべき
媒体対向面から所定のギャップ深さだけ後退した位置よ
り後方に拡がる下部絶縁層(71)を形成する下部絶縁層形
成工程と、ギャップスペーサ層(6)の表面及び下部絶縁
層(71)の表面を覆って上部磁性層(910)を形成する上部
磁性層形成工程と、上部磁性層(910)の表面をレジスト
によって覆うレジスト塗布工程と、レジストの表面に露
光及び現像処理を施して、該レジストを、媒体対向面の
近傍にて記録媒体上のトラック幅と同一幅を有するレジ
スト層(99)に成形するレジスト層形成工程と、レジスト
層(99)を介して、上部磁性層(910)、ギャップスペーサ
層(6)、及び下部磁性層(500)の上層部にエッチングを
施して、レジスト層(99)のトラック幅方向の両側面から
外側に拡がる上部磁性層(910)、ギャップスペーサ層
(6)、及び下部磁性層(500)の上層部を削り取り、下部
磁性層(500)の上層部を、媒体対向面の近傍にて記録媒
体上のトラック幅と同一幅を有するコア部(52)に成形し
て、該コア部(52)を具えた下部コア層(5)を形成する下
部コア層形成工程と、レジスト層(99)を除去するレジス
ト層除去工程と、上部磁性層(910)の表面及び下部絶縁
層(71)の表面に平面加工を施して、上部磁性層(910)
を、媒体対向面から下部絶縁層(71)の前方端面まで拡が
る第1コア層(91a)に成形する第1コア層形成工程と、
平面加工の施された下部絶縁層(71)上に、コイル層(8)
を介して上部絶縁層(72)を形成する上部絶縁層形成工程
と、第1コア層(91a)の表面及び上部絶縁層(72)の表面
に、媒体対向面から第1コア層(91a)の上面を経て上部
絶縁層(72)の上面に拡がる第2コア層(92)を形成して、
第1コア層(91a)と第2コア層(92)とを具えた上部コア
層(9)を形成する第2コア層形成工程とから構成され
る。
【0011】上記第1の製造方法においては、下部絶縁
層形成工程にて、膜厚が例えば1.0μm程度の下部絶
縁層(71)が形成される。従って、ギャップスペーサ層
(6)の表面から下部絶縁層(71)の表面にかけて形成され
る段差部C1の段差は小さく、上部磁性層形成工程にお
いて、段差部C1の存在は、上部磁性層(910)の厚さを
決定する上で無視することが可能である。又、上部コア
層(9)は、第1コア層(91a)と第2コア層(92)からなる
2層構造を有しているので、第1コア層(91a)となる上
部磁性層(910)を、第2コア層(92)の厚さ分だけ薄く形
成することが出来る。上部磁性層(910)は、例えば膜厚
1.2μm程度に薄く形成される。
【0012】一般に、レジスト層を用いたエッチングに
おいては、レジスト層はエッチングの深さに応じて厚く
形成する必要がある。これに対し、本発明の製造方法に
おいては、上述の如く上部磁性層(910)を薄く形成する
ことが出来るので、後の下部コア層形成工程におけるエ
ッチングの深さは、従来よりも浅くなる。従って、レジ
スト塗布工程にて、上部磁性層(910)の表面にレジスト
を薄く塗布することが出来る。この様にレジストの膜厚
が小さいので、レジスト層形成の精度が高い。又、ギャ
ップスペーサ層(6)の表面から下部絶縁層(71)の表面に
かけて形成される段差部C1は小さいので、レジストの
膜厚は略均一となり、露光工程におけるハレーションの
発生が防止され、レジスト層形成の精度が向上する。従
って、レジスト層形成工程にて、精度の高いレジスト層
(99)が得られる。
【0013】下部コア層形成工程では、上述の如く精度
の高いレジスト層(99)をマスクとしてエッチングを施す
ので、上部磁性層(910)のトラック幅規制の精度が向上
して、上部磁性層(910)は、所期の幅に成形されること
になる。又、下部磁性層(500)の上層部は、所期の幅を
有する下部コア層(5)のコア部(52)に成形される。一
方、下部磁性層(500)の下層部にはエッチングを施さな
いので、該下層部はMRヘッド素子上に残存する。この
結果、媒体対向面の近傍にてトラック幅と同一幅を有す
るコア部(52)と、該コア部(52)よりも大きな幅を有する
シールド部(51)とを具えた下部コア層(5)が形成される
ことになる。尚、下部コア層(5)のコア部(52)は、誘導
型ヘッド素子の磁気コアとして機能する一方、シールド
部(51)は、誘導型ヘッド素子とMRヘッド素子の間の磁
気シールドとして機能することになる。
【0014】そして第1コア層形成工程では、上部磁性
層(910)の表面に平面加工を施して、上部磁性層(910)の
表面から下部絶縁層(71)の表面を露出させ、更に上部磁
性層(910)の表面及び下部絶縁層(71)の表面に平面加工
を施して、両表面が揃った時点で平面加工を停止する。
この結果、上部磁性層(910)は、媒体対向面から下部絶
縁層(71)の前方端面までの領域に残存して、第1コア層
(91a)に成形されることになる。ここで、上部磁性層(91
0)は、前記下部コア層形成工程にて所期の幅に成形され
ているので、所期の幅を有する第1コア層(91a)が形成
されることになる。
【0015】本発明の薄膜磁気ヘッドにおいては、上部
コア層(9)の下層部である第1コア層(91a)と、下部コ
ア層(5)の上層部であるコア部(52)とが記録媒体上に形
成されるトラック幅を規定する。ここで、上部コア層
(9)の第1コア層(91a)及び下部コア層(5)のコア部(5
2)は、上述の如く所期の幅に形成されるので、正確なト
ラック幅を得ることが出来る。尚、第2コア層形成工程
においては、第1コア層(91a)の表面から上部絶縁層(7
2)の表面にかけて形成される比較的大きな段差部C2上
に、第2コア層(92)が形成されるので、所定の形状を有
する第2コア層(92)が得られない虞れがあるが、記録媒
体上のトラック幅は第1コア層(91a)によって規定され
るので、第2コア層(92)の幅に多少の誤差が生じたとし
ても、問題にはならない。
【0016】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの第2の製造
方法において、誘導型ヘッド素子形成工程は、MRヘッ
ド素子上に下部磁性層(500)を形成する下部磁性層形成
工程と、下部磁性層(500)の表面にギャップスペーサ層
(6)を形成するギャップスペーサ層形成工程と、ギャッ
プスペーサ層(6)の表面に、媒体対向面から所定のギャ
ップ深さだけ後退した位置より後方に拡がる下部絶縁層
(71)を形成する下部絶縁層形成工程と、ギャップスペー
サ層(6)の表面及び下部絶縁層(71)の表面を覆って上部
磁性層(910)を形成する上部磁性層形成工程と、上部磁
性層(910)の表面及び下部絶縁層(71)の表面に平面加工
を施す平面加工工程と、上部磁性層(910)の表面及び下
部絶縁層(71)の表面をレジストによって覆うレジスト塗
布工程と、レジストの表面に露光及び現像処理を施し
て、該レジストを、媒体対向面の近傍にて記録媒体上の
トラック幅と同一幅を有するレジスト層(99)に成形する
レジスト層形成工程と、レジスト層(99)を介して、上部
磁性層(910)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性
層(500)の上層部にエッチングを施して、レジスト層(9
9)のトラック幅方向の両側面から外側に拡がる上部磁性
層(910)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性層(50
0)の上層部を削り取り、下部磁性層(500)の上層部を、
媒体対向面の近傍にて記録媒体上のトラック幅と同一幅
を有するコア部(52)に成形して、該コア部(52)を具えた
下部コア層(5)を形成すると共に、上部磁性層(910)
を、媒体対向面の近傍にて記録媒体上のトラック幅と同
一幅を有する第1コア層(91a)に成形するコア層形成工
程と、レジスト層(99)を除去するレジスト層除去工程
と、前記下部絶縁層(71)上に、コイル層(8)を介して上
部絶縁層(72)を形成する上部絶縁層形成工程と、第1コ
ア層(91a)の表面及び上部絶縁層(72)の表面に、媒体対
向面から第1コア層(91a)の上面を経て上部絶縁層(72)
の上面に拡がる第2コア層(92)を形成して、第1コア層
(91a)と第2コア層(92)とを具えた上部コア層(9)を形
成する第2コア層形成工程とから構成される。
【0017】上記第2の製造方法における平面加工工程
では、上部磁性層(910)の表面に平面加工を施して、上
部磁性層(910)の表面から下部絶縁層(71)の表面を露出
させ、更に上部磁性層(910)の表面及び下部絶縁層(71)
の表面に平面加工を施して、両表面が同一平面に揃った
時点、例えば上部磁性層(910)及び下部絶縁層(71)の膜
厚が1.2μmとなった時点で平面加工を停止する。こ
の結果、上部磁性層(910)は、媒体対向面から下部絶縁
層(71)の前方端面までの領域に残存することになる。こ
の様に上部磁性層(910)の膜厚が小さいので、上記第1
の製造方法と同様に、後のエッチング工程におけるエッ
チングの深さが従来よりも浅くなる。従って、次のレジ
スト塗布工程にて、上部磁性層(910)の表面にレジスト
を薄く塗布することが出来る。
【0018】レジスト層形成工程では、レジストが薄
く、然も上部磁性層(910)の表面と下部絶縁層(71)の表
面が同一平面に揃っているので、レジストの膜厚は均一
となり、露光工程におけるハレーションの発生が確実に
防止され、レジスト層形成の精度が更に向上する。この
結果、コア層形成工程にて、上部磁性層(910)は、所期
の幅を有する第1コア層(91a)に成形されることにな
る。ここで、上部磁性層(910)は、前記平面加工工程終
了後、媒体対向面から下部絶縁層(71)の前方端面の領域
に残存しているので、該領域に拡がる第1コア層(91a)
が形成されることになる。又、下部磁性層(500)の上層
部は、所期の幅を有する下部コア層(5)のコア部(52)に
成形され、媒体対向面の近傍にてトラック幅と同一幅を
有するコア部(52)と、該コア部(52)よりも大きな幅を有
するシールド部(51)とを具えた下部コア層(5)が形成さ
れることになる。
【0019】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの第3の製造
方法において、誘導型ヘッド素子形成工程は、MRヘッ
ド素子上に下部磁性層(500)を形成する下部磁性層形成
工程と、下部磁性層(500)の表面にギャップスペーサ層
(6)を形成するギャップスペーサ層形成工程と、ギャッ
プスペーサ層(6)の表面に上部磁性層(940)を形成する
上部磁性層形成工程と、上部磁性層(940)の表面に、記
録媒体と対向すべき媒体対向面から所定のギャップ深さ
だけ後退した位置まで拡がる第1レジスト層を形成する
レジスト層形成工程と、第1レジスト層を介して、少な
くとも上部磁性層(940)にエッチングを施し、第1レジ
スト層のギャップ深さ方向の後方端面から後方に拡がる
上部磁性層(940)を削り取る第1エッチング工程と、第
1レジスト層を除去するレジスト層除去工程と、上部磁
性層(940)及び被エッチング面を覆って下部絶縁層(710)
を形成する下部絶縁層形成工程と、下部絶縁層(710)の
表面及び上部磁性層(940)の表面に平面加工を施す平面
加工工程と、上記第2の製造方法と同一のレジスト塗布
工程、レジスト層形成工程、コア層形成工程、レジスト
層除去工程、上部絶縁層形成工程及び第2コア層形成工
程とから構成される。
【0020】上記第3の製造方法における第1エッチン
グ工程では、上部磁性層(940)は、媒体対向面から第1
レジスト層のギャップ深さ方向の後方端面までの領域に
残存することになる。尚、該エッチング工程において、
第1レジスト層の後方端面から後方に拡がるギャップス
ペーサ層(6)及び下部磁性層(500)が削り取られたとし
ても問題にはならない。平面加工工程では、下部絶縁層
(710)の表面に平面加工を施して、下部絶縁層(710)の表
面から上部磁性層(940)の表面を露出させ、更に下部絶
縁層(710)の表面及び上部磁性層(940)の表面に平面加工
を施して、両表面が揃った時点で平面加工を停止する。
この結果、媒体対向面から所定のギャップ深さだけ後退
した位置より後方に拡がる下部絶縁層(710)が形成され
ることになる。
【0021】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの第4の製造
方法において、誘導型ヘッド素子形成工程は、MRヘッ
ド素子上に下部磁性層(530)を形成する下部磁性層形成
工程と、下部磁性層(530)の表面にギャップスペーサ層
(6)を形成するギャップスペーサ層形成工程と、ギャッ
プスペーサ層(6)の表面に、記録媒体と対向すべき媒体
対向面から所定のギャップ深さだけ後退した位置より後
方に拡がって、該位置から後方側に徐々に高く傾斜する
斜面(731)を有する絶縁層(730)を形成する絶縁層形成工
程と、ギャップスペーサ層(6)の表面及び絶縁層(730)
の表面を覆って上部磁性層(960)を形成する上部磁性層
形成工程と、上部磁性層(960)の表面に、媒体対向面の
近傍にて記録媒体上のトラック幅と同一幅を有すると共
に、絶縁層(730)の斜面(731)上に基板(1)に対して垂直
な後方端面(981)を有するレジスト層(98)を形成するレ
ジスト層形成工程と、レジスト層(98)を介して、上部磁
性層(960)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性層
(530)の上層部にエッチングを施し、レジスト層(98)の
後方端面(981)から後方に拡がる上部磁性層(960)、絶縁
層(730)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性層(53
0)の上層部を削り取って、上部磁性層(960)、絶縁層(73
0)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性層(530)の
上層部の後方端面を同一垂直面に揃え、絶縁層(730)を
デプスエンド規定層(73)に成形すると共に、レジスト層
(98)のトラック幅方向の両側面から外側に拡がる上部磁
性層(960)、絶縁層(730)、ギャップスペーサ層(6)、及
び下部磁性層(530)の上層部を削り取り、下部磁性層(53
0)の上層部を、媒体対向面の近傍にて記録媒体上のトラ
ック幅と同一幅を有するコア部(55)に成形して、該コア
部(55)を具えた下部コア層(53)を形成するエッチング工
程と、上部磁性層(960)、デプスエンド規定層(73)、ギ
ャップスペーサ層(6)及び下部コア層(53)の表面を覆っ
て、上部磁性層(960)と同程度の硬度を有する非磁性高
硬度層(13)を形成する非磁性高硬度層形成工程と、非磁
性高硬度層(13)の表面及び上部磁性層(960)の表面にデ
プスエンド規定層(73)に達しない深さまで平面加工を施
して、上部磁性層(960)の全表面を露出させ、上部磁性
層(960)を第1コア層(96a)に成形する第1コア層形成工
程と、前記平面加工によって第1コア層(96a)の後方に
形成された非磁性高硬度層(13)の表面領域に、コイル層
(8)を介して上部絶縁層(72)を形成する上部絶縁層形成
工程と、第1コア層(96a)の表面及び上部絶縁層(72)の
表面に、媒体対向面から第1コア層(96a)の上面を経て
上部絶縁層(72)の上面に拡がる第2コア層(92)を形成し
て、第1コア層(96a)と第2コア層(92)とを具えた上部
コア層(95)を形成する第2コア層形成工程とから構成さ
れる。
【0022】上記第4の製造方法におけるエッチング工
程では、レジスト層(98)の後方端面(981)は基板(1)に
対して垂直に形成されているので、上部磁性層(960)、
絶縁層(730)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性
層(530)の上層部の後方端面は同一垂直面Rに揃えられ
る。又、レジスト層(98)の後方端面(981)は絶縁層(730)
の斜面(731)の途中に形成されているため、絶縁層(730)
は、先端部が残存して、媒体対向面から所定のギャップ
深さだけ後退した位置より後方側に徐々に傾斜するデプ
スエンド規制面DE″を有するデプスエンド規定層(73)
に成形されることになる。
【0023】第1コア層形成工程では、非磁性高硬度層
(13)の表面に平面加工を施して、非磁性高硬度層(13)の
表面から上部磁性層(960)の表面を露出させ、更に非磁
性高硬度層(13)の表面及び上部磁性層(960)の表面に、
デプスエンド規定層(73)に達しない深さまで平面加工を
施す。ここで、上部磁性層(960)の後方端面は、上述の
如く垂直面に形成されているので、非磁性高硬度層(13)
と上部磁性層(960)の接合面は垂直面となっている。従
って、非磁性高硬度層(13)の表面及び上部磁性層(960)
の表面に平面加工を進めていく過程で、両表面の境界S
は、常に一定位置に存在する。この結果、平面加工工程
終了後、平面加工の深さにばらつきが生じたとしても、
非磁性高硬度層(13)の表面と上部磁性層(960)の表面の
境界Sが所期の位置からずれることはない。又、非磁性
高硬度層(13)は、上部磁性層(960)と同程度の硬度を有
しているので、平面加工は、非磁性高硬度層(13)の表面
と上部磁性層(960)の表面とで略均一に進行する。この
結果、平面加工工程終了後、非磁性高硬度層(13)の表面
と上部磁性層(960)の表面は夫々平面に形成されて、互
いに同一の平面に揃うことになる。この様にして、上部
磁性層(960)は第1コア層(96a)に成形されることにな
る。又、非磁性高硬度層(13)は、第1コア層(96a)、ギ
ャップスペーサ層(6)、及び下部コア層(53)のコア部(5
5)のトラック幅方向の両側部と、これらの層の後方端面
から後方に残存することになる。
【0024】そして、上部絶縁層形成工程では、第1コ
ア層(96a)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部コア層
(53)のコア部(55)の後方端面から後方に拡がる非磁性高
硬度層(13)の表面領域に、上部絶縁層(72)を形成する。
ここで、非磁性高硬度層(13)の表面と第1コア層(96a)
の表面の境界Sは、上述の如く所期の位置に存在すると
共に、非磁性高硬度層(13)の表面と第1コア層(96a)の
表面は互いに同一の平面に揃っているので、上部絶縁層
(72)の先端Eを、非磁性高硬度層(13)の表面と第1コア
層(96a)の表面の境界Sに確実に一致させることが出来
る。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法
によれば、記録媒体上に形成されるトラック幅を規定す
る上部コア層の下層部、即ち第1コア層を高精度に形成
することが出来るので、正確なトラック幅が得られ、歩
留りの高い製造が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、誘導型ヘッド素
子及びMRヘッド素子を一体に具えた複合型薄膜磁気ヘ
ッドに実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明
する。第1実施例 図1、図2(図1A−A線に沿う断面)、図3(図1B−
B線に沿う断面)及び図4(図1C−C線に沿う断面)
は、本実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの構造を表わして
いる。尚、図1においては、便宜上、上部絶縁層(72)及
び保護層(12)の図示を省略する。本実施例の複合型薄膜
磁気ヘッドにおいては、基板(1)上に、MRヘッド素子
として、下部シールド層(2)が形成され、下部シールド
層(2)上には、下部絶縁層(31)を介してMR素子層(4)
及び電極層(図示省略)が形成されている。そして、MR
素子層(4)を覆って上部絶縁層(32)が形成されている。
【0027】上部絶縁層(32)上には、誘導型ヘッド素子
として、下部コア層(5)が形成されている。下部コア層
(5)は、基板(1)側に形成された幅広のシールド部(51)
と、その反対側に形成された細幅のコア部(52)とから構
成され、該コア部(52)は、記録媒体と対向すべき媒体対
向面の近傍にて記録媒体上のトラック幅と同一幅を有し
ている。下部コア層(5)は、誘導型ヘッド素子の磁気コ
アとしての機能を発揮すると同時に、誘導型ヘッド素子
とMRヘッド素子の間の磁気シールドとしての機能を兼
ね具えている。下部コア層(5)上には、媒体対向面の近
傍にてトラック幅と同一幅を有するギャップスペーサ層
(6)が形成されている。ギャップスペーサ層(6)上に
は、媒体対向面から所定のギャップ深さ(デプス長)だけ
後退した位置に下部絶縁層(71)が形成され、下部絶縁層
(71)は、MR素子層(4)側の先端から後方側に徐々に高
く傾斜するデプスエンド規制面DEを有している。そし
て、下部絶縁層(71)上には、コイル層(8)が形成され、
コイル層(8)を覆って上部絶縁層(72)が形成されてい
る。
【0028】ギャップスペーサ層(6)及び上部絶縁層(7
2)上には、上部コア層(9)が形成され、上部コア層(9)
は、図3及び図4に示す如く基板(1)側に形成されたフ
ロント第1コア層(91a)及びバック第1コア層(91b)と、
その反対側に形成された第2コア層(92)とから構成され
ている。フロント第1コア層(91a)は、媒体対向面から
下部絶縁層(71)のデプスエンド規制面DEまで拡がる領
域に形成される一方、バック第1コア層(91b)は、下部
絶縁層(71)の後方端面から後方に拡がる領域に形成され
ている。又、第2コア層(92)は、媒体対向面からフロン
ト第1コア層(91a)、上部絶縁層(72)及びバック第1コ
ア層(91b)の上面に拡がり、上部コア層(9)は、媒体対
向面から下部絶縁層(71)のデプスエンド規制面DEまで
拡がる領域にて、フロント第1コア層(91a)の厚さ分だ
け、上部絶縁層(72)の上面に拡がる領域よりも膜厚が大
きくなっている。
【0029】フロント第1コア層(91a)は、記録媒体上
のトラック幅と同一幅を有すると共に、第2コア層(92)
は、媒体対向面の近傍にて記録媒体上のトラック幅と同
一幅を有し、第2コア層(92)、フロント第1コア層(91
a)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部コア層(5)のコ
ア部(52)のトラック幅方向の両側面は夫々、図2に示す
如く媒体対向面の近傍にて、互いに同一の垂直面に揃っ
ている。又、下部コア層(5)のコア部(52)、ギャップス
ペーサ層(6)、及びフロント第1コア層(91a)のトラッ
ク幅方向の両側には、下部コア層(5)のシールド部(51)
を覆って非磁性高硬度層(11)が形成され、非磁性高硬度
層(11)、フロント第1コア層(91a)、下部絶縁層(71)、
及びバック第1コア層(91b)の上面は夫々平面に形成さ
れて、互いに同一の平面に揃っている。そして、上部コ
ア層(9)の第2コア層(92)を覆って、保護層(12)が形成
されている。
【0030】上記複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法につ
いて、図7乃至図25に基づき具体的に説明する。尚、
複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法においては、基板(1)
となるウエハ(10)上に、多数のヘッドを同時に形成する
のであるが、図7乃至図25は、1つのヘッドについ
て、上部絶縁層(32)を形成した後、保護層(12)を形成す
るまでの具体的な工程を表わしている。図7、図8(図
7A−A線に沿う断面)及び図9(図7B−B線に沿う断
面)に示す如く、先ず、MRヘッド素子として、下部シ
ールド層(2)、下部絶縁層(31)、MR素子層(4)、電極
層(図示省略)、及び上部絶縁層(32)を順次形成する。こ
こまでの工程は従来と同一である。
【0031】続いて、上部絶縁層(32)の全表面に下部磁
性層(500)を成膜した後、下部磁性層(500)の全表面に、
例えば膜厚0.2μmのギャップスペーサ層(6)を成膜
する。そして、ギャップスペーサ層(6)の表面に、感光
性樹脂、例えばフォトレジストを塗布した後、該フォト
レジストに所定のマスクパターンを用いた露光、現像及
び硬化処理を施して、フォトレジストを、所定の形状を
有する下部絶縁層(71)に成形する。下部絶縁層(71)は、
媒体対向面となる位置から所定のギャップ深さだけ後退
した位置に形成され、該位置から後方側に徐々に高く傾
斜するデプスエンド規制面DEを有している。尚、デプ
スエンド規制面DEの傾斜は、フォトレジストが硬化す
る過程で形成される。又、下部絶縁層(71)は、バック第
1コア層(91b)を形成すべき位置に、バック第1コア層
(91b)に応じた平面形状の開口(711)を有し、ギャップス
ペーサ層(6)の表面は、該開口(711)にて下部絶縁層(7
1)の表面から露出している。下部絶縁層(71)は、例えば
1.0μmの膜厚を有している。
【0032】次に、図10、図11(図10A−A線に
沿う断面)、図12(図10B−B線に沿う断面)及び図
13(図10C−C線に沿う断面)に示す如く、ギャップ
スペーサ層(6)及び下部絶縁層(71)の全表面に上部磁性
層(910)を成膜する。ここで、下部絶縁層(71)は、前述
の如く膜厚が1.0μmと小さく、図12及び図13に
示す如くギャップスペーサ層(6)の表面から下部絶縁層
(71)の表面にかけて形成される段差部C1の段差が小さ
いので、段差部C1の存在は、上部磁性層(910)の厚さ
を決定する上で無視することが可能であり、上部磁性層
(910)は、例えば膜厚1.2μm程度に薄く形成される。
【0033】その後、上部磁性層(910)の全表面にレジ
ストを塗布した後、該レジストに露光及び現像処理を施
して、レジストを、媒体対向面となる位置の近傍にてト
ラック幅と同一幅を有する平面形状のレジスト層(99)に
成形する。ここで、後のエッチング工程においては、膜
厚1.2μmの上部磁性層(910)、膜厚0.2μmのギャ
ップスペーサ層(6)、及び下部磁性層(500)の表面から
1.5μmの上層部にイオンビームエッチングを施すの
で、エッチングの深さは3.0μm程度と浅い。従っ
て、レジストは、例えば5.0μm程度に薄く塗布され
る。この様に、レジストの膜厚が小さいので、レジスト
層形成の精度は高く、又、図12及び図13に示す如く
ギャップスペーサ層(6)の表面から下部絶縁層(71)の表
面にかけて形成される段差部C1は小さいので、レジス
トの膜厚が略均一となって、露光工程におけるハレーシ
ョンの発生が防止される。この結果、所定形状のレジス
ト層(99)が精度良く得られることになる。
【0034】続いて、レジスト層(99)、上部磁性層(91
0)、ギャップスペーサ層(6)及び下部磁性層(500)の表
面にイオンビームエッチングを施して、レジスト層(99)
のトラック幅方向の両側面から外側に拡がる上部磁性層
(910)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性層(500)
の上層部を削り取って、図14、図15(図14A−A
線に沿う断面)、図16(図14B−B線に沿う断面)及
び図17(図14C−C線に沿う断面)に示す如く、上部
磁性層(910)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性
層(500)の上層部のトラック幅方向の両側面を互いに同
一の垂直面に揃える。ここでレジスト層(99)は、前述の
如く精度良く形成されているので、上部磁性層(910)、
ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性層(500)の上層
部は、媒体対向面となる位置の近傍にて、所期の幅、即
ちトラック幅と同一幅を有している。この様にして、上
部磁性層(910)の上層部が下部コア層(5)のコア部(52)
に成形されることになる。一方、下部磁性層(500)の下
層部にはイオンビームエッチングを施さないので、該下
層部は上部絶縁層(32)の全表面に残存することになる。
この結果、媒体対向面となる位置の近傍にてトラック幅
と同一幅を有するコア部(52)と、該コア部(52)よりも大
きな幅を有するシールド部(51)とを具えた下部コア層
(5)が形成される。尚、上記イオンビームエッチング法
の代わりに、反応性イオンエッチング法を採用すること
も可能である。
【0035】次に、レジスト層(99)を除去した後、図1
8、図19(図18A−A線に沿う断面)、図20(図1
8B−B線に沿う断面)及び図21(図18C−C線に沿
う断面)に示す如く、上部磁性層(910)及び下部コア層
(5)を覆って、例えばAl23或いはSiO2からなる
非磁性高硬度層(11)を成膜した後、非磁性高硬度層(11)
の表面に研磨を施して、下部絶縁層(71)及び上部磁性層
(910)の表面を非磁性高硬度層(11)の表面から露出さ
せ、非磁性高硬度層(11)の表面、下部絶縁層(71)の表面
及び上部磁性層(910)の表面を夫々平面に形成して、互
いに同一平面に揃える。この結果、上部磁性層(910)
が、下部絶縁層(71)のデプスエンド規制面DEよりも前
方領域、及び下部絶縁層(71)の開口(711)領域に残存し
て、下部絶縁層(71)の上面と同一平面に揃う上面を有す
るフロント第1コア層(91a)及びバック第1コア層(91b)
が形成されることになる。ここで、上部磁性層(910)
は、前述の如く媒体対向面となる位置の近傍にてトラッ
ク幅と同一幅を有しているので、トラック幅と同一幅を
有するフロント第1コア層(91a)が形成されることにな
る。
【0036】その後、周知の工程によって、図22、図
23(図22A−A線に沿う断面)、図24(図22B−
B線に沿う断面)及び図25(図22C−C線に沿う断
面)に示す如く、下部絶縁層(71)上にコイル層(8)を形
成した後、コイル層(8)を覆って上部絶縁層(72)を形成
する。尚、図22においては、便宜上、上部絶縁層(72)
の図示を省略している。次に、イオンビームエッチング
を用いた周知の工程によって、フロント第1コア層(91
a)、上部絶縁層(72)及びバック第1コア層(91b)の表面
に、第2コア層(92)を形成する。そして、第2コア層(9
2)及び非磁性高硬度層(11)を覆って保護層(12)を成膜す
る。尚、図22においては、便宜上、保護層(12)の図示
を省略している。最後に、ウエハ(10)をヘッド毎に切断
した後、MR素子層(4)側の切断面に、F−F線で示す
媒体対向面となる位置まで研磨を施して、複合型薄膜磁
気ヘッドを完成する。
【0037】本実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの製造方
法においては、記録媒体上のトラック幅を規定するフロ
ント第1コア層(91a)は、上述の如く所期の幅に精度良
く形成される。この結果、正確なトラック幅を得ること
が出来、歩留りの高い製造が可能となる。尚、第2コア
層(92)は、図3に示す如く、フロント第1コア層(91a)
の表面から上部絶縁層(72)の表面にかけて形成される大
きな段差部C2上に形成されるため、所定形状の第2コ
ア層(92)が得られない虞れがあるが、トラック幅はフロ
ント第1コア層(91a)の幅によって規定されるので、第
2コア層(92)の幅に多少の誤差が生じたとしても問題に
はならない。
【0038】第2実施例 本実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの構造は、図1乃至図
4に示す第1実施例と同一であるので説明を省略する。
又、本実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの製造工程におい
ては、下部絶縁層(71)の形成工程までの工程は第1実施
例と同一である。図26乃至図39は、下部絶縁層(71)
を形成した後、下部コア層(5)を形成するまでの具体的
な工程を表わしている。図26、図27(図26A−A
線に沿う断面)及び図28(図26B−B線に沿う断面)
に示す如く、ウエハ(10)上には、下部シールド層(2)、
下部絶縁層(31)、MR素子層(4)、電極層(図示省略)、
上部絶縁層(32)、下部磁性層(500)、ギャップスペーサ
層(6)及び下部絶縁層(71)が順次形成されている。
【0039】先ず、ギャップスペーサ層(6)及び下部絶
縁層(71)を覆って、上部磁性層(910)を成膜する。次
に、上部磁性層(910)の表面に研磨を施して、図29、
図30(図29A−A線に沿う断面)及び図31(図29
B−B線に沿う断面)に示す如く、下部絶縁層(71)の表
面を上部磁性層(910)の表面から露出させ、上部磁性層
(910)の表面と下部絶縁層(71)の表面を夫々平面に形成
して、互いに同一平面に揃える。ここで研磨加工は、下
部絶縁層(71)の膜厚が、例えば1.2μmとなった時点
で停止され、この時点で、上部磁性層(910)は下部絶縁
層(71)のデプスエンド規制面DE′よりも前方領域、及
び下部絶縁層(71)の開口(711)領域に残存することにな
る。
【0040】その後、上部磁性層(910)及び下部絶縁層
(71)の全表面に、図32、図33(A−A線に沿う断
面)、図34(B−B線に沿う断面)及び図35(C−C線
に沿う断面)に示す如くレジストを塗布した後、該レジ
ストに露光及び現像処理を施して、レジストを、媒体対
向面となる位置の近傍にてトラック幅と同一幅を有する
平面形状のレジスト層(99)に成形する。ここで、後のエ
ッチング工程においては、膜厚1.2μmの上部磁性層
(910)、膜厚0.2μmのギャップスペーサ層(6)、及び
下部磁性層(500)の表面から1.5μmの上層部にイオン
ビームエッチングを施すので、エッチングの深さは3.
0μm程度と浅い。従って、レジストは、例えば5.0
μm程度に薄く塗布される。この様にレジストの膜厚が
小さいのでレジスト層形成の精度が高く、又、図34及
び図35に示す如く上部磁性層(910)の表面と下部絶縁
層(71)の表面とが同一平面に揃っているので、レジスト
の膜厚が均一となって、露光工程におけるハレーション
の発生が確実に防止される。この結果、所定形状のレジ
スト層(99)が精度良く得られる。
【0041】続いて、第1実施例と同様に、レジスト層
(99)、上部磁性層(910)、ギャップスペーサ層(6)及び
下部磁性層(500)の表面にイオンビームエッチングを施
して、レジスト層(99)のトラック幅方向の両側面から外
側に拡がる上部磁性層(910)、ギャップスペーサ層
(6)、及び下部磁性層(500)の上層部を削り取って、図
36、図37(図36A−A線に沿う断面)、図38(図
36B−B線に沿う断面)及び図39(図36C−C線に
沿う断面)に示す如く、上部磁性層(910)、ギャップスペ
ーサ層(6)、及び下部磁性層(500)の上層部のトラック
幅方向の両側面を夫々、互いに同一の垂直面に揃える。
ここでレジスト層(99)は、前述の如く所定形状に精度良
く形成されているので、上部磁性層(910)、ギャップス
ペーサ層(6)、及び下部磁性層(500)の上層部は、媒体
対向面となる位置の近傍にて、所期の幅、即ちトラック
幅と同一幅を有している。この様にして、下部磁性層(5
00)の上層部が下部コア層(5)のコア部(52)に成形され
ることになる。
【0042】一方、下部磁性層(500)の下層部にはイオ
ンビームエッチングを施さないので、該下層部は上部絶
縁層(32)の全表面に残存することになる。この結果、ト
ラック幅と同一幅を有するコア部(52)と、該コア部(52)
よりも大きな幅を有するシールド部(51)とを具えた下部
コア層(5)が形成される。尚、上記イオンビームエッチ
ング法の代わりに、反応性イオンエッチング法を採用す
ることも可能である。その後、図18乃至図25に示す
第1実施例と同一の工程を実行することによって、複合
型薄膜磁気ヘッドを完成する。
【0043】第3実施例 本実施例の複合型薄膜磁気ヘッドは、図40及び図41
に示す如く、上部コア層(93)のフロント第1コア層(94
a)及びバック第1コア層(94b)と、下部絶縁層(710)とを
除いて、図1乃至図4に示す第1実施例の複合型薄膜磁
気ヘッドと同一であるので、その全体構成の説明は省略
する。本実施例の複合型薄膜磁気ヘッドにおいては、下
部絶縁層(710)は、図41に示す如くMR素子層(4)側
の前方端に、基板(1)に対して垂直なデプスエンド規制
面DE′を有している。ギャップスペーサ層(6)上に
は、媒体対向面から該デプスエンド規制面DE′まで拡
がるフロント第1コア層(94a)と、下部絶縁層(710)の後
方端面から後方に拡がるバック第1コア層(94b)とが形
成され、非磁性高硬度層(11)、フロント第1コア層(94
a)、下部絶縁層(710)及びバック第1コア層(94b)の上面
は、互いに同一の平面に揃っている。
【0044】本実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの製造工
程においては、ギャップスペーサ層(6)の形成工程まで
の工程は、第1実施例と同一である。図42乃至図49
は、ギャップスペーサ層(6)を形成した後、下部絶縁層
(710)を形成するまでの具体的な工程を表わしている。
図42、図43(図42A−A線に沿う断面)及び図44
(図42B−B線に沿う断面)に示す如く、ウエハ(10)に
は、下部シールド層(2)、下部絶縁層(31)、MR素子層
(4)、電極層(図示省略)、上部絶縁層(32)、下部磁性層
(500)及びギャップスペーサ層(6)が順次形成されてい
る。
【0045】先ず、ギャップスペーサ層(6)上に、イオ
ンビームエッチング法或いは反応性イオンエッチング法
によって上部磁性層(940)を形成する。ここで、上部磁
性層(940)は、媒体対向面となる位置から所定のギャッ
プ深さだけ後退した位置より前方に拡がる前方側上部磁
性層(940a)と、バック第1コア層(94b)を形成すべき位
置に形成された後方側上部磁性層(940b)とから構成さ
れ、前方側上部磁性層(940a)は、基板(1)に対して垂直
な後方端面(941)を有している。又、後方側上部磁性層
(940b)は、バック第1コア層(94b)に応じた平面形状を
有している。尚、上記エッチング工程において、前方側
上部磁性層(940a)と後方側上部磁性層(940b)の間に形成
されているギャップスペーサ層(6)と下部磁性層(500)
の上層部が、図45に示す如く削り取られたとしても、
問題にはならない。
【0046】次に、前方側上部磁性層(940a)、後方側上
部磁性層(940b)及びギャップスペーサ層(6)を覆って、
図46、図47(図46A−A線に沿う断面)及び図48
(図46B−B線に沿う断面)に示す如く、例えばAl2
3、SiO2或いは感光性樹脂等からなる下部絶縁層(7
10)を成膜する。そして、下部絶縁層(710)の表面に研磨
を施して、図49に示す如く前方側上部磁性層(940a)及
び後方側上部磁性層(940b)の表面を下部絶縁層(710)の
表面から露出させ、前方側上部磁性層(940a)の表面、下
部絶縁層(710)の表面、及び後方側上部磁性層(940b)の
表面を夫々平面に形成して、互いに同一の平面に揃え
る。ここで、前方側上部磁性層(940a)の後方端面(941)
は、上述の如くウエハ(10)に対して垂直に形成されてい
るので、下部絶縁層(710)は、ウエハ(10)に対して垂直
なデプスエンド規制面DE′を有することになる。その
後、図32乃至図39に示す第2実施例と同一の工程を
実行した後、図18乃至図25に示す第1実施例と同一
の工程を実行することによって、複合型薄膜磁気ヘッド
を完成する。
【0047】第4実施例 第1実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの製造工程において
は、図20に示す如くフロント第1コア層(91a)及び下
部絶縁層(71)の表面に研磨を施す際、下部絶縁層(71)の
デプスエンド規制面DEが傾斜しているため、研磨量に
ばらつきが生じた場合、研磨工程終了後のフロント第1
コア層(91a)の表面と下部絶縁層(71)の表面の境界の位
置が、基板(1)に平行な平面内で所期の位置からギャッ
プ深さ方向にずれることがある。又、フロント第1コア
層(91a)は、例えばNiFeから形成される一方、下部
絶縁層(71)は、例えばフォトレジストから形成される。
従って、下部絶縁層(71)の硬度はフロント第1コア層(9
1a)よりも低く、研磨は、下部絶縁層(71)の表面で速く
進行する。この結果、研磨工程終了した時点で、図71
及び図72に示す如く下部絶縁層(71)の表面がフロント
第1コア層(91a)の表面よりも低くなって、フロント第
1コア層(91a)の表面と下部絶縁層(71)の表面の境界に
段差が生じることがある。
【0048】仮に、フロント第1コア層(91a)の表面と
下部絶縁層(71)の表面の境界に、位置のずれや段差が生
じた場合、後の上部絶縁層(72)形成工程において、図3
に示す如くフロント第1コア層(91a)の表面と下部絶縁
層(71)の表面の境界Sと、上部絶縁層(72)の先端Eの位
置を一致させることが困難である。図71に示す如く上
部絶縁層(72)の先端Eが境界Sよりも前方に配置される
と、フロント第1コア層(91a)の上面と第2コア層(92)
の下面の接触面積が小さくなって、磁束が伝達し難くな
る問題がある。一方、図72に示す如く上部絶縁層(72)
の先端Eが境界Sよりも後方に配置されると、下部コア
層(5)の上面と第2コア層(92)の下面の間隔が一部の領
域で狭くなって、磁束の漏れが生じる問題がある。そこ
で本発明者らは、第1実施例の複合型薄膜磁気ヘッドに
改良を加えて、上記問題の発生を未然に防止することが
可能な本実施例の複合型薄膜磁気ヘッドを完成した。
【0049】本実施例の複合型薄膜磁気ヘッドにおいて
は、図50及び図51に示す如く基板(1)上に、MRヘ
ッド素子として、下部シールド層(2)が形成され、下部
シールド層(2)上には、下部絶縁層(31)を介してMR素
子層(4)及び電極層(図示省略)が形成されている。そし
て、MR素子層(4)を覆って上部絶縁層(32)が形成され
ている。ここまでは、第1実施例の複合型薄膜ヘッドと
同一である。上部絶縁層(32)上には、誘導型ヘッド素子
として、例えばNiFeからなる下部コア層(53)が形成
されている。下部コア層(53)は、基板(1)側に形成され
た幅広のシールド部(54)と、その反対側に形成された細
幅のコア部(55)とから構成され、該コア部(55)は、記録
媒体と対向すべき媒体対向面の近傍にて記録媒体上のト
ラック幅と同一幅を有している。
【0050】下部コア層(53)上には、ギャップスペーサ
層(6)及び非磁性高硬度層(13)が形成され、ギャップス
ペーサ層(6)は、媒体対向面の近傍にてトラック幅と同
一幅を有している。一方、非磁性高硬度層(13)は、例え
ばAl23或いはSiO2から形成され、MR素子層
(4)側に、基板(1)に対して垂直な前方端面(130)を有
している。ギャップスペーサ層(6)上には、媒体対向面
から所定のギャップ深さだけ後退した位置に、感光性樹
脂、例えばフォトレジストからなるデプスエンド規定層
(73)が形成されている。デプスエンド規定層(73)は、M
R素子層(4)側の先端から後方側に徐々に高く傾斜する
デプスエンド規制面DE″を有し、デプスエンド規定層
(73)の後方端面は、前記非磁性高硬度層(13)の表面より
も低い位置で、非磁性高硬度層(13)の前方端面(130)に
接している。
【0051】そして、非磁性高硬度層(13)上には、コイ
ル層(8)が形成され、コイル層(8)を覆って上部絶縁層
(72)が形成されている。ギャップスペーサ層(6)、デプ
スエンド規定層(73)及び上部絶縁層(72)の表面には、例
えばNiFeからなる上部コア層(95)が形成されてい
る。上部コア層(95)は、基板(1)側に形成されたフロン
ト第1コア層(96a)及びバック第1コア層(96b)と、その
反対側に形成された第2コア層(92)とから構成されてい
る。フロント第1コア層(96a)は、媒体対向面から非磁
性高硬度層(13)の前方端面(130)まで拡がる領域に形成
される一方、バック第1コア層(96b)は、非磁性高硬度
層(13)の後方端面から後方に拡がる領域に形成されてい
る。又、第2コア層(92)は、媒体対向面からフロント第
1コア層(96a)、上部絶縁層(72)及びバック第1コア層
(96b)の上面に拡がり、上部コア層(95)は、媒体対向面
から非磁性高硬度層(13)のデプスエンド規制面DE″ま
で拡がる領域にて、フロント第1コア層(96a)の厚さ分
だけ、上部絶縁層(72)の上面に拡がる領域よりも膜厚が
大きくなっている。
【0052】フロント第1コア層(96a)、非磁性高硬度
層(13)、及びバック第1コア層(96b)の上面は夫々平面
に形成されて、互いに同一の平面に揃っている。フロン
ト第1コア層(96a)は、記録媒体上のトラック幅と同一
幅を有すると共に、第2コア層(92)は、媒体対向面の近
傍にて記録媒体上のトラック幅と同一幅を有し、第2コ
ア層(92)、フロント第1コア層(96a)、ギャップスペー
サ層(6)、及び下部コア層(53)のコア部(55)のトラック
幅方向の両側面は夫々、図50に示す如く媒体対向面の
近傍にて、同一の垂直面に揃っている。そして、上部コ
ア層(95)の第2コア層(92)を覆って、保護層(12)が形成
されている。
【0053】本実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの製造工
程においては、ギャップスペーサ層(6)の形成工程まで
の工程は、第1実施例と同一である。図52乃至図66
は、ギャップスペーサ層(6)を形成した後、非磁性高硬
度層(13)を形成するまでの具体的な工程を表わしてい
る。図52、図53(図52A−A線に沿う断面)及び図
54(図52B−B線に沿う断面)に示す如く、ウエハ(1
0)上には、下部シールド層(2)、下部絶縁層(31)、MR
素子層(4)、電極層(図示省略)、上部絶縁層(32)、下部
磁性層(530)及びギャップスペーサ層(6)が順次形成さ
れている。先ず、ギャップスペーサ層(6)上に、図7乃
至図9に示す第1実施例の下部絶縁層形成工程と同一の
工程によって、例えばフォトレジストからなる絶縁層(7
30)を形成する。ここで絶縁層(730)は、媒体対向面とな
る位置から所定のギャップ深さだけ後退した位置に形成
され、図54に示す如く、該位置から後方側に徐々に高
く傾斜する斜面(731)を有している。又、絶縁層(730)
は、図52に示す如くバック第1コア層(96b)を形成す
べき位置に、バック第1コア層(96b)に応じた平面形状
の開口(732)を有し、ギャップスペーサ層(6)の表面
は、該開口(732)にて絶縁層(730)の表面から露出してい
る。
【0054】次に、図55、図56(図55A−A線に
沿う断面)及び図57(図55B−B線に沿う断面)に示
す如く、ギャップスペーサ層(6)及び絶縁層(730)の全
表面に、例えばNiFeからなる上部磁性層(960)を成
膜した後、上部磁性層(960)上に、露光及び現像処理に
よってレジスト層(98)を形成する。ここで、レジスト層
(98)は、絶縁層(730)の斜面(731)の途中から前方に拡が
る領域に形成された前方側レジスト層(98a)と、バック
第1コア層(96b)を形成すべき位置に形成された後方側
レジスト層(98b)とから構成されている。前方側レジス
ト層(98a)は、媒体対向面となる位置の近傍にてトラッ
ク幅と同一幅を有すると共に、ウエハ(10)に対して垂直
な後方端面(981)を有している。一方、後方側レジスト
層(98b)は、バック第1コア層(96b)に応じた平面形状を
有している。
【0055】続いて、前方側レジスト層(98a)、後方側
レジスト層(98b)、上部磁性層(960)、絶縁層(730)、ギ
ャップスペーサ層(6)及び下部磁性層(530)の表面にイ
オンビームエッチングを施して、前方側レジスト層(98
a)及び後方側レジスト層(98b)の外周縁から外側に拡が
る上部磁性層(960)、絶縁層(730)、ギャップスペーサ層
(6)、及び下部磁性層(530)の上層部を削り取って、図
58、図59(図58A−A線に沿う断面)及び図60
(図58B−B線に沿う断面)に示す如く、上部磁性層(9
60)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性層(530)の
上層部のトラック幅方向の両側面を夫々、互いに同一の
垂直面に揃えると共に、上部磁性層(960)、絶縁層(73
0)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性層(530)の
上層部に、前方側レジスト層(98a)の後方端面(981)に揃
う垂直面Rを形成する。この様にして、下部磁性層(53
0)の上層部が下部コア層(53)のコア部(55)に成形され、
該コア部(55)とコア部(55)よりも大きな幅を有するシー
ルド部(54)とを具えた下部コア層(53)が形成されること
になる。又、上部磁性層(960)が、前方側レジスト層(98
a)及び後方側レジスト層(98b)の下方に残存して、前方
側上部磁性層(960a)及び後方側上部磁性層(960b)が形成
されると共に、絶縁層(730)の先端部が残存して、デプ
スエンド規定層(73)が形成されることになる。尚、上記
イオンビームエッチング法の代わりに、反応性イオンエ
ッチング法を採用することも可能である。
【0056】そして、前方側レジスト層(98a)及び後方
側レジスト層(98b)を除去する。次に、前方側上部磁性
層(960a)、下部コア層(53)及び後方側上部磁性層(960b)
を覆って、図61、図62(図61A−A線に沿う断面)
及び図63(図61B−B線に沿う断面)に示す如く非磁
性高硬度層(13)を成膜する。ここで、非磁性高硬度層(1
3)は、前方側上部磁性層(960a)及び後方側上部磁性層(9
60b)と同程度の硬度を有する資材、例えばAl23或い
はSiO2から形成される。そして、非磁性高硬度層(1
3)の表面に研磨を施して、先ず前方側上部磁性層(960a)
及び後方側上部磁性層(960b)の表面を非磁性高硬度層(1
3)の表面から露出させ、引き続いて、前方側上部磁性層
(960a)、後方側上部磁性層(960b)及び非磁性高硬度層(1
3)の表面に研磨を施す。この過程で、非磁性高硬度層(1
3)は、前方側上部磁性層(960a)及び後方側上部磁性層(9
60b)と同程度の硬度を有しているため、研磨は、前方側
上部磁性層(960a)及び後方側上部磁性層(960b)の表面
と、非磁性高硬度層(13)の表面とで略均一に進行する。
【0057】この結果、図64、図65(図64A−A
線に沿う断面)及び図66(図64B−B線に沿う断面)
に示す如く、非磁性高硬度層(13)の表面と、前方側上部
磁性層(960a)及び後方側上部磁性層(960b)の表面が夫々
平面に形成されて、互いに同一の平面に揃うことにな
る。この様にして、前方側上部磁性層(960a)及び後方側
上部磁性層(960b)が夫々、フロント第1コア層(96a)及
びバック第1コア層(96b)に成形される。ここで、前方
側上部磁性層(960a)、デプスエンド規定層(73)、ギャッ
プスペーサ層(6)及び下部コア層(53)には、上述の如く
垂直面Rが形成されているので、非磁性高硬度層(13)
は、ウエハ(10)に対して垂直な前方端面(130)を有する
ことになる。従って、研磨を進めていく過程で、フロン
ト第1コア層(96a)の表面と非磁性高硬度層(13)の表面
の境界は、常に一定の位置に存在し、研磨工程終了後、
研磨量にばらつきが生じたとしても、所期の位置からず
れることはない。
【0058】その後、周知の工程によって、図51に示
す如く非磁性高硬度層(13)上にコイル層(8)を形成した
後、コイル層(8)を覆って、所定位置に上部絶縁層(72)
を形成する。ここで、フロント第1コア層(96a)の表面
と非磁性高硬度層(13)の表面の境界は所期の位置に存在
すると共に、フロント第1コア層(96a)及び非磁性高硬
度層(13)の表面は互いに同一の平面に揃っているので、
フロント第1コア層(96a)の表面と非磁性高硬度層(13)
の表面の境界Sと、上部絶縁層(72)の先端Eの位置は確
実に一致することになる。そして、第1実施例と同一の
工程を実行することによって、複合型薄膜磁気ヘッドを
完成する。
【0059】ところで、米国特許第5,452,164号
(日本国公開特許公報平7−225917号)において
は、上部磁極端素子PT2aと下部磁極端素子PT2b
とからなる上部磁極P2を具えた薄膜磁気書込みヘッド
が開示されている。該薄膜磁気書込みヘッドにおいて
は、下部磁極端素子PT2の上面は、導体層108の下層
に形成されている第1絶縁層I1の上面よりも低くなっ
ている。これに対し、上記4つの実施例においては、フ
ロント第1コア層(91a)(94a)(96a)の上面が下部絶縁層
(71)(710)或いは非磁性高硬度層(13)と同一の平面に揃
っている。
【0060】又、上記米国特許の薄膜磁気書込みヘッド
の製造方法においては、露光及び現像処理によってレジ
スト層(97)を形成した後、該レジスト層(97)を用いたイ
オンビームエッチング法によって、デプスエンドDを規
制すると同時に、トラック幅Wを規制する。しかしなが
ら、一般に、露光及び現像処理を用いたレジスト層形成
工程においては、露光時に光が回折するため、図73に
示す如く先端両側部(970)(970)の丸いレジスト層(97)が
形成されることになる。この様に先端両側部(970)(970)
の丸いレジスト層(97)をマスクとして、上述のデプスエ
ンドD及びトラック幅Wを規定するためのイオンビーム
エッチングを行なうので、ギャップ深さが、トラック幅
方向の両側部で所期のギャップ深さよりも浅くなる問題
がある。
【0061】これに対し、本発明の第1、第2及び第4
実施例においては、感光性樹脂に露光、現像及び硬化処
理を施すことによって、デプスエンドを規定する絶縁層
(71)(730)を形成する。ここで、絶縁層(71)(730)は、ト
ラック幅よりも大きなトラック幅方向の幅を有している
ので、絶縁層(71)(730)のトラック幅方向の両側部が丸
くなったとしても、所期のギャップ深さを得ることが出
来る。又、第3実施例においては、デプスエンドを規制
するためのエッチングは、トラック幅を規制するための
エッチングとは別工程によって行なわれ、デプスエンド
を規制するためのエッチング工程においては、トラック
幅方向の幅がトラック幅よりも広いレジスト層が採用さ
れる。従って、先端両側部の丸いレジスト層を用いて、
デプスエンドを規定するためのイオンビームエッチング
が行なわれたとしても、所期のギャップ深さを得ること
が出来る。この様に、本発明は、フロント第1コア層(9
1a)(94a)(96a)の上面が下部絶縁層(71)(710)或いは非磁
性高硬度層(13)と同一の平面に揃っている点、及びデプ
スエンドを規制する工程とトラック幅を規制する工程と
が別工程である点で、米国特許第5,452,164号の
薄膜磁気書込みヘッド及びその製造方法とは異なる。
【0062】本発明の各部構成は上記実施の形態に限ら
ず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形
が可能である。例えば第1実施例において、非磁性高硬
度層(11)形成工程前に、図5に示す如く媒体対向面の近
傍にてフロント第1コア層(91a)、ギャップスペーサ層
(6)、及び下部コア層(5)のコア部(52)のトラック幅方
向の両側面と、その両側に拡がる下部コア層(5)のシー
ルド部(51)の上面とを覆って、例えばTi、Cr、Ta
或いはW等からなる非磁性導電層(66)を形成することも
可能である。この場合、フロント第1コア層(91a)、ギ
ャップスペーサ層(6)、及び下部コア層(5)のコア部(5
2)の両側面からの漏れ磁束の発生が抑制される。
【0063】又、上記何れの実施例においても、第2コ
ア層(92)は、媒体対向面の近傍にてフロント第1コア層
と同一幅を有しているが、記録媒体上のトラック幅はフ
ロント第1コア層(91a)の幅によって規定されるので、
図6に示す如く第2コア層(92)の幅をフロント第1コア
層(91a)よりも大きく形成することも可能である。又、
上記何れの実施例においても、下部コア層(5)(53)とバ
ック第1コア層(91b)(94b)(96b)の間にギャップスペー
サ層(6)が介在しているが、これに限らず、下部コア層
(5)(53)の上面とバック第1コア層(91b)(94b)(96b)の
下面とが接触する構成とすることも可能である。
【0064】更に、上記何れの実施例においても、下部
コア層(5)(53)は、シールド部(51)(54)とコア部(52)(5
5)とから構成されて、誘導型ヘッド素子の磁気コアとし
ての機能を発揮すると同時に、誘導型ヘッド素子とMR
ヘッド素子の間の磁気シールドとしての機能を兼ね具え
ているが、該下部コア層(5)(53)に代えて、誘導型ヘッ
ド素子の磁気コアとしての機能を発揮する下部コア層
と、誘導型ヘッド素子とMRヘッド素子の間の磁気シー
ルドとしての機能を発揮する上部シールド層とを夫々形
成することも可能である。更に又、本発明は、MRヘッ
ド素子及び誘導型ヘッド素子を具えた複合型薄膜磁気ヘ
ッドに限らず、誘導型ヘッド素子のみを具えた誘導型薄
膜磁気ヘッドに実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの平面形状
を表わす平面図である。
【図2】図1A−A線に沿う断面図である。
【図3】図1B−B線に沿う断面図である。
【図4】図1C−C線に沿う断面図である。
【図5】第1実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの変形例を
表わす断面図である。
【図6】第1実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの他の変形
例を表わす断面図である。
【図7】第1実施例の下部絶縁層の平面形状を表わす平
面図である。
【図8】図7A−A線に沿う断面図である。
【図9】図7B−B線に沿う断面図である。
【図10】第1実施例のレジスト層の平面形状を表わす
平面図である。
【図11】図10A−A線に沿う断面図である。
【図12】図10B−B線に沿う断面図である。
【図13】図10C−C線に沿う断面図である。
【図14】下部コア層のシールド部の平面形状を表わす
平面図である。
【図15】図14A−A線に沿う断面図である。
【図16】図14B−B線に沿う断面図である。
【図17】図14C−C線に沿う断面図である。
【図18】第1実施例の非磁性高硬度層の平面形状を表
わす平面図である。
【図19】図18A−A線に沿う断面図である。
【図20】図18B−B線に沿う断面図である。
【図21】図18C−C線に沿う断面図である。
【図22】第1実施例の第2コア層の平面形状を表わす
平面図である。
【図23】図22A−A線に沿う断面図である。
【図24】図22B−B線に沿う断面図である。
【図25】図22C−C線に沿う断面図である。
【図26】第2実施例の上部磁性層の平面形状を表わす
平面図である。
【図27】図26A−A線に沿う断面図である。
【図28】図26B−B線に沿う断面図である。
【図29】研磨工程後の上部磁性層及び下部絶縁層の平
面形状を表わす平面図である。
【図30】図29A−A線に沿う断面図である。
【図31】図29B−B線に沿う断面図である。
【図32】第2実施例のレジスト層の平面形状を表わす
平面図である。
【図33】図32A−A線に沿う断面図である。
【図34】図32B−B線に沿う断面図である。
【図35】図32C−C線に沿う断面図である。
【図36】第2実施例の下部コア層のシールド部の平面
形状を表わす平面図である。
【図37】図36A−A線に沿う断面図である。
【図38】図36B−B線に沿う断面図である。
【図39】図36C−C線に沿う断面図である。
【図40】第3実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの記録媒
体に平行な断面図である。
【図41】第3実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの記録媒
体に垂直な断面図である。
【図42】第3実施例の上部磁性層の平面形状を表わす
平面図である。
【図43】図42A−A線に沿う断面図である。
【図44】図42B−B線に沿う断面図である。
【図45】エッチング深さが深い場合の下部磁性層を表
わす断面図である。
【図46】研磨工程前の下部絶縁層の平面形状を表わす
平面図である。
【図47】図46A−A線に沿う断面図である。
【図48】図46B−B線に沿う断面図である。
【図49】研磨工程後の下部絶縁層の記録媒体に垂直な
断面図である。
【図50】第4実施例の複合型薄膜磁気ヘッドの記録媒
体に平行な断面図である。
【図51】同上の複合型薄膜磁気ヘッドの記録媒体に垂
直な断面図である。
【図52】第4実施例の絶縁層の平面形状を表わす平面
図である。
【図53】図52A−A線に沿う断面図である。
【図54】図52B−B線に沿う断面図である。
【図55】第4実施例のレジスト層の平面形状を表わす
平面図である。
【図56】図55A−A線に沿う断面図である。
【図57】図55B−B線に沿う断面図である。
【図58】前方側上部磁性層及び後方側上部磁性層の平
面形状を表わす平面図である。
【図59】図58A−A線に沿う断面図である。
【図60】図58B−B線に沿う断面図である。
【図61】研磨工程前の非磁性高硬度層の平面形状を表
わす平面図である。
【図62】図61A−A線に沿う断面図である。
【図63】図61B−B線に沿う断面図である。
【図64】研磨工程後の非磁性高硬度層の平面形状を表
わす平面図である。
【図65】図64A−A線に沿う断面図である。
【図66】図64B−B線に沿う断面図である。
【図67】従来の複合型薄膜磁気ヘッドの平面形状を表
わす平面図である。
【図68】図67A−A線に沿う断面図である。
【図69】図67B−B線に沿う断面図である。
【図70】図67C−C線に沿う断面図である。
【図71】上部絶縁層の先端が、フロント第1コア層の
表面と下部絶縁層の表面の境界位置よりも前方にずれた
場合の不具合を説明するための断面図である。
【図72】上部絶縁層の先端が、フロント第1コア層の
表面と下部絶縁層の表面の境界位置よりも後方にずれた
場合の不具合を説明するための断面図である。
【図73】デプスエンドを規制するためのエッチングと
トラック幅を規制するためのエッチングを同一工程によ
って行なった場合の不具合を説明するための断面図であ
る。
【符号の説明】
(1) 基板 (11) 非磁性高硬度層 (5) 下部コア層 (51) シールド部 (52) コア部 (6) ギャップスペーサ層 (71) 下部絶縁層 (72) 上部絶縁層 (8) コイル層 (9) 上部コア層 (91a) フロント第1コア層 (91b) バック第1コア層 (92) 第2コア層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 的野 直人 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 小倉 隆 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 奥田 裕之 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−141621(JP,A) 特開 平3−296907(JP,A) 特開 昭56−145514(JP,A) 特開 昭57−203218(JP,A) 国際公開97/8687(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/31 G11B 5/265 G11B 5/39

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも1つの誘導型ヘッド
    素子を具え、該誘導型ヘッド素子は、下部コア層と上部
    コア層の間に、記録媒体と対向すべき媒体対向面から所
    定のギャップ深さだけ後退した位置に形成されて、該位
    置にデプスエンド規制面を有する下部非磁性絶縁層と、
    下部非磁性絶縁層上にコイル層を介して形成された上部
    絶縁層とを具えると共に、媒体対向面から少なくとも下
    部非磁性絶縁層のデプスエンド規制面と同一深さまで拡
    がるギャップスペーサ層を具えた薄膜磁気ヘッドにおい
    て、 上部コア層は、ギャップスペーサ層上に形成され、媒体
    対向面にて記録媒体上のトラック幅と同一幅を有する第
    1コア層と、媒体対向面から第1コア層の上面を経て上
    部絶縁層の上面に拡がる第2コア層とから構成され、 上部コア層は、媒体対向面から下部非磁性絶縁層のデプ
    スエンド規制面まで拡がる領域にて上部絶縁層の上面に
    拡がる領域よりも大きい膜厚を有し、 下部非磁性絶縁層は、媒体対向面から所定のギャップ深
    さだけ後退した位置から後方側に徐々に高く傾斜するデ
    プスエンド規制面を有するデプスエンド規定層と、第1
    コア層と同等の硬度を有すると共に上部絶縁層の先端位
    置に基板に対して垂直な前方端面を有する非磁性高硬度
    層とから構成され、 デプスエンド規定層の後方端面は、非磁性高硬度層の上
    面と同一高さ或いは該上面よりも低い位置で非磁性高硬
    度層の前方端面に接し、 第1コア層の上面は、非磁性高硬度層の上面と同一平面
    に揃えて、或いは非磁性高硬度層の上面よりも高く形成
    されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記誘導型ヘッド素子の下方に磁気抵抗
    効果型ヘッド素子を具え、 誘導型ヘッド素子の下部コア層は、上部コア層側に形成
    された細幅のコア部と、基板側に形成されてコア部より
    も大きな幅を有するシールド部とから構成され、 ギャップスペーサ層と下部コア層のコア部のトラック幅
    方向の両側面は、第1コア層のトラック幅方向の両側面
    と同一の垂直面に揃えて形成され、 第1コア層、ギャップスペーサ層、及び下部コア層のコ
    ア部のトラック幅方向の両側には、下部コア層のシール
    ド部の表面を覆って、下部非磁性絶縁層の一部を構成す
    る非磁性高硬度層が延在して形成され、 非磁性高硬度層の上面は、第1コア層の上面と同一平面
    に揃えて形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 基板(1)上に磁気抵抗効果型ヘッド素子
    を形成する工程と、該ヘッド素子上に誘導型ヘッド素子
    を形成する工程とからなり、誘導型ヘッド素子形成工程
    は、 磁気抵抗効果型ヘッド素子上に下部磁性層(530)を形成
    する下部磁性層形成工程と、 下部磁性層(530)の表面にギャップスペーサ層(6)を形
    成するギャップスペーサ層形成工程と、 ギャップスペーサ層(6)の表面に、記録媒体と対向すべ
    き媒体対向面から所定のギャップ深さだけ後退した位置
    より後方に拡がって、該位置から後方側に徐々に高く傾
    斜する斜面(731)を有する絶縁層(730)を形成する絶縁層
    形成工程と、 ギャップスペーサ層(6)の表面及び絶縁層(730)の表面
    を覆って上部磁性層(960)を形成する上部磁性層形成工
    程と、 上部磁性層(960)の表面に、媒体対向面にて記録媒体上
    のトラック幅と同一幅を有すると共に、絶縁層(730)の
    斜面(731)上に基板(1)に対して垂直な後方端面(981)を
    有するレジスト層(98)を形成するレジスト層形成工程
    と、 レジスト層(98)を介して、上部磁性層(960)、ギャップ
    スペーサ層(6)、及び下部磁性層(530)の上層部にエッ
    チングを施し、レジスト層(98)の後方端面(981)から後
    方に拡がる上部磁性層(960)、絶縁層(730)、ギャップス
    ペーサ層(6)、及び下部磁性層(530)の上層部を削り取
    って、上部磁性層(960)、絶縁層(730)、ギャップスペー
    サ層(6)、及び下部磁性層(530)の上層部の後方端面を
    同一垂直面に揃え、絶縁層(730)をデプスエンド規定層
    (73)に成形すると共に、レジスト層(98)のトラック幅方
    向の両側面から外側に拡がる上部磁性層(960)、絶縁層
    (730)、ギャップスペーサ層(6)、及び下部磁性層(530)
    の上層部を削り取り、下部磁性層(530)の上層部を、媒
    体対向面にて記録媒体上のトラック幅と同一幅を有する
    コア部(55)に成形して、該コア部(55)を具えた下部コア
    層(53)を形成するエッチング工程と、 上部磁性層(960)、デプスエンド規定層(73)、ギャップ
    スペーサ層(6)及び下部コア層(53)の表面を覆って、上
    部磁性層(960)と同等の硬度を有する非磁性高硬度層(1
    3)を形成する非磁性高硬度層形成工程と、 非磁性高硬度層(13)の表面及び上部磁性層(960)の表面
    にデプスエンド規定層(73)に達しない深さまで平面加工
    を施して、上部磁性層(960)の全表面を露出させ、上部
    磁性層(960)を第1コア層(96a)に成形する第1コア層形
    成工程と、 前記平面加工によって第1コア層(96a)の後方に形成さ
    れた非磁性高硬度層(13)の表面領域に、コイル層(8)を
    介して上部絶縁層(72)を形成する上部絶縁層形成工程
    と、 第1コア層(96a)の表面及び上部絶縁層(72)の表面に、
    媒体対向面から第1コア層(96a)の上面を経て上部絶縁
    層(72)の上面に拡がる第2コア層(92)を形成して、第1
    コア層(96a)と第2コア層(92)とを具えた上部コア層(9
    5)を形成する第2コア層形成工程とから構成されること
    を特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
JP05227898A 1997-03-18 1998-03-04 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3384741B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05227898A JP3384741B2 (ja) 1997-03-18 1998-03-04 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6503797 1997-03-18
JP7619197 1997-03-27
JP9-65037 1997-03-27
JP9-76191 1997-03-27
JP05227898A JP3384741B2 (ja) 1997-03-18 1998-03-04 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10326405A JPH10326405A (ja) 1998-12-08
JP3384741B2 true JP3384741B2 (ja) 2003-03-10

Family

ID=27294597

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05227898A Expired - Fee Related JP3384741B2 (ja) 1997-03-18 1998-03-04 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3384741B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3530068B2 (ja) 1999-04-23 2004-05-24 富士通株式会社 薄膜書き込み磁気ヘッドおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10326405A (ja) 1998-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5649351A (en) Method of making thin film magnetic write head
US7394621B2 (en) Using bilayer lithography process to define neck height for PMR
US6338939B1 (en) Embedded dual coil fabrication process
US20090152119A1 (en) Method for manufacturing magnetic head
JP2002334409A (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
US6282776B1 (en) Magnetic head and method of manufacturing the same
US6510024B2 (en) Magnetic head and method of manufacturing the same
JP4601980B2 (ja) 情報記録媒体
US6768611B2 (en) Thin film magnetic head causing appropriately suppressed side fringing and method of manufacturing the same
US6477765B1 (en) Method of fabricating a magnetic write transducer
JP3384741B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
US7158345B2 (en) Thin-film magnetic head appropriately suppressing side fringing and method for fabricating the same
US6012218A (en) Process for producing thin film magnetic heads
JPH10302219A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよび製造方法
JP3639529B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及び薄膜磁気ヘッドの製造方法
US6563669B1 (en) Inverted write head with high-precision track width definition
JPH03162706A (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
US20010005297A1 (en) Thin film magnetic head and method of making the same
US5768072A (en) Magnetic head for magnetic recording and reproduction
JP3919926B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2796998B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3874599B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3037125B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JPH10172111A (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JPH11283211A (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091227

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091227

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111227

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111227

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121227

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131227

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees